JPH0942218A - シリンダ型アクチュエータ - Google Patents

シリンダ型アクチュエータ

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JPH0942218A
JPH0942218A JP7189413A JP18941395A JPH0942218A JP H0942218 A JPH0942218 A JP H0942218A JP 7189413 A JP7189413 A JP 7189413A JP 18941395 A JP18941395 A JP 18941395A JP H0942218 A JPH0942218 A JP H0942218A
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JP
Japan
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cylinder
piston
exhaust
pressure
actuator
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Application number
JP7189413A
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English (en)
Inventor
Yuichi Takasaki
雄一 高崎
Yukio Nakanishi
之男 中西
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ面との摺動部にシール部材が設けら
れているピストンを有するガス圧駆動のシリンダ型アク
チュエータにおいて、ガス漏れ低減と、低いガス圧から
の作動性確保と、耐久性向上という要求性能の全てを満
足すること。 【構成】 シール部材bを、内周端部がシリンダ面に向
かって開口している環状のシール溝に装着され、外周端
部がシリンダ面と接触を保ち、V字谷部がシリンダ室f
に向かって開いている可撓性素材によるV型パッキンと
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス圧により駆動され
るシリンダ型アクチュエータ、特に、ピストン部からの
ガス漏れを防止するピストンシール技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排気圧等のガス圧にて駆動される
小型のシリンダ型アクチュエータにおいて、ピストン部
からの流体の漏れを防止するシール部材としては、フッ
素樹脂等による樹脂シールリングや合成ゴム等によるO
−リングが適用されるのが周知慣用技術ということがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシリンダ型アクチュエータに適用されるシール部材
にあっては、下記に列挙する問題がある。
【0004】(1) 樹脂シールリング 樹脂シールリングは、弾性復元力が弱く、樹脂シールリ
ングの製造バラツキや組み付けバラツキによる影響で、
ピストンの外周上でのシリンダ面に対する接触圧にバラ
ツキが生じてしまう。このため、排気圧に応じたピスト
ン初期状態からピストンストローク状態までのガス漏れ
をゼロに抑える管理を行なうことができない。
【0005】この結果、ピストンに作用する排気圧が設
定圧に達し、この排気圧と受圧面積による力がリターン
スプリングによる力を上回ることでピストンをストロー
クさせるシリンダ型アクチュエータでは、ガス漏れによ
りピストンに作用する排気圧が設定圧に達するのが遅れ
てしまい、所期のアクチュエータ制御作動が確保されな
い。
【0006】また、長期間使用した場合、ガス漏れに伴
ってシール部位から排気ガス流れを生じ、排気ガスに含
まれる煤や水等がアクチュエータに流入し、シリンダ面
や樹脂シールリングに付着した煤等により摺動抵抗が増
大し、摺動により樹脂シールリングが削れてしまい耐久
性に劣る。
【0007】(2) O−リング O−リングは、弾性復元力が強いが、ピストン初期状態
でガス漏れをゼロに抑えるべく大きく弾性変形をさせて
使用する場合には、ピストンの外周上でのシリンダ面に
対する接触圧が高圧となる。
【0008】この結果、ピストンに作用する排気圧が設
定圧に達し、この排気圧と受圧面積による力がリターン
スプリングによる力を上回ることでピストンをストロー
クさせるシリンダ型アクチュエータでは、ピストンがス
トロークを開始する時にO−リングによる接触圧抵抗が
スプリング力に加わることになり、ピストンに作用する
排気圧が設定圧以上の圧力レベルに達しないことにはピ
ストンのストロークが開始されず、低い排気圧での作動
が確保されない。
【0009】一方、低い排気圧での作動を確保するため
接触圧を低圧に設定した場合、ピストンの外周上で均等
の接触圧を保つのは困難であり、シリンダ面に対し接触
しない部分が形成され、シール部からのガス漏れが発生
する。そして、このガス漏れを許容する状態で長期間使
用した場合、ガス漏れに伴ってシール部位から排気ガス
流れを生じ、排気ガスに含まれる煤や水等がアクチュエ
ータに流入し、シリンダ面やO−リングに付着した煤等
により摺動抵抗が増大し、摺動によりO−リングが削れ
てしまい耐久性に劣る。
【0010】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的とするところは、シリンダ面との摺動
部にシール部材が設けられているピストンを有するガス
圧駆動のシリンダ型アクチュエータにおいて、ガス漏れ
低減と、低いガス圧からの作動性確保と、耐久性向上と
いう要求性能の全てを満足することにある。
【0011】第2の目的とするところは、初期状態での
シール性能を確保しながら、第1の目的を達成すること
にある。
【0012】第3の目的とするところは、素材弾性復元
力が加わった高いシール性能を確保しながら、第1また
は第2の目的を達成することにある。
【0013】第4の目的とするところは、制御型排気系
システムの小型化,簡素化,コスト低減化を達成すると
共に、高制御精度を長期間にわたって維持する有用なシ
リンダ型アクチュエータを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の発明では、図1のクレーム対応図
に示すように、円筒状のシリンダ面を有するシリンダハ
ウジングaと、前記シリンダハウジングa内に摺動可能
に配置され、シリンダ面との摺動部にはシール部材bが
設けられているピストンcと、一端が前記ピストンcに
一体連結され、他端がシリンダハウジングa外に突出す
るピストンシャフトdと、前記ピストンcとシリンダハ
ウジングaとの間に介装され、ピストンcに付勢力を与
えるリターンスプリングeとを備え、前記シリンダハウ
ジングaとピストンcとで囲まれるシリンダ室fに導か
れるガス圧により付勢力に抗してピストンc及びピスト
ンシャフトdをストロークさせるシリンダ型アクチュエ
ータにおいて、前記シール部材bを、内周端部がシリン
ダ面に向かって開口している環状のシール溝に装着さ
れ、外周端部がシリンダ面と接触を保ち、V字谷部がシ
リンダ室fに向かって開いている可撓性素材によるV型
パッキンとしたことを特徴とする。
【0015】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、請
求項1記載のシリンダ型アクチュエータにおいて、前記
V型パッキンの単体の状態でのV字開き角度を、アクチ
ュエータ組み付け状態でのV字開き角度より大きな角度
に設定したことを特徴とする。
【0016】上記第3の目的を達成するため請求項3記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、請
求項1または請求項2記載のシリンダ型アクチュエータ
において、前記V型パッキンを、ゴムを素材とするV型
ゴムパッキンとしたことを特徴とする。
【0017】上記第4の目的を達成するため請求項4記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、排
気系の排気チューブgもしくはマフラh内の排気圧をガ
ス圧とし、エンジンからテールチューブに至る排気系に
設けられた排気系バルブiを開閉制御する制御型排気系
システムのアクチュエータとして適用したことを特徴と
する請求項1乃至請求項3記載のシリンダ型アクチュエ
ータ。
【0018】
【作用】請求項1記載の第1の発明の作用を説明する。
【0019】シリンダ型アクチュエータは、シリンダハ
ウジングaとピストンcとで囲まれるシリンダ室fにガ
ス圧が導かれると、ガス圧とピストン受圧面積による力
がリターンスプリングeによる力より上回ると、リター
ンスプリングeの付勢力に抗してピストンc及びピスト
ンシャフトdがストロークするというアクチュエータ作
動を示す。
【0020】このアクチュエータ作動において、ピスト
ン摺動部からのガス漏れが問題となるが、シール部材b
が、内周端部がシリンダ面に向かって開口している環状
のシール溝に装着され、外周端部がシリンダ面と接触を
保ち、V字谷部がシリンダ室fに向かって開いているV
型パッキンとされているため、V字谷部に作用するガス
圧によるパッキン形状変形力とV字形状及び可撓性素材
により得られる弾性復元力により、シリンダ面に対しピ
ストンcの外周上において、ガス圧が大きくなればなる
ほど接触圧及び接触面積が均等に増大するシール作用を
示す。よって、高ガス圧の時であってもシリンダ面にV
型パッキンが密着し、ピストン摺動部に隙間が形成され
ることなく、ピストン摺動部からのガス漏れが低減され
る。
【0021】また、ピストンcの動作開始時摺動抵抗
は、V型パッキンとシリンダ面との間の接触圧と摩擦係
数により決まるが、上記のように、ガス圧が低い時には
ガス圧によるパッキン形状変形力も小さく、低い接触圧
と小さい接触面積となることで、ピストンcの動作開始
時摺動抵抗が小さく抑えられる。よって、低いガス圧か
らの作動性が確保される。
【0022】さらに、ガス漏れが最小限に低減されるこ
とからシール部でのガス流れが生じなく、ガスに含まれ
る微小固形物がアクチュエータに流入したりシリンダ面
に付着することなく、長期間使用しても摺動抵抗を増大
させることはない。よって、長期間使用してもV型パッ
キンの損傷によりシール性能が損なわれることなくシー
ル部材bの耐久性が向上する。
【0023】請求項2記載の第2の発明の作用を説明す
る。
【0024】V型パッキンの単体の状態でのV字開き角
度が、アクチュエータ組み付け状態でのV字開き角度よ
り大きな角度に設定されているため、アクチュエータ組
み付け状態、つまり、ガス圧の作用しない初期状態で、
V字開き角度が小さくされることによる形状弾性復元力
がシリンダ面との接触圧となり、初期状態でのシール性
能が確保される。
【0025】請求項3記載の第3の発明の作用を説明す
る。
【0026】V型パッキンが、ゴムを素材とするV型ゴ
ムパッキンとされているため、パッキンの持つ弾性復元
力として、ゴム素材を選択したことによる大きな素材弾
性復元力が加えられることになる。よって、弾性復元力
が大きくなる分、シリンダ面との接触圧の均等性が高く
なり、ガス圧のレベルにかかわらず高いシール性能が確
保される。
【0027】請求項4記載の第4の発明の作用を説明す
る。
【0028】走行時、エンジンからの排気ガスにより排
気系の排気チューブgもしくはマフラhから排気圧が圧
力導管等を介してシリンダ型アクチュエータのシリンダ
室fに導かれる。そして、シリンダ室fではこの圧力レ
ベルに応じてピストンcがストロークするため、シリン
ダ型アクチュエータのピストンシャフトdに連結されて
いる排気系バルブiは、このピストンストロークの大き
さに応じてバルブ開度が無段階に変更される。
【0029】したがって、例えば、加速操作時でエンジ
ン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが高まる時に
は、排気系バルブiがバルブ閉から徐々にバルブ開度が
増してバルブ開へと無段階に変更されるため、所定のエ
ンジン回転数にてバルブ閉からバルブ開に一気に切り換
わる場合のように排気静圧や排気音の一時的な低下がな
く、排気静圧特性や排気音特性がリニアに増加する特性
を示し、この結果、バルブ閉からバルブ開へと移行する
エンジン回転領域で行なわれる加速操作時に、滑らかな
加速感と心地良い加速排気音が得られる。
【0030】また、排気系バルブiのアクチュエータと
してシリンダ型アクチュエータを適用したので、電動モ
ータやダイヤフラム式バルブ等をアクチュエータとする
従来システムに比べて、制御型排気系システムの小型
化,簡素化,コスト低減化が達成される。
【0031】さらに、シリンダ型アクチュエータは、上
記のように、ガス漏れ低減と、低いガス圧からの作動性
確保と、耐久性向上という要求性能を満足するアクチュ
エータであるため、高制御精度を長期間にわたって維持
することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0033】まず、構成を説明する。
【0034】図2は本発明実施例のシリンダ型アクチュ
エータが適用された制御型排気系システムを示す図であ
る。
【0035】図2において、1は排気マフラ(マフラh
に相当)、4はマフラインレットチューブ(排気チュー
ブgに相当)、5は第1マフラアウトレットチューブ、
6は第2マフラアウトレットチューブ、10は圧力導
管、11はシリンダ型アクチュエータ、12は制御バル
ブ(排気系バルブiに相当)、13は動圧ガイド部材、
14はアクチュエータ取付ブラケット、15はバルブシ
ャフト、16はバルブ開閉レバーである。
【0036】前記排気マフラ1は、前端板1aと後端板
1bとを有し、前端板1aには図外のエンジンからの排
気ガスが進入してくるマフラインレットチューブ4とマ
フラ内部を経過して排気ガスを排出する第1マフラアウ
トレットチューブ5が接続され、後端板1bには制御バ
ルブ12の開閉制御により排気ガスの排出を調整する第
2マフラアウトレットチューブ6が接続されている。
【0037】前記圧力導管10は、排気マフラ1内に一
端が開口され、その開口端にはマフラインレットチュー
ブ4からの排気ガス流の流れに対向して排気動圧を取り
込むテーパ状の動圧ガイド部材13が設けられている。
そして、圧力導管10の他端は、シリンダ型アクチュエ
ータ11に接続されている。これにより、圧力導管10
は排気静圧と排気動圧に応じた正圧をシリンダ型アクチ
ュエータ11に導く管として構成されている。
【0038】前記シリンダ型アクチュエータ11は、排
気マフラ1の後端板1bにアクチュエータ取付ブラケッ
ト14を介して取り付けられ、そのピストンロッド11
dはバタフライバルブタイプの制御バルブ12のバルブ
シャフト15を回動させるバルブ開閉レバー16にピン
を介して直結されている。
【0039】図3はシリンダ型アクチュエータ11を示
す正面図、図4はシリンダ型アクチュエータ11を示す
左側面図、図5はシリンダ型アクチュエータ11を示す
断面図である。
【0040】図3〜図5において、21はシリンダハウ
ジング、22はシリンダブラケット、23はピストンシ
ヤフト、24は第1ピストンプレート、25は連結ピス
トンプレート、26はV型ゴムパッキン(シール部材b
に相当)、27は第2ピストンプレート、28はリター
ンスプリング、29はスリーブ、30はシリンダ室であ
る。
【0041】前記シリンダハウジング21は、円筒状の
シリンダ面21aと、排気圧導入パイプ部21bと、ブ
ラケット固定爪部21cを有する。
【0042】前記シリンダブラケット22は、シリンダ
ハウジング21の排気圧導入パイプ部21bとは反対側
の開口端面に4箇所の前記爪部21cにより固定され、
中央部にピストンシヤフト23が貫通すると共に該シャ
フト23を支持するスリーブ29が設けられるシャフト
穴22aが開口されている。前記スリーブ29は4箇所
のカシメ部22bにより固定され、また、シリンダブラ
ケット22のシリンダ内端面22cは、ピストンストロ
ークのストッパ面とされている。
【0043】前記第1ピストンプレート24と連結ピス
トンプレート25と第2ピストンプレート27とは、シ
リンダハウジング21のシリンダ面21aを摺動可能な
ピストンを構成する部材で、2つのプレート24,27
を互いに平行に配置し、連結ピストンプレート25にて
連結することにより外周部に環状のシール溝が形成され
る。
【0044】そして、第1ピストンプレート24には、
リターンスプリング28が嵌入される段差凹部24aが
形成され、第2ピストンプレート27は、シリンダハウ
ジング21の端面と接触するストッパプレートを兼ねて
いる。この第2ピストンプレート27とV型ゴムパッキ
ン26とシリンダ面21aとで囲まれる部分がシリンダ
室30である。
【0045】前記V型ゴムパッキン26は、シリンダ面
21aとの摺動部においてガス漏れをシールするシール
部材で、内周端部がシリンダ面21aに向かって開口し
ている環状のシール溝に装着され、外周端部がシリンダ
面と接触を保ち、V字谷部がシリンダ室30に向かって
開いているゴム素材によるパッキンである。
【0046】このV型ゴムパッキン26の単体の状態で
のV字開き角度θは、図6に示すように、アクチュエー
タ組み付け状態でのV字開き角度より大きな角度に設定
されている。
【0047】前記ピストンシャフト23は、一端が第1
ピストンプレート24と第2ピストンプレート27に対
して段差カシメ部23aにより固定され、他端がシリン
ダハウジング21の端板の役目を持つシリンダブラケッ
ト22の外方に突出して配置される。
【0048】前記リターンスプリング28は、第1ピス
トンプレート24とシリンダブラケット22との間に介
装され、両ピストンプレート24,27に付勢力(図5
の右方向)を与える。なお、スプリング28は、エンジ
ン回転数約1500rpm以上の排気圧がシリンダ室3
0に作用した時に移動を開始するようにその付勢力が設
定されている。
【0049】次に、作用を説明する。
【0050】[バルブ開閉作動]走行時、エンジンから
排気ガスが流れてくると、マフラインレットチューブ4
から排気圧に応じた正圧の圧力が圧力導管10を介して
シリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室30に導か
れる。そして、シリンダ室30ではこの圧力レベルに応
じてピストン24,25,27がストロークするため、
シリンダ型アクチュエータ11のピストンシャフト23
に連結されている制御バルブ12は、このピストンスト
ロークの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更され
る。
【0051】[整圧作用]排気ガスはエンジン気筒数や
回転数に応じた周期でガス圧が変動しながらマフライン
レットチューブ4を流れてくる。したがって、そのまま
シリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室30に導い
た場合、脈動圧によりピストンストローク変動し、制御
バルブ12の開閉動作にふらつきが生じる。特に、小型
で低圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用いた
場合、多少の圧力変動があってもこれに応答してしまう
ため、制御バルブ12の開閉動作がふらつき制御が困難
となる。
【0052】これに対し、圧力導管10を排気マフラ1
の内部室から排気圧を導く管としているため、マフライ
ンレットチューブ4から排気マフラ1へ導入される排気
ガスは排気マフラ1への導入と同時に膨張し、サージタ
ンクを設けているのと同様の作用により排気マフラ1に
おいて整圧作用が発揮される。この整圧作用により、制
御バルブ12の開閉動作にふらつきが抑えられ、特に、
脈動が激しいエンジン低回転域でのバルブ制御が可能に
なる。
【0053】[加速操作時の制御バルブ作用]アクセル
を踏み込んでの加速操作時でエンジン回転数の上昇に伴
い排気圧の圧力レベルが高まる時には、上記のように制
御バルブ12がバルブ閉から徐々にバルブ開度が増して
バルブ開へと無段階に変更されるため、滑らかな加速感
と心地良い加速排気音が得られる。
【0054】すなわち、加速感については、バルブ全開
またはバルブ全閉のオン・オフ制御では、加速操作時で
バルブ閉からバルブ開へと切り換わるエンジン回転領域
で排気静圧が一時的に低下する特性を示し、滑らかな加
速感が得られないが、本実施例では、制御バルブ12は
ピストンストロークの大きさに応じてバルブ開度が無段
階に変更されるため、エンジン回転数の上昇に応じて排
気静圧がリニアに増加して、排気抵抗が徐々に小さくな
って滑らかな加速感が得られる。
【0055】同様に、排気音については、バルブ全開ま
たはバルブ全閉のオン・オフ制御では、加速操作時でバ
ルブ閉からバルブ開へと切り換わるエンジン回転領域で
排気音が一時的に低下する特性を示し、違和感のある加
速排気音となるが、本実施例では、制御バルブ12はピ
ストンストロークの大きさに応じてバルブ開度が無段階
に変更されるため、エンジン回転数に応じて排気音がリ
ニアに増加し、心地良い加速排気音が得られる。
【0056】[システムの車両適用時]車両に適用する
にあたって、排気系に設けられたバルブ開閉駆動制御を
行なうアクチュエータとして、排気圧により駆動される
シリンダ型アクチュエータ11を用いているため、モー
タアクチュエータやソレノイドを用いて電子制御するシ
ステムに比べて大幅にシステムのコスト低減が図れる。
【0057】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータ11を用いているため、システムの小型簡
素化が図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設
置スペースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が
達成できる。
【0058】[スプリング機能]上記バルブ開閉駆動制
御において、ピストン24,25,27がストロークを
開始し、制御バルブ12がバルブ閉からバルブ開に移行
する時の排気圧は、シリンダ型アクチュエータ11に内
蔵されているリターンスプリング28の付勢力の大きさ
を決めることで設定される。つまり、リターンスプリン
グ28は、ピストン作動圧を車種等に応じて調整する機
能を持つ。
【0059】一方、シリンダ型アクチュエータ11のピ
ストンシャフト23にバルブ開閉レバー16が直結され
ているため、リターンスプリング28のバネ力は制御バ
ルブ12に対しても直接作用し、しかも、リターンスプ
リング28の付勢力はバルブ閉方向に与えられているた
め、圧力導管10の破損等による圧力漏れ故障時には、
リターンスプリング28の付勢力により制御バルブ12
は強制的にバルブ閉とされる。
【0060】つまり、リターンスプリング28は、ピス
トン作動圧調整機能以外に、故障時に安全サイドである
バルブ閉を確保するバルブフェールセーフ機能を併せて
持つし、また、リターンスプリング28は、シリンダ型
アクチュエータ11に内蔵されているため、スプリング
カバーを必要とせずに保護される。
【0061】[ピストンシール作用]このアクチュエー
タ作動において、ピストン摺動部からのガス漏れが問題
となるが、シール部材が、内周端部がシリンダ面21a
に向かって開口している環状のシール溝に装着され、外
周端部がシリンダ面21aと接触を保ち、V字谷部がシ
リンダ室30に向かって開いているV型ゴムパッキン2
6とされているため、V字谷部に作用する排気圧による
パッキン形状変形力とV字形状及びゴム素材により得ら
れる弾性復元力により、シリンダ面21aに対しピスト
ン24,25,27の外周上において、排気圧が大きく
なればなるほど接触圧及び接触面積が均等に増大するシ
ール作用を示す。ここで、ゴムを素材とするV型ゴムパ
ッキン26としているため、パッキンの持つ弾性復元力
として、可撓性素材の中からゴム素材を選択したことに
より素材弾性復元力が大きくなる分、シリンダ面21a
との接触圧の均等性が高くなり、排気圧のレベルにかか
わらず高いシール性能が確保される。
【0062】よって、例えば、高排気圧の時には、図7
に示すように、シリンダ面21aに大きな接触圧及び接
触面積によりV型ゴムパッキン26が密着するというよ
うに、排気圧に大きさにかかわらずピストン摺動部に隙
間が形成されることなく、ピストン摺動部からの排気ガ
ス漏れが低減される。
【0063】また、ピストン24,25,27の動作開
始時摺動抵抗は、V型ゴムパッキン26とシリンダ面2
1aとの間の接触圧と摩擦係数により決まるが、上記の
ように、排気圧が低い時には排気圧によるパッキン形状
変形力も小さく、低い接触圧と小さい接触面積となるこ
とで、ピストン24,25,27の動作開始時摺動抵抗
が小さく抑えられる。
【0064】よって、低い排気圧からのアクチュエータ
作動性が確保される。
【0065】さらに、排気ガス漏れが最小限に低減され
ることからシール部での排気ガス流れが生じなく、排気
ガスに含まれる煤や水等がアクチュエータに流入したり
シリンダ面21aに付着することなく、長期間使用して
も摺動抵抗を増大させることはない。
【0066】よって、長期間使用してもV型ゴムパッキ
ン26の損傷によりシール性能が損なわれることなくシ
ール部材であるV型ゴムパッキン26の耐久性が向上す
る。
【0067】加えて、V型ゴムパッキン26の単体の状
態でのV字開き角度θが、アクチュエータ組み付け状態
でのV字開き角度より大きな角度に設定されているた
め、アクチュエータ組み付け状態、つまり、排気圧の作
用しない初期状態で、V字開き角度が小さくされること
による形状弾性復元力がシリンダ面21aとの接触圧と
なり、初期状態でのシール性能が確保される。
【0068】次に、効果を説明する。
【0069】(1)排気圧駆動のシリンダ型アクチュエ
ータ11において、シール部材を、内周端部がシリンダ
面21aに向かって開口している環状のシール溝に装着
され、外周端部がシリンダ面21aと接触を保ち、V字
谷部がシリンダ室30に向かって開いているV型ゴムパ
ッキン26としたため、排気ガス漏れ低減と、低い排気
圧からの作動性確保と、耐久性向上という要求性能の全
てを満足することができる。
【0070】(2)V型ゴムパッキン26の単体の状態
でのV字開き角度θを、アクチュエータ組み付け状態で
のV字開き角度より大きな角度に設定したため、初期状
態でのシール性能を確保することができる。
【0071】(3)V型パッキンを、ゴムを素材とする
V型ゴムパッキン26としたため、大きな素材弾性復元
力が加わった高いシール性能を確保することができる。
【0072】(4)シリンダ型アクチュエータ11を、
排気系のマフラ1内の排気圧をアクチュエータを駆動す
るガス圧とし、第2マフラアウトレットチューブ6に設
けられた制御バルブ12を開閉制御する制御型排気系シ
ステムのアクチュエータとして適用したため、制御型排
気系システムの小型化,簡素化,コスト低減化を達成す
ることができると共に、高制御精度を長期間にわたって
維持する有用なシリンダ型アクチュエータ11を提供す
ることができる。
【0073】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0074】例えば、実施例では、実施例では、圧力導
管の一端を排気マフラ内に開口した例を示したが、排気
チューブに開口しても良い。
【0075】実施例では、制御バルブとしてバタフライ
バルブタイプのものを示したが、バルブ開度が無段階に
変更できるものであればシャッター型バルブ等を用いて
も良い。
【0076】実施例では、シリンダ型アクチュエータを
排気マフラに取り付けた例を示したが、シリンダ型アク
チュエータの取付位置は実施例の位置に限定されるもの
ではない。
【0077】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
シリンダ面との摺動部にシール部材が設けられているピ
ストンを有するガス圧駆動のシリンダ型アクチュエータ
において、シール部材を、内周端部がシリンダ面に向か
って開口している環状のシール溝に装着され、外周端部
がシリンダ面と接触を保ち、V字谷部がシリンダ室に向
かって開いている可撓性素材によるV型パッキンとした
ため、ガス漏れ低減と、低いガス圧からの作動性確保
と、耐久性向上という要求性能の全てを満足することが
できるという効果が得られる。
【0078】請求項2記載の第2の発明にあっては、請
求項1記載のシリンダ型アクチュエータにおいて、V型
パッキンの単体の状態でのV字開き角度を、アクチュエ
ータ組み付け状態でのV字開き角度より大きな角度に設
定したため、初期状態でのシール性能を確保しながら、
上記効果を得ることができる。
【0079】請求項3記載の第3の発明にあっては、請
求項1または請求項2記載のシリンダ型アクチュエータ
において、V型パッキンを、ゴムを素材とするV型ゴム
パッキンとしたため、素材弾性復元力が加わった高いシ
ール性能を確保しながら、第1の発明または第2の発明
の効果を達成することができる。
【0080】請求項4記載の第4の発明にあっては、請
求項1乃至請求項3記載のシリンダ型アクチュエータ
を、排気系の排気チューブもしくはマフラ内の排気圧を
ガス圧とし、エンジンからテールチューブに至る排気系
に設けられた排気系バルブを開閉制御する制御型排気系
システムのアクチュエータとして適用したため、制御型
排気系システムの小型化,簡素化,コスト低減化を達成
することができると共に、高制御精度を長期間にわたっ
て維持する有用なシリンダ型アクチュエータを提供する
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダ型アクチュエータを示すクレ
ーム対応図である。
【図2】実施例のシリンダ型アクチュエータが適用され
た制御型排気系システムの一例を示す平面図である。
【図3】実施例のシリンダ型アクチュエータの正面図で
ある。
【図4】実施例のシリンダ型アクチュエータの右側面図
である。
【図5】実施例のシリンダ型アクチュエータの断面図で
ある。
【図6】実施例のシリンダ型アクチュエータでV型ゴム
パッキンの単体状態を示す図である。
【図7】実施例のシリンダ型アクチュエータで高排気圧
が作用した時のV型ゴムパッキンのの変形状態を示す作
用説明図である。
【符号の説明】
a シリンダハウジング b シール部材 c ピストン d ピストンシャフト e リターンスプリング f シリンダ室 g 排気チューブ h マフラ i 排気系バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のシリンダ面を有するシリンダハ
    ウジングと、 前記シリンダハウジング内に摺動可能に配置され、シリ
    ンダ面との摺動部にはシール部材が設けられているピス
    トンと、 一端が前記ピストンに一体連結され、他端がシリンダハ
    ウジング外に突出するピストンシャフトと、 前記ピストンとシリンダハウジングとの間に介装され、
    ピストンに付勢力を与えるリターンスプリングとを備
    え、 前記シリンダハウジングとピストンとで囲まれるシリン
    ダ室に導かれるガス圧により付勢力に抗してピストン及
    びピストンシャフトをストロークさせるシリンダ型アク
    チュエータにおいて、 前記シール部材を、内周端部がシリンダ面に向かって開
    口している環状のシール溝に装着され、外周端部がシリ
    ンダ面と接触を保ち、V字谷部がシリンダ室に向かって
    開いている可撓性素材によるV型パッキンとしたことを
    特徴とするシリンダ型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリンダ型アクチュエー
    タにおいて、 前記V型パッキンの単体の状態でのV字開き角度を、ア
    クチュエータ組み付け状態でのV字開き角度より大きな
    角度に設定したことを特徴とするシリンダ型アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のシリンダ
    型アクチュエータにおいて、 前記V型パッキンを、ゴムを素材とするV型ゴムパッキ
    ンとしたことを特徴とするシリンダ型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 排気系の排気チューブもしくはマフラ内
    の排気圧をガス圧とし、エンジンからテールチューブに
    至る排気系に設けられた排気系バルブを開閉制御する制
    御型排気系システムのアクチュエータとして適用したこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のシリンダ型
    アクチュエータ。
JP7189413A 1995-07-25 1995-07-25 シリンダ型アクチュエータ Pending JPH0942218A (ja)

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JP (1) JPH0942218A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221386A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Hitachi Koki Co Ltd 打込機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008221386A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Hitachi Koki Co Ltd 打込機

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