JPH093537A - 鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の製造方法

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JPH093537A
JPH093537A JP15181495A JP15181495A JPH093537A JP H093537 A JPH093537 A JP H093537A JP 15181495 A JP15181495 A JP 15181495A JP 15181495 A JP15181495 A JP 15181495A JP H093537 A JPH093537 A JP H093537A
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Toshiaki Suga
俊明 菅
Haruya Kawano
晴弥 川野
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高生産性、高歩留りで製造可能な鋼板内の材
質均一性に優れた加速冷却型鋼板。 【構成】 C:0.05〜0.20%、Si:0.05
〜0.60%、Mn:0.5〜1.5%を含有し、残部
Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を加熱し、鋼片
全長の内部温度(Ta)が950〜1120℃の温度範
囲内に達した時点で鋼片を抽出し、再結晶温度域で圧下
率30%以上の粗圧延を行い、その後の仕上圧延中また
は仕上圧延後の熱間矯正により鋼板先端反りを制御して
平坦に仕上げ、鋼板長さ中央部の平均ベイナイト生成量
が10〜60%となる冷却速度範囲で鋼板表面温度が6
00℃以下の温度まで水冷する、鋼板内の材質均一性に
優れた加速冷却型鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速冷却型鋼板の製造
方法に関し、さらに詳しくは、高生産性、高歩留りで製
造可能な鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】造船用あるいは建築用鋼に代表される加
速冷却型鋼板は、鋼板内で均一な材料特性を有すること
が要求されている。従来、この種の加速冷却型鋼板の製
造においては、圧延過程および圧延後の水冷過程で結晶
粒微細化による強靱化を図ることに加え、析出強化作用
や変態強化作用を利用している。しかしながら、鋼片の
加熱においては、ある程度不均一な加熱は避けられず、
加熱時のγ(オーステナイト)粒度の不均一あるいは析
出強化元素の固溶状態の不均一が、鋼板内の強度および
靱性の不均一をもたらしている。また、鋼片加熱時の偏
熱が圧延時の鋼板温度偏差として残存し、圧延温度域お
よび冷却条件にばらつきを生じさせ、このことも鋼板内
材質不均一の大きな要因の一つと考えられる。
【0003】すなわち、鋼片は加熱炉内で、その端部か
ら加熱されるため、端部の温度が中央部よりも高くな
り、端部は中央部に比べ、加熱時のγ粒が粗くなるとと
もに、Nb添加鋼では、固溶Nb量も多くなる。これを圧延
・加速冷却し得られる鋼板は、その端部の強度が中央部
に比べ高くなりすぎる結果として、端部の延性および靱
性が劣化するか、あるいは、逆に中央部の強度が目標値
に満たないこととなる。
【0004】一方、薄物の制御圧延(CR)材では、圧
延仕上げ時の鋼板全長の温度分布は先後端部が中央部に
比べ低くなるため、先後端部の強度は中央部に比べかな
り高くなる場合がある。
【0005】このような加速冷却型鋼板の製造方法にお
ける上記問題点を解決するために、従来は、圧延鋼板の
先後端部の材質不均一な部分を切り捨てたり、あるいは
鋼片加熱時、在炉時間の延長による加熱温度偏差の軽減
等の対策が実施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
圧延鋼板の先後端部の材質不均一な部分を切り捨てる方
法によれば、歩留りの低下を余儀なくされ、また、鋼片
加熱時の在炉時間を長くする方法では生産性が低下する
という問題が生じる。また、鋼片加熱温度を高くすれ
ば、短い在炉時間で析出強化元素を均一に固溶させ得る
が、加熱温度をやみ雲に高くさせることは加熱γ粒の粗
大化を招き、靱性が劣化するという問題を生じる。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、高生産性、高歩留りで製造可能な鋼板
内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この種の
加速冷却型鋼板の製造方法について鋭意研究した結果、
含有成分組成に応じた抽出時の鋼片加熱内部温度の設定
と圧延条件および冷却条件の適正化により、鋼板内の材
質均一性に優れた加速冷却型鋼板を高生産性、高歩留り
で安定して製造できることを見出し、本発明に至ったも
のである。
【0009】その要旨は、(1) C:0.05〜0.20%、 Si:0.
05〜0.60%、Mn:0.5〜1.5 %を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼片を加熱し、鋼片全長の内部温
度(Ta )が 950〜1120℃の温度範囲内に達した時点で
鋼片を抽出し、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延
を行い、その後の仕上圧延中または仕上圧延後の熱間矯
正により鋼板先端反りを制御して平坦に仕上げ、鋼板長
さ中央部の平均ベイナイト生成量が10〜60%となる冷却
速度範囲で鋼板表面温度が 600℃以下の温度まで水冷す
る鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の製造方
法である。
【0010】(2) C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.60%、
Mn:0.5〜1.5 %を含有し、さらにNb:0.050%以下、V:0.
10%以下、Ti:0.050%以下、 Cu:0.50%以下、Ni:0.50
%以下、 Cr:0.50%以下、Mo:0.50 %以下の内から選ん
だ1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなる鋼片を加熱し、鋼片全長の内部温度(T
a )が下記式で求まる温度範囲内に達した時点で鋼片を
抽出し、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延を行
い、その後の仕上圧延中または仕上圧延後の熱間矯正に
より鋼板先端反りを制御して平坦に仕上げ、鋼板長さ中
央部の平均ベイナイト生成量が10〜60%となる冷却速度
範囲で鋼板表面温度が 600℃以下の温度まで水冷する鋼
板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の製造方法で
ある。 Ts ≦Ta ≦Ts +170 (℃) Ts =−6770/{log [C 〔Nb-6.64(N-Ti/3.42)〕]−
2.26}−273 ここで、Ts は加熱γ粒の粗大化温度またはNbC の固溶
温度 ただし、( ) 内が負の場合は、( ) 内の値は0 とする。
〔 〕内が0 または負の場合は、Ti含有鋼のTs は1050
℃とする。Ti 含有鋼以外のTs は 950℃とする。
【0011】(3) 水冷後、 550〜700 ℃の温度範囲で焼
戻しを行う上記(1) または(2) 記載の鋼板内の材質均一
性に優れた加速冷却型鋼板の製造方法である。 (4) 鋼板全長にわたる引張強度のばらつきが10N/mm2
内である上記(1) または(2) または(3) 記載の製造方法
で製造された鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼
板である。
【0012】
【作用】以下に、本発明の製造条件について説明する。
本発明では、鋼片加熱時に析出強化元素を均一に固溶さ
せるため、析出強化元素の平衡溶解度積から求めた温度
Ts を基準に、鋼片を加熱し、鋼片全長の内部温度(T
a )がTs 〜Ts +170 ℃の温度範囲内に達した時点で
鋼片を抽出する。析出強化元素を含有していない Si-Mn
鋼は、Ts に相当する鋼片加熱時のγ粒の粗大化温度が
950℃であるため、鋼片全長の内部温度(Ta )が 950
〜1120℃の温度範囲内に達した時点で抽出する。このよ
うにして、 Si-Mn鋼は鋼片加熱時のγ粒を均一にするこ
とができる。
【0013】Nb、Ti、N を含有する鋼では、下記式で求
まる温度Ts を基準に、鋼片を加熱し、鋼片全長の内部
温度(Ta )がTs 〜Ts +170 ℃の温度範囲内に達し
た時点で鋼片を抽出する。析出強化元素であるNbは、鋼
中では、析出強化に有効であるNbC のほかにNbN も形成
するため、Nb、Ti、N を含有する鋼では、NbC を形成す
る有効Nb量に着目する必要がある。下記式がNbC が固溶
する温度Ts を求める式である。 Ts =−6770/{log [C 〔Nb-6.64(N-Ti/3.42)〕]−
2.26}−273
【0014】ここで、(N-Ti/3.42) はTiN を形成したN
を差し引いた残りのN を示し、〔Nb-6.64(N-Ti/3.42)〕
はTiN を形成したN を差し引いた残りのN とNbN を形成
したNbを差し引いた残りのNb量を示す。すなわち、Tiと
N を含有していない鋼では、上記式は Ts =−6770/
{log [C][Nb] −2.26}−273 となり、これはC とNbの
平衡溶解度積を変形したものとなる。
【0015】ただし、上記式において、( ) 内が負の場
合は、( ) 内の値は0 とする。この場合は、NbN を形成
するN が存在しないことを意味する。また、〔 〕内が
0 または負の場合は、NbC を形成するNbが存在しないこ
とを意味する。この場合、Ti含有鋼のTs はγ粒の粗大
化温度が1050℃であるため、Ts は1050℃とする。した
がって、Ti含有鋼は、鋼片全長の内部温度(Ta )が10
50〜1220℃の温度範囲内に達した時点で鋼片を抽出す
る。
【0016】鋼片加熱温度を鋼片全長の内部温度で規定
した理由は、鋼片内部の加熱時のγ粒の均一化およびNb
C の固溶を完全、均一にするためである。また、鋼片全
長の内部温度は、熱伝導計算により知ることができる。
【0017】加熱、抽出後の鋼片は、再結晶温度域で圧
下率30%以上の粗圧延を行うことで、ほぼ均一な微細γ
粒が得られる。これ以降の圧延は通常の圧延方法で行
う。再結晶温度域での粗圧延とその後の圧延で均一な微
細γ粒が得られれば、その後の冷却で結晶粒微細化によ
る強靱化効果が安定して得られるのであるが、圧延時の
鋼板はその先後端部が上反りとなる場合が多く、この状
態のままで水冷を行えば鋼板先後端部の冷却開始温度お
よび冷却停止温度が変動して鋼板内で大きな強度差を生
じることとなる。
【0018】このため、本発明では仕上圧延中の反り制
御あるいは圧延後の熱間矯正による鋼板形状の改善が水
冷時の均一冷却に必須であることから、これを採用する
とともに、さらに、その後の冷却に際し、鋼板長さ中央
部の平均ベイナイト生成量が10〜60%となる冷却速度範
囲に限定した水冷を行うことにより、鋼板内温度の不均
一に起因する強度差を著しく改善することができる。
【0019】図1および図2は、それぞれCeq:0.27%
(0.10%C-0.22%Si-0.94%Mn)とCeq:0.34%(0.14%C-0.22%S
i-1.13%Mn)の Si-Mn系鋼について、再結晶温度域、未再
結晶温度域および二相温度域で加工を行った後、冷却速
度 1〜50℃/sで連続冷却したフォーマスタ試験より得ら
れた結果を冷却速度と硬さの関係で示したものである。
これらの図から、加工温度域が異なっても強度(硬さ)
差の生じない特定の冷却速度が鋼種毎に存在することが
明らかである。
【0020】すなわち、鋼片の加熱偏熱により圧延後の
鋼板内部温度分布に多少の不均一が残存していても、そ
の後、特定の冷却速度による水冷を施すことにより、空
冷(圧延のまま)材に比べ鋼板内温度の不均一に起因す
る強度差を大幅に改善できるのである。この特定の冷却
速度は、本発明者等の研究によれば、ベイナイト量が10
〜60%生成する冷却速度であることが明らかとなった。
【0021】この理由については、圧延が二相温度域と
未再結晶温度域、未再結晶温度域と再結晶温度域という
ように、一枚の鋼板の中で低温と高温の圧延温度域が混
在した場合、その後の冷却が空冷のような緩冷却では低
温域圧延の方が強度が高く、両者の間に強度差を生じる
が、特定の冷却速度で水冷を施すことにより、低温域圧
延部の変態強化が少なく、一方、高温域圧延部の変態強
化が多くなるため、両者の強度差がほとんど無くなるも
のと推定される。
【0022】上記、変態強化を発揮させるには冷却停止
温度をベイナイト変態終了温度近くにする必要がある。
したがって、冷却停止温度は 600℃以下とする。
【0023】さらに、本発明では水冷により生じる残留
応力を除去する場合には、水冷後に焼戻しを行う。焼戻
し温度が 550℃未満では残留応力除去効果が小さく、ま
た、700℃を超えると水冷による強度上昇効果が消失す
る。したがって、水冷後に行う焼戻し温度は、 550〜70
0 ℃の温度範囲に限定する。
【0024】次に、本発明における化学成分の限定理由
について説明する。C は、鋼板の強度確保のために必要
な元素であるが、含有量が0.05%未満では強度の確保が
困難となる。また、含有量が0.20%を超えると溶接性お
よび靱性が劣化する。したがって、C 含有量は0.05〜0.
20%の範囲とする。
【0025】Siは、鋼の脱酸および鋼板の強度確保のた
めに必要な元素であるが、含有量が0.05%未満ではその
効果が少なく、また、0.60%を超えて多量に含有すると
溶接性を劣化させる。したがって、Si含有量は0.05〜0.
60%の範囲とする。
【0026】Mnは、鋼板の強度および靱性を確保のため
に必要な元素であるが、含有量が0.5 %未満ではこのよ
うな効果は少なく、また、1.50%を超えて含有すると溶
接性を劣化させ、かつ靱性も劣化させる。したがって、
Mn含有量は 0.5〜1.5 %の範囲とする。
【0027】Nbは、析出強化および変態強化による強度
上昇と結晶粒の細粒化による靱性の向上を図る上で有益
である。このため、Nbは合金元素の添加量を低減でき、
溶接性の改善に有効な元素である。しかし、 0.050%を
超えて多量に含有すると溶接継手靱性を劣化させる。し
たがって、Nb含有量は 0.050%以下とする。なお、含有
量が 0.002%未満では、このような効果は期待し難くな
るので、含有量は 0.002%以上が望ましい。
【0028】V は、析出強化による強度上昇に有効な元
素であるが、含有量が0.10%を超えると溶接性が劣化す
る。したがって、V 含有量は0.10%以下とする。なお、
含有量が0.01%未満では、このような効果はほとんど期
待できないので、含有量は0.01%以上が望ましい。
【0029】Tiは、γ(オーステナイト)粒の粗大化抑
制とともに変態時のα(フェライト)の核生成サイトに
なり、αの細粒化による母材靱性および溶接継手靱性の
向上に有効である。しかし、 0.030%を超えて多量に含
有すると靱性を劣化させる。したがって、Ti含有量は
0.030%とする。なお、含有量が 0.002%未満では、こ
のような効果を発揮することができないので、含有量は
0.002%以上が望ましい。
【0030】Cuは、鋼の強度上昇に有効な元素である
が、0.50%を超えて多量に含有すると熱間加工時に表面
割れが発生するとともに、溶接性を劣化させる。したが
って、Cu含有量は0.50%以下とする。なお、含有量が
0.050%未満では、このような効果は期待し難いので、
含有量は 0.050%以上が望ましい。
【0031】Niは、溶接性に悪影響を与えることなく、
母材の強度および靱性を向上させる元素であるが、0.50
%を超えて添加すると製造コストの上昇を招き好ましく
ない。したがって、Ni含有量は0.50%以下とする。
【0032】Cr、Moは、鋼の焼入れ性向上に有効な元素
であるが、含有量がそれぞれ、0.50%を超えると溶接性
が劣化する。したがって、Cr、Mo含有量はそれぞれ0.50
%以下とする。なお、含有量がそれぞれ0.05%未満で
は、焼入れ性向上効果が発揮され難いため、含有量はそ
れぞれ0.05%以上が望ましい。
【0033】なお、Alの含有量については、特に限定し
ていないが、本発明はAlキルド鋼を対象としているの
で、0.06%以下程度はAlキルド鋼として不可避的に含有
される。
【0034】上記の製造方法によれば、鋼板全長にわた
って引張強度のばらつきが10N/mm2以内の加速冷却型鋼
板の製造が可能である。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
供試鋼は表1に示す化学成分を有する鋼片を表2に示す
加熱・圧延・冷却条件で、板厚20mmの鋼板に仕上げたも
のである。これらの鋼板の長さ方向について、先端部、
中央部、後端部から試験片を採取し、引張特性および衝
撃特性を調査した。その結果を表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表3から明らかなように、本発明例の鋼番
1〜6は、引張強さ490N/mm2級鋼板としての強度と良好
な靱性が鋼板全長にわたって得られている。また、鋼板
内の強度偏差が小さく、衝撃特性のばらつきも小さい。
【0040】一方、比較例の鋼番7〜12は、化学成分は
本発明の限定範囲内ではあるが、鋼番7は、圧延後空冷
であるため、鋼板中央部でベイナイト変態が得られず、
鋼板先後端部と中央部の強度差が大きい。
【0041】また、鋼番8は、水冷停止温度が高く、 6
00℃超えであるため、鋼板中央部でのベイナイト変態が
得られず、鋼板先後端部と中央部の強度差が大きい。
【0042】鋼番9は、抽出時の鋼片内部温度Ta が前
記式から求まる温度より高すぎるためγ粒が粗粒とな
り、衝撃特性(vTrs) が悪い。
【0043】鋼番10は、Nb含有鋼であり、抽出時の鋼片
内部温度Ta がNbC の固溶温度 (Ts)より低いため、Nb
C の析出強化が十分に得られず引張強さが不足してい
る。
【0044】鋼番11は、再結晶温度域での圧下率が20%
と低いため、γ粒の細粒化が図られず衝撃特性が悪い。
【0045】鋼番12は、水冷開始前に圧延時の先端反り
制御や圧延後の熱間矯正を行っておらず、水冷時の鋼板
先後端形状が上反りのため、形状不良部の冷却が不均一
となり、その部分の強度が低下し、ばらつきも大きい。
【0046】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば含有成分組成に応じた鋼片抽出時の加熱
温度と圧延条件を規制し、また、熱間圧延後、鋼板長さ
中央部にベイナイトが生成する冷却速度で冷却するた
め、鋼板内の引張強度、靱性等の材質均一性に優れ、か
つ引張強度のばらつきが 10N/mm2以内である加速冷却型
鋼板を高生産性、高歩留りで安定して製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ceq:0.27%(0.10%C-0.22%Si-0.94%Mn)の Si-Mn
系鋼について、再結晶温度域、未再結晶温度域および二
相温度域で加工を行った後、冷却速度 1〜50℃/sで連続
冷却したフォーマスタ試験結果による冷却速度と硬さと
の関係を示す図である。
【図2】Ceq:0.34%(0.14%C-0.22%Si-1.13%Mn)の Si-Mn
系鋼について、再結晶温度域、未再結晶温度域および二
相温度域で加工を行った後、冷却速度 1〜50℃/sで連続
冷却したフォーマスタ試験結果による冷却速度と硬さと
の関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.60%、M
    n:0.5〜1.5 %を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる鋼片を加熱し、鋼片全長の内部温度(Ta )が
    950〜1120℃の温度範囲内に達した時点で鋼片を抽出
    し、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延を行い、そ
    の後の仕上圧延中または仕上圧延後の熱間矯正により鋼
    板先端反りを制御して平坦に仕上げ、鋼板長さ中央部の
    平均ベイナイト生成量が10〜60%となる冷却速度範囲で
    鋼板表面温度が 600℃以下の温度まで水冷することを特
    徴とする鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.60%、M
    n:0.5〜1.5 %を含有し、さらにNb:0.050%以下、V:0.1
    0%以下、Ti:0.050%以下、 Cu:0.50%以下、Ni:0.50
    %以下、 Cr:0.50%以下、Mo:0.50 %以下の内から選ん
    だ1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的
    不純物からなる鋼片を加熱し、鋼片全長の内部温度(T
    a )が下記式で求まる温度範囲内に達した時点で鋼片を
    抽出し、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延を行
    い、その後の仕上圧延中または仕上圧延後の熱間矯正に
    より鋼板先端反りを制御して平坦に仕上げ、鋼板長さ中
    央部の平均ベイナイト生成量が10〜60%となる冷却速度
    範囲で鋼板表面温度が 600℃以下の温度まで水冷するこ
    とを特徴とする鋼板内の材質均一性に優れた加速冷却型
    鋼板の製造方法。 Ts ≦Ta ≦Ts +170 (℃) Ts =−6770/{log [C 〔Nb-6.64(N-Ti/3.42)〕]−
    2.26}−273 ここで、Ts は加熱γ粒の粗大化温度またはNbC の固溶
    温度 ただし、( ) 内が負の場合は、( ) 内の値は0 とする。
    〔 〕内が0 または負の場合は、Ti含有鋼のTs は1050
    ℃とする。Ti 含有鋼以外のTs は 950℃とする。
  3. 【請求項3】 水冷後、 550〜700 ℃の温度範囲で焼戻
    しを行う請求項1または2記載の鋼板内の材質均一性に
    優れた加速冷却型鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼板全長にわたる引張強度のばらつきが
    10N/mm2 以内である請求項1または2または3記載の製
    造方法で製造された鋼板内の材質均一性に優れた加速冷
    却型鋼板。
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