JPH0935268A - 光ディスク原盤露光装置 - Google Patents

光ディスク原盤露光装置

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JPH0935268A
JPH0935268A JP7181479A JP18147995A JPH0935268A JP H0935268 A JPH0935268 A JP H0935268A JP 7181479 A JP7181479 A JP 7181479A JP 18147995 A JP18147995 A JP 18147995A JP H0935268 A JPH0935268 A JP H0935268A
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JP
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circuit
signal
output
disk
master
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JP7181479A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク周方向においてミラー部を介してラ
ンドとグルーブが連続する光ディスクの原盤を作製する
ことができる光ディスク原盤露光装置を提供する。 【解決手段】 ガラス原盤50を回転する回転機構(デ
ィスク押え51、ターンテーブル52、スピンドルモー
タ53)と、レーザ光を照射する露光系と、回転機構を
横送りする横送り機構(横送りネジ55、横送りモータ
56)とを備えた光ディスク原盤露光装置において、レ
ーザ光強度を2値に変調するAOM42と、ガラス原盤
50の回転周期Tを得るロータリエンコーダ54と、回
転周期Tを基に所定パルス幅のパルス信号(a)を出力
する分周回路57と、パルス信号(a)を基に回転周期
Tの2倍の周期のクロック(b)を出力するトグルフリ
ップフロップ59と、パルス信号(a)を反転したもの
とクロック(b)との論理積をとったものをAOM42
の動作クロックとして出力するゲート回路60とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を記
録する光ディスクの原盤を作製する光ディスク原盤露光
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的に情報を記録、再生する技
術として種々のものが知られており、それらを媒体に関
して情報記録および再生方式により大きく分類すると、
ROM(再生専用)型、WORM(追記)型、R/W
(書き換え可能)型の三種類がある。これら媒体は、い
ずれもガラスまたはポリカーボネートのような透明な材
料を基板としており、この基板上に塗布、成膜される材
料の違いにより種類分けされる。即ち、基板上にAlの
ように反射率が高く熱安定性が高い物質を用いるとRO
M型、有機色素のように熱によって不可逆反応を起こす
材料を用いるとWORM型、磁性材料や相変化(結晶及
び非晶質の状態を取り得る)材料のように熱的、磁気的
に可逆反応を生じる材料を用いるとR/W型に分類され
る。
【0003】また、光学的情報記録媒体はその形状によ
り、ディスク型、カード型、テープ型に大きく分類され
る。これら各型の光学的情報記録媒体にはそれぞれ特長
があり、用途によって使い分けられるが、中でもディス
ク型は情報転送の高速性に優れているために、最も一般
的となっている。
【0004】ディスク上に記録されるデータはディスク
周方向に渡って所定量に連続して形成され、一般にこれ
をトラックと呼ぶ。ディスク型の情報記録媒体の場合、
データトラックは同心円的、あるいは螺旋状に形成する
ことが可能であるが、データ転送の連続性から螺旋状に
トラックを形成した方が大量のデータを扱う場合には有
利である。
【0005】図9は螺旋状にトラックを形成したディス
ク型の光学的情報記録媒体の一例を示す図である。
【0006】図9において、100はディスク、103
a〜103cはディスク100の記録面上に螺旋状に形
成された案内溝であるグルーブ、102aおよび102
bはグルーブ103a〜103c間に形成されたランド
である。
【0007】この光学的情報記録媒体では、グルーブあ
るいはグルーブ間(ランド)をデータトラックとし、情
報記録再生用の光ビームをデータトラックに沿って進ま
せながら情報を記録再生することで大量のデータを連続
して扱うことができる。最近では、さらに大量のデータ
を取り扱うことができるように、ランド/グルーブ記録
と呼ばれる技術が開発されている。これは、ランド及び
グルーブの双方にデータを記録するというものであり、
これによって記録容量を2倍にすることができる。
【0008】以下、上述のような螺旋状にグルーブが形
成された光学的情報記録媒体の原盤を作製する光ディス
ク原盤露光装置について説明する。
【0009】光ディスク原盤露光装置の概略構成は、フ
ォトレジストが塗布されたディスク状のガラス原盤を固
定するターンテーブルとこれを回転させるスピンドルモ
ータとからなる回転機構と、He−Cdレーザからのレ
ーザ光をガラス原盤上に照射して溝を形成する光学系
と、ガラス原盤と照射されたレーザ光のスポットとの相
対位置をディスク半径方向に移動できるように回転機構
を横送りする横送り機構とからなる。
【0010】この光ディスク原盤露光装置では、ガラス
基板を一定の回転速度で回転させ、横送り機構による回
転機構の移動を一定速度で行いながら、レーザ光をガラ
ス原盤上に照射することにより、ディスクの外周または
内周から螺旋状に溝が形成される。このようにして溝が
形成されたガラス原盤をマスターディスクとしてディス
クを作製すれば、図9に示すような構成の光ディスクが
得られる。
【0011】ところで、図9に示す光学的情報記録媒体
においては、ランド/グルーブの双方に対して情報の記
録再生を行う場合は、例えば、2分割フォトディテクタ
(もしくは4分割フォトディテクタ)の各センサ部の出
力を基にトラッキングエラー信号を生成してトラッキン
グを行うといったプッシュプル方式が用いられる。この
場合、生成されたトラッキングエラー信号はランドとグ
ルーブ間で極性が反転することから、情報を記録再生す
る場合は、記録再生するトラックがランドかグルーブか
によってトラッキングエラー信号の極性を切り替えてト
ラッキングが行われる。このため、情報の記録再生を行
うに当たり、以下のような問題がある。
【0012】ディスクの外周側(あるいは内周側)から
詰めて記録を行う場合は、例えば、トラッキングサーボ
をオフした後、トラッキングの極性をランド側の極性に
切り替え、光ヘッドをランド102aに移動し、移動後
トラッキングサーボをオンとしてデータを記録し、続い
てトラッキングサーボをオフした後、トラッキングの極
性を切り替え、光ヘッドをグルーブ103bに移動し、
移動後トラッキングサーボをオンとしてデータを記録す
るというように、トラックジャンプ動作を伴いながらラ
ンドとグルーブに交互に情報が記録される。このよう
に、トラック一本分あるいはディスク一周分記録する毎
に、グルーブ/ランドの極性切替動作およびトラックジ
ャンプ動作が入る記録方法においては、記録動作の連続
性は著しく損なわれてしまう。
【0013】上記のような記録動作の連続性を損なわな
い方法としては、ランド102aに続けてランド102
b,・・・という順序でトラックジャンプ動作を行わず
に記録を行い、ランド部分が一杯になるとグルーブ側に
極性を切り換えて、グルーブ103a,グルーブ103
b・・・という順序で記録を行う方法がある。しかし、
この場合には、最後に記録したランドと最初に記録する
グルーブの半径位置が大きく異なるため、グルーブとラ
ンドの切り替えの際に、光ヘッドを大きく移動させなけ
ればならず、装置の高速性が損なわれてしまうことにな
る。
【0014】そこで、記録動作中にトラックジャンプ動
作を伴うことがなく、ランドとグルーブに交互にデータ
を記録することができる光学的情報記録媒体として、図
3に示すような構成の記録媒体が開発されている。以下
に、その構成を簡単に説明する。
【0015】図3において、グルーブ3a〜3cとラン
ド2a〜2cはそれぞれデータを記録可能なトラックで
あり、ミラー部4を介してディスク周方向においてグル
ーブとランドが連続して形成されており、螺旋状のトラ
ックを形成している。このような構成とすることによ
り、情報の書き込み動作および読み出し動作のいずれも
トラックジャンプ動作を伴うことなく連続して行うこと
ができ、さらにはミラー部を検出した信号をトリガーと
して用いてトラッキングエラー信号の極性切替を行うこ
とができるので、記録再生動作の連続性が損なわれた
り、装置の高速性が損なわれたりするといった問題を解
決することができる。
【0016】なお、上述の光学的情報記録媒体において
は、これまでに提案されてきた記録媒体と異なり、ピッ
トの形成されることのないミラー部が設けられた構成と
なっているため、この光学的情報記録媒体に関連する技
術の開発が種々検討されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図9に示すようなグル
ーブが螺旋状に形成された光ディスクの原盤を作製する
光ディスク原盤露光装置は、ガラス原盤上に単に螺旋状
の溝を形成する構成となっており、原盤を一定の回転速
度で回転させ、一定の速度で横送りしながらレーザ光を
照射し、レーザ光の光強度をその回転に同期させながら
変調するといったことはできないため、ディスク周方向
においてミラー部を介してランドとグルーブが連続する
光ディスク(例えば、上述の図3に示すような光学的情
報記録媒体)の原盤を作製することはできない。また、
このディスク周方向においてミラー部を介してランドと
グルーブが連続する光ディスク自体が新規な構成のた
め、この光ディスクの原盤を作製することができる光デ
ィスク原盤露光装置は、これまでになく、この光ディス
ク原盤露光装置の開発が望まれていた。
【0018】本発明の目的は、ディスク周方向において
ミラー部を介してランドとグルーブが連続する光ディス
ク(例えば、上述の図3に示すような光学的情報記録媒
体)の原盤を作製することができる光ディスク原盤露光
装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスク原盤
露光装置は、感光材が塗布されたガラス原盤を回転させ
る回転機構と、前記ガラス原盤にレーザ光を照射して感
光させる露光系と、前記ガラス原盤上におけるレーザス
ポット位置がディスク半径方向に移動するように前記露
光系もしくは前記回転機構を横送りする横送り機構とを
備え、前記ガラス原盤を一定の回転速度で回転させ、一
定の速度で横送りしながらレーザ光を照射してガラス原
盤上に溝を形成する光ディスク原盤露光装置において、
前記レーザ光の光強度を2値に変調する変調回路と、前
記回転機構におけるガラス原盤の回転周期Tに基づい
て、前記変調回路におけるレーザ光の光強度の変調周期
Fを決定する手段と、を有し、前記変調回路におけるレ
ーザ光の光強度の変調周期Fを、 F=2T/(2n−1) (nは自然数) とし、レーザ光を照射する時間をF/2未満とすること
を特徴とする。
【0020】上記の場合、変調周期Fを決定する手段
を、回転機構におけるガラス原盤の回転周期Tを検出す
るロータリエンコーダと、前記ロータリエンコーダにて
検出された回転周期Tに基づいて、所定パルス幅のパル
ス信号を出力する分周回路と、前記分周回路から出力さ
れたパルス信号に基づいて、前記回転周期Tの2倍の周
期のクロックを出力するトグルフリップフロップと、前
記分周回路から出力されたパルス信号を反転したものを
一方の入力、前記トグルフリップフロップから出力され
たクロックを他方の入力とし、これらの論理積をとった
ものを変調回路のゲート信号として出力するゲート回路
と、から構成してもよい。
【0021】また、上記とは異なる構成として、変調周
期Fを決定する手段を、回転機構におけるガラス原盤の
回転周期Tを検出するロータリエンコーダと、前記ロー
タリエンコーダにて検出された回転周期Tに基づいて、
第1のパルス信号を出力する分周回路と、前記分周回路
から出力された第1のパルス信号に基づいて、前記回転
周期Tの2倍の周期の第1のクロックを出力するトグル
フリップフロップと、内部に発振器を有し、前記トグル
フリップフロップから出力された第1のクロックと位相
の同期した所望の周波数の第2のクロックを出力するP
LL回路と、前記PLL回路から出力された第2のクロ
ックに基づいて、所定パルス幅の第2のパルス信号を出
力するパルス発生器と、前記パルス発生器から出力され
た第2のパルス信号を反転したものを一方の入力、前記
PLL回路から出力された第2のクロックを他方の入力
とし、これらの論理積とったものを変調回路のゲート信
号として出力するゲート回路と、から構成し、前記PL
L回路の内部発振器の周波数を前記トグルフリップフロ
ップから出力された第1のクロックの周波数の(2n−
1)倍(nは自然数)に設定してもよい。
【0022】
【作用】上記のように構成される本発明の光ディスク原
盤露光装置では、変調回路におけるレーザ光の光強度の
変調周期Fが、 F=2T/(2n−1) (nは自然数) で与えられ、レーザ光を照射する時間がF/2未満とさ
れるので、レーザ光を照射する時間はT/(2n−1)
より短くなり、その短くなった時間分だけ照射しない時
間がT/(2n−1)より長くなる。すなわち、グルー
ブとなる部分を形成する時間がT/(2n−1)よりも
短くなり、ランドとなる部分を形成する時間がその短く
なった時間分だけT/(2n−1)より長くなる。よっ
て、この変調周期Fに基づいて形成されたランドとなる
部分は、周方向の長さがグルーブとなる部分の長さより
両者の時間差分だけ長いものとなり、このランドとなる
部分の両周端(すなわち、グルーブとなる部分との境
界)部において長くなった分がミラー部となる部分とな
る。このミラー部となる部分は、変調周期FがF=2T
/(2n−1)で与えられることから、ディスク1周当
たりに奇数個形成され、各形成された部分はディスク半
径方向に揃ったものとなる。
【0023】また、本発明のうち、分周回路から出力さ
れたパルス信号を反転したものとトグルフリップフロッ
プから出力された第1のクロックとの論理積をとったも
のを変調回路のゲート信号とするものにおいては、ゲー
ト信号の1周期のうちのハイレベルの時間(すなわち、
レーザ光を照射する時間)はロウレベルの時間より分周
回路から出力されたパルス信号のパルス幅分の時間を2
倍した時間分だけ短くなる。したがって、このゲート信
号に基づいて形成されるランドとなる部分は、周方向の
長さがグルーブとなる部分の長さより両者の時間差分
(分周回路から出力されたパルス信号のパルス幅分の時
間を2倍した時間分)だけ長いものとなり、このランド
となる部分の両周端部において長くなった分がミラー部
となる部分とされる。この場合、ミラー部となる部分の
周方向の長さは、分周回路から出力されたパルス信号の
パルス幅により決る。
【0024】また、本発明のうち、パルス発生器から出
力された第2のパルス信号を反転したものとPLL回路
から出力された第2のクロックとの論理積をとったもの
を変調回路のゲート信号とするものにおいては、ゲート
信号の1周期のうちのハイレベルの時間(すなわち、レ
ーザ光を照射する時間)はロウレベルの時間よりパルス
発生器から出力された第2のパルス信号のパルス幅分の
時間を2倍した時間分だけ短くなる。したがって、この
ゲート信号に基づいて形成されるランドとなる部分は、
周方向の長さがグルーブとなる部分の長さより両者の時
間差分(パルス発生器から出力された第2のパルス信号
のパルス幅分の時間を2倍した時間分)だけ長いものと
なり、このランドとなる部分の両周端部において長くな
った分がミラー部となる部分とされる。この場合、ミラ
ー部となる部分の周方向の長さは、パルス発生器から出
力された第2のパルス信号のパルス幅により決る。ま
た、本発明では、PLL回路の内部発振器の周波数をト
グルフリップフロップから出力された第1のクロックの
周波数の(2n−1)倍(nは自然数)に設定すること
により、ディスク1周当たりに奇数個のミラー部を形成
でき、かつ、各ミラー部をディスク半径方向に揃えるこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0026】図1は、本発明の第1の実施例の光ディス
ク原盤露光装置の概略構成を示すブロック図である。
【0027】図1において、50は感光材としてフォト
レジストが塗布されたディスク状のガラス原盤で、ディ
スク押え51によりターンテーブル52上に固定されて
いる。ターンテーブル52にはスピンドルモータ53が
設けられており、固定されたガラス原盤50とともに回
転される。これらにより、ガラス原盤50を回転させる
回転機構が構成されている。なお、スピンドルモータ5
3にはロータリーエンコーダ54が設けられており、ロ
ータリエンコーダ54の出力に基づいて図示しない回転
制御回路によって回転が制御され、一定の回転速度でタ
ーンテーブル52を回転させることが可能となってい
る。
【0028】上記回転機構には、フォトレジストを感光
させて溝を形成する際のレーザスポットとガラス原盤5
0との相対位置が記録面においてディスク半径方向に移
動できるように、該回転機構を横方向に移動するための
横送りネジ55とこれに回転駆動を与える横送りモータ
56が設けられている。なお、ここでは、横送りネジ5
5および横送りモータ56より構成される横送り機構に
より回転機構が移動する構成としたが、この横送り機構
の目的はガラス原盤50とレーザスポットとの相対位置
をディスク半径方向に移動させることにあるので、以下
に説明する光学系、すなわちガラス原盤50上にフォト
レジストを感光させるためのレーザビームを照射する露
光系を移動させる構成としてもよい。
【0029】41はガラス原盤50の記録面上にトラッ
ク案内溝を形成するための光源で、ここではHe−Cd
レーザが使用される。このHe−Cdレーザ41から射
出したビームの進行方向には、AOM(acoustic-optic
al modulator :音響光学変調器)42、ビームエキス
パンダ43、ハーフミラー44が順次配置されており、
該ハーフミラー44にて反射されたビームの進行方向に
対物レンズ45が配置されている。ここで、AOM42
は、外部入力信号に基づいて、He−Cdレーザ41か
ら射出されたレーザ光の光強度を変調するもので、本実
施例では、このAOM42によってレーザ光強度を2値
変調することにより、ガラス原盤50上の所望の場所に
溝を形成することができる。
【0030】上記の光学系では、He−Cdレーザ41
から射出したビームはAOM42で光強度変調され、ビ
ームエキスパンダ43にてビーム径が拡げられた後、ハ
ーフミラー44で反射されて対物レンズ45によってガ
ラス原盤50上に収束される。このとき、対物レンズ4
5は、後述するフォーカッシング用の光学系を用いたフ
ォーカッシング制御により、He−Cdレーザ41から
のレーザ光がガラス原盤50上に常に合焦するように位
置制御されている。
【0031】フォーカッシング用の光学系は、光源にH
e−Neレーザ46を使用しており、このHe−Neレ
ーザ46から射出したビームの進行方向にハーフミラー
47が配置されている。このハーフミラー47にて反射
されたビームの進行方向には上記ハーフミラー44およ
び対物レンズ45が順次配置されており、ビームはこれ
らを通過してガラス原盤50上に収束される。ガラス原
盤50から反射し、対物レンズ45、ハーフミラー4
4、ハーフミラー47を順次通過したビームの進行方向
には、シリンドリカルレンズ40、集光レンズ48、セ
ンサ49が順次配置されている。ここで、センサ49は
受光面が4分割されており、シリンドリカルレンズ40
にて受光面に集光されたビームに基づいて、公知の非点
収差法によるフォーカスエラー信号の検出が行われる。
このセンサ49から得られるフォーカスエラー信号に基
づいて、図示しないフォーカスサーボ回路により対物レ
ンズ45の位置制御が行われ、He−Cdレーザ41か
らのレーザ光がガラス原盤50上に常に合焦される。
【0032】上記のAOM42に入力される外部入力信
号を生成する回路、すなわち、AOM42の変調周期を
決定する回路は、上述のロータリエンコーダ54と、以
下に説明する分周回路57、トグルフリップフロップ5
9、ゲート回路60,61により構成されている。
【0033】分周回路57は、カウンタ等により構成さ
れるものであって、ロータリーエンコーダ54の出力を
カウントし、図2に示すように周期T毎に所定のパルス
幅t 1 のパルス信号(a)を発生する。本実施例では、
周期Tはガラス原盤の回転周期と一致しており、パルス
幅t1 は、 t1 =(1×10-6)/V〜(100×10-6)/V [S] (ただし、Vはレーザスポット位置におけるガラス原盤
の線速度)で与えられるものとする。この分周回路57
の出力は、コントローラ58へ入力されるとともに、ト
グルフリップフロップ59のクロック信号となってい
る。さらに、この分周回路57の出力は、ゲート回路6
0の一方の入力端子に反転入力されている。
【0034】トグルフリップフロップ59は、分周回路
57にて発生したパルス信号(a)をクロック信号と
し、図2に示すようにガラス原盤50の回転周期の2倍
の周期で、レベルがディスク1回転毎に「1」と「0」
に切り替わる出力信号(b)を生成する。
【0035】ゲート回路60は、一方の入力端子に分周
回路57にて発生したパルス信号(a)が反転入力さ
れ、他方の入力端子にトグルフリップフロップ59の出
力信号(b)が入力されており、これらの論理積をとっ
て図2に示すような出力信号(c)を出力する。このゲ
ート回路60の出力信号(c)がAOM42の外部入力
信号であり、レーザ光強度の変調がこの出力信号(c)
の周期で行われる。本実施例では、図2に示すように、
出力信号(c)は出力信号(b)に対して、「1」のレ
ベルの時間がパルス信号(a)のパルス幅t1 の時間分
短く、「0」のレベルの時間がパルス信号(a)のパル
ス幅t1 の時間分長くなっている。したがって、出力信
号(c)の周期がガラス原盤50の回転周期の2倍の周
期であれば、「1」のレベルでレーザ光による溝の形成
を行うことにより、図3に示す光学的情報記録媒体のよ
うなグルーブの溝を形成することができる。
【0036】ゲート回路61は上記ゲート回路60の出
力信号(c)のAOM42への出力を制御するために設
けられたもので、一方の入力端子にゲート回路60の出
力信号(c)が入力され、他方の入力端子にコントロー
ラ58からの信号が入力されており、これらの論理積を
とった信号を外部入力信号としてAOM42へ出力す
る。このゲート回路61では、コントローラ58からの
信号に応じてゲート回路60の出力信号(c)のAOM
42への出力が制御される。
【0037】コントローラ58は、分周回路57にて発
生したパルス信号(a)と同期をとりながら全体の動作
を管理するもので、横送りモータ56による横送りを一
定速度で行わせるよう制御したり、ゲート回路61のゲ
ートのオン・オフを制御してゲート回路60の出力信号
(c)のAOM42への入力を制御したりする。通常
は、横送りモータ56が横送りを開始して安定動作に移
り、定速移動となってからゲート回路61のゲートをオ
ンとし、AOM42によるレーザ光強度の変調を開始さ
せ、ガラス原盤50に溝を形成させる。
【0038】次に、上述のように構成される光ディスク
原盤露光装置の動作について説明する。
【0039】この光ディスク原盤露光装置では、まず、
スピンドルモータ53が駆動され、ガラス原盤50が固
定されたターンテーブル52が所定の回転速度で回転さ
れる。すると、分周回路57が、ロータリーエンコーダ
54の出力に基づいて、ガラス原盤の回転周期に応じた
パルス信号(a)を発生する。回転が定常速度に達する
と、対物レンズ45を駆動し、フォーカスサーボをかけ
る。
【0040】パルス信号(a)が発生すると、トグルフ
リップフロップ59から、そのパルス信号(a)を基に
ガラス原盤50の回転周波数の2分の1の周波数の出力
信号(b)が出力され、ゲート回路60から、AOM4
2の外部入力信号となる出力信号(c)が出力される。
このときは、コントローラ58からゲート回路61への
信号はオフレベルであり、AOM42には信号は伝わら
ないので、原盤には何も記録されない。
【0041】続いて、横送りモータ56が駆動されて横
送りが開始される。横送りが定速移動となると、ゲート
回路61のゲートがオン状態にされ、ゲート回路60か
ら出力された出力信号(c)がゲート回路61を通して
AOM42へ入力される。
【0042】出力信号(c)がAOM42へ入力される
と、AOM42では、入力された出力信号(c)に基づ
いてHe−Cdレーザ41からのレーザ光の光強度変調
が行われる。すると、出力信号(c)に応じて溝が形成
され、図3に示す光学的情報記録媒体のようなグルーブ
の溝が、ガラス原盤50上に形成される。
【0043】上述のように、一定速度でレーザスポット
をディスク半径方向に移動させながら、出力信号(c)
に基づいてレーザ光の光強度変調を行って溝を形成した
ガラス原盤50をマスターディスクとして光ディスクを
作製すれば、図3に示す光学的情報記録媒体を得ること
ができる。
【0044】本実施例の光ディスク原盤露光装置では、
図2に示すパルス信号(a)のパルス幅t1 によって図
3に示すミラー部4の周方向の長さが決定される。この
ミラー部4の周方向の長さは、ガラス原盤上で2〜20
0μmとすることが望ましい。以下に、その理由につい
て説明する。
【0045】まず、図4を参照して、図3に示す光学的
情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再
生装置について説明する。
【0046】図4において、100は図3に示した光学
的情報記録媒体である。ここでは、ランド及びグルーブ
の双方にデータが記録され、その記録された情報が読み
取られる。
【0047】対物レンズ121はディスク100の記録
面に対向して配置されるピックアップレンズであり、図
示しないフォーカスサーボ回路及びフォーカスアクチュ
エータにより、この対物レンズ121から出射された光
がディスク100の記録面上に常に合焦するようその位
置が制御されている。
【0048】光学系122は、光源(不図示)および光
を電気信号に変換するセンサ(不図示)を備えている。
この光学系122では、光源から射出した光は上記の対
物レンズ121を介してディスク100の記録面上に所
定径の光スポットに集光され、その反射光が再び対物レ
ンズ121を介してセンサに集光されて電気信号に変換
される。
【0049】ATエラー信号生成回路123は、上記光
学系122の各センサから出力された電気信号を基にト
ラッキングエラー信号(a)を生成する。なお、光学系
122は、公知のプッシュプル法などのトラッキング方
式に対応しており、このATエラー信号生成回路126
におけるトラッキングエラー信号の生成は、その光学系
122におけるトラッキング方式に対応して生成され
る。
【0050】極性切替器128は、上記ATエラー信号
生成回路123にて生成されたトラッキングエラー信号
(a)の極性の切り替えを行うものである。
【0051】位相補償器129は、上記の極性切替器1
28にて極性が切り替えられたトラッキングエラー信号
(f)に対して、サーボを安定させるために位相補償を
行うものである。この位相補償器129の出力ライン
は、スイッチ130を介して加算回路132の一方の端
子に入力されている。このスイッチ130のスイッチの
制御はコントロール回路131により行われる。
【0052】加算回路132は、一方の入力端子に上記
位相補償器129の出力ラインがスイッチ130を介し
て接続されており、他方の入力端子にはコントロール回
路131の出力ラインが接続され、その出力はアクチュ
エータドライバ133に入力されている。
【0053】アクチュエータドライバ133は、加算回
路132から入力される信号を電流信号に変換し、対物
レンズ121の移動を行うATアクチュエータ134を
駆動する。
【0054】和信号生成回路124、ピークホールド回
路125、分圧抵抗126a,126b、2値化回路1
27はディスク上のミラー部4を検出してミラー部検出
信号を出力するミラー部検出手段である。これら各部
は、以下のような構成となっている。
【0055】和信号生成回路124は、光学系122の
センサから出力された電気信号を基に和信号(b)を生
成する。この和信号生成回路124における和信号の生
成は、光学系122におけるトラッキング方式に対応し
て生成される。例えば、プッシュプル法の場合は、2分
割フォトディテクタ(もしくは4分割フォトディテク
タ)の各センサ部の出力の和をとる。この和信号生成回
路124から出力された和信号(b)は、ピークホール
ド回路125に入力されるとともに2値化回路127の
一方の入力となっている。
【0056】ピークホールド回路125は、入力される
和信号のピーク値をホールドする回路で、その出力は分
圧抵抗126a,126bを介して2値化回路127の
他方の入力となっている。分圧抵抗126aは一端がピ
ークホールド回路125の出力ラインと接続されてお
り、他端が2値化回路127の他方の入力ラインと接続
されるとともに分圧抵抗126bの一端に接続されてい
る。分圧抵抗126bの他端は接地されている。このピ
ークホールド回路125から出力された和信号のピーク
ホールド値は、これら分圧抵抗126a,126bによ
って適当に分圧されてDCレベル信号(c)となり、こ
れが2値化回路127に入力されている。
【0057】2値化回路127は、和信号生成回路12
4から出力された和信号(b)を一方の入力とし、ピー
クホールド回路125から分圧抵抗126a,126b
を介して出力されたDCレベル信号(c)を他方入力と
し、これらを比較してトグルフリップフロップ135の
トリガとなる2値化信号(d)、すなわちミラー部検出
信号を出力するものである。
【0058】上述のミラー部検出手段から出力されるミ
ラー部検出信号、すなわち2値化回路127から出力さ
れた2値化信号(d)は、トグルフリップフロップ13
5へ出力されている。
【0059】トグルフリップフロップ135は、2値化
回路127から出力された2値化信号(d)をトリガと
して上述の極性切替器128における極性切替を制御す
るための極性切替制御信号(e)を生成するものであ
る。このトグルフリップフロップ135から出力された
極性切替制御信号(e)を基に極性切替器128におけ
る極性切替が制御される。
【0060】コントロール回路131は通常その構成に
CPUを含んでおり、トラッキングサーボのオンオフを
制御したり、目標トラックへの対物レンズ121の移動
を制御したりする他、極性切替器128を制御して、実
際に記録再生しようとする情報トラックの位置を基にそ
のトラックがグルーブであるのか、ランドであるのかを
判定してトラッキングエラー信号の極性切替も行うこと
もできる。トラッキングサーボのオンオフを制御する場
合は、スイッチ130のオン・オフを制御することによ
り行い、目標トラックへの対物レンズ121の移動を制
御する場合は、スイッチ130をオフにした状態で目標
トラックに対物レンズ121を移動させるための加速パ
ルスを発生させ、これを加算器132へ出力することに
より行う。
【0061】上述のように構成される情報記録再生装置
における動作において、最も重要なことは、ミラー部4
における反射率が他の部分よりも大きく、それが和信号
レベルに反映されてミラー部4の検出に利用できるとい
うことである。以下、この装置の動作について簡単に説
明する。
【0062】図5は図4に示す情報記録再生装置の動作
を説明するための図で、(a)はフォーカシングサーボ
のみ作動し、トラッキングサーボは作動していない状態
で、ディスク1の外周から内周方向に、あるグルーブ3
aからはじまりグルーブ3dまで光スポットがランド及
びグルーブを横切った状態を示す図、(b)は(a)に
示す光スポットの移動に応じたトラッキングエラー信号
(a)、和信号(b)、DCレベル信号(c)、2値化
信号(d)、極性切替制御信号(e)、およびトラッキ
ングエラー信号(f)の波形を示した図である。
【0063】まず、光スポットがスポットからスポッ
トまで単にランド/グルーブをディスク半径方向に横
切る場合の各出力信号について説明する。
【0064】ATエラー信号生成回路123から出力さ
れたトラッキングエラー信号(a)は、スポットで立
ち上がりゼロクロスし、スポットで立ち下がりゼロク
ロスし、再びスポットで立ち上がりゼロクロスし、ス
ポットで立ち下がりゼロクロスするといった周期的な
波形(正弦波状)となる。また、和信号生成回路124
から出力された和信号(b)は、上記トラッキングエラ
ー信号(a)の立ち上がりゼロクロスの時点で最小値、
立ち下がりゼロクロスの時点で最大値となる正弦波とな
る。この間、上記の和信号(b)の値はピークホールド
回路125から出力され分圧抵抗126a,126bに
より分圧されたDCレベル信号(c)の値より常に小さ
な値となっており、2値化回路127からは2値化信号
(d)として「0」が出力される。2値化回路127か
ら出力された2値化信号(d)が「0」のため、トグル
フリップフロップ135から出力される極性切替制御信
号(e)は「0」に保たれる。
【0065】上記のようにトグルフリップフロップ13
5から出力される極性切替制御信号(e)が「0」に保
たれた状態では、極性切替器128では極性の切り替え
は行われず(現在の極性に維持されている)、トラッキ
ングエラー信号(f)としてATエラー信号生成回路1
23から出力されたトラッキングエラー信号(a)がそ
のまま出力される。
【0066】次に、光スポットがスポットからミラー
部4を通過してスポットへ移動した場合について説明
する。
【0067】ATエラー信号生成回路123から出力さ
れたトラッキングエラー信号(a)は、ミラー部4を通
過するときにトラッキングエラー信号(a)のレベルが
0になると共に、その前後ではランド間の位相のずれに
したがってトラッキングエラー信の位相も180度反転
する。したがって、図5(a)に示すようなミラー部4
の前後で位相が180度反転した波形となる。
【0068】また、光スポットがミラー部4を通過する
場合、その光スポットがグルーブにかかることはないの
で、和信号生成回路124から出力された和信号(b)
は、上述のスポット,スポット(このスポットで
は、光スポットの一部はそのランドの両側に隣接するグ
ルーブにかかった状態となっている)における和信号
(b)よりも回折の影響がない分大きく、ピークホール
ド回路125から出力され分圧抵抗126a,126b
により分圧されたDCレベル信号(c)の値を越えるも
のとなる。したがって、図5(b)に示すようにミラー
部4においてのみDCレベル信号(c)の値を越え、ミ
ラー部4通過後は、上記トラッキングエラー信号(a)
の立ち上がりゼロクロスの時点で最小値、立ち下がりゼ
ロクロスの時点で最大値となる正弦波となる。
【0069】和信号生成回路124から上記和信号
(b)が出力されると、2値化回路127からは次のよ
うな2値化信号(d)が出力される。光スポットがミラ
ー部4を通過している間は、和信号(b)の値がDCレ
ベル信号(c)の値を越えることとなるため、2値化信
号(d)として「1」が出力され、光スポットがミラー
部4を通過した後は和信号(b)の値はDCレベル信号
(c)の値より常に小さなものとなるため、2値化信号
(d)として「0」が出力される。
【0070】2値化回路127から上記の2値化信号
(d)が出力されると、トグルフリップフロップ135
では、その2値化信号(d)のクロックの立上りをトリ
ガとし、極性切替制御信号(e)が「0」から「1」に
切り替わる。
【0071】トグルフリップフロップ135から極性切
替制御信号(e)として「1」が出力されると、極性切
替器128では極性の切替が行われ、トラッキングエラ
ー信号(f)としてATエラー信号生成回路123から
出力されたトラッキングエラー信号(a)を反転したも
のが出力される。一度、極性が切り替えられると、その
状態は2値化信号(d)として「1」が再び出力される
まで維持される。この結果、図5(b)に示すような、
ミラー部4の前後でも位相が連続したトラッキングエラ
ー信号(f)が得られることとなる。
【0072】以上は、説明のためにトラッキングサーボ
が掛かっていない場合についての各部信号を述べたが、
通常のトレース動作状態ではトラッキングサーボも掛か
っており、この場合も全く同様の回路を用いてミラー部
の検出を行うことができ、ミラー部においてトラッキン
グエラー信号の極性を切り換えることにより、ランドか
らグルーブ、グルーブからランドへの移行が滑らかに行
える。
【0073】以上のように、図3に示した光学的情報記
録媒体に対して情報の記録再生を行う場合は、ミラー部
4を検出し、その検出した信号をトリガーとしてトラッ
キングエラー信号の極性切替が行われて情報の記録再生
が行われることから、ミラー部4は、その周方向の長さ
がトラッキングサーボが外れない程度の長さで、かつピ
ックアップ光のスポットが十分収まる(スポットがグル
ーブにかかることのない)長さに形成されていることが
必要とされる。このことから、ミラー部4の周方向の長
さは、ガラス原盤上で2〜200μmとすることが望ま
しい。
【0074】<他の実施例>図6は、本発明の第2の実
施例の光ディスク原盤露光装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【0075】本実施例の光ディスク原盤露光装置は、ト
グルフリップフロップ59から出力された信号に基づい
てAOM42の外部入力信号を構成する回路が異なる以
外は、前述の第1の実施例の光ディスク原盤露光装置の
構成と同様の構成のものである。すなわち、図1に示す
ゲート回路60に代えて、PLL(phase-locked loop
)回路62、単安定マルチバイブレータ(MSMV)
63、およびゲート回路64が設けられている。なお、
図中、同じ構成部については同じ動作をするものとし、
同じ符号を付してある。
【0076】PLL回路62は、内部に発信器を有し、
所望の周波数の信号を外部クロック信号に同期させて出
力させるものである。本実施例では、PLL回路62は
トグルフリップフロップ59の出力を入力としており、
内部発振器の周波数が入力信号(トグルフリップフロッ
プ59の出力)の(2n−1)倍(nは自然数)に設定
されている。このPLL回路62では、同期状態におい
て出力される出力信号(d)は図7に示すような波形と
なり、ガラス原盤50の回転周波数の((2n−1)/
2)倍の周波数で、かつ、ガラス原盤50の回転に同期
した信号が得られる。このPLL回路62からの出力信
号(d)は、単安定マルチバイブレータ63のトリガー
信号とされるとともに、ゲート回路64の一方の入力と
されている。
【0077】単安定マルチバイブレータ63は、PLL
回路62からの出力信号(d)をトリガーとして、図7
に示すようなパルス幅t2 のパルス信号(e)を出力す
る。この単安定マルチバイブレータ63の出力は、ゲー
ト回路64の他方の入力となっている。ここで、単安定
マルチバイブレータ63の働きは、信号(d)をトリガ
として、パルス幅t2 の信号(e)を発生させることに
あるので、同様の作用を持つ回路、例えばカウンタ回路
などに置き換えても差し支えない。
【0078】ゲート回路64は、PLL回路62からの
出力信号(d)を一方の入力、単安定マルチバイブレー
タ63からのパルス信号(e)の反転出力を他方の入力
とし、これらの論理積をとって図7に示すような出力信
号(f)を出力する。このゲート回路64の出力信号
(f)がAOM42の外部入力信号であり、レーザ光強
度の変調がこの出力信号(f)の周期で行われる。本実
施例では、図7に示すように、出力信号(f)は出力信
号(d)に対して、「1」のレベルの時間がパルス信号
(a)のパルス幅t2 の時間分短く、「0」のレベルの
時間がパルス信号(a)のパルス幅t2 の時間分長くな
っている。
【0079】本実施例では、出力信号(e)の「1」の
レベルでレーザ光による溝の形成を行うこととし、単安
定マルチバイブレータ63から出力されるパルス信号
(e)のパルス幅t2 を、 t2 =(1×10-6)/V〜(100×10-6)/V [S] (ただし、Vはレーザスポット位置におけるガラス原盤
の線速度)で与えれば、前述の第1の実施例の光ディス
ク原盤露光装置のようにミラー部を形成することができ
る。この場合、ミラー部は図8に示すように周方向に複
数設けることができ、各ミラー部はディスク半径方向に
揃ったものとなる。
【0080】本実施例の光ディスク原盤露光装置では、
図7に示すパルス信号(e)のパルス幅t2 によって図
8に示すミラー部の周方向の長さが決定される。このミ
ラー部4の周方向の長さは、前述した理由から第1の実
施例の場合と同様にガラス原盤上で2〜200μmとす
ることが望ましい。
【0081】なお、本実施例の光ディスク原盤露光装置
では、PLL回路62の内部発振器の周波数は入力信号
(トグルフリップフロップ59の出力)の(2n−1)
倍(nは自然数)に設定されているが、n=1とした場
合には、PLL回路62を省略してその入出力を短絡し
ても動作は全く同じものとなる。この場合、作製された
基板は第1の実施例の光ディスク原盤露光装置により作
製された基板と全く同じ形態となる。
【0082】また、一般的に図3または図8に示すよう
な記録媒体を扱う場合は、記録領域全体を数百バイトか
ら数キロバイトの小領域に分けたセクタと称する領域を
設け、実際の情報記録再生に当たってはセクタ毎に行う
ことにより記録情報の管理を容易にしている。本実施例
の光ディスク原盤露光装置では、1周の中でのセクタ数
を(2n−1)個に設定して、PLL回路62の内部発
信器の周波数をセクタ数に合わせることにより、セクタ
毎にミラー部を設けることができる。
【0083】以上、第1および第2の実施例にて説明し
た光ディスク原盤露光装置は、いずれもAOM42にお
けるレーザ光の光強度の変調周期を、ガラス原盤の回転
に同期した状態で1周期におけるレーザ光が照射される
時間が照射されない時間より短くなるようにすることを
特徴としている。すなわち、レーザ光の光強度の変調周
期をFとした場合に、変調周期Fを F=2T/(2n−1) (nは自然数、Tはガラス原
盤の回転周期) で与え、レーザ光を照射する時間をF/2未満とし、こ
れによりミラー部を形成している。
【0084】なお、上述の第1および第2の実施例で
は、AOM42の変調周期を決定する回路が異なるもの
について説明しているが、その構成は図示された構成に
限定されるものではなく、AOM42におけるレーザ光
の光強度の変調周期がガラス原盤の回転に同期した状態
で1周期におけるレーザ光が照射される時間が照射され
ない時間より短くなるようにできればよい。
【0085】また、本発明の光ディスク原盤露光装置で
は、対象となる光学的情報記録媒体には、WORM型
(追記)型、R/W(書き換え可能)型を用いることが
でき、CAV(Constant Angular Velocity;回転数一
定)方式、またはディスク半径方向にいくつかのゾーン
に分け、外周側のゾーンほど回転速度を遅くするZCA
V(Zoned CAV)方式において、特長を最大限に引き出
すことができる。
【0086】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0087】請求項1に記載のものにおいては、ランド
となる部分の両周端(すなわち、グルーブとなる部分と
の境界部)にミラー部が形成されるので、ディスク周方
向においてミラー部を介してランドとグルーブが連続す
る光ディスク、例えば、図3および図8に示すような光
学的情報記録媒体の原盤を作製でき、大容量の光ディス
クを提供することができるという効果がある。
【0088】請求項2および請求項3に記載のものにお
いては、上記効果を奏する光ディスク原盤露光装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の光ディスク原盤露光装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光ディスク原盤露光装置のAOM4
2の変調周期を説明するためのもので、分周回路57、
トグルフリップフロップ59、およびゲート回路60の
各出力信号の波形を示した図である。
【図3】ディスク周方向においてミラー部を介してラン
ドとグルーブが連続する光学的情報記録媒体の構成の一
例を示す図である。
【図4】図3に示す光学的情報記録媒体に対して情報の
記録再生を行う情報記録再生装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図5】図4に示す情報記録再生装置の動作を説明する
ための図で、(a)はフォーカシングサーボのみ作動
し、トラッキングサーボは作動していない状態で、ディ
スク1の外周から内周方向に、あるグルーブ3aからは
じまりグルーブ3dまで光スポットがランド及びグルー
ブを横切った状態を示す図、(b)は(a)に示す光ス
ポットの移動に応じたトラッキングエラー信号(a)、
和信号(b)、DCレベル信号(c)、2値化信号
(d)、極性切替制御信号(e)、およびトラッキング
エラー信号(f)の波形を示した図である。
【図6】本発明の第2の実施例の光ディスク原盤露光装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す光ディスク原盤露光装置におけるA
OM42の変調周期を説明するためのもので、分周回路
57、トグルフリップフロップ59、PLL回路62、
MSMV63、およびゲート回路64の各出力信号の波
形を示した図である。
【図8】ディスク周方向においてミラー部を介してラン
ドとグルーブが連続し、1周当たりにミラー部が複数形
成された光学的情報記録媒体の構成の一例を示す図であ
る。
【図9】螺旋状にトラックを形成したディスク型の光学
的情報記録媒体の一例を示す図である。
【符号の説明】
2a,2b ランド 3a,3b,3c グルーブ 4 ミラー部 40 シリンドリカルレンズ 41 He−Cdレーザ 42 AOM(音響光学変調器) 43 ビームエキスパンダ 44,47 ハーフミラー 45 対物レンズ 46 He−Neレーザ 48 集光レンズ 49 センサ 50 ガラス原盤 51 ディスク押え 52 ターンテーブル 53 スピンドルモータ 54 ロータリエンコーダ 55 横送りネジ 56 横送りモータ 57 分周回路 58 コントローラ 59 トグルフリップフロップ 60,61,64 ゲート回路 62 PLL回路 63 単安定マルチバイブレータ(MSMV)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材が塗布されたガラス原盤を回転さ
    せる回転機構と、前記ガラス原盤にレーザ光を照射して
    感光させる露光系と、前記ガラス原盤上におけるレーザ
    スポット位置がディスク半径方向に相対的に移動するよ
    うに前記露光系もしくは前記回転機構を横送りする横送
    り機構とを備え、前記ガラス原盤を一定の回転速度で回
    転させ、一定の速度で横送りしながらレーザ光を照射し
    てガラス原盤上に溝を形成する光ディスク原盤露光装置
    において、 前記レーザ光の光強度を2値に変調する変調回路と、 前記回転機構におけるガラス原盤の回転周期Tに基づい
    て、前記変調回路におけるレーザ光の光強度の変調周期
    Fを決定する手段と、を有し、 前記変調回路におけるレーザ光の光強度の変調周期F
    を、 F=2T/(2n−1) (nは自然数) とし、レーザ光を照射する時間をF/2未満とすること
    を特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ディスク原盤露光装
    置において、 変調周期Fを決定する手段は、 回転機構におけるガラス原盤の回転周期Tを検出するロ
    ータリエンコーダと、前記ロータリエンコーダにて検出
    された回転周期Tに基づいて、所定パルス幅のパルス信
    号を出力する分周回路と、 前記分周回路から出力されたパルス信号に基づいて、前
    記回転周期Tの2倍の周期のクロックを出力するトグル
    フリップフロップと、 前記分周回路から出力されたパルス信号を反転したもの
    を一方の入力、前記トグルフリップフロップから出力さ
    れたクロックを他方の入力とし、これらの論理積をとっ
    たものを変調回路のゲート信号として出力するゲート回
    路と、から構成されていることを特徴とする光ディスク
    原盤露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光ディスク原盤露光装
    置において、 変調周期Fを決定する手段は、 回転機構におけるガラス原盤の回転周期Tを検出するロ
    ータリエンコーダと、 前記ロータリエンコーダにて検出された回転周期Tに基
    づいて、第1のパルス信号を出力する分周回路と、 前記分周回路から出力された第1のパルス信号に基づい
    て、前記回転周期Tの2倍の周期の第1のクロックを出
    力するトグルフリップフロップと、 内部に発振器を有し、前記トグルフリップフロップから
    出力された第1のクロックと位相の同期した所望の周波
    数の第2のクロックを出力するPLL回路と、 前記PLL回路から出力された第2のクロックに基づい
    て、所定パルス幅の第2のパルス信号を出力するパルス
    発生器と、 前記パルス発生器から出力された第2のパルス信号を反
    転したものを一方の入力、前記PLL回路から出力され
    た第2のクロックを他方の入力とし、これらの論理積と
    ったものを変調回路のゲート信号として出力するゲート
    回路と、から構成され、 前記PLL回路の内部発振器の周波数が前記トグルフリ
    ップフロップから出力された第1のクロックの周波数の
    (2n−1)倍(nは自然数)に設定されていることを
    特徴とする光ディスク原盤露光装置。
JP7181479A 1995-04-28 1995-07-18 光ディスク原盤露光装置 Pending JPH0935268A (ja)

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DE69624615T DE69624615T2 (de) 1995-04-28 1996-04-26 Optisches Informationsaufzeichnungsmedium, optisches Informationsaufzeichnungs-/-wiedergabegerät unter Verwendung dieses Mediums, und Originalplattenbelichtungsgerät zu seiner Herstellung
EP96302973A EP0740291B1 (en) 1995-04-28 1996-04-26 Optical information recording medium; optical information recording/reproducing apparatus using the medium, and master disk exposure apparatus for producing the same

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