JPH0936341A - 撮像素子及びその動作方法 - Google Patents

撮像素子及びその動作方法

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JPH0936341A
JPH0936341A JP7185293A JP18529395A JPH0936341A JP H0936341 A JPH0936341 A JP H0936341A JP 7185293 A JP7185293 A JP 7185293A JP 18529395 A JP18529395 A JP 18529395A JP H0936341 A JPH0936341 A JP H0936341A
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Shiro Suzuki
四郎 鈴木
Yoshiro Takiguchi
吉郎 瀧口
Junichi Yamazaki
順一 山崎
Kenkichi Tanioka
健吉 谷岡
Tetsuya Oshima
徹也 大島
Kenji Samejima
賢二 鮫島
Tatsuo Makishima
達男 牧島
Kazutaka Tsuji
和隆 辻
Tadaaki Hirai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像素子において,光導電膜に内部でアバラ
ンシェ増倍が生じるほどの高電界を印加して使用する際
に,特に,発生し易い画面欠陥や暗電流,残像等の増加
現象を抑止し,高感度,高画質化を実現する。 【構成】 撮像素子の光導電膜1を注入型接触を有する
電荷注入層12,13と,注入される電荷を捕獲して空
間電荷を形成するための電荷捕獲層14,15と,入射
光を信号電荷に変換するための光電変換層11で構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,入射光を信号電荷に変
換するための光導電膜を有する撮像管や光導電膜積層型
固体撮像素子等の撮像素子に係り,更に詳しく言えば,
光導電膜内で電荷のアバランシェ増倍が生じるほどの高
電界を印加しても,暗電流を低く抑止した状態で使用し
得る高感度の撮像素子用光導電膜の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,光導電膜を有する撮像素子は,
撮像素子に入射する可視光やX線等の電磁波,ないしは
電子線(以下これらを総称して単に入射光と呼ぶ)を信
号電荷に変換してこれを蓄積するための光導電膜と,蓄
積された信号電荷を読み取るための手段と,光導電膜に
電圧を印加するためにの導電性薄膜電極から成り,光導
電膜に所定の電圧を印加して使用する。通常,蓄積され
た信号電荷を読み取る手段が,走査電子ビーム発生部を
含む撮像素子を光導電型撮像管,互いに独立した複数個
の画素電極とそれぞれの画素電極に接続されたスイッチ
回路を含む固体走査回路を有する撮像素子を光導電膜積
層型固体撮像素子と呼んでいる。
【0003】また一方,かかる撮像素子には,光導電膜
が透光性電極とオーム性接触をなすものと,光導電膜へ
の電荷の注入が阻止される構成をなすものとがあり,一
般に,前者を注入型撮像素子,後者を阻止型撮像素子と
呼んでいる。前者に該当する代表的な撮像素子として
は,光導電膜にSb2S3薄膜を用いた撮像管ビジコンが
広く知られている。後者の阻止型撮像素子は低残像,低
暗電流で,撮像素子の出力信号が入射光強度にほぼ比例
するなどの特徴を有することから.特にカラーカメラ用
として好適であり,今日ではモノクロ用途も含めてほと
んどの撮像装置に用いられている。
【0004】光導電膜への電荷の注入を阻止する手段と
しては,(1)pin,ないしはpn接合形光導電膜の
逆方向特性を用いる,(2)光導電膜界面におけるショ
ットキー障壁の逆方向特性を利用する,(3)n形(ま
たはp形)光導電膜とバンドギャップの広いp形(また
はn形)薄膜の接合界面に形成されるヘテロ整流性接合
の逆方向特性を用いる,(4)光導電膜界面に絶縁性薄
膜を設ける,などの方法が取られている。
【0005】かかる撮像素子に関しては,例えば,木内
他:画像入力技術ハンドブック,日刊工業新聞社(19
92年)および特開昭54−150995号公報に詳し
く述べられており,pin形のPbO光導電膜,pin
形の水素化アモルファスSi光導電膜,SnO2導電性
薄膜とSe系非晶質半導体膜のショットキー形光導電
膜,CdSe(またはCeO2)とSe系非晶質半導体
から成るヘテロ接合型光導電膜,ZnSe/CdTe等
のII−VI族化合物半導体ヘテロ接合膜,SiO2絶縁性
薄膜と水素化アモルファスSi膜を積層した光導電膜な
どを用いた撮像管,ないしは光導電膜積層型固体撮像素
子が開示されている。
【0006】また撮像素子の更なる高感度化を実現する
手段として,光導電膜内での電荷のアバランシェ増倍現
象を利用する方法が知られている。例えば,非晶質Se
光導電膜に7×107V/m以上の高電界を印加して用
いるアバランシェ増倍形撮像素子が,アイイーイーイー
・エレクトロン・デバイス・レレターズ,EDL−8,
No.9,第392頁〜第394頁(1987年)(I
EEE Electron Device Lette
rs,EDL−8,No.9,pp392〜394(1
987))に記載されている。本撮像素子では,非晶質
Se光導電膜の正電極側にCeO2蒸着薄膜から成る正
孔注入阻止層を設け,他方にSb23薄膜から成る電子
注入阻止層を設けることで,高電界印加時の暗電流が抑
止されている。またかかる撮像素子における高電界印加
時の局所的な絶縁破壊現象を抑止するための,基板,な
らびに透光性電極の製造方法が,例えば特開平1−19
2177号公報,特開平5−174723号公報に開示
されており,それなりの効果が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の撮像素
子において,更なる高感度化を図るために,光導電膜に
印加する電圧を上げると,注入形撮像素子では,光導電
膜への電荷の注入が増して暗電流が大幅に増加し,また
阻止形撮像素子でも,先に述べた従来技術では,電荷の
注入を阻止するための手段が必ずしも充分でない場合が
あり,暗電流や焼き付き,ないしは光導電膜の局所的な
破壊に伴う画面欠陥が増加しやすい欠点があった。特
に,非晶質Se光導電膜を用いたアバランシェ増倍形撮
像素子では,例えば光導電膜の熱的な安定性や長波長光
に対する感度を高めるために添加するAsやTeを増す
と,暗電流が増加するため,必ずしも高感度,高S/N
の画像が得難いなどの課題があった。また,正孔注入阻
止層として用いられるCeO2は高融点の材料であるた
めに,蒸着薄膜を再現性良く製造することが必ずしも容
易とは云えなかった。
【0008】さらにまた,従来技術の阻止形撮像素子で
は,光導電膜への電荷の注入を阻止するための手段が光
導電膜の界面に存在するために,光導電膜の界面状態,
すなわち微小な凹凸,異物,欠陥,汚染,吸着物等が特
性に敏感に作用して,上記の不良現象を起こし易い欠点
があった。
【0009】本発明の目的は,上記欠点を抑止して,高
感度・高品位の画質を安定に,且つ容易に実現し得る撮
像素子及びその動作方法を提供することにある。
【0010】また,本発明の他の目的は,前述の欠点を
抑止した状態で,光導電膜内で電荷のアバランシェ増倍
が起り得る程の高電圧を印加して使用し得る高感度撮像
素子及びその動作方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明では,少なくとも光導電膜と,この光導電膜
の光入射側界面に設けられた導電性薄膜から成る透光性
電極と,入射光により生成された信号電荷を読み取るた
めの手段を有する撮像素子において,上記の光導電膜
を,注入形接触を成す電荷注入層と,この電荷注入層か
ら注入される電荷を捕獲するための電荷捕獲層と,入射
光の大部分を吸収して信号電荷に変換するための光電変
換層で構成する。
【0012】また,上記目的は,上記撮像素子の光導電
膜に,光電変換層内で電荷のアバランシェ増倍が生じる
程の電界を印加して使用することにより,達成される。
【0013】
【作用】光導電形撮像素子では,一般に光導電膜に数V
から数千Vの電圧を印加して使用する。本発明では,光
導電膜と電極ないし走査手段との界面が注入形接触を成
すように構成するため,光導電膜に電圧を印加すると,
光導電膜への電荷の注入が極めて容易に起こる。しかし
ながら,光導電膜に注入された電荷は,光電変換層に到
達する以前に,光電変換層の界面に設けられた電荷捕獲
層に捕獲されて,空間電荷を形成することになる。本発
明では,電荷捕獲層として,光電変換層の静電容量
(C)と外部電源電圧(V)との積で決まる電荷量(Q
=CV)を超える程の空間電荷を形成し得るに足りる充
分な電荷捕獲能力を有する層を用いる。そのために,電
荷注入層の電界は,捕獲された空間電荷により緩和され
て低下し,光導電膜への電荷の注入が止まり平衡状態に
達する。上記平衡状態では,外部電源電圧の大部分が光
電変換層に印加されることになる。次に光電変換層に光
が入射すると,吸収量に応じた電子−正孔対が生成分離
され,その結果光電変換層の実効電界が下がることにな
る。次の走査で,光電変換層の電界が元の平衡状態にリ
セットされるまで電荷の注入が起こるので,走査時の注
入電荷量を画像信号電流として読み取れば良いことにな
る。
【0014】本発明では,以上述べたように,光導電膜
の界面を注入型接触にして,注入された電荷を光電変換
層の界面で阻止する構成にするため,従来技術の撮像素
子に見られたような光導電膜界面で起る種々の不良現象
がなくなり,低暗電流,高感度,高S/Nの良好な画像
が得られることになる。
【0015】以下,図面を用いて,本発明の作用を更に
詳しく説明する。
【0016】図1は,本発明の具体的実施形態を示す光
導電膜積層形撮像素子の1例である。図1(a)は断面
概略図,図1(b)は1画素相当の断面拡大概略図であ
る。1は光導電膜,2は導電性薄膜から成る透光性電
極,3は光導電膜内に生成された信号電荷を読み取るた
めの手段,4は信号電荷読み取り手段3を含む走査回路
基板である。11は光電変換層,12は光導電膜への正
電荷(又は負電荷)の注入を容易にするための整流性接
触をなす電荷注入層,14は光導電膜に注入される正電
荷(又は負電荷)を捕獲するための注入電荷捕獲層,1
3,ならびに15は,それぞれ12,14と逆極性の電
荷に対する電荷注入層,ならびに電荷捕獲層である。3
1は画素電極,32は画素電極を走査するためのスイッ
チング素子である。電荷捕獲層14,15は,捕獲され
た空間電荷により,電荷注入層12,13の電界が充分
に緩和される程の電荷量を捕獲し得る能力を有し,且つ
捕獲された電荷が使用条件下で容易に放出され得ない程
に深いエネルギー準位を形成し得る材料で構成する。
【0017】図1において,透光性電極2と走査回路と
の間に外部電源を接続して各画素電極を走査すると,光
導電膜1の注入型接触界面から電荷注入層12,13を
通して,電荷が光導電膜にすみやかに注入され,注入電
荷は電荷捕獲層14,15に捕獲されて空間電荷を形成
する。光導電膜1への電荷の注入,捕獲は,先に述べた
ように,電荷注入層12,13の電界が充分に緩和され
るまで起り,平衡状態では,外部電源電圧の大部分が光
電変換層11の両端に印加されることになる。この様な
状態で光電変換層11に光が入射すると,吸収された光
が電子−正孔対に変換され,これらは電荷捕獲層の空間
電荷と再結合して消滅するか,ないしはそれぞれの電極
に流れ込む。その結果,光電変換層11の電界は,各画
素毎に光量に応じて低下することになる。次の走査で,
電極に流れ込んだ電荷量と再結合で消滅した電荷量を補
うだけの電荷注入が起こり,再び電荷捕獲層14,15
に捕獲されて元の状態にリセットされる。上記動作にお
いて,走査時に注入する電荷量が各画素電極毎に時系列
的に読み取られ,画像信号として取り出されることにな
る。
【0018】図1において,電荷注入層12,13の注
入形接触が不十分である場合には,電極と電荷注入層の
間に電荷注入補助層を設けることが有効である。注入電
荷を捕獲するには,電荷捕獲層に,光電変換層と異なる
バンドギャップをもつ材料を選択して,バンドギャップ
の不連続的な障壁を利用するか,または深い局在捕獲準
位ないしは再結合センターを有する材料を使用すれば良
い。
【0019】発明者らは,光電変換層にSeを主体とす
る非晶質半導体を用いた撮像素子において,電荷注入層
ならび電荷捕獲層に後述のような材料を用いれば,暗電
流抑止作用は,光電変換層がアバランシェブレークダウ
ンを起す限界の電界域まで達し,これにより高感度の撮
像素子が実現できることを見出した。以下,光電変換層
にSeを主体とする非晶質半導体を用いた撮像素子を例
にして,電荷注入層,電荷注入補助層ならびに電荷捕獲
層について,更に詳細に述べる。
【0020】Seを主体とする非晶質半導体は,光に対
する吸収係数が大で,且つ電子より正孔の方がアバラン
シェ増倍のイオン化係数が大きいので,光電変換層の光
入射側を正電位にバイアスして用いる方が望ましい。そ
のために,光電変換層の光入射側には正孔に対する注入
層と捕獲層を,反対側には電子に対する注入層と捕獲層
を設けると良い。光入射側に設ける電荷注入層は,正孔
の注入を容易にすることが必要であるが,光電変換層と
同類のSeを主体とする非晶質半導体が使用可能であ
る。この場合,電極と電荷注入層の間に電荷注入補助層
を挿入して,正孔の注入をより容易にすることが望まし
い。電荷注入補助層としては,As,Sb,Geの少な
くとも一者とS,Se,Teの少なくとも一者からなる
物質,例えばAs2Se3,As10Se90,Sb23,G
eTeなどが使用できる。また,これらの材料を電荷注
入層として用いても良い。更に,上記電荷注入層,ない
しは電荷注入補助層に,層内で負極性の局在捕獲準位を
形成する物質,例えばMn,Cu,Mo,Inの各酸化
物,ないしはCl,Br,I,O,P,Ga,Inの各
元素のいずれかを添加すれば,電極から電荷(この場合
は正孔)を引き出す力が高まり,正孔の注入をより容易
にすることができる。更にまた,動作時に電荷注入層,
電荷注入補助層および電荷捕獲層の少なくとも一者にバ
イアス光を照射して使用すれば,電荷注入効果を更に高
めることが出来る。光電変換層の光入射側に設ける電荷
捕獲層は,正孔を捕獲して正極性の空間電荷を形成し得
る性質を有することが必要で,例えば,Seを主体と
し,Se中で正極性の深い局在準位を形成する物質を添
加した非晶質層を用いると良い。添加する物質として
は,アルカリ金属元素のLi,Na,K,アルカリ土類
金属元素のMg,Ca,Ba,ないしは金属元素のT
l,ないしはそれらの弗化物が有効である。本発明で
は,光電変換層以外の部分で吸収される光は画像信号に
寄与しないので,光入射側に設ける上述の電荷注入層,
電荷注入補助層,電荷捕獲層の厚みは必要最小限にすべ
きである。光電変換層の光入射側と反対側に設ける電荷
注入層にも,同じく光電変換層と同類のSeを主体とす
る非晶質半導体層を用いると良い。電荷注入層への電荷
(この場合電子)の注入が不十分である場合は,電極と
電荷注入層の間に,電子の注入を促進する電荷注入補助
層を設ける。電荷注入補助層として,先に述べた光入射
側の電荷捕獲層に用いた材料を使用すると,捕獲された
正孔が電極から電子を引き出す方向に作用して電子注入
がより容易になる。光電変換層の光入射側と反対側に設
ける電荷捕獲層は,電子を捕獲して負極性の空間電荷を
形成し得る性質を有することが必要で,例えば,As,
Sb,Geの少なくとも一者とS,Se,Teの少なく
とも一者からなる物質,具体的には,As23,Sb2
3,GeTeなどのが有効である。またこれらの物質
から成る電荷捕獲層に,負極性の局在捕獲準位を形成す
る物質,例えばMn,Cu,Mo,Inの各酸化物,な
いしはCl,Br,I,O,P,Ga,Inの各元素の
いずれかを添加すると,電荷捕獲層としてより効果的で
ある。
【0021】Se系非晶質半導体を用いた従来技術の阻
止型撮像素子では,非晶質半導体の熱的安定性を高める
ために,例えばAsを添加したり,また長波長光に対す
る感度を高めるために,例えばTeを添加したりする
と,光入射側近傍の電界が正孔注入阻止層の電荷注入阻
止能力を超えるほどに増して暗電流の増加を起こし易す
かったが,上記正孔注入阻止層の代わりに本発明の電荷
注入層と電荷捕獲層を用いれば,暗電流を抑止した状態
で上記の目的を達成することができる。また従来技術の
撮像素子では,暗電流が正孔注入阻止層の界面状態,例
えば微小異物,汚染,吸着物等に敏感に左右される傾向
にあったが,本発明ではこの様な欠点が生じにくい。更
にまた,本発明の撮像素子では,動作時電荷注入層にか
かる電圧が小さいため,撮像素子の特性は電荷注入層の
膜厚ムラに影響され難い特徴がある。この様な特徴は,
例えば,図1に示すような表面が凹凸の走査回路基板上
に光導電膜を設ける撮像素子に対して特に有効である。
この場合,電荷注入層13を形成した後に,その表面
を,例えばエッチング法,研磨法ないしはアニーリング
法等により平坦化するか,または基板を加熱した状態で
電荷注入層を形成することにより表面を平坦にして,即
ち基板の凹凸を電荷注入層で吸収した後に,図1に示す
電荷捕獲層15を形成すれば良い。
【0022】以上述べたように,本発明は,光電変換層
にSeを主体とする非晶質半導体を用いて,108V/
mオーダーの高電界を印加して層内で電荷をアバランシ
ェ増倍して高感度化を実現する撮像素子に好適である。
光導電膜の各層の厚みは,およそ0.01〜50μmオ
ーダーの範囲で,撮像素子のそれぞれの目的に応じて決
めれば良い。
【0023】以上,Seを主体とする非晶質半導体を用
いた撮像素子を例にとって,本発明の作用,効果を詳細
に述べたが,本発明は,上記に限られるものではなく,
光電変換層に,例えば水素化アモルファスシリコン,P
bO,II−VI元素から成る光導電材料等を用いることも
でき,それぞれの材料に応じた電荷注入層ならびに電荷
捕獲層を設けることで達成できる。 また,図1には,
本発明の代表的な例として,光導電膜の両側に電荷注入
層と電荷捕獲層を設ける場合の構成を示したが,いずれ
か一方の側にのみ,必要に応じて本発明を適用し,他方
は従来技術による電荷注入阻止層を用いる構成にするこ
ともできる。また光導電膜から画像信号を読み出す手段
は,図1に示す構成の走査回路に限られるものではな
く,通常の手段,例えば走査電子ビームを用いる撮像管
方式,フィールドエミッターアレイを用いる撮像方式,
CCDやTFTを用いる走査回路方式等で構成すること
が出来ることは云うまでもない。
【0024】更にまた,基板として例えば,X線に対す
る透過率の高いBe,BN,Ti等の薄板を用いれば,
高感度のX線用撮像素子が得られ,また光入射側の電極
に電子線の透過率が高いAl蒸着薄膜等を用いれば,電
子線直接変換形の高感度撮像素子が実現できることは云
うまでもない。
【0025】
【実施例】
実施例1 図2を用いて,本発明の実施例1を説明する。図2は,
本発明の撮像素子の実施例を示す図で,図2(a)は画
像信号を読み取る手段に走査電子ビームを用いる光導電
形撮像管の断面概略図,図2(b)は撮像管ターゲット
部の断面拡大概略図である。21は光導電膜,22は透
光性導電膜から成るターゲット電極,23はガラス面
板,24は撮像管の外管,25はメッシュ電極,26は
ガラス面板23を外管24に真空封着するためのインジ
ュウムリング,27は金属リング,28は走査電子ビー
ム,29は走査電子ビームを発射するためのカソードで
ある。また211は光電変換層,218は正孔注入阻止
層,213,ならびに215は電子に対する電荷注入
層,ならびに電荷捕獲層,217は走査電子ビームのラ
ンディングをスムーズにして電子の注入を容易にするた
めの電荷注入補助層である。 2/3吋サイズのガラス
面板23上に,活性蒸着法により酸素ガス雰囲気中で酸
化インジュウムを主体とする透光性のターゲット電極2
2を形成する。次にその上に真空蒸着法により,酸化セ
リュウムから成るφ15mm,膜厚10〜30nmの正
孔注入阻止層218を形成し,更にその上に真空蒸着法
により,Seを主体とする非晶質半導体から成るφ15
mm,膜厚1〜30μmの光電変換層211を形成す
る。次にその上に真空蒸着法により,三硫化アンチモン
から成るφ15mm,膜厚0.01〜1μmの電荷捕獲
層215,ならびに非晶質Seから成るφ15mm,膜
厚1〜5μmの電荷注入層213を形成する。その上に
圧力0.5Torrのアルゴンガス雰囲気中で非晶質S
eから成るφ15mm,膜厚0.2μmの多孔質性電荷
注入補助層217を形成し,撮像管ターゲット部を得
る。これを撮像管の外管24にインジュウムリング26
を介して圧着し,内部を真空封止して光導電形撮像管を
得る。
【0026】以上により得られた撮像管のターゲット電
極に外部電源を接続して動作させたところ,暗電流が低
く,光導電膜がアバランシェブレークダウンに至る電界
領域まで使用可能な高感度撮像管が得られた。
【0027】図3は,光電変換層,電荷捕獲層,ならび
に電荷注入層の膜厚をそれぞれ2μm,0.05μm,
2μmとした撮像管の電流−電圧特性を示す図である
(実線)。比較例として,光導電膜に膜厚2μmのSe
系非晶質半導体を用いた従来技術による撮像管の電圧電
流特性を破線で示す。本実施例の光導電膜の方が2.2
μm以上厚いにもかかわらず,本実施例と従来技術の両
者はほぼ同じ光電流特性を示している。このことから,
本実施例では,外部電源電圧の殆ど大部分が光電変換層
211に印加され,電荷注入層213には殆ど電圧がか
かっていないと思われ,本実施例ひいては本発明では,
光導電膜表面の凹凸や付着した異物による画面欠陥の発
生が大幅に抑止されることが判る。また,図3から明ら
かなように,両者の暗電流もほぼ一致しており,本実施
例が撮像管の基本特性を満足していることが分かる。な
お,光導電膜のそれぞれの厚みを種々に変更して製造し
た撮像管においても,ほぼ同様な電流−電圧特性が得ら
れた。
【0028】実施例2 図4を用いて,本発明の実施例2を説明する。図4は,
本発明の撮像素子の実施例を示す図で,画像信号を読み
取る手段に走査電子ビームを用いる光導電形撮像管のタ
ーゲット部の断面拡大概略図である。42はX線を透過
し易いBe金属薄板から成るターゲット電極,兼面板で
ある。また411は光電変換層,412,414ならび
に416は正孔に対する電荷注入層,電荷捕獲層ならび
に電荷注入補助層,419は走査電子ビームの注入を阻
止するための電子注入阻止層である。
【0029】1吋サイズのBe面板42上に,真空蒸着
法により,三セレン化砒素から成るφ21mm,膜厚
0.01〜0.5nmの電荷注入補助層416を形成
し,次に面板 42を55℃に加熱保持した状態で,Asを5%含有す
る非晶質Seから成るφ21mm,膜厚0.5〜3μm
の表面が平坦な電荷注入層412を真空蒸着法により形
成する。次に面板を常温に戻した後,その上に真空蒸着
法により,CaF2 を0.05〜0.5%含有する非晶
質Seから成るφ21mm,膜厚0.05〜1μmの電
荷捕獲層414を形成し,更にその上にSeを主体とす
る非晶質半導体から成るφ21mm,膜厚10〜50μ
mの光電変換層411を形成する。その上に圧力0.3
Torrのアルゴンガス雰囲気中で三硫化アンチモンを
蒸着し,φ21mm,膜厚0.1μmの多孔質性薄膜か
ら成る電子注入阻止層419を形成し,X線用撮像管タ
ーゲットを得る。これを実施例1と同様に撮像管の外管
にインジュウムリングを介して圧着し,内部を真空封止
してX線直接変換形撮像管を得る。
【0030】以上により得られた撮像管のターゲット電
極に外部電源を接続して動作させたところ,面板として
表面が凸凹のBe金属薄板42を使用したにも係らず,
画面欠陥レスで,また暗電流も低く,光電変換層がアバ
ランシェブレークダウンに至る電界領域まで使用可能な
X線用の高感度撮像管が得られた。
【0031】実施例3 図5を用いて,本発明の実施例3を説明する。図5は,
本発明のX線用撮像素子の実施例を示す図で,図5
(a)は画像信号を読み取る手段にTFT走査回路基板
を用いるX線用撮像素子の断面概略図,図5(b)は撮
像素子一画素相当の断面拡大概略図である。51は光導
電膜,52は導電膜から成る電極,53はTFT走査回
路,54はガラス基板,55は電子線を可視光に変換す
るための蛍光体である。また,511は光電変換層,5
12,516,ならびに514は正孔に対する電荷注入
層,電荷注入補助層,ならびに電荷捕獲層,513,な
らびに515は電子に対する電荷注入層,ならびに電荷
捕獲層,531は導電性薄膜からなる透光性画素電極,
532は画素電極531を走査するためのTFTスイッ
チである。
【0032】18×24cm2のガラス基板54の片面
にTbを添加したGd2O2Sから成る膜厚 10〜1000μmのX線を可視光に変換するための蛍
光体55を堆積する。ガラス基板54のもう一方の面
に,Alから成るソース電極,ドレイン電極およびゲー
ト電極,SiNから成る絶縁膜,a−Si:Hから成る
チャネル層を組み合わせたTFTスイッチ531を真空
蒸着法,スパッタリング法,高周波プラズマCVD法に
よる薄膜堆積手法とフォトリソグラフィー法を組み合わ
せた既知の手法により形成する。その上に膜厚10〜5
00nmの酸化インジュウムをスパッタリング法によっ
て堆積し,フォトリソグラフィー法によって画素毎に分
離して透光性画素電極531を形成する。その上に,沃
素を0.01%含有する三セレン化砒素から成る膜厚
0.01〜0.5nmの電荷注入補助層516を真空蒸
着法により形成し,次にガラス基板54を55℃に加熱
保持した状態で,Asを5%含有する非晶質Seから成
る膜厚0.5〜3μmの表面が平坦な電荷注入層512
を真空蒸着法により形成する。次に面板を常温に戻した
後,その上に真空蒸着法により,LiFを0.05〜
0.5%含有する非晶質Seから成る膜厚0.05〜1
μmの電荷捕獲層514を形成し,更にその上にSeを
主体とする非晶質半導体から成る膜厚10〜50μmの
光電変換層511を形成する。その上にAs2Se3から
成る膜厚0.05〜1μmの電荷捕獲層515,非晶質
Seから成る膜厚0.05〜1μmの電荷注入層51
3,Alから成る膜厚0.01〜0.5μmの電極52
を真空蒸着法により順次堆積してX線用積層型撮像素子
を得る。
【0033】以上により得られた撮像素子は電極に外部
電源を接続して動作させたところ,ガラス基板54上の
表面がTFT走査回路54による凸凹があるにも係ら
ず,画面欠陥が無く,また暗電流も低く,光電変換層が
アバランシェブレークダウンに至る電界領域まで使用可
能なX線用高感度撮像素子が得られた。
【0034】本実施例では,X線を可視光に変換するた
めの蛍光体55としてTbを添加したGd2O2Sを用い
たが,CaWO4,Agを添加したZnS,Tlを添加
したCsI,Tbを添加したLa2O2S,Tbを添加し
たY2O2S,Tbを添加したLaOBr,Tmを添加し
たLaOBr等の入射X線を吸収し光電変換層516が
感度を有する光を発する蛍光体材料がいずれも使用可能
である。また,X線を可視光に変換する蛍光体材料の代
わりに電子線用の蛍光体材料や紫外線用の蛍光体材料を
用いれば電子線用撮像素子もしくは紫外線用撮像素子を
得ることができる。
【0035】実施例4 図6を用いて,本発明の実施例4を説明する。図6は,
本発明による撮像素子の実施例を示す図で,画像信号を
読み取る手段に走査電子ビームを用いる光導電形撮像管
のターゲット部の断面拡大概略図である。61は光導電
膜,62は透光性導電膜から成るターゲット電極,63
はガラス面板である。また611は光電変換層,61
2,614ならびに616は正孔に対する電荷注入層,
電荷捕獲層ならびに電荷注入補助層,619は走査電子
ビームの注入を阻止するための電子注入阻止層である。
【0036】1吋サイズのガラス面板63上に,活性蒸
着法により酸素ガス雰囲気中で酸化インジュウムを主体
とする透光性のターゲット電極62を形成する。次に,
真空蒸着法により,三セレン化砒素から成るφ21m
m,膜厚0.01〜0.5nmの電荷注入補助層616
を形成し,さらに,面板63を55℃に加熱保持した状
態で,Asを1〜20%含有する非晶質Seから成るφ
21mm,膜厚0.5〜3μmの表面が平坦な電荷注入
層612を真空蒸着法により形成する。次に面板を常温
に戻した後,その上に真空蒸着法により,LiF2
0.05〜10%含有する非晶質Seから成るφ21m
m,膜厚0.05〜1μmの電荷捕獲層614を形成
し,更にその上にSeを主体とする非晶質半導体から成
るφ21mm,膜厚10〜50μmの光電変換層611
を形成する。その上に圧力0.3Torrのアルゴンガ
ス雰囲気中で三硫化アンチモンを蒸着し,φ21mm,
膜厚0.1μmの多孔質性薄膜から成る電子注入阻止層
619を形成し,撮像管ターゲットを得る。これを実施
例1と同様に撮像管の外管にインジュウムリングを介し
て圧着し,内部を真空封止して赤色用光導電形撮像管を
得る。
【0037】以上のようにして得られた撮像管を,図7
に示すがごとく赤色の入射光に加えて青色のバイアス光
をプリズム等を用いて照射して動作させる。すると,バ
イアス光が電荷注入補助層および電荷注入層で吸収さ
れ,電荷を生じ,発生した電荷が電荷捕獲層で捕獲され
て空間電荷を形成するので電荷注入効率を高めることが
できる。本動作方法は,高輝度光の入射時等の電極から
の注入だけでは電荷捕獲層に充分な効率で空間電荷の形
成が行えない場合に特に有効であり,残像特性を改善す
る。
【0038】なお,本実施例ではバイアス光は電荷注入
補助層および電荷注入層で吸収される場合を示したが,
電荷注入補助層,電荷注入層および電荷捕獲層の少なく
とも一者で吸収され,電荷を発生し,電荷捕獲層で捕獲
できれば効果が得られる。また,本実施例ではバイアス
光として赤色光を用いたが,電荷注入補助層,電荷注入
層ないしは電荷捕獲層で吸収される波長の光であればよ
いことは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば画面欠陥の発生や暗電流
の増加を抑止した高感度・高品位の画質を有する撮像素
子を安定かつ容易に実現し得る。特に,光導電膜内で電
荷のアバランシェ増倍が起こり得るほどの高電圧を印加
して使用する高感度撮像素子を画面欠陥の発生や暗電流
の増加を抑止した状態で安定かつ容易に提供し得る。
【0040】本発明の撮像素子をカラーカメラや画像解
析システム等に用いれば高感度,高画質の撮像装置なら
びにシステムが安定かつ容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の具体的実施形態を示す光
導電膜積層型撮像素子の断面概略図、図1(b)は本発
明の具体的実施形態を示す光導電膜積層型撮像素子の一
画素相当の断面拡大概略図である。
【図2】図2(a)は本発明の実施例1による光導電形
撮像管の断面概略図、図2(b)は本発明の実施例1に
よる光導電形撮像管ターゲット部の断面拡大概略図であ
る。
【図3】本発明の実施例1による光導電形撮像管および
従来形撮像管の電流−電圧特性を示す図である。
【図4】本発明の実施例2によるX線用光導電形撮像管
ターゲット部の断面拡大概略図である。
【図5】図5(a)は本発明の実施例3によるX線用撮
像素子の断面概略図、図5(b)は本発明の実施例3に
よるX線用撮像素子一画素相当の断面拡大概略図であ
る。
【図6】本発明の実施例4による赤色用光導電形撮像管
ターゲット部の断面拡大概略図である。
【図7】本発明の実施例4によるバイアス光照射方法の
概略図である。
【符号の説明】
1,21,51,61・・・光導電膜,2,62・・・
透光性電極,3・・・信号電荷読み取り手段,4・・・
走査回路基板,22・・・ターゲット電極,42・・・
ターゲット電極兼面板,52・・・電極,23,63・
・・ガラス面板,24・・・撮像管の外管,25・・・
メッシュ電極,26・・・インジュウムリング,27・
・・金属リング,28・・・走査電子ビ−ム,29・・
・カソード,53・・・TFT走査回路,54・・・ガ
ラス基板,55・・・蛍光体,11,211,411,
511・・・光電変換層,12,412,512,61
2・・・正孔に対する電荷注入層,13,213,51
3・・・電子に対する電荷注入層,14,414,51
4,614・・・正孔に対する電荷捕獲層,15,21
5,515・・・電子に対する電荷捕獲層,416,5
16,616・・・正孔に対する電荷注入補助層,21
7・・・電子に対する電荷注入補助層 ,218・・・
正孔注入阻止層,419,619・・・電子注入阻止
層,31,531・・・画素電極,32・・・スイッチ
ング素子,532・・・TFTスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 四郎 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 瀧口 吉郎 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 山崎 順一 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 谷岡 健吉 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 大島 徹也 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鮫島 賢二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 牧島 達男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 辻 和隆 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平井 忠明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも,光導電膜と,該光導電膜の光
    入射側界面に設けられた導電性薄膜から成る透光性電極
    と,入射光により生成された信号電荷を読み取るための
    手段を有する撮像素子において,該光導電膜が,少なく
    とも一方の界面に注入形接触を成す電荷注入層を有し,
    且つ該電荷注入層から注入される電荷を捕獲して空間電
    荷を形成するための電荷捕獲層と入射光の大部分を吸収
    して信号電荷に変換するための光電変換層を有すること
    を特徴とする撮像素子。
  2. 【請求項2】前記電荷注入層の注入型接触界面に,電荷
    の注入を補助するための電荷注入補助層を設けることを
    特徴とする請求項1記載の撮像素子。
  3. 【請求項3】前記光導電膜が,片面にのみ前記電荷注入
    層を有し,他方の面には電荷注入阻止層を有することを
    特徴とする請求項1又は2記載の撮像素子。
  4. 【請求項4】前記光電変換層が非晶質半導体層を含むこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    撮像素子。
  5. 【請求項5】前記非晶質半導体層がSeを主体とする非
    晶質材料から成ることを特徴とする請求項4記載の撮像
    素子。
  6. 【請求項6】前記光電変換層の光入射側に設けられた前
    記電荷捕獲層が,正孔を捕獲して正極性の空間電荷を形
    成する層から成ることを特徴とする請求項5記載の撮像
    素子。
  7. 【請求項7】前記正極性の空間電荷を形成する電荷捕獲
    層が,Seを主体し,且つSe中で正孔に対する局在捕
    獲準位を形成する物質を含有する非晶質層から成ること
    を特徴とする請求項6記載の撮像素子。
  8. 【請求項8】前記光導電膜の光入射側に設けられた前記
    電荷注入補助層または前記電荷注入層が,Seを主体と
    する非晶質層から成ることを特徴とする請求項5乃至7
    のいずれか一項に記載の撮像素子。
  9. 【請求項9】前記光導電膜の光入射側に設けられた前記
    電荷注入補助層または前記電荷注入層が,As,Sb,
    Geの少なくとも一者とS,Se,Teの少なくとも1
    者から成ることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか
    一項に記載の撮像素子。
  10. 【請求項10】前記光導電膜の光入射側に設けられた前
    記電荷注入補助層または前記電荷注入層が,電子に対す
    る局在捕獲準位を形成する物質を含有することを特徴と
    する請求項8又は9記載の撮像素子。
  11. 【請求項11】前記光導電膜の光入射側と反対側に設け
    られた前記電荷捕獲層が,電子を捕獲して負極性の空間
    電荷を形成する層から成ることを特徴とする請求項5乃
    至10のいずれか一項に記載の撮像素子。
  12. 【請求項12】前記負極性の空間電荷を形成する電荷捕
    獲層が,電子に対する局在捕獲準位を有する層から成る
    ことを特徴とする請求項11記載の撮像素子。
  13. 【請求項13】前記電子を捕獲する電荷捕獲層が,Se
    を主体し,且つSe中で電子に対する局在捕獲準位を形
    成する物質を含有する非晶質半導体層を含むことを特徴
    とする請求項12記載の撮像素子。
  14. 【請求項14】前記負極性の空間電荷を形成する電荷捕
    獲層が,As,Sb,Geの少なくとも一者とS,S
    e,Teの少なくとも1者から成ることを特徴とする請
    求項11記載の撮像素子。
  15. 【請求項15】前記負極性の空間電荷を形成する電荷捕
    獲層が,As,Sb,Geの少なくとも一者とS,S
    e,Teの少なくとも1者から成り,且つ電子に対する
    局在捕獲準位を形成する物質を含有することを特徴とす
    る請求項11記載の撮像素子。
  16. 【請求項16】前記光導電膜の光入射側と反対側に設け
    られた前記電荷注入補助層または前記電荷注入層が,S
    eを主体とする非晶質層を含むことを特徴とする請求項
    5乃至15のいずれか一項に記載の撮像素子。
  17. 【請求項17】前記光導電膜の光入射側と反対側に設け
    られた前記電荷注入補助層または前記電荷注入層が,正
    孔に対する局在捕獲準位を有する層を含むことを特徴と
    する請求項5乃至15のいずれか一項に記載の撮像素
    子。
  18. 【請求項18】前記光導電膜の光入射側と反対側に設け
    られた前記電荷注入補助層または前記電荷注入層が,S
    eを主体とする非晶質層を含み,且つ該非晶質層内で正
    孔に対する局在捕獲準位を形成する物質を含有すること
    を特徴とする請求項5乃至15のいずれか一項に記載の
    撮像素子。
  19. 【請求項19】前記正孔に対する局在捕獲準位を形成す
    る物質が,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba,Tlの
    各元素,ならびにそれらの弗化物から成る群の中から選
    ばれた少なくとも1者から成ること特徴とする請求項7
    乃至18のいずれか一項に記載の撮像素子。
  20. 【請求項20】前記電子に対する局在捕獲準位を形成す
    る物質が,Mn,Cu,Mo,Inの各酸化物,ならび
    にCl,Br,I,O,P,Ga,Inから成る群の中
    から選ばれた少なくとも1者から成ること特徴とする請
    求項10,13および15のいずれか一項に記載の撮像
    素子。
  21. 【請求項21】信号電荷を読み取るための手段を,前記
    光導電膜の光入射側に設け,且つ前記光導電膜の光入射
    側と反対側に導電性薄膜から成る対向電極を設けること
    を特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の
    撮像素子。
  22. 【請求項22】信号電荷を読み取るための手段を,前記
    光導電膜の光入射側と反対側に設けることを特徴とする
    請求項1乃至20のいずれか一項に記載の撮像素子。
  23. 【請求項23】前記信号電荷を読み取るための手段が,
    互いに独立した複数個の電極とそれぞれの電極に接続さ
    れたスイッチ回路を含むことを特徴とする請求項21又
    は22記載の撮像素子。
  24. 【請求項24】前記信号電荷を読み取るための手段が,
    収束偏向された走査電子ビームを含むことを特徴とする
    請求項22記載の撮像素子。
  25. 【請求項25】請求項1に記載の撮像素子を用い,前記
    電荷注入層および前記電荷捕獲層の少なくとも一者にバ
    イアス光を照射することを特徴とする撮像素子の動作方
    法。
  26. 【請求項26】請求項2乃至24のいずれか一項に記載
    の撮像素子を用い,前記電荷注入補助層,前記電荷注入
    層および前記電荷捕獲層の少なくとも一者にバイアス光
    を照射することを特徴とする撮像素子の動作方法。
  27. 【請求項27】請求項1乃至24のいずれか一項に記載
    の撮像素子を用い,或いは請求項25記載の撮像素子の
    動作方法において,前記光電変換層に内部で電荷のアバ
    ランシェ増倍が生じる程の電界を印加することを特徴と
    する撮像素子の動作方法。
  28. 【請求項28】請求項5乃至24のいずれか一項に記載
    の撮像素子を用い,或いは請求項25乃至27のいずれ
    か一項に記載の撮像素子の動作方法において,前記光電
    変換層のSeを主体とする非晶質半導体層に,7×10
    7V/m以上の電界を印加して,光電変換層内で電荷の
    アバランシェ増倍を生じさせることを特徴とする撮像素
    子の動作方法。
  29. 【請求項29】請求項1乃至24のいずれか一項に記載
    の撮像素子,或いは請求項25乃至28のいずれか一項
    に記載の撮像素子の動作方法を有することを特徴とする
    撮像装置。
  30. 【請求項30】請求項29項記載の撮像装置を有するこ
    とを特徴とする画像解析システム。
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