JPH094388A - シールドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継手 - Google Patents

シールドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継手

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JPH094388A
JPH094388A JP7176580A JP17658095A JPH094388A JP H094388 A JPH094388 A JP H094388A JP 7176580 A JP7176580 A JP 7176580A JP 17658095 A JP17658095 A JP 17658095A JP H094388 A JPH094388 A JP H094388A
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豊 加島
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紀夫 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な耐震性および止水性を兼備し、かつシ
ールドトンネルの規模や、地盤の条件が変化する場合に
も容易に対応でき、しかも経済的に施工し得るシールド
トンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継手を提供す
ること。 【構成】 セグメントリング2の合わせ面側に、円周方
向に所定の間隔をおいて多数の継手プレート6を設け、
トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング2,2間に
シール材10を介装し、同トンネル軸方向xに隣合うセ
グメントリング2,2の継手プレート6,6同士をボル
ト・ナット7・8により締結するシールドトンネルにお
けるセグメントの止水兼耐震継手において、前記ボルト
7の頭部7aと一方の継手プレート6の間と、ナット8
と他方の継手プレート6の間の少なくとも一方に皿ばね
11を介在させるとともに、前記継手プレート6,6間
にも皿型座金11を介在させ、ボルト・ナット7・8を
締め付けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震や地盤沈下による
シールドトンネルの変位が予測される箇所に有効なシー
ルドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シールドトンネルは図11に示
すように、立坑101とシールドトンネル100の取り
付け部106、硬質地盤102と軟弱地盤103が折り
重なっていて地盤が急変する箇所107、別の地下構造
物104によって二次応力を受ける箇所108、硬質地
盤102の急斜面に軟弱地盤103があり、その上に宅
地105が造成されているような、地盤が急変する箇所
109等にわたって築造されるケースが多い。これらの
地盤では、同じ震度の地震に対しても揺れが大きく異な
って来る。
【0003】ところで、地震の大きさや地盤条件の違い
によるシールドトンネルの作用力を吸収緩和するため、
従来図12に示すような可撓性セグメント110を用い
ている。
【0004】この図12に示す可撓性セグメント110
は、スキンプレート111と、枠セグメント112と、
一次止水ゴム113と、その内側に取り付けられた二次
止水ゴム114と、耐力バー115および耐力スリーブ
116のユニットと、カバークロス117と、内面スキ
ンプレート118と、これに支持材119を介して支持
された内面カバーゴム120とを組み立てて構成されて
いる。
【0005】次に、図13は近時開発された弾性ワッシ
ャを示す縦断面図である。
【0006】この図13に示す弾性ワッシャ130は、
上部補強鋼板131と、繊維補強ゴム層132と、下部
補強鋼板133とを積層し、一体化して形成されてい
る。そして、例えば内径d=40mm,外径D=100
mmのものでは、全体の厚さh=32.6mmに形成さ
れている。しかして、この弾性ワッシャ130は例えば
トンネル軸方向xに隣合うセグメントリングの継手部分
に用いられている。
【0007】かかる弾性ワッシャ130は、地震等のボ
ルトの軸方向変位に対して、繊維補強ゴム層132が縮
むことにより、ボルトに作用する引張力を低減させる効
果を持っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
において使用している可撓性セグメント110は、構造
が複雑で施工に多くの工数を要するため、施工費および
工期等の経済性の点から通常は1基の可撓性セグメント
110により、地震や地盤沈下等によるシールドトンネ
ル100の全ての変位を吸収させるようにしている。こ
のため、シールドトンネル100の作用力に対して一
次,二次止水ゴム113,114および内面カバーゴム
120の耐久力に問題があり、地震の大きさや地盤条件
の違いによるシールドトンネル100の複雑な挙動に対
する追随性に問題があった。
【0009】一方、図13に示す弾性ワッシャ130に
は、次のような問題がある。
【0010】(a)主材がゴムであるため、経年変化に
より強度が劣化し、これによりボルトの初期導入軸力が
低下してしまう。 (b)前述のごとく主材がゴムのため、ボルト締め付け
時および軸方向力作用時のたわみが大きく、したがって
弾性ワッシャ自体の厚さを厚くする必要があり、弾性ワ
ッシャ130およびボルトのコストアップを招く。 (c)通常のワッシャと同様、トルクレンチによる管理
が必要であり、トルク管理の省力化ができない。 (d)ばね効果があまり期待できないため、増し締めの
低減効果が小さい。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、十分な耐震性および止水
性を兼備し、かつシールドトンネルを良質で安定した形
態に維持でき、さらにはシールドトンネルの規模や、地
盤の条件が変化する場合にも容易に対応でき、しかも経
済的に施工し得るシールドトンネルにおけるセグメント
の止水兼耐震継手を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、止水性および耐震性
をより一層向上させ得るシールドトンネルにおけるセグ
メントの止水兼耐震継手を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明はトンネル軸方向xに隣合うセグメントリン
グ2,2間にシール材10を介装するとともに、トンネ
ル軸方向xに隣合うセグメントリング2,2の継手プレ
ート6,6同士をボルト・ナット7・8により締結し、
さらに前記ボルト7の頭部7aと一方の継手プレート6
の間と、ナット8と他方の継手プレート6の間の少なく
とも一方に皿型座金11を介在させるとともに、前記継
手プレート6,6間にも皿型座金11を介在させ、ボル
ト・ナット7・8を締め付けたものである。
【0014】また、前記目的を達成するため、本発明は
セグメントリング2の合わせ面側に、円周方向に所定の
間隔をおいて多数の継手プレート6を設け、トンネル軸
方向xに隣合うセグメントリング2,2の間に、弾力性
を有する材料によりU字形断面に形成された止水性リン
グ12を、そのU字形の円弧部12aをセグメントリン
グ2の直径方向の外側に向けて介装し、一方のセグメン
トリング2の継手プレート6から止水性リング12を通
って他方の継手プレート6にボルト7を挿通し、ボルト
7にナット8を装着し、前記止水性リング12のウエブ
12b,12b間を通るボルト7の軸部7bに複数枚の
皿型座金11を介在させるとともに、ボルト7の頭部7
aと一方の継手プレート6の間と、ナット8と他方の継
手プレート6の間の少なくとも一方に皿型座金11を介
在させ、ボルト・ナット7・8を締め付けたものであ
る。
【0015】さらに、前記目的を達成するため、本発明
は前記止水性リング12を、鋼線を織り込んだゴムによ
り形成したものである。
【0016】
【作用】本発明では、トンネル軸方向xに隣合うセグメ
ントリング2,2間にシール材10を介装している。ま
た、同トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング2,
2の継手プレート6,6同士をボルト・ナット7・8に
より締結している。そして、ボルト7の頭部7aと一方
の継手プレート6の間と、ナット8と他方の継手プレー
ト6の間の少なくとも一方に皿型座金11を介在させて
いる。さらに、継手プレート6,6間にも皿型座金11
を介在させ、ボルト・ナット7・8を締め付けている。
【0017】このように、継手部に皿型座金11を用い
ていることにより、(1)ボルト・ナット7・8の緩み
を防止できること、(2)ボルト・ナット7・8を必要
な締め付け力に締め付けてもばね力を残存させることが
でき、この残存ばね力の作用により、ボルト7の伸び,
シール材10の変形およびセグメントリング2,2同士
の馴染み等によるボルト・ナット7・8の緩みを的確に
吸収することができること、(3)継手プレート6の端
部に、より近い部分まで接合力を伝えることができるた
め、回転ばねを考慮した引張接合継手の特徴をより一層
良好に生かすことができること、(4)弾性ワッシャの
ごとく強度の劣化の懸念が殆どなく、ボルト7の初期導
入軸力を長期間にわたって維持することができること、
等が相俟って、トンネル軸方向xの圧縮力および引張力
によるたわみを良好に吸収することができる。したがっ
て、シールドトンネルに十分な耐震性および止水性を持
たせることができ、かつシールドトンネルを良質で安定
した形態に維持することができる。
【0018】また、皿型座金11を用いる枚数,配列お
よび並列・直列の組み合わせを適宜選択することによ
り、築造すべきシールドトンネルの規模や、地盤の急変
部,圧密の考えられる粘性土等、地盤の条件が変化する
場合にも、容易にかつ的確に対応することができる。
【0019】さらに、セグメントリング2,2同士の継
手部に皿型座金11を使用することにより、構造が複雑
で組み立て工数の多い可撓性セグメントや、高価な弾性
ワッシャを使用する必要がないので、コスト低減を図る
こともできる。
【0020】また、本発明ではトンネル軸方向xに隣合
うセグメントリング2,2間に、弾力性を有する材料に
よりU字形断面に形成された止水性リング12を、その
U字形の円弧部12aをセグメントリング2の直径方向
の外側に向けて介装している。そして、セグメントリン
グ2,2と止水性リング12とを、セグメントリング2
の円周方向に所定の間隔をおいて装着された多数のボル
ト・ナット7・8により締結している。前記止水性リン
グ12のウエブ12b,12b間にはこの部位を通るボ
ルト7の軸部7bを介して複数枚の皿型座金11を介装
し、ボルト7の頭部7aと一方の継手プレート6の間ま
たは/およびナット8と他方の継手プレート6の間に皿
型座金11を介在させてボルト・ナット7・8を締め付
け、ボルト・ナット7・8が緩まないようにしている。
【0021】このように、本発明では継手部に皿型座金
11を用いたことによる前述の(1)〜(4)の作用
と、U字形断面に形成されかつ同継手部に介装された止
水性リング12の弾力性とにより、トンネル軸方向xの
圧縮力および引張力によるたわみをより一層良好に吸収
することができるし、前述のごとくU字形断面に形成さ
れかつ円弧部12aをセグメントリング2の直径方向の
外側に向けて介装された止水性リング12と、この止水
性リング12をバックアップしている継手部の作用とに
より、止水性を強化することができる。したがって、耐
震性および止水性の向上を図ることができる。
【0022】さらに、本発明では前記止水性リング12
を、鋼線を織り込んだゴムにより形成しているので、耐
震性および止水性をより一層向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】図1は本発明にかかる止水兼耐震継手を用
いたシールドトンネルのセグメントを示す斜視図、図2
は同セグメントを内側から見た展開図、図3は本発明の
一実施例を示す縦断面図、図4は図3のA−A線断面
図、図5は皿型座金の拡大縦断面図、図6は同皿型座金
の底面図、図7は皿型座金の使用例である。
【0025】その図1および図2に示すシールドトンネ
ルのセグメント1は、トンネル軸方向xに止水兼耐震継
手4を介して多数のセグメントリング2を次々に組み立
てて築造されている。
【0026】各セグメントリング2は、継手4′を介し
て円周方向に複数のセグメントピース3を接続して構成
されている。
【0027】トンネル軸方向xに隣合うセグメントリン
グ2,2の止水兼耐震継手4は、ボルトボックス5と、
継手プレート6と、ボルト・ナット7・8とを有して構
成されている。
【0028】そして、接続すべき一方のセグメントリン
グ2の合わせ面側には、円周方向に所定の間隔をおいて
多数のボルトボックス5と継手プレート6とが設けられ
ており、他方のセグメントリング2の合わせ面側にも、
円周方向に前記間隔と同じ間隔をおいて多数のボルトボ
ックス5と継手プレート6とが設けられている。
【0029】前記トンネル軸方向xに隣合うセグメント
リング2,2の合わせ面には、図3に示すように、シー
ル材10が介装されている。
【0030】前記一方のセグメントリング2に設けられ
た継手プレート6から他方のセグメントリング2に設け
られた継手プレート6にわたってボルト7が挿通されて
おり、このボルト7の軸部7bの端部にはナット8が装
着されている。
【0031】前記ボルト7の頭部7aと一方の継手プレ
ート6の間には、4枚の皿型座金11が2枚ずつ直列に
重ね合わせて介在されており、一方の継手プレート6と
他方の継手プレート6間には、6枚の皿型座金11が2
枚ずつ直列に重ね合わせて介在されており、ナット8と
他方の継手プレート6間には、4枚の皿型座金11が2
枚ずつ直列に重ね合わせて介在されている。この皿型座
金11としては皿ばね等があげられる。
【0032】そして、前記ボルト7の頭部7aと継手プ
レート6の間、継手プレート6,6の間、ナット8と他
方の継手プレート6の間に、それぞれ皿型座金11を介
在させたうえで、ボルト・ナット7・8を所定の締め付
け力で締め付けている。
【0033】前記皿型座金11は、中心に穴のある円板
を図5および図6から分かるように、円錐形に加工した
底のない皿形に形成された座金である。この皿型座金1
1に使用されている材料は、みがき特殊帯鋼やばね鋼等
である。
【0034】また、皿型座金11を図7(a)に示すよ
うに、並列重ねにすると2倍の荷重を作用させることが
可能となり、(b)に示すように直列重ねにすると許容
たわみ量を2倍とすることができる。そこで、シールド
トンネルの規模や、地盤の急変部,圧密の考えられる粘
性土等、地盤の条件が変化する場合には、皿型座金11
の枚数、重ね合わせおよび組み合わせ方を適宜選択して
使用する。
【0035】次に、前記実施例の止水兼耐震継手4を組
み立てるに当たっては、前回築造されたセグメントリン
グ2に反力を取ってシールド機をトンネル軸方向xに推
進させた後、シールド機の後方で、前回築造したセグメ
ントリング2のトンネル軸方向xの端面に、シール材1
0を当接させる。ついで、シール材10のトンネル軸方
向xの端面にセグメントピース3を当て、そのセグメン
トピース3に設けられているボルトボックス5を利用し
て、一方の継手プレート6から他方の継手プレート6に
ボルト7を挿通する。そのとき、この実施例ではボルト
7の頭部7aと一方の継手プレート6間に、2枚直列に
2組、合計4枚の皿型座金11を介在させ、また継手プ
レート6,6間を通るボルト7の軸部7bに、2枚直列
に3組、合計6枚の皿型座金11を介装し、さらに他方
の継手プレート6の外側に突出されているボルト7の軸
部7bに、2枚直列に2組、合計4枚の皿型座金11を
装着する。ついで、ボルト7の軸部7bの端部にナット
8を嵌め、ボルト・ナット7・8を所定の締め付け力で
締め付ける。
【0036】さらに、円周方向に隣合うセグメントピー
ス3,3もその継手4′で、ボルト・ナット7・8によ
り接続する。
【0037】以上の動作を繰り返して、前回築造された
セグメントリング2に対してシール材10をはさみ、止
水兼耐震継手4を介して当該回のセグメントリング2を
組み付ける。
【0038】以上説明した図3および図4に示す実施例
の止水兼耐震継手4では、トンネル軸方向xに隣合うセ
グメントリング2,2間にシール材10を介装している
外、継手部に皿型座金11を用いていることにより、ボ
ルト・ナット7・8の緩みを防止できること、ボルト・
ナット7・8を必要な締め付け力に締め付けてもばね力
を残存させることができ、この残存ばねの作用により、
ボルト7の伸び,シール材10の変形およびセグメント
2,2同士の馴染み等によるボルト・ナット7・8の緩
みを的確に吸収することができること、継手プレート6
の端部に、より近い部分まで接合力を伝えることができ
るため、回転ばねを考慮した引張接合継手の特徴をより
一層良好に生かすことができること、弾性ワッシャのご
とく強度の劣化の懸念が殆どなく、ボルト7の初期導入
軸力を長期間にわたって維持することができること等が
相俟って、トンネル軸方向xの圧縮力および引張力によ
るたわみを良好に吸収することができる。
【0039】したがって、シールドトンネルに十分な耐
震性および止水性を持たせることができ、かつシールド
トンネルを良質で安定した形態に維持することができ
る。
【0040】次に、図8は本発明の他の実施例を示す縦
断面図、図9は図8のB−B矢視図、図10は図8のC
−C線断面図である。
【0041】これら図8〜図10に示す実施例の止水兼
耐震継手4は、トンネル軸方向xに隣合うセグメントリ
ング2,2の合わせ面側に、円周方向に所定の間隔をお
いて多数のボルトボックス5と継手プレート6とが設け
られている。他方のセグメントリング2の合わせ面側に
も、円周方向に前記間隔と同じ間隔をおいて多数のボル
トボックス5と継手プレート6とが設けられている。
【0042】前記一方のセグメントリング2と他方のセ
グメントリング2の合わせ面には、U字形断面の止水性
リング12が介装されている。この止水性リング12に
は、円周方向に前記継手プレート6の間隔と同じ間隔を
おいて、ボルト通し穴13が設けられている。
【0043】前記止水性リング12には、高水圧に耐
え、しかもフレキシブルな構造とするため、例えば鋼線
を織り込んだゴム製のものが好適である。
【0044】前記一方のセグメントリング2に設けられ
た継手プレート6と、止水性リング12に設けられたボ
ルト通し穴13と、他方のセグメントリング2に設けら
れた継手プレート6とにわたって、ボルト7が挿通され
ており、このボルト7の軸端部にはナット8が装着され
ている。
【0045】前記ボルト7の頭部7aと一方の継手プレ
ート6の間には、4枚の皿型座金11が2枚ずつ直列に
重ね合わせて介在されており、止水性リング12間を通
るボルト7の軸部7bには、6枚の皿型座金11が2枚
ずつ直列に重ね合わせて介在されており、ナット8と他
方の継手プレート6の間には、4枚の皿型座金11が2
枚ずつ直列に重ね合わせて介在されている。
【0046】以上説明した図8〜図10に示す実施例の
止水兼耐震継手4では、セグメントリング2,2の合わ
せ面間に、弾力性を有する材料によりU字形断面に形成
された止水性リング12を介装していること、セグメン
トリング2,2と止水性リング12とをセグメントリン
グ2の円周方向に所定の間隔をおいて装着された多数の
ボルト・ナット7・8により締結していること、止水性
リング12のウエブ12b,12b間にはこの部位を通
るボルト7の軸部7bを介して2枚直列に3組の皿型座
金11を介装し、またボルト7の頭部7aと一方の継手
プレート6の間には2枚直列に2組の皿型座金11を介
在させ、さらにナット8と他方の継手プレート6の間に
も2枚直列に2組の皿型座金11を介在させてボルト・
ナット7・8を締め付けており、ボルト・ナット7・8
が緩まないようにしている。
【0047】その結果、皿型座金11を用いた継手部の
作用と、止水性リング12の弾力性とにより、トンネル
軸方向xの圧縮力および引張力によるたわみをより一層
良好に吸収することができる。また、前述のごとくU字
形断面に形成されかつ円弧部12aをセグメントリング
2の直径方向の外側に向けて介装された止水性リング1
2と、この止水性リング12をバックアップしている継
手部の作用との相乗作用により止水性を強化することが
できる。
【0048】したがって、この実施例によれば耐震性お
よび止水性の向上を図ることができる。
【0049】なお、前記図8〜図10に示す実施例の他
の作用については、前記図3および図4に示す実施例と
同様である。
【0050】また、前記各実施例とも継手部に皿型座金
11を用いることにより、構造が複雑で組み立て工数の
多い可撓性セグメントや、高価な弾性ワッシャを使用す
る必要がないので、コスト低減を図ることができる。
【0051】さらに、本発明ではボルト・ナット7・8
を所定の締め付け力で締め付け後、ボルト・ナット7・
8および皿型座金11の部位に例えばウレタンゴムを含
んだ塗料を塗布し、弾力性を持った防錆皮膜を施しても
よい。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
発明では、トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング
2,2間にシール材10を介装し、同トンネル軸方向x
に隣合うセグメントリング2,2の継手プレート6,6
同士をボルト・ナット7・8により締結し、さらに前記
ボルト7の頭部7aと一方の継手プレート6の間と、ナ
ット8と他方の継手プレート6の間の少なくとも一方に
皿型座金11を介在させるとともに、前記継手プレート
6,6間にも皿型座金11を介在させ、ボルト・ナット
7・8を締め付けており、継手部に皿型座金11を用い
ていることにより、ボルト・ナット7・8の緩みを防止
できること、ボルト・ナット7・8を必要な締め付け力
に締め付けてもばね力を残存させることができ、この残
存ばね力の作用により、ボルト7の伸び,シール材10
の変形およびセグメントリング2,2同士の馴染み等に
よるボルト・ナット7・8の緩みを的確に吸収すること
ができること、継手プレート6の端部に、より近い部分
まで接合力を伝えることができるため、回転ばねを考慮
した引張接合継手の特徴をより一層良好に生かすことが
できること、弾性ワッシャのごとく強度の劣化の懸念が
殆どなく、ボルト7の初期導入軸力を長期間にわたって
維持することができること等が相俟って、トンネル軸方
向xの圧縮力および引張力によるたわみを良好に吸収す
ることができ、したがってシールドトンネルに十分な耐
震性および止水性を付与し得る効果があり、またシール
ドトンネルを良質で安定した形態に維持し得る効果があ
る。さらに、本発明では皿型座金11を用いる枚数,配
列および並列・直列の組み合わせを適宜選択することに
より、築造すべきシールドトンネルの規模や、地盤の急
変部,圧密の考えられる粘性土等、地盤の条件が変化す
る場合にも、容易にかつ的確に対応し得る効果がある。
しかも、本発明ではセグメントリング2,2同士の継手
部に皿型座金11を使用することにより、構造が複雑で
組み立て工数の多い可撓性セグメントや、高価な弾性ワ
ッシャを使用する必要がないので、コスト低減を図り得
る効果もある。
【0053】また、本発明の請求項2記載の発明では、
トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング2,2の間
に、弾力性を有する材料によりU字形断面に形成された
止水性リング12を、そのU字形の円弧部12aをセグ
メントリング2の直径方向の外側に向けて介装し、一方
のセグメントリング2の継手プレート6から止水性リン
グ12を通って他方の継手プレート6にボルト7を挿通
し、ボルト7にナット8を装着し、前記止水性リング1
2のウエブ12b,12b間を通るボルト7の軸部7b
に複数枚の皿型座金11を介在させるとともに、ボルト
7の頭部7aと一方の継手プレート6の間と、ナット8
と他方の継手プレート6の間の少なくとも一方に皿型座
金11を介在させ、ボルト・ナット7・8を締め付けて
おり、継手部に皿型座金11を用いていることにより、
ボルト・ナット7・8の緩みを防止できること、ボルト
・ナット7・8を必要な締め付け力に締め付けてもばね
力を残存させることができ、この残存ばね力の作用によ
り、ボルト7の伸び,止水性リング12の変形およびセ
グメントリング2,2同士の馴染み等によるボルト・ナ
ット7・8の緩みを的確に吸収することができること、
継手プレート6の端部に、より近い部分まで接合力を伝
えることができるため、回転ばねを考慮した引張接合継
手の特徴をより一層良好に生かすことができること、弾
性ワッシャのごとく強度の劣化の懸念が殆どなく、ボル
ト7の初期導入軸力を長期間にわたって維持することが
できること等が相俟って、トンネル軸方向xの圧縮力お
よび引張力によるたわみを良好に吸収することができる
という作用と、U字形断面に形成されかつ同継手部に介
装された止水性リング12の弾力性とにより、トンネル
軸方向xの圧縮力および引張力によるたわみをより一層
良好に吸収することができるし、前述のごとくU字形断
面に形成されかつ円弧部12aをセグメントリング2の
直径方向の外側に向けて介装された止水性リング12
と、この止水性リング12をバックアップしている継手
部の作用とにより、止水性を強化することができるの
で、耐震性および止水性の向上を図り得る効果がある。
【0054】そして、本発明の請求項3記載の発明で
は、前記止水性リング12を、鋼線を織り込んだゴムに
より形成しているので、耐震性および止水性をより一層
向上させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる止水兼耐震継手を用いたシール
ドトンネルのセグメントを示す斜視図である。
【図2】同セグメントを内側から見た展開図である。
【図3】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】皿型座金の拡大縦断面図である。
【図6】同皿型座金の底面図である。
【図7】皿型座金の使用例である。
【図8】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図9】図8のB−B矢視図である。
【図10】図8のC−C線断面図である。
【図11】シールドトンネルの施工例を示す概要図であ
る。
【図12】セグメントリング同士の従来の継手構造を示
す一部分の縦断面図である。
【図13】セグメント継手に用いられる弾性ワッシャを
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 セグメント 2 セグメントリング 4 止水兼耐震継手 6 継手プレート 7 ボルト 7a ボルトの頭部 7b ボルトの軸部 8 ナット 10 シール材 11 皿型座金 12 止水性リング 12a 止水性リングの円弧部 12b 止水性リングのウエブ 13 ボルト通し穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セグメントリング2の合わせ面側に、円
    周方向に所定の間隔をおいて多数の継手プレート6を設
    け、トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング2,2
    間にシール材10を介装し、同トンネル軸方向xに隣合
    うセグメントリング2,2の継手プレート6,6同士を
    ボルト・ナット7・8により締結するシールドトンネル
    におけるセグメントの止水兼耐震継手において、 前記ボルト7の頭部7aと一方の継手プレート6の間
    と、ナット8と他方の継手プレート6の間の少なくとも
    一方に皿型座金11を介在させるとともに、前記継手プ
    レート6,6間にも皿型座金11を介在させ、 ボルト・ナット7・8を締め付けた、ことを特徴とする
    シールドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継
    手。
  2. 【請求項2】 セグメントリング2の合わせ面側に、円
    周方向に所定の間隔をおいて多数の継手プレート6を設
    け、 トンネル軸方向xに隣合うセグメントリング2,2の間
    に、弾力性を有する材料によりU字形断面に形成された
    止水性リング12を、そのU字形の円弧部12aをセグ
    メントリング2の直径方向の外側に向けて介装し、 一方のセグメントリング2の継手プレート6から止水性
    リング12を通って他方の継手プレート6にボルト7を
    挿通し、ボルト7にナット8を装着し、 前記止水性リング12のウエブ12b,12b間を通る
    ボルト7の軸部7bに複数枚の皿型座金11を介在させ
    るとともに、ボルト7の頭部7aと一方の継手プレート
    6の間と、ナット8と他方の継手プレート6の間の少な
    くとも一方に皿型座金11を介在させ、 ボルト・ナット7・8を締め付けた、ことを特徴とする
    シールドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継
    手。
  3. 【請求項3】 前記止水性リング12を、鋼線を織り込
    んだゴムにより形成したことを特徴とする請求項2記載
    のシールドトンネルにおけるセグメントの止水兼耐震継
    手。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005226359A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Taisei Corp セグメントの接合方法および継手構造体
JP2013036201A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Michinori Umezawa コンクリート製品等の制震継手構造と目地開き対策施工法
CN105019918A (zh) * 2015-07-31 2015-11-04 中铁第六勘察设计院集团有限公司 一种水下盾构隧道结构抗震方法与装置
CN110608053A (zh) * 2019-10-30 2019-12-24 华东交通大学 一种模拟盾构隧道环缝接头的结构

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