JPH0937766A - 界面バイオリアクターシステム - Google Patents

界面バイオリアクターシステム

Info

Publication number
JPH0937766A
JPH0937766A JP7211405A JP21140595A JPH0937766A JP H0937766 A JPH0937766 A JP H0937766A JP 7211405 A JP7211405 A JP 7211405A JP 21140595 A JP21140595 A JP 21140595A JP H0937766 A JPH0937766 A JP H0937766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
plate
microorganisms
carrier
reaction tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7211405A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Oda
忍 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP7211405A priority Critical patent/JPH0937766A/ja
Priority to EP96111916A priority patent/EP0756002B1/en
Priority to DE69626730T priority patent/DE69626730T2/de
Priority to US08/686,691 priority patent/US5707825A/en
Publication of JPH0937766A publication Critical patent/JPH0937766A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/06Plates; Walls; Drawers; Multilayer plates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M27/00Means for mixing, agitating or circulating fluids in the vessel
    • C12M27/02Stirrer or mobile mixing elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/06Nozzles; Sprayers; Spargers; Diffusers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的でスケールアップが容易な界面バイオ
リアクターを開発する。 【解決手段】 反応溶媒を含み、そして表面に微生物が
増殖もしくは生存可能な状態で付着・固定化されており
且つ該微生物の増殖もしくは生存に必要な栄養源及び水
よりなる液体培地を含有する厚さ1〜500mmの板状
親水性固定化担体の複数枚が3〜100mmの間隔で縦
方向に充填され、且つ底部にスパージャーを有する反応
槽と、該反応槽に連結された酸素供給を行うことのでき
る通気ラインを有することを特徴とする界面バイオリア
クターシステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水不溶性もしくは難
溶性の原料を微生物変換するための界面バイオリアクタ
ーシステムに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、水溶性の安価な原料を微生物を
用いて有用な物質に変換する手法が、特に医薬品や農
薬、電子材料などの原料に代表される光学活性体の生産
に用いられている[太田博道、有合化、14巻、823
(1983);藤沢有ら、有合化、44巻、519(1
986);太田博道、バイオサイエンスとインダストリ
ー、44巻、823(1991)]。一方、水に溶解し
ない原料の微生物変換としては、原料の溶解・分散性の
低さを補うために水中で強制撹拌して原料を分散させる
エマルジョン法や界面活性剤添加法[T.Nakaha
ra,et al.,J.Ferment.Techo
l.,59巻、415(1981)]、水と混和する有
機溶媒を添加して原料の溶解性を高める水混和性有機溶
媒添加法[A.Freeman and M.D.Li
lly,Appl.Microbiol.Biotec
hnol.,25巻、495(1987)]、水非混和
性有機溶媒添加もしくは水/有機溶媒二相系反応法
[M.D.Hocknull and M.D.Lil
ly,Appl.Microbiol.Biotech
nol.,33巻、148(1990)]などの多くの
方法が提案されているが、これらの方法では、原料や添
加剤の毒性を回避することは不可能であり、目的物質を
高濃度で生産することは困難である。
【0003】一方、親水性担体と疎水性有機溶媒との界
面に増殖する微生物を生体触媒として用いる界面バイオ
リアクターも知られている。該界面バイオリアクター
は、原料および産物の溶解性の向上およびこれらの毒性
回避、さらには有機溶媒からの豊富な酸素供給などの優
れた長所を有しており、ほとんど全ての微生物に対して
使用可能であり、さらに微生物的酸化還元、加水分解、
エステル化など多くの反応を好成績で実施することが可
能である等の利点がある[S.Oda,et al.,
Biosci.Biotech.Biochem.,5
6巻、2041(1992);特開平5−91878号
公報、特開平5−344896号公報、特開平6−88
号公報、特開平6−90号公報、特開平6−95号公
報、特開平6−197773号公報、特開平6−197
777号公報]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した界面バイオリ
アクターは、親水性担体として寒天平板を使用したケー
スが多く、大スケール化を前提とした報告もあるが
[S.Oda,et al.,J.Ferment.B
ioeng.,78巻、149(1994)]、実用的
には未だ不十分であり、さらに以下に述べるような問題
点を有している。界面バイオリアクターでは、反応溶媒
である疎水性有機溶媒の高い酸素溶解力により、水系反
応に比べて著しく少ない通気量で十分に微生物反応は進
行するが、反応塔が大型化してその高さが増大する際に
は通気ラインを組み込むことが必要であり、この場合、
板状担体を充填した反応塔中に直接通気すれば、板状担
体間に空気溜まりが発生し、デッドスペースを生じると
いう問題がある。また、反応塔中へ通気しつつ撹拌翼を
反応塔底部で回転させる場合、板状担体間の液流動が不
十分であり、微生物への酸素及び原料の供給や生産物の
菌体外への放出が不十分となり生産性が低下する。さら
に、板状担体を横配列し、これを多段とした場合、担体
間隙の液流動および酸素供給の効率化を図らねばならず
システムの複雑化、高建設コスト化を余儀なくされる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の如き
問題がなく、効率的でスケールアップが容易な界面バイ
オリアクターを開発することを目的に鋭意検討を重ねた
結果、微生物が表面に増殖もしくは生存可能な状態で付
着・固定化された板状親水性固定化担体を反応槽内部に
縦方向に充填し、該反応槽への酸素供給および内容液の
混合を反応槽底部に設置したスパージャーによって行な
うことにより上記の目的を達成できることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】かくして本発明に従えば、反応溶媒を含
み、そして表面に微生物が増殖もしくは生存可能な状態
で付着・固定化されており且つ該微生物の増殖もしくは
生存に必要な栄養源及び水よりなる液体培地を含有する
厚さが1〜500mmの板状親水性固定化担体の複数枚
が3〜100mmの間隔で縦方向に充填され、且つ底部
にスパージャーを有する反応槽と、該反応槽に連結され
た酸素供給を行うことのできる通気ラインを有すること
を特徴とする界面バイオリアクターシステムが提供され
る。
【0007】本発明によれば、表面に微生物が増殖もし
くは生存可能な状態で付着・固定化された板状親水性固
定化担体(以下、「板状担体」ということもある)を内
部に充填した反応槽に、水不溶性もしくは難溶性の反応
基質を含んだ反応溶媒を注入し、これに反応槽底部から
空気を通気する。通気された空気は反応槽底部のスパー
ジャーによって分散されて微小な気泡となり、この気泡
が板状担体の間隙をぬって浮上する。この気泡の浮上に
より板状担体を充填した反応槽内で十分な混合効果を生
じ、微生物への酸素および反応基質の供給を効率よく行
わせることができる。
【0008】しかして、本発明の第一の特徴ないし利点
は、板状担体を縦方向に配列し、且つ反応槽底部でスパ
ージャーを回転させることによって通気ラインから供給
された空気を強制分散させるようにした点にあり、これ
により、分散された微小気泡は狭い担体間隙をぬって液
面に容易に上昇し、その過程で担体間隙の液流動および
溶媒層への酸素供給が効率的に行われ、結果的に担体表
面に増殖した微生物への酸素供給が効率的に進行する。
【0009】本発明の第二の特徴ないし利点は、反応後
に微生物の活性が低下した場合に、低活性微生物が表面
に付着した板状担体を蒸気滅菌した後に回収し、表面洗
浄によって微生物フィルムを除去し、さらに液体培地中
に浸漬して担体内部の水相を新鮮な液体培地で置換し、
これを繰り返し使用できるため、固定化担体コストを大
幅に低減できる点にある。
【0010】本発明の第三の特徴ないし利点は、縦配列
に充填した板状担体の下部を新鮮な液体培地中に接触さ
せておき、そして担体内部の水相を連続的かつ自動的に
新鮮な液体培地で置換することができる点にある。この
特徴は上記第二の特徴を補強するものであるが、さらに
重要なことは、本発明のシステムの連続運転が可能にな
ることである。連続運転は、バッチ方式に比較して物質
の生産性を向上させることが知られている。本発明のシ
ステムでは板状担体を縦配列とし、その下部を液体培地
に接触させておくことが可能であり、微生物への栄養源
および水の供給、有害な副成物や老廃物の除去を効率的
に進行させることができるため、微生物の活性が長期に
わたって維持されるので連続運転が可能となる。
【0011】以下、本発明の界面バイオリアクターシス
テムについてさらに詳しく説明する。
【0012】本発明で使用可能な板状親水性固定化担体
の素材は、微生物の栄養源を含む水性の液体培地を含有
保持することができるものであれば特に制約はなく、具
体的には、例えば、アルギン酸、カラギーナン、デンプ
ンマトリクス、寒天、濾紙のようなセルロース材などの
天然高分子;ポリビニルアルコール、ウレタンポリマ
ー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸などのような
合成高分子;泡ガラス板のような無機質の板状化物など
を挙げることができる。ただし、担体を繰り返し再生使
用する場合には、濾紙板を除くゲル状天然高分子は強度
が低下するという問題があるため、ゲル状合成高分子あ
るいは無機質の板状化物を用いる方が好ましく、また強
度を付与するために、強固なろ過板や泡ガラス板のよう
な多孔質の板やステンレス等の板状あるいは棒状物を担
体の骨格として用いるのが好ましい。さらに、強度の低
い天然高分子または合成高分子のゲル状化物をコーティ
ング剤として用い、これを無機質板状化物のような強強
度の板状化物の表面にコートすることもできる。
【0013】本発明の界面バイオリアクターシステムは
いかなる微生物にも適用でき、酸化、還元、加水分解、
エステル合成反応のような様々な微生物変換反応を実施
させることが可能である。しかして上記の如き担体に固
定化しうる微生物は、細菌、カビ類、酵母、放線菌のい
ずれかの微生物であってもよく、また、好気性、嫌気性
のいずれのタイプのものであってもよい。具体的には例
えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、グルコノバ
クター(Gluconobacter)属、アセトバクター(Acetoba
cter)属、アリスロバクター(Arthrobacter)属、コリ
ネバクテリウム(Corynebacterium)属、ロドコッカス
Rhodococcus)属、アルカリゲネス(Alcaligenes
属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula
属、アスペルギルス(Aspergillus)属などに属する微
生物を挙げることができる。
【0014】これら微生物の前記担体への付着・固定化
は、それ自体既知の方法、例えば、特開平5−9187
8号公報等の文献に記載の方法に従って行なうことがで
き、最終的には板状に成形して使用される。
【0015】これら板状担体の内部は通常の微生物培養
用の液体培地を包含させて用いることが必要であるが、
用いる液体培地の組成には特に制約はなく、用いる微生
物の種類等に応じて広い範囲にわたり変えることができ
るが、一般には、グルコースやシュークロースなどの炭
素源、アンモニウム塩のような窒素源、マグネシウム塩
のような無機塩類、酵母エキスなどの微量栄養源を含む
ものを使用することができる。なお、反応溶媒としてパ
ラフィン類を用い、これを増殖用基質として兼用する場
合には、担体内部に炭素源を含ませておく必要はない。
【0016】本発明で用いられる板状担体の大きさは、
反応槽に充填した際に閉塞をきたさないものであれば特
に制約はなく、また厚さは内部に十分な液体培地を包含
し、なおかつ運転に支障を来すようなたわみを生じない
だけの厚さであればよい。具体的には、1〜500m
m、好ましくは3〜50mmの厚さである。
【0017】また、反応槽内に縦方向に配列される板状
担体の間隔は、液流動を阻害せず、反応溶媒との間で固
/液界面を形成し得るならばいかなる間隔であってもよ
く、具体的には3〜100mm、そして生産性および液
流動の安定性、均一性を考慮するならば、好ましくは5
〜50mm程度の間隔が好ましい。板状担体は、液流動
に支障を来さない構造のフレームに設置もしくは固定し
て配置する方が好ましい。
【0018】本発明に従い反応槽に供給される水に不溶
性もしくは難溶性の反応基質を含む溶液、すなわち反応
溶媒を調製するために用いうる有機溶媒としては、固定
化された微生物菌体に対して実質的に毒性を示さないも
のが好ましく、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカンなどの炭素数6〜20のメタン系
炭化水素に代表されるノルマルパラフィン類または流動
パラフィン類;イソオクタンなどのイソパラフィン類;
ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼ
ン、オクチルベンゼンなどの脂肪族鎖の炭素数が5〜1
5のノルマルアルキルベンゼン類;キュメンなどのイソ
アルキルベンゼン類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化
水素類;ヘキシルエーテルなどのエーテル類;ジブチル
フタレートなどの芳香族エステル類;デカン酸エチルな
どの脂肪族エステル類;ポリジメチルシロキサンなどの
シリコンオイルなどを例示することができる。
【0019】前記した反応溶媒のうち、固定化された個
々の微生物に対して実質的に無害である疎水性有機溶媒
を選んで用いるのが好適である。
【0020】一方、微生物変換反応に基質として供しう
る実質的に水に難溶性ないし不溶性の有機化合物として
は、固定化微生物の変換能力等に応じて各種のものが使
用することができ、特に制限はなく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、
ナフタレン、フェナントレンなどの芳香族系炭化水素;
トリデカン、テトラデカンなどの脂肪族系炭化水素;シ
クロヘキサノール、シクロヘキサノンなどの脂環式系化
合物;メチルイミダゾール、コリジン、ピコリンなどの
複素環式系化合物;ラウリン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸;オ
クチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの
高級アルコール類;カプリル酸エチル、カプロン酸エチ
ルなどの脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0021】前記有機溶媒中における反応基質の濃度は
特に制限されるものではなく、固定化菌体に対する毒性
に応じて決めることができる。例えば基質が毒性の強い
上記芳香族炭化水素類の場合は、炭素数10〜15のメ
タン系炭化水素であるノルマルパラフィンに対して5%
〜30%程度までの濃度で添加することができる。ま
た、基質が比較的毒性の弱い脂肪酸エステル類の場合に
は、ノルマルパラフィンに対して50%以上添加するこ
とができる。
【0022】基質の中でも特に毒性の弱い高級脂肪酸エ
ステル類は有機溶媒と混和することなく、100%濃
度、すなわち、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触
させる有機溶媒かつ変換基質として用いることができ
る。
【0023】脂肪族炭化水素も高級脂肪酸エステル類と
同様に基質として使用する場合特に毒性の弱い部類に入
り、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触させる有機
溶媒かつ変換基質として用いることができる。
【0024】以下、本発明の板状担体充填型界面バイオ
リアクターシステム及びその操作法について、図面(図
1)を参照しつつさらに説明する。
【0025】界面バイオリアクターは、基本的には、反
応基質を含有する反応溶媒(4)を含み、そして板状担
体(2)が充填され、且つ底部にスパージャー(6)を
有する反応槽(1)と、該反応槽中の反応溶媒(4)へ
の通気を行なうための通気ライン(9)よりなる。反応
槽(1)は、内部にフレーム(図示せず)に固定して縦
方向に配置された複数枚の板状担体(2)を有してい
る。
【0026】反応槽(1)の底部に設置されたスパージ
ャー(6)はその回転によって通気ライン(9)から供
給される空気を分散し微小な気泡(5)を発生させる。
この気泡(5)はスパージャー(6)の回転数および翼
のサイズによって分散範囲が決まり、300rpm以上
の高い回転速度の際には反応槽底部で広く分散し、その
結果、広い範囲で担体間隙を分散・上昇する。この気泡
(5)の分散によって反応槽内容液の撹拌・混合および
酸素供給を効率化することができる。反応槽内容液の撹
拌・混合をさらに効率化するために、必要に応じて反応
槽外に内容液を循環させる循環ライン(図示せず)を組
み込んでもよく、さらに、通気をより効率化するために
通気撹拌塔(図示せず)を設置してもよい。
【0027】一方、通気に伴い反応溶媒(4)に含まれ
る有機溶媒のエアロゾルが槽外へ排出されることになる
が、それを避けるためにオイルミストトラップを排気ラ
イン(10)に組み込むことが好ましい。
【0028】捕集された反応溶媒(4)は再び反応槽
(1)内へ戻すことができ、それによって労働衛生上や
安全上の危険性をなくすことができ、さらに溶媒量の減
少も防ぐことができる。
【0029】反応槽(1)中の反応液液温を一定に保つ
ため、例えば、反応槽(1)に温度計(3)を備えると
同時に、その周囲を温水(8)からなる恒温槽(7)で
保温することにより、反応槽(1)を温度制御すること
が好ましい。
【0030】反応槽(1)には、反応槽から回収される
目的産物の後処理に要する蒸留濃縮塔、抽出槽、析出槽
あるいは結晶製造装置など(これらは図示せず)を設置
することができるが、これらの設備は通常の仕様のもの
でよく、目的産物、反応基質、反応溶媒種などによって
適宜使い分ければよい。
【0031】本発明の界面バイオリアクターは、内容液
(反応溶媒)が有機溶媒であるため、接液部には必ずし
もステンレス鋼板を使用する必要はない。ただし、板状
担体への微生物の植菌と増殖を界面バイオリアクター内
で行わせる場合には、反応槽、通気ラインの接液部は水
と接触することになるため、ステンレス鋼を材質とする
ものを使用することが好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例により、本発明の界面バイオリ
アクターを用いて微生物変換反応を行なう場合について
さらに具体的に説明する。
【0033】実施例1 内部容量3リットルの箱型反応槽に反応溶媒であるデカ
ンを1リットル注入した。この反応槽に、板表面にイサ
チェンキア・スクチュラタ・バー・スクチュラタ(Issa
tchenkia scutulata varscutulata)IFO 10
070を1日間増殖させた濾過板をポリビニルアルコー
ル(PVA−500、関西ペイント製)でコーティング
した板状担体(13×6cm、厚さ4mm)をステンレ
ス製フレームに12枚固定して反応槽に充填した(板間
間隙5mm)。上記菌体の担体への固定化は、ペプトン
5g、麦芽エキス3g、酵母エキス3g、グルコース1
0g、硫酸マグネシウム1g及び水1リットルからなる
液体培地(pH6.0)で上記菌体を1日間振盪培養し
た培養液中に濾紙板を10分間静置し植菌した後、引き
上げネット上で1日間静置培養することにより行った。
【0034】ついで、変換反応用原料である1−デカノ
ール50gを反応槽内に注入し、通気速度300ml/
min、スパージャー回転速度500rpmとして変換
反応を開始した。反応開始より1〜5日間経日的にサン
プリングし、ガスクロマトグラフイーを用いて生産物で
あるデカン酸濃度を定量した。その結果、デカン酸の蓄
積は反応開始後1日目から認められ、5日間の反応で4
1g/lのデカン酸が蓄積した。反応終了後、反応液を
反応槽から回収し、減圧蒸留によって反応溶媒であるデ
カンを約90%留去した。その後、水200mlを加え
た後、10%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性として
デカン酸を水層側に回収し、さらに10%塩酸によって
該水層を酸性化して酢酸エチルで抽出した。抽出液を無
水硫酸マグネシウムで脱水した後酢酸エチルを除去する
ことにより、デカン酸37gを得た(ガスクロマトグラ
フイー純度97%)。
【0035】一方、反応終了後に反応槽から板状固定担
体全てを回収し、オートクレーブを用いて高圧蒸気滅菌
した。滅菌後、アルカリ洗剤を混入したイオン交換水で
高速撹拌洗浄することにより板表面の微生物層を除去
し、さらにイオン交換水で3回高速撹拌洗浄した。その
後液体培地中に1夜浸漬することによって担体内部の水
を液体培地で置換し、上述の1回目の試験と同様にして
デカン酸合成試験を行った。その結果得られたデカン酸
は35g/lであった。
【0036】実施例2 実施例1と同じ反応槽にドデカン1リットルを注入し
た。この反応槽に、表面にハンゼヌラ・サチュールナス
(Hansenula saturnus)IFO 0
809を1日増殖させたろ過板をポリエチレングリコー
ル/ポリプロピレングリコールのコポリマーである光硬
化性樹脂(ENTG−3800、関西ペイント製)で被
覆したろ過板(厚さ4mmで内部は実施例1と同様の液
体培地で置換)をステンレス製フレームを用いて間隙5
mmで12枚充填した。その後、変換用原料である(R
S)−シトロネロールを50gを反応槽内に注入し、実
施例1と同様の条件下で10日間変換試験を行った。
【0037】反応開始後10日目にデカン層中の変換産
物濃度をガスクロマトグラフイーによって定量化した。
その結果、酸化産物の(S)−シトロネル酸が23.5
g/l、残余アルコールである(R)−シトロネロール
が22.5g/lであった。その後、デカン層を全量回
収し、シリカゲルを充填したカラム長30cmのカラム
にかけて産物を吸着分離した後、アンモニア水飽和の酢
酸エチルをカラムに流して(R)−シトロネロールを溶
出させ、濃縮、水洗後、抽出、乾燥を経てガスクロマト
グラフイーで純度を、また、誘導化の後、液体クロマト
グラフイーで光学純度を測定した(純度96%、光学純
度71%e.e.)。その後、メタノール−水(1:
1)で(S)−シトロネル酸をカラムより溶出させ、濃
縮、希酸洗浄・抽出、乾燥を経てガスクロマトグラフイ
ーで純度、また、誘導化の後、液体クロマトグラフイー
で光学純度を測定した(純度95%、光学純度77%
e.e.)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の界面バイオリアクターシステム
の1例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 反応槽 2 板状担体 3 温度計 4 反応溶媒 5 気泡 6 スパージャー 7 恒温槽 8 温水 9 通気ライン 10 排気ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 7/40 C12R 1:645) (C12P 7/40 C12R 1:78) (C12P 41/00 C12R 1:78) (C12P 41/00 C12R 1:645)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応溶媒を含み、そして表面に微生物が
    増殖もしくは生存可能な状態で付着・固定化されており
    且つ該微生物の増殖もしくは生存に必要な栄養源及び水
    よりなる液体培地を含有する厚さが1〜500mmの板
    状親水性固定化担体の複数枚が3〜100mmの間隔で
    縦方向に充填され、且つ底部にスパージャーを有する反
    応槽と、該反応槽に連結された酸素供給を行うことので
    きる通気ラインを有することを特徴とする界面バイオリ
    アクターシステム。
  2. 【請求項2】 反応溶媒が微生物に対して実質的に無害
    である疎水性有機溶媒である請求項1記載の界面バイオ
    リアクター。
  3. 【請求項3】 板状親水性固定化担体を使用後に洗浄
    し、その内部を液体培地で置換することによって繰り返
    し再生使用する請求項1記載の界面バイオリアクターシ
    ステム。
JP7211405A 1995-07-28 1995-07-28 界面バイオリアクターシステム Pending JPH0937766A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211405A JPH0937766A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 界面バイオリアクターシステム
EP96111916A EP0756002B1 (en) 1995-07-28 1996-07-24 Interface bioreactor system
DE69626730T DE69626730T2 (de) 1995-07-28 1996-07-24 Zwischenflächige Bioreaktor-System
US08/686,691 US5707825A (en) 1995-07-28 1996-07-26 Interface bioreactor system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211405A JPH0937766A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 界面バイオリアクターシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0937766A true JPH0937766A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16605420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7211405A Pending JPH0937766A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 界面バイオリアクターシステム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5707825A (ja)
EP (1) EP0756002B1 (ja)
JP (1) JPH0937766A (ja)
DE (1) DE69626730T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016080487A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 三菱化学エンジニアリング株式会社 生物反応装置、生物反応方法、並びに、生物反応装置において使用される好気性もしくは通性嫌気性微生物を担持させた多孔質構造体及びこの多孔質構造体の製造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1081229A1 (de) * 1999-08-25 2001-03-07 Haarmann & Reimer Gmbh Fermentatives Verfahren zur Gewinnung natürlicher aromatischer, aliphatischer und Thiocarbonsäuren und Mikroorganismus dafür
GB2360787B (en) * 2000-03-27 2004-07-28 Council Scient Ind Res An immobilised mircobial consortium for the treatment of phenolic waste-water from petroleum refineries
GB0121735D0 (en) * 2001-09-10 2001-10-31 Deblois Michel Bioreactor for the treatment of organic and inorganic waste
US6878279B2 (en) * 2002-02-28 2005-04-12 Tmd, L.L.C. Method for in-situ microbial seeding
WO2006135673A2 (en) * 2005-06-10 2006-12-21 Nanologix, Inc. Production of hydrogen gas and isolation of hydrogen producing microorganisms using replenishing coated substrates
AU2010249670B2 (en) 2009-05-20 2015-05-07 Xyleco, Inc. Bioprocessing

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0669358B2 (ja) * 1985-07-11 1994-09-07 千代田化工建設株式会社 発酵装置
JP2538787B2 (ja) * 1987-12-28 1996-10-02 株式会社興人 微生物固定化担体
US5075234A (en) * 1988-11-02 1991-12-24 Josefino Tunac Fermentor/bioreactor systems having high aeration capacity
FR2695928A1 (fr) * 1992-09-24 1994-03-25 Air Eau Procedes Procédé d'épuration biologique et réacteur pour la mise en Óoeuvre de ce procédé.
EP0945406A1 (de) * 1998-03-24 1999-09-29 CT Umwelttechnik AG Becken mit Tauchkörpern und Spülvorrichtung zur biologischen Reinigung von Abwässern

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016080487A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 三菱化学エンジニアリング株式会社 生物反応装置、生物反応方法、並びに、生物反応装置において使用される好気性もしくは通性嫌気性微生物を担持させた多孔質構造体及びこの多孔質構造体の製造方法
WO2016079820A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 三菱化学エンジニアリング株式会社 生物反応装置、生物反応方法、並びに、生物反応装置において使用される好気性微生物を担持させた多孔質構造体及びこの多孔質構造体の製造方法
JPWO2016080487A1 (ja) * 2014-11-19 2017-08-31 三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 生物反応装置、生物反応方法、並びに、生物反応装置において使用される好気性もしくは通性嫌気性微生物を担持させた多孔質構造体及びこの多孔質構造体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US5707825A (en) 1998-01-13
DE69626730T2 (de) 2003-11-13
EP0756002A2 (en) 1997-01-29
EP0756002A3 (en) 2000-09-06
EP0756002B1 (en) 2003-03-19
DE69626730D1 (de) 2003-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Anselmo et al. Degradation of phenol by immobilized mycelium of Fusarium flocciferum in continuous culture
US5256570A (en) Bioreactor configured for various permeable cell supports and culture media
JPH0937766A (ja) 界面バイオリアクターシステム
EP0789079B1 (en) Coupling process of fermentation and microbial transformation reaction
Brauer Growth of fungi and bacteria in the reciprocating jet bioreactor
Groom et al. Continuous alpha-amylase production using Bacillus amyloliquefaciens adsorbed on an ion exchange resin
Fujii et al. Influence of surface characteristics of cellulose carriers on ethanol production by immobilized yeast cells
Aivasidis Anaerobic treatment of sulfite evaporator condensate in a fixed bed loop reactor
JPH08196263A (ja) 界面バイオリアクターシステム
JP2542766B2 (ja) 微生物の固定化法及び固定化微生物による非水系微生物変換反応法
De Araújo et al. Aerobic immobilized cells in alginate gel particles of variable density
Ahuja et al. Bioprocess for solubilization of rock phosphate on starch based medium by Paecilomyces marquandii immobilized on polyurethane foam
Gbewonyo et al. [28] Immobilization of mycelial cells on celite
JPH08163989A (ja) 界面バイオリアクターシステム
GB1581832A (en) Cultivation of filamentous fungi
JP2936355B2 (ja) 表面培養法
JPH06197777A (ja) 固定化微生物によるエステル交換方法
Zakaria et al. Optimum conditions for the production of lipase by alginate-immobilized bacteria
Lopez et al. Lipolytic enzyme production by immobilized Rhizopus oryzae
JPH05344896A (ja) 固定化微生物によるエステル合成方法
SU724462A1 (ru) Способ очистки сточных вод гидролизно-дрожжевого производства
EP1114869A1 (en) Process for producing ursodeoxycholate
JPH0669358B2 (ja) 発酵装置
JPH0690A (ja) 固定化微生物によるアルコール類の酸化方法
JPH07111892A (ja) 非水系バイオリアクター用固定化担体