JPH0943647A - 利得等化器および光増幅器 - Google Patents

利得等化器および光増幅器

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JPH0943647A
JPH0943647A JP7212652A JP21265295A JPH0943647A JP H0943647 A JPH0943647 A JP H0943647A JP 7212652 A JP7212652 A JP 7212652A JP 21265295 A JP21265295 A JP 21265295A JP H0943647 A JPH0943647 A JP H0943647A
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JP
Japan
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optical
gain
gain equalizer
optical fiber
tilt
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JP7212652A
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English (en)
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Wataru Domon
渉 土門
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い波長範囲における利得等化が可能でかつ安
価な利得等化器、および広い波長範囲においてゲインチ
ルトが小さい光増幅器の提供。 【解決手段】光ファイバ10と光増幅器230が接続さ
れ、光ファイバ10の一部は、外力70および71が加
えられることにより曲げられ、この曲げにより光ファイ
バ10には長波長ほど光損失が増加するような負のゲイ
ンチルト特性が与えられ、光増幅器230のゲインチル
トが、正の波長領域におけるゲインチルトを低減してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は利得等化器及び光増
幅器に関し、特にサブキャリア多重光伝送システムなら
びに波長多重光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】周波数多重された搬送波信号で強度変調
された信号光を伝送するサブキャリア多重(SCM)光
伝送方式は、ケーブルテレビ(CATV)や移動無線等
の搬送波信号を簡単な構成で安価に伝送することが可能
なため、非常に注目されている。
【0003】特に光CATV等の分野では、光増幅器と
光分岐器を用いて信号光の増幅と分岐を行い、多数の利
用者に映像信号を分配する光映像分配システムが近時精
力的に検討されている。
【0004】このSCM光伝送用の光増幅器には、利得
の波長依存性の傾き(ゲインチルト)が小さいことが要
求される。これは、ゲインチルトと、光源のチャーピン
グ(波長のスペクトル変動)の相互作用により、伝送特
性の劣化要因である複合2次相互変調歪(Composite Se
cond Order Distortion:「CSO」という)が発生す
るためである。
【0005】この光増幅器で発生するCSOに関して
は、例えば菊島らによる文献(フォトニクス・テクノロ
ジー・レターズ(Photonics Technology Letters)、Vo
l.3、No.10、pp.945−947、1991)等に詳細に記載され
ている。
【0006】一方、近年、複数の信号光を波長多重して
光伝送するWDM(Wavelength Division Multiplexin
g)光伝送が脚光を浴びている。例えば幹線系光伝送シ
ステムにおいてはその伝送容量増大のため、また光LA
Nなどの光ネットワークにおいても各ノードのアドレス
として波長情報を利用するためなどにWDM技術が適用
される。
【0007】このようなWDM光伝送システムに適用さ
れる光増幅器においても、波長の異なる各信号光が等し
い利得で増幅されるために低ゲインチルト特性が必須と
なる。
【0008】特に幹線系においては、伝送路に光増幅器
を多段接続する光増幅中継系が今後主流となると考えら
れているため、極めて小さいゲインチルト特性が要求さ
れる。
【0009】この光増幅器のゲインチルトを低減するた
めの方法としては、光増幅器自体の利得の波長依存性を
平坦にする方法と、利得の波長依存性を補償するための
利得等化器を挿入する方法に大別される。
【0010】このうち、後者の利得等化器には、光フィ
ルタを利用したものが報告されている。これは、光フィ
ルタの中心波長を信号光の中心波長からずらすことによ
り、信号光に損失のチルトを与え、これによって光増幅
器のゲインチルトを打ち消すものである。
【0011】この光フィルタを用いた利得等化器による
ゲインチルトの低減に関しては、例えば菊島らによる文
献(ジャーナル・オブ・ライトウェーブ・テクノロジー
(Journal of Lightwave Technology)、Vol.10、No.1
0、pp.1443−1448、1992)等に詳細に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の光フィルタを利
用した利得等化器は、利得等化に適当な損失のチルトが
得られる波長範囲が狭いため、WDM伝送システムへの
適用は不可能である。
【0013】また、伝送される信号光が1波の場合で
も、増幅される信号光の波長に応じて光フィルタの中心
波長の調整が必要となる。
【0014】さらに、光フィルタは現状では非常に高価
な部品であるため、利得等化器が高価になってしまう。
【0015】従って、本発明は、上記問題点を解消し、
広い波長範囲における利得等化が可能でかつ安価な利得
等化器、および広い波長範囲においてゲインチルトが小
さい光増幅器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、光ファイバと、該光ファイバの一部また
は全部を曲げ、該光ファイバを伝搬する光信号に曲げ損
失を発生させる光ファイバ曲げ装置とから構成されるこ
とを特徴とする利得等化器を提供する。
【0017】また、本発明は、光信号を増幅する光増幅
媒質を一つ以上有し、該光増幅媒質は入力ポートと出力
ポートとの間に縦続接続されており、該入力ポートから
入力された光信号を該光増幅媒質により増幅して該出力
ポートから出力する光増幅器において、前記光信号が伝
搬される経路内に前記利得等化器が一つ以上挿入されて
いることを特徴とする光増幅器を提供する。
【0018】本発明の光増幅器においては、好ましく
は、前記利得等化器が、前記入力ポートと前記光増幅媒
質との間に挿入されていることを特徴とする。
【0019】また、本発明の光増幅器においては、好ま
しくは、前記利得等化器が、前記光増幅媒質と前記出力
ポートとの間に挿入されていることを特徴とする。
【0020】さらに、本発明の光増幅器においては、好
ましくは、前記入力ポートと前記光増幅媒質との間と、
前記光増幅媒質と前記出力ポートとの間のそれぞれに、
前記利得等化器が一つ以上挿入されていることを特徴と
する。
【0021】そして、本発明の光増幅器においては、好
ましくは、二つの前記光増幅媒質の間に前記利得等化器
が一つ以上挿入されていることを特徴とする。
【0022】また、本発明の光増幅器においては、前記
光増幅媒質のうちの一つ以上が、光増幅機能を有する物
質が添加された光ファイバであることを特徴とする。
【0023】さらに、本発明の光増幅器においては、前
記光増幅機能を有する物質が添加された光ファイバの一
部または全部が、前記光ファイバ曲げ装置によって曲げ
られていることを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明に係る利得等化器は、光ファイバの曲げ
損失を利用して利得を等化する。曲げ損失は、長波長ほ
ど大きく、またその波長依存性は広い波長領域にわたっ
て一様の傾きを有している。さらに、本発明に係る利得
等化器は、基本的に光ファイバを利用しているため極め
て低コストである。
【0025】また、請求項2〜7等に記載される本発明
に係る光増幅器は、請求項1に記載される利得等化器を
利用している。そして、本発明に係る利得等化器は長波
長ほど損失が大きい特性を有しているため、光増幅器単
体のゲインチルトが正の波長領域における利得等化が可
能である。
【0026】特に、請求項3に記載される光増幅器にお
いては、利得等化器の曲げ損失を光入力レベルの変動に
応じて可変させることにより、光増幅媒質への光入力レ
ベルの変動を小さく抑えることができる。この場合、光
入力レベルの変動による光増幅媒質のゲインチルトの変
動の低減が可能である。
【0027】また、請求項4に記載される光増幅器にお
いては、光増幅媒質の後段に利得等化器が設けられてい
るため、利得等化器の光損失による雑音指数の劣化がな
い。さらに、利得等化器の光損失と損失のチルトの関係
を最適化することにより、ゲインチルトが小さく、かつ
出力光レベルが一定に制御された光増幅器を実現するこ
とができる。
【0028】そして、請求項5に記載される光増幅器に
おいては、光増幅媒質の前段の利得等化器を可変光減衰
器として機能させることができる。この場合、光増幅媒
質への光入力レベルを一定とし、光増幅媒質のゲインチ
ルト特性を光増幅器の入力レベルによらず一定とするこ
とが可能である。従って、光増幅媒質の後段の利得等化
器で最適な損失のチルトを固定的に与えることにより、
ゲインチルトが小さく、かつ出力光レベルが一定に制御
された光増幅器が実現可能である。
【0029】さらに、請求項6に記載される光増幅器に
おいては、二つの光増幅媒質の間に利得等化器が挿入さ
れているため、雑音指数の劣化が少なく、かつ高出力動
作が可能である。また、利得等化器は光減衰器としても
機能するため、光の多重反射による雑音特性や歪特性の
劣化を低減することができる。
【0030】そして、請求項8に記載される光増幅器に
おいては、光増幅媒質が利得等化器を兼ねているため、
利得等化のための光ファイバを新たに用意する必要がな
い。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して以下に説明する。
【0032】図1は、本発明の一実施形態に係る利得等
化器、および該利得等化器を用いた光増幅器のゲインチ
ルト低減の動作原理を説明するための図である。
【0033】図1を参照して、本発明の一実施形態に係
る利得等化器は、信号光80が伝搬される光ファイバ1
0で構成される。ここでは、光ファイバ10の一部に外
力70、71が加えられており、これにより光ファイバ
10は折り曲げられている。
【0034】このように光ファイバが曲げられた個所で
は、伝搬される光の閉じ込めが弱くなるために、曲げ損
失が発生する。
【0035】光の閉じ込めは、光の波長が長くなるほど
弱くなるため、曲げ損失には伝搬される信号光の波長が
長いほど大きくなるという性質がある。このため、図1
中の(a)に示すように、利得等化器は、負のゲインチ
ルト特性を有する。このゲインチルトは、数十nmオー
ダの広い波長領域に渡ってほぼ一定である。
【0036】本発明の一実施形態に係る利得等化器を、
例えば図1の(b)に示されるような利得の波長依存性
を有する光増幅器230の前段に接続した場合、外力7
0、71の大きさを適当に調整することによって、図1
の(c)に示すように、光増幅器230のゲインチルト
における正の領域のゲインチルトを低減することが可能
とされる。
【0037】図2及び図3は、本発明の第1の実施形態
の構成を示す図である。図2には、本実施形態における
利得等化器の平面図、また図3には図2のA−A′線の
断面図がそれぞれ示されている。
【0038】図2及び図3において、10は光ファイ
バ、20はファイバ巻き棒、30〜33は支持板(支え
板)、40〜47はバネ部材、50、51は張力器、6
0はケースを示している。
【0039】図2及び図3を参照して、信号光が伝搬さ
れる光ファイバ10は、ファイバ巻き棒20に巻回され
ており、これによって曲げ損失が発生する。
【0040】本実施形態では、ファイバ巻き棒20の直
径により損失の波長依存性の傾き(損失チルト)を調整
することが可能である。
【0041】光ファイバ10は、一例としてコイルバネ
40〜47の弾性部材による付勢力により張力器50、
51に力を印加することによって張力が与えられてお
り、撓むこと無く、ファイバ巻き棒20に巻回される。
なお、本実施形態においては、張力器50、51に力を
印加するための弾性部材としてはコイルバネに限定され
るものではない。
【0042】図4に、本発明の一実施形態に係る利得等
化器を用いて信号光の損失の波長依存性を実際に測定し
た測定結果を示す。図4において、横軸は波長[μ
m]、縦軸は損失チルト[dB/nm]とし、パラメー
タとしてファイバ巻き棒20の直径(4mm,6mm,
10mm)としてある。
【0043】光ファイバ10には、コア径が10μm、
クラッド系が125μmのシングル・モード・ファイバ
が用いられた。
【0044】図4を参照して、波長1.54μmの信号
光に対する損失チルトは、ファイバ巻き棒20の直径が
10mmのとき0.05dB/nm、ファイバ巻き棒2
0の直径が6mmのとき0.18dB/nm、ファイバ
巻き棒20の直径が4mmのとき0.32dB/nmで
あった。
【0045】また、図4に示すように、損失チルトは、
波長1.54μm〜1.56μmの範囲でほぼ一様であ
り、本実施形態に係る利得等化器の広帯域性が示されて
いる。
【0046】図5に、本発明の第2の実施形態の構成を
示す。図5には、本実施形態における利得等化器の平面
図が示されている。
【0047】図5を参照して、光ファイバ10は、その
一部が螺旋状に数回巻かれており、この巻かれた部分が
支え板30、31に挾まれている。
【0048】支え板31は、つまみ(ノブ)150を回
動することによって支え板30方向に移動自在な構造と
なっており、この支え板31を動かすことによって光フ
ァイバ10のファイバ曲がり部位160、161の曲率
半径を変え、損失チルトを可変させることが可能とされ
ている。このように、本実施形態では、損失チルトを簡
便に調整することができる。
【0049】図6に、本実施形態の利得等化器の損失チ
ルトを実際に測定した測定結果を示す。図6の横軸は、
支え板31の相対的な変位である。
【0050】図6から分かるように、本実施形態では、
損失チルトが連続的に調整可能である。
【0051】図7は、本発明の第3の実施形態の構成を
示す図であり、低ゲインチルト特性を有する光増幅器
を、利得等化器を用いて実現した例である。
【0052】図7を参照して、本実施形態に係る光増幅
器230には、エルビウム・ドープ型ファイバ増幅器
(Erbium doped Fiber Amplifer:「EDFA」とい
う)が用いられた。EDFAは光ファイバのコア部分に
希土類イオンEr3+(エルビウム)をドープし、該イオ
ンからの固有な誘導放出を用いた光ファイバ増幅器であ
る。なお、光ファイバ増幅器は一般的に励起光源、信号
光と励起光の重ね合わせ用のカプラ、Erドープファイ
バ、アイソレータ等から構成される。
【0053】EDFAは、励起光源(Erドープファイ
バ励起用半導体レーザ等)130から出力される波長
1.48μmの励起光140がEDFAの出力側から入
力側の向きにWDM(wavelength division multiplexi
ng)カプラ120を介してエルビウム添加ファイバ90
を伝搬する後方励起構造とした。
【0054】利得等化器110としては、図2及び図3
に示した本発明の第1の実施形態の利得等化器が用いら
れており、図7に示すように、エルビウム添加ファイバ
90と入力側の光アイソレータ100との間に挿入され
ている。
【0055】利得等化器110を用いない場合の光増幅
器230のゲインチルトは、信号光の入力レベルが−7
dBmのとき、図8に示すように、波長1540nmか
ら1556nmの範囲において最大0.22dB/nm
であった。
【0056】このEDFAに利得等化器110を用いる
ことにより、図9に示すようなゲインチルト特性が得ら
れた。ここでは、直径が6mmのファイバ巻き棒が使用
された。
【0057】図9に示すように、利得等化器110によ
って、波長1540nmから1556nmの範囲におい
て±0.03dB/nm以下の低ゲインチルト特性が得
られた。
【0058】実際に、EDFAにCATVと周波数配列
の等しい40波のサブキャリアで変調された信号光を入
力してCSOを測定した。
【0059】利得等化器110を用いない場合には、所
要値−60dBc以下に対してCSOは−56.2dB
cであったが、利得等化器110を用いることによりC
SOは−68.7dBcに改善され、本発明の効果が確
認された。
【0060】また、信号光の入力レベルが−3dBmに
変化した際には、利得等化器110のファイバ巻き棒に
巻かれる光ファイバの巻き数を増やして光損失を4dB
増加させることにより、光入力レベルが−7dBmの時
と同等の低ゲインチルト特性が得られた。
【0061】これは、利得等化器110の損失チルト特
性が光ファイバの巻き数とは無関係であることによる。
【0062】図10は、本発明の第4の実施形態に係る
利得等化されたEDFA230の構成を示す。
【0063】本実施形態では、図5に示した利得等化器
110がエルビウム添加ファイバ90とWDMカプラ1
20との間に挿入されている。
【0064】本実施形態では、利得等化器を挿入するこ
とによる雑音指数の劣化を低減できる。実際に本実施形
態では雑音指数は4.8dBであり、利得等化器110
を用いない場合とほぼ同等の雑音指数が得られた。
【0065】また、本実施形態では、利得等化器110
を使用しない場合、信号光入力レベルが増加するほどゲ
インチルトが増加する傾向が見られた。
【0066】そこで、利得等化器110の損失と損失チ
ルトの関係を最適化し、信号光入力レベルに応じて利得
等化器110を調整することにより、信号光入力レベル
が−20dBmから−13dBmの範囲において、出力
レベルが0dBmと一定で、かつ±0.03db/nm
以下の低ゲインチルト特性が実現された。
【0067】図11に、本発明の第5の実施形態の光増
幅器の構成を示す。
【0068】図11を参照して、本実施形態において
は、光アイソレータ100とWDMカプラ120との間
と、エルビウム添加ファイバ90と光アイソレータ10
1との間との2ヶ所に第1、第2の利得等化器110、
111がそれぞれ挿入されている。
【0069】第1の利得等化器110としては、図5に
示される構成の利得等化器が用いられ、第2の利得等化
器111としては図2に示される構成の利得等化器が用
いられた。
【0070】第1の利得等化器110において、螺旋状
に巻かれた光ファイバの直径は、支え板によって変形さ
れない状態で4cmとされた(図5参照)。またこの光
ファイバの巻き数は500回であった。このような径お
よび巻き数に設定することにより、わずかな曲率半径の
変化に対して光損失が大きくなるため、利得等化器11
0は損失のチルトがほぼ無視できる可変光減衰器として
機能する。
【0071】本実施形態では、光損失30dB以下では
損失のチルトは0.01dB/nm以下であった。
【0072】第1の利得等化器110を用いることによ
り、光増幅器230の入力光レベルが−25dBmから
+5dBmの範囲においてエルビウム添加ファイバ90
への入力光レベルを−26.5dBmとすることができ
た。
【0073】このときのエルビウム添加ファイバ90の
ゲインチルトは+0.24dB/nmであり、第2の利
得等化器111を用いてゲインチルトを−0.02dB
/nmに低減することができた。
【0074】図12に、本発明の第6の実施形態の光増
幅器の構成を示す。
【0075】本実施形態では、1.55μm帯の半導体
光増幅器240と、エルビウム添加ファイバ90等から
構成されるEDFAとの間に利得等化器110が挿入さ
れている。
【0076】半導体光増幅器は、注入電流が120mA
の時の増幅帯域の中心波長は1554nm、利得は13
dBだった。また、3dBの増幅帯域幅は40nmであ
り、1550から1558nmではゲインチルトの大き
さは0.01dB/nm以下と非常に小さかった。
【0077】一方、後段のEDFAの1554nmにお
けるゲインチルトは+0.18dB/nmであることか
ら、利得等化器110の損失のチルトを0.18dB/
nmとすることにより、光増幅器230のゲインチルト
は0.01dB/nm以下に低減された。
【0078】本実施形態では、光損失のある利得等化器
110の入力ポート側および出力ポート側にそれぞれ光
増幅器があるため、雑音指数の劣化が少なく、かつ高出
力動作が可能である。実際に本実施形態では、光増幅器
230の雑音指数は5.0dB、最大出力レベルは+1
8dBmと良好な特性が得られた。
【0079】図13に、本発明の第7の実施形態の構成
を示す。図13には、利得等化されたEDFAの構成例
が示されている。
【0080】本実施形態では、図5に示される構成の利
得等化器110が用いられているが、曲げ損失が発生さ
せられる光ファイバには、エルビウム添加ファイバ90
の出力ポート側の一部が用いられた。
【0081】図14に、EDFAのゲインチルト特性の
測定結果を示す。波長1542nmから1559nmの
範囲において±0.03dB/nm以下の低ゲインチル
ト特性が得られた。
【0082】次に、本発明の実施形態によるEDFAを
光増幅中継による波長多重伝送システムに適用した場合
の実験結果について説明する。
【0083】信号光波長は1548nmと1553nm
の2波とし、中継間隔50km、中継段数20段の10
00km伝送を行った。利得等化器110を使用しなか
った時には20dBであった伝送後の信号光のレベル比
は、利得等化器110を使用することによって2.5d
Bに低減され、本発明の実施形態に係るEDFAの有効
性が示された。
【0084】加えて本実施形態のEDFAは、エルビウ
ム添加ファイバ90の出力ポート側で利得等化を行った
ため雑音指数の劣化が少なく、5.0dBの雑音指数が
得られた。
【0085】図15に、本発明の第8の実施形態の構成
を示す。図15には、後方励起によるEDFAに利得等
化を行った例が示されている。
【0086】本実施形態で使用されたEDFAは、自動
利得制御機能を備えている。この自動利得制御機能によ
り、信号入力レベルが変化した場合にもEDFAの利得
およびゲインチルトは一定に保たれる。
【0087】すなわち、図15に示すように、本実施形
態に係るEDFAにおいては、後方自然放出光(amplif
ied spontaneous emission:ASE光)のレベルが一定
になるように励起光のレベルをフィードバック制御する
ことによって自動利得制御を実現している。
【0088】光受信器190は、10:1光カプラ17
0で分岐されたASE光を受信し、ASEレベル信号2
10を出力する。
【0089】ASEレベル信号210が一定になるよう
に、励起光源130から出力される励起光140のレベ
ルを制御回路200を介して制御することにより自動利
得制御が行われる。
【0090】光フィルタ180は、1.48μmの励起
光をカットするために挿入されている。
【0091】このようなEDFAの自動利得制御方法に
ついては、例えば御園らによる文献(「利得一定化制御
を用いたWDMネットワーク用Erドープ光ファイバ増
幅器」、1994年電子情報通信学会秋期大会、B−9
43)等に詳細に記載されている。
【0092】実際に本実施形態で用いられたEDFA
は、波長1552nmの信号光に対する利得が15dB
となるように自動利得制御が行われた。このとき、同波
長におけるゲインチルトは、入力光レベル−30dBm
から−10dBmの範囲において、+0.18dBm/
nmに保たれた。
【0093】このEDFAのWDMカプラ120と光ア
イソレータ101の間に、図5に示した構成の利得等化
器110を挿入し、損失チルトを調整することにより、
EDFA全体のゲインチルトを±0.01dB/nm以
下に低減することができた。
【0094】以上、本発明の各種実施形態を説明した
が、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではな
く、本発明の原理に準ずる各種形態・変形を含むことは
勿論である。例えばエルビウムドープ光ファイバ以外に
も信号光波長帯に応じて他の希土類イオン(Nd3+、P
3+等)ドープの光ファイバ増幅器に対しても本発明は
適用できる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
広い波長範囲における利得等価が可能でかつ安価な利得
等化器、および広い波長範囲においてゲインチルトが小
さい光増幅器の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の利得等化器の原理を説明するための図
である。
【図2】本発明の第1の実施形態の構成を示す平面図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施形態の断面構成を模式的に
示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における光損失の波長
依存性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施形態における、利得等化器
の損失チルト特性を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施形態において、利得等化器
を用いない場合のEDFAのゲインチルト特性を示す図
である。
【図9】本発明の第3の実施形態において、利得等化器
を用いた場合のEDFAのゲインチルト特性を示す図で
ある。
【図10】本発明の第4の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図12】本発明の第6の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図13】本発明の第7の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図14】本発明の第7の実施形態におけるEDFAの
ゲインチルト特性を示す図である。
【図15】本発明の第8の実施形態の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 光ファイバ 20 ファイバ巻き棒 30,31,32,33 支え板 40,41,42,43,44,45,46,47 バ
ネ 50,51 張力器 60 ケース 70,71 外力 80 信号光 90 エルビウム添加ファイバ 100,101 光アイソレータ 110,111 利得等化器 120 WDMカプラ 130 励起光源 140 励起光 150 つまみ 160,161 ファイバ曲がり部位 170 10:1光カプラ 180 光フィルタ 190 光受信器 200 制御回路 210 ASEレベル信号 220 制御信号 230 光増幅器 240 半導体光増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/135 10/13 10/12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が曲げられた光ファイバを
    含み、該光ファイバを伝搬する光信号に所定の曲げ損失
    を発生させてなることを特徴とする利得等化器。
  2. 【請求項2】光信号を増幅する光増幅媒質を一つ以上有
    し、該光増幅媒質は入力ポートと出力ポートとの間に縦
    続接続され、該入力ポートから入力された光信号を該光
    増幅媒質により増幅して該出力ポートから出力する光増
    幅器において、 前記光信号が伝搬される経路内に、少なくとも一部が曲
    げられた光ファイバを含み、該光ファイバを伝搬する光
    信号に曲げ損失を発生させてなる利得等化器が一つ以上
    挿入されたことを特徴とする光増幅器。
  3. 【請求項3】前記利得等化器が、前記入力ポートと前記
    光増幅媒質との間に挿入されていることを特徴とする請
    求項2記載の光増幅器。
  4. 【請求項4】前記利得等化器が、前記光増幅媒質と前記
    出力ポートとの間に挿入されていることを特徴とする請
    求項2記載の光増幅器。
  5. 【請求項5】前記入力ポートと前記光増幅媒質との間
    と、前記光増幅媒質と前記出力ポートとの間のそれぞれ
    に、前記利得等化器が少なくとも一つ挿入されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の光増幅器。
  6. 【請求項6】前記光増幅媒質の二つの間に前記利得等化
    器が少なくとも一つ挿入されていることを特徴とする請
    求項2記載の光増幅器。
  7. 【請求項7】前記光増幅媒質のうちの一つ以上が、光増
    幅機能を有する物質が添加された光ファイバであること
    を特徴とする、請求項2〜6のいずれか一に記載の光増
    幅器。
  8. 【請求項8】前記光増幅機能を有する物質が添加された
    光ファイバの一部または全部が、光ファイバ曲げ手段に
    よって曲げられていることを特徴とする請求項7記載の
    光増幅器。
  9. 【請求項9】前記光ファイバが所定の直径を有する棒状
    部材に巻回されたことを特徴とする請求項1記載の利得
    等化器。
  10. 【請求項10】巻回された前記光ファイバの曲率半径を
    可変させて損失チルトを調整自在とする手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の利得等化器。
  11. 【請求項11】前記光ファイバを互いに対向する2つの
    支持板の間にて巻回し、前記2つの支持板の間隔を可変
    させて損失チルトを所望の値に調整自在とすることを特
    徴とする請求項10記載の利得等化器。
  12. 【請求項12】前記光ファイバに前記光増幅機能を有す
    る物質として希土類イオンがドープされてなることを特
    徴とする請求項7又は8記載の光増幅器。
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