JPH0933338A - 火災検知方法 - Google Patents

火災検知方法

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JPH0933338A
JPH0933338A JP18885695A JP18885695A JPH0933338A JP H0933338 A JPH0933338 A JP H0933338A JP 18885695 A JP18885695 A JP 18885695A JP 18885695 A JP18885695 A JP 18885695A JP H0933338 A JPH0933338 A JP H0933338A
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JP
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fire
infrared
frequency
infrared ray
flame
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JP18885695A
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English (en)
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Hironobu Takada
洋信 高田
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Itachibori Manufacturing Co Ltd
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Itachibori Manufacturing Co Ltd
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  • Fire-Detection Mechanisms (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】火災発生の検知に際し、火点から発せられる赤
外線を検出することで高精度の検知を可能とする火災検
知方法を提供すること。 【構成】火点から発せられる赤外線を、一定のサンプリ
ング時間毎に赤外線検出手段によって検出し、この検出
される赤外線強度データの一定個数毎の移動平均と、一
定個数毎の移動分散と、サンプリング時間毎の変差と、
一定個数当たりの変化率と、当該強度データに基づいて
観測される炎のちらつき周波数とをそれぞれ求め、前記
変差が変動しており、且つ強度データの一定個数当たり
の変化率が所定の範囲内に有り、しかも前記移動平均の
ピーク値間の経過時間から求められる周波数成分の存在
のもとで前記ちらつき周波数が所定の範囲内にある時
に、前記移動分散の値によって火災か非火災かを判定す
る火災検知方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火災発生の検知に際し、
火点から発せられる赤外線を検出することで高精度の検
知を可能とした、火災検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より火災を検知するものとして、火
災の発生に伴う光学情報を利用した種々の火災検知方法
や装置が提案されている。例えば、特開平5−1591
76号公報、特開平5−67280号公報、特開平6−
282775号公報に記載されているものがその代表例
として挙げられる。先ず特開平5−159176号につ
いては、火点からの多波長の赤外線を同時に検出して火
災と非火災の区別を明確化するものである。具体的に
は、火点から放射される赤外線を複数の波長帯で検出
し、各波長帯間の赤外線強度の比と赤外線強度の絶対値
によって火災か否かを判断する火災検知方法において、
各波長帯間の赤外線強度の比にから求めた温度と赤外線
強度の絶対値から求めた火点の面積から、火点の放射エ
ネルギーをステファン−ボルツマンの法則に基づいて求
めることで、火点が火災であるか否かを判断するもので
ある。
【0003】次いで特開平5−67280号に記載のも
のは、時間軸を所定の時間間隔で区間に分割し、紫外線
センサから出力される放電パルスの個数を、前記分割さ
れた区間ごとにカウント値として計数し、カウント値保
持部において各区間ごとのカウント値を保持し、最新の
区間で計数されたカウント値とともに、カウント値保持
部に保持されている過去の区間で計数された前記カウン
ト値をも考慮して炎の発生判断を行うことにより、火災
時等に発生する炎を確実にかつ早期に検出しようとする
ものである。
【0004】そして特開平6−282775号は、先ず
検出手段によって火災発生に伴う火炎を検出し、その検
出出力から炎のちらつき周波数帯域における複数の異な
った周波数成分を抽出することで火炎の大小を判別し、
次に火炎の絶対エネルギー値から火炎までの距離を判別
する火災検出装置に関するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先ず特開平5−159
176号については、火点からの多波長の赤外線を同時
に検出して火災と非火災の区別を明確化するにあたり、
各波長帯間の赤外線強度の比から求めた温度と赤外線強
度の絶対値から求めた火点の面積から、火点の放射エネ
ルギーをステファン−ボルツマンの法則に基づいて求め
て判断するものであるため、火点のピーク波長が変化す
ると検出精度が著しく低下してしまうという点が問題と
なる。すなわち、通常の火災では先ず紙屑等の燃え易い
ものが発火し、時間の経過とともに難燃建材等のより燃
えにくいものへと延焼していく場合が一般的であるた
め、主たる燃焼物の材質が時間の経過とともに変化する
ことが考えられる。従って火点から発せられる赤外線の
ピーク波長も当然ながら時間とともに変化すると考えら
れるが、上記ステファン−ボルツマンの法則では、火点
の放射エネルギーは、赤外線放射特性に基づく温度が一
定という条件下でのものであり、赤外線のピーク波長の
時間変化は考慮されていないことから、実火災の検出に
はその精度が問題となる。
【0006】次いで特開平5−67280号に記載のも
のは、火点から放射される紫外線強度の時間変化を考慮
して検出精度の向上を図ったものではあるが、火災以外
の火炎でかつ紫外線放射強度が時間とともに変化するよ
うな火点を精度良く分離することはできないと考えられ
る。すなわち、例えば石油ストーブの点火から定常燃焼
へと推移する過程でも、その火炎から発せられる紫外線
強度は、時間とともに変化することは明らかであり、こ
のような火点を実火災として判断してしまう可能性があ
るからである。
【0007】そして特開平6−282775号に記載の
ものは、先ず検出手段によって火災発生に伴う火炎を検
出し、その検出出力から炎のちらつき周波数帯域におけ
る複数の異なった周波数成分を抽出することで火炎の大
小を判別するものであり、火災か否かの判断を炎のちら
つき周波数に基づいて判断し、最終的にどの程度の距離
でどの程度の火災が発生しているかを出力するものであ
る。従って、炎のちらつき周波数によっては、非火災も
火災として判断してしまう可能性がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような現状から、
本発明者は種々の条件の火点から発せられる赤外線デー
タを、以下の実験によって詳細に検討し、本発明を完成
するに至った。図1には、本発明に伴って行われた実験
のフロー例を表している。以下、このフローに従って、
実験の内容を説明する。火点からの赤外線放射を、一般
的なセンサー等の赤外線検出手段によって検出し
(1)、50ミリ秒毎にA/D変換する(2)。次のス
テップの一方では、このA/D変換された赤外線強度デ
ータの、入力変差Vn −Vn-1 =ΔVn を求める
(3)。このΔVn が正で変動を繰り返す場合(4)に
はAとし、正・負で変動を繰り返す場合(5)にはBと
し、負で変動を繰り返す場合(6)にはCとする。また
ΔVn-1 /ΔVn をγn 、ΔVn-2 /ΔVn-1 をγn-1
というように、ある赤外線強度データとその一つ手前の
赤外線強度データとの比をγとし、変化率yを、y=
(tan-1γn-1 )/(tan-1γn )として求める
(7)。そして求められたyが、3秒の間に、±0.7
<y<±1.0の範囲で2回以上となると(8)Dと
し、常時−0.5≦y≦0.5の範囲内にあれば(9)
Eとし、また1.5<yと0.5>yが、それぞれ3回
以上となると(10)Fとする。さらに、(2)のデータ
から3個ずつの移動分散Zを求め、これが3秒の間でZ
≦3以下のみの場合(11)にKとし、Z>3が10回以
上となると(12)Lとし、Z>5が5回以上となると
(13)Mとし、またZ>10が3回以上となると(14)
Nとする。
【0009】また、(2)のA/D変換の後の他方の流
れとして、A/D変換された赤外線強度データの20個
毎の移動平均を求め、この移動平均の複数のピーク値間
の経過時間から周波数∫f0 (Hz)を求めて(15)こ
れをJとする。さらに、A/D変換された赤外線強度デ
ータを周波数変換し(16)し、炎のちらつきに起因する
ちらつき周波数f0 (Hz)を求め(17)、これが3秒
間で1.5倍以上の周波数変動となっていれば(18)G
とし、0.5倍以下の単調減少となっていれば(19)H
とし、0.6倍<f0 <1.4倍の範囲で安定していれ
ば(20)Iとする。
【0010】以上の一連のデータ処理により、A〜Jま
で10個の判定基準を作成し、火災を想定した26種類
の燃焼実験に対して、これらがどのように該当するかを
調べた。その結果を表1、表2にわたって示す。燃焼実
験の内容については条件欄に記述し、また判定欄には、
個々の燃焼実験が実火災に該当する内容の場合はYE
S、実火災に該当しない他の火点の場合はNOを記述し
ている。この実験の結果、限られたデータではあるが、
火災/非火災の違いとJの有無が、1:1に対応してい
ること、および移動分散の値が、ある一定レベルを越え
る場合、すなわち上記L,M,Nの場合が火災に対応し
ていることが明らかとなった。
【0011】
【表1】
【表2】
【0012】ここで、実際の火災時におけるこの∫f0
の周波数を調べるため、さらに燃焼実験を行った。その
結果を、表3に示す。表1、表2の実験で実火災と見な
せるものとして採用したものについて、その燃焼条件を
さらに変化させて行った。なお、比較用として、非火災
と見なせるガスコンロとガスストーブについても行っ
た。このような一連の実験においては、∫f0 は0.0
28Hz〜0.303Hzであったが、これはあくまで
実験値であるので、実火災の場合における上記周波数範
囲は0.01Hz〜0.5Hz程度になるものと思われ
る。
【0013】
【表3】
【0014】また表3のうち、TEST34についての
赤外線強度データから求められる移動平均のグラフを図
2に、また比較用のガスコンロの移動平均のグラフを図
3にそれぞれ示す。図は横軸に経過時間を、縦軸に赤外
線強度の相対値を取り、50ミリ秒毎の20個の移動平
均値をプロットしてグラフ化したものである。図から判
るように、火災の場合には移動平均にピークが現れ、非
火災の場合にはピークは見られない。そして複数のピー
ク値間の経過時間から、∫f0 の周波数を求めることが
できる。図2の例では、∫f0 は最も短いピークa−b
間の0.152Hzから、最も長いピークb−c間の
0.303Hzの範囲となっている。さらに図4とし
て、同TEST34の移動分散のグラフを、図5として
同比較用ガスコンロの移動分散のグラフをそれぞれ表し
ている。図から判るように、非災時には移動分散Zが全
て閾値以下(ここでは閾値Zth=3)となり、実火災に
よって閾値を越えている。
【0015】また、一定の赤外線強度で燃焼を続ける場
合、すなわち赤外線強度データのサンプリング時間毎の
変差が無い場合や炎に起因するちらつき周波数f0 が存
在しない場合は、当然ながら非火災であり、これらから
は非火災の判定を行うことができる。
【0016】以上に説明した種々の実験結果から、移動
平均と移動分散が火災時において特徴的な挙動を示すこ
と、および炎のちらつき周波数f0 や強度データの変動
が無い時は当然ながら非火災であると言える。また上述
の実験は実火災を想定はしているものの、限られた実験
であるので、より精度を高めるために本発明の方法、す
なわち「火点から発せられる赤外線を、一定のサンプリ
ング時間毎に赤外線検出手段によって検出し、この検出
される赤外線強度データの一定個数毎の移動平均と、一
定個数毎の移動分散と、サンプリング時間毎の変差と、
一定個数当たりの変化率と、当該強度データに基づいて
観測される炎のちらつき周波数とをそれぞれ求め、前記
変差が変動しており、且つ強度データの一定個数当たり
の変化率が所定の範囲内に有り、しかも前記移動平均の
ピーク値間の経過時間から求められる周波数成分の存在
のもとで前記ちらつき周波数が所定の範囲内にある時
に、前記移動分散の値によって火災を判定する火災検知
方法」とすることで、高精度の火災検知が実現できる。
【0017】
【作用】上記のように本発明に際しての実験から、火災
時の炎の特徴的な挙動が明らかになっている。この周波
数∫f0 は、移動平均にピークが存在して始めて求めら
れるものであるが、これは単なる炎のチラツキを意味す
るものではなく、発火した物質が燃焼していく過程で見
られる、比較的長い時間周期の火力の強弱を反映してい
るものと考えられる。この物質の燃焼過程における火力
の強弱は、ガスや灯油などを安定した燃焼条件下で燃焼
させる場合には発生せず、燃焼部位への空気の流通等、
時々刻々変化する条件下で、紙や木材等の物質が燃焼す
る場合にのみ発生する特徴的なものであると考えられ
る。また、移動分散についても定常的な燃焼では安定し
ている一方、上述の実火災の燃焼条件下ではばらつきが
大きくなる結果、ある閾値を越えることになる。このよ
うに本発明の火災検知方法における考え方は、安定的な
燃焼条件下にある火点と、時々刻々変化する流動的な燃
焼条件下にある火点とを区別することによって、火災と
非火災とを判別するものであると言える。このような基
準によって火災と非火災が判別できるのは、ストーブや
ガスコンロ等、生活者に便益を供するためのものは、一
般的に安定的な燃焼条件、すなわち前記例で言うなら
ば、赤外線強度データのサンプリング時間毎の変差が無
い場合や炎に起因するちらつき周波数f0 が存在しない
燃焼状態を前提としているためと考えられる。
【0018】従って、前述した従来技術と比較してみる
と、特開平5−159176号において問題となった火
点のピーク波長の変化については、本発明は波長の違い
を何ら利用していないので問題とならない。次いで特開
平5−67280号において問題となった紫外線強度の
変化については、本発明は赤外線強度の周波数成分とば
らつきを利用しているので問題とならない。さらに特開
平6−282775号において問題となった、炎のちら
つき周波数に起因する誤判断についても、本発明ではこ
の炎のちらつき周波数を、火災/非火災の主たる判断基
準として用いていないので問題とならない。すなわちこ
の炎のちらつき周波数f0 は、表2,表3から大まかに
は火災時に対応しているが、JやL,M,Nほどの明確
な対応が取れていないことが判る。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の火災検知方法の実施例を、
以上に説明したA〜Nの出力に基づく論理回路を用いて
説明する。図6〜図14は、本発明の火災検知方法にお
ける火災判定論理回路を示している。図中の演算子は全
て論理積(AND)回路であり、「Y」は火災判定、
「N」は非火災判定をそれぞれ表し、A〜Nまでのアル
ファベット記号は、図1中のものと対応している。以
下、図6〜図14に基づいて、火災/非火災判定の流れ
を図1を参照しつつ説明する。赤外線検出手段から得ら
れる赤外線強度データをA/D変換し、n個目のデータ
からn−1個目のデータを引いてサンプリング時間毎の
変差を出す。そしてこの変差(入力変差)の変動が、
正、正負、負のいずれかによって、A〜Cを出力する。
また、赤外線強度データの変化率を求め、その変化勾配
によってD〜Fを出力する。一方、A/D変換とともに
この赤外線強度データを周波数変換して、炎のちらつき
に起因するちらつき周波数f0 を求め、f0 の挙動の違
いによってG〜Iを出力する。さらに赤外線強度データ
の一定個数毎の移動平均を求め、そのピーク値間の経過
時間から求められる周波数成分∫f0 が存在すると、J
を出力する。また、赤外線強度データの一定個数毎の移
動分散を求め、その値の高低と出現頻度とによってK〜
Nを出力する。
【0020】このようなA〜Nの出力の組み合わせによ
って、火災/非火災が判定される。すなわち、A〜Cと
D〜Fが何方もONにならない時は、その時点で非火災
と判定し以降に進むことはない。A〜CとD〜Fが、い
ずれかの組み合わせでONになると、JとG,H,Iそ
れぞれの組み合わせによる、3通りの出力がONとな
る。そしてJとGおよびJとHの組み合わせについて
は、KがONで非火災と判定し、L,M,NがONでそ
れぞれ火災と判定する。また、JとIの組み合わせにつ
いては、AとD,E,Fの組み合わせがONの場合には
KがONで非火災と判定し、L,M,NがONの時にそ
れぞれ火災と判定する。同JとIの組み合わせにおい
て、BとD,E,Fの組み合わせ、またはCとD,E,
Fの組み合わせがONの場合には、K,LがONの時に
それぞれ非火災と判定し、M,NがONの時にそれぞれ
火災と判定する。以上の論理回路をフロー図で表したも
のを、図15に示している。図から明らかなように、本
発明の考え方は、A〜F、すなわち赤外線強度データの
変差と変化率で、赤外線量に反映される火力や火点の広
がりを確認し、G〜I、すなわち炎のちらつき周波数の
違いに応じて、移動平均(J)と移動分散(K〜N)の
組み合わせを用いて、炎が実火災かそうでないかを判定
するものである。
【0021】また図1のフローにおいて、A〜C出力お
よびG〜I出力は、3秒間という時間内に現れるか否か
によって出力するようになっているが、これはあくまで
実火災を想定しての判定実験の為のものであるので、実
際に本発明を使用するときには、このような時間の限定
をせず、該当の出力変化が現れるまでデータを取り込み
ながら、その出力が現れた時点で火災/火火災を判定す
ることも有効である。このような流れを取る主たる理由
は、例えばてんぷら鍋を使用している場合、普通にてん
ぷらを揚げているときには定常的なコンロの炎なので、
当然火災と判定されないが、油の過熱によって発火した
場合には、直ちに火災と判定できるようにするためであ
る。すなわち、上記3秒という時間を限定することで、
3秒毎のデータのリセットが必要であり、このようなタ
イムラグを防止して少しでも迅速な火災判定を行えるこ
とを狙うためである。
【0022】以下にさらに具体的な実施例として、本発
明の火災検知方法を利用した火災検知装置について説明
する。本発明は、検知対象視野内の火点から放射される
赤外線を検出する赤外線検出手段と、検出された赤外線
から、図1にフローにおけるA〜Nを出力するととも
に、移動平均から周波数∫f0 や移動分散Zを求めて火
災/非火災を判断する火災判定手段と、信号処理手段か
らのデータに基づいて火災時の発報を行う発報手段と、
を備えた火災検知装置として利用することで実現でき
る。しかしながら、例えば一般家庭において一つの部屋
を検知対象視野とすると、仮にこの一つの部屋内に、火
災と非火災に起因する複数の火点が同時に存在したとす
ると、火災判定の精度が低下してしまうことも考えられ
る。
【0023】このため、より好ましい火災検知装置の例
としては、赤外線検出手段の視野を狭くしておき、火点
の存在のみを紫外線によって検出し、火点の存在が検出
された後に赤外線検出手段を火点方向に向けた後、本発
明の方法によって火災/非火災を判断する構成があげら
れる。すなわち、この場合の火災検知装置としては、図
16に示すように、建築物の内部に設置される火災検知
装置であって、検知対象領域全域を一視野の測定範囲と
して火炎発生点からの紫外線を検出する紫外線検出手段
1と;検知対象領域内の特定範囲を検知対象視野として
当該視野内の赤外線を検出する赤外線検出手段3と;紫
外線検出手段1を受けて火点の存在を認識した後、赤外
線検出手段3からの赤外線を、一定のサンプリング時間
毎に検出し、上記A〜Nの出力に基づいて火災/非火災
を判定する火災判定手段5と;赤外線検出手段3を火点
方向に移動させる検出用駆動手段7と;を備えた構成が
例示できる。
【0024】以下さらに詳細に説明すると、紫外線検出
手段1は紫外線センサとなる光電管(UVトロンと記
す)11、ゲートタイマ13、カウンタ15、出力回路
17よりなり、ゲートタイマ13によって時間軸を所定
の時間間隔で区間に分割するとともに、カウンタ15に
よって光電管11からのパルス出力の個数を、分割され
た区間ごとにカウント値として計数する。そしてこの計
数値に基づいて、出力回路17から紫外線強度に応じた
出力が得られる。赤外線検出手段3は一例として、サー
モパイル等の赤外線検出器19、温度補償用のサーミス
タ21、リニアアンプ等の増幅回路23、加算回路2
5、補正回路27、感度調節回路29からなる構成を取
っている。赤外線検出器19に赤外線が入射すると、入
射強度に応じた電圧が発生し、これが増幅回路23によ
って増幅される。一方、赤外線の放射特性は温度によっ
て大きく変化するため、別途設けられたサーミスタ21
によって温度に応じた出力を取り出し、検出電圧と同
様、増幅回路23によって増幅される。これら赤外線検
出器19とサーミスタ21から得られる増幅出力は、加
算回路25を通して正味の赤外線放射対応出力として補
正回路27に送られてノイズ除去等の処理を施した後、
感度調節回路29に送られ、これが赤外線検出手段3か
らの出力となる。ここで、この感度調節回路29は検出
対象となる火炎の大きさ等の基準を設定するものであ
り、具体的には負帰還増幅の抵抗値を可変する等の方法
が用いられる。また赤外線検出器19の前面には、4.
3μmの波長光を透過させるバンドパスフィルタが設け
られている。この波長はCO2 の吸収帯に相当するもの
であり、火災時に多く放出される赤外線の波長帯であ
る。火災判定手段5は本例においては、後述する制御手
段9とともに、図示するような一つのマイコンチップ3
1内に構成され、紫外線検出手段1および赤外線検出手
段3からの出力は、A/D変換器33によってアナログ
出力からデジタル出力に変換されて入力されるようにな
っている。なお、一つのマイコンチップ以外にも、火災
判定手段5と後述する制御手段9を個々のICや、ハイ
ブリッド基板等の回路基板で構成してもよい。そしてこ
の火災判定手段5には、前述したように火災時に特徴的
に見られる移動平均のピーク値から求められる周波数∫
0 と移動分散Zとを、予め赤外線放射特性データとし
て保有しており、上述した本発明の方法によって、存在
する火点が実際の火災かどうかを判定する。
【0025】また検出用駆動手段7には、一旦赤外線検
出手段3を検知対象領域全域を対象として走査駆動する
とともに、火点位置の特定機能として例えば赤外線の入
射強度が最大となる位置に復帰させて固定する機能が要
求されるので、図示するように、回転数制御が可能なス
テッピングモーター35を用いることが望ましい。そし
てこのステッピングモーター35は、制御手段9から駆
動信号を受けたステッピングモータードライバー37か
らの出力によって駆動される。そして、検知対象領域内
で赤外線の入射強度が最大となる位置をもって測定位置
として特定し、当該位置で制御手段9からの信号を受け
て赤外線検出手段3を固定する。そして火災と判定した
ときには、アラームやブザー等の発報手段39から火災
警報を発報することもできる。さらに赤外線検出手段3
は必ず火点の方向を向いているので、この赤外線検出手
段3に放水銃を取り付けておき、火災の判定に続いて制
御手段9からの放水銃信号を受けて放水を開始できる構
成にすることもでき、消火装置としての機能を付加した
火災検知装置を構成することもできる。
【0026】このような火災検知装置における火災判定
手段5のデータ処理手順は、図1のアルゴリズムを基
に、図6〜図14の論理回路によって行われる。なお図
16においては、赤外線検出手段3を3台使用した例を
示しているが、これは赤外線検出手段3を一方向に走査
駆動するだけで検知対象領域全域がカバーできるように
構成しているためである。すなわち、例えば屋内の壁面
に本例の火災検知装置を設置した場合で考えると、設置
位置から検知対象領域の俯仰角方向を3台の赤外線検出
手段3によってカバーし、これを横方向に旋回走査する
ことで検知対象領域全域がカバーすることができる。こ
のようにすると、赤外線の入射強度が最大となる位置
が、赤外線検出手段3の旋回角のみの1個のデータによ
って決定することができ、機器の簡略化につながる。し
かしながら、一台の赤外線検出手段3を用い、俯仰角と
旋回角の両方向に走査駆動することも勿論可能である。
【0027】次に火災検知装置の具体的構造例を、図1
7に示す。図例は、壁面の天井近傍に設けられ、赤外線
検出器19としてサーモパイルを用い、40°の視野角
を有するCaF2 の赤外線レンズ41を備えた3個の赤
外線検出手段3a〜3cを、壁面43との取り付け角度
を変えて取り付けたものである。この3個の赤外線検出
手段3は、図例のような側面視略扇形の筐体45内に収
容され、筐体45の側面には放水銃ユニット47が取り
付けられている。この放水銃ユニット47は放水銃49
と放水銃駆動用のステッピングモーター51からなり、
図16に示した制御手段9となるマイコンチップ31か
らの信号によって駆動される。そして、前述の制御手段
9を含むマイコンチップ31や、その他本発明の火災検
知方法に必要な付帯回路53は、筐体45の上部に取り
付けられている。また、この筐体45は、壁面43に平
行な回転中心軸55を中心として旋回可能に設けられ
た、ステッピングモーター等の検出用駆動手段7に取り
付けられ、壁面43に対して約180°の旋回走査が可
能となっている。そして赤外線レンズ41の前方にはス
リット57が設けられ、俯仰角方向の線状の視野が赤外
線検出器19に与えられる。
【0028】以下、この火災検知装置の動作について説
明する。紫外線検出手段1によって炎が検出されると、
検出用駆動手段7の動作によって筐体45が旋回動作
し、スリット57から入射する炎からの赤外線を検出し
た位置で筐体45を固定する。一方、3個の赤外線検出
手段3はそれぞれ40°の視野角を有しており、それぞ
れの視野は10°の重なり角での重畳関係にあるので、
視野θ1 は最上部の赤外線検出手段3aのみによって、
視野θ2 は最上部の赤外線検出手段3aと中間の赤外線
検出手段3bの両方によって、視野θ3 は中間の赤外線
検出手段3bのみによって、視野θ4 は中間の赤外線検
出手段3bと最下部の赤外線検出手段3cの両方によっ
て、視野θ5 は最下部の赤外線検出手段3cのみによっ
てそれぞれカバーされる。従って、検出用駆動手段7の
停止によって筐体45が固定された状態で、3a〜3c
のうち、どの赤外線検出手段3から出力されているかを
判断し、火点が上記θ1 〜θ5 のうちの、どの視野内に
存在しているかを判定する。こうして火点の存在視野が
特定できると、その視野の中心に放水銃49が向くよ
う、検出用駆動手段7によって放水銃49の俯仰角を動
かして固定する。ここで、放水銃ユニット47は筐体4
5に固定されているので、筐体45が所定位置に固定さ
れると、旋回角方向の位置も決定されることになる。ま
た、放水銃の放水範囲は、例えば35°×5°程度の範
囲に設定され、前記視野θ1 〜θ5 の中心位置に固定す
るだけで、全ての放水範囲がカバーできる。従って、上
記5つの視野中央に対応する5つの固定位置によって制
御するだけで事足りるのである。
【0029】また、前記図17の例以外にも、例えば赤
外線検出手段3を約90°〜95°の適当な範囲の視野
角とし、一方向にサーモパイルの単位素子を配列した、
一次元の赤外線検出器19を用いて検出することもでき
る。これは赤外線検出手段3が天井面レベルに位置しな
いので、90°以上の視野角が必要なためである。この
場合は、基準方向から何番目の単位素子から出力されて
いるかを判定し、当該単位素子に対応する俯仰角に放水
銃49を向ければよい。従って、放水銃49の固定され
るべき位置は、前記単位素子の数となる。
【0030】
【発明の効果】本発明の火災検知方法によれば、上記作
用の項で説明したところにより、以下の優れた効果が得
られる。本発明の火災検知方法は、安定的な燃焼条件下
にある火点と、時々刻々変化する流動的な燃焼条件下に
ある火点とを区別することによって、火災と非火災とを
判別するものであると言える。従って、前述の従来の方
法において問題となっていた、火点のピーク波長の変化
や紫外線強度の変化、および炎のちらつき周波数に起因
する誤判断等の諸問題を解決し、極めて精度が高く誤判
定の少ない火災検知方法となる。また、紫外線検出と組
み合わせることで、先ず検知対象領域内の火点の存在を
判定した後に、火点の火災/非火災を判定する火災検知
装置が構成できる。そして、この紫外線による判定の後
に、赤外線検出手段を走査して火点方向に向けることも
できる。このような構成により、赤外線検出手段に放水
銃等を取り付けておけば、火災の判定と同時に迅速かつ
正確な消火作業を行うこともでき、より安全確保のため
に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に伴って行われた実験のフローを表す説
明図
【図2】火災を想定した火点の赤外線強度データから求
められる移動平均を表す説明図
【図3】非火災を想定した火点の赤外線強度データから
求められる移動平均を表す説明図
【図4】火災を想定した火点の赤外線強度データから求
められる移動分散を表す説明図
【図5】非火災を想定した火点の赤外線強度データから
求められる移動分散を表す説明図
【図6】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説明
【図7】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説明
【図8】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説明
【図9】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説明
【図10】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説
明図
【図11】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説
明図
【図12】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説
明図
【図13】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説
明図
【図14】本発明の火災検知方法の論理回路例を表す説
明図
【図15】図6〜図14までの論理回路による判定フロ
ーを表す説明図
【図16】本発明を利用した火災検知装置の構成例を表
す説明図
【図17】本発明を利用した火災検知装置の構造例を表
す説明図
【符号の説明】
1 紫外線検出手段 3 赤外線検出手段 5 火災判定手段 7 検出用駆動手段 9 制御手段 11 光電管 13 ゲートタイマ 15 カウンタ 17 出力回路 19 赤外線検出器 21 サーミスタ 23 増幅回路 25 加算回路 27 補正回路 29 感度調節回路 31 マイコンチップ 33 A/D変換器 35 ステッピングモーター 37 ステッピングモータードライバー 39 発報手段 41 赤外線レンズ 43 壁面 45 筐体 47 放水銃ユニット 49 放水銃 51 ステッピングモーター 53 付帯回路 55 回転中心軸 57 スリット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火点から発せられる赤外線を、一定のサン
    プリング時間毎に赤外線検出手段によって検出し、この
    検出される赤外線強度データの一定個数毎の移動平均
    と、一定個数毎の移動分散と、サンプリング時間毎の変
    差と、一定個数当たりの変化率と、当該強度データに基
    づいて観測される炎のちらつき周波数とをそれぞれ求
    め、 前記変差が変動しており、且つ強度データの一定個数当
    たりの変化率が所定の範囲内に有り、しかも前記移動平
    均のピーク値間の経過時間から求められる周波数成分の
    存在のもとで前記ちらつき周波数が所定の範囲内にある
    時に、前記移動分散の値によって火災を判定する火災検
    知方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100492189B1 (ko) * 2002-09-11 2005-06-02 주식회사 금륜방재산업 원 거리 화재 탐지 식별 장치
KR100721881B1 (ko) * 2001-03-13 2007-05-25 가부시끼가이샤 신 쿠루시마 도꾸 선박 기관실에 있어서의 화재 탐지 시스템 및 국소 소화 시스템
WO2019013079A1 (ja) * 2017-07-10 2019-01-17 モリタ宮田工業株式会社 消火設備

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