JPH0937836A - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧品充填ドラムを、容器本体内の左右何れ
の位置にも取付可能として、使い勝手を良くする。 【解決手段】 底板３外周から周壁４を起立する容器本
体５，該容器本体の各後部で枢着した開閉自在な蓋体
６，及び底板３の左右方向中間から前後方向へ長く起立
し、かつ左右方向縦断面形状を柄部８上端に笠部９を付
設して左右対称の茸形状にした単数ないし複数の係止板
７を備えた合成樹脂製のコンパクト外形部２と、側壁17
下面に長溝18を穿設するとともに、該長溝付き側壁17ａ
の弾性を有する外方側溝形成壁20の下部内面に突部21を
付設した合成樹脂製の化粧品充填ドラム15とからなり、
長溝18内へ係止板７を嵌合させることで、化粧品充填ド
ラム15を容器本体５内の左右何れにも取付可能に形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、化粧用コンパクト
容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、実開平6-68610 号公報には、底
板外周から周壁を起立する容器本体と該容器本体上面を
開閉する蓋体とを各後部で枢着させるとともに、上記容
器本体内へ化粧品充填ドラムを着脱自在に嵌合した化粧
用コンパクト容器が記載されており、該化粧用コンパク
ト容器では、上記底板の左右方向中間部から境界壁を起
立して、容器本体内の左右に形状の異なる２個の収納室
を形成し、一方に化粧品充填ドラムを、他方にパフを収
納できるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の化粧用コンパクト容器では、左右の収納室の形
状が異なるため、例えば左側の収納室が化粧品充填ドラ
ム用とすると、パフは右側の収納室に収納されることに
なるから、右ききの人はパフを掴み易く使い勝手が良い
が、左ききの人にとってはパフが掴みにくく使い勝手が
悪いという問題があった。

【０００４】請求項１記載の発明は、化粧品充填ドラム
を容器本体内の左右何れの位置にもセットできる使い勝
手の良い化粧用コンパクト容器を提供することを目的と
し、また請求項２記載の発明は、上記目的を有するとと
もに、化粧品充填ドラムをより確実に保持できるように
した化粧用コンパクト容器を提供することを目的とす
る。更にまた請求項３記載の発明は、請求項１、及び請
求項２の目的を有するとともに、閉蓋状態でも容器本体
に収納するパフが乾燥するようにした化粧用コンパクト
容器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１の手段としては、底板３外周から周壁４を起立
する合成樹脂製の容器本体５と該容器本体上面を開閉自
在に閉塞する合成樹脂製の蓋体６とを、各後部で共に枢
着させるとともに、上記底板３の左右方向中間から単数
ないし複数の係止板７を前後方向へ長く起立するコンパ
クト外形部２と、上記係止板７を、側壁17下面に開口穿
設した長溝18内へ嵌合させて、容器本体５左右いずれか
の一半部内へ着脱自在に嵌合させた合成樹脂製の化粧品
充填ドラム15とからなり、上記係止板７の左右方向縦断
面形状を柄部８上端に笠部９を付設した左右対称の茸形
状に形成するとともに、該係止板７を嵌合させた長溝付
き側壁17ａの外方側溝形成壁20を上記係止板７の着脱が
可能に弾性変形可能にし、かつ該外方側溝形成壁20の下
部内面に上記笠部９の外縁下面へ係合する突部21を付設
し、また化粧品充填ドラム15は、長溝付き側壁17ａを容
器本体底板３の左右方向中間側に位置させて長溝18内へ
係止板７を嵌合させることで、容器本体５内の左右何れ
にも嵌合可能に形成した。

【０００６】また第２の手段としては、第１の手段の構
成を有するとともに、上記容器本体５の左右周壁部分４
ｃ，４ｄ内面と、長溝18を有する側壁17と対向する側
の、化粧品充填ドラム15の側壁17面とに、容器本体左右
両部内への化粧品充填ドラム15嵌合時に互いに係合する
凹凸の係合手段を横設した。更に第３の手段としては、
第１及び第２の手段の構成を有するとともに、上記容器
本体５の底板３ないし該底板３から起立する周壁４に、
通気孔13を穿設した。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１はコンパクト外形部から化粧
品充填ドラムを取り外した状態の本発明の化粧用コンパ
クト容器１の第１実施形態を示す。

【０００８】コンパクト外形部２は、底板３外周から周
壁４を起立した合成樹脂製の容器本体５と、該容器本体
の各後部で共に枢着するとともに、容器本体５上面を開
閉自在に閉塞する蓋体６とからなり、上記底板３の左右
方向中間から、前後方向へ長い一対の係止板７，７を起
立している。

【０００９】上記係止板７は、その左右方向縦断面形状
が図３及び図４に示すように、平板状の柄部８上端に台
形状の笠部９を付設した左右対称の茸形状に形成されて
おり、該笠部の両外縁下面は逆刺として利用され、後述
する化粧品充填ドラムの長溝内に形成された突部に係合
する。なお、本実施形態では上記係止板７を底板３から
２個起立させたが、係止板７の個数は３個以上であって
もよく、また後述するように１個であってもよい。

【００１０】柄部８が起立する底板３の左右部分に、図
３及び図４が示すように、上記柄部８からはみ出した笠
部９部分より大きめな透孔10を穿設することで、ルーズ
コアやスライドコアを用いない、構造の簡単な一対の金
型により、アンダーカットを有する係止板７を容器本体
５に一体に成形できるようにしている。なお、本実施形
態では上記係止板７を底板３に一体に形成したが、係止
板７を別工程で作製し、容器本体５の底板３に接着また
は溶着してもよい。この場合には底板３に上記透孔10を
穿設しなくてもよい。また、本実施形態では図２が示す
ように、上記一対の係止板７，７の一端面を、前後周壁
部分４ａ，４ｂ内面に連設することで、係止板７，７に
上下方向の大きな力が加わっても容器本体５から千切れ
ないようにしている。

【００１１】上記容器本体５は図２が示すように、その
左右周壁部分４ｃ，４ｄ内面から内方へ、２個の係止用
突条11をそれぞれ突設している。該突条下方の底板３各
部分に上記突条11の出っ張り部分より１回り大きな透孔
12を穿設し、容器本体５の成形時における、金型の離型
性を良好にしている。また容器本体５の底板３及び左右
周壁部分４ｃ，４ｄの下部に多くの通気孔13を穿設する
ことで、蓋体６が閉じられたときにも、上記通気孔13を
介して容器本体５内へ外気を出入可能として、水分を含
んだパフ( 図示省略 )が乾燥するようにしている。

【００１２】化粧品充填ドラム15は図１及び図３が示す
ように、底壁16及び該底壁16外周から起立する側壁17か
らなり、これらを合成樹脂で一体成形している。上記底
壁16及び側壁17が形成する内部には、ファンデーション
等の化粧品15ａを収納している。該化粧品充填ドラム15
では、右方の側壁部分17ａを、下面が開口した長溝18を
穿設して長溝付き側壁としている。該長溝の内方壁面18
ａは図３が示すように、右方高の斜面になっていて、か
つ該斜面の傾きを、係止板７の笠部９の上部に形成した
テーパ面９ａの傾きに等しく形成している。このように
構成すると、上記係止板７が長溝18内へ嵌合されるとき
に、笠部９の上部が内方壁面18ａをスライドして、化粧
品充填ドラム15は図中左方向へ寄るようになり、長溝付
き側壁17ａに対向する側壁17は容器本体５の左側周壁部
分４ｃに密着する。

【００１３】上記長溝付き側壁17ａの一部を構成する外
方側溝形成壁20は弾性変形可能であって、下部内面に突
部21を横設している。該突部の上面は既述したように、
笠部９の外縁下面に係合し、化粧品充填ドラム15を容器
本体５内へ係止する。また化粧品充填ドラム15が押し上
げられたときに、上記外方側溝形成壁20が図中右側に変
形し、笠部９が突部21を乗り越えるように、突部21の縦
断面の上部を円弧状にしている。更に外方側溝形成壁20
の前，後端部に割溝22をそれぞれ形成して、該外方側溝
形成壁20の前後端部分をより変形し易くしている。

【００１４】上記長溝付き側壁17ａと対向する側壁17の
外面に、図１において二点鎖線で示すように、一対の凹
条23を穿設している。該凹条には、化粧品充填ドラム15
を容器本体５内へセットするときに笠部９の上部が既述
内方壁面18ａをスライドして、上記突条11がそれぞれ嵌
入される。なお本実施形態では、左右周壁部分４ｃ，４
ｄに突条11を、また化粧品充填ドラム15の側壁17に凹条
23をそれぞれ形成したが、左右周壁部分４ｃ，４ｄに凹
条23を、また化粧品充填ドラム15の側壁17に突条11をそ
れぞれ形成してもよい。

【００１５】上記構成を有する化粧用コンパクト容器１
では、化粧品充填ドラム15を容器本体５の左側にセット
するときには、化粧品充填ドラム15を図１において実線
で示すように、溝付き側壁17ａが容器本体底板３の中央
側に向くよう位置させる。この後、図３が示すように、
係止板７を長溝18内へ嵌合すると、左側周壁部分４ｃの
突条11が化粧品充填ドラム15の凹条23内へ嵌合し、化粧
品充填ドラム15は容器本体５内の左側へガタつくことな
く取り付けられる。なお、容器本体５内の右側はパフ等
を収納する空きスペースとなる。

【００１６】容器本体５から化粧品充填ドラム15を取り
外すときには、ドライバー等の先端で外方側溝形成壁20
の下端を引っ掛け、上方へ持ち上げると、該外方側溝形
成壁20が右方へ変形し、笠部９の外縁下面と、溝付き側
壁17ａの突部21との係合が解除される。このとき、突条
11は凹条23から離脱するから、化粧品充填ドラム15を容
器本体５内から簡単に取り出すことができる。なお、容
器本体５の底板３に化粧品充填ドラム15の押上げ用の透
孔等が穿設してある場合には、該透孔からピン等を挿入
して、化粧品充填ドラム15を押し上げることで取り出し
が可能となる。

【００１７】化粧品充填ドラム15を容器本体５の右側に
セットするときには、化粧品充填ドラム15を図１におい
て二点鎖線で示すように、溝付き側壁17ａを容器本体底
板３の中央側に向くよう位置させる。この後、図４が示
すように、長溝18内へ係止板７を嵌合させると、左側周
壁部分４ｃの突条11が化粧品充填ドラム15の凹条23内へ
嵌合して、化粧品充填ドラム15は容器本体５内の右側へ
ガタつくことなく取り付けられる。なお、容器本体５内
の左側はパフ等を収納する空きスペースとなる。

【００１８】図５及び図６は容器本体底板３の中央に、
前後方向へ長い１個の係止板25を起立した化粧用コンパ
クト容器１の第２実施形態を示す。該実施形態では図５
が示すように、上記係止板25の左右方向縦断面形状を、
前，後両端部においては柄部８上端に笠部９を付設した
左右対称の茸形状に、また中間部においては平板状に形
成している。また図６が示すように、係止板25の前、後
両端部を挟む底板３各部分に、柄部８からはみ出した笠
部９部分より大きめな透孔10を穿設することで、容器本
体５を簡単な構造の金型で成形できるようにしている。
なお、上記何れの実施形態では、容器本体５の底板３な
いし該底板から起立する周壁４に通気孔13を穿設した
が、パフを乾燥させる必要がない場合には、上記通気孔
13を穿設しなくてもよい。

【００１９】

【発明の効果】請求項１記載の発明は既述構成とするも
ので、容器本体底板３の左右方向中間から前後方向へ長
い係止板７を起立し、また化粧品充填ドラム15の側壁17
下面に長溝18を穿設したので、上記係止板７を長溝18内
へ嵌合させて、容器本体５内の左右何れにも嵌合できる
から、利き腕に応じて化粧品及びパフの位置を左右に入
れ替えることができる使い勝手の良い化粧用コンパクト
容器を提供することができる。

【００２０】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明と同じ効果を有するとともに、上記容器本体５の左右
周壁部分４ｃ，４ｄ内面と、長溝18を有する側壁17と対
向する側の、化粧品充填ドラム15の側壁17外面とに、互
いに係合する凹凸の係合手段を横設したから、化粧品充
填ドラム15を容器本体左右両部の何れか一方内へ挿入し
たときに、凹凸の係合手段を嵌合させることができるの
で、化粧品充填ドラム15を容器本体５内でガタつかない
ようにすることができる。

【００２１】請求項３記載の発明は、請求項１及び請求
項２記載の発明と同じ効果を有するとともに、上記容器
本体５の底板３ないし該底板３から起立する周壁４に、
通気孔13を穿設したから、蓋体６を閉じた状態でも、容
器本体５に収納したパフを乾燥することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンパクト外形部から化粧品充填ドラムを取り
外した状態の化粧用コンパクト容器の第１実施形態を示
す図である。

【図２】容器本体の平面図である。

【図３】化粧品充填ドラムを容器本体内の左側にセット
した状態を示す要部断面図である。

【図４】化粧品充填ドラムを容器本体内の右側にセット
した状態を示す要部断面図である。

【図５】本発明の第２実施形態の容器本体を示す斜視図
である。

【図６】図５が示す容器本体の平面図である。

【符号の説明】

１ 化粧用コンパクト容器 ２ コンパクト外形
部 ５ 容器本体 ６ 蓋体 ７ 係止板 ８ 柄部 ９ 笠部 15 化粧品充填ドラ
ム 18 長溝 25 係止板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板３外周から周壁４を起立する合成樹
   脂製の容器本体５と該容器本体上面を開閉自在に閉塞す
   る合成樹脂製の蓋体６とを、各後部で共に枢着させると
   ともに、上記底板３の左右方向中間から単数ないし複数
   の係止板７を前後方向へ長く起立するコンパクト外形部
   ２と、上記係止板７を、側壁17下面に開口穿設した長溝
   18内へ嵌合させて、容器本体５左右いずれかの一半部内
   へ着脱自在に嵌合させた合成樹脂製の化粧品充填ドラム
   15とからなり、上記係止板７の左右方向縦断面形状を柄
   部８上端に笠部９を付設した左右対称の茸形状に形成す
   るとともに、該係止板７を嵌合させた長溝付き側壁17ａ
   の外方側溝形成壁20を上記係止板７の着脱が可能に弾性
   変形可能にし、かつ該外方側溝形成壁20の下部内面に上
   記笠部９の外縁下面へ係合する突部21を付設し、また化
   粧品充填ドラム15は、長溝付き側壁17ａを容器本体底板
   ３の左右方向中間側に位置させて長溝18内へ係止板７を
   嵌合させることで、容器本体５内の左右何れにも嵌合可
   能に形成したことを特徴とする化粧用コンパクト容器。
2. 【請求項２】 上記容器本体５の左右周壁部分４ｃ，４
   ｄ内面と、長溝18を有する側壁17と対向する側の、化粧
   品充填ドラム15の側壁17外面とに、容器本体左右両部内
   への化粧品充填ドラム15嵌合時に互いに係合する凹凸の
   係合手段を横設したことを特徴とする請求項１記載の化
   粧用コンパクト容器。
3. 【請求項３】 上記容器本体５の底板３ないし該底板３
   から起立する周壁４に、通気孔13を穿設したことを特徴
   とする請求項１又は請求項２記載の化粧用コンパクト容
   器。