JP2001209376A - 電子楽器の共鳴音発生装置 - Google Patents
電子楽器の共鳴音発生装置Info
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Abstract
電子楽器の共鳴音発生装置を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】 DSP1の出力を、原音用と共鳴音用に
別個にすると共に、原音を再生するサウンドシステム1
24a及び124bとは別個に、共鳴音を再生するサウ
ンドシステム124c及び124dを備える。
Description
近い広がり感と音質を持つ電子楽器に用いられる共鳴音
発生装置に関する。
音を出力させようとした場合、原音を採取して忠実に再
生させなければならない。しかしグランドピアノなどで
は、鍵盤が弾かれてハンマーが弦を叩くと、調和関係に
ある弦や響板などが共鳴して共鳴音が発生する。実際は
このように様々な共鳴音が原音とは別に発生し、豊かな
音を作っている。
音の効果を得るために、次のような技術が用いられるこ
とになる。
モリ107から原音波形を読み出し、その楽音波形デー
タにエンベロープを乗算し、楽音信号として出力する音
源回路106の出力側に、DSP(Digital Signal Pro
cessor)1等のデジタル信号処理装置を備え、該DSP
1により、上記音源回路から入力されてくる原音から共
鳴音成分を作り出し、それを原音に付加して出力するよ
うな構成がある。
タ回路とディレイ回路等が組み合わされる(共鳴音生成
回路30)ことで共鳴音が作成される。このようにして
作られた共鳴音信号は、原音に付加され(電気的に加算
され)、2チャンネルにまとまられて出力され、サウン
ドシステム124a及び124bにおいて、ステレオ再
生される。
ランドピアノでは、共鳴音は打鍵された弦以外の弦や響
板、フレーム、ケースなどから発生する。すなわち、原
音と共鳴音は、発音される位置(定位)が異なる。
定位を変えることはできるが、左右のスピーカの音量差
によって作り出すため、その位置の違いを明瞭に出すこ
とが困難である。また原音と共鳴音が同一のスピーカか
ら発音されるため、音が混ざり合い、輪郭のはっきりし
た明瞭な音質を得ることは困難である。従って、グラン
ドピアノの響板や弦などから発生されるような自然楽器
の共鳴音が付加された広がりのある音を再現することは
困難である。
れたもので、原音から共鳴音作り出す電子楽器の共鳴音
発生装置において、自然楽器に近い広がり感と音質を持
つ構成を提供せんとするものである。
器の音源部から入力される原音信号を基に共鳴音を擬似
的に作り出すデジタル信号処理装置を有する電子楽器の
共鳴音発生装置において、該デジタル信号処理装置の出
力を、原音用と共鳴音用に別個にすることを基本的特徴
としている。
を擬似的に作り出すデジタル信号処理装置の出力を、原
音用と共鳴音用に別個にしているため、それらを再生す
るスピーカなどを有するサウンドシステムを夫々別個に
つなげ、原音と共鳴音で別々の定位とすれば(自然楽器
の原音の発生する位置と共鳴音が発生する位置の夫々で
これらの音が出力されるとすれば)、自然楽器に近い広
がり感と音質を再現できるようになる。
個にしたデジタル信号処理装置の出力を、原音を再生す
るサウンドシステムと、共鳴音を再生するサウンドシス
テムとに伝送して、夫々の再生を行うことを規定してい
る。すなわち、本構成は、電子楽器の音源部から入力さ
れる原音信号を基に共鳴音を擬似的に作り出すデジタル
信号処理装置を有する電子楽器の共鳴音発生装置におい
て、該デジタル信号処理装置の出力を、原音用と共鳴音
用に別個にすると共に、原音を再生するサウンドシステ
ムとは別個に、共鳴音を再生するサウンドシステムを備
えることを特徴としている。
路的に明らかにしたものであって、原音用と共鳴音用に
別個にしたデジタル信号処理装置の出力を、原音を再生
するサウンドシステムと、共鳴音を再生するサウンドシ
ステムとに伝送して、夫々の再生することで、自然楽器
に近い広がり感と音質を再現できるようになる。
例と共に説明する。 (実施例1)図1は、電子楽器に適用された本発明を実
施する形態の一例を示すものである。同図に示される電
子楽器の構成は、システムバス100上に、CPU(Ce
ntral Processing Unit)101、ROM(Read Only M
emory)102、RAM(Random Access Memory)10
3、パネルスキャン回路104aを介して接続された操
作パネル部104、鍵盤スキャン回路105aを介して
接続された鍵盤部105、及び音源回路106が、各接
続されており、該システムバス100を通じてこれらの
デバイスに各種命令やデータの受け渡しがなされる。
力された楽音信号を処理するDSP(Digital Signal P
rocessor)1と、そこで処理された楽音信号をアナログ
信号に変換するD/A変換回路121a及び121b
と、それを増幅するメインアンプ122a〜122d及
び外部に発音せしめるスピーカ123a〜123fなど
を含むサウンドシステム124a〜124dが電気的に
接続されている。
プログラムメモリ記憶部に記憶されている制御プログラ
ムに従って当該電子楽器の各部を制御するものであり、
また上記プログラムメモリ記憶部に記憶されたアプリケ
ーションプログラムを実行し、必要に応じて、RAM1
03を作業領域として使用し、さらにROM102に記
憶された種々の固定データを使用しながらデータ処理を
行う構成である。
楽器全体を制御するプログラムを格納している他、CP
U101が使用する種々の固定データが記憶されてい
る。
報を記憶したり、CPU101の作業領域として使用さ
れるものである。尚、当該電子楽器を制御するための各
種レジスタやフラグ等は、RAM103に定義されてお
り、このRAM103は、CPU101により、システ
ムバス100を介してアクセスされる。
チ、音色選択スイッチなど各種スイッチ及び所定の情報
を表示する表示器などが設けられている。この操作パネ
ル部104とシステムバス100の間に介在する前記パ
ネルスキャン回路104aは、上記操作パネル部104
に設けられた各スイッチのセット/リセット状態を調
べ、ON状態になっているパネルスイッチデータを検出
してCPU101に送出するものである。
らの押鍵や離鍵に連動して開閉する鍵盤スイッチからな
る。この鍵盤部105とシステムバス100の間に介在
する鍵盤スキャン回路105aは、鍵盤スイッチの状態
を調べ、そのON/OFFを示す信号から鍵盤タッチの
強さ(速さ)を示すタッチデータを生成すると共に、O
N又はOFF情報とその鍵盤ナンバーを出力するもので
ある。このON/OFF情報及び鍵盤ナンバー、タッチ
データは、システムバス100を介してCPU101に
送られる。
出力される信号に対応する原音波形データを波形メモリ
107から読み出し、その楽音波形データにエンベロー
プを乗算し、楽音信号として出力する。
響板による共鳴音を擬似的に作る共鳴音生成回路10が
内蔵されており、その出力は、原音成分の信号に加算さ
れずに、別系統で出力される(DSP1の出力系統は図
面に示されるように4系統)。
に示すように、入力された原音信号が、バンドパスフィ
ルタ20で、不要な低音成分や高音成分がカットされ、
オールパスフィルタ21a〜21cによりディレイが掛
けられながら減衰する信号が作成される。その信号に対
して、さらにディレイ回路22a及び22bでディレイ
を掛けて、余韻となる信号が付け足される。尚、同図
(b)は、上記オールパスフィルタ21a〜21cの内
部構成を示しており、ディレイ回路を有しており、入力
信号にディレイを掛けながら、次第に減衰させることが
できるようになっている。また、上記バンドパスフィル
タ20において、低音域をカットする周波数を周波数を
高くする(たとえば500Hz以上にする)ことで、共
鳴音再生用スピーカを小型化することができるようにな
る。
号に各種効果(リバーブやコーラスなど)を付加するた
めの回路11とプログラムが備えられており(プログラ
ムについては、外部ROMやRAMに格納されていても
良い)、入力された原音成分に、これらの効果を付加す
る機能を有している。図3は、このようなエフェクト回
路11の一例を示す回路図である。同図に示すように、
本回路では、リバーブやコーラスなどの回路30〜33
が内蔵されており、入力された原音信号と作成された共
鳴音信号に、上記のエフェクト効果を付加する。
10で作られた共鳴音の量は、ベロシティに対応して設
定される。すなわち、鍵盤を強く弾いた時は共鳴音も大
きく、弱く弾いた時は、共鳴音も小さい。
分の左右の信号と共鳴音成分の左右の信号は、D/A変
換回路121a及び121bにて、原音用の左右のアナ
ログ信号と共鳴音用の2つのアナログ信号に変換され、
メインアンプ122a〜122dで夫々増幅されて、中
高音用L側スピーカ123a、R側スピーカ123c
と、低音用L側スピーカ123b、R側スピーカ123
dと、共鳴音用の2つのスピーカ123e及び123f
で、再生される。
なる位置から明瞭に再生することができるため、グラン
ドピアノのような自然楽器の明瞭な音質と自然な広がり
感を、本電子楽器において再現することができるように
なる。
れたグランドピアノの外観を持つ電子ピアノの構成を示
す斜視図である。このタイプの電子ピアノのメリットと
して、外観の高級感の他に、奥行き方向にスペースがあ
るため、スピーカ配置の自由度が大きいことがある。多
数のスピーカを上向きに配置できるため、迫力のある音
を再生することができる。
例1のような2チャンネルの原音再生用サウンドシステ
ム124a及び124bと2つの系統の共鳴音再生用サ
ウンドシステム124c及び124dを用いて、再生を
行う構成とする場合は、グランドピアノ型のケースの左
右の適当な位置に、原音中高音域用スピーカ123a及
び123cを配置し、響板下側に原音低音用スピーカ1
23b及び123dを配置する。また共鳴音再生用スピ
ーカ123eと123fを響板中央部と奥に配置する。
ら高音まで再生することが必要であり、一般的に知られ
ている2way、3wayシステム又はフルレンジスピ
ーカの構成をとれば良い。共鳴音系列は1系列に対し中
高音域用スピーカ1本或いは中音域用と高音域用に分け
て2wayシステムの構成にしても良い。
異なる位置にあるスピーカから再生され、空間でミック
スされることで、グランドピアノの明瞭な音質と自然な
広がり感を持つ音を再生することができるようになる。
れたアップライトピアノの外観を持つ電子ピアノの構成
を示す斜視図である。前記実施例2と同様の2チャンネ
ルの原音再生用サウンドシステム124a及び124b
と2つの系統の共鳴音再生用サウンドシステム124c
及び124dとを備えている。
生用スピーカ123a〜123dを、低音用として棚板
下部に左右に配置し、また中高音用として天板下に左右
に配置する。さらに共鳴音系列を再生するための中高音
域用スピーカ123e及び123fを天板上の左右に配
置する。
般的に知られている1way、2way、3wayなど
の構成を、状況に応じて使い分けることも可能である。
高音が再生され、共鳴音は天板上側左右から再生され、
これらの原音と共鳴音は空間でミックスされる。これに
より、グランドピアノの音の広がり感を持つ電子ピアノ
を実現することができる。本実施例構成では、本体ケー
スの奥行き方向にスペースが少ないので、奥行き方向の
広がり感は、前記実施例2に比べて劣るが、本体ケース
のコストを抑えた上で、本発明の上記のような効果を得
ることができる。
は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。たとえば、上記のいずれの実施例
構成でも、共鳴音再生系列は2系列で示したが、状況に
応じて、1系列や3系列又はそれ以上の系列を設けて再
生を行うようにしても良い。
及び2記載の電子楽器の共鳴音発生装置によれば、原音
信号を基に共鳴音を擬似的に作り出すデジタル信号処理
装置の出力を、原音用と共鳴音用に別個にしているた
め、それらを再生するスピーカなどを有するサウンドシ
ステムを夫々別個につなげ、自然楽器の原音の発生する
位置と共鳴音が発生する位置の夫々でこれらの音が出力
されるようにすることで、自然楽器に近い広がり感と音
質を再現できるようになるという優れた効果を奏し得
る。
一例を示す回路図である。
る。
る。
を持つ電子ピアノの構成を示す斜視図である。
外観を持つ電子ピアノの構成を示す斜視図である。
から共鳴音成分を作り出し、それを原音に付加して出力
する従来方式の構成を示す回路図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電子楽器の音源部から入力される原音信
号を基に共鳴音を擬似的に作り出すデジタル信号処理装
置を有する電子楽器の共鳴音発生装置において、該デジ
タル信号処理装置の出力を、原音用と共鳴音用に別個に
することを特徴とする電子楽器の共鳴音発生装置。 - 【請求項2】 電子楽器の音源部から入力される原音信
号を基に共鳴音を擬似的に作り出すデジタル信号処理装
置を有する電子楽器の共鳴音発生装置において、該デジ
タル信号処理装置の出力を、原音用と共鳴音用に別個に
すると共に、原音を再生するサウンドシステムとは別個
に、共鳴音を再生するサウンドシステムを備えることを
特徴とする電子楽器の共鳴音発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000013787A JP2001209376A (ja) | 2000-01-24 | 2000-01-24 | 電子楽器の共鳴音発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000013787A JP2001209376A (ja) | 2000-01-24 | 2000-01-24 | 電子楽器の共鳴音発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001209376A true JP2001209376A (ja) | 2001-08-03 |
Family
ID=18541330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000013787A Pending JP2001209376A (ja) | 2000-01-24 | 2000-01-24 | 電子楽器の共鳴音発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001209376A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007328186A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 楽音装置及び楽音装置の生産方法 |
JP2008009236A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 楽音装置及び楽音制御方法 |
JP2008164876A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 楽音装置 |
JP2011099947A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Yamaha Corp | 楽音信号制御装置 |
JP2017181650A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 株式会社河合楽器製作所 | 電子楽器およびそのサラウンドシステム |
CN112447159A (zh) * | 2019-09-05 | 2021-03-05 | 雅马哈株式会社 | 共鸣音信号发生方法、共鸣音信号发生装置、记录介质及电子音乐装置 |
-
2000
- 2000-01-24 JP JP2000013787A patent/JP2001209376A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112447159B (zh) * | 2019-09-05 | 2024-04-19 | 雅马哈株式会社 | 共鸣音信号发生方法、共鸣音信号发生装置、记录介质及电子音乐装置 |
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