JPH0937793A - 汚泥処理用微生物の検索方法 - Google Patents

汚泥処理用微生物の検索方法

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JPH0937793A
JPH0937793A JP19151295A JP19151295A JPH0937793A JP H0937793 A JPH0937793 A JP H0937793A JP 19151295 A JP19151295 A JP 19151295A JP 19151295 A JP19151295 A JP 19151295A JP H0937793 A JPH0937793 A JP H0937793A
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JP
Japan
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sludge
bacteria
sewage
microorganisms
treatment
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Pending
Application number
JP19151295A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Yokoyama
英樹 横山
Susumu Hasegawa
進 長谷川
Kenji Katsura
健治 桂
Masahiko Miura
雅彦 三浦
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Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Shinko Pantec Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速かつ正確に、目的に応じた資化性を備え
た菌を得るための方法を提供する。 【解決手段】 一種以上の菌を含んだ種材と被処理物質
を混合して培養する工程と、前記培養工程での培養温度
を調整する工程、を含んだ特異的な資化性を備えた汚泥
処理用微生物の検索方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物の新規の検
索方法、特に、菌の熱耐性を利用したことを特徴とす
る、特異的な資化性を備えた汚泥処理用微生物の検索方
法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】下水
処理場ならびにし尿処理場などの事業所から排出される
生物性汚泥、あるいは食品工場などから排出される有機
性高濃度汚泥の処理方法の一つとして、細菌などを利用
して汚泥を生物学的に分解処理する方法がある。 この
方法において、処理設備を稼働させるための第一段階と
して、処理環境に適した種菌の接種と馴養が必要とされ
ていた。
【0003】そして、接種される細菌の種類は、通常、
既設の処理設備での被処理物より採取するか、あるい
は、特定の分離源より特定菌を分離し、これを大量培養
したものを利用する方法がある(特表平6−509986号参
照)。
【0004】しかしながら、特定菌の分離と大量培養を
経て特定菌を得るという従来技術によれば、その作業に
多大な労力と時間を要するだけでなく、特定菌自体に関
する専門的知識に加え、培養方法における熟練も必要と
される。 さらに、既設の設備から得た種菌を接種する
方法においても、その馴養だけで数カ月もの時間を要し
ているのが実情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術が抱
えていた上記した課題に鑑みて発明されたものであり、
その要旨とするところは、特異的な資化性を備えた汚泥
処理用微生物の検索方法であって、一種以上の菌を含ん
だ種材と被処理物質を混合して培養する工程、、および
前記培養工程での培養温度を調整する工程を含んだ汚泥
処理用微生物の検索方法にある。
【0006】すなわち、本発明は、微生物を利用する処
理工程、加工工程、または製造工程などの各種工程での
使用に最適な微生物を、分離した種菌の接種、培養、お
よび馴養という操作を経ずに、迅速かつ正確に種材より
検索して利用するための方法の提供を意図するものであ
る。
【0007】なお、本明細書にて使用する「培養」と
は、微生物(菌)の数を増やすための操作を指す。 一
方で、本明細書にて使用する「馴養」とは、特定の被処
理物質を微生物(菌)が処理できるように、当該微生物
(菌)を処理環境に馴らすための操作を指す。
【0008】そして、本発明の方法における被処理物質
とは、一般的には微生物により処理、加工、または製造
される物質すべてを意味し、下水処理場ならびにし尿処
理場などから排出される生物性汚泥、あるいは食品工場
などから排出される有機性高濃度汚泥などが含まれる。
そして、後述するように、下水汚泥、ビール醸造工程
で生じる浮上スカム、あるいは澱粉製造工程で生じる廃
液を被処理物質とした処理における特異的な微生物が、
本発明方法によって検索されている。
【0009】また、本発明の方法で使用される種材と
は、前述した被処理物質の処理、加工、または製造工程
にて機能する、少なくとも一種の菌を含むものである。
この種材の採取源としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、下水汚泥、産業廃棄物、家庭ゴミ(生
ゴミ)、土壌などの、雑多の菌が混在したものであって
も本発明に適用可能である。
【0010】次に、種材に含まれる菌種の選抜手段とし
ては、残存せしめる菌種の性質〔生存可能な温度、pHな
ど〕に応じて種々選択できるが、pH調整には試薬調整な
どの精密な操作が必要とされるので、種材の培養温度を
調整することで所望の菌を含んだ集団を形成する方法が
より容易に実施できる。 また、菌の増殖速度の大きさ
ならびに菌の選択の容易さなどの観点から、この菌の集
団は好熱菌の集団とするのが好ましく、それ故、好熱菌
を選択する場合には、培養温度を好熱菌の生育が可能な
温度である50〜80℃、好ましくは、60〜70℃に調整す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の検索方法について、下水
汚泥、ビール醸造工程で生じる浮上スカム、および澱粉
製造工程で生じる廃液のそれぞれの処理において特異的
な微生物の検索に関する実施例に沿って以下に詳細に説
明するが、本発明が、これら実施例の開示に基づいて限
定的に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0012】
【実施例】実施例1:下水汚泥処理に特異的な微生物の検索 本発明による効果を確認するために、以下の3つの試験
区〜により比較実験を行った。
【0013】 種汚泥として、下水処理場で採取した
余剰汚泥(下水余剰汚泥)を用い、そして、容積1Lの
三角フラスコに、この種汚泥(種材)10mlと被処理物質
(汚泥)200ml を入れて、これを、70℃で、7日間、10
0rpmで振盪培養して調製した本発明方法による試験区。
【0014】 種汚泥として、下水余剰汚泥を70℃
で、2ヶ月以上馴養した汚泥(下水馴養汚泥)を用い、
そして、容積1Lの三角フラスコに、この種汚泥(種
材) 10mlと被処理物質(汚泥)200ml を入れて、これ
を、70℃で、7日間、100rpmで振盪培養して調製した試
験区。
【0015】 容積1Lの三角フラスコに、種材を用
いずに純水10mlと被処理物質(200ml)を入れて、振盪培
養して調製した試験区(対照区)。
【0016】そして、これら3つの試験区のVSS(Vo
latile Suspended Solids:揮発性懸濁物質)除去率の変
化を経時的に測定し、その結果を下記表1にまとめ、グ
ラフ(図1)に表した。
【0017】
【表1】
【0018】馴養汚泥を種菌として下水汚泥を処理した
場合、早期より高いVSS除去率が示された。 一方
で、下水余剰汚泥ならびに対照区(実質的には下水余剰
汚泥と同質)でも、同様のVSS除去率が得られた。
このことは、従来技術のように2ヶ月以上もの馴養期間
を経なくとも、下水余剰汚泥試験区(すなわち、本発明
方法による試験区)ならびに対照区には、下水汚泥処理
に好適な好熱菌が下水馴養汚泥と同様に存在することが
認められたのである。
【0019】実施例2:ビール醸造工程で生じる浮上ス
カムに特異的な微生物の検索 被処理物質をビール醸造工程で生じる浮上スカムとした
以外は、実施例1と同様の方法と種材を用いて処理を行
った。 そして、その場合のVSS除去率の変化を経時
的に測定し、その結果を下記表2にまとめ、グラフ(図
2)に表した。
【0020】
【表2】
【0021】上記結果から明らかな通り、本実施例にお
ける下水馴養汚泥のVSS除去率は、実施例1の場合よ
りも小さくなっている。 このことは、浮上スカムと下
水汚泥とは基質組成が異なっているため、下水馴養汚泥
には浮上スカムを資化できる菌が極めて少ないことを示
すに他ならない。 また、下水余剰汚泥のVSS除去率
は、下水馴養汚泥のVSS除去率を上回っている。 こ
の結果は、下水余剰汚泥には、浮上スカムを資化できる
菌が存在し、これが優先的に増殖して馴養が促されたこ
とで、VSS除去率での有為な差を示すに至ったものと
思われる。 さらに、対照区と下水馴養汚泥の試験区と
では、VSS除去率において同様の数値が示されている
ことから、スカム中に生存する少数の微生物(特に好熱
菌)が増殖して、VSS除去率をわずかながらも押し上
げているものと考えられる。
【0022】実施例3:澱粉製造工程で生じる廃液に特
異的な微生物の検索 被処理物質を澱粉製造工程で生じる廃液とした以外は、
実施例1と同様の方法と種材を用いて処理を行った。
そして、その場合のVSS除去率の変化を経時的に測定
し、その結果を下記表3にまとめ、グラフ(図3)に表
した。
【0023】
【表3】
【0024】この廃液には、微生物がほとんど存在しな
いため、菌を接種せずに処理を行うこと、すなわち、対
照区における処理方法のVSS除去率が最も小さくなっ
ている。 また、この廃液と下水汚泥とは基質組成が本
質的に異なっているため、下水馴養汚泥での処理効率は
低いものになり、これらのことから、澱粉製造に伴う廃
液の処理に好適な菌が、下水馴養汚泥に存在しないもの
と判断できる。 これに対して、下水余剰汚泥による処
理では顕著なVSS除去率が示され、このことは、廃液
の処理に好適な菌が下水余剰汚泥には存在し、これが優
先的に増殖し、馴養が促されたものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】このように、本発明によると、培養温度
(汚泥の生物処理温度)を高温に調整することで、そこ
で生育できる微生物が限定されるので、必要とする有用
菌、特に好熱菌が優先的に増殖する。 そして、種材と
して下水余剰汚泥を用いた場合には、汚泥中に存在する
多様な菌から、汚泥処理に好適な菌を増殖させることが
可能となるのである。 これにより、これまで処理現場
における汚泥処理のための菌の選択、接種の作業が不要
になる。 さらに、従来の方法において2ヶ月前後の時
間を要していた微生物の馴養、そして、その馴養にかか
る労力ならびに費用のいずれの負担をも解消するなどの
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 種材の種類による下水汚泥の処理効率を示す
グラフである。
【図2】 種材の種類によるビール醸造工程で生じる浮
上スカムの処理効率を示すグラフである。
【図3】 種材の種類による澱粉製造工程で生じる廃液
の処理効率を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 雅彦 兵庫県神戸市垂水区高丸7丁目3−4 神 鋼アパート 4−445

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特異的な資化性を備えた汚泥処理用微生
    物の検索方法であって、以下の工程、すなわち; (1) 一種以上の菌を含んだ種材と被処理物質を混合して
    培養を行い、および(2) 前記工程(1) での培養温度を調
    整する、 工程を含むことを特徴とする特異的な資化性を備えた汚
    泥処理用微生物の検索方法。
  2. 【請求項2】 前記種材が、下水余剰汚泥である請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記菌が、好熱菌である請求項1もしく
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記培養温度が、50〜80℃である請求項
    1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記培養温度が、60〜70℃である請求項
    1乃至3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記被処理物質が、有機性汚泥である請
    求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
JP19151295A 1995-07-27 1995-07-27 汚泥処理用微生物の検索方法 Pending JPH0937793A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008080281A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 微生物馴養装置、排水処理装置、微生物馴養方法および排水処理方法

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