JPH08196263A - 界面バイオリアクターシステム - Google Patents
界面バイオリアクターシステムInfo
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- JPH08196263A JPH08196263A JP2887195A JP2887195A JPH08196263A JP H08196263 A JPH08196263 A JP H08196263A JP 2887195 A JP2887195 A JP 2887195A JP 2887195 A JP2887195 A JP 2887195A JP H08196263 A JPH08196263 A JP H08196263A
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
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- C12M25/06—Plates; Walls; Drawers; Multilayer plates
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C12M23/00—Constructional details, e.g. recesses, hinges
- C12M23/20—Material Coatings
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M47/00—Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
- C12M47/18—Gas cleaning, e.g. scrubbers; Separation of different gases
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- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 効率的でスケールアップが容易な界面バイオ
リアクターを開発する。 【構成】 表面に微生物が増殖もしくは生存可能な状態
で付着・固定化されており且つ該微生物の増殖もしくは
生存に必要な栄養源及び水よりなる液体培地を含有する
厚さ1〜500mmの板状親水性固定化担体の複数枚が
充填率10〜70%になるように水平方向に充填された
反応塔と、該反応塔に連結された、実質的に水に不溶性
もしくは難溶性の反応基質を含む反応溶媒を該反応塔に
リアクターのワーキング・ボリューム1リットル当たり
循環速度10〜10000ml/分で循環させ且つ該反
応溶媒への酸素供給と混合を行うことのできる通気塔を
有することを特徴とする界面バイオリアクターシステ
ム。
リアクターを開発する。 【構成】 表面に微生物が増殖もしくは生存可能な状態
で付着・固定化されており且つ該微生物の増殖もしくは
生存に必要な栄養源及び水よりなる液体培地を含有する
厚さ1〜500mmの板状親水性固定化担体の複数枚が
充填率10〜70%になるように水平方向に充填された
反応塔と、該反応塔に連結された、実質的に水に不溶性
もしくは難溶性の反応基質を含む反応溶媒を該反応塔に
リアクターのワーキング・ボリューム1リットル当たり
循環速度10〜10000ml/分で循環させ且つ該反
応溶媒への酸素供給と混合を行うことのできる通気塔を
有することを特徴とする界面バイオリアクターシステ
ム。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水不溶性もしくは難溶性
の原料を微生物変換するための界面バイオリアクターシ
ステムに関する。
の原料を微生物変換するための界面バイオリアクターシ
ステムに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、水溶性の安価な原料を微生物を
用いて有用な物質に変換する手法が、特に医薬品や農
薬、電子材料などの原料に代表される光学活性体の生産
に用いられている[太田博通、有合化、14巻、823
(1983);藤沢有ら、有合化、44巻、519(1
986);太田博通、バイオサイエンスとインダストリ
ー、44巻、823(1991)]。一方、水に溶解し
ない原料の微生物変換としては、原料の溶解・分散性の
低さを補うために水中で強制撹拌して原料を分散させる
エマルジョン法や界面活性剤添加法[T.Nakaha
ra,et al.,J.Ferment.Techo
l.,59巻、415(1981)]、水と混和する有
機溶媒を添加して原料の溶解性を高める水混和性有機溶
媒添加法[A.Freeman and M.D.Li
lly,Appl.Microbiol.Biotec
hnol.,25巻、495(1987)]、水非混和
性有機溶媒添加もしくは水/有機溶媒二相系反応法
[M.D.Hocknull and M.D.Lil
ly,Appl.Microbiol.Biotech
nol.,33巻、148(1990)]などの多くの
方法が提案されているが、これらの方法では、原料や添
加剤の毒性を回避することは不可能であり、目的物質を
高濃度で生産することは困難である。
用いて有用な物質に変換する手法が、特に医薬品や農
薬、電子材料などの原料に代表される光学活性体の生産
に用いられている[太田博通、有合化、14巻、823
(1983);藤沢有ら、有合化、44巻、519(1
986);太田博通、バイオサイエンスとインダストリ
ー、44巻、823(1991)]。一方、水に溶解し
ない原料の微生物変換としては、原料の溶解・分散性の
低さを補うために水中で強制撹拌して原料を分散させる
エマルジョン法や界面活性剤添加法[T.Nakaha
ra,et al.,J.Ferment.Techo
l.,59巻、415(1981)]、水と混和する有
機溶媒を添加して原料の溶解性を高める水混和性有機溶
媒添加法[A.Freeman and M.D.Li
lly,Appl.Microbiol.Biotec
hnol.,25巻、495(1987)]、水非混和
性有機溶媒添加もしくは水/有機溶媒二相系反応法
[M.D.Hocknull and M.D.Lil
ly,Appl.Microbiol.Biotech
nol.,33巻、148(1990)]などの多くの
方法が提案されているが、これらの方法では、原料や添
加剤の毒性を回避することは不可能であり、目的物質を
高濃度で生産することは困難である。
【0003】一方、親水性担体と疎水性有機溶媒との界
面の増殖する微生物を生体触媒として用いる界面バイオ
リアクターも知られている。該界面バイオリアクター
は、原料および産物の溶解性の向上およびこれらの毒性
回避、さらには有機溶媒からの豊富な酸素供給などの優
れた長所を有しており、ほとんど全ての微生物に対して
使用可能であり、さらに微生物的酸化還元、加水分解、
エステル化など多くの反応を好成績で実施することが可
能である等の利点がある[S.Oda,et al.,
Biosci.Biotech.Biochem.,5
6巻、2041(1992);特開平5−91878号
公報、特開平5−344896号公報、特開平6−88
号公報、特開平6−90号公報、特開平6−95号公
報、特開平6−197773号公報、特開平6−197
777号公報]。
面の増殖する微生物を生体触媒として用いる界面バイオ
リアクターも知られている。該界面バイオリアクター
は、原料および産物の溶解性の向上およびこれらの毒性
回避、さらには有機溶媒からの豊富な酸素供給などの優
れた長所を有しており、ほとんど全ての微生物に対して
使用可能であり、さらに微生物的酸化還元、加水分解、
エステル化など多くの反応を好成績で実施することが可
能である等の利点がある[S.Oda,et al.,
Biosci.Biotech.Biochem.,5
6巻、2041(1992);特開平5−91878号
公報、特開平5−344896号公報、特開平6−88
号公報、特開平6−90号公報、特開平6−95号公
報、特開平6−197773号公報、特開平6−197
777号公報]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した界面バイオリ
アクターは、親水性担体として寒天平板を使用したケー
スが多く、大スケール化を前提とした報告もあるが
[S.Oda,et al.,J.Ferment.B
ioeng.,78巻、149(1994)]、実用的
には未だ不十分であり、さらに以下に述べるような問題
点を有している。界面バイオリアクターでは、反応溶媒
である疎水性有機溶媒の高い酸素溶解力により、水系反
応に比べて著しく少ない通気量で十分に微生物反応は進
行するが、反応塔が大型化してその高さが増大する際に
は通気ラインを組み込むことが必要であり、この場合、
板状担体を充填した反応塔中に直接通気すれば、付着し
た微生物が剥離したり、板状担体間に空気溜まりが発生
し、デッドスペースを生じるという問題がある。さら
に、反応塔中へ通気しつつ撹拌翼を反応塔底部で回転さ
せる場合、板状担体間の液流動が不十分であり、微生物
への酸素及び原料の供給や生産物の菌体外への放出が不
十分となり生産性が低下する。
アクターは、親水性担体として寒天平板を使用したケー
スが多く、大スケール化を前提とした報告もあるが
[S.Oda,et al.,J.Ferment.B
ioeng.,78巻、149(1994)]、実用的
には未だ不十分であり、さらに以下に述べるような問題
点を有している。界面バイオリアクターでは、反応溶媒
である疎水性有機溶媒の高い酸素溶解力により、水系反
応に比べて著しく少ない通気量で十分に微生物反応は進
行するが、反応塔が大型化してその高さが増大する際に
は通気ラインを組み込むことが必要であり、この場合、
板状担体を充填した反応塔中に直接通気すれば、付着し
た微生物が剥離したり、板状担体間に空気溜まりが発生
し、デッドスペースを生じるという問題がある。さら
に、反応塔中へ通気しつつ撹拌翼を反応塔底部で回転さ
せる場合、板状担体間の液流動が不十分であり、微生物
への酸素及び原料の供給や生産物の菌体外への放出が不
十分となり生産性が低下する。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者は、前記の如き
問題がなく、効率的でスケールアップが容易な界面バイ
オリアクターを開発することを目的に鋭意検討を重ねた
結果、微生物が表面に増殖もしくは生存可能な状態で付
着・固定化された板状親水性固定化担体を反応塔内部に
充填し、該反応塔に酸素供給および内容液の混合を可能
にする通気塔を連結した外部液循環ラインを組み込むこ
とにより上記の目的を達成できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
問題がなく、効率的でスケールアップが容易な界面バイ
オリアクターを開発することを目的に鋭意検討を重ねた
結果、微生物が表面に増殖もしくは生存可能な状態で付
着・固定化された板状親水性固定化担体を反応塔内部に
充填し、該反応塔に酸素供給および内容液の混合を可能
にする通気塔を連結した外部液循環ラインを組み込むこ
とにより上記の目的を達成できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】かくして本発明に従えば、表面に微生物が
増殖もしくは生存可能な状態で付着・固定化されており
且つ該微生物の増殖もしくは生存に必要な栄養源及び水
よりなる液体培地を含有する厚さが1〜500mmの板
状親水性固定化担体の複数枚が充填率10〜70%にな
るように水平方向に充填された反応塔と、該反応塔に連
結された、実質的に水に不溶性もしくは難溶性の反応基
質を含む反応溶媒を該反応塔に、リアクターのワーキン
グボリューム1ットル当り循環速度10〜10000m
l/分で循環させ且つ該反応溶媒への酸素供給と混合を
行うことのできる通気塔を有することを特徴とする界面
バイオリアクターシステムが提供される。
増殖もしくは生存可能な状態で付着・固定化されており
且つ該微生物の増殖もしくは生存に必要な栄養源及び水
よりなる液体培地を含有する厚さが1〜500mmの板
状親水性固定化担体の複数枚が充填率10〜70%にな
るように水平方向に充填された反応塔と、該反応塔に連
結された、実質的に水に不溶性もしくは難溶性の反応基
質を含む反応溶媒を該反応塔に、リアクターのワーキン
グボリューム1ットル当り循環速度10〜10000m
l/分で循環させ且つ該反応溶媒への酸素供給と混合を
行うことのできる通気塔を有することを特徴とする界面
バイオリアクターシステムが提供される。
【0007】本発明によれば、表面に微生物が増殖もし
くは生存可能な状態で付着・固定化された板状親水性固
定化担体(以下、「板状担体」ということもある)を内
部に充填した反応塔に、通気塔から水不溶性もしくは難
溶性の反応基質を含んだ反応溶媒を送液ポンプによって
注入し、かつ循環させることにより、板状担体を充填し
た反応塔内で十分な混合効果を生じ、微生物への酸素お
よび反応基質の供給や微生物による産物の菌体からの放
出を促進せしめて微生物変換反応を効率よく行わせるこ
とができる。
くは生存可能な状態で付着・固定化された板状親水性固
定化担体(以下、「板状担体」ということもある)を内
部に充填した反応塔に、通気塔から水不溶性もしくは難
溶性の反応基質を含んだ反応溶媒を送液ポンプによって
注入し、かつ循環させることにより、板状担体を充填し
た反応塔内で十分な混合効果を生じ、微生物への酸素お
よび反応基質の供給や微生物による産物の菌体からの放
出を促進せしめて微生物変換反応を効率よく行わせるこ
とができる。
【0008】しかして、本発明の第一の特徴ないし利点
は、通気塔を組み込んだ外部液循環ラインを用い、反応
塔内の反応溶媒を高速循環させるようにした点にあり、
これにより、反応塔内の板状担体を反応床として固定し
たままで、板状担体間に気泡が入り込むことなく反応溶
媒の十分な混合効果が得られる。しかも、通気塔に酸素
を供給することにより、反応溶媒中への酸素の取り込み
が著しく向上し、酸素および反応基質の菌体への供給効
果ならびに産物の菌体外への放出効果が著しく向上す
る。
は、通気塔を組み込んだ外部液循環ラインを用い、反応
塔内の反応溶媒を高速循環させるようにした点にあり、
これにより、反応塔内の板状担体を反応床として固定し
たままで、板状担体間に気泡が入り込むことなく反応溶
媒の十分な混合効果が得られる。しかも、通気塔に酸素
を供給することにより、反応溶媒中への酸素の取り込み
が著しく向上し、酸素および反応基質の菌体への供給効
果ならびに産物の菌体外への放出効果が著しく向上す
る。
【0009】本発明の第二の特徴ないし利点は、反応塔
内での液流動の効率をはかるため、板状担体間ごとに設
置したノズルより循環液を噴出させる点にあり、これに
よって板状担体間に増殖する微生物に対して、酸素及び
原料の供給や産物の菌体外への放出が促進される。
内での液流動の効率をはかるため、板状担体間ごとに設
置したノズルより循環液を噴出させる点にあり、これに
よって板状担体間に増殖する微生物に対して、酸素及び
原料の供給や産物の菌体外への放出が促進される。
【0010】本発明の第三の特徴ないし利点は、反応後
に微生物の活性が低下した場合に、低活性微生物が表面
に付着した板状担体を蒸気滅菌した後に回収し、表面洗
浄によって微生物フィルムを除去し、さらに液体培地中
に浸漬して担体内部の水相を新鮮な液体培地で置換し、
これを繰り返し使用できるため、固定化担体コストを大
幅に低減できる点にある。
に微生物の活性が低下した場合に、低活性微生物が表面
に付着した板状担体を蒸気滅菌した後に回収し、表面洗
浄によって微生物フィルムを除去し、さらに液体培地中
に浸漬して担体内部の水相を新鮮な液体培地で置換し、
これを繰り返し使用できるため、固定化担体コストを大
幅に低減できる点にある。
【0011】以下、本発明の界面バイオリアクターシス
テムについてさらに詳しく説明する。
テムについてさらに詳しく説明する。
【0012】本発明で使用可能な板状親水性固定化担体
の素材は、微生物の栄養源を含む水性の液体培地を含有
保持することができ且つ反応塔内の板状担体充填用フレ
ームに保持できるだけの強度があるものであれば特に制
約はなく、具体的には、例えば、アルギン酸、カラギー
ナン、デンプンマトリクス、寒天、濾紙のようなセルロ
ース材などの天然高分子;ポリビニルアルコール、ウレ
タンポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸な
どのような合成高分子;泡ガラス板のような無機質の板
状化物などを挙げることができる。ただし、担体を繰り
返し再生使用する場合には、濾紙板を除くゲル状天然高
分子は強度が低下するという問題があるため、ゲル状合
成高分子あるいは無機質の板状化物を用いる方が好まし
い。また、強度の低い天然高分子または合成高分子のゲ
ル状化物をコーティング剤として用い、これを無機質板
状化物のような強強度の板状化物の表面にコートするこ
ともできる。
の素材は、微生物の栄養源を含む水性の液体培地を含有
保持することができ且つ反応塔内の板状担体充填用フレ
ームに保持できるだけの強度があるものであれば特に制
約はなく、具体的には、例えば、アルギン酸、カラギー
ナン、デンプンマトリクス、寒天、濾紙のようなセルロ
ース材などの天然高分子;ポリビニルアルコール、ウレ
タンポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸な
どのような合成高分子;泡ガラス板のような無機質の板
状化物などを挙げることができる。ただし、担体を繰り
返し再生使用する場合には、濾紙板を除くゲル状天然高
分子は強度が低下するという問題があるため、ゲル状合
成高分子あるいは無機質の板状化物を用いる方が好まし
い。また、強度の低い天然高分子または合成高分子のゲ
ル状化物をコーティング剤として用い、これを無機質板
状化物のような強強度の板状化物の表面にコートするこ
ともできる。
【0013】本発明の界面バイオリアクターシステムは
いかなる微生物にも適用でき、酸化、還元、加水分解、
エステル合成反応のような様々な微生物変換反応を実施
させることが可能である。しかして上記の如き担体に固
定化しうる微生物は、細菌、カビ類、酵母、放線菌のい
ずれかの微生物であってもよく、また、好気性、嫌気性
のいずれのタイプのものであってもよい。具体的には例
えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、グルコノバ
クター(Gluconobacter)属、アセトバクター(Acetoba
cter)属、アリスロバクター(Arthrobacter)属、コリ
ネバクテリウム(Corynebacterium)属、ロドコッカス
(Rhodococcus)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)
属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属などに属する微
生物を挙げることができる。
いかなる微生物にも適用でき、酸化、還元、加水分解、
エステル合成反応のような様々な微生物変換反応を実施
させることが可能である。しかして上記の如き担体に固
定化しうる微生物は、細菌、カビ類、酵母、放線菌のい
ずれかの微生物であってもよく、また、好気性、嫌気性
のいずれのタイプのものであってもよい。具体的には例
えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、グルコノバ
クター(Gluconobacter)属、アセトバクター(Acetoba
cter)属、アリスロバクター(Arthrobacter)属、コリ
ネバクテリウム(Corynebacterium)属、ロドコッカス
(Rhodococcus)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)
属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属などに属する微
生物を挙げることができる。
【0014】これら微生物の前記担体への付着・固定化
は、それ自体既知の方法、例えば、特開平5−9187
8号公報等の文献に記載の方法に従って行なうことがで
き、最終的には板状に成形して使用される。
は、それ自体既知の方法、例えば、特開平5−9187
8号公報等の文献に記載の方法に従って行なうことがで
き、最終的には板状に成形して使用される。
【0015】これら板状担体の内部は通常の微生物培養
用の液体培地を包含させて用いることが必要であるが、
用いる液体培地の組成には特に制約はなく、用いる微生
物の種類等に応じて広い範囲にわたり変えることができ
るが、一般には、グルコースやシュークロースなどの炭
素源、アンモニウム塩のような窒素源、マグネシウム塩
のような無機塩類、酵母エキスなどの微量栄養源を含む
ものを使用することができる。なお、反応溶媒としてパ
ラフィン類を用い、これを増殖用基質として兼用する場
合には、担体内部に炭素源を含ませておく必要はない。
用の液体培地を包含させて用いることが必要であるが、
用いる液体培地の組成には特に制約はなく、用いる微生
物の種類等に応じて広い範囲にわたり変えることができ
るが、一般には、グルコースやシュークロースなどの炭
素源、アンモニウム塩のような窒素源、マグネシウム塩
のような無機塩類、酵母エキスなどの微量栄養源を含む
ものを使用することができる。なお、反応溶媒としてパ
ラフィン類を用い、これを増殖用基質として兼用する場
合には、担体内部に炭素源を含ませておく必要はない。
【0016】本発明の界面バイオリアクターシステムを
前記した問題点を生じさせることなく効率よく且つスケ
ールアップした状態で操作するには、用いる板状担体の
大きさ厚さ及びその反応塔に対する充填率を適当に選択
することが重要である。板状担体の大きさは反応塔のサ
イズにあわせて適宜選定すればよいが、必ずしも大きい
ものを使用する必要はなく、小さいサイズの板状担体、
例えば1辺10〜100cmのものを1段に並列して設
置しもよい。むしろ小さい板状担体を並列させて用いる
方が担体間の液流動がより効果的になったり、あるいは
担体のたわみを抑えることができる。
前記した問題点を生じさせることなく効率よく且つスケ
ールアップした状態で操作するには、用いる板状担体の
大きさ厚さ及びその反応塔に対する充填率を適当に選択
することが重要である。板状担体の大きさは反応塔のサ
イズにあわせて適宜選定すればよいが、必ずしも大きい
ものを使用する必要はなく、小さいサイズの板状担体、
例えば1辺10〜100cmのものを1段に並列して設
置しもよい。むしろ小さい板状担体を並列させて用いる
方が担体間の液流動がより効果的になったり、あるいは
担体のたわみを抑えることができる。
【0017】さらに、担体内水相の液体培地での置換を
する上でも、小さいサイズが取り扱い易い。板状担体の
厚さについても特に制約はなく、内部に十分な液体培地
を包含し、なおかつ運転に支障を来すようなたわみを生
じないだけの厚さであればよく、具体的には1〜500
mm、好ましくは3〜50mmである。これら板状担体
は水平に積んで配置することが構造安定上好ましいが、
ある程度の角度、例えば45度未満の角度で複数枚積ん
でもよい。また、積まれる板状担体の間隔は、液流動を
阻害せず、反応溶媒との間で固/液界面を形成し得るな
らばいかなる間隔であってもよく、具体的には0.3〜
30cm、そして生産性および液流動の安定性、均一性
を考慮するならば、好ましくは0.5〜5cm程度の間
隔が好ましい。これら板状担体のたわみをふせぐため、
さらには運転上の安定性や反応塔への投入もしくは引き
上げの簡便さ等の観点から、板状担体は、液流動に支障
を来さない構造のフレームに設置もしくは固定して配置
する方が好ましい。
する上でも、小さいサイズが取り扱い易い。板状担体の
厚さについても特に制約はなく、内部に十分な液体培地
を包含し、なおかつ運転に支障を来すようなたわみを生
じないだけの厚さであればよく、具体的には1〜500
mm、好ましくは3〜50mmである。これら板状担体
は水平に積んで配置することが構造安定上好ましいが、
ある程度の角度、例えば45度未満の角度で複数枚積ん
でもよい。また、積まれる板状担体の間隔は、液流動を
阻害せず、反応溶媒との間で固/液界面を形成し得るな
らばいかなる間隔であってもよく、具体的には0.3〜
30cm、そして生産性および液流動の安定性、均一性
を考慮するならば、好ましくは0.5〜5cm程度の間
隔が好ましい。これら板状担体のたわみをふせぐため、
さらには運転上の安定性や反応塔への投入もしくは引き
上げの簡便さ等の観点から、板状担体は、液流動に支障
を来さない構造のフレームに設置もしくは固定して配置
する方が好ましい。
【0018】また、板状担体の反応塔に対する充填率
は、生産性を考慮して、一般に10〜70%、特に30
〜60の範囲内にするのが好適である。ここで、板状担
体の充填率は、ワーキングボリューム(板状担体と反応
溶媒の合計容積)に対する板状担体の占める割合をい
う。
は、生産性を考慮して、一般に10〜70%、特に30
〜60の範囲内にするのが好適である。ここで、板状担
体の充填率は、ワーキングボリューム(板状担体と反応
溶媒の合計容積)に対する板状担体の占める割合をい
う。
【0019】本発明に従い反応塔に供給される水に不溶
性もしくは難溶性の反応基質を含む溶液を調製するため
の有機溶媒としては、固定化された微生物菌体に対して
実質的に毒性を示さないものが好ましく、具体的には、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの
炭素数6〜20のメタン系炭化水素に代表されるノルマ
ルパラフィン類または流動パラフィン類;イソオクタン
などのイソパラフィン類;ペンチルベンゼン、ヘキシル
ベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼンなどの
脂肪族鎖の炭素数が5〜15のノルマルアルキルベンゼ
ン類;キュメンなどのイソアルキルベンゼン類;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素類;ヘキシルエーテルな
どのエーテル類;ジブチルフタレートなどの芳香族エス
テル類;デカン酸エチルなどの脂肪族エステル類;ポリ
ジメチルシロキサンなどのシリコンオイルなどを例示す
ることができる。
性もしくは難溶性の反応基質を含む溶液を調製するため
の有機溶媒としては、固定化された微生物菌体に対して
実質的に毒性を示さないものが好ましく、具体的には、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの
炭素数6〜20のメタン系炭化水素に代表されるノルマ
ルパラフィン類または流動パラフィン類;イソオクタン
などのイソパラフィン類;ペンチルベンゼン、ヘキシル
ベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼンなどの
脂肪族鎖の炭素数が5〜15のノルマルアルキルベンゼ
ン類;キュメンなどのイソアルキルベンゼン類;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素類;ヘキシルエーテルな
どのエーテル類;ジブチルフタレートなどの芳香族エス
テル類;デカン酸エチルなどの脂肪族エステル類;ポリ
ジメチルシロキサンなどのシリコンオイルなどを例示す
ることができる。
【0020】前記した反応溶媒のうち、固定化された個
々の微生物に対して実質的に無害である疎水性有機溶媒
を選んで用いるが好適である。
々の微生物に対して実質的に無害である疎水性有機溶媒
を選んで用いるが好適である。
【0021】一方、微生物変換反応に基質として供しう
る実質的に水に難溶性ないし不溶性の有機化合物として
は、固定化微生物の変換能力等に応じて各種のものが使
用することができ、特に制限はなく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、
ナフタレン、フェナントレンなどの芳香族系炭化水素;
トリデカン、テトラデカンなどの脂肪族系炭化水素;シ
クロヘキサノール、シクロヘキサノンなどの脂環式系化
合物;メチルイミダゾール、コリジン、ピコリンなどの
複素環式系化合物;ラウリン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸;オ
クチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの
高級アルコール類;カプリル酸エチル、カプロン酸エチ
ルなどの脂肪酸エステル類等が挙げられる。
る実質的に水に難溶性ないし不溶性の有機化合物として
は、固定化微生物の変換能力等に応じて各種のものが使
用することができ、特に制限はなく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、
ナフタレン、フェナントレンなどの芳香族系炭化水素;
トリデカン、テトラデカンなどの脂肪族系炭化水素;シ
クロヘキサノール、シクロヘキサノンなどの脂環式系化
合物;メチルイミダゾール、コリジン、ピコリンなどの
複素環式系化合物;ラウリン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸;オ
クチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの
高級アルコール類;カプリル酸エチル、カプロン酸エチ
ルなどの脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0022】前記有機溶媒中における反応基質の濃度は
特に制限されるものではなく、固定化菌体に対する毒性
に応じて決めることができる。例えば基質が毒性の強い
上記芳香族炭化水素類の場合は炭素数10〜15のメタ
ン系炭化水素であるノルマルパラフィンに対して5%〜
30%程度までの濃度で添加することができる。また、
基質が比較的毒性の弱い脂肪酸エステル類の場合には、
ノルマルパラフィンに対して50%以上添加することが
できる。
特に制限されるものではなく、固定化菌体に対する毒性
に応じて決めることができる。例えば基質が毒性の強い
上記芳香族炭化水素類の場合は炭素数10〜15のメタ
ン系炭化水素であるノルマルパラフィンに対して5%〜
30%程度までの濃度で添加することができる。また、
基質が比較的毒性の弱い脂肪酸エステル類の場合には、
ノルマルパラフィンに対して50%以上添加することが
できる。
【0023】基質の中でも特に毒性の弱い高級脂肪酸エ
ステル類は有機溶媒と混和することなく、100%濃
度、すなわち、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触
させる有機溶媒かつ変換基質として用いることができ
る。
ステル類は有機溶媒と混和することなく、100%濃
度、すなわち、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触
させる有機溶媒かつ変換基質として用いることができ
る。
【0024】脂肪族炭化水素も高級脂肪酸エステル類と
同様に基質として使用する場合特に毒性の弱い部類に入
り、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触させる有機
溶媒かつ、変換基質として用いることができる。
同様に基質として使用する場合特に毒性の弱い部類に入
り、それ自体が固定化担体上の菌体相と接触させる有機
溶媒かつ、変換基質として用いることができる。
【0025】本発明の界面バイオリアクターシステムで
は、以上に述べた反応基質を含む反応溶媒の板状担体間
への注入は、反応塔の上部及び下部のいずれからでも行
うことができる。反応溶媒の循環速度は、本発明の界面
バイオリアクターを安定に且つ効率よく運転するための
1つの重要なファクターであり、反応溶媒量および充填
率を参考にして個々に決定することができるが、通常、
リアクターのワーキングボリューム1ットル当り10〜
10000ml/分、好ましくは100〜1000ml
/分の範囲内で反応溶媒が注入及び排出される速度とす
ることができる。
は、以上に述べた反応基質を含む反応溶媒の板状担体間
への注入は、反応塔の上部及び下部のいずれからでも行
うことができる。反応溶媒の循環速度は、本発明の界面
バイオリアクターを安定に且つ効率よく運転するための
1つの重要なファクターであり、反応溶媒量および充填
率を参考にして個々に決定することができるが、通常、
リアクターのワーキングボリューム1ットル当り10〜
10000ml/分、好ましくは100〜1000ml
/分の範囲内で反応溶媒が注入及び排出される速度とす
ることができる。
【0026】この反応溶媒の反応塔への循環は、反応塔
に連結した通気塔を用いて実施することができる。本発
明において使用しうる通気塔の構成は特に制限されるも
のではなく、反応基質を含む反応溶媒に効率よく空気を
供給することができ且つ消費された反応基質を補給し、
混合した後、反応塔に前記循環速度で循環させることが
できるものであればよい。
に連結した通気塔を用いて実施することができる。本発
明において使用しうる通気塔の構成は特に制限されるも
のではなく、反応基質を含む反応溶媒に効率よく空気を
供給することができ且つ消費された反応基質を補給し、
混合した後、反応塔に前記循環速度で循環させることが
できるものであればよい。
【0027】以下、本発明の板状担体充填型界面バイオ
リアクターシステム及びその操作法について、図面を参
照しつつさらに説明する。
リアクターシステム及びその操作法について、図面を参
照しつつさらに説明する。
【0028】界面バイオリアクターは、基本的には、板
状担体(3)が充填されている反応塔(1)と、反応基
質を含む反応溶媒(6)への通気および混合を行なうた
めの通気塔(5)の2塔構造よりなり、両塔が循環ライ
ン(8)で連結されている。反応塔(1)は、内部にフ
レーム(2)に固定して配置された複数枚の板状担体
(3)を有している。反応塔(1)への反応溶媒(6)
の循環は循環ポンプ(4)を介してノズル口(18)か
ら担体間に噴出させる形で行うことができるが、場合に
よっては撹拌翼を反応塔の下部スペースに設置して反応
塔内の混合効率をより高めるようにしてもよい。板状担
体間に設置されるノズル口(18)は、循環ラインおよ
びノズル口における圧損を考慮し、反応塔下部から上部
にかけて口径に勾配を付け、各間隙間の反応溶媒の吐出
量をできるだけ均一にする方が好ましい。ノズル口(1
8)の口径は循環速度および反応塔内容量に併せて適宜
決定すればよく、その形状は吐出点から放射状に反応溶
媒を吐出できる形状、例えば円錐状に吐出口の口径が拡
大している形状のものが好ましい。また、ノズル口の板
状担体間への設置位置については、板状担体間の担体表
面全面に液流動を与えるため、担体の辺もしくはその角
位に設置する方が好ましい。
状担体(3)が充填されている反応塔(1)と、反応基
質を含む反応溶媒(6)への通気および混合を行なうた
めの通気塔(5)の2塔構造よりなり、両塔が循環ライ
ン(8)で連結されている。反応塔(1)は、内部にフ
レーム(2)に固定して配置された複数枚の板状担体
(3)を有している。反応塔(1)への反応溶媒(6)
の循環は循環ポンプ(4)を介してノズル口(18)か
ら担体間に噴出させる形で行うことができるが、場合に
よっては撹拌翼を反応塔の下部スペースに設置して反応
塔内の混合効率をより高めるようにしてもよい。板状担
体間に設置されるノズル口(18)は、循環ラインおよ
びノズル口における圧損を考慮し、反応塔下部から上部
にかけて口径に勾配を付け、各間隙間の反応溶媒の吐出
量をできるだけ均一にする方が好ましい。ノズル口(1
8)の口径は循環速度および反応塔内容量に併せて適宜
決定すればよく、その形状は吐出点から放射状に反応溶
媒を吐出できる形状、例えば円錐状に吐出口の口径が拡
大している形状のものが好ましい。また、ノズル口の板
状担体間への設置位置については、板状担体間の担体表
面全面に液流動を与えるため、担体の辺もしくはその角
位に設置する方が好ましい。
【0029】通気塔(5)は、塔下部にスパージャー
(9)を有することができ、ここからエアポンプ(1
0)によってフィルター(11)を介して内容液に通気
する。この通気は反応溶媒に酸素を供給することを目的
とするものであり、通常、空気が用いられるが、場合に
より純酸素又は不活性気体で希釈した酸素ガスを用いて
もよい。また、嫌気性菌を用いる場合やガス状基質を用
いる場合には、空気又は酸素の代わりに、窒素ガスやガ
ス状基質を吹き込んでもよい。スパージャー(9)の設
置は必ずしも不可欠ではないが、内容液への通気撹拌効
率を高めるためには、微細な気泡を生じるスパージャー
(9)を介して通気する方が好ましい。また、通気塔
(5)内に撹拌翼(図示せず)を設置して撹拌効率をよ
り高めることも可能である。一方、通気に伴い反応溶媒
(6)である有機溶媒が塔外へ排出されることになる
が、それを避けるためにオイルミストトラップ(16)
を排気ラインに組み込むことが好ましい。さらに、通気
塔(5)からの排気ダクトに1か所あるいはそれ以上の
下方へ屈曲部(7)をもたせ、この屈曲部(7)で反応
溶媒のエアロゾルを付着、捕集せしめることにより、反
応溶媒(6)を排気口(15)から外へ出さない構造と
することが好ましい。あるいは、通気速度が高く、オイ
ルミストトラップ(16)や排気ダクト屈曲部(7)で
の反応溶媒の補集が不十分な場合には、排気ダクト屈曲
部(11)の先にさらにオイルミストトラップや反応溶
媒補集用のトラップタンク(図示せず)を設置してもよ
い。反応溶媒(6)の飛散は蒸発ではなく、通気発泡に
よるエアロゾルの飛散であるため、排気ラインにコンデ
ンサーを取り付ける必要はない。捕集された有機溶媒は
例えば循環ポンプ(16)を介して再び通気塔(5)へ
戻すことができあるいはまた反応塔(1)内へ戻すこと
ができるため、労働衛生上や安全上の危険性がなく、さ
らに反応溶媒量の減少も防ぐことができる。
(9)を有することができ、ここからエアポンプ(1
0)によってフィルター(11)を介して内容液に通気
する。この通気は反応溶媒に酸素を供給することを目的
とするものであり、通常、空気が用いられるが、場合に
より純酸素又は不活性気体で希釈した酸素ガスを用いて
もよい。また、嫌気性菌を用いる場合やガス状基質を用
いる場合には、空気又は酸素の代わりに、窒素ガスやガ
ス状基質を吹き込んでもよい。スパージャー(9)の設
置は必ずしも不可欠ではないが、内容液への通気撹拌効
率を高めるためには、微細な気泡を生じるスパージャー
(9)を介して通気する方が好ましい。また、通気塔
(5)内に撹拌翼(図示せず)を設置して撹拌効率をよ
り高めることも可能である。一方、通気に伴い反応溶媒
(6)である有機溶媒が塔外へ排出されることになる
が、それを避けるためにオイルミストトラップ(16)
を排気ラインに組み込むことが好ましい。さらに、通気
塔(5)からの排気ダクトに1か所あるいはそれ以上の
下方へ屈曲部(7)をもたせ、この屈曲部(7)で反応
溶媒のエアロゾルを付着、捕集せしめることにより、反
応溶媒(6)を排気口(15)から外へ出さない構造と
することが好ましい。あるいは、通気速度が高く、オイ
ルミストトラップ(16)や排気ダクト屈曲部(7)で
の反応溶媒の補集が不十分な場合には、排気ダクト屈曲
部(11)の先にさらにオイルミストトラップや反応溶
媒補集用のトラップタンク(図示せず)を設置してもよ
い。反応溶媒(6)の飛散は蒸発ではなく、通気発泡に
よるエアロゾルの飛散であるため、排気ラインにコンデ
ンサーを取り付ける必要はない。捕集された有機溶媒は
例えば循環ポンプ(16)を介して再び通気塔(5)へ
戻すことができあるいはまた反応塔(1)内へ戻すこと
ができるため、労働衛生上や安全上の危険性がなく、さ
らに反応溶媒量の減少も防ぐことができる。
【0030】反応塔(1)、通気塔(5)および循環ラ
イン(8)中の反応液液温を一定に保つため、例えば、
反応塔(1)および/または通気塔(5)の周囲に、温
度コントローラー(12)を介して温水(13)を流し
て保温することにより、反応塔(1)および/または通
気塔(5)を温度制御することが好ましい。また、反応
塔(1)および/または通気塔(5)には液面コントロ
ーラー(14)を設置して反応塔内液面および/または
通気塔内液面を一定に保つことが好ましい。反応塔
(1)から反応溶媒(6)の通気塔(5)への排出は、
必要に応じ液面コントローラー(図示せず)を介して循
環ポンプ(図示せず)による循環ライン(8)への強制
排出あるいは循環ポンプを介さない自然排出によって行
われる。
イン(8)中の反応液液温を一定に保つため、例えば、
反応塔(1)および/または通気塔(5)の周囲に、温
度コントローラー(12)を介して温水(13)を流し
て保温することにより、反応塔(1)および/または通
気塔(5)を温度制御することが好ましい。また、反応
塔(1)および/または通気塔(5)には液面コントロ
ーラー(14)を設置して反応塔内液面および/または
通気塔内液面を一定に保つことが好ましい。反応塔
(1)から反応溶媒(6)の通気塔(5)への排出は、
必要に応じ液面コントローラー(図示せず)を介して循
環ポンプ(図示せず)による循環ライン(8)への強制
排出あるいは循環ポンプを介さない自然排出によって行
われる。
【0031】反応塔(1)からの目的産物を含むダウン
ストリーム(17)の後処理に要する設備である蒸留濃
縮塔、抽出槽、析出槽あるいは結晶製造装置など(これ
らは図示せず)は通常の仕様のものでよく、目的産物、
反応基質、反応溶媒種などによって適宜使い分ければよ
い。
ストリーム(17)の後処理に要する設備である蒸留濃
縮塔、抽出槽、析出槽あるいは結晶製造装置など(これ
らは図示せず)は通常の仕様のものでよく、目的産物、
反応基質、反応溶媒種などによって適宜使い分ければよ
い。
【0032】本界面バイオリアクターは、内容液(反応
溶媒)が有機溶媒であるため、接液部には必ずしもステ
ンレス鋼板を使用する必要はない。ただし、粒子状担体
への微生物の植菌と増殖を界面バイオリアクター内で行
わせる場合には、反応塔、通気塔および循環ラインの接
液部は水と接触することになるため、ステンレス鋼を材
質とするものを使用することが好ましい。
溶媒)が有機溶媒であるため、接液部には必ずしもステ
ンレス鋼板を使用する必要はない。ただし、粒子状担体
への微生物の植菌と増殖を界面バイオリアクター内で行
わせる場合には、反応塔、通気塔および循環ラインの接
液部は水と接触することになるため、ステンレス鋼を材
質とするものを使用することが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により、本発明の界面バイオリ
アクターを用いて微生物変換反応を行なう場合について
さらに具体的に説明する。
アクターを用いて微生物変換反応を行なう場合について
さらに具体的に説明する。
【0034】内部容量12リットルの箱型反応塔に反応
溶媒であるデカンを7リットル注入した。この反応塔
に、板表面にイサチェンキア・スクチュラタ・バー・ス
クチュラタ(Issatchenkia scutulata var.scutulat
a)IFO 10070を1日間増殖させた濾過板を光
硬化製樹脂(ENTG−3800、関西ペイント製、ポ
リエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロ
ック共重合体)でコーティングした板状担体(16×1
6cm、厚さ4mm)をステンレス製フレームに18枚
固定して反応塔に充填した(板間間隙10mm、充填率
23%)。上記菌体の担体への固定化は、ペプトン5
g、麦芽エキス3g、酵母エキス3g、グルコース30
g及び水1リットルからなる液体培地(pH6.0)で
上記菌体を1日間振盪培養した培養液中に濾紙板を10
分間静置し植菌した後、引き上げネット上で1日間静置
培養することにより行った。
溶媒であるデカンを7リットル注入した。この反応塔
に、板表面にイサチェンキア・スクチュラタ・バー・ス
クチュラタ(Issatchenkia scutulata var.scutulat
a)IFO 10070を1日間増殖させた濾過板を光
硬化製樹脂(ENTG−3800、関西ペイント製、ポ
リエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロ
ック共重合体)でコーティングした板状担体(16×1
6cm、厚さ4mm)をステンレス製フレームに18枚
固定して反応塔に充填した(板間間隙10mm、充填率
23%)。上記菌体の担体への固定化は、ペプトン5
g、麦芽エキス3g、酵母エキス3g、グルコース30
g及び水1リットルからなる液体培地(pH6.0)で
上記菌体を1日間振盪培養した培養液中に濾紙板を10
分間静置し植菌した後、引き上げネット上で1日間静置
培養することにより行った。
【0035】ついで反応塔中の有効容量(反応溶媒量+
担体容量)が8リットルになるようにデカン層を除去
し、板状担体ごとにノズル口が入るように通液ラインを
取り付けた。通気塔(内部容量700ml)に反応溶媒
500mlを注入し、30分間、循環ポンプを用いて1
00ml/minの流速で反応溶媒を反応塔−通気塔間
で循環させた。その後、変換反応用原料である1−デカ
ノール300gを通気塔内に注入し、通気速度100m
l/min、液循環速度200ml/minとして反応
溶媒を循環させた。反応開始より1〜5日間経日的にサ
ンプリングし、ガスクロマトグラフイーを用いて生産物
であるデカン酸濃度を定量した。その結果、デカン酸の
蓄積は反応開始後1日目から認められ、5日間の反応で
21g/lのデカン酸が蓄積した。反応終了後、反応液
を反応塔、通気塔および循環ラインから回収し、減圧蒸
留によって反応溶媒であるデカンを約90%留去した。
その後、水200mlを加えた後、10%水酸化ナトリ
ウム溶液でアルカリ性としてデカン酸を水層側に回収
し、さらに10%塩酸によって該水層を酸性化して酢酸
エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで脱
水した後酢酸エチルを除去することにより、デカン酸1
7gを得た(ガスクロマトグラフイー純度97%)。
担体容量)が8リットルになるようにデカン層を除去
し、板状担体ごとにノズル口が入るように通液ラインを
取り付けた。通気塔(内部容量700ml)に反応溶媒
500mlを注入し、30分間、循環ポンプを用いて1
00ml/minの流速で反応溶媒を反応塔−通気塔間
で循環させた。その後、変換反応用原料である1−デカ
ノール300gを通気塔内に注入し、通気速度100m
l/min、液循環速度200ml/minとして反応
溶媒を循環させた。反応開始より1〜5日間経日的にサ
ンプリングし、ガスクロマトグラフイーを用いて生産物
であるデカン酸濃度を定量した。その結果、デカン酸の
蓄積は反応開始後1日目から認められ、5日間の反応で
21g/lのデカン酸が蓄積した。反応終了後、反応液
を反応塔、通気塔および循環ラインから回収し、減圧蒸
留によって反応溶媒であるデカンを約90%留去した。
その後、水200mlを加えた後、10%水酸化ナトリ
ウム溶液でアルカリ性としてデカン酸を水層側に回収
し、さらに10%塩酸によって該水層を酸性化して酢酸
エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで脱
水した後酢酸エチルを除去することにより、デカン酸1
7gを得た(ガスクロマトグラフイー純度97%)。
【0036】一方、反応終了後に反応塔から板状固定担
体全量を回収し、オートクレーブを用いて高圧蒸気滅菌
した。滅菌後、アルカリ洗剤を混入したイオン交換水で
高速撹拌洗浄することにより板表面の微生物層を除去
し、さらにイオン交換水で3回高速撹拌洗浄した。その
後液体培地中に1夜浸漬することによって担体内部の水
を液体培地で置換し、上述の1回目の試験と同様にして
デカン酸合成試験を行った。その結果得られたデカン酸
は11g/lであった。
体全量を回収し、オートクレーブを用いて高圧蒸気滅菌
した。滅菌後、アルカリ洗剤を混入したイオン交換水で
高速撹拌洗浄することにより板表面の微生物層を除去
し、さらにイオン交換水で3回高速撹拌洗浄した。その
後液体培地中に1夜浸漬することによって担体内部の水
を液体培地で置換し、上述の1回目の試験と同様にして
デカン酸合成試験を行った。その結果得られたデカン酸
は11g/lであった。
【図1】図1は本発明の界面バイオリアクターシステム
の1例を示す概略図である。
の1例を示す概略図である。
1 反応塔 2 フレーム 3 板状担体 4 循環ポンプ 5 通気塔 6 反応溶媒 7 排気ダクト屈曲部 8 排気口 9 スパージャー 10 エアポンプ 11 フィルター 12 温度コントローラ 13 温水 14 液面コントローラ 15 排気口 16 オイルミストトラップ 17 ダウンストリーム 18 ノズル口
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に微生物が増殖もしくは生存可能な
状態で付着・固定化されており且つ該微生物の増殖もし
くは生存に必要な栄養源及び水よりなる液体培地を含有
する厚さが1〜500mmの板状親水性固定化担体の複
数枚が充填率10〜70%になるように水平方向に充填
された反応塔と、該反応塔に連結された、実質的に水に
不溶性もしくは難溶性の反応基質を含む反応溶媒を該反
応塔に、リアクターのワーキングボリューム1ットル当
り循環速度10〜10000ml/分で循環させ且つ該
反応溶媒への酸素供給と混合を行うことのできる通気塔
を有することを特徴とする界面バイオリアクターシステ
ム。 - 【請求項2】 板状親水性固定化担体が合成高分子板状
化物である請求項1記載の界面バイオリアクターシステ
ム。 - 【請求項3】 反応溶媒が微生物に対して実質的に無害
である疎水性有機溶媒である請求項1記載の界面バイオ
リアクター。 - 【請求項4】 板状親水性固定化担体を使用後に洗浄
し、その内部を液体培地で置換することによって繰り返
し再生使用する請求項1記載の界面バイオリアクターシ
ステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2887195A JPH08196263A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 界面バイオリアクターシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2887195A JPH08196263A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 界面バイオリアクターシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08196263A true JPH08196263A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=12260452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2887195A Pending JPH08196263A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 界面バイオリアクターシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08196263A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114317397A (zh) * | 2021-12-02 | 2022-04-12 | 罗火生 | 一种纸片载体固定床培养细胞传代罐传罐放大方法 |
-
1995
- 1995-01-26 JP JP2887195A patent/JPH08196263A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114317397A (zh) * | 2021-12-02 | 2022-04-12 | 罗火生 | 一种纸片载体固定床培养细胞传代罐传罐放大方法 |
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