JPH0939051A - 射出プレス成形方法および装置 - Google Patents

射出プレス成形方法および装置

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JPH0939051A
JPH0939051A JP19654095A JP19654095A JPH0939051A JP H0939051 A JPH0939051 A JP H0939051A JP 19654095 A JP19654095 A JP 19654095A JP 19654095 A JP19654095 A JP 19654095A JP H0939051 A JPH0939051 A JP H0939051A
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昭男 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計量値やチェックリング作動変動による充填
量のバラツキを防止し、外乱因子に影響されずに安定し
て良好な成形品を得られる射出プレス成形方法を提供す
る。 【解決手段】 冷却固化収縮量を算出し、加算した樹脂
量をキャビティ内へ充填するとともに、予め所定の型開
量位置に金型を保持しておき、充填中射出圧力が設定値
に達した後、型締力を負荷して圧縮工程を開始するとと
もに、型締圧力と射出圧力を同期制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型を所定の隙間
だけ開いた状態に保持して、金型キャビティ内へ溶融樹
脂を充填し、その後型締装置で該隙間を閉じて圧縮を行
なう射出プレス成形方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】型締動作を制御して射出プレス成形を行
なう場合、初期の型開量設定条件によっては金型キャビ
ティ内の樹脂流動状態が射出充填工程と圧縮工程の切替
の際に不連続となり、その結果フローマークなどの欠陥
が発生する。そのために、射出充填動作に型締動作をオ
ーバーラップさせた射出・型締連動制御が必要であり、
この型締開始のタイミング制御が高品質な成形品を安定
して供給させるうえで重要な制御となる。従来の射出・
型締連動制御は次のようになっている。すなわち、 射出充填中の可動盤または金型の位置をモニタして、
金型位置≧設定値となったとき、または射出充填中の型
締駆動力の変化量をモニタして、変化量≧設定値となっ
たときに型締動作を開始する(型締側信号基準)。 射出充填中の金型キャビティ内の溶融樹脂の充填状態
(例えば、圧力、温度)をモニタして、モニタ値≧設定
値となったときに型締動作を開始する(金型側信号基
準)。 射出充填中の射出シリンダまたは射出スクリュのスト
ロークをモニタして、ストローク位置≧設定値となった
ときに型締動作を開始する(射出側信号基準)。 初期型締動作完了、あるいは、射出充填開始など、成
形工程中の任意の工程を基準として起動するタイマのタ
イムアウト信号に基づいて型締動作を開始する(タイマ
信号基準)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の射出
・型締連動制御については次のような問題点があった。 (1)射出充填中の可動盤または金型の位置変動は、射
出充填によって金型キャビティ内の充填された樹脂圧の
増加によって発生する型開反力と、設定型開量を保持し
ようとする型締側の型締力とのバランスによって生じる
ものである。したがって、型締力の制御状態(制御精度
・応答性)によっては、位置変動の程度は大きく変わっ
てしまう。
【0004】さらに、可動盤に金型を取り付けられた場
合には相当な重量を有しており、射出充填に伴なう型開
反力を正確に表現することは困難であり、応答性も低
い。このことは、型締駆動力の変化にも顕著に影響を与
え、その結果、多くは検出遅れを生じて、最適な型締開
始のタイミングがズレた制御となってしまうという問題
点がある。上記問題点を解決するため、タイミング制御
の基準となる設定値を、検出遅れなどを見込んで低目に
設定することも考えられるが、設定値考慮の度合の基準
がないため難しく、逆にオーバーダウンによる早期型締
動作開始によって、射出充填と型締動作の両方からの圧
縮作用により、射出プレス成形の効果の1つでもある、
金型キャビティ内の樹脂圧の低減効果による低歪化を達
成し得なくなることが予想されるといった問題点があ
る。
【0005】(2)上記(1)の方法よりは検出精度は
高い方法と言えるが、圧力、温度などの検出センサによ
る検出信号はいずれもピンポイント計測であり、センサ
取付箇所によっては(実際はエジェクタピンなどの存在
により、取付場所は限定されている)、全く異なった判
断をする可能性が極めて高い。上記問題点に対しては、
センサ数を増やして対応することも考えられるが、ピン
ポイントデータの単なる集合体検出信号であるため、金
型キャビティ内の樹脂挙動を全体的には観察できないこ
と。さらに、信号処理のためのソフト・ハードがともに
複雑化することにより大きなメリットを見い出すことは
できないという問題がある。また、金型にセンサ類を取
付けるための金型への特殊な加工が必要なこと、金型毎
に取付工数が必要なことなどの理由からもデメリットは
大きい
【0006】(3)射出充填量を制御している箇所で直
接、充填挙動を検出していることで、射出充填動作に型
締動作をオーバーラップさせた射出・型締連動制御に
は、従来技術を説明した〜の中で最も精度の高い制
御方法と言える。しかしながら、単に射出ストローク位
置のみでタイミング制御を行なう従来方法では、まだ計
量値の変動、チェックリングの作動状態の変動に起因す
る樹脂量のバラツキを含んだ状態での検出方法であるた
め、射出充填挙動を正確に検知できているとは言えな
い。さらに、従来方法では金型内の樹脂の充填挙動を同
時に把握するまでには至っておらず、そのため成形中の
樹脂温度(射出機構〜金型までの総合)の変動に対して
は対応困難であり、高品質な成形品を安定して供給する
ことはできない。
【0007】(4)前記従来技術を説明した〜の中
で最も簡単な制御方法であるが、制御レベルは最も低く
そのため単独での使用では高精度射出プレス成形の射出
・型締連動制御には適応不十分である。など多くの問題
点がある。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、高精度な型締開始のタイミング制
御により、高品質な成形品を安定して供給するようにし
た射出プレス成形方法および射出プレス成形装置を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の方法では、第1の発明では、固定盤と可
動盤および連結板がタイバーの軸線方向に配置され、可
動盤と連結板との間に半割ナットが装着され、かつ、タ
イバーには該半割ナットと嵌合するネジ部または溝部が
配設され、固定盤には移動シリンダおよびタイバーと連
設された型締シリンダが固設され、移動シリンダで可動
盤を固定盤に対して進退動させるとともに、型締シリン
ダで可動盤を固定盤側ヘ押圧させて型締力を負荷させる
型締機構を用いて、樹脂の冷却固化収縮量を算出し、該
収縮量を加算した樹脂量を金型キャビティ内に射出充填
するとともに、予め型締機構側で所定の型開量位置に金
型を保持しておき、射出充填工程中の射出機構の射出圧
力が設定値に達したことを検知した後、型締力を負荷さ
せて圧縮工程を開始するとともに、型締機構の型締圧力
と射出機構の射出圧力を同期制御することとした。ま
た、第2の発明では、第1の発明において、射出充填工
程における射出圧力が設定値に達するまでは射出速度制
御で射出充填を行ない、設定値に達した後は射出圧力制
御で射出充填を行なうこととした。さらに、第3の発明
では、以上の発明において、射出充填工程中の射出圧力
の検知は、射出シリンダストロークの前進限と前進限に
至るまでの射出充填完了近傍の領域の射出シリンダスト
ローク位置で行なうこととした。さらに、第4の発明で
は、第1の発明において、予め移動シリンダで可動盤を
前進させて両金型がタッチした状態で可動盤の位置を原
点設定し、所定の型開量位置を移動シリンダで可動盤を
後退させて該原点設定位置からの可動盤の後退量により
設定するとともに、半割ナットをタイバーのネジ部また
は溝部へ嵌合させて固定させた後、前記型締シリンダで
前記半割ナットと可動盤が当接するまで型締を行ない、
前記半割ナットと可動盤が当接した後は設定した後退位
置に可動金型を保持するように型締シリンダの油圧を制
御することとした。そして、第5の発明では、固定盤と
可動盤および連結板がタイバーの軸線方向に配置され、
可動盤と連結板との間に半割ナットが装着され、かつ、
タイバーには該半割ナットと嵌合するネジ部または溝部
が配設され、固定盤には移動シリンダおよびタイバーと
連設された型締シリンダが固設され、移動シリンダで可
動盤を固定盤に対して進退動させるとともに、型締シリ
ンダで可動盤を固定盤側ヘ押圧させて型締力を負荷させ
る型締機構を用いて、射出充填を制御する射出制御部を
備え、型開量設定部と可動盤の位置を検出する位置検出
部と両金型がタッチした状態で可動盤の位置を原点設定
する原点設定部と前記型締機構の半割ナットと可動盤の
当接を検知する型締基準検知部と前記型開量設定部およ
び原点設定部の設定値と前記位置検出部および型締基準
検知部の検出信号に基づいて型締を制御する型締制御部
とを具備するとともに、射出充填工程中の射出圧力を検
出する射出圧力検出部と射出圧力の検出範囲を設定する
位置設定部と前記射出圧力検出部からの検出信号に基づ
いて前記型締制御部へ型締開始信号および前記射出制御
部へ速度/圧力制御切替信号を発信させる比較制御部と
型締開始後の型締圧力と射出圧力を同期制御させる同期
制御部とを有する構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】射出充填工程中の射出機構の射出
圧力が設定値に達したことを検知した後、型締力を負荷
して圧縮工程を行なうことにより、射出・型締連動制御
における型締動作開始のタイミング信号の検出を、射出
充填工程を制御している箇所で直接検知していること、
さらに、タイミング信号を射出圧力の変化量を用いてい
ることにより、金型キャビティ内の溶融樹脂の充填挙動
も合わせて検知していることで、射出機構側から金型キ
ャビティ内までの樹脂の充填挙動を総合的に把握でき、
極めて精度の高い射出・型締連動制御が実現できる。そ
の結果、計量値やチェックリングの作動変動などに起因
する充填量のバラツキおよび成形中の樹脂温度の変動な
どの外乱因子に影響されることなく、高精度射出プレス
成形が制御できるため、高品質な成形品を安定して供給
することができる。
【0011】また、型締開始までの射出充填工程は射出
速度制御で行ない、型締開始以降は、射出圧力制御に切
替えるとともに、型締力と射出圧力の同期制御を行なう
ことにより、型締動作による圧縮工程で、従来、特に問
題とされていた金型キャビティから射出側への樹脂の逆
流が防止できるため、成形品重量が安定するとともに、
樹脂の逆流により生じていた成形品の変形も防止できて
高品質な成形品を安定して供給することができる。ま
た、従来、逆流防止のため付設していたシャットオフバ
ルブなどは不要となるため、低コスト化が達成できる。
さらに、タイミング信号の検出を射出シリンダストロー
ク前進限近くの射出充填完了近傍の範囲内で行なうこと
により、射出機構側での充填挙動と金型キャビティ内の
充満挙動の相互関係を最も的確に検知できる領域で型締
開始のタイミング制御が行なえるため、射出充填動作に
型締動作をオーバーラップさせた射出・型締連動制御が
正確に実現できる。
【0012】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図4は本発明に係り、図1は射
出成形機の全体構成図、図2は射出プレス成形方法の初
期型締条件設定手順を示すフローチャート、図3は射出
プレス成形方法の射出充填動作説明図、図4は射出プレ
ス成形方法の成形動作を示すフローチャートである。
【0013】図1に示すように、射出プレス成形を行な
う射出成形機100は、大別すると型締装置1と射出装
置40と制御装置60とから構成され、型締装置1は、
移動シリンダ2、型締シリンダ3、タイバー7、固定盤
10、ネジ噛合調整装置11、可動盤20、半割ナット
22、タイバー係止装置26、固定金型30a、可動金
型30b、および連結板50などから構成される。
【0014】つぎに、射出装置40について述べる。本
実施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ
42が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾー
ン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにお
いて溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44
内へ射出されるように構成されている。そして、バレル
41の外周面には樹脂原料を外部加熱するためのヒータ
が設けられており、樹脂原料がスクリュ42の回転によ
って前方へ送られるようになっている。符号46は射出
シリンダ、47は正逆転用モータであってスクリュ42
に直結されており、スクリュ42を正逆回転するように
なっている。
【0015】つぎに、制御装置60について述べる。制
御装置60は、射出制御部61、同期制御部62、比較
制御部63、タイマ64、射出圧力検出部68、位置設
定部69、および型締制御部66、型開量設定部70、
原点設定部71、型締基準検知部72、位置検出部7
3、ならびに、油圧制御弁65、67、油圧供給源68
a、68b、などから構成される。そして、射出制御部
61は油圧制御弁65を介して正逆転用モータ47の動
作を制御する図示しない制御装置に接続されるととも
に、同期制御部62とも接続される。また、同期制御部
62は射出シリンダ46の射出圧力検出部68と比較制
御部63を介して接続され、比較制御部63にはタイマ
64が接続されるとともに、射出圧力検出部68は位置
設定部69とも接続される。
【0016】一方、型締制御部66は同期制御部62と
接続されるとともに、型開量設定部70とも接続され油
圧制御弁67へ動作指令を発信する。型開量設定部70
は、半割ナット22と可動盤20の当接を検知する型締
基準検知部72と接続されるとともに、可動盤20位置
でエンコーダやリニアスケールなどにより型開量を検出
する位置検出部73と原点設定部71を介して接続され
る。
【0017】このように構成された射出成形機100に
おける射出プレス成形方法の操作手順について次に説明
する、図2は、初期型締条件設定の操作手順を示すもの
で、型開型締条件の設定は、下記のとおりの手順にて行
なう。 (1)移動シリンダ2で可動盤20を固定盤10側へ前
進移動させる。両金型30a、30bがタッチした後、
移動シリンダ2の駆動を停止させるとともに、可動盤2
0の位置(可動金型30bの位置)を位置検出部73で
検出して型タッチ点として原点設定部71で原点設定す
る(S0 )。なお、可動盤20の位置を検出する代わり
に移動シリンダストロークを検出して、シリンダストロ
ークを介して原点設定することも可能である。 (2)同時に、所定の型開量設定値(S)を、型タッチ
点(原点)からの可動盤20の後退移動量として型開量
設定部70で設定する。なお、移動シリンダストローク
で原点設定した場合には、可動盤20の後退を移動シリ
ンダストローク量で型開量設定することになる。 (3)型開量設定値(S)に基づいて、移動シリンダ2
で可動盤20を後退移動(型開移動)させ、設定値
(S)に達したことを位置検出部73(可動盤位置ある
いは移動シリンダストローク値)で確認した後移動シリ
ンダ2の駆動を停止させて、型開量設定における型締制
御の初期設定を終える。
【0018】次に、型締開始タイミング信号の設定につ
いて、図3に基づいて説明する。その手順は下記どおり
である。 (1)予め設定した射出充填量(樹脂の冷却固化収縮量
を加算した樹脂量)と射出速度(1段または多段射出速
度値)の設定値に基づいて射出充填を行なう。 (2)型締開始のタイミング信号を検出する範囲を、射
出シリンダストロークの前進限(E点)と前進限(E
点)に至るまでの、射出充填完了近傍の領域の射出シリ
ンダストローク位置を位置設定値(モニタリング開始
点)Vとして位置設定部69で設定する。こうすること
により、射出機構側での充填挙動と金型キャビティ28
内の充満挙動の相互関係を最も的確に検知することにな
り、射出充填動作に型締動作をオーバーラップさせた射
出・型締連動制御が正確に制御できる。同時に、型締開
始のタイミング信号を射出機構側の射出圧力における比
較設定値(K値)として比較制御部63で設定する。タ
イミング信号を射出圧力で設定することにより、射出機
構側から金型キャビティ28内の樹脂の充填挙動が総合
的に把握できるため、計量値、チェックリングの作動変
動による充填量のバラツキ、および成形中の樹脂温度の
変動などの外乱因子に影響されることなく、安定して高
精度なタイミング信号の検出ができる。 (3)設定値(V点、K値)に基づいて型締開始(圧縮
工程開始)の制御を行なう。射出シリンダストロークが
モニタリング開始点(V)に達すると射出圧力検出部6
8で射出圧力のモニタを開始する。金型キャビティ28
内の樹脂の充満挙動に伴ない、設定された射出速度を保
持するために射出圧力は増加を必要とし、射出圧力検出
部68の検出信号がK値に達すると(設定圧力到達点、
P)、射出充填動作を射出速度制御から射出圧力制御へ
切替えるとともに(VP切替という)、型締動作を開始
する(圧縮工程)。 (4)型締開始(射出・型締連動区間のスタート)と同
時に、型締力と射出圧力の同期制御を行なう。こうする
ことにより、型締動作による圧縮工程において、金型キ
ャビティ28内から射出側への樹脂の逆流は防止でき、
その結果、逆流による成形品の変形は皆無となる上、逆
流防止のためのシャットオフバルブなどは不要となる。
なお、同期制御については、射出装置40のノズル44
内と金型キャビティ28内の樹脂圧バランスを保つこと
であり、型締による圧縮条件(型締速度、型締圧力)を
考慮して、射出シリンダ46が後退することがないよう
に型締側と射出側の圧縮制御を同時に行なう。すなわ
ち、型締力の増圧開始と同時に射出圧力を増加し、金型
キャビティ28内の樹脂圧と射出圧力を同等になるよう
にして、樹脂の逆流を防止する。
【0019】以上のようにして、初期条件の設定が完了
した後、実操業の成形運転に入るが、その操作手順は、
図4に示すように、下記の手順により行なう。 (1)先に型開量設定部70で設定した型開量設定値
(S)に基づいて、移動シリンダ2で可動盤20を固定
盤10側へ移動前進させる。位置検出部73の検出信号
(可動盤位置あるいは移動シリンダストローク値)が設
定値に達すると、移動シリンダ2を停止させる。 (2)半割ナット開閉シリンダ26を駆動させて、半割
ナット22とタイバー7上のネジ部または溝部を完全に
噛合・固定させる。ここで前以って、両金型の金型厚さ
(ダイハイト値)とネジ部または溝部のピッチから、半
割ナット22とタイバー7上のネジ部または溝部が完全
に噛合するように、予めチェーンによって連結されたモ
ータを回転させることでスプロケットを回転させて、調
整軸の前後進移動量を調整しておく。 (3)型締シリンダ3に圧油を供給して型締動作を行な
うとともに、型締基準検知部72で半割ナット22と可
動盤20の当接検知のモニタを開始する。すなわち、半
割ナット22とタイバー7上のネジ部または溝部を噛合
・固定させた時点では、半割ナット22の駆動が容易と
なるように、半割ナット22と可動盤20はダイハイト
値とネジ部または溝部のピッチから算出される隙間を有
する状態である。したがって、この場合の型締動作は主
に可動盤20位置はそのままで、タイバー7とタイバー
7に噛合・固定された半割ナット22を固定盤10側方
向へ引き抜くようにスライド前進させることを示す。
【0020】(4)半割ナット22と可動盤20の当接
検知は、次のいずれかの方法で行なう。 半割ナット22と可動盤20の隙間を検出する。 可動盤20の位置変動を検出する。 移動シリンダストローク値の変動量を検出する。 なおの方法は、直接検知であるので、最も信頼性の高
い方法である。また、の方法は、半割ナット22と
可動盤20が当接することによって可動盤20(あるい
は移動シリンダ2)も一体となって型締のための前進動
作を示すことを利用した間接検知であるが、可動盤20
(あるいは移動シリンダストローク)の位置検出部73
とのセンサ共用が可能となるため、システムの単純化が
図られる。 (5)型締基準検知部72で半割ナット22と可動盤2
0が当接した後、先に設定した型開量設定値(可動盤位
置)、あるいは移動シリンダストローク値(S値)を保
持するように型締シリンダ3の油圧制御を行なうと同時
に、射出充填工程を開始する。 (6)射出充填工程は、先に設定した位置設定値(V
点)、比較設定値(K値)に基づいて型締開始(圧縮工
程開始)のタイミング制御を行なう。射出シリンダスト
ロークが位置設定値(V点)に達した後、射出圧力検出
部68で射出圧力のモニタを開始する。射出圧力検出部
68の検出信号がK値に達したことを検知後、比較制御
部63は同期制御部62を介して、射出制御部61へは
V(速度)−P(圧力)切替信号を、また型締制御部6
6へは型締開始信号をそれぞれ発信するとともに、タイ
マ64を起動させる。このようにして、同期制御部62
は型締圧力と射出圧力の同期制御を行ない、射出・型締
連動の射出プレス成形を行なう。
【0021】(7)ここでタイマ64に計量開始時間
(t1 )、型締完了時間(t2 )を予め設定しておく。
型締開始後は、タイマ64のタイムアウト信号に基づい
て型締側、射出側を各々制御する。ここで、t1 は、ゲ
ートシールする時間を基準とする。ただしシャットオフ
バルブが組込まれている場合は、シャットオフバルブ閉
動作完了時間を基準とする。また、t2 は、樹脂温度、
金型冷却能力および成形品形状などから樹脂の冷却固化
時間を算出し、保圧冷却時間として設定する。 (8)タイムアウト(t1 )信号により、比較制御部6
3は射出制御部61へ計量開始信号を発信して計量動作
を開始する。同様にタイムアウト(t2 )信号により、
比較制御部63は型締制御部66へ圧縮完了信号を発信
して、型開動作に引続いて製品取出しを行なって、次の
成形動作に入る。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
下記のような優れた効果を発揮することができる。 (1)射出充填工程中の射出圧力が、充填完了近傍の範
囲内において、設定値に達したことを検知後、型締を開
始して圧縮工程を行なうことにより、計量値やチェック
リング作動変動による充填量のバラツキや成形中の樹脂
温度の変動などの外乱因子に全く影響されずに、射出機
構側での充填挙動と金型キャビティ内の充満挙動の相互
関係が正確に検知でき、極めて高精度な射出プレス成形
が制御できるため、高品質な成形品を安定して供給でき
る。 (2)圧縮工程は、射出圧力と型締圧力を同期制御させ
ることにより、金型キャビティから射出側への樹脂の逆
流が防止できるため、成形品の品質精度が極めて向上す
るとともに、逆流防止のためのシャットオフバルブなど
の不要によるコストダウンができる。 (3)金型の型開閉動作は移動シリンダで行ない、タイ
バーに連設した型締シリンダで高圧型締を行なう成形機
を用いて射出プレス成形を行なうことで、射出充填工程
中の型開量保持の型締制御は、小容量・短ストロークの
型締シリンダの油圧制御により、作動油の圧縮による応
答遅れが極めて小さいため、高応答・高精度な型開量型
締制御ができ、その結果、極めて高品質な成形品を安定
して供給できる。さらに、複数の型締シリンダを単独に
制御することで、成形動作中の金型の傾きを補正するレ
ベリング制御や逆に任意の傾動を与えながら圧縮作用を
負荷することも可能であり、製品形状に応じた型締動作
ができるため、応用範囲の広い射出プレス成形機を供給
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の初
期型締条件設定手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の射
出充填動作説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の成
形動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 型締装置 2 移動シリンダ 3 型締シリンダ 7 タイバー 9 ピストンロッド 10 固定盤 11 ネジ噛合調整装置 20 可動盤 22 半割ナット 26 タイバー係止装置(半割ナット開閉シリンダ) 28 キャビティ 30a 固定金型 30b 可動金型 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 43 ホッパ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 ピストン 50 連結板 60 制御装置 61 射出制御部 62 同期制御部 63 比較制御部 64 タイマ 65 油圧制御弁 66 型締制御部 67 油圧制御弁 68 射出圧力検出部 68a 68b 油圧供給源 69 位置設定部 70 型開量設定部 71 原点設定部 72 型締基準検知部 73 位置検出部 100 射出成形機 K 射出圧力比較設定値 V 位置設定値(モニタリング開始点) E 前進限 P 設定圧力到達点 S 型開量設定値 S1 型開量設定値 t1 計量開始時間 t2 型締完了時間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定盤と可動盤および連結板がタイバー
    の軸線方向に配置され、可動盤と連結板との間に半割ナ
    ットが装着され、かつ、タイバーには該半割ナットと嵌
    合するネジ部または溝部が配設され、固定盤には移動シ
    リンダおよびタイバーと連設された型締シリンダが固設
    され、移動シリンダで可動盤を固定盤に対して進退動さ
    せるとともに、型締シリンダで可動盤を固定盤側ヘ押圧
    させて型締力を負荷させる型締機構を用いて、樹脂の冷
    却固化収縮量を算出し、該収縮量を加算した樹脂量を金
    型キャビティ内に射出充填するとともに、予め型締機構
    側で所定の型開量位置に金型を保持しておき、射出充填
    工程中の射出機構の射出圧力が設定値に達したことを検
    知した後、型締力を負荷させて圧縮工程を開始するとと
    もに、型締機構の型締圧力と射出機構の射出圧力を同期
    制御することを特徴とする射出プレス成形方法。
  2. 【請求項2】 射出充填工程における射出圧力が設定値
    に達するまでは射出速度制御で射出充填を行ない、設定
    値に達した後は射出圧力制御で射出充填を行なうことを
    特徴とする請求項1記載の射出プレス成形方法。
  3. 【請求項3】 射出充填工程中の射出圧力の検知は、射
    出シリンダストロークの前進限と前進限に至るまでの射
    出充填完了近傍の領域の射出シリンダストローク位置で
    行なうことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    射出プレス成形方法。
  4. 【請求項4】 予め移動シリンダで可動盤を前進させて
    両金型がタッチした状態で可動盤の位置を原点設定し、
    所定の型開量位置を移動シリンダで可動盤を後退させて
    該原点設定位置からの可動盤の後退量により設定すると
    ともに、半割ナットをタイバーのネジ部または溝部へ嵌
    合させて固定させた後、前記型締シリンダで前記半割ナ
    ットと可動盤が当接するまで型締を行ない、前記半割ナ
    ットと可動盤が当接した後は設定した後退位置に可動金
    型を保持するように型締シリンダの油圧を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の射出プレス成形方法。
  5. 【請求項5】 固定盤と可動盤および連結板がタイバー
    の軸線方向に配置され、可動盤と連結板との間に半割ナ
    ットが装着され、かつ、タイバーには該半割ナットと嵌
    合するネジ部または溝部が配設され、固定盤には移動シ
    リンダおよびタイバーと連設された型締シリンダが固設
    され、移動シリンダで可動盤を固定盤に対して進退動さ
    せるとともに、型締シリンダで可動盤を固定盤側ヘ押圧
    させて型締力を負荷させる型締機構を用いて、射出充填
    を制御する射出制御部を備え、型開量設定部と可動盤の
    位置を検出する位置検出部と両金型がタッチした状態で
    可動盤の位置を原点設定する原点設定部と前記型締機構
    の半割ナットと可動盤の当接を検知する型締基準検知部
    と前記型開量設定部および原点設定部の設定値と前記位
    置検出部および型締基準検知部の検出信号に基づいて型
    締を制御する型締制御部とを具備するとともに、射出充
    填工程中の射出圧力を検出する射出圧力検出部と射出圧
    力の検出範囲を設定する位置設定部と前記射出圧力検出
    部からの検出信号に基づいて前記型締制御部へ型締開始
    信号および前記射出制御部へ速度/圧力制御切替信号を
    発信させる比較制御部と型締開始後の型締圧力と射出圧
    力を同期制御させる同期制御部とを有することを特徴と
    する射出プレス成形装置。
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