JPH09330092A - 音場再生装置及び電子楽器 - Google Patents

音場再生装置及び電子楽器

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JPH09330092A
JPH09330092A JP8151025A JP15102596A JPH09330092A JP H09330092 A JPH09330092 A JP H09330092A JP 8151025 A JP8151025 A JP 8151025A JP 15102596 A JP15102596 A JP 15102596A JP H09330092 A JPH09330092 A JP H09330092A
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JP
Japan
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sound
speaker
musical instrument
direct
electronic musical
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JP8151025A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Torii
克彦 鳥居
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子楽器において、楽器の種類に応じた奥行
き方向の広がりを体感させるような残響効果を与える。 【解決手段】 ステレオ演奏方式の電子楽器において、
左右のスピーカ15,16のほぼ中央に第3のスピーカ
19を設ける。そして、左右のスピーカ15,16から
楽器の直接音を放音すると共に、この直接音に所定時間
遅れて、第3のスピーカ19から初期反射音を放音す
る。 【効果】 A1点に最初の到来音の左右方向定位が得ら
れたとすると、これにわずかに遅れて到来する初期反射
音の定位は図示Vの様に中央に定位を持つので、演奏者
Pは発音源がA0点にあるかの如く、奥行きを体感す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残響効果を表現す
る音場再生装置及び電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、シンセサイザーなどの電子楽器に
おいてホールの音場を再現できるようにリバーブ機能を
備えたものが知られている。こうしたリバーブ機能を実
現する手段としては、例えば図8に示す様に、音源回路
110とD/A変換器120との間にデジタルシグナル
プロセッサー(DSP)130を備える様にしたものが
知られている。DSP130は、遅延回路と減衰回路と
を組み合わせた残響音生々回路131を備えており、音
源回路110から出力されるデジタル信号を、所定時間
遅延すると共に減衰させた電気信号を生成して元の信号
に加算するようになっている。
【0003】こうした装置では、音源回路110にて発
音源から聴取者の位置に直接到来する直接音の電気信号
を出力し、この電気信号を周波数特性や残響時間を考慮
して減衰させた電気信号を所定時間遅延して加算するこ
とにより、直接音に遅れて到来する残響音を含む広がり
のある楽音を再現できるようになっている。
【0004】このような構成により、従来の電子楽器に
よれば、ホールで演奏をしている様な音場感覚で楽音を
再現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この様に全
体に広がりをもった楽音を再現できる反面、残響音が混
ざりあって輪郭のぼやけた音質となり、発音源の定位が
分かりにくくなるという問題がある。特に、発音源の奥
行き方向の定位がはっきりしないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、奥行き方向の広がりを
体感させるような残響効果を与えることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】かかる目的を達成するためになされた本発明
の音場再生装置は、直接音を放音すると共に、該直接音
に所定時間遅れて残響音を放音することにより、楽音に
リバーブ効果を与える音場再生装置において、前記残響
音を放音する残響音専用スピーカと、前記直接音を放音
する直接音専用スピーカとを別々に設け、前記残響音専
用スピーカを、前記直接音専用スピーカに対して横方向
にずらして配置したことを特徴とする。
【0008】この音場再生装置は、図1に示す様な原理
を利用したものである。いま、図示の様に、聴取者Mの
右にL1だけ離れて壁Wが存在する室内で、真正面に距
離L2だけ離れて設置された発音源SSから楽音を放音
すると仮定する。すると、まず直接音が真正面から聴取
者Mの位置へ到来すると共に、これより少し遅れて壁W
で反射した初期反射音が右斜め前方から到来する。この
結果、聴取者Mは、最初に到来した直接音の到来方向
と、次ぎに到来した初期反射音の到来方向とから、目を
閉じていても、壁W上に頂点を有する二等辺三角形の底
角の位置に発音源が存在することを理解する。
【0009】本発明の音場再生装置は、このような心理
的作用を利用し、図2に例示した様に、モノラル方式に
よる音場再生装置であれば、聴取者Mの正面前方位置
と、例えば右斜め前方位置にそれぞれスピーカSP1,
SP2を配置し、正面側のスピーカSP1から直接音を
放音し、もう一つのスピーカSP2から残響音を放音す
るようにしてやると、聴取者Mに対して、スピーカSP
2の位置に仮想壁W’が存在する如く感じさせ、あたか
も、図示SS’の位置に発音源が存在する様な奥行きの
ある音場を感じさせることができる。
【0010】また、本発明の音場再生装置によれば、残
響音の到来方向を直接音の到来方向と区別して把握でき
ることから、楽音の輪郭がはっきりし、クリアで広がり
のある楽音を楽しむことができるという効果もある。な
お、本発明の音場再生装置においては、聴取者Mと直接
音定位を結ぶ線分と、聴取者Mと初期反射音定位を結ぶ
線分とがなす角度θが90度に近くなると奥行きを感じ
させる効果がなくなる。好ましくは、θ≦45度となる
ように、残響音専用スピーカと直接音専用スピーカとを
配置すると、十分な奥行きを感じさせることができる。
【0011】上記目的を達成するためになされた本発明
の電子楽器は、演奏の対象となる発音源に対応した波形
データ及びエンベロープデータをデジタルデータとして
記憶した波形メモリと、前記発音源から発生される楽音
の音程及び強さを指令する楽音指令手段と、前記波形メ
モリから前記発音源に対応した波形データ及びエンベロ
ープデータを読み出すと共に、これら読み出されたデー
タと前記指令されている楽音の音程及び強さとから、前
記発音源から聴取者の位置に直接到来すべき直接音の電
気信号を生成して出力する直接音信号出力手段と、該直
接音の電気信号に基づいて、当該直接音の反射音に相当
する残響音の電気信号を生成し、前記直接音の電気信号
に対して所定の遅延時間後に残響音の電気信号を出力す
る残響音信号出力手段と、前記出力される直接音の電気
信号及び残響音の電気信号をD/A変換するD/A変換
し、増幅してスピーカから出力する放音手段とを備えて
なる電子楽器において、前記放音手段として、直接音専
用のD/A変換器、増幅器及びスピーカと、残響音専用
のD/A変換器、増幅器及びスピーカとを別々に備える
と共に、該直接音専用のスピーカに対して、前記残響音
専用のスピーカを所定距離横方向に離して配置したこと
を特徴とする。
【0012】本発明の電子楽器によれば、例えばキーボ
ードなどの楽音指令手段で音程及び音の強さを指令する
ことにより、直接音信号出力手段が、通常の電子楽器に
おいて実施される如く、対象となる発音源に特有の波形
データ、エンベロープデータを読み出し、これらのデー
タと指令されている楽音の音程及び強さとに基づいて、
発音源から聴取者の位置に直接到来すべき直接音の電気
信号を生成して出力する。また、残響音信号出力手段
が、この直接音の電気信号に基づいて、遅延回路と減衰
回路とを組み合わせるなどして、反射音に相当する残響
音の電気信号を生成して出力する。そして、この残響音
は残響音専用スピーカから、また、直接音は直接音専用
スピーカからそれぞれ別々に放音される。このとき、上
述の様に、残響音専用スピーカが直接音専用スピーカか
ら所定距離横方向に離して配置されていることにより、
図2で示したのと同様の作用によって、発音源の奥行き
を感じさせることができる。この結果、奥行きのあるイ
メージの楽音が得られ、キーボードの様な奥行きのない
楽器であっても、例えば、グランドピアノの様に鍵盤か
ら十分に遠い位置に発音源が存在する楽器のイメージで
演奏を行うことができる。
【0013】この電子楽器が前記直接音専用スピーカと
して左右2チャンネルを備える場合、前記残響音専用の
スピーカを、該左右の直接音専用スピーカの間に配置す
るとよい。左右2チャンネルの直接音専用スピーカから
放音される楽音は、左右音量バランスに従って、これら
左右のスピーカの間の所定の位置に左右方向の定位を持
つ。一方、残響音は、左右のスピーカの間に横方向定位
を持つ。よって、直接音定位と演奏者とを結ぶ線分と、
残響音定位と演奏者とを結ぶ線分との間の角度が大きく
なり過ぎることがなく、十分な効果が発揮される。な
お、この場合において、より望ましくは、前記左右の直
接音専用スピーカを、各スピーカの位置と演奏者の着席
位置とを結ぶ線分と、演奏者の着席位置の真正面へ伸び
る線分との間の角度が45度以下となる様な位置関係に
て電子楽器本体に配置するとよい。上述の様に、θ≦4
5度において、より大きな効果が発揮されるからであ
る。
【0014】なお、残響音専用スピーカを中央に配置
し、左右音量バランスが5:5の場合には、直接音と残
響音の定位が一致して奥行きを感じられなくなる。従っ
て、直接音の左右音量バランスを、残響音の定位と直接
音の定位とが重ならない様に調整することが望ましい。
【0015】一方、ステレオ方式ではなく、前記直接音
専用スピーカとしてモノラル1チャンネルを備えるだけ
の電子楽器においては、該直接音専用スピーカ及び前記
残響音専用のスピーカを、該残響音専用スピーカと演奏
者の着席位置とを結ぶ線分と、前記直接音専用スピーカ
と演奏者の着席位置とを結ぶ線分との間の角度が45度
以下となる様な位置関係にて、電子楽器本体に配置する
ことが望ましい。
【0016】なお、本発明の音場再生装置及び電子楽器
においては、残響音の内、初期反射音のみを専用のスピ
ーカから放音するようにしてもよい。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施の形態であるいくつかの
実施例を図面と共に説明する。第1実施例は、ステレオ
方式の電子楽器に関するものであり、図3に示す様に、
CPU1、ROM2、RAM3、操作パネル4、パネル
スキャン回路5、鍵盤6、タッチ検出回路7、波形メモ
リ8、音源回路9、DSP10、D/A変換器11,1
2、メインアンプ13,14及びスピーカ15,16を
備えると共に、さらに、第3のD/A変換器17、第3
のメインアンプ18及び第3のスピーカ19を備える。
【0018】CPU1は、ROM2のプログラムメモリ
部に記憶されている制御プログラムに従って電子楽器の
各部を制御する。ROM2は、電子楽器全体を制御する
プログラムを格納するものである。また、このROM2
には、上記制御プログラムの他、CPU1が使用する種
々の固定データが記憶されており、CPU1により、シ
ステムバスを介してアクセスされるようになっている。
本実施例では、さらに特徴的なデータとして、後述する
発音源ごとの左右方向定位を与えるための左右音量バラ
ンスデータを発音源ごとに記憶している。この左右音量
バランスデータは、また、演奏モードごとにも記憶され
ている。即ち、演奏モードと発音源を二元のパラメータ
としてテーブル化されているのである。
【0019】RAM3は、装置のステータス情報を記憶
したり、あるいはCPU1の作業用領域として使用され
るものである。なお、この電子楽器を制御するための各
種レジスタ、フラグ等はRAM3に定義されている。そ
して、このRAM3はCPU1によりシステムバスを介
してアクセスされる様になっている。
【0020】操作パネル4は、電源スイッチ、モード指
定スイッチ、音色選択スイッチ等各種スイッチ及び所定
の情報を表示する表示器等が設けられたものである。パ
ネルスキャン回路5は、この操作パネル4に設けられた
各スイッチのセット/リセット状態を調べ、ONになっ
ているパネルスイッチデータを検出してCPU1に送出
するものである。モード指定スイッチは、「大ホー
ル」、「中ホール」、「小ホール」などといった演奏モ
ードの指定を行うためのスイッチであり、音色選択スイ
ッチは、発音源としての楽器を選択するためのスイッチ
である。
【0021】鍵盤6は、複数のキーと、これらキーの押
鍵・離鍵に連動して開閉するキースイッチと、キースイ
ッチの状態を調べるキースキャン回路とからなる。そし
て、キースキャン回路で検出された全てのキーのON/
OFF信号がタッチ検出回路7に送られる様になってい
る。
【0022】タッチ検出回路7は、鍵盤6のキースキャ
ン回路から送られて来るキースイッチのON/OFFを
示す信号に基づいて、押鍵速度や離鍵速度に対応するタ
ッチデータを生成する。そして、このタッチデータを、
操作されたキーを特定するキーナンバー及び当該キーが
ON操作されたのかOFF操作されたのかを示すON/
OFF情報と共に出力するように構成されている。この
ON/OFF情報、キーナンバー及びタッチデータは、
システムバスを介してCPU1に送られる。CPU1
は、このタッチ検出回路7から出力されるキーナンバー
に基づいて楽音の音程を特定し、さらに、タッチデータ
に基づいて楽音の初期強さを算出し、さらに、ON/O
FF情報から押鍵タイミング及び離鍵タイミングを特定
する。そして、音程、音の強さ、押鍵タイミング及び離
鍵タイミングは、CPU1からの指令信号として音源回
路9に出力されるようになっている。また、CPU1
は、パネルスキャン回路5からの出力信号に基づいて、
発音源に対応する音色指令信号、演奏モードに対応する
モード指令信号も音源回路9に対して出力するようにな
っている。
【0023】波形メモリ8は、例えばROMの様な不揮
発性メモリによって構成される。この波形メモリ8は、
各種発音源の音色や音域に応じた楽音波形データと、エ
ンベロープデータとを、予め実施したサンプリング結果
に基づいてデジタル値で表現されたデータとして記憶し
たものである。エンベロープデータは、特に、演奏モー
ドに応じてもサンプリングされている。また、これらの
他に、鍵盤6の機械的な音を低減するためのノイズデー
タも記憶されている。この波形メモリ8は、音源回路9
によってアクセスされるようになっている。
【0024】音源回路9は、CPU1から出力される音
色指令信号、モード指令信号及び音程指令信号に基づい
て、現在の演奏モードに対応する発音源の楽音波形デー
タ及びエンベロープデータを波形メモリ8から読み出
し、この楽音波形データ及びエンベロープデータに、さ
らに、上述の楽音の初期強さを考慮して楽音信号を生成
する。そして、同じく音色指令信号とモード指令信号と
から、上述のROM2内の左右音量バランスデータを読
み出し、先ほど生成した楽音信号と左右音量バランスデ
ータとから、左スピーカ用の楽音信号と右スピーカ用の
楽音信号とを生成し、これらを2つの発音チャンネルに
それぞれセットする。なお、各チャンネルに楽音信号を
セットする際に、上述のノイズデータが加算され、鍵盤
の打撃音を消すようになされている。また、左右の発音
チャンネルは、和音を発音したり、伴奏音を伴わせたり
することができる様に、それぞれ複数個のメモリ領域か
ら構成されている。
【0025】こうしてセットされた楽音信号は、各発音
チャンネルから、ON/OFF情報によって離鍵が指令
されるまでの間出力され、DSP10に供給される。D
SP10は、図4に示す様に、左右のスピーカ用の2つ
のチャンネルのそれぞれの信号ラインL,Rを分岐させ
た分岐ラインLB,RBを加算器21に接続し、これに
乗残器22を中継して初期反射音生成回路23に入力す
る様に構成されている。初期反射音生成回路23は、遅
延回路と減衰回路とを組み合わせたものである。遅延回
路は、15〜60msecの範囲内で遅延時間を設定さ
れている。
【0026】こうして、分岐ラインLB,RBによって
元の信号ラインL,Rから取り出された楽音信号は、第
3のD/A変換器17及び第3のメインアンプ18を経
て第3のスピーカ19から放音される。なお、左右のス
ピーカ15,16と第3のスピーカ19は、図5に示す
様な位置関係で電子楽器本体に設置されている。即ち、
第3のスピーカ19は、左右のスピーカ15,16のほ
ぼ中央に配置され、左右のスピーカと演奏者Pの着席位
置とを結ぶ線分と、第3のスピーカ19と演奏者Pの着
席位置とを結ぶ線分との間の角度θ1,θ2がいずれも
45度以下となるように配置される。
【0027】この結果、例えば、第1の楽器を選択し、
鍵盤6を操作して演奏を行って、図示のA1点に最初の
到来音の左右方向定位が得られたとすると、これにわず
かに遅れて到来する初期反射音の定位は図示Vの様に中
央に定位を持つので、演奏者Pは、この第1の楽器の奥
行き方向の定位を図のA0点に体感する。同様に、これ
とは違う第2の楽器、第3の楽器等を指定して演奏を行
うと、図示B0,C0等の点に第2の楽器,第3の楽器
の奥行き方向定位を体感する。
【0028】こうして、発音源に応じて奥行き方向の広
がりを明確に体感しながら演奏を行うことができ、例え
ば、一人でアンサンブル演奏を行う場合に、他のパート
の楽器がそれぞれ異なる方向に、異なる奥行き方向の距
離をもって配置されているように感じながら演奏するこ
とができ、より臨場感あふれる演奏を楽しむことができ
る。
【0029】また、例えば、楽器としてグランドピアノ
を指定した場合、低音部の鍵盤が打鍵されたときと高音
部の鍵盤が打鍵されたときとで左右音量バランスを変更
してやれば、あたかも実際のグランドピアノにおけるピ
アノ線の打撃位置から音が出ている様に感じさせること
ができ、奥行きのないキーボードでより実際のグランド
ピアノの演奏感に近い感覚を体験させることもできる。
この場合、左右音量バランスを5:5にすると直接音の
定位と初期反射音の定位が一致してしまうので、演奏者
Pの真正面方向に奥行きを感じさせることはできない。
しかし、左右いずれかの音量を少し大きくしてやれば、
正面から若干ずれた位置に奥行きを感じさせることがで
きるので、グランドピアノの中音部を打鍵したときの奥
行きをそれなりに感じさせることは可能である。
【0030】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例は、モノラル演奏方式の電子楽器に関するもので
あり、図6(a)に示す様に、CPU31、ROM3
2、RAM33、操作パネル34、パネルスキャン回路
35、鍵盤36、タッチ検出回路37、波形メモリ3
8、音源回路39、DSP40、D/A変換器41、メ
インアンプ42及びスピーカ43を備えると共に、さら
に、第2のD/A変換器44、第2のメインアンプ45
及び第2のスピーカ46を備える。
【0031】DSP40は、図6(b)に示す様に、音
源回路39からの信号ラインCを分岐させた分岐ライン
CBを初期反射音生成回路51に入力する様に構成され
ている。初期反射音生成回路51は、遅延回路と減衰回
路とを組み合わせたもので、遅延回路は15〜60ms
ecの範囲内で遅延時間を設定されている。
【0032】こうして、分岐ラインCBによって元の信
号ラインCから取り出された楽音信号は、第2のD/A
変換器44及び第2のメインアンプ45を経て第2のス
ピーカ46から放音される。なお、スピーカ43と第2
のスピーカ46は、図7に示す様に、メインのスピーカ
43と演奏者Pの着席位置とを結ぶ線分と、第2のスピ
ーカ46と演奏者Pの着席位置とを結ぶ線分との間の角
度θが45度以下となるように電子楽器本体に配置され
る。この第2実施例によれば、図7に示す様に、演奏者
Pの正面方向に奥行きをもった発音源を感覚させること
ができる。
【0033】なお、上述した各実施例においては、初期
反射音専用としてのスピーカ19,46はメインのスピ
ーカ15,16,43よりも安価なもので十分である。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限
られるものではなく、さらに種々なる態様にて実施し得
ることはもちろんであって、電子楽器に限らず、例え
ば、ゲーム機などにおける効果音の音源装置として本発
明を適用することにより、奥行き方向の距離感を体感さ
せる様な効果音を付加して、よりダイナミックなゲーム
プレイを楽しむといった応用も可能である。
【0034】また、実施例においては、残響音の内、初
期反射音のみをDSP10,40で生成しているがDS
P内の回路構成として、遅延回路と減衰回路とを組み合
わせてループさせることにより、2次反射、3次反射に
よる残響効果をも付加することができるようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を示す説明図である。
【図2】 本発明の作用を示す説明図である。
【図3】 第1実施例のシステム構成を示すブロック図
である。
【図4】 第1実施例の作用効果を示す説明図である。
【図5】 第1実施例の作用効果を示す説明図である。
【図6】 第2実施例のシステム構成を示すブロック図
である。
【図7】 第2実施例の作用効果を示す説明図である。
【図8】 従来の技術を示すブロック図である。
【符号の説明】 1,31・・・CPU、2,32・・・ROM、3,3
3・・・RAM、4,34・・・操作パネル、5,35
・・・パネルスキャン回路、6,36・・・鍵盤、7,
37・・・タッチ検出回路、8,38・・・波形メモ
リ、9,39・・・音源回路、10,40・・・デジタ
ルシグナルプロセッサー(DSP)、11,12,1
7,41,44・・・D/A変換器、13,14,1
8,42,45・・・メインアンプ、15,16,1
9,43,46・・・スピーカ、21・・・加算器、2
2・・・乗算器、23,51・・・初期反射音生成回
路、L,R,C・・・信号ライン、LB,RB,CB・
・・分岐ライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 7/00 G10K 15/00 M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接音を放音すると共に、該直接音に所
    定時間遅れて残響音を放音することにより、楽音にリバ
    ーブ効果を与える音場再生装置において、 前記残響音を放音する残響音専用スピーカと、前記直接
    音を放音する直接音専用スピーカとを別々に設け、前記
    残響音専用スピーカを、前記直接音専用スピーカに対し
    て横方向にずらして配置したことを特徴とする音場再生
    装置。
  2. 【請求項2】 演奏対象となる発音源に対応した波形デ
    ータ及びエンベロープデータをデジタルデータとして記
    憶した波形メモリと、 前記発音源から発生される楽音の音程及び強さを指令す
    る楽音指令手段と、 前記波形メモリから前記発音源に対応した波形データ及
    びエンベロープデータを読み出すと共に、これら読み出
    されたデータと前記指令されている楽音の音程及び強さ
    とから、前記発音源から聴取者の位置に直接到来すべき
    直接音の電気信号を生成して出力する直接音信号出力手
    段と、 該直接音の電気信号に基づいて、当該直接音の反射音に
    相当する残響音の電気信号を生成し、前記直接音の電気
    信号に対して所定の遅延時間後に残響音の電気信号を出
    力する残響音信号出力手段と、 前記出力される直接音の電気信号及び残響音の電気信号
    をD/A変換するD/A変換し、増幅してスピーカから
    出力する放音手段とを備えてなる電子楽器において、 前記放音手段として、直接音専用のD/A変換器、増幅
    器及びスピーカと、残響音専用のD/A変換器、増幅器
    及びスピーカとを別々に備えると共に、 該直接音専用のスピーカに対して、前記残響音専用のス
    ピーカを所定距離横方向に離して配置したことを特徴と
    する電子楽器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電子楽器において、 前記直接音専用スピーカとして左右2チャンネルを備
    え、前記残響音専用のスピーカを、該左右の直接音専用
    スピーカの間に配置したことを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電子楽器において、前記
    左右の直接音専用スピーカが、各スピーカの位置と演奏
    者の着席位置とを結ぶ線分と、演奏者の着席位置の真正
    面へ伸びる線分との間の角度が45度以下となる様な位
    置関係にて電子楽器本体に配置されていることを特徴と
    する電子楽器。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の電子楽器において、 前記直接音専用スピーカとしてモノラル1チャンネルを
    備え、該直接音専用スピーカ及び前記残響音専用のスピ
    ーカを、該残響音専用スピーカと演奏者の着席位置とを
    結ぶ線分と、前記直接音専用スピーカと演奏者の着席位
    置とを結ぶ線分との間の角度が45度以下となる様な位
    置関係にて、電子楽器本体に配置されていることを特徴
    とする電子楽器。
JP8151025A 1996-06-12 1996-06-12 音場再生装置及び電子楽器 Pending JPH09330092A (ja)

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