JPH0937794A - 微生物数の迅速測定法 - Google Patents

微生物数の迅速測定法

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JPH0937794A
JPH0937794A JP21393195A JP21393195A JPH0937794A JP H0937794 A JPH0937794 A JP H0937794A JP 21393195 A JP21393195 A JP 21393195A JP 21393195 A JP21393195 A JP 21393195A JP H0937794 A JPH0937794 A JP H0937794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常微生物を取り扱う実験室に備えた汎用設
備を用いる簡便な迅速生菌数測定方法を見い出すこと。 【解決手段】 微生物を合成高分子製多孔質濾過膜上に
捕集し、寒天培地上で短時間培養して形成された該微生
物由来のコロニーに塩基性染料の有機溶媒溶液を添加し
て染色した後、該有機溶媒を揮散して顕微鏡下に該染色
微小コロニーの数を計測する微生物数の迅速測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微生物が存在する気
体、液体の各種試料中の生菌数を簡易且つ迅速に測定す
る方法に関し、特に合成高分子製濾過膜膜上に微生物を
捕集し、寒天培地上で培養して形成されたコロニー数を
計測する微生物数の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より試料中の微生物生菌数を求める
方法は知られており、広く使用されている。すなわち液
状の試料を濾過し、濾過膜上に菌を捕集し、該濾過膜を
平板培地上に移し替えて通常25〜37℃の温度で24
〜72時間培養して、生成するコロニー数を求めて生菌
数を測定する方法が広く採用されてきている。しかしな
がら、試料採取から生菌数を測定するまでに要する時間
が甚大であるため、種々の観点からこの所要時間を短縮
する努力がなされ、それなりの成果を上げてきてはい
る。例えば最近の技術の一つを挙げるならば、濾過膜上
に捕集した菌を短時間培養して界面活性剤や有機溶媒そ
の他で菌由来のアデノシン−三リン酸を細胞より抽出
し、ルシフェラーゼの存在下にルシフェリンと反応させ
て発光させ、その発光輝点をイメージアナライザーで検
出して生菌数を測定する方法が迅速な方法として特開平
4−30798号に詳細に記載されている。上述した最
新の方法以外にも、捕集した微生物を所定の時間培養し
て、発光色素で処理して、放射された蛍光を自動検出す
る方法、あるいは微小の光点を検出するためにスキャナ
ーを使用する方法、或いはまた落射蛍光顕微鏡を使用す
る方法が提案され、すでに上市されているものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においては、光を検出するために必要な装置が高
額な上、その維持管理は必ずしも容易ではなく、その上
通常微生物を取り扱うために実験室に備えた汎用設備で
簡単に目的を達成する必要性を考えると、より簡便な迅
速生菌数測定法を見いだすことがなお所望されてきた。
これに対して例えば、特開平4−218392号では微
生物を染色し、その着色度その他から微生物生菌数を容
易に測定することを特徴とする迅速測定法を提案してい
る。
【0004】この方法は、目視もしくは汎用性の高い機
器を用いて生菌数を測定する点では優れており、それ故
に測定キットも提案されているが、残念ながら常に生菌
数測定のために参照すべき検量線が不可欠であり、測定
前後に検量線をを作成する煩わしさが避けられず、検体
中の菌数は1ml当たり104 個以上存在しないと感度
良く定量し得なかった。また着色の気孔、特に微生物の
何に由来する染色であるかが明らかにされていないの
で、菌の種類が多岐にわたった場合には、生菌数の測定
方法の適用性にはおのずと制限があり、普遍性を欠くう
らみがあり、依然として簡易迅速な生菌数測定法が望ま
れており課題とされてきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような背景に鑑
み、本発明者は高価な機器を用いることなくまた事前も
しくは事後の検量線作成を必要とすることなく、普遍性
のある簡易且つ迅速な生菌数の測定方法を提供すること
を種々検討した。その結果、微生物を合成高分子製多孔
質濾過膜上に捕集し、寒天培地上で短時間培養して形成
された該微生物由来のコロニーに塩基性染料の有機溶媒
溶液を添加して染色した後、該有機溶媒を揮散して顕微
鏡下に該染色微小コロニーの数を計測する微生物数の迅
速測定法を見いだして本発明を完成するに至った。
【0006】ここに、本発明による微生物数の迅速測定
法の対象となる微生物は、細菌、酵母、かび及びこれら
の芽胞のいずれをも含むものである。これらの微生物の
捕集は、好ましくは0.8μmあるいはこれ以下の孔径
を有する濾過膜を使用してなされるが、常法に従って微
生物を含む試料を吸引濾過して捕集するか、少量の試料
に適当な数の微生物の存在が推定し得る場合には吸引濾
過することなく単に濾過膜上に試料を付着させることに
より捕集しても構わない。このような微生物を捕集する
ための濾過膜は種々知られており、多孔質濾過膜やデプ
スフィルタが広く採用され、本体材質や表面加工を考慮
すると枚挙に暇がないほど数多くの種類の濾過膜が提案
されまた上市されている。具体的には、各種ポリオレフ
ィン、特に塩素やフッ素などのハロゲン置換ポリオレフ
ィン、各種ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテル、
ポリカーボネート、各種セルロース誘導体などの材料、
素材のものが使用され、さらにはそれらの表面を物理的
もしくは化学的に修飾して水酸基、アミノ基、陰イオン
交換基、陽イオン交換基などの親水性基を付与した機能
性濾過膜などが広く使用されてきている。
【0007】本発明においては、これらの濾過膜には染
料溶液に親和性があることが欠かせない。染料溶液と濾
過膜との間に親和性が全く無い場合には染色が困難で採
用し難いが、乏しい親和性しか有しない場合でも、染料
溶液を過剰に用いて濾過面全体に染料溶液が行きわたる
ように容器内に置かれた濾過膜を軽く揺すったり振動を
与えることが必要であり、その際にコロニーが濾過膜面
から剥離、移動し合体したりして、適切なコロニー数検
出が難しくなりやはり採用し難い。このため、染色溶液
と濾過膜の材質間の相互作用は重要で以下に記述するよ
うに前記材料の中でも各種セルロース系のものは採用し
難い。
【0008】更に、上記の染色方法において、顕微鏡下
に染色コロニー数を数を的確に計測するために濾過膜上
に液膜が存在すると焦点が合わせにくいので、溶媒の風
乾もしくは加熱乾燥操作が必要になるが、この過程で濾
過膜表面が歪むとやはり顕微鏡の焦点が合わせ難くな
り、コロニー計数が困難になる。この事実はすでにアプ
ライド・アンド・エンバイロンメンタル・マイクロバイ
オロジー48巻、2号、433−4頁、1984年(A
pplied and Enviromental M
icrobiology,vol.48,No.2,p
433−4(1984))に報告されており、水中のバ
クテリアをセルロース製濾過膜で捕集し培養後、ブロモ
クレゾールグリーンとメチルレッドのイソプロパノール
溶液で染色した後、完全に乾燥すると濾過膜がカールす
るので、計数が困難となる事実を示している。
【0009】これらの事実を背景に、他の材質、素材の
濾過膜と染料溶液との組み合わせを鋭意検討し、顕微鏡
による計数を円滑に進めるために各種処理工程中平面性
を維持する濾過膜として、合成高分子製の濾過膜が好適
であることを見いだし、更に少量の染色溶液でも濾過膜
上に供された際に振動を与えることなく速やかに行きわ
たらせるには、有機溶媒の染料溶液が適切であることを
見いだした。
【0010】なお、周知の技術に従って、濾過膜上には
計数を容易ならしめるように種々の規格の格子を描くこ
とが好ましく、約2〜3mmの正方格子などがプリント
された濾過膜を使用することが好ましい。また、同時に
染色されたコロニーとこれら濾過膜面は色彩的に区別し
易いコントラストを与えることがいっそう好ましいが、
濾過膜面はある程度染色されてもさしつかえない。
【0011】次に、前記した濾過膜状に捕集された微生
物培養について記載するに、前述の微生物捕集面の反対
面から培地の養分が円滑に供給されればほとんどの従来
の寒天培地が使用でき、特定の検出すべき微生物を検出
することを目的として既存の選択培地を使用することも
可能である。この際にもちろん好気下もしくは嫌気下い
ずれの条件も目的に応じて採用できる。ただし、培地成
分が染料と反応してコロニーとの染色反応を阻害する場
合には使用を回避するか、このような染料を使用せざる
を得ない場合には、培養後、染色前にろ紙などを使用し
て培地成分を吸い取るか、洗浄して洗い去ることが必要
である。この際、コロニーの濾過膜面からの剥離や移動
を避けるようにしなければならないことは当然である。
【0012】微生物を培養して得られたコロニーの染色
に関して染料と染料溶液について更に説明すると、染料
が背景となる濾過膜の染色と比較してコロニーをコント
ラスト良く染色し通常光の下に検出し得るものならいず
れも採用し得るはずであるが、前記有機溶媒への可溶性
を考えると塩基性染料を使用することが必要である。塩
基性染料としては、メチレンブルー、サフラニン、フク
シン、ゲンチアナバイオレットが好適であるが、これら
に限定されるものではない。これら染料を溶解する溶媒
は各種の有機溶媒、特に極性有機溶媒が好適であるが、
染料を溶解し得て染色が速やかになされ、溶媒揮散に支
障がなく、濾過膜の平面性を失わない限り、水を溶媒の
一部として加えた有機溶媒も使用し得る。その中でも、
特に揮発度が高い有機溶媒やそれら溶媒の混合物が好ま
しいが、加熱乾燥を適用できる場合には必ずしも揮発度
の高いことを考慮しなくても構わない。これら適用可能
な溶媒の具体例にはメタノール、エタノール、クロロホ
ルム及び水含有量数10%以内のエタノールなどが好ま
しいがこれらに限定されるものではない。
【0013】濾過膜の乾燥については、揮発度の高い溶
媒や低沸点の溶媒は、単に風乾することで除去し得るの
で特に好都合である。しかし、気化溶媒が引火しない条
件で且つ濾過膜の平面性を保持し得るかぎり加熱乾燥も
可能である。
【0014】コロニー計数について顕微鏡の倍率とコロ
ニーの大きさについて言及すると、10〜40倍程度の
顕微鏡倍率が好ましいが、それほど煩わしさをいとわな
い倍率範囲としては100倍程度でも使用でき、一方染
色されたコロニーの大きさから表現すると数μm以上で
あれば計数可能であるが顕微鏡の倍率が高くなり過ぎる
と走査が煩わしくなり、場合によってはコロニーとは異
なる異物をも計数する虞があり好ましくはないので、コ
ロニーの大きさとしては30μm前後もしくはそれ以上
が望まし。しかし、いたずらに大きくなるまで培養時間
を延長することは迅速測定の目的に照らして避けるべき
である。また、菌糸を有するかび、放射菌などにあって
はその特徴的な構造に従って染色されるため、細菌や酵
母ときょう雑物との区別も明確になし得て好都合であ
る。
【0015】上述した各要件を一層理解し易いように各
要件間の若干の組み合わせの具体例を、微生物、濾過
膜、塩基性染料と溶媒、培地、培養温度と時間の順に列
挙すると次の通りである。計数に要する顕微鏡倍率は1
0〜30倍程度である。 ・大腸菌(以下E.coliと略記)、孔径0.45μ
mのポリビニリデンフルオライド(以下PVDFと略
記)製多孔質メンブレイン(日本ミリポア社製デュラポ
ア:以下材料と孔径のみを記述)、メチレンブルー(以
下MBと略記)、とエタノール、エスシーディー培地
(以下SCDと略記)(日本新薬製)、温度37℃、5
時間培養。 ・E.coli、PVDF(孔径0.45μm)、MB
とエタノール、SCD、37℃、5時間。 ・E.coli、ポリカーボネート(孔径0.45μ
m)、MBとエタノール、SCD、37℃、6時間。 ・E.coli、PVDF(孔径0.22μm)、MB
とメタノール、SCD、37℃、6時間。 ・E.coli、PVDF(孔径0.22μm)、サフ
ラニン(SNと略記)と水・エタノール等量混合物、S
CD、37℃、5時間。 ・スタフィロコックス アウレウス(以下S.aure
usと略記)、ナイロン(孔径0.45μm)、SNと
メタノール、SCD、37℃、7時間。 ・アセトバクター アセチ(以下A.acetiと略
記)、ポリサルホン(孔径0.45μm)、MBとエタ
ノール、ブロムクレゾールパープル添加プレートカウン
ト培地(以下BCPと略記)(日水製)、30℃、9時
間。 ・ラクトバチルス ブレビス(以下L.brevisと
略記)、PVDF(孔径0.45μm)、フクシン(以
下FCと略記)とエタノール、BCP、30℃、8時
間。 ・ミロコックス ルテウス(以下M.luteusと略
記)、PVDF(孔径0.45μm)、FCとクロロホ
ルム、SCD、30℃、14時間。 ・シュウドモナス ディミニュータ(以下P.dimi
nutaと略記)、ポリエーテルエーテルケトン(孔径
0.45μm)、MBとエタノール、TGE(ディフコ
社)、30℃、18時間。 ・サッカロミセス セレビッシェ(以下S.cerev
isiaeと略記)、PVDF(孔径0.65μm)、
MBとエタノール、ポテトデキストロース培地(以下P
DAと略記)(日水製)、30℃、8時間。 ・アスペルギルス ニガー(以下A.nigerと略
記)、PVDF(孔径0.65μm)、MBとエタノー
ル、PDA培地、30℃、7時間。
【0016】かくして、本発明の目標である高価な測定
設備を設けることなく培養時間を短縮すること、換言す
ると容易かつ迅速な微生物検出方法が提供された。すな
わち、短時間の培養では顕微鏡下にも難しい微小コロニ
ー検出を染色操作を加味することで容易にし、その結果
培養時間だけでなく計数のために要する時間も短縮する
ことができ、目的の菌数を計測すると言う目標、換言す
ると微小コロニーを計数し得ると言う目標が達成され
た。本発明における検出時間は微生物の種類に応じて異
なり一概には表現し得ないが、コロニーを目視観測可能
な通常24〜72時間の培養時間に対して概ね数分の1
とすることを可能にする。要するに塩基性染料と有機溶
媒を用いた染色と溶媒の揮散によりその存在が際立たせ
て顕微鏡下で検出し得るので、著しく培養時間及びこれ
に続く各種の所要時間を短縮し得るところとなった。
【0017】
【作用】本発明の微生物生菌数測定方法は、微生物を合
成分子製濾過膜上に捕集し、コロニーが染色されて低倍
率下でも顕微鏡で計数し得るまで培養し、塩基性染料の
有機溶媒溶液で染色し、該有機溶媒を揮散後、染色され
たコロニー数を測定することにより、元の微生物含有試
料中の微生物数を計測する。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、例示で
あり本発明を限定するものではない。 実施例1 E.coliのスラントより1白金耳を採取し、トリプ
ティックソイブロス(以下Triptic Soy B
rothと略記)培地(ディフコ社製)9mlを添加し
た試験管に接種し、37℃の培養器にて16時間培養し
た。本培養液を生理食塩水で105 倍に希釈し供試液と
した。ついで滅菌フィルタホルダーに孔径0.45μ
m、直径47mmのポリビニリデンフルオライド(以下
PVDFと略記)製メンブレンフィルタ(日本ミリポア
社製HVLP)をセットした濾過器に生理食塩水を約5
0ml添加し、続いて供試液0.1mlを加え静かに振
動させながら吸引濾過し、さらに生理食塩水約50ml
でメンブレンフィルタを吸引洗浄した。このメンブレン
フィルタを回収し、トリプティックソイアガー培地(以
下TSA培地と略記)10mlを入れた直径60mmの
シャーレに静置し37℃の培養器にて5時間培養した。
染色液として孔径0.22μmのPVDF製のメンブレ
ンフィルタで濾過した0.1wt%のメチレンブルーの
エタノール溶液0.15mlを、培養終了後のメンブレ
ンフィルタの中央部に滴下した。染色溶液がメンブレン
フィルタの全面に広がった後メンブレンフィルタをシャ
ーレの蓋に移し替え、通風下で乾燥し、倍率20倍の顕
微鏡で観察したところ、青色に染色されたコロニー10
5個を容易にカウントできた。染色を行わない目視によ
るコロニー数102個をカウントできるまでには少なく
とも15時間の培養が必要であった。
【0019】実施例2 メンブレンフィルタとして前記実施例1のHVLPに代
えて、孔径0.22μm、直径47mmのPVDF製メ
ンブレン(日本ミリポア社製GVWP)を用い、染色液
として実施例1のエタノールに代えてエタノールと水の
重量比が70:30の混合液を用いた以外は、実施例1
と同様の実験を行った。しかし本実施例に於いては、滴
下された染色液はメンブレン表面を拡散しにくかったの
で0.3mlを滴下した。5時間培養後のコロニーは青
く染色され容易に計数し得た。
【0020】実施例3 実施例1のメチレンブルーのエタノール溶液に代えてサ
フラニンの0.08wt%メタノール溶液を用いた以外
は実施例1と同様の実験を行った。培養5時間後のコロ
ニーは薄い赤色に染色されコロニー数95個を計測し得
た。ただし、メチレンブルーに比べてやや染色されたコ
ロニーとメンブレンとのコントラストが悪くメチレンブ
ルーよりはカウントし難かったが結果の評価には何ら問
題がなかった。
【0021】実施例4 S.cerevisiaeのスラントより1白金耳を採
取し、ワイエムブロス(以下YMBrothと略記)培
地(ディフコ社製)9mlを添加した試験管に接種し、
30℃の培養器にて16時間培養した。本培養液を生理
食塩水104 倍に希釈し供試液とした。実施例1と同じ
様に滅菌フィルタホルダーに孔径0.65μm、直径4
7mmのPVDF製メンブレンフィルタ(日本ミリポア
社製DVPP)をセットした濾過器に生理食塩水を約5
0ml添加し、続いて供試液0.1mlを加え静かに振
動させながら吸引濾過し、さらに生理食塩水約50ml
でメンブレンフィルタを吸引洗浄した。このメンブレン
を回収しあらかじめ用意しておいたポテトデキストロー
ス寒天培地(以下PDA培地と略記)(ディフコ社製)
10mlを入れた直径60mmのシャーレに移し替え、
30℃の培養器で8時間培養した。培養終了後実施例1
と同様メチレンブルーのエタノール溶液で染色し以下同
じ操作を繰り返した。倍率20倍で青色コロニー90個
を容易に計数し得た。
【0022】実施例5 市販のプレーンヨーグルトを滅菌済0.1wt%ペプト
ン入り生理食塩水106 倍に希釈し供試液とした。HV
LP付ミリフレックスのファネル(日本ミリポア社製)
に0.1wt%ペプトン入り生理食塩水を約50ml加
えて供試液を0.1ml添加し濾過し更に約50mlの
0.1wt%ペプトン入り生理食塩水で吸引洗浄した。
これを約10mlのトマトジュース寒天培地(ディフコ
社)の入った培地カセットにセットし、30℃で6時間
培養し、メンブレン付ファネルセット部分を取り外し実
施例1で用いたと同じ染色液を0.13ml滴下し乾燥
後、拡大鏡を20倍にして観察し青色のコロニー72個
を計数し得た。
【0023】実施例6 輸入ミネラルウォーター0.1mlを実施例2で用いた
日本ミリポア製GVWPメンブレンフィルター上に添加
し菌を濾過し捕集した。ついで寒天は通常どおり1.5
wt%添加してあるが他の培地成分を1/10の低濃度
としたTGE培地上に先のメンブレンをのせ、25℃で
48時間培養した。培養後メチレンブルー0.1wt%
のエタノール溶液0.15mlをメンブレン中央に滴下
して染色し顕微鏡下に大小のコロニーが容易にカウント
できた。メンブレンフィルターを用いず、寒天培地上で
0.1mlの試料培養を行った場合、顕微鏡下では48
時間ではまだコロニーは小さいものが多くカウントしに
くく、72時間でも寒天培地とコロニーのコントラスト
が悪くカウントしにくかった。
【0024】実施例7 滅菌済0.1wt%ペプトン入り生理食塩水で市販のヨ
ーグルトを105 倍に希釈した供試液の0.1mlをト
マトジュース寒天培地(ディフコ社製)に置かれた日本
ミリポア製メンブレンフィルタHVLP上に滴下し吸引
濾過する事なくコンラージ棒でメンブレンフィルター上
にひろげ、37℃で6時間培養した。ついで、0.1w
t%のマラカイトグリーを含有するエタノール染色液で
実施例1と同様にフィルタ上のコロニーを染色した。コ
ロニーは青色に染まりカウントは容易であった。
【0025】
【発明の効果】微生物を濾過膜上に捕集し寒天培地上で
培養して形成されたコロニー数を計測する微生物数の測
定法に於て本願発明を適用することにより、従来よりは
はるかに培養時間を短くしても、即ち形成されたコロニ
ーが微小でも染料の有機溶媒溶液で該微小コロニーを染
色し次いで溶媒を揮散し得られた染色微小コロニー数を
顕微鏡下に計測する微生物数の迅速測定を可能とした。
その結果さらに、通常微生物を取り扱う実験室に備えた
汎用設備で簡単に目的を果たし得ること、生菌数測定の
ために参照すべき検量線を作成するわずらわしさが避け
られること、また例えこの煩雑さを容認し得たとしても
従来の染色法が濾過膜1枚に付き104 個以上の微生物
の存在が不可欠であったことに対し本法ではかなりの菌
数存在という制限が無くなったこと、菌の種類が多岐に
わたっても生菌数の測定方法としての適用性が広く普偏
性を有すること、ときには染色状態からカビや放線菌の
存在を半定量的にも認知し得る効果をもたらすものでも
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/82 500 B01D 71/82 500 G01N 33/48 G01N 33/48 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を濾過膜上に捕集し、寒天培地上
    で培養して形成されたコロニー数を計測する微生物数の
    測定法において、合成高分子製多孔質濾過膜を使用し、
    微小コロニーに塩基性染料の有機溶液を添加し、該有機
    溶媒を揮散後、顕微鏡下に染色された該微小コロニー数
    を計測する微生物数の測定法。
  2. 【請求項2】 合成高分子製多孔質濾過膜は、平均孔径
    0.8μm以下のポリオレフィン、ハロゲン置換ポリオ
    レフィン、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテル、
    ポリカーボネート、それらの表面を物理的もしくは化学
    的に修飾して水酸基、アミノ基、陰イオン交換基、陽イ
    オン交換基などの親水性基を付与した機能性濾過膜より
    選択される、請求項1の測定法。
  3. 【請求項3】 塩基性染料は、メチレンブルー、サフラ
    ニン、フクシン、ゲンチアナバイオレットより選択され
    る請求項1または2の測定法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007195454A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Kao Corp カビの形態観察方法
WO2010031877A1 (en) * 2008-09-22 2010-03-25 Nanologica Ab Hybrid silica -polycarbonate porous membranes and porous polycarbonate replicas obtained thereof
JP2013009674A (ja) * 2007-08-01 2013-01-17 Hitachi Chemical Co Ltd 大容量微粒子サンプル中の病原体検出
JP2021126048A (ja) * 2020-02-10 2021-09-02 アサヒビール株式会社 微生物の検出方法、培地

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