JPH0941085A - 高周波焼入用鋼材 - Google Patents

高周波焼入用鋼材

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JPH0941085A
JPH0941085A JP7208043A JP20804395A JPH0941085A JP H0941085 A JPH0941085 A JP H0941085A JP 7208043 A JP7208043 A JP 7208043A JP 20804395 A JP20804395 A JP 20804395A JP H0941085 A JPH0941085 A JP H0941085A
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fatigue
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俊幸 星野
Yasuhiro Omori
靖浩 大森
Akihiro Matsuzaki
明博 松崎
Kenichi Amano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被削性に優れ、しかも、浸炭プロセスを経て製
造される例えば歯車の特性と同等以上の特性を確保でき
る高周波焼入用鋼材を提供する。 【解決手段】高周波焼入用鋼材の化学組成を、0.59
mass%C、0.65mass%Si、0.37ma
ss%Mn、0.015mass%P、0.016ma
ss%S、0.25mass%V、0.019mass
%Al、0.0042mass%N、0.0015ma
ss%O、残部Feとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波焼入が施さ
れる部品の素材として使用される高周波焼入用鋼材に関
し、特に、歯車の素材として使用されるのに好適な高周
波焼入用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業機械に用いられる歯車は、
通常、0.2%程度の炭素を含有する浸炭用合金鋼を素
材として使用し、この素材に鍛造、旋削、歯切り等を施
して所定形状の歯車に加工し、その後、浸炭焼入焼戻し
処理を施すことにより歯車として必要な機能を確保する
ようにして製造される。このような浸炭プロセスを経る
歯車の製造方法は、歯車製造方法の主流となっている。
しかし、浸炭プロセスでは、800℃から950℃程度
までの範囲内の温度で数時間の加熱処理が必要とされる
ため、浸炭プロセスを歯車製造ラインにインライン化す
ることが困難である。このため、歯車の生産性の向上に
は限界があり、その結果、製造コストの低減には限度が
ある。
【0003】また、浸炭法としては、通常、ガス浸炭法
が採用されるが、ガス浸炭の際に被処理材の表面層に不
可避的に表面異常層が発生し、この表面異常層が被処理
材の疲労強度や衝撃特性を低下させる。このため、ガス
浸炭では、疲労強度や衝撃特性の向上には限度がある。
また、浸炭焼入時に熱処理歪みが発生して被処理材に変
形が生じるため、熱処理条件の厳密な制御が要求され
る。
【0004】上記した問題点を克服するために、Si、
Mn、Crを低減してMo、Ni等を添加した鋼材を用
いることによりガス浸炭時に発生する表面異常層を低減
し、被処理材の疲労強度や衝撃特性の改善を図った高強
度浸炭用鋼が開発されている。しかし、この高強度浸炭
用鋼には、MoやNiのような高価な合金元素が多量に
含有されているため、鋼材コストの上昇を招くと共に被
削性等の機械加工性を劣化させる。この結果、被処理材
の高強度化は図れるものの製造コストの上昇を招くとい
う問題がある。
【0005】また、JIS規格SCM435やS55C
等の機械構造用合金鋼や炭素鋼を用いて、浸炭焼入プロ
セスよりも生産能率が高い高周波焼入による歯車の製造
が試みられている。しかし、SCM435やS55C等
の鋼は、本来、歯車への適用を考慮して決定された化学
組成ではない。このため、これらの鋼を用いて高周波焼
入を施して製造した歯車は、自動車のトランスミッショ
ンやデファレンシャルに用いられる高強度の歯車として
の適用が困難であり、比較的低強度の歯車としての適用
に留まっている。
【0006】これらの問題を解決する鋼として、例えば
特開昭60−169544号公報には、化学組成を特定
の範囲に規制することにより、高周波焼入プロセスによ
る歯車製造にも適用できる鋼が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
検討によれば、上記の公報に開示された鋼の化学組成で
は従来の浸炭用鋼に比べて被削性が極端に低下する。こ
のため、製造工程において必須のプロセスである切削工
程での生産能率が低く、浸炭焼入から高周波焼入へのプ
ロセスの変更による生産性の向上には限度がある。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、被削性に優
れ、しかも、浸炭プロセスを経て製造される例えば歯車
の特性と同等以上の特性を確保できる高周波焼入用鋼材
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の高周波焼入用鋼材は、C:0.5mass%
以上0.75mass%以下、Si:0.5mass%
以上1.8mass%以下、Mn:0.1mass%以
上0.4mass%以下、P:0.015mass%以
下、S:0.020mass%以下、Al:0.019
mass%以上0.05mass%以下、O:0.00
15mass%以下、N:0.003mass%以上
0.015mass%以下、を含有し、残部がFe及び
不可避的不純物からなることを特徴とするものである。
【0010】ここで、上記した本発明の高周波焼入用鋼
材に、Mo:0.05mass%以上0.5mass%
以下、B:0.0003mass%以上0.005ma
ss%以下、Ti:0.005mass%以上0.05
mass%以下、Ni:0.1mass%以上1.0m
ass%以下、からなる4種の元素のうちの1種以上の
元素を含有することが好ましい。
【0011】また、上記した本発明の高周波焼入用鋼材
に、V:0.05mass%以上0.5mass%以
下、Nb:0.01mass%以上0.5mass%以
下、からなる2種の元素のうちの1種以上の元素を含有
することが好ましい。また、上記した本発明の高周波焼
入用鋼材に、Mo:0.05mass%以上0.5ma
ss%以下、B:0.0003mass%以上0.00
5mass%以下、Ti:0.005mass%以上
0.05mass%以下、Ni:0.1mass%以上
1.0mass%以下、からなる4種の元素のうちの1
種以上の元素を含有し、さらに、V:0.05mass
%以上0.5mass%以下、Nb:0.01mass
%以上0.5mass%以下、からなる2種の元素のう
ちの1種以上の元素を含有することが好ましい。
【0012】さらに、含有する酸化物系非金属介在物の
個数が2.5個/mm2 以下であって、かつ、その最大
サイズが19μm以下であることが好ましい。ここで、
個数を調べる方法は、鋼材を30〜65mmφの棒鋼に
圧延し、圧延方向に垂直な面が被検面となるべくサンプ
ルを採取する。このとき、サンプルの被検面は棒鋼の中
心部及び表面部が入るように採取されなければならな
い。このサンプルを研磨し、400倍以上の倍率を有す
る光学顕微鏡により1/4直径部を中心に300mm2
以上の領域を観察し、酸化物等非金属介在物の個数をカ
ウントするとの方法で実施する。
【0013】また、サイズを調べる方法は、上記した個
数を調べる方法とサンプル採取方法及び被検面積は同一
であるが、酸化物非金属介在物観察時に、その長径及び
短径を測定し、非金属介在物を楕円としてその面積を算
出し、その面積と同一の円の直径を換算し、この直径を
もって該非金属介在物のサイズとする。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明者らは上記目的を達成する
ために、高周波焼入プロセスにおいて、歯車に要求され
る特性を確保できる鋼材の化学組成を検討し、以下のよ
うな知見を得た。歯車には、歯元強度、歯面強度、及び
衝撃特性が要求される。
【0015】先ず、歯元強度について説明する。歯元強
度とは、歯部が繰り返し応力を受けても歯元部から疲労
破壊を生じない最大の応力を意味する。この歯元強度
は、回転曲げ等の疲労試験による疲労強度と良い相関が
あることが知られており、本発明者らは回転曲げ疲労試
験により鋼材の化学組成を検討した。
【0016】疲労強度に影響を及ぼす基本的な因子は、
材料の硬さ及び非金属介在物であり、材料硬さが低下す
ると疲労強度も低下する。高周波焼入により、浸炭焼入
材の硬さとほぼ同等の硬さを確保するためには、約0.
5mass%程度以上のCが必要である。また、疲労強
度を向上させるためには、材料硬さを高くするばかりで
なく、オーステナイト粒径を細粒にすることが有効であ
る。この理由は2つあり、1つは、疲労亀裂が旧オース
テナイト粒径に沿って伸展していくため、オーステナイ
ト粒径を細粒にすることにより疲労亀裂伝播に対する抵
抗が増加するからである。他の1つは、P等のように粒
界に偏析して粒界を脆化させる元素の濃度が細粒化によ
り減少するからである。高周波焼入は被処理材に急速で
短時間の加熱を施す処理であるので、オーステナイトの
細粒化に対しては極めて有効である。さらに、オーステ
ナイト粒の成長を抑制する析出物を形成するNやAl等
を鋼材に添加することにより、オーステナイト粒がいっ
そう細粒化し疲労強度が向上する。また、素材硬さを得
るために焼入性を確保するという観点から、合金元素の
添加が必要となるが、これは歯車のサイズに応じて適正
量添加すれば良い。
【0017】疲労強度を向上させるためには、上記した
ように素材硬さを確保するのみでは不十分であり、非金
属介在物を低減することも必要である。この理由は、素
材硬度を確保することができても非金属介在物が存在す
ると、非金属介在物が存在する部分から疲労破壊を生
じ、このため、極めて疲労強度が低下するからである。
特にアルミナのような硬質の非金属介在物は有害であ
り、このような非金属介在物を低減するためにはO(酸
素元素)の低減が必須である。本発明者の検討によれ
ば、Oを0.0015mass%以下にすることが浸炭
処理材と同程度の疲労強度を確保する上で必須であるこ
とが判明した。
【0018】さらに、本発明者らが検討した結果、従来
の浸炭処理材の疲労強度を超える疲労強度を高周波焼入
れで確保するためには、高周波焼入用鋼材中の酸化物系
非金属介在物の個数およびサイズを限定することが必要
であることが判明した。酸化物系非金属介在物が存在す
ると、上述したように、この酸化物系非金属介在物を起
点として疲労破壊が進行する。酸化物系非金属介在物が
大きいほど、その介在物に発生する応力集中の程度が顕
著となり、疲労初期亀裂が容易に発生する。また、疲労
初期亀裂も、酸化物系非金属介在物が大きくて応力集中
の程度が大きい程顕著である。このため、大きな初期亀
裂がいったん発生すると、疲労亀裂は迅速に進展し疲労
破壊に至る。本発明者の検討によれば、従来の浸炭焼入
材の疲労強度を大幅に超える疲労強度を高周波焼入れで
確保するためには、19μmを超えるサイズの酸化物系
非金属介在物が存在しないことが必要であると判明し
た。更に、酸化物系非金属介在物の個数の影響を検討し
た結果、酸化物系非金属介在物のサイズが19μm以下
であっても、その個数が2.5個/mm2 を超えると、
従来の浸炭焼入材の疲労強度を大幅に超える疲労強度は
得難いことが判明した。この理由は、酸化物系非金属介
在物が小さい場合、その酸化物系非金属介在物から発生
する疲労初期亀裂は小さいが、この疲労初期亀裂が成長
すると周囲の酸化物系非金属介在物から発生した疲労亀
裂と合体して大きな疲労亀裂となり、その後、急速に疲
労亀裂が成長し短時間で疲労破壊に至るからである。以
上述べたように、いっそう良好な疲労強度を確保するた
めには、O量の限定のみでなく、酸化物系非金属介在物
の個数およびサイズの制御が必須である。
【0019】次に、歯面強度について説明する。歯面部
には繰り返し接触応力によりピッチングと呼ばれる疲労
損傷が生じる。ピッチングが生じると歯車は正常な機能
を発揮することが困難となるので歯面強度が必要とされ
る。この歯面強度は転動疲労試験との相関が良好であ
り、この試験により歯面強度を評価することができる。
ただし、歯車同士が噛み合って回転する場合は、歯面部
に相対滑りが発生して摩擦が生じるので、この摩擦によ
り歯面部の温度が著しく上昇する。この温度上昇により
歯面部が軟化し、ピッチングが発生し易くなる。この軟
化を抑制するためには、鋼の焼戻し軟化抵抗を高めるS
i、Mo、V、及びNb等の添加が有効であり、これら
の元素の添加により歯面部の軟化を抑制して歯面強度を
高めることができる。
【0020】次に、衝撃特性について説明する。歯面に
衝撃的な荷重が作用した場合、鋼材の衝撃特性が低いと
歯元部より歯が切損し歯車のみならず歯車の組み込まれ
ている機械全体が回復困難な損傷を受ける。したがっ
て、衝撃特性は極めて重要な特性である。衝撃特性に影
響を及ぼす因子としては、C量の影響が最も大きい。浸
炭プロセスを経て浸炭を施された部分のC濃度は約0.
8mass%程度であるのに対し、高周波焼入により同
等の硬さを得るために必要なC量は0.5〜0.7ma
ss%程度である。このため、衝撃特性を確保する観点
からは、高周波焼入の方が浸炭焼入よりも有利である。
また、衝撃特性に影響を及ぼす因子としてはC量だけで
なく、高周波焼入時のオーステナイト粒径や粒界に偏析
したP等の不純物元素等があり、このため、オーステナ
イト粒径の細粒化やP等の不純物元素の低減も衝撃特性
の向上の点から有効である。
【0021】ところで、歯車として必要とされる上記の
ような特性を確保するのみの対応では、高周波焼入によ
る歯車の製造には不十分であり、機械加工性、特に被削
性の確保が重要である。この理由は、浸炭プロセスの場
合には、素材として低C鋼が使用されるので浸炭焼入前
の状態では素材は比較的高い被削性を持っているが、一
方、高周波焼入プロセスの場合には、素材として、浸炭
鋼のC濃度よりも高いC濃度のものが使用されるからで
ある。このため、高周波焼入に用いられる素材は、浸炭
焼入に用いられる素材に比べ、被削性を確保するという
点で極めて不利である。
【0022】そこで、本発明者らは高C鋼における被削
性に影響を及ぼす諸因子を検討した結果、以下のような
知見を得た。0.5mass%C以上の鋼においては、
快削性元素の含有量を一定にした場合、被削性に最も影
響を及ぼす因子は鋼のミクロ組織である。特に、フェラ
イトの量とパーライトの形態とが最も顕著な影響を及ぼ
すことが実験により判明した。この実験結果を図1に示
す。
【0023】この実験は、超硬工具P10を用いて行っ
た。高C鋼の場合、ミクロ組織としてはフェライト−パ
ーライト組織となるが、図1に示すように、フェライト
の量が増加すると被削性が向上する。この理由は、フェ
ライトの量が増加することにより鋼材の硬さが減少する
こと、及びフェライトの量が増加することにより切削時
の亀裂の発生部であるフェライト/パーライトの界面が
増加することにある。また、図1に示すように、パーラ
イトの形態も被削性に極めて大きな影響を及ぼす。即
ち、パーライトラメラーが層状に良く発達した組織の場
合、パーライト部の延性が高く、切削時の亀裂の発生部
はフェライト/パーライトの界面に限定される。一方、
パーライトラメラーが発達していない組織の場合、切削
時に変形を受ける部分ではフェライト/パーライトの界
面の他にパーライト中のセメンタイト/フェライトの界
面からも亀裂が容易に発生し、これにより、パーライト
ラメラーが発達していない組織では被削性が飛躍的に向
上するのである。このような未発達のパーライトを形成
させるためには、鋼中の合金元素の選択及び適正化が必
要であり、変態点を低下させてパーライトラメラーの層
状化を促進するMn及びCrの低減が極めて効果的であ
る。また、Moの添加はパーライトラメラーの層状化を
抑制し、セメンタイトが分断された組織を形成させるの
で被削性の向上に有効である。
【0024】以下、本発明の高周波焼入用鋼材が含有す
る元素の限定理由について説明する。 C:Cは、高周波焼入を施しても、従来の浸炭鋼と同程
度の表面硬さを得るための必須の成分であり、少なくと
も0.5mass%以上の添加が必要である。しかし、
0.75mass%を超えて添加すると歯車に必要とさ
れる衝撃特性及び被削性が劣化するので0.75mas
s%以下の添加とする。
【0025】Si:Siは焼戻し軟化抵抗を向上させる
元素であり、歯面強度を向上させるものの、従来の浸炭
プロセスによる歯車と同程度の歯面強度を確保するため
には少なくとも0.5mass%以上の添加が必要であ
る。一方、1.8mass%を超えて添加するとフェラ
イトの固溶硬化により硬さが上昇し被削性の低下を招く
ので1.8mass%以下の添加とする。
【0026】Mn:Mnは焼入性を向上させ、高周波焼
入時の硬化深さを確保する上で必須の成分であり、積極
的に添加するが、0.1mass%未満ではその効果に
乏しく、0.4mass%を超えて添加するとパーライ
トの層状化を促進して被削性を低下させるので、0.4
mass%以下の添加とする。 P:Pはオーステナイトの粒界に偏析し、粒界強度を低
下させることにより歯元強度を低下させるばかりでな
く、同時に衝撃特性を低下させるので、できるだけ含有
量を低減することが望ましいが0.015mass%ま
で許容される。
【0027】S:SはMnSを形成し、このMnSが疲
労破壊の起点となって疲労強度を低下させる。一方、M
nSは被削性を向上させる元素でもあるので0.020
mass%以下の添加は許容される。 O:Oは、アルミナ等の非金属介在物を形成し、この非
金属介在物が疲労破壊の起点となって歯元強度を低下さ
せる。この他、非金属介在物は歯面強度も低下させるの
で極力低減すべきであるが、0.0015mass%ま
では許容される。
【0028】Al:Alは脱酸に有効な元素であり低酸
素化のために有用な元素である。さらに、Nと結合して
AlNを形成し、このAlNが高周波加熱時のオーステ
ナイト粒の成長を抑制するので、衝撃特性及び歯元疲労
強度を向上させる。このため、積極的に添加するが、
0.019mass%未満の添加ではその効果が小さ
く、0.05mass%を超えて添加してもその効果が
飽和するので0.019mass%以上0.05mas
s%以下の添加とする。
【0029】N:Nは、Alと結合しAlNを形成し、
このAlNが高周波加熱時のオーステナイト粒の成長を
抑制するので衝撃特性及び疲労強度を向上させる。この
ため、積極的に添加するが、0.003mass%未満
の添加ではその効果が小さく、0.015mass%を
超えて添加すると熱間変形能を低下させて連続鋳造時に
鋳片の表面欠陥を著しく増加させるので、0.003m
ass%以上0.015mass%の添加とする。
【0030】上記の化学組成の他に本発明の高周波焼入
用鋼材においては、Moを0.05mass%以上0.
5mass%以下、Bを0.0003mass%以上
0.005mass%以下、Tiを0.005mass
%以上0.05mass%以下、Niを0.1mass
%以上1.0mass%以下含有させることが好まし
い。この理由は、これらの元素が、以下の作用をもつか
らである。
【0031】Mo:焼入性向上に有用な元素であり、焼
入性を調整するために用いる。Moの添加はパーライト
の組織形態にも著しい影響を及ぼし、Moを添加すると
セメンタイトが分断されたパーライトが形成される。こ
の結果、被削性が著しく向上する。また、Moは焼戻し
軟化抵抗を向上させるので歯面強度も向上させることが
できる。さらに、Moは、粒界に偏析するP等の不純物
元素を低下させるので、歯元強度及び衝撃特性を向上さ
せる作用があり、本目的においては好適な元素であるの
で積極的に添加する。しかし、0.05mass%未満
の添加ではその効果が小さく、0.5mass%を超え
て添加すると高周波焼入のような急速短時間の加熱では
オーステナイト中への溶解が困難な炭化物を形成するの
で0.5mass%以下の添加とする。
【0032】B:Bは微量の添加で焼入性を向上させる
元素であるので、その他の合金元素を低減させることが
できる。また、Bは粒界に優先的に偏析し、粒界に偏析
するPの濃度を低減して、歯元強度及び衝撃特性を著し
く向上させる元素である。このためには0.0003m
ass%以上の添加が必要であるが、0.005mas
s%を超えて添加してもその効果は飽和するので0.0
05mass%以下の添加とする。
【0033】Ti:Bの焼入性向上効果は、Bが単独に
存在する場合に顕著であるが、一方でBはNと結合しや
すい元素であり、この場合には上記したBの好適な効果
が消失する。このBの焼入性向上効果を、BよりもNと
結合し易いTiを添加することにより充分発揮させるこ
とができる。このため、Tiをこのような場合に用いて
も良い。0.005mass%未満の添加ではその効果
は小さく、0.05mass%を超えて添加するとTi
Nが多量に形成され、このTiNが疲労破壊の起点とな
って歯元強度及び歯面強度を低下させるので0.05m
ass%以下の添加とする。
【0034】また、TiNは高周波加熱時のオーステナ
イト粒を細粒化する作用があるので、Tiの単独添加の
みでも歯面強度及び疲労強度を向上させる作用がある。
この場合にも添加量としては0.005mass%以上
0.05mass%以下の範囲が好適である。 Ni:Niの添加により焼入性が向上するのみでなく、
衝撃特性が改善されるので、焼入性を調整する場合また
は衝撃特性の改善が必要とされる場合に用いてもよい。
しかし、0.1mass%未満の添加ではその効果が小
さいので0.1mass%以上の添加とする。一方、N
iは極めて高価な元素であるので1.0mass%を超
えて添加すると鋼材のコストが上昇し、本目的に反する
ので1.0mass%以下の添加とする。
【0035】さらに、本発明の高周波焼入用鋼材におい
ては、Vを0.05mass%以上0.5mass%以
下、Nbを0.01mass%以上0.5mass%以
下含有させることが好ましい。この理由は、これらの元
素が、以下の作用をもつからである。高周波焼入プロセ
スを経る場合には、被処理材の中心部の硬さを確保する
ために前処理として焼入焼戻し処理を施すのが一般的で
ある。しかし、この熱処理はコストを増大させるので、
なるべくこの熱処理を省略することが望ましい。前処理
としての焼入焼戻しを省略するためには、高周波焼入前
の素材硬さを上昇させておく必要があるが、そのために
は析出強化作用を有するVやNbの添加が効果的であ
る。
【0036】V:Vは析出強化作用の極めて強い元素で
あるので、高周波焼入前の前処理としての焼入焼戻し処
理を省略する必要のある場合に添加する。しかし、0.
05mass%未満の添加ではその効果が小さく、また
0.5mass%を超えて添加してもその効果が飽和す
るので0.05mass%以上0.5mass%以下の
添加とする。また、Vの添加により鋼材の焼戻し軟化抵
抗が向上するので、Vは歯面強度の向上にも極めて有効
でもある。
【0037】Nb:Nbは析出強化作用の極めて強い元
素であるので、高周波焼入前の前熱処理としての焼入焼
戻し処理を省略する必要のある場合に添加する。しか
し、0.01mass%未満の添加ではその効果が小さ
く、また0.5mass%を超えて添加してもその効果
が飽和するので0.01mass%以上0.5mass
%以下の添加とする。また、Nbの添加により鋼材の焼
戻し軟化抵抗が向上するので、Nbは歯面強度の向上に
も極めて有効でもある。
【0038】また、本発明においては疲労強度の確保の
ために酸化物系非金属介在物の量およびサイズについ
て、それぞれ2.5個/mm2 以下および19μm以下
に規定する。酸化物系非金属介在物の個数を2.5個/
mm2 以下とする理由は、この個数を超える酸化物が存
在すると、それぞれの非金属介在物から発生した疲労亀
裂が進展して疲労破壊にいたり、この結果、目標とする
疲労強度を確保することが困難となるからである。ま
た、サイズを19μm以下と規定する理由は、このサイ
ズを超える非金属介在物が存在すると、この非金属介在
物から発生する初期亀裂が大きくなり、この結果、急速
に疲労亀裂が進展して早期に疲労破壊が生じるからであ
る。
【0039】上記した酸化物系非金属介在物の量および
サイズを目標の値以下に制御するためには、アルミナ等
の酸化物系非金属介在物を形成するOを低減する必要が
ある。このためには少なくとも0.0015mass%
以下にOを低減する必要がある。そこで、本発明におい
ては、上述したように、O量として0.0015mas
s%以下の含有量に限定する。
【0040】
【実施例】以下、本発明の高周波焼入用鋼材の第1実施
例を比較例と共に説明する。表1に示す化学組成の鋼
(ただし、No.21を除く)を転炉−連続鋳造プロセ
スにより溶製した。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示す化学組成の鋳片をブレークダウ
ン工程を経て150mm角ビレットに圧延した後、直径
50mmの棒鋼に圧延した。この直径50mmの棒鋼を
熱間鍛造により直径30mmの棒鋼とした。この直径3
0mmの棒鋼を845℃の温度に30分間保持して焼入
れた後、550℃で焼戻した。この焼入れ焼戻し処理が
施された棒鋼を素材として、直径8mm平滑の回転曲げ
疲労試験片と直径27mmの転動疲労試験片とを作製
し、作製した試験片を、15kHzの高周波焼入れ試験
機により表面焼入れし、その後180℃で1時間の焼戻
し処理を行った。また、上記の素材に上記と同様の高周
波焼入焼戻し処理を施し、その表面近傍から2mm10
Rノッチの衝撃試験片を作製した。
【0043】また、表1のNo.21で示されるSCr
420の規格の鋼を転炉−連鋳プロセスにより溶製し、
上記と同様のプロセスを経て直径50mmの棒鋼に圧延
し、その後、直径30mmの棒鋼に熱間鍛造した。この
棒鋼を用いて上記と同様の試験片を作製し、この試験片
に930℃で4h時間の浸炭処理(炭素ポテンシャル
0.88)を施し、浸炭後に焼入れ、さらに、180℃
で2時間の焼戻しを施し、後述する表2のNo.21の
試験片とした。
【0044】衝撃試験は、シャルピー衝撃試験機を用い
て+20℃の条件により行った。疲労試験は、小野式回
転曲げ疲労試験機を用いて常温で3600rpmの速度
で実施した。転動疲労試験は、試験片に直径130mm
のローラを押し付けることにより、3677MPaの接
触応力を与え、表面にピッチングが生じるまでの時間で
寿命を評価した。
【0045】また、熱間鍛造ままの状態で超硬工具P1
0を用いて、切り込み2mm、送り0.25mm/回
転、切削速度200mm/minの条件で切削試験を行
った。被削性の評価は、逃げ面摩耗0.2mmに達する
までの切削時間により評価した。これらの結果を表2に
示す。表1のNo.と表2のNo.とは対応する。
【0046】
【表2】
【0047】鋼No.1からNo.12までは本発明に
よる高周波焼入用鋼材であり、No.21は従来の浸炭
鋼である。No.11’,No.12’も本発明の例で
あり、鋼No.11,12の鋼を用いて高周波焼入前の
焼入・焼戻しを省略した例である。No.13は、Si
が本発明の範囲を下回る比較例であり、転動疲労寿命が
極端に低下している。
【0048】No.14は、Mnが本発明の範囲を超え
る比較例であり、被削性の劣化が著しい。No.15
は、Pが本発明の上限を超える比較例であり、衝撃値及
び疲労強度が低下しており、No.21の従来鋼よりも
その特性は劣っている。No.16は、Sが本発明の上
限を超える比較例であり、疲労強度がNo.21の従来
鋼よりも劣っている。
【0049】No.17は、Alが本発明を下回る比較
例であり、この結果、Oが増加し、疲労強度及び転動疲
労寿命がともに極端に低下し、No.21の従来鋼の値
を下回っている。No.18は、Cが本発明の上限を超
える比較例であり、衝撃値及び被削性がNo.21の従
来鋼よりも極端に低下している。
【0050】No.19は、Nが本発明の範囲を下回っ
て入る比較例であり、衝撃値がNo.21の従来鋼より
も劣っている。No.20は、Cが本発明を下回ってい
る比較例であり、疲労強度及び転動疲労寿命がNo.2
1従来鋼よりも劣っている。以上のように、本発明の範
囲外の鋼の比較例には、諸特性のうちのいずれかがN
o.21の従来鋼よりも低い値となっているのに対し、
本発明鋼の場合は、いずれの特性もNo.21の従来鋼
と同等またはそれ以上の値である。この結果、本発明の
高周波焼入用鋼材を用いることにより、例えば、歯車の
製造プロセスを、従来の浸炭焼入よりも生産性の高い高
周波焼入に変更することが可能であり、歯車の製造コス
トの低減に大きく寄与できる。
【0051】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。ここでは、化学組成だけでなく酸化物系非金属介在
物の量とサイズを限定した鋼材を用いて、各種の実験を
行った結果を示す。表3,表4に示す化学組成の鋼(た
だし、表4のNo.54を除く)を転炉−連続鋳造プロ
セスにより溶製した。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】鋳造時の鋳片サイズは、No.34からN
o.45までが300×400mmであり、その他は5
60×400mmであった。この鋳片をブレークダウン
工程を経て150mm角ビレットに圧延した後、直径5
0mmの棒鋼に圧延した。この直径50mmの棒鋼を熱
間鋳造により30mmの棒鋼とした。この直径30mm
の棒鋼を845℃の温度に30分間保持して焼入れた
後、550℃で焼戻した。この焼入れ焼戻し処理が施さ
れた棒鋼を素材として、直径8mm平滑の回転曲げ疲労
試験片と直径27mmの転動疲労試験片を作製し、作製
した試験片を15kHzの高周波焼入試験機により表面
焼入れし、その後180℃で1時間の焼戻し処理を行っ
た。また、上記した直径30mmの棒鋼に上記と同様の
高周波焼入れ焼戻し処理を行い、この表面近傍から2m
m10Rノッチの衝撃試験を作製した。
【0055】また、表4のNo.54で示されるSCr
420の規格相当の鋼を転炉−連鋳プロセスにて溶製
し、上記と同様のプロセスを経て直径50mmの棒鋼に
圧延し、その後、直径30mmの棒鋼に熱間鋳造した。
この棒鋼を用いて上記と同様の試験片を作製し、これら
の試験片に930℃で4時間の浸炭処理(炭素ポテンシ
ャル0.88%)を施し、浸炭後に焼入れし、180℃
で2時間の焼戻しを施した。
【0056】衝撃試験は、シャルピー衝撃試験機を用い
て+20℃の条件により行った。疲労試験は、小野式回
転曲げ疲労試験機を用いて常温で3600rpmの速度
で実施した。転動疲労試験は、試験片に直径130mm
のローラを押し付けることにより、3677MPaの接
触応力を与え、表面にピッチングが生じるまでの時間で
寿命を評価した。
【0057】また、熱間鍛造ままの状態で超硬工具P1
0を用いて、切り込み2mm、送り0.25mm/回
転、切削速度200mm/minの条件で切削試験を行
った。被削性の評価は、逃げ面摩耗0.2mmに達する
までの切削時間により評価した。これらの結果を表5に
示す。
【0058】
【表5】
【0059】鋼No.22からNo.33までは第5発
明、No.34からNo.45までは第1〜4発明例、
No.46〜53は比較例、No.54は浸炭鋼として
多用されているJIS SCr420相当鋼である。ま
た、No.55はJIS鋼を改良した高強度浸炭鋼であ
る。No.34からNo.45までは、酸化物系非金属
介在物の個数またはサイズ以外の化学組成はNo.22
〜33と同一である第1〜第4発明例である。JIS
SCr420鋼とほぼ同等以上の特性を有しているが、
第5発明に比べ疲労強度及び転動疲労寿命の点で劣って
いる。
【0060】No.46は、Siが本発明の範囲を下回
る比較例であり、転動疲労寿命が極端に低下している。
No.47は、Mnが本発明の範囲を超える比較例であ
り、被削性の劣化が著しい。No.48は、Pが本発明
の上限を超える比較例であり、衝撃値及び疲労強度の低
下が著しく、SCr420よりもその特性は劣ってい
る。
【0061】No.49は、Sが本発明の上限を超える
比較例であり、疲労強度がSCr420よりもは劣って
いる。No.50は、Alが本発明を下回る比較例であ
り、この結果、Oが増加し、疲労強度及び転動疲労寿命
がともに極端に低下し、SCr420を下回っている。
【0062】No.51は、Cが本発明の上限を超える
比較例であり、衝撃値及び被削性が従来鋼よりも極端に
低下している。No.52は、Nが本発明の範囲を下回
っている比較例であり、衝撃値がSCr420よりも劣
っている。No.53は、Cが本発明の範囲を下回って
いる比較例であり、疲労強度及び転動疲労寿命がSCr
420よりも劣っている。
【0063】すなわち、本発明の範囲外の鋼の場合に
は、諸特性のうちいずれかがSCr420よりも低い値
となっているのに対し、本発明鋼の場合、いずれの特性
も従来の浸炭鋼SCr420よりも優れ、さらに第5発
明鋼の場合高強度浸炭用鋼とほぼ同等またはそれ以上の
疲労強度、転動疲労寿命、被削性を確保することができ
る。また、No.28のようにNiの添加により衝撃特
性を高めることができる。本発明の高周波焼入用鋼材を
用いることにより、浸炭鋼よりも生産性の高い高周波焼
入に歯車の製造プロセスを変更することが可能であり、
歯車の製造コストの低減に資するところ大である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波焼入
用鋼材は被削性に優れ、しかも、本発性の高周波焼入用
鋼材を用いた歯車は、浸炭プロセスを経て製造される歯
車の特性と同等以上の特性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト面積率と工具寿命との関係を表すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 明博 倉敷市水島川崎通1丁目(番地なし) 川 崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 天野 虔一 倉敷市水島川崎通1丁目(番地なし) 川 崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.5mass%以上0.75ma
    ss%以下、 Si:0.5mass%以上1.8mass%以下、 Mn:0.1mass%以上0.4mass%以下、 P:0.015mass%以下、 S:0.020mass%以下、 Al:0.019mass%以上0.05mass%以
    下、 O:0.0015mass%以下、 N:0.003mass%以上0.015mass%以
    下、を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする高周波焼入用鋼材。
  2. 【請求項2】 さらに、 Mo:0.05mass%以上0.5mass%以下、 B:0.0003mass%以上0.005mass%
    以下、 Ti:0.005mass%以上0.05mass%以
    下、 Ni:0.1mass%以上1.0mass%以下、か
    らなる4種の元素のうちの1種以上の元素を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高周波焼入用鋼材。
  3. 【請求項3】 さらに、 V:0.05mass%以上0.5mass%以下、 Nb:0.01mass%以上0.5mass%以下、
    からなる2種の元素のうちの1種以上の元素を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の高周波焼入用鋼材。
  4. 【請求項4】 さらに、 Mo:0.05mass%以上0.5mass%以下、 B:0.0003mass%以上0.005mass%
    以下、 Ti:0.005mass%以上0.05mass%以
    下、 Ni:0.1mass%以上1.0mass%以下、か
    らなる4種の元素のうちの1種以上の元素を含有し、さ
    らに、 V:0.05mass%以上0.5mass%以下、 Nb:0.01mass%以上0.5mass%以下、
    からなる2種の元素のうちの1種以上の元素を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の高周波焼入用鋼材。
  5. 【請求項5】 酸化物系非金属介在物を含有し、該酸化
    物系非金属介在物の個数が2.5個/mm2 以下であっ
    て、かつ、最大サイズが19μm以下であることを特徴
    とする請求項1,2,3,又は4記載の高周波焼入用鋼
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9039962B2 (en) 2010-03-30 2015-05-26 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Steel for induction hardening, roughly shaped material for induction hardening, producing method thereof, and induction hardening steel part
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