JP2936355B2 - 表面培養法 - Google Patents
表面培養法Info
- Publication number
- JP2936355B2 JP2936355B2 JP3028664A JP2866491A JP2936355B2 JP 2936355 B2 JP2936355 B2 JP 2936355B2 JP 3028664 A JP3028664 A JP 3028664A JP 2866491 A JP2866491 A JP 2866491A JP 2936355 B2 JP2936355 B2 JP 2936355B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture
- carrier
- liquid
- gas
- culture method
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面培養法、更に詳細に
は担体を用いて安定な気液界面を増大させて培養効率を
向上せしめた表面培養法に関する。
は担体を用いて安定な気液界面を増大させて培養効率を
向上せしめた表面培養法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物を利用して有用物質を生産
する方法すなわち発酵食品、医薬品、アミノ酸、生理活
性物質、有機酸、酵素、菌体蛋白等の有用物質を生産す
る方法において、微生物の種類や代謝様式、生産物の特
性等を利用した種々の培養方法が開発され実施されてい
る。古くは、アルコール発酵や乳酸発酵等の酸素供給を
必要としない嫌気培養、酢酸発酵やこうじづくりのよう
に酸素の供給を必要とする好気培養などが行なわれ、そ
の後、純粋培養技術の開発、好気培養を効率化させた深
部培養の発展など、今日の通気・攪拌型培養槽による大
量培養法の基礎が確立された。そして現在、上述の有用
物質生産の大部分に、この純粋大量培養技術が導入さ
れ、大規模工業生産に至っている。
する方法すなわち発酵食品、医薬品、アミノ酸、生理活
性物質、有機酸、酵素、菌体蛋白等の有用物質を生産す
る方法において、微生物の種類や代謝様式、生産物の特
性等を利用した種々の培養方法が開発され実施されてい
る。古くは、アルコール発酵や乳酸発酵等の酸素供給を
必要としない嫌気培養、酢酸発酵やこうじづくりのよう
に酸素の供給を必要とする好気培養などが行なわれ、そ
の後、純粋培養技術の開発、好気培養を効率化させた深
部培養の発展など、今日の通気・攪拌型培養槽による大
量培養法の基礎が確立された。そして現在、上述の有用
物質生産の大部分に、この純粋大量培養技術が導入さ
れ、大規模工業生産に至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように微生物培養
技術は、長年の研究、開発により大きな進歩をとげてき
たが、培養形式、特に液体培養法に注目すると、表面培
養法と深部培養法に大別される。このいずれの方法につ
いても、酸素供給の点で創意工夫がなされてきている
が、表面培養法では、工業的には、単位培養液当りの気
液界面積を増大させるため、液深に対して表面積の大き
な平型発酵槽を利用しているにすぎないのが現状であ
る。また、近年食酢の発酵製造法において、予め酢酸菌
を着生させた担体膜を回転させて順次食酢醪と接触させ
ながら発酵を行なう方法(特公平 1-59865号)、酢酸菌
を着生させた担体膜の上部に食酢醪を供給浸透させて流
下させる方法(特公平 2-15190号)等が報告されている
が、これらの方法は、いずれも以下の欠点を有する。 (1)着生させた菌膜表面と食酢醪が接触する際に、回
転動力等による強制的な外力により、気液界面の乱れが
生じ、それぞれ発酵に必須である菌体と基質及び菌体と
空気との接触が不十分となり、生産効率が低下する。 (2)上記強制的外力により、担体膜から着生した菌が
剥離して、生産効率が低下する。 (3)いずれも菌体を着生した担体と培地の接触に動力
を必要とするため、高価な設備と煩雑な操作を必要と
し、工業的方法としては不利なるを免れない。
技術は、長年の研究、開発により大きな進歩をとげてき
たが、培養形式、特に液体培養法に注目すると、表面培
養法と深部培養法に大別される。このいずれの方法につ
いても、酸素供給の点で創意工夫がなされてきている
が、表面培養法では、工業的には、単位培養液当りの気
液界面積を増大させるため、液深に対して表面積の大き
な平型発酵槽を利用しているにすぎないのが現状であ
る。また、近年食酢の発酵製造法において、予め酢酸菌
を着生させた担体膜を回転させて順次食酢醪と接触させ
ながら発酵を行なう方法(特公平 1-59865号)、酢酸菌
を着生させた担体膜の上部に食酢醪を供給浸透させて流
下させる方法(特公平 2-15190号)等が報告されている
が、これらの方法は、いずれも以下の欠点を有する。 (1)着生させた菌膜表面と食酢醪が接触する際に、回
転動力等による強制的な外力により、気液界面の乱れが
生じ、それぞれ発酵に必須である菌体と基質及び菌体と
空気との接触が不十分となり、生産効率が低下する。 (2)上記強制的外力により、担体膜から着生した菌が
剥離して、生産効率が低下する。 (3)いずれも菌体を着生した担体と培地の接触に動力
を必要とするため、高価な設備と煩雑な操作を必要と
し、工業的方法としては不利なるを免れない。
【0004】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者らは、表面培養法の効率化を図るべく、鋭意研究
した結果、平板担体に自然に生産菌を着生させることに
より、上記課題を解決するに至った。
発明者らは、表面培養法の効率化を図るべく、鋭意研究
した結果、平板担体に自然に生産菌を着生させることに
より、上記課題を解決するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、表面培養において、
平板状担体を液面に固定配置し、生産菌を付着させて気
液界面を増大させることを特徴とする表面培養法を提供
するものである。
平板状担体を液面に固定配置し、生産菌を付着させて気
液界面を増大させることを特徴とする表面培養法を提供
するものである。
【0006】本発明方法において、菌体を着生させる担
体は、平板状すなわちシート状に加工されたものならば
材質に関係なく、親水性、疎水性の膜、金網などを広範
囲にわたって使用できる。
体は、平板状すなわちシート状に加工されたものならば
材質に関係なく、親水性、疎水性の膜、金網などを広範
囲にわたって使用できる。
【0007】担体の配置方法は、液面に接触しかつ気相
中に固定させ、一方に傾斜、好ましくは垂直に配置され
ていれば、どのような方法も適用できる。例えば、気相
中に担体保持装置を設け、下端が液面に浸るように担体
を垂らす方法、あるいは培養槽に沈め担体の一部が気相
中に露出するように配置する方法等が挙げられる。この
ようにして培養することにより自然に菌が担体に着生
し、かつ下端より培地が浸透し、担体表面に安定な気液
表面を形成させることができる。その結果、気液界面が
増大し、目的物質の発酵生産をより効率よく行なうこと
ができ、更に、一旦担体に着生した菌体が担体から脱落
するおそれもなく、繰り返し使用することができる。
中に固定させ、一方に傾斜、好ましくは垂直に配置され
ていれば、どのような方法も適用できる。例えば、気相
中に担体保持装置を設け、下端が液面に浸るように担体
を垂らす方法、あるいは培養槽に沈め担体の一部が気相
中に露出するように配置する方法等が挙げられる。この
ようにして培養することにより自然に菌が担体に着生
し、かつ下端より培地が浸透し、担体表面に安定な気液
表面を形成させることができる。その結果、気液界面が
増大し、目的物質の発酵生産をより効率よく行なうこと
ができ、更に、一旦担体に着生した菌体が担体から脱落
するおそれもなく、繰り返し使用することができる。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0009】実施例1 使用培地:培地の組成は、グルコース1%、酵母エキス
(Difco 社製)0.5 %、バクトペプトン(Difco 社製)
0.2 %、エタノール(食添用95%)5%(v/v )、酢酸
(食添用95%)1%(v/v )を使用した。 種培養:Acetobacter aceti IFO 3284を30℃、2〜3日
振盪培養(50ml/500ml容坂口フラスコ)したものを種と
した。 本培養:培養装置は、日電理化硝子(株)製ねじ口瓶SV
-50 (50ml容)を用い、図1のように、種培養液10%を
接種した上記培地(5)45mlを入れ、20mm×40mmに加工
した平板状担体(2)を9mm間隔で2枚、上部を木製の
止め具(1)で固定し、下端が液に約3mm浸るように垂
らした。また、菌膜(4)を乱さずにサンプリングを行
なうため、Drummond-Scientific 社製Microdispenser
( 100〜200 μl用)(3)を木製の止め具に固定した
(図1)。担体としては、疎水性添加剤含有P.E.シート
(花王(株)製)親水性不織布(花王(株)製)、セル
ロース透析膜(Spectrum Medical Industries, INC製)
OHPシートを使用し、コントロールとして担体を用いな
いものを用意した。培養は、静置で、30℃、4日間行な
った。 結果:経時サンプルの酢酸濃度(g/l)より求めた酢
酸生成速度(g/cm2/hr)と相対速度(%)を表1に示し
た。これらから明らかなように、いずれの担体も液面か
ら約5mmの高さの部分に菌膜を形成し、気液界面の増大
が認められた。またそれに伴い酢酸生成速度も上昇し、
最大60%の速度向上が見られた。
(Difco 社製)0.5 %、バクトペプトン(Difco 社製)
0.2 %、エタノール(食添用95%)5%(v/v )、酢酸
(食添用95%)1%(v/v )を使用した。 種培養:Acetobacter aceti IFO 3284を30℃、2〜3日
振盪培養(50ml/500ml容坂口フラスコ)したものを種と
した。 本培養:培養装置は、日電理化硝子(株)製ねじ口瓶SV
-50 (50ml容)を用い、図1のように、種培養液10%を
接種した上記培地(5)45mlを入れ、20mm×40mmに加工
した平板状担体(2)を9mm間隔で2枚、上部を木製の
止め具(1)で固定し、下端が液に約3mm浸るように垂
らした。また、菌膜(4)を乱さずにサンプリングを行
なうため、Drummond-Scientific 社製Microdispenser
( 100〜200 μl用)(3)を木製の止め具に固定した
(図1)。担体としては、疎水性添加剤含有P.E.シート
(花王(株)製)親水性不織布(花王(株)製)、セル
ロース透析膜(Spectrum Medical Industries, INC製)
OHPシートを使用し、コントロールとして担体を用いな
いものを用意した。培養は、静置で、30℃、4日間行な
った。 結果:経時サンプルの酢酸濃度(g/l)より求めた酢
酸生成速度(g/cm2/hr)と相対速度(%)を表1に示し
た。これらから明らかなように、いずれの担体も液面か
ら約5mmの高さの部分に菌膜を形成し、気液界面の増大
が認められた。またそれに伴い酢酸生成速度も上昇し、
最大60%の速度向上が見られた。
【表1】
【0010】実施例2 使用培地、種培養及び本培養は実施例1と同様にして行
なった。担体としては、ステンレス製金網を使用し、メ
ッシュサイズ30、50、100 及び200 のものを使用した。
金網は、培養前あらかじめ液に下端8mm浸して引き上げ
たのち、実施例1と同様に固定した。その結果は表2に
示すとおりであり、どのサイズの金網も液に浸した部分
(液面から5mm)に菌膜を形成して、気液界面が増大
し、酢酸生成速度の向上(最大2.5 倍)が認められた。
なった。担体としては、ステンレス製金網を使用し、メ
ッシュサイズ30、50、100 及び200 のものを使用した。
金網は、培養前あらかじめ液に下端8mm浸して引き上げ
たのち、実施例1と同様に固定した。その結果は表2に
示すとおりであり、どのサイズの金網も液に浸した部分
(液面から5mm)に菌膜を形成して、気液界面が増大
し、酢酸生成速度の向上(最大2.5 倍)が認められた。
【表2】
【0011】
【発明の効果】叙上の如く、本発明方法によれば簡単な
設備及び操作によって表面培養の効率を著しく向上させ
ることができる。
設備及び操作によって表面培養の効率を著しく向上させ
ることができる。
【図1】本発明の表面培養法に用いる培養装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/00 C12J 1/04 103 C12N 1/20 C12M 1/00
Claims (1)
- 【請求項1】 表面培養において、平板状担体を液面に
固定配置し、生産菌を付着させて気液界面を増大させる
ことを特徴とする表面培養法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3028664A JP2936355B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 表面培養法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3028664A JP2936355B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 表面培養法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04267874A JPH04267874A (ja) | 1992-09-24 |
JP2936355B2 true JP2936355B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=12254778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3028664A Expired - Lifetime JP2936355B2 (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 表面培養法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2936355B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5318523B2 (ja) * | 2008-10-20 | 2013-10-16 | 学校法人東京農業大学 | 食酢製造方法および接種用補助具 |
-
1991
- 1991-02-22 JP JP3028664A patent/JP2936355B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04267874A (ja) | 1992-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Nomura et al. | Acetic acid production by an electrodialysis fermentation method with a computerized control system | |
Okabe et al. | Itaconic acid production in an air-lift bioreactor using a modified draft tube | |
Wallen | Type reactions in fermentation chemistry | |
CN114250157B (zh) | 一株高产香气物质的扣囊复膜酵母cx-3菌株及其应用 | |
US5780275A (en) | Coupled process of saccharide fermentation and microbial esterification | |
Ichii et al. | Development of a new commercial-scale airlift fermentor for rapid growth of yeast | |
JP2936355B2 (ja) | 表面培養法 | |
Roukas | Production of citric acid from beet molasses by immobilized cells of Aspergillus niger | |
Pakula et al. | A new continuous biofilm bioreactor for immobilized oil‐degrading filamentous fungi | |
Breden et al. | The use of shredded asbestos in methane fermentations | |
Karube et al. | Production of L-glutamate by immobilized protoplasts | |
US5707825A (en) | Interface bioreactor system | |
JPH05123182A (ja) | 静置培養による微生物セルロースの製造法及びその装置 | |
Saha et al. | Citric acid fermentation by magnetic drum contactor: use of methanol and ethanol for higher production | |
Schaumburg et al. | Anaerobic simulated mixed culture system | |
Gbewonyo et al. | [28] Immobilization of mycelial cells on celite | |
JP2677602B2 (ja) | 継代シード培養によるl−ソルボースの製造法およびそれに用いる装置 | |
CN221141681U (zh) | 一种肽粉制备菌种活化摇摆装置 | |
GB1581832A (en) | Cultivation of filamentous fungi | |
WO2000015831A1 (fr) | Procede de production d'ursodesoxycholate | |
Mori et al. | Vinegar production in a bioreactor with chitosan beads as supports of immobilized bacteria | |
JPH09131198A (ja) | 発酵と微生物変換反応との融合方法 | |
JP4268719B2 (ja) | 嫌気型平板界面バイオリアクター | |
JPH0361430B2 (ja) | ||
JP4268720B2 (ja) | 嫌気型界面バイオリアクター |