JPH0935828A - フレキシブル基板用電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレキシブル基板を不用意に扱ってもコネク
タから抜けることのないフレキシブル基板用電気コネク
タを提供することを目的とする。 【構成】 上方に開口せるハウジング１の該開口部に弾
性接触部４Ａが配列された複数の接触子３を有し、ハウ
ジング１が上記開口部に臨む位置に回動支持部を備え、
上記接触子に近接した所定位置と該所定位置から離反し
た開放位置との間を蓋状の加圧部材７が上記回動支持部
により回動自在に支持され、該加圧部材７は上記所定位
置まで回動した際に上記接触子３上に配されたフレキシ
ブル基板Ｆを接触子３に対して圧する加圧部８を有して
いるものにおいて、上記ハウジング１の開口部には、上
記接触子３の配列方向における少なくとも該開口部の両
端部に、フレキシブル基板Ｆの上面に近接もしくは接面
するように位置する抑止翼１３を備えた抑え金具１２が
上記ハウジングに取りつけられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本考案はフレキシブル基板用
電気コネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】フレキシブル基板の接続には、いわゆ
る、無挿抜力コネクタが広く用いられている。この種の
コネクタとしては、例えば実開平６−７７１８６に開示
されているものがある。この公知のコネクタは、添付図
面の図５及び図６に示されているように、上方に開口せ
るハウジング５１の該開口部に弾性接触部５２が配列さ
れた複数の接触子５３を有し、ハウジング５１もしくは
該ハウジングに保持された部材が上記開口部に臨む位置
に回動支持部５４を備え、上記接触子に近接した所定位
置Ａと該所定位置から離反した開放位置Ｂとの間を蓋状
の加圧部材５５が回動自在に上記回動支持部により支持
され、該加圧部材５５は上記所定位置に向け回動した際
に上記接触子５３上に配されたフレキシブル基板Ｆを該
接触子５３に対して圧する加圧突部５５Ａを有してい
る。

【０００３】かかる公知のコネクタにあっては、フレキ
シブル基板Ｆは、上面に設けられた補強部Ｆ１にほぼ対
応する部分で下面の被覆Ｆ２が剥離され、芯線部Ｆ３が
露呈しており、上記加圧部材５５を所定位置Ａまで回動
させることにより、補強部Ｆ１を介して上記芯線部Ｆ３
が上記接触子５３の弾性接触部５２に圧せられて電気的
に接続される。

【０００４】通常、この種のコネクタにあっては上記加
圧部材５５の加圧突部５５Ａは、一旦所定位置Ａまで回
動したときには、若干の外力によっては開放位置Ｂ側に
は回動せず、上記所定位置Ａを維持するような形状とな
っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記フレキシブル基板
をコネクタから抜出するときには、上記加圧部材に所定
の大きさ以上の回動力を開放位置Ｂの方に向けて作用せ
しめ、上記フレキシブル基板Ｆの抜出を可能とする。

【０００６】しかしながら、フレキシブル基板Ｆを所定
位置Ａで接触子５３に加圧している加圧力は然程大きな
ものでないので、上記加圧部材を意図して開放位置Ｂの
方向に回動せしめる外力を加えない場合でも、作業者が
不用意にもフレキシブル基板を上方に引き上げるような
取り扱いをすることがあると、上記加圧部材は開放位置
Ｂの方向に回動し、フレキシブル基板が抜けてしまう虞
れがあった。

【０００７】本発明はかかる従来のコネクタの有してい
た問題を解決し、フレキシブル基板が不用意な外力を受
けても容易には加圧部材の加圧力に影響を与えず、コネ
クタから抜けることがないというフレキシブル基板用電
気コネクタを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明におけるハウジン
グは絶縁材料により成形され上方に開口せる開口部を有
している。該ハウジングには複数の接触子が植設されて
おり、それらの弾性接触部が一線をなして開口部に臨む
ように配列されている。ハウジングには上記開口部に蓋
状の加圧部材が設けられている。上記ハウジングの開口
部に臨む位置には回動支持部が設けられ、該回動支持部
に支持されて上記加圧部材が回動自在に支持されてい
る。該加圧部材は接触子に近接した所定位置と、該所定
位置から離反した開放位置との間を作業者の操作により
回動可能となっている。加圧部材は加圧部を有しており
上記所定位置まで回動したときには、フレキシブル基板
を接触子の接触部に圧し、該フレキシブル基板の被覆が
剥離されて露呈している芯線部と上記接触部とを電気的
に接続せしめるようになっている。

【０００９】本発明では上記ハウジングの開口部には、
上記接触子の配列方向における該開口部の両端部に、フ
レキシブル基板の上面に近接もしくは接面するように位
置する抑止翼を備えた抑え金具が上記ハウジングに取り
つけられている。上記両端部における抑止翼は互いに一
体をなすように連続形成されていてもよい。

【００１０】かかる抑え金具の抑止翼は、フレキシブル
基板のコネクタに対する挿入・抜出には何ら影響をもた
らさず、所定位置にある加圧部材により接触子に加圧さ
れているときに、フレキシブル基板のみが不用意な外力
により上方にもち上げられても、該フレキシブル基板は
少なくとも幅方向の両端部で抑えられるために、フレキ
シブル基板に作用した外力が加圧部材に伝達されず、該
加圧部材が開放位置に回動してフレキシブル基板が抜け
てしまうということはない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面にもとづき本発明
の実施の形態を説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施形態のフレキシブル
基板用電気コネクタの斜視図、図２は図１のコネクタの
抑え金具を分離したときの斜視図、そして図３は図１の
長手方向中央部における断面図である。

【００１３】図において、符号１は、絶縁材料から成る
ハウジングであり、右半分が上方に向け開口している。
該ハウジング１は図１及び図２に見られるように、その
長手方向にて上記開口部の両端位置に上方に延出するフ
ランジ状の保持部２を有しており、該保持部２の奥側の
内面に軸支部（図示せず）が対向して設けられている。
また、上記ハウジング１は、両端の保持部２，２間に上
記長手方向の複数位置に等ピッチで接触子３を収容保持
する保持溝１Ａが形成されている。

【００１４】上記各接触子３は板状金属材を打ち抜いて
作られており、図３にも見られるように、Ｕ字状をなす
接触フィンガー部４と、腕状部の先端に設けられた略円
形をなす回動支持部５と、両部４，５を一体に連結する
連結部６とから成っている。なお、連結部６からハウジ
ング１の外方に下向きを突出している部分６Ａは、当該
コネクタを回路基板（図示せず）上に配したときに、該
回路基板上に形成されている対応接続回路部と当接する
ための結線部である。上記接触フィンガー部４の先端に
は突起状に接触部４Ａが形成され上記回動支持部５と対
向して位置している。該回動支持部５の中心５Ａと上記
ハウジング１の図示しない上記軸支部の中心とは同一直
線上に位置している。

【００１５】上記ハウジング１の開口部には、回動自在
に蓋状の加圧部材７が設けられている。該加圧部材７
は、上述のごとく、その長手方向の両端部にて上記ハウ
ジングの軸支部により回動自在に支持されている。ま
た、上記加圧部材７の加圧部８の一方の面には、該加圧
部材７がハウジング１により回動自在に支持された際、
一連の接触子３の回動支持部５と係合する円弧部を有す
る回動溝部９が形成されている。したがって、上記一連
の板状の接触子３が上記保持溝１Ａに挿入されると、回
動支持部５は、櫛歯状に配列されて軸状をなし、ここで
も上記加圧部材７は回動溝部９で回動支持される。その
結果、回動力は金属製の上記回動支持部５により支持さ
れその強度はきわめて高くなる。

【００１６】上記加圧部材７は上記回動溝部９の他方の
面（背部）に、加圧突部１０が形成されており、該加圧
部材７が所定位置に向け下方に回動した際に、接触子３
の接触フィンガー部４上に配されたフレキシブル基板Ｆ
を加圧するように上記加圧突部１０の寸法及び形状が定
められている。

【００１７】上記ハウジング１の開口部には、複数の接
触子３の配列方向の両端部、本例では保持部２に隣接し
て、図２に示すごとく前面から見て逆Ｌ字状の溝部１１
が形成され、ここに抑え金具１２が圧入されるようにな
っている。該抑え金具１２は上記複数の接触子３の配列
方向に延出する抑止翼１３を有している。該抑止翼１３
は、抑え金具１２が上記溝部１１に圧入された際に、フ
レキシブル基板の幅方向両端部の上面に近接もしくは接
面するような位置に設けられている。該抑え金具１２の
挿入部１４の内側にはエンボス加工されたダボ１４Ａが
形成されていて、上記溝部１１に形成された副溝部１１
Ａに案内されつつ圧入される。又、上記挿入部１４の下
部にはＬ字状に外方に延出する固定部１４Ｂが設けら
れ、コネクタが回路基板（図示せず）上に配されたとき
に、対応部分と半田等により固定される。

【００１８】かかる本例の電気コネクタは次の要領で使
用される。

【００１９】先ず、図２に示す抑え金具１２をハウジ
ングの溝部１１へ所定深さまで圧入する。該位置はダボ
１４Ａにより保持される。

【００２０】次に、フレキシブル基板Ｆについて、補
強部Ｆ１に対応する下側の被覆Ｆ２を剥離し、芯線部Ｆ
３を露呈せしめる。

【００２１】しかる後、図３に示すごとく、加圧部材
７を上方の開放位置にもたらし、接触子３の右上方部を
大きく開放し、ここからフレキシブル基板Ｆをその芯線
部Ｆ３が下面となるようにして、上記抑え金具１２の抑
止翼１３の下を通すようにして該フレキシブル基板Ｆの
先端部を上記加圧部材７と接触子３の接触部４Ａとの間
に挿入する。

【００２２】次に、図４に示すごとく上記加圧部材７
を下方に回動する。その際、該加圧部材７の加圧突部１
０がフレキシブル基板Ｆに当接するようになり、該フレ
キシブル基板Ｆの上記芯線部Ｆ３を接触子３の接触部４
Ａに圧する。

【００２３】かくして、フレキシブル基板Ｆはコネク
タの接触子３を介して回路基板の回路部としっかりと接
続される。

【００２４】その後、作業者等が不用意にフレキシブ
ル基板Ｆを上方にもち上げる取扱いをしても、該フレキ
シブル基板は抑え金具１２の抑止翼１３に当接してそれ
以上の上方移動が抑制され、加圧部材７には力を及ぼさ
ず、加圧突部１０での加圧は正常の状態に維持される。
又、挿入部１４の下部には、Ｌ字状に外方に延出する固
定部が設けられ、半田等により固定されるため、上方移
動を抑制する能力はさらに向上する。

【００２５】本発明は、図１において抑え金具をハウジ
ングの開口部の両端部に別個に設けたが、抑止翼を更に
長くしても良いし、図１における両側の抑止翼１３を連
続するように一体形成しても良いことは勿論であり、そ
の方がフレキシブル基板を抑制する能力はさらに向上す
る。

【００２６】

【発明の効果】本発明は以上のごとく、フレキシブル基
板用電気コネクタのハウジングにフレキシブル基板の少
なくとも幅方向両端部の上方移動を抑制するための抑止
翼を設けることとしたので、不用意にフレキシブル基板
を上方にもち上げる取扱いをしても、加圧部材が開放位
置の方向に回動してフレキシブル基板が抜けてしまうと
いう事態を回避できるという効果をもたらす。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すフレキシブル基板用
電気コネクタの斜視図である。

【図２】図１のコネクタの抑え金具を分離した状態で示
す斜視図である。

【図３】図１のコネクタの長手方向中央部での断面図
で、加圧部材が開放位置にあるときの図である。

【図４】図３のコネクタで加圧部材が閉じた所定位置に
あるときの断面図である。

【図５】従来のフレキシブル基板用電気コネクタの斜視
図である。

【図６】図５のコネクタの長手方向中央部での断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ 接触子 ４ 弾性接触部 ７ 加圧部材 １２ 抑え金具 １３ 抑止翼

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に開口せるハウジングの該開口部に
   弾性接触部が配列された複数の接触子を有し、ハウジン
   グもしくは該ハウジングに保持された部材が上記開口部
   に臨む位置に回動支持部を備え、上記接触子に近接した
   所定位置と該所定位置から離反した開放位置との間を蓋
   状の加圧部材が上記回動支持部により回動自在に支持さ
   れ、該加圧部材は上記所定位置まで回動した際に上記接
   触子上に配されたフレキシブル基板を接触子に対して圧
   する加圧部を有しているものにおいて、上記ハウジング
   の開口部には、上記接触子の配列方向における少なくと
   も該開口部の両端部に、フレキシブル基板の上面に近接
   もしくは接面するように位置する抑止翼を備えた抑え金
   具が上記ハウジングに取りつけられていることを特徴と
   するフレキシブル基板用電気コネクタ。
2. 【請求項２】 抑止翼は接触子の配列方向の両端部の間
   にわたるように連続して形成されていることとする請求
   項１に記載のフレキシブル基板用電気コネクタ。