JPH09329413A - 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法 - Google Patents

変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法

Info

Publication number
JPH09329413A
JPH09329413A JP8146263A JP14626396A JPH09329413A JP H09329413 A JPH09329413 A JP H09329413A JP 8146263 A JP8146263 A JP 8146263A JP 14626396 A JP14626396 A JP 14626396A JP H09329413 A JPH09329413 A JP H09329413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
assembly
inspected
image data
rotation angle
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8146263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3241267B2 (ja
Inventor
Toshihiro Tsuchiya
年弘 土屋
Katsunori Nakamura
勝則 中村
Hirosuke Haseyama
普裕 長谷山
Hideo Horinouchi
秀雄 堀之内
Norihisa Oki
規久 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP14626396A priority Critical patent/JP3241267B2/ja
Publication of JPH09329413A publication Critical patent/JPH09329413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3241267B2 publication Critical patent/JP3241267B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】正規の変速歯車組立軸に対して設計変更があっ
たとしても容易に対応でき、しかも、人間のミスが入り
込むことを防止できると共に、労力の削減をも図る。 【解決手段】被検査対象の変速歯車組立軸である被検査
組立軸をクランプし、かつ所定基準位置に対して0°、
90°及び180°に回転位置決めする組立軸位置決め
手段14と、この組立軸位置決め手段14での各位置決
め状態における被検査組立軸を撮像し、3種の被検査画
像データとして取り込む画像取り込み手段16と、正規
の変速歯車組立軸における各位置決め状態に対応する3
種の正規画像データと上記3種の被検査画像データとを
比較する画像比較手段と、この画像比較手段での比較結
果に基づいて被検査組立軸における組付けの合否を判別
する判別手段とを設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のト
ランスミッションに使用される変速歯車組立軸が規定通
り組み付けられているかどうかを検査するための変速歯
車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のトランスミッションな
どの変速歯車組立軸は、一つの軸にそれぞれ直径の異な
る複数の歯車が組み付けられて構成され、しかも、歯車
間にワッシャやサークリップ等が配され、更に軸と歯車
間にカラーが装着されるなど、非常に複雑な構成となっ
ている。従って、上記変速歯車組立体の組付け工程にお
いては、その組付けが正しく行われているかを検査する
ための検査工程が必須となっている。
【0003】従来の上記変速歯車組立軸の組付検査とし
ては、例えば被検査対象である変速歯車組立軸を、正規
の変速歯車組立軸とかみ合わせて、そのかみ合い具合を
手で回しながら目視により検査する方法や、軸を中心と
して左右に配置した歯車外径検査ヘッドと歯車間隔検査
ヘッドで歯車の外径と間隔を電気的に感知してその合否
を検知する方法(例えば、特願昭60−48178号参
照)等が一般的である。
【0004】しかし、上記目視による検査方法では、歯
車数が多くなると1個の組立軸の検査に要する時間が長
くなり、上記電気的感知による検査方法では、機構的に
複雑で製造コストが高価になるおそれがあった。また、
これらの検査方法においては、労力がかかることから検
査すべき項目が限定され、操作者のチェックミスが発生
し易いという不都合もある。
【0005】上記問題を解決するために、被検査対象で
ある変速歯車組立軸を直立に保持したまま搬送するため
の搬送路と、複数のレールでかたち作られる通過空間の
境界形状が、正規の変速歯車組立軸における直立状態の
外形形状に沿ったかたちとされ、正規の変速歯車組立軸
と同じ順序で組み付けられた組立軸のみを通過可能とす
る検出治具とを有する検査装置を用いて、組付けに関す
る合否を検出するようにしたもの(実公平4−1114
7号公報参照)や、回転軸を中心に回転し、直立保持さ
れた被検査対象である変速歯車組立軸の各歯車を一方向
から付勢する複数の検知板と、各検知板の回転移動量を
検知するダイヤルゲージが具備された検査治具を用い
て、上記検査を自動的かつ簡易に行えるようにしたもの
(実公平4−11148号公報参照)、並びに被検査対
象の変速歯車組立軸の限られた部分に光線を照射し、そ
の投影画像の輪郭を電気的に数値化し、マスターの数値
と比較して形状の差異を検出する方法(実公平4−30
516号公報参照)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実公平
4−11147号公報及び実公平4−11148号公報
に開示された各検査方法においては、正規の変速歯車組
立軸が設計変更になる毎に治具をその正規の変速歯車組
立軸に合わせて製作しなければならず、非常に煩雑であ
るというおそれがある。また、実公平4−30516号
公報に開示された検査方法においては、一方向に載置し
た組立軸の投影画像から合否を判定するようにしている
ことから、歯車間に挿入配置されるワッシャや、歯車と
軸間に挿入されるカラーの存否を見落とすおそれがあ
る。
【0007】例えば、直立状態とされた組立軸におい
て、下段に配置された一つの歯車がサークリップにて固
定されている場合、当該下段の歯車は位置的に不動とな
るため、その上段の歯車との間に挿入されるべきワッシ
ャの存否を検出することは不可能である。
【0008】このように、従来の変速歯車組立軸の組付
検査方法においては、人間のミスが入り込まず、しかも
労力のかからない方法に向かうべく徐々に進行している
が、依然、細かい部品の有無チェックなどのような高精
度の検査には対応できない部分があり、生産性を高める
ために改良が必要とされていた。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、正規の変速歯車組立軸に対して設計変更
があったとしても容易に対応させることができ、しか
も、人間のミスが入り込むことを防止できると共に、労
力の削減をも図ることができる変速歯車組立軸の組付検
査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】また、本発明の他の目的は、変速歯車組立
軸に対する検査項目の数を増やすことができ、高精度の
組付検査を行うことができる変速歯車組立軸の組付検査
装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法を提供すること
にある。
【0011】また、本発明の他の目的は、配線や配管等
の収容を合理化でき、装置の設置空間の省スペース化を
有効に実現させることができる変速歯車組立軸の組付検
査装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係る変速歯車組立軸の組付検査装置は、被検査対象の変
速歯車組立軸である被検査組立軸をクランプし、かつ所
定基準位置に対して0°、180°及び90°に回転位
置決めする組立軸位置決め手段と、前記組立軸位置決め
手段での各位置決め状態における前記被検査組立軸を撮
像し、3種の被検査画像データとして取り込む画像取り
込み手段と、正規の変速歯車組立軸における前記各位置
決め状態に対応する3種の正規画像データと前記3種の
被検査画像データとを比較する画像比較手段と、前記画
像比較手段での比較結果に基づいて前記被検査組立軸に
おける組付けの合否を判別する判別手段とを設けて構成
する。
【0013】これにより、まず、組立軸位置決め手段に
て被検査組立軸がクランプされる。その後、所定の基準
位置に対して例えば0°の状態に位置決めされる。この
状態において、画像取り込み手段にて前記被検査組立軸
が撮像され、その画像データが回転角0°に関する被検
査画像データ(以下、便宜的に第1の被検査画像データ
と記す)として取り込まれる。
【0014】その後、前記被検査組立軸は、前記組立軸
位置決め手段にて所定の基準位置に対して例えば180
°の状態に位置決めされる。この状態において、画像取
り込み手段にて前記被検査組立軸が撮像され、その画像
データが回転角180°に関する被検査画像データ(以
下、便宜的に第2の被検査画像データと記す)として取
り込まれる。
【0015】その後、前記被検査組立軸は、前記組立軸
位置決め手段にて所定の基準位置に対して例えば90°
の状態に位置決めされる。この状態において、画像取り
込み手段にて前記被検査組立軸が撮像され、その画像デ
ータが回転角90°に関する被検査画像データ(以下、
便宜的に第3の被検査画像データと記す)として取り込
まれる。
【0016】そして、前記画像取り込み手段にて取り込
まれた前記第1〜第3の被検査画像データは、後段の画
像比較手段にて3種の正規画像データと比較される。こ
の3種の正規画像データは、正規の変速歯車組立軸を組
立軸位置決め手段にてクランプし、所定の基準位置に対
してそれぞれ回転角0°、180°及び90°とした際
に撮像したときの画像データを示す。以下の説明では、
回転角0°、180°及び90°の正規画像データをそ
れぞれ第1、第2及び第3の正規画像データと記す。
【0017】前記画像比較手段では、第1の被検査画像
データと第1の正規画像データとが比較され、第2の被
検査画像データと第2の正規画像データとが比較され、
第3の被検査画像データと第3の正規画像データとが比
較されることとなる。
【0018】そして、後段の判別手段において、前記画
像比較手段での各比較結果に基づいて、前記被検査組立
軸における組付けの合否が判別される。
【0019】この場合、画像データ同士の比較によって
組付け状態の合否を行うようにしているため、正規の変
速歯車組立軸が設計変更されて新規な組立軸となっても
装置自体の構造を正規の前記組立軸に対応して変える必
要はなく、再度画像取り込み手段にて新規の正規組立軸
を撮像して正規画像データとして取り込めばよい。つま
り、本発明に係る組付検査装置においては、正規の変速
歯車組立軸に対して設計変更があったとしても、装置構
造を作り直す必要がなく、容易に対応させることができ
る。
【0020】また、人間の手がかかわるのは、被検査組
立軸を組立軸位置決め手段にクランプすることだけであ
り、その後の回転角0°、180°及び90°に位置決
めさせる動作、画像取り込み手段での被検査組立軸に関
する画像の取り込み動作、画像比較手段での比較動作及
び判別手段での組付けの合否判別は電気的な処理にて自
動化させることができるため、労力の削減を有効に図る
ことができ、しかも、人間のミスが入り込む余地がなく
なり、組付検査についての誤認を引き起こすことを最小
限にくい止めることが可能となる。
【0021】また、3種の位置決め状態での各画像デー
タに基づいて組付けの合否判別を行うようにしているた
め、歯車間に挿入配置されるワッシャや、歯車と軸間に
挿入されるカラーの存否を見落とすことがなくなる。そ
の結果、被検査組立軸に対する検査項目の数を増やすこ
とができ高精度な組付検査を行うことが可能となる。
【0022】また、従来のような被検査組立軸を直立さ
せた状態で搬送させる搬送路や被検査組立軸の各歯車に
対して一方向に押圧するための検査治具等が不要となる
ため、組付検査装置の設置空間の省スペース化を図るこ
とができる。
【0023】請求項2記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記組立軸位
置決め手段を、板面が鉛直方向と平行とされた状態で回
転駆動機構により回転する回転板と、前記回転板の板面
に設けられ、かつ前記被検査組立軸を軸方向から挟持す
るクランプ手段と、前記回転板が前記所定の基準位置か
ら回転角0°、180°及び90°とされた状態で該回
転板を仮固定する仮止め手段とを設けて構成する。
【0024】これにより、まず、被検査組立軸は、回転
板に設けられたクランプ手段を通じて軸方向から挟持さ
れて回転板に保持される。そして、前記回転板が前記被
検査組立軸を保持した状態で回転され、前記所定の基準
位置から回転角0°、180°及び90°とされた状態
のたびに、前記仮止め手段にて仮固定されることとな
る。
【0025】前記仮止め手段での仮固定が行われるたび
に、前記画像取り込み手段での被検査組立軸に対する撮
像が行われて、3種の被検査画像データが取り込まれる
ことになる。
【0026】この場合、被検査組立軸をクランプした状
態で所定の基準位置から回転角0°、180°及び90
°に容易に位置決めすることができ、しかも、その位置
決め操作の自動化を容易に達成させることができるた
め、組付検査にかかる労力の削減をより進めることがで
きる。
【0027】請求項3記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記画像取り
込み手段を、被検査組立軸からの入射光をその光量に応
じた信号レベルの撮像信号に変換する撮像装置と、前記
撮像装置からの撮像信号を1フレーム分の画像データに
変換する画像処理装置と、前記各位置決め状態に対応し
た画像データが格納される記憶領域が論理的に割り付け
られた記憶手段と、前記画像処理装置から出力される画
像データをその位置決め状態に対応した記憶領域に格納
するデータ受取り手段を設けて構成する。
【0028】これにより、まず、組立軸位置決め手段に
て被検査組立軸が基準位置から回転角0°、180°及
び90°に位置決めされた各段階において、撮像装置を
通じて上記位置決め状態での被検査組立軸の入射映像が
撮像され、それぞれ電気的な撮像信号として後段の画像
処理装置に供給される。
【0029】画像処理装置においては、撮像装置から供
給された撮像信号を1フレームの画像データ(即ち、静
止画像データ)に変換する。具体的には、前記画像処理
装置は、まず、所定の基準位置に対して例えば回転角0
°で位置決めされた被検査組立軸の撮像信号を1フレー
ムの画像データに変換して第1の被検査画像データと
し、回転角180°で位置決めされた被検査組立軸の撮
像信号を1フレームの画像データに変換して第2の被検
査画像データとし、回転角90°で位置決めされた被検
査組立軸の撮像信号を1フレームの画像データに変換し
て第3の被検査画像データとする。
【0030】これら第1〜第3の被検査画像データは、
記憶手段に各位置決め状態に対応して論理的に割り付け
られたそれぞれの記憶領域にデータ受取り手段を通じて
格納される。
【0031】このように、被検査組立軸の入射映像を撮
像して得られた撮像信号を画像処理装置にて1フレーム
分の画像データに変換し、更にこの画像データを記憶手
段に記憶するようにしているため、その後の信号処理
(比較処理及び判別処理)をバッチ処理にて容易に行う
ことができ、その後の比較処理及び判別処理をソフトウ
エアにて行う場合に、プログラム容量の削減を有効に図
ることができ、しかも、各位置決め状態での画像データ
がすべて記憶手段に記憶されることから、システム保守
やデバッグ処理が簡単になる。
【0032】請求項4記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記撮像装置
と被検査組立軸が前記回転板を間に挟んで配置される場
合に、前記回転板を、該回転板の板面に対向して設けら
れた固定板に回転支持機構を介して回転自在に支持し、
前記回転板及び前記固定板における前記被検査組立軸が
位置される部分に対応した箇所にそれぞれ撮像用の窓を
形成して構成する。
【0033】これにより、まず、回転板は固定板によ
り、板面を直立させた状態で、かつ回転自在に支持され
る。そして、回転板にクランプされた被検査組立軸は、
回転板及び固定板に設けられた窓を通じて、撮像装置に
て撮像されることとなる。
【0034】この場合、被検査組立軸の検査対象以外の
部分を窓にて隠す(マスクする)ことができるため、余
分な画像を取り込むことがなく、被検査組立軸の再生画
像を目視にて確認しながら決定させる場合に、目移りす
ることがなく、正確に検査対象を決定させることができ
る。これは、検査精度の向上につながる。
【0035】請求項5記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記回転支持
機構を、前記回転板の前記固定板に対向する板面に同心
円周上に設けられた環状部材と、前記固定板の前記回転
板に対向する板面に同心円周上に複数にわたって設けら
れ、かつ前記回転板の環状部材を摺動自在に支持する支
持ブロックとを設けて構成する。
【0036】これにより、回転板は、固定板側の板面に
設けられた環状部材が固定板における回転板側の板面に
設けられた複数の支持ブロック上を摺動しながら回転す
ることとなる。即ち、回転板及び固定板には、その中央
に窓が設けられており、各回転板にはその回転のための
支軸を設けることができない。そこで、この発明では、
回転板に同心円周上に環状部材を設け、前記固定板に前
記環状部材を摺動自在に支持する支持ブロックを複数設
けるようにしたものである。
【0037】そのため、中央に被検査組立軸を撮像する
ための窓が設けられた回転板を回転させることが可能と
なり、被検査組立軸を所定の基準位置に対して0°、1
80°及び90°に容易に位置決めさせることができ
る。
【0038】請求項6記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記回転板の
回転駆動手段を、前記回転板の前記固定板に対向する板
面に同心円周上に設けられた環状のギヤ部材と、前記固
定板に設けられ、かつ前記ギヤ部材に回転力を付与する
モータを設けて構成する。
【0039】これにより、まず、モータの回転駆動力が
ギヤ部材に伝達されて該ギヤ部材が回転することによ
り、回転板が回転することとなる。
【0040】この場合、中央に被検査組立軸を撮像する
ための窓が設けられた回転板を環状のギヤ部材を通じて
回転させることが可能となり、被検査組立軸を所定の基
準位置に対して0°、180°及び90°に容易に位置
決めさせることができる。
【0041】請求項7記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記回転板の
外周に、少なくとも配線が巻き付けられる収容リールを
固定して構成する。
【0042】これにより、回転板を回転駆動するための
モータや各種近接スイッチ等への配線や回転板に被検査
組立軸をクランプするためのクランプ手段を圧縮空気
(エアー)による押圧によってクランプさせる機構とし
た場合に、圧縮空気の配管が収容リールに巻き付けられ
ることになる。
【0043】この場合、前記配線及び配管をコンパクト
にまとめることが可能となり、配線及び配管を引き回す
ための空間を縮小化させることができる。しかも、配線
や配管が回転板と一緒に回転することとなるため、回転
板が一方向に回転しても前記配線や配管がねじれたり絡
まったりすることがなく、被検査組立軸に対する撮像時
において前記配線や配管が邪魔になるということがなく
なり、一定の信頼性をもって検査することができる。
【0044】請求項8記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記回転板の
下方に、前記収容リールから引き出された少なくとも前
記配線を鉛直方向に対して所定角度をもって垂下支持す
る支持板を設けて構成する。
【0045】これにより、回転板の下方に垂下する前記
配線や配管がその途中で支持板に案内されて鉛直方向に
対して所定角度をもって支持され、回転板に不要な負荷
がかからなくなることから、回転板の回転駆動源として
大きな駆動力を有するものを使用する必要がなくなり、
また、回転板も高速で回転させることが可能となるた
め、検査時間の短縮化を実現させることができる。
【0046】請求項9記載の本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置は、前記構成において、前記画像比較
手段を、基準単位長並びに前記回転角0°についての正
規画像データと被検査画像データに基づいて、前記回転
角0°について予め決められた複数の比較対象区分での
各偏差を求める第1の偏差演算手段と、前記基準単位長
並びに前記回転角180°に関する正規画像データと被
検査画像データに基づいて、前記回転角180°につい
て予め決められた複数の比較対象区分での各偏差を求め
る第2の偏差演算手段と、前記基準単位長並びに前記回
転角90°に関する正規画像データと被検査画像データ
及び前記基準単位長に基づいて、前記回転角90°につ
いて予め決められた複数の比較対象区分での各偏差を求
める第3の偏差演算手段を設けて構成し、前記判別手段
を、第1〜第3の偏差演算手段にて得られた各偏差のう
ち、少なくとも1つの偏差が所定の公差範囲にない場合
に、組付け不良と判別するように構成する。前記基準単
位長としては1画素当たりの長さとすることができる
(請求項11記載の発明)。
【0047】これにより、まず、第1の偏差演算手段に
おいて、第1の正規画像データと第1の被検査画像デー
タに関し、回転角0°について予め決められた複数の比
較対象区分における各偏差が演算され、前記第2の偏差
演算手段において、第2の正規画像データと第2の被検
査画像データに関し、回転角180°について予め決め
られた複数の比較対象区分における各偏差が演算され
る。また、前記第3の偏差演算手段において、第3の正
規画像データと第3の被検査画像データに関し、回転角
90°について予め決められた複数の比較対象区分にお
ける各偏差が演算される。
【0048】そして、次の判別手段において、前記第1
〜第3の偏差演算手段にて得られた各偏差のうち、少な
くとも1つの偏差が所定の公差範囲にない場合に、組付
け不良と判別されることになる。
【0049】この場合、回転角0°、180°及び90
°においてそれぞれ特有の比較対象範囲を任意に設定す
ることができる。従って、例えばある部位においてワッ
シャが取り付けられていない場合に、回転角0°での状
態では検出不可能であっても、回転角180°の状態に
おいては検出可能な場合がある。このような場合に、前
記部位を回転角0での比較対象範囲とせずに、回転角1
80°での比較対象範囲とする。これによって、ワッシ
ャ等の細かい部品の有無を各偏差演算手段にて容易に求
めることができ、しかも高精度に求めることができるた
め、判別手段において信頼性の高い判別結果を得ること
ができる。
【0050】これら第1〜第3の偏差演算手段及び判別
手段をソフトウエアにて構成することにより、これら回
路構成が簡単になり、組付検査装置自体の構造の簡略化
を達成させることができる。
【0051】なお、前記第1の偏差演算手段としては、
前記正規組立軸に関し、前記回転角0°について予め決
められた複数の比較対象区分の距離を、前記回転角0°
に関する正規画像データと前記基準単位長に基づいて求
める第1の正規区分演算手段と、前記被検査組立軸に関
し、前記回転角0°について予め決められた複数の比較
対象区分の距離を前記回転角0°に関する被検査画像デ
ータと前記基準単位長に基づいてそれぞれ求める第1の
被検査区分演算手段と、前記第1の正規区分演算手段に
て得られた正規組立軸に関する複数の距離と、第1の被
検査区分演算手段にて得られた被検査組立軸に関する複
数の距離との差分をとって各区分毎の偏差を求める第1
の差分演算手段を設けて構成することができる。
【0052】また、前記第2の偏差演算手段としては、
前記正規組立軸に関し、前記回転角180°について予
め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角1
80°に関する正規画像データと前記基準単位長に基づ
いてそれぞれ求める第2の正規区分演算手段と、前記被
検査組立軸に関し、前記回転角180°について予め決
められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角180
°に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づい
てそれぞれ求める第2の被検査区分演算手段と、前記第
2の正規区分演算手段にて得られた正規組立軸に関する
複数の距離と、第2の被検査区分演算手段にて得られた
被検査組立軸に関する複数の距離との差分をとって各区
分毎の偏差を求める第2の差分演算手段を設けて構成す
ることができる。
【0053】また、前記第3の偏差演算手段としては、
前記正規組立軸に関し、前記回転角90°について予め
決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角90
°に関する正規画像データと前記基準単位長に基づいて
それぞれ求める第3の正規区分演算手段と、前記被検査
組立軸に関し、前記回転角90°について予め決められ
た複数の比較対象区分の距離を前記回転角90°に関す
る被検査画像データと前記基準単位長に基づいてそれぞ
れ求める第3の被検査区分演算手段と、前記第3の正規
区分演算手段にて得られた正規組立軸に関する複数の距
離と、第3の被検査区分演算手段にて得られた被検査組
立軸に関する複数の距離との差分をとって各区分毎の偏
差を求める第3の差分演算手段を設けて構成することが
できる(請求項10記載の発明)。
【0054】この場合、前記各距離は、対応する比較対
象区分の有効画像の上部境界に含まれる複数の水平走査
線の平均ラインから対象画像の下部境界に含まれる複数
の水平走査線の平均ラインまでの画素数と前記基本単位
長にて定めることができる(請求項11記載の発明)。
【0055】次に、請求項12記載の本発明に係る変速
歯車組立軸の組付検査方法は、被検査対象の変速歯車組
立軸である被検査組立軸をクランプし、かつ所定基準位
置に対して0°、180°及び90°に回転位置決めす
る第1のステップと、前記第1のステップでの各位置決
め状態における前記被検査組立軸を撮像し、3種の被検
査画像データとして取り込む第2のステップと、正規の
変速歯車組立軸における前記各位置決め状態に対応する
3種の正規画像データと前記3種の被検査画像データと
を比較する第3のステップと、前記第3のステップでの
比較結果に基づいて前記被検査組立軸における組付けの
合否を判別する第4のステップとを有することを特徴と
する。
【0056】これにより、第1のステップにて被検査組
立軸がクランプされ、その後、所定の基準位置に対して
例えば0°の状態に位置決めされる。この状態におい
て、第2のステップにて前記被検査組立軸が撮像され、
その画像データが回転角0°に関する被検査画像データ
(第1の被検査画像データ)として取り込まれる。
【0057】その後、前記被検査組立軸は、前記第1の
ステップにて所定の基準位置に対して例えば180°の
状態に位置決めされる。この状態において、第2のステ
ップにて前記被検査組立軸が撮像され、その画像データ
が回転角180°に関する被検査画像データ(第2の被
検査画像データ)として取り込まれる。
【0058】その後、前記被検査組立軸は、前記第1の
ステップにて所定の基準位置に対して例えば90°の状
態に位置決めされる。この状態において、第2のステッ
プにて前記被検査組立軸が撮像され、その画像データが
回転角90°に関する被検査画像データ(第3の被検査
画像データ)として取り込まれる。
【0059】そして、前記第2のステップにて取り込ま
れた前記第1〜第3の被検査画像データは、第3のステ
ップにて3種の正規画像データと比較される。この3種
の正規画像データは、正規の変速歯車組立軸をクランプ
し、所定の基準位置に対してそれぞれ回転角0°、18
0°及び90°とした際に撮像したときの画像データを
示す。以下の説明では、回転角0°、180°及び90
°の正規画像データをそれぞれ第1、第2及び第3の正
規画像データと記す。
【0060】前記第3のステップでは、第1の被検査画
像データと第1の正規画像データとが比較され、第2の
被検査画像データと第2の正規画像データとが比較さ
れ、第3の被検査画像データと第3の正規画像データと
が比較されることとなる。
【0061】そして、第4のステップにおいて、前記第
3のステップの各比較結果に基づいて、前記被検査組立
軸における組付けの合否が判別される。
【0062】この場合、画像データ同士の比較によって
組付け状態の合否を行うようにしているため、正規の変
速歯車組立軸が設計変更されて新規な組立軸となっても
装置自体の構造を正規の前記組立軸に対応して変える必
要はなく、再度画像取り込み手段にて新規の正規組立軸
を撮像して正規画像データとして取り込めばよい。つま
り、本発明に係る組付検査方法においては、正規の変速
歯車組立軸に対して設計変更があったとしても簡単に対
応させることができる。
【0063】また、人間の手がかかわるのは、被検査組
立軸をクランプすることだけであり、その後の回転角0
°、180°及び90°に位置決めさせる動作、第2の
ステップでの被検査組立軸に関する画像の取り込み動
作、第3のステップでの比較動作及び第4のステップで
の組付けの合否判別は電気的な処理にて自動化させるこ
とができるため、労力の削減を有効に図ることができ、
しかも、人間のミスが入り込む余地がなくなり、組付検
査についての誤認を引き起こすことを最小限にくい止め
ることが可能となる。
【0064】また、3種の位置決め状態での各画像デー
タに基づいて組付の合否判別を行うようにしているた
め、歯車間に挿入配置されるワッシャや、歯車と軸間に
挿入されるカラーの存否を見落とすおそれがなくなる。
その結果、被検査組立軸に対する検査項目の数を増やす
ことができ高精度の組付検査を行うことが可能となる。
【0065】また、従来のような被検査組立軸を直立さ
せた状態で搬送させる搬送路や被検査組立軸の各歯車に
対して一方向に押圧するための検査治具等が不要となる
ため、組付検査装置の設置空間の省スペース化を図るこ
とができる。請求項13記載の本発明に係る変速歯車組
立軸の組付検査方法は、上記方法において、前記第3の
ステップに、基準単位長並びに前記回転角0°について
の正規画像データと被検査画像データに基づいて、前記
回転角0°について予め決められた複数の比較対象区分
での各偏差を求める第1の偏差演算ステップと、前記基
準単位長並びに前記回転角180°に関する正規画像デ
ータと被検査画像データに基づいて、前記回転角180
°について予め決められた複数の比較対象区分での各偏
差を求める第2の偏差演算ステップと、前記基準単位長
並びに前記回転角90°に関する正規画像データと被検
査画像データ及び前記基準単位長に基づいて、前記回転
角90°について予め決められた複数の比較対象区分で
の各偏差を求める第3の偏差演算ステップを含めるよう
にし、更に、前記第4のステップを、第1〜第3の偏差
演算ステップにて得られた各偏差のうち、少なくとも1
つの偏差が所定の公差範囲にない場合に、組付け不良と
判別する。前記基準単位長としては1画素当たりの長さ
とすることができる(請求項15記載の発明)。
【0066】これにより、まず、第1の偏差演算ステッ
プにおいて、第1の正規画像データと第1の被検査画像
データに関し、回転角0°について予め決められた複数
の比較対象区分における各偏差が演算され、前記第2の
偏差演算ステップにおいて、第2の正規画像データと第
2の被検査画像データに関し、回転角180°について
予め決められた複数の比較対象区分における各偏差が演
算される。また、前記第3の偏差演算ステップにおい
て、第3の正規画像データと第3の被検査画像データに
関し、回転角90°について予め決められた複数の比較
対象区分における各偏差が演算される。
【0067】そして、前記第4のステップにおいて、こ
れら第1〜第3の偏差演算ステップにて得られた各偏差
のうち、少なくとも1つの偏差が所定の公差範囲にない
場合に、組付け不良と判別されることになる。
【0068】この場合、回転角0°、180°及び90
°においてそれぞれ特有の比較対象範囲を任意に設定す
ることができる。従って、例えばある部位においてワッ
シャが取り付けられていない場合に、回転角0°での状
態では検出不可能であっても、回転角180°の状態に
おいては検出可能な場合がある。このような場合に、前
記部位を回転角0での比較対象範囲とせずに、回転角1
80°での比較対象範囲とする。これによって、ワッシ
ャ等の細かい部品の有無を各偏差演算ステップにて容易
に求めることができ、しかも高精度に求めることができ
るため、第4のステップにおいて信頼性の高い判別結果
を得ることができる。
【0069】なお、前記第1の偏差演算ステップとして
は、前記正規組立軸に関し、前記回転角0°について予
め決められた複数の比較対象区分の距離を、前記回転角
0°に関する正規画像データと前記基準単位長に基づい
て求める第1の正規区分演算ステップと、前記被検査組
立軸に関し、前記回転角0°について予め決められた複
数の比較対象区分の距離を前記回転角0°に関する被検
査画像データと前記基準単位長に基づいてそれぞれ求め
る第1の被検査区分演算ステップと、前記第1の正規区
分演算ステップにて得られた正規組立軸に関する複数の
距離と、第1の被検査区分演算ステップにて得られた被
検査組立軸に関する複数の距離との差分をとって各区分
毎の偏差を求める第1の差分演算ステップにて構成する
ことができる。
【0070】また、前記第2の偏差演算ステップとして
は、前記正規組立軸に関し、前記回転角180°につい
て予め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転
角180°に関する正規画像データと前記基準単位長に
基づいてそれぞれ求める第2の正規区分演算ステップ
と、前記被検査組立軸に関し、前記回転角180°につ
いて予め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回
転角180°に関する被検査画像データと前記基準単位
長に基づいてそれぞれ求める第2の被検査区分演算ステ
ップと、前記第2の正規区分演算手段にて得られた正規
組立軸に関する複数の距離と、第2の被検査区分演算手
段にて得られた被検査組立軸に関する複数の距離との差
分をとって各区分毎の偏差を求める第2の差分演算ステ
ップにて構成することができる。
【0071】また、前記第3の偏差演算ステップとして
は、前記正規組立軸に関し、前記回転角90°について
予め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角
90°に関する正規画像データと前記基準単位長に基づ
いてそれぞれ求める第3の正規区分演算ステップと、前
記被検査組立軸に関し、前記回転角90°について予め
決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角90
°に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づい
てそれぞれ求める第3の被検査区分演算ステップと、前
記第3の正規区分演算ステップにて得られた正規組立軸
に関する複数の距離と、第3の被検査区分演算手段にて
得られた被検査組立軸に関する複数の距離との差分をと
って各区分毎の偏差を求める第3の差分演算ステップに
て構成することができる(請求項14記載の発明)。
【0072】この場合、前記各距離は、対応する比較対
象区分の有効画像の上部境界に含まれる複数の水平走査
線の平均ラインから対象画像の下部境界に含まれる複数
の水平走査線の平均ラインまでの画素数と前記基本単位
長にて定めることができる(請求項15記載の発明)。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る変速歯車組立
軸の組付検査装置及び組付検査方法を例えば自動車のト
ランスミッションに組み込まれるメインシャフト及びカ
ウンタシャフトの組付検査装置に適用した実施の形態例
(以下、単に実施の形態に係る組付検査装置と記す)を
図1〜図27を参照しながら説明する。
【0074】本実施の形態に係る組付検査装置は、被検
査対象であるメインシャフト及びカウンタシャフトを回
転板にそれぞれ軸方向を鉛直方向に一致させてクランプ
し、この状態を基準位置としたときに、基準位置に対し
て回転角0°のとき(即ち、基準位置にあるとき)の両
シャフトの画像と、基準位置から回転角90°まで回転
させたときの画像と、基準位置から回転角180°まで
回転させたときの画像をそれぞれ取り込んで、正規のメ
インシャフト及びカウンタシャフトのそれぞれ対応する
画像と比較することによってその組付け状態の合否を判
別するものである。
【0075】以下の説明では、まず、本実施の形態に係
る組付検査装置の機械的構造及び機構を説明し、その
後、該機構に対して所定の動作を行わせるシステムコン
トローラの動作説明を行い、最後に被検査対象の両シャ
フトの画像と正規の両シャフトの画像とを比較して合否
判別を行うデータ処理装置、特にそのソフトウエアの構
成及びデータ処理動作について説明する。 〔組付検査装置の機械的構造及び機構の説明〕本実施の
形態に係る組付検査装置は、図1〜図3に示すように、
テーブル10上に固定された基台12上に取り付けられ
るものであり、被検査対象のメインシャフトWm及びカ
ウンタシャフトWcをクランプし、かつこれらメインシ
ャフトWm及びカウンタシャフトWcを所定基準位置に
対して回転角0°、90°及び180°に回転位置決め
する組立軸位置決め手段14(図2参照)と、該組立軸
位置決め手段14での各位置決め状態におけるメインシ
ャフトWm及びカウンタシャフトWcを撮像し、3種の
被検査画像データとして取り込む画像取り込み手段16
とを有して構成されている。
【0076】上記組立軸位置決め手段14は、基台12
上に例えばネジ止めにより直立して固着された固定板2
0と、該固定板20の板面に対向して配され、かつ該固
定板20に対して回転自在に取り付けられた回転板22
と、該回転板22の一方の板面(固定板20とは反対側
の板面)に設けられ、かつ被検査対象のメインシャフト
Wm及びカウンタシャフトWcを並列させた状態でそれ
ぞれ軸方向から挟持するクランプ機構24と、上記回転
板22が所定の基準位置から回転角0°、90°及び1
80°とされた状態で該回転板22を仮固定する仮止め
機構26(図5参照)とを有する。
【0077】上記回転板22は、合成樹脂製、金属製あ
るいは木製にて円形に形成され、その中央にはほぼ矩形
状の窓28aが形成されている。この窓28aの大きさ
は、クランプ機構24にてメインシャフトWm及びカウ
ンタシャフトWcを保持したとき、これらメインシャフ
トWm及びカウンタシャフトWcの検査すべき対象範囲
が窓28aを通じて現出できうる程度の大きさとされて
いる。また、固定板20にも回転板22と同じ大きさの
窓28bが回転板22の窓28aと対応する位置に設け
られている。
【0078】また、この回転板22の他方の板面(固定
板20側の板面)には、回転板22を回転駆動させるた
めの回転駆動機構30と回転板22を固定板20に対し
て回転自在に支持せるための回転支持機構32が設けら
れている。
【0079】上記回転駆動機構30は、図4の拡大図に
も示すように、回転板22における他方の板面の同心円
周上に設けられた環状のギヤ部材34と、固定板20に
設けられ、かつ上記ギヤ部材34に回転力を付与するモ
ータ36とを有する。ギヤ部材34は、例えば回転板2
2の上記他方の板面における半径aで示す同心円周上に
例えばネジ止めにより固着され、また、上記ギヤ部材3
4の不要な揺動を防止するために、上記ギヤ部材34と
回転板22の板面との間にはカラー38が挿入固着され
ている。なお、モータ36としては、例えばACサーボ
モータが使用され、該モータ36にはその回転角を検出
し、その回転角に応じたパルスを発生する第1のパルス
発生器40(図7参照)が設けられている。この第1の
パルス発生器40から出力されるパルス信号P1は、こ
れら各種駆動機構を駆動制御するシステムコントローラ
42での信号処理を容易にするために、上記パルス信号
P1のパルス数を計数する第1のカウンタ44にも供給
されるようになっている。
【0080】上記回転支持機構32は、図4の拡大図に
も示すように、回転板22における他方の板面の同心円
周上に設けられた環状のレール部材46と、図4及び図
6に示すように、固定板20における上記回転板22に
対向する板面の同心円周上に複数(図6の例では4つ)
にわたって設けられ、かつ上記回転板22の環状のレー
ル部材46を摺動自在に支持する支持ブロック48a〜
48dとを有する。
【0081】上記レール部材46は、図4に示すよう
に、例えば回転板22の板面における半径b(>半径
a)で示す同心円周上に例えばネジ止めにより固着され
ている。一方、4つの支持ブロック48a〜48dは、
固定板20に対してネジ止めによって固着され、図6に
示すように、固定板20の回転板22と対向する板面を
正面にみたとき、それぞれ2つの支持ブロックが互いに
180°対向で配置され、隣り合う2つの支持ブロック
にてなす角が90°とされている。そして、これら支持
ブロック48a〜48dは、回転板22側のレール部材
46が摺動自在となるようにレール部材46の曲率に合
致し、かつ幅がレール部材46の幅よりも僅かに大とさ
れた円弧状の案内溝50が形成されている。
【0082】仮止め機構26は、回転板22の同心円周
上に90°毎に形成された3つの貫通孔52と、固定板
20に取り付けられ、位置決め用ピン54を進退自在に
移動させる往復機構56を有する。位置決め用ピン54
は、往復機構56の駆動によって前方(回転板22の方
向)に移動したとき、その先端が回転板22に設けられ
た上記貫通孔52に挿通できる程度まで突出するように
構成されている。往復機構56としては、例えばエアー
の供給・排気によってピストンを進退自在とするピスト
ン式往復機構などを使用することができる。
【0083】そして、上記往復機構56による位置決め
用ピン54の前方への移動駆動は、例えば上記回転駆動
機構30のモータ36の回転角を検出する第1のパルス
発生器40(図7参照)から出力されるパルス信号P1
のパルス数が回転角0°、90°及び180°に対応す
る数となった時点で行われるようになっている。例え
ば、回転板22が1回転する間に第1のパルス発生器4
0から400パルスを含むパルス信号P1が出力される
場合、0パルスの時点(回転角0°に対応する)、10
0パルスとなった時点(回転角90°に対応する)並び
に200パルスとなった時点(回転角180°に対応す
る)でそれぞれ位置決め用ピン54が前方に移動するよ
うになっている。
【0084】また、この仮止め機構26には、位置決め
用ピン54が最も後方(回転板22から離間する方向)
に位置したときに検出信号S1を出力する第1の近接ス
イッチSW1(図7参照)と位置決め用ピン54が最も
前方に位置したときに検出信号S2を出力する第2の近
接スイッチSW2が設けられている。なお、上記回転駆
動機構30の駆動タイミングや位置決め用ピン54の移
動タイミングについての詳細は後述する。
【0085】クランプ機構24は、図1に示すように、
回転板22の一方の板面のうち、窓28aの下辺よりも
下側の位置に固着された2つのシャフト載置台58m及
び58cと、同じ板面のうち、窓28aの左右両辺より
も外側に固定された2つのピストン式往復機構60m及
び60cと、これら往復機構60m及び60cの各ピス
トンロッド62m及び62cの先端に一端が固着され、
かつ互いに回転板22の鉛直中心線に向かって延長され
た押圧片64m及び64cと、これら押圧片64m及び
64cの各他端をピストンロッド62m及び62cの移
動に応じて上下方向に例えばすべり対偶にて案内する案
内機構66m及び66cを有して構成されている。各押
圧片64m及び64cは、それぞれ窓28aの上辺より
も上側に配置されたかたちとされ、各押圧片64m及び
64cの先端下部には例えばバネの付勢力によって下方
に突出する押圧突部68m及び68cが設けられてい
る。これら押圧突部68m及び68cは、自然状態のと
き、各下端が窓28aの上辺よりも下方に位置した状態
となっている。
【0086】そして、上記クランプ機構24にてメイン
シャフトWm及びカウンタシャフトWcをクランプする
場合は、まず、検査すべき例えばメインシャフトWmを
直立させた状態(軸方向を鉛直方向に向けた状態)で例
えば左側のシャフト載置台58mに載置し、更にその上
部の押圧突部68mにてメインシャフトWmの軸上部を
押圧させることにより、該メインシャフトWmをシャフ
ト載置台58mと押圧突部68m間に保持させる。次
に、検査すべきカウンタシャフトWcを同じく直立させ
た状態で今度は右側のシャフト載置台58cに載置し、
更にその上部の押圧突部68cにてカウンタシャフトW
cの軸上部を押圧させることにより、該カウンタシャフ
トWcをシャフト載置台58cと押圧突部68c間に保
持させる。
【0087】そして、この組付検査装置の図示しない操
作パネルにある例えばスタートボタンSB(図7参照)
の操作に基づいて、各往復機構60m及び60cのシリ
ンダ内へのエアーの供給、あるいはシリンダからのエア
ーの排気が行われることにより、各ピストンが下方に移
動し、これによって各シャフトWm及びWcは回転板2
2に強固にクランプされることとなる。
【0088】上記シャフト載置台(58m,58c)、
往復機構(60m,60c)、ピストンロッド(62
m,62c)、押圧片(64m,64c)、案内機構
(66m,66c)、押圧突部(68m,68c)のそ
れぞれを一括していう場合は、シャフト載置台58、往
復機構60、ピストンロッド62、押圧片64、案内機
構66、押圧突部68と記す。
【0089】上記回転駆動機構30は、検査開始前にお
いて、第1のパルス発生器40からのパルス信号P1に
含まれるパルス数と回転板22の回転角とを対応させる
ための原点出しが行われる。この原点出しは、例えば以
下の手順にて行われる。
【0090】まず、回転板22を所定の基準位置に位置
させて、クランプ機構24の押圧突部68が上部に位置
し、かつ押圧突部68とシャフト載置台58を結ぶ軸線
が鉛直方向となるように位置させる。この段階で、仮止
め機構26における往復機構56を動作させて位置決め
用ピン54を回転板22の貫通孔52に挿入させて回転
板22を仮固定し、更に、第1のカウンタ44に対して
リセット信号を供給してそのパルス計数値を0リセット
する。
【0091】また、図4に示すように、回転板22は、
その一方の板面における外周面に、外径が回転板22の
外径よりも大とされ、かつ内径が回転板22の外径より
も小とされた環状の板部材70が例えばネジ止めあるい
は接着剤にて固着され、該板部材70の後方側板面に合
成樹脂製あるいは金属製のリール部材72が例えばネジ
止めあるいは接着剤にて固着されている。このリール部
材72は、回転板22の軸方向に沿って延在する円筒部
72aと該円筒部72aの前端と後端部分に設けられた
フランジ部72b及び72cを有する断面ほぼコ字状に
形成されている。そして、円筒部72aの外周面とフラ
ンジ部72b及び72cにおける互いの対向面にて配線
及び配管74の巻き付け空間が形成され、各電気部品か
ら導出される配線や各空気圧部品から導出される配管が
上記巻き付け空間を通じて円筒部72aの外周面に巻き
付けられるようになっている。即ち、上記配線及び配管
74は一まとめにされてリール部材72の巻き付け空間
内に収容されることとなる。これにより、配線及び配管
74が乱雑に引き回されることがなくなり、検査時での
誤操作を防止することができる。また、回転板22の外
周部分(又は外周空間)を有効利用して配線及び配管7
4を収容できることから、装置の設置空間を省スペース
化でき、検査工程ラインにて占有される空間を縮小化さ
せる上で非常に有利となる。
【0092】上記リール部材72から外部に引き回され
る配線及び配管74の導出処理としては、これら配線及
び配管74をテーブル10の下部に吊り下げるようにし
てもよいが、この場合、配線及び配管74の自重が回転
板22における配線及び配管74の引き出し部分に直接
作用することから、回転板22を回転駆動するために、
トルクの大きな駆動モータが必要となり、回転駆動系の
消費電力が増大し、装置のサイズも大きくなるおそれが
ある。また、上記配線及び配管74における自重の作用
により、回転板22を速く回転させることができず、検
査時間の短縮化において不利になるというおそれがあ
る。
【0093】そこで、この実施の形態に係る組付検査装
置では、テーブル10の下部に配線及び配管74を斜め
方向に支持する支持板76を設置するようにしている。
この支持板76は、一端が取付ピンP等によって地面に
固定され、かつ地面から数cm上方において該地面と平
行して延在する水平板76aと、該水平板76aの端面
から回転板22が位置する部分の直下まで斜め上方に延
在する傾斜板76bとが例えば樹脂成形により又は金属
成形によって一体に形成されて構成されている。この傾
斜板76bの水平線とのなす角(傾斜角)は、ほぼ30
度とされている。傾斜板76bの他端(傾斜上端)は、
自由端としてもよいし、あるいは、テーブル10の2本
の脚間に架設された例えば木製のはり部材に固定・支持
させるようにしてもよい。
【0094】上記支持板76を設けることによって、リ
ール部材72から引き出された配線及び配管74は、上
記支持板76の傾斜板76bによって支持されて水平板
76a側に案内されることとなるため、回転板22に作
用する配線及び配管74の自重はほとんど無視できるほ
ど小さくなる。その結果、回転駆動機構30のモータ3
6として大きな駆動モータを使用する必要がなくなり、
また、回転板22も280m/s以上の速度で回転させ
ることが可能となるため、検査時間の短縮化を実現させ
ることができる。
【0095】画像取り込み手段16は、固定板20の後
方(回転板22側とは反対の方向)にある距離Dをおい
て設置され、かつ回転板22にクランプされた各シャフ
トWm及びWcの入射映像を撮像するビデオカメラ78
と、回転板22の前方にある距離dをおいて配置され、
ビデオカメラ78に向けて光を照射する光源80と、図
7に示すように、ビデオカメラ78からの撮像信号Sを
画像データDvに変換する画像処理装置82とを有す
る。
【0096】ビデオカメラ78と光源80は共に、図2
に示すように、例えばACサーボモータ84を駆動源と
する上下スライド機構86によって互いに連動して上下
方向に移動するようになっている。この上下スライド機
構86は、基台12上の例えば固定板20の後方左側に
直立して設けられ、かつ外側面に上下方向に延長して設
けられた2本のレール88を有する支柱90と、該支柱
90の上部に回転軸を下方に向けて取り付けられた上記
モータ84と、該モータ84の回転軸に例えば軸継手を
介して取り付けられたボールネジ92と、該ボールネジ
92がねじ込まれたナット部材94を有し、かつ上記2
本のレール88によって上下方向に案内されながら支柱
90に沿って摺動可能とされたスライド板96とを有す
る。
【0097】このスライド板96は、回転板22よりも
前方の位置から固定板20の後方、即ちビデオカメラ7
8が設置される部分まで延在する横長の形状を有する。
このスライド板96の前方の先端部分には、テーブル1
0の内方に向かって延び、かつ回転板22と対向する板
面に光源80が取り付けられる光源取付板98が例えば
ネジ止め等によって固着され、上記スライド板96の後
方の先端部分には、テーブル10の内方に向かって延
び、かつ先端部にビデオカメラ78が収容可能とされた
枠体100が設けられたカメラ取付板102が例えばネ
ジ止め等によって固着されている。
【0098】上記ビデオカメラ78のカメラ取付板10
2への取り付けと、光源80の光源取付板98への取り
付けは、ビデオカメラ78における撮像レンズの光軸が
光源80の中心にほぼ一致するように取り付けられる。
なお、ビデオカメラ78としては、例えば5000画素
の白黒方式のものが使用される。
【0099】上記上下スライド機構86の駆動源である
ACサーボモータ84には、上記回転駆動機構30にお
けるACサーボモータ36の場合と同様に、モータ84
の回転角を検出し、その回転角に応じたパルスを発生す
る第2のパルス発生器104(図7参照)が設けられて
いる。このパルス発生器104からは、スライド板96
が下死点から上死点まで移動する間に、2048パルス
を含むパルス信号P2が出力される。また、この第2の
パルス発生器104の後段には、第2のカウンタ106
が接続されている。この第2のカウンタ106は、上記
第2のパルス発生器104からのパルス信号P2に含ま
れるパルス数を計数して例えばシステムコントローラ4
2に出力するようになっている。
【0100】そして、この上下スライド機構86におい
ても、検査開始前に、第2のパルス発生器104からの
パルス信号P2に含まれるパルス数と上下スライド機構
86の上下移動量とを対応させるための原点出しが行わ
れる。この原点出しは、まず、上下スライド機構86を
動作させてスライド板96を下死点に位置させ、この段
階で、第2のカウンタ106に対してリセット信号を供
給してそのパルス計数値を0リセットすることにより行
われる。
【0101】ビデオカメラ78の後段に接続されている
画像処理装置82は、図7に示すように、ビデオカメラ
78から順次送られてくる撮像信号Sを画素単位に分離
された例えば1ビットのデジタルデータ(二値の画素デ
ータ)に変換する1ビットA/D変換器108と、該A
/D変換器108から送出される画素データがアドレス
順次に格納される3つのビデオRAM(109A〜10
9C)と、これらビデオRAM(109A〜109C)
のデータ書込み及びデータ読出しを制御するメモリコン
トローラ110を有して構成されている。以下の説明で
は、画素データと画像データを区別するため、各ビデオ
RAM(109A〜109C)に格納された後の画素デ
ータの集まりを画像データDvと定義する。
【0102】上記3つのビデオRAM(第1、第2及び
第3のビデオRAM109A、109B及び109C)
は、被検査対象であるメインシャフトWm及びカウンタ
シャフトWcが所定の基準位置に対して回転角0°、9
0°及び180°のときの画像データDv1、Dv2及
びDv3がそれぞれ格納されるようになっている。
【0103】A/D変換器108から順次送出される画
素データをどのビデオRAM(109A、109B又は
109C)に格納するかの判別は、例えば後述するシス
テムコントローラ42からの情報(画像取込み指令コー
ドDc内の情報)に基づいてメモリコントローラ110
において行われる。
【0104】例えば、システムコントローラ42から出
力されてメモリコントローラ110に供給される上記画
像取込み指令コードDcには、画素データを格納すべき
ビデオRAMを指定する例えばデバイス番号が含まれて
おり、メモリコントローラ110は、システムコントロ
ーラ42からの上記画像取込み指令コードDcの入力に
基づいて、A/D変換器108から順次送出されてくる
画素データの受け取りを開始し、上記指令コードDcに
含まれているデバイス番号を参照して、該デバイス番号
に対応するビデオRAMに順次画素データを格納してい
くという動作を行う。
【0105】また、上記メモリコントローラ110は、
システムコントローラ42からの画像出力信号Soの入
力に基づいて各ビデオRAM(109A〜109C)に
格納されている画像データ(Dv1〜Dv3)を読み出
して、この画像処理装置82の後段に接続されているデ
ータ処理装置112に出力する。このとき、データ処理
装置112にはシステムコントローラ42から起動信号
Sdが供給されてスタンバイ状態とされており、これに
より、データ処理装置112は、供給された画像データ
Dvに対して所定の演算を施して、組付の合否判別が行
われる。該データ処理装置112の具体的な構成及び処
理動作は後述する。 〔システムコントローラの動作説明〕次に、システムコ
ントローラ42の動作を図7のブロック図及び図8のタ
イミングチャートも参照しながら説明する。この説明で
は、回転駆動機構30及び上下スライド機構86に対す
る原点出しが終了し、被検査対象であるメインシャフト
Wm及びカウンタシャフトWcをクランプ機構24を通
じて回転板22に保持させた状態から説明を行う。
【0106】このシステムコントローラ42は、例えば
マイクロコンピュータにて構成され、プログラムROM
内に登録されているシーケンス制御プログラムを動作用
RAMにストアして起動することにより、図8のタイミ
ングチャートで示す制御を行うようになっている。
【0107】具体的にその制御動作を図8のタイミング
チャートに基づいて説明すると、まず、操作パネルにあ
るスタートボタンSBを操作者が操作することによっ
て、該スタートボタンSBからのキー入力データがイン
ターフェース回路114を通じてシステムコントローラ
42に供給される。
【0108】システムコントローラ42は、上記スター
トボタンSBからのキー入力データの供給に基づいて、
まず、ビデオカメラ78に起動信号Sddを出力し、同
時に、クランプ機構24における左右一対の往復機構6
0(60m,60c)のシリンダへのエアーの供給・排
気を制御する電磁弁回路116に対して、各往復機構6
0m,60cのピストンを下方に移動させるための制御
信号Sc1を出力する。これによって、各往復機構60
m,60cのピストンが下方に移動し、メインシャフト
Wm及びカウンタシャフトWcは回転板22に強固に保
持されることになる。また、ビデオカメラ78は、シス
テムコントローラ42からの起動信号Sddの入力に基
づいてメインシャフトWm及びカウンタシャフトWcの
撮像を開始する。
【0109】その後、システムコントローラ42は、上
下スライド機構86のモータ駆動回路118に、スライ
ド板96を上方に例えば200m/sにて移動させるた
めの制御信号Sc2を出力する。モータ駆動回路118
は、上記システムコントローラ42からの制御信号Sc
2の入力に基づいて、モータ84の制御巻線及び励磁巻
線に駆動電流を流し、これによって、スライド板96は
速度200m/sにて上方に移動する。このとき、第2
のカウンタ106において第2のパルス発生器104か
らのパルス信号P2に含まれるパルスが計数され、その
計数値が2048となった時点(スライド板96が上死
点に達した時点)で0リセットされると同時にキャリー
信号C2がシステムコントローラ42に出力される。
【0110】システムコントローラ42は、第2のカウ
ンタ106からのキャリー信号C2の入力に基づいて、
モータ駆動回路118に、今度は、スライド板96を下
方に速度120m/sにて移動させるための制御信号S
c2を出力し、同時に画像処理装置82のメモリコント
ローラ110に画像取込み指令コードDc(第1のビデ
オRAM109Aを指示する情報が含まれている)を出
力する。モータ駆動回路118は、上記システムコント
ローラ42からの制御信号Sc2の入力に基づいて、モ
ータ84の制御巻線及び励磁巻線に駆動電流を流し、こ
れによって、スライド板96は速度120m/sにて下
方に移動する。この下方への移動の際にビデオカメラ7
8によって撮像されたメインシャフトWm及びカウンタ
シャフトWcの画像データDv1が画像処理装置82に
おける第1のビデオRAM109Aに格納されることと
なる。
【0111】そして、第2のカウンタ106でのパルス
計数値が2048となった時点(スライド板96が下死
点に達した時点)で上記計数値が0リセットされると同
時に該第2のカウンタ106からキャリー信号C2がシ
ステムコントローラ42に出力される。
【0112】システムコントローラ42は、第2のカウ
ンタ106からのキャリー信号C2の入力に基づいて、
今度は、仮止め機構26における往復機構56のシリン
ダへのエアーの供給・排気を制御する電磁弁回路120
に対して、該往復機構56のピストンを後方(回転板2
2から離間する方向)に移動させるための制御信号Sc
3を出力する。これによって、往復機構56のピストン
が後方に移動し、位置決め用ピン54が回転板22の貫
通孔52から引き出され、回転板22は回転可能状態と
される。
【0113】位置決め用ピン54が最も後方に位置した
時点で仮止め機構26に設けられた第1の近接スイッチ
SW1から検出信号Ss1が出力され、該検出信号Ss
1はシステムコントローラ42に供給される。システム
コントローラ42は、上記近接スイッチSW1からの検
出信号Ss1の入力に基づいて、上下スライド機構86
のモータ駆動回路118に、スライド板96を上方に2
00m/sにて移動させるための制御信号Sc2を出力
し、同時に回転駆動機構30のモータ駆動回路122に
回転板22を例えば時計方向に280m/sにて回転さ
せるための制御信号Sc4を出力する。
【0114】上下スライド機構86及び回転駆動機構3
0の各モータ駆動回路118及び122は、上記システ
ムコントローラ42からの制御信号Sc2及びSc4の
入力に基づいて、それぞれ対応するモータ84及び36
の制御巻線及び励磁巻線に駆動電流を流す。その結果、
スライド板96は速度200m/sにて上方に移動し、
回転板22は速度280m/sにて時計方向に回転す
る。
【0115】そして、第2のカウンタ106での計数値
が2048となった時点で該計数値が0リセットされる
と同時に、該第2のカウンタ106からキャリー信号C
2が出力されてシステムコントローラ42に供給され
る。システムコントローラ42は、該キャリー信号C2
の入力に基づいてモータ駆動回路118に停止を示す制
御信号Sc2を出力する。これによって、スライド板9
6が上死点で一時停止することとなる。
【0116】また、第1のカウンタ44での計数値が1
00となった時点(回転板22の回転角が90°となっ
た時点)で、該第1のカウンタ44からキャリー信号C
1が出力されてシステムコントローラ42に供給され
る。システムコントローラ42は、該キャリー信号C1
の入力に基づいて、仮止め機構26の電磁弁回路120
に対して、往復機構56のピストンを前方(回転板22
に接近する方向)に移動させるための制御信号Sc3を
出力する。これによって、往復機構56のピストンが前
方に移動し、この移動によって、位置決め用ピン54が
回転板22の貫通孔52に入り込み、回転板22は基準
位置から回転角90°の状態で仮固定される。
【0117】そして、位置決め用ピン54が最も前方に
位置した時点で仮止め機構26に設けられた第2の近接
スイッチSW2から検出信号Ss2が出力され、該検出
信号Ss2はシステムコントローラ42に供給される。
システムコントローラ42は、上記第2の近接スイッチ
SW2からの検出信号Ss2の入力に基づいて、上下ス
ライド機構86のモータ駆動回路118に、スライド板
96を下方に速度120m/sにて移動させるための制
御信号Sc2を出力し、同時に画像処理装置82のメモ
リコントローラ110に画像取込み指令コードDc(第
2のビデオRAM109Bを指示する情報が含まれてい
る)を出力する。モータ駆動回路118は、上記システ
ムコントローラ42からの制御信号Sc2の入力に基づ
いて、モータ84の制御巻線及び励磁巻線に駆動電流を
流し、これによって、スライド板96は速度120m/
sにて下方に移動する。この下方への移動の際にビデオ
カメラ78によって撮像されたメインシャフトWm及び
カウンタシャフトWcの画像データDv2が画像処理装
置82における第2のビデオRAM109Bに格納され
ることとなる。
【0118】そして、第2のカウンタ106でのパルス
計数値が2048となった時点(スライド板96が下死
点に達した時点)で上記計数値が0リセットされると同
時に該第2のカウンタ106からキャリー信号C2がシ
ステムコントローラ42に出力される。
【0119】システムコントローラ42は、第2のカウ
ンタ106からのキャリー信号C2の入力に基づいて、
今度は、仮止め機構26の電磁弁回路120に対して、
ピストンを後方に移動させるための制御信号Sc3を出
力する。これによって、ピストンが後方に移動し、位置
決め用ピン54が回転板22の貫通孔52から引き出さ
れ、回転板22は回転可能状態とされる。
【0120】位置決め用ピン54が最も後方に位置した
時点で第1の近接スイッチSW1から検出信号Ss1が
出力され、該検出信号Ss1はシステムコントローラ4
2に供給される。システムコントローラ42は、該検出
信号Ss1の入力に基づいて、上下スライド機構86の
モータ駆動回路118に、スライド板96を上方に20
0m/sにて移動させるための制御信号Sc2を出力
し、同時に回転駆動機構30のモータ駆動回路122に
回転板22を例えば時計方向に280m/sにて回転さ
せるための制御信号Sc4を出力する。
【0121】上下スライド機構86及び回転駆動機構3
0の各モータ駆動回路118及び122は、上記システ
ムコントローラ42からの制御信号Sc2及びSc4の
入力に基づいて、それぞれ対応するモータ84及び36
の制御巻線及び励磁巻線に駆動電流を流す。その結果、
スライド板96は再び速度200m/sにて上方に移動
し、回転板22は速度280m/sにて時計方向に回転
する。
【0122】そして、第2のカウンタ106での計数値
が2048となった時点で該計数値が0リセットされる
と同時に、該第2のカウンタ106からキャリー信号C
2が出力されてシステムコントローラ42に供給され
る。システムコントローラ42は、該キャリー信号C2
の入力に基づいてモータ駆動回路118に停止を示す制
御信号Sc2を出力する。これによって、スライド板9
6が上死点で一時停止することとなる。
【0123】また、第1のカウンタ44での計数値が2
00となった時点(回転板22の回転角が180°とな
った時点)で、該第1のカウンタ44からキャリー信号
C1が出力されてシステムコントローラ42に供給され
る。システムコントローラ42は、該キャリー信号C1
の入力に基づいて、仮止め機構26の電磁弁回路120
に対して、往復機構56のピストンを前方に移動させる
ための制御信号Sc3を出力する。これによって、往復
機構56のピストンが前方に移動し、この移動によっ
て、位置決め用ピン54が回転板22の貫通孔52に入
り込み、回転板22は基準位置から回転角180°の状
態で仮固定される。
【0124】そして、位置決め用ピン54が最も前方に
位置した時点で、第2の近接スイッチSW2から検出信
号Ss2が出力される。システムコントローラ42は、
該検出信号Ss2の入力に基づいて、上下スライド機構
86のモータ駆動回路118に、スライド板96を下方
に速度120m/sにて移動させるための制御信号Sc
2を出力し、同時に画像処理装置82のメモリコントロ
ーラ110に画像取込み指令コードDc(第3のビデオ
RAM109Cを指示する情報が含まれている)を出力
する。モータ駆動回路118は、上記システムコントロ
ーラ42からの制御信号Sc2の入力に基づいて、モー
タ84の制御巻線及び励磁巻線に駆動電流を流し、これ
によって、スライド板96は速度120m/sにて下方
に移動する。この下方への移動の際にビデオカメラ78
によって撮像されたメインシャフトWm及びカウンタシ
ャフトWcの画像データDv3が画像処理装置82にお
ける第3のビデオRAM109Cに格納されることとな
る。
【0125】そして、第2のカウンタ106でのパルス
計数値が2048となった時点(スライド板96が下死
点に達した時点)で上記計数値が0リセットされると同
時に該第2のカウンタ106からキャリー信号C2がシ
ステムコントローラ42に出力される。
【0126】システムコントローラ42は、第2のカウ
ンタ106からのキャリー信号C2の入力に基づいて、
データ処理装置112に対して所定の演算及び判別を行
わせるための起動信号Sdを出力し、同時に、仮止め機
構26の電磁弁回路120に対して、ピストンを後方に
移動させるための制御信号Sc3を出力する。これによ
って、ピストンが後方に移動し、位置決め用ピン54が
回転板22の貫通孔52から引き出され、回転板22は
回転可能状態とされる。上記データ処理装置112の処
理動作については後述する。
【0127】上記位置決め用ピン54が最も後方に位置
した時点で第1の近接スイッチSW1から検出信号Ss
1が出力され、システムコントローラ42は、該検出信
号Ss1の入力に基づいて、回転駆動機構30のモータ
駆動回路122に回転板22を今度は反時計方向に例え
ば301m/sにて回転させるための制御信号Sc4を
出力する。
【0128】回転駆動機構30のモータ駆動回路122
は、上記システムコントローラ42からの制御信号Sc
4の入力に基づいて、モータ36の制御巻線及び励磁巻
線に駆動電流を流し、回転板22は速度301m/sに
て反時計方向に回転する。
【0129】そして、第1のカウンタ44での計数値が
400となった時点(回転板22の回転角が0°となっ
た時点)、即ち元の位置に戻った時点で、上記計数値が
0リセットされると同時に、該第1のカウンタ44から
キャリー信号C1が出力されてシステムコントローラ4
2に供給される。システムコントローラ42は、該キャ
リー信号C1の入力に基づいて、仮止め機構26の電磁
弁回路120に対して、往復機構56のピストンを前方
に移動させるための制御信号Sc3を出力し、同時にク
ランプ機構24の電磁弁回路116に対して、各往復機
構60m,60cのピストンを上方に移動させるための
制御信号Sc1を出力する。仮止め機構26の電磁弁回
路120に対する制御信号Sc3の入力に基づいて、往
復機構56のピストンが前方に移動し、この移動によっ
て、位置決め用ピン54が回転板22の貫通孔52に入
り込み、回転板22は基準位置から回転角0°の状態で
仮固定される。また、クランプ機構24の電磁弁回路1
16に対する制御信号Sc1の入力に基づいて、各往復
機構60m,60cのピストンが上方に移動し、メイン
シャフトWm及びカウンタシャフトWcは回転板22に
押圧突部68m,68cの押圧力によってのみ保持され
ることになる。この時点で、システムコントローラ42
による一連の動作が終了することとなる。その後、操作
者は回転板22に保持されている被検査対象のメインシ
ャフトWm及びカウンタシャフトWcを取り外し、次の
被検査対象のセット待ちとなる。
【0130】上記一連の動作では、回転駆動機構30の
回転駆動によって回転板22が所定の基準位置から回転
角180°まで回転することとなるが、このとき、各種
配線及び配管74がリール部材72に巻回されて収容さ
れたかたちとなっているため、回転板22の回転に伴っ
て該回転板22に配線や配管がからみつくということが
なくなり、また、配線及び配管74の引き回し状態によ
って回転板22の回転速度にむらが生じるなどの不都合
もなくなるため、両シャフトWm及びWcの回転位置決
めを高精度に行わせることができ、また、この回転位置
決めにかかる時間の短縮化も容易に達成させることがで
きる。 〔データ処理装置の構成及び処理動作の説明〕次に、デ
ータ処理装置112のハード構成及びその処理動作を説
明する。このデータ処理装置112の具体的な構成及び
その処理動作の説明に入る前に、まず、データ処理装置
112での演算処理及び判別処理の概要を図9〜図11
に基づいて説明する。また、説明が複雑になるのを回避
するために、被検査対象の変速歯車組立軸として、代表
的にカウンタシャフトWcに対する組付検査を主体に説
明を行い、特に、被検査対象のカウンタシャフトWcを
単にワークWと記し、正規のカウンタシャフトをマスタ
ーMと記す。
【0131】組付工程を終えたワークWにおいて、ある
所定の場所にはめ込まれるべきワッシャがない場合、該
ワークWをその軸を鉛直方向に向けて直立させることに
より、上記ワッシャがはめ込まれるべき箇所の上方に位
置する歯車等が、その自重によって下方に落ち込み、規
定の位置よりもワッシャの厚み分下方にずれることとな
る。このことから、その落ち込み具合をマスターMと比
較することによってワッシャの有無を容易に判別するこ
とができる。
【0132】また、ある歯車の内径側にはめ込まれるべ
きカラーがない場合、ワークWをその軸を水平方向に向
けて軸両端を支持することにより、上記カラーがはめ込
まれるべき箇所の歯車が、その自重によって下方に落ち
込み、その軸線は、規定の軸線よりもカラーの厚み分下
方にずれることとなる。このことから、その落ち込み具
合をマスターMと比較することによってカラーの有無を
容易に判別することができる。
【0133】具体的に、図9に基づいて説明すると、い
ま、ワークWの軸を鉛直方向に向けて該ワークWを直立
させた状態において、図9Aに示すように、ベアリング
150の上に、円筒部材152、ワッシャ154、歯車
156、ワッシャ158及びサークリップ160の順番
で順次積み重なって配置されているものを正規の組付け
状態としたとき、図9Bに示すように、円筒部材152
と歯車156間にはめ込まれるべきワッシャ154がな
い場合(組付け不良の場合)、歯車156がその自重に
よって落ち込み、円筒部材152の上に直接歯車156
が位置することとなる。
【0134】そのため、歯車156下端とベアリング1
50上端間の幅は、組付け不良のものLe1は、正規の
ものL1よりもワッシャ154の厚み分狭くなる。従っ
て、歯車156下端とベアリング150上端間の幅を計
測して、その計測値を正規のものL1と比較することに
より、上記ワッシャ154の有無を判別することができ
る。
【0135】ところで、図10Aに示すように、ワーク
Wを直立させた状態において、第1のサークリップ16
2上に、第1のワッシャ164、第1の歯車166、第
2のワッシャ168、第2のサークリップ170及び第
2の歯車172の順番で順次積み重なって配置されてい
るものを正規の組付け状態としたときに、図10Bに示
すように、上部に位置する第2のワッシャ168がはめ
込まれていない場合、その上方に位置する第2の歯車1
72はその下の第2のサークリップ170にて下方への
落ち込みが妨げられているため、この場の寸法計測の対
象となる第1の歯車166上端と第2の歯車172下端
間の幅は正規のものL2と同じになってしまい、このま
までは、上記第2のワッシャ168の有無を判別するこ
とができない。
【0136】従って、この場合は、図10Cに示すよう
に、ワークWを180°回転させて、第2のサークリッ
プ170の上方に第1の歯車166が配置される状態に
することにより、第1の歯車166が下方に落ち込んで
上記寸法計測の対象となる幅が変化することから、上記
第2のワッシャ168の有無を簡単に判別することがで
きる。
【0137】一方、カラーの有無の判別においては、例
えば図11Aに示すように、ワークWをその軸を水平に
向けて軸の両端を支持した状態において、歯車174の
内径側にカラー176がはめ込まれているものを正規の
組付け状態としたとき、図11Bに示すように、上記カ
ラー176がない場合(組付け不良の場合)、歯車17
4がその自重によって落ち込み、ワークWの軸本体17
8に歯車174の内面が直接接触することとなる。
【0138】そのため、図11上、上半分を見た場合、
当該歯車174の歯の先端から軸本体178までの距離
は、組付け不良のものLe3は、正規のものL3よりも
カラー176の厚み分短くなる。従って、歯車174の
歯の先端から軸本体までの距離を計測して、その計測値
を正規のものL3と比較することにより、上記カラー1
76の有無を容易に判別することができる。
【0139】例えば、図12に示すような実際のカウン
タシャフトに組み付けられているワッシャ及びカラーと
その判別方向(回転角)との関係は、図12に示すよう
に、第2、第4及び第5のワッシャW2、W4及びW5
が回転角0°にて組付検査され、第1、第3及び第6の
ワッシャW1、W3及びW6が回転角180°にて組付
検査され、第1〜第4のカラーC1〜C4が回転角90
°にて組付検査されることとなる。
【0140】上記組付合否の判別の概略説明からわかる
ように、まず、全ての組付部品がそれぞれ規定の箇所に
組み付けられたマスターMについての画像データを上記
本実施の形態に係る組付検査装置にて取り込み、その
後、その再生画像を見ながら寸法計測すべき箇所を指定
していくことが必要となる。
【0141】即ち、図13の処理手順に基づいて、本実
施の形態に係る組付検査装置の処理動作を簡単に説明す
ると、まず、マスターMを回転板22に取り付けて、該
マスターMを回転板22にクランプする(ステップS
1)。次に、スタートボタンSBを操作して、図8で示
すタイミングチャートに示すように、回転板22の回転
駆動機構30、仮止め機構26及び上下スライド機構8
6等をシステムコントローラ42を通じて駆動制御する
ことにより、基準位置から回転角0°、90°及び18
0°でのマスターMの入射映像を撮像して、各回転角で
の画像データDv1,Dv2及びDv3を取り込む(ス
テップS2)。
【0142】その後、操作パネルに配列されているテン
・キーや英数字キー等を用いて、計測対象のワッシャや
カラーの種類を示す番号(計測番号)の入力、計測ポイ
ントの設定(マウスやジョイスティック等を用いた座標
入力)、各計測ポイントにおけるマスターMの実測値及
び公差の入力を行う(ステップS3)。
【0143】上記入力操作によってワークWに対して計
測すべきワッシャやカラー等が特定されると共に、ワッ
シャやカラーの有無を判別すべき計測ポイントが特定さ
れ、また、画像データにおける上記計測ポイントの画素
数と上記入力された実測値から1画素当たりの長さが割
り出される。そして、ワークWの各計測ポイントの長さ
と比較すべき許容寸法範囲が実測値と公差によって決定
される(ステップS4)。
【0144】次に、ワークWを回転板22に取り付け
て、該ワークWを回転板22にクランプする(ステップ
S5)。次に、スタートボタンSBを操作して、図8で
示すタイミングチャートに示すように、回転板22の回
転駆動機構30、仮止め機構26及び上下スライド機構
86等をシステムコントローラ42を通じて駆動制御す
ることにより、基準位置から回転角0°、90°及び1
80°でのワークWの入射映像を撮像して、各回転角で
の画像データDv1,Dv2及びDv3を取り込む(ス
テップS6)。
【0145】上記取り込まれた画像データ中、上記ステ
ップS3にて特定された計測ポイントの画素データ群を
抽出し、更にステップS4にて設定された1画素当たり
の長さに基づいて、ワークWにおける各計測ポイントの
寸法を演算する(ステップS7)。
【0146】次に、上記ステップS7にて得られた各計
測ポイントにおける寸法と上記ステップS4にて決定さ
れた許容寸法範囲とを比較し(ステップS8)、この比
較結果に基づいてワークWの組付けに関する合否を判別
する(ステップS9)。
【0147】このように、データ処理装置112に組み
込まれるソフトウエア(データ処理手段)においては、
ステップS3及びステップS4に示すように、マスター
Mの画像データと計測ポイントの設定等に関するマスタ
ー処理と、ステップS7〜ステップS9に示すように、
ワークWの画像データから各計測ポイントにおける寸法
の割り出し及びマスターMとの寸法上の比較演算並びに
組付け上の合否判別等を行うワーク処理とを行う。
【0148】次に、データ処理装置112のハード構成
について説明する。このデータ処理装置112は、図1
4に示すように、各種プログラムや各種固定データが予
め登録され、また、画像処理装置82からの画像データ
が格納されるハードディスク200と、該ハードディス
ク200とのアクセス上の調整をとるインターフェース
回路202と、プログラムの動作用として用いられる動
作用RAM204と、システムコントローラ42からの
起動信号Sdやキー入力データ(キー入力装置206か
らインターフェース回路114を通じて入力されるデー
タ)並びに各種プログラムによってデータ加工されたデ
ータ等が格納されるデータRAM208と、外部回路
(画像処理装置82やキー入力装置206、システムコ
ントローラ42並びにモニタ210等)に対してデータ
の入出力を行なう入出力ポート212と、これら各種回
路を制御するCPU(制御装置及び論理演算装置)21
4とを有して構成されている。
【0149】そして、上記各種回路は、CPU214か
ら導出されたデータバスDBを介して各回路間のデータ
の受渡しが行なわれ、更にCPU214から導出された
アドレスバスや制御バス(共に図示せず)を介してそれ
ぞれCPU214にて制御されるように構成されてい
る。
【0150】画像処理装置82から送出される画像デー
タは、所定のデータ長毎にデータRAM208に一時格
納された後、データバスDB、入出力ポート212及び
インターフェース回路202を通じてハードディスク2
00に転送されるようになっており、ハードディスク2
00は、入出力ポート212から順次転送されてくる所
定データ長毎の画像データを規定のアドレスから記録し
ていく。
【0151】次に、上記データ処理装置112の処理動
作を図15〜図26の機能ブロック及びフローチャート
に基づいて説明する。
【0152】まず、図16で示すステップS101にお
いて、電源投入と同時に初期動作、例えば、データ処理
装置112内のシステムチェックやメモリチェック及び
セットアップ等が行なわれる。
【0153】次に、ステップS102において、ハード
ディスク200から、データ処理手段(データ処理プロ
グラム)が読み出されて、動作用RAM204にストア
されると同時に、このプログラムの動作中において生成
されたデータを一時的に保存するためや、上記プログラ
ムを構成する各ルーチン間のパラメータの受渡しなどに
用いられる作業領域が動作用RAM204中に割り付け
られる。
【0154】また、データRAM208に、画像処理装
置82からの画像データDvをハードディスク200に
転送する際の転送用バッファとして用いられるワーキン
グ領域Z1と、ハードディスク200に転送される画像
データDvのうち、一つの状態に関する画像データ(例
えば、回転角0°に関する画像データDv1)が格納さ
れる画像データ格納領域Z2と、特定された計測ポイン
トの座標データや割り出された1画素当たりの長さ等の
情報が格納される情報テーブルTBLと、該情報テーブ
ルTBLの1つのレコードが格納されるレコード格納領
域Z3と、特定された計測ポイントのうち、始点の計測
範囲(例えば、図23の始点計測ウィンドウWds参
照)に含まれる画素データ群が格納される始点画素デー
タ格納領域Z4と、特定された計測ポイントのうち、終
点の計測範囲(例えば、図23の終点計測ウィンドウW
de参照)に含まれる画素データ群が格納される終点画
素データ格納領域Z5と、エラー(ワッシャ無しあるい
はカラー無し)のあった計測番号が登録されるエラーテ
ーブルERTBが割り付けられる。この割り付けが終了
すると同時に上記データ処理プログラムが起動される。
【0155】このデータ処理プログラムは、図15に示
すように、キー入力装置206からインターフェース回
路114及び入出力ポート212を通じて入力されるキ
ー入力データDkを受け取るキー入力受取り手段250
と、各種判別を行う判別手段252と、マスターMに関
する各種処理を行うマスター処理手段254と、ワーク
Wに関する各種処理を行うワーク処理手段256とを有
する。
【0156】そして、このデータ処理プログラムは、ま
ず、図16のステップS103において、判別手段25
2を通じて、このデータ処理装置112へのキー入力デ
ータDkの入力が行われたか否かが判別される。この判
別は、キー入力装置206に対して操作が行われること
によって発生するキー入力割込みがあったかどうかを判
別することによって行われ、キー入力割込みがあるまで
該ステップS103が繰り返される。即ち、キー入力待
ちとなる。
【0157】キー入力割込みがあった場合、キー入力受
取り手段250を通じて、キー入力装置206からイン
ターフェース回路114及び入出力ポート212を介し
て入力されるキー入力データDkが受け取られる。
【0158】次に、ステップS104において、判別手
段252を通じて、キー入力によって要求された処理が
マスター処理であるかワーク処理であるかが判別され
る。この判別は、上記キー入力受取り手段250にて受
け取られたキー入力データDkの内容に基づいて行われ
る。組付検査においては、図13の処理手順にも示した
ように、まず、マスターMに関する処理が行われること
から、最初のキー入力データDkとしては、マスター処
理を要求する内容となっている。
【0159】従って、最初は次のステップS105に進
んでマスター処理手段254(マスター処理サブルーチ
ン)に入ることとなる。なお、マスターMに関する処理
が終了した後は、ワークWに関しての処理となるため、
この場合は、キー入力データDkの内容(ワーク処理要
求を示す内容)に従ってステップS106に進むことと
なる。
【0160】上記ステップS105におけるマスター処
理手段254は、図17に示すように、キー入力装置2
06からインターフェース回路114及び入出力ポート
212を通じて入力されるキー入力データDkを受け取
るキー入力受取り手段260と、各種判別を行う判別手
段262と、画像処理装置82から入出力ポート212
を介して入力される画像データDvを受け取ってワーキ
ング領域Z1に格納するあるいはハードディスク200
からインターフェース回路202及び入出力ポート21
2を介して入力される画像データDvを受け取って画像
データ格納領域Z2に格納する画像データ受取り手段2
64と、ワーキング領域Z1に格納された画像データD
vを入出力ポート212を通じてハードディスク200
に転送する画像データ転送手段266と、画像データ格
納領域Z2に格納されたマスター画像データを入出力ポ
ート212を通じてモニタ210に出力する画像表示出
力手段268と、キー入力装置206における座標入力
装置(マウスやジョイスティック等)からインターフェ
ース回路114及び入出力ポート212を介して入力さ
れる座標データに基づいて、始点計測ウィンドウWds
(図23参照)に対応する画像データ格納領域Z2上の
例えば先頭論理アドレスを演算して情報テーブルTBL
の該当レコードに登録する始点アドレス演算登録手段2
70と、上記座標入力装置からインターフェース回路1
14及び入出力ポート212を介して入力される座標デ
ータに基づいて、終点計測ウィンドウWde(図23参
照)に対応する画像データ格納領域Z2上の例えば先頭
論理アドレスを演算して情報テーブルTBLの該当レコ
ードに登録する終点アドレス演算登録手段272と、キ
ー入力装置206からインターフェース回路114及び
入出力ポート212を通じて入力された計測番号、実測
値及び公差等を情報テーブルTBLの該当レコードに登
録する数値登録手段274と、ファイルの終わりを示す
EOFコードを情報テーブルTBLに格納するEOFコ
ード格納手段276と、基準単位長を演算する基準単位
長演算手段278とを有する。
【0161】ここで、上記情報テーブルTBL及びエラ
ーテーブルERTBについて説明すると、まず、情報テ
ーブルTBLは、図18に示すように、3種類あり、こ
れら第1、第2及び第3の情報テーブルTBL1、TB
L2及びTBL3は、基準位置に対して回転角0°、9
0°及び180°における各種情報が登録されるように
なっている。
【0162】また、各情報テーブルTBL1、TBL2
及びTBL3を構成するレコードには、計測番号が登録
される領域、始点計測ウィンドウ及び終点計測ウィンド
ウの各先頭論理アドレス(始点アドレス及び終点アドレ
ス)がそれぞれ格納される領域、実測値、+側公差及び
−側公差がそれぞれ格納される領域並びに1画素当たり
の長さが格納される領域が割り付けられている。
【0163】一方、エラーテーブルERTBは、図19
に示すように、存在すべきワッシャあるいはカラーがな
かった場合に、そのワッシャあるいはカラーに対応する
計測番号(即ち、エラーのあった計測番号)がレコード
単位に登録されるようになっている。
【0164】そして、このマスター処理手段254(マ
スター処理サブルーチン)は、図20に示すように、ま
ず、ステップS201において、判別手段262を通じ
て、開始要求があったか否かが判別される。この判別
は、システムコントローラ42から出力される起動信号
Sdが入出力ポート212を介して入力されたどうかで
行われる。この起動信号Sdは、画像処理装置82に、
マスターMについての3つの状態(基準位置から回転角
0°、90°及び180°の状態)における画像データ
Dv1、Dv2及びDv3が各ビデオRAM109A、
109B及び109Cに格納された段階でシステムコン
トローラ42から出力されるものである。なお、回転角
0°、90°及び180°に対応する3種類のマスター
Mの画像データDv1、Dv2及びDv3をそれぞれ第
1、第2及び第3のマスター画像データMDv1、MD
v2及びMDv3と記す。
【0165】このステップS201においては、上記起
動信号Sdが入力されるまでその判別処理が繰り返され
る。即ち、起動信号入力待ちとなる。
【0166】そして、上記起動信号Sdが入出力ポート
212を介してこのマスター処理手段254に入力され
た段階で、次のステップS202に進み、画像処理装置
82からの第1〜第3のマスター画像データMDv1〜
MDv3を受け取ってハードディスク200に転送する
という処理が行われる。具体的には、画像処理装置82
から所定データ長単位に転送されてくる画像データDv
を画像データ受取り手段264にて受け取って一旦ワー
キング領域Z1に格納し、画像データ転送手段266を
通じて、上記ワーキング領域Z1に格納されている所定
データ長の画像データDvを入出力ポート212を介し
てハードディスク200に転送するという処理が行わ
れ、これら一連の処理動作が繰り返されて、画像処理装
置82からの第1〜第3のマスター画像データMDv1
〜MDv3が全てハードディスク200に転送されるこ
ととなる。
【0167】次に、ステップS203において、このデ
ータ処理プログラムにて使用される各種レジスタのう
ち、インデックスレジスタiとして宣言されたレジスタ
(以後、単にインデックスレジスタiと記す)に初期値
「0」を格納して、該インデックスレジスタiを初期化
する。
【0168】次に、ステップS204において、画像デ
ータ受取り手段264を通じて、ハードディスク200
に転送された第1〜第3のマスター画像データMDv1
〜MDv3のうち、インデックスレジスタiの値に対応
する状態の画像データ、例えばインデックスレジスタi
の値が「0」、「1」又は「2」のとき、それに対応し
てそれぞれ第1、第2又は第3のマスター画像データM
Dv1、MDv2及びMDv3が当該マスター処理手段
254に転送されて、画像データ格納領域Z2に格納さ
れる。以下の説明では、第1〜第3のマスター画像デー
タMDv1〜MDv3のうち、インデックスレジスタi
の値に対応するマスター画像データを便宜的にi番目の
マスター画像データMDviと記す。
【0169】その後、画像表示出力手段268を通じ
て、上記画像データ格納領域Z2に格納されているi番
目のマスター画像データMDviが入出力ポート212
を介してモニタ210に出力される。これによって、モ
ニタ画面にはインデックスレジスタiの値に対応する状
態のマスター画像が表示される。
【0170】次に、ステップS205において、図23
に示すような始点計測ウィンドウWds及び終点計測ウ
ィンドウWdeをモニタ画面に表示する。これら計測ウ
ィンドウWds及びWdeは、図示するように例えば垂
直方向に16画素、水平方向に16画素の矩形状の表示
形態を有する。
【0171】次に、ステップS206において、このデ
ータ処理プログラムにて使用される各種レジスタのう
ち、インデックスレジスタjとして宣言されたレジスタ
(以後、単にインデックスレジスタjと記す)に初期値
「0」を格納して、該インデックスレジスタjを初期化
する。
【0172】次に、ステップS207において、判別手
段262を通じて、キー入力装置206への操作に伴う
キー入力割込みがあったか否かが判別され、キー入力割
込みがあるまで該ステップS207が繰り返される。即
ち、キー入力待ちとなる。
【0173】キー入力割込みがあった場合、キー入力受
取り手段260を通じて、キー入力装置206からイン
ターフェース回路114及び入出力ポート212を介し
て入力されるキー入力データDkが受け取られる。
【0174】そして、次のステップS208に進み、判
別手段262を通じて、キー入力によって要求された処
理が設定終了であるかどうかが判別される。設定終了で
ない場合は、次のステップS209に進み、判別手段2
62を通じて、上記キー入力が座標入力であるか否かが
判別される。
【0175】キー入力が座標入力である場合は、次のス
テップS210に進み、判別手段262を通じて、当該
座標入力が始点計測ウィンドウWdsに関するものか否
かが判別される。座標入力が始点計測ウィンドウWds
に関するものである場合は、次のステップS211に進
み、始点アドレス演算登録手段270を通じて、キー入
力受取り手段260にて受け取られている座標データに
基づいて、始点計測ウィンドウWdsに対応する画像デ
ータ格納領域Z2上の先頭論理アドレスが演算される。
得られた先頭論理アドレスは始点アドレスとして情報テ
ーブルTBLに登録される。この場合、第1〜第3の情
報テーブルTBL1〜TBL3のうち、インデックスレ
ジスタiの値に対応する情報テーブル(以下、便宜的に
i番目の情報テーブルTBLiと記す)のインデックス
レジスタjの値で示すレコード目(jレコード目と記
す)に上記始点アドレスが登録される。
【0176】上記ステップS210において、上記座標
入力が終点計測ウィンドウWdeに関するものであると
判別された場合は、ステップS212に進み、終点アド
レス演算登録手段272を通じて、キー入力受取り手段
260にて受け取られている座標データに基づいて、終
点計測ウィンドウWdeに対応する画像データ格納領域
Z2上の先頭論理アドレスが演算される。得られた先頭
論理アドレスは終点アドレスとしてi番目の情報テーブ
ルTBLiにおけるjレコード目に登録される。
【0177】上記ステップS209において、座標入力
でないと判別された場合は、ステップS213に進み、
入力された計測番号、実測値及び公差をi番目の情報テ
ーブルTBLiにおけるjレコード目に格納する。この
場合、まず、入力された数値の種別が判別手段262に
て判別され、その判別結果に基づいて数値登録手段27
4を通じて、i番目の情報テーブルTBLiのjレコー
ド目のうち、その種別に応じた格納領域に上記数値が格
納される。
【0178】上記ステップS211、S212又はS2
13が終了した段階で、次のステップS214に進み、
インデックスレジスタjの値を+1更新した後、ステッ
プS207に戻り、該ステップS207以降の処理を繰
り返す。
【0179】上記ステップS208において、キー入力
データDkの内容が「設定終了」であると判別された場
合は、ステップS215に進み、EOFコード格納手段
276を通じて、i番目の情報テーブルTBLiのjレ
コード目に、EOFコードが格納される。この時点で当
該i番目の情報テーブルTBLiへの登録処理が終了す
ることとなる。
【0180】次に、ステップS216において、基準単
位長演算手段278(基準単位長演算サブルーチン)に
入る。
【0181】この基準単位長演算手段278は、図21
に示すように、第1〜第3の情報テーブルTBL1〜T
BL3のうち、該当情報テーブルに対してレコード単位
にアクセスを行うレコードアクセス手段280と、各種
判別を行う判別手段282と、画像データ格納領域Z2
に格納されているi番目のマスター画像データMDvi
から、情報テーブルTBLの各レコードに登録されてい
る始点アドレス及び終点アドレスに基づいて、計測ポイ
ントに対応する始点計測ウィンドウWds及び終点計測
ウィンドウWdeに含まれる画素データ群を抽出して、
それぞれ始点画素データ格納領域Z4及び終点画素デー
タ格納領域Z5に格納する画素データ群抽出手段284
と、始点画素データ格納領域Z4に格納されている画素
データ群に基づいて、始点計測ウィンドウWds内にお
ける寸法計測のための境目(始点境界)の垂直画素数を
求める始点境界演算手段286と、終点画素データ格納
領域Z5に格納されている画素データ群に基づいて、終
点計測ウィンドウWde内における寸法計測のための境
目(終点境界)の垂直画素数を求める終点境界演算手段
288と、上記始点境界の垂直画素数と終点境界の垂直
画素数に基づいて計測ポイントの垂直画素数を求める画
素数演算手段290と、情報テーブルTBLに登録され
ている実測値と上記計測ポイントの垂直画素数に基づい
て1画素当たりの長さを求め、該当情報テーブルTBL
のレコードに登録する単位画素長演算登録手段292と
を有する。
【0182】そして、この基準単位長演算手段278
は、図22に示すように、まず、ステップS301にお
いて、インデックスレジスタjに初期値「0」を格納し
て該インデックスレジスタjを初期化する。
【0183】次に、ステップS302において、レコー
ドアクセス手段280を通じて、i番目の情報テーブル
TBLiからjレコード目を読み出してレコード格納領
域Z3に格納する。
【0184】次に、ステップS303において、判別手
段282を通じて、i番目の情報テーブルTBLiに登
録されている全てのレコードについて処理を行ったか否
かが判別される。この判別は、上記レコードアクセス手
段280にて読み出されたjレコード目の内容がEOF
コードであるかどうかで行われる。
【0185】上記jレコード目の内容がEOFコードで
ない場合は、次のステップS304に進み、画素データ
群抽出手段284を通じて、画像データ格納領域Z2に
格納されているi番目のマスター画像データMDviの
うち、始点アドレスにて決定される始点計測ウィンドウ
Wdsに含まれる画素データ群を抽出して、始点画素デ
ータ格納領域Z4に格納する。
【0186】次に、ステップS305において、始点境
界演算手段286を通じて、上記始点アドレスにて決定
される始点計測ウィンドウWds内に関し、始点画素デ
ータ格納領域Z4に格納されている画素データ群から寸
法計測のための境目(始点境界)の垂直画素数を求め
る。この演算は、例えば図23に示すように、始点計測
ウィンドウWdsにおける各列について、画素データ値
の反転部分を境目として、その相対垂直画素数を求めて
累算し、その累算値を始点計測ウィンドウWdsに含ま
れる列数で除算して、境目の平均(平均垂直画素数)を
求め、始点アドレスに基づいて上記平均垂直画素数から
絶対垂直画素数を求める。この絶対垂直画素数が今回の
始点境界についての垂直画素数となる。
【0187】次に、ステップS306において、画素デ
ータ群抽出手段284を通じて、画像データ格納領域Z
2に格納されているi番目のマスター画像データMDv
iのうち、終点アドレスにて決定される終点計測ウィン
ドウWdeに含まれる画素データ群を抽出して、終点画
素データ格納領域Z5に格納する。
【0188】次に、ステップS307において、終点境
界演算手段288を通じて、上記終点アドレスにて決定
される終点計測ウィンドウWde内に関し、終点画素デ
ータ格納領域Z5に格納されている画素データ群から寸
法計測のための境目(終点境界)の垂直画素数を求め
る。この演算は、上記ステップS305の場合と同様で
ある。
【0189】次に、ステップS308において、画素数
演算手段290を通じて、計測ポイントの垂直画素数が
演算される。この演算は、上記始点境界の垂直画素数と
終点境界の垂直画素数に基づいて行われ、具体的には、
終点境界の垂直画素数から始点境界の垂直画素数を差し
引くことによって求められる。
【0190】次に、ステップS309において、単位画
素長演算登録手段292を通じて、1画素当たりの長さ
が演算される。この演算は、jレコード目に登録されて
いる実測値を上記ステップS308にて求めた画素数で
除算することにより行われる。この1画素当たりの長さ
はレコード格納領域Z3に格納されているjレコードの
該当領域(図18参照)に格納される。
【0191】次に、ステップS310において、レコー
ドアクセス手段280を通じて、レコード格納領域Z3
に格納されているjレコード目のデータをi番目の情報
テーブルTBLiにおけるjレコード目に登録し直す。
【0192】次に、インデックスレジスタjの値を+1
更新した後、ステップS302に戻り、該ステップS3
02以降の処理を繰り返す。即ち、i番目の情報テーブ
ルTBLiについて次のレコードを読み出して当該レコ
ードに登録されている始点アドレス及び終点アドレスか
ら必要な画素データ群を抽出し、これら画素データ群か
ら始点境界及び終点境界を求めて計測ポイントの画素数
を求め、更に当該計測ポイントにおける1画素当たりの
長さを求めて、i番目の情報テーブルTBLiにおける
jレコード目に登録し直すという処理を行う。
【0193】そして、上記ステップS303において、
jレコード目の内容がEOFコードであると判別された
場合に、この基準単位長演算手段278(基準単位長演
算サブルーチン)が終了する。
【0194】次に、図20に示すマスター処理ルーチン
に戻り、次のステップS217において、インデックス
レジスタiの値を+1更新した後、ステップS218に
おいて、判別手段262を通じて、すべての情報テーブ
ルTBLに対する登録処理が完了したか否かが判別され
る。この判別は、インデックスレジスタiの値が撮像状
態の種類数である「3」以上であるかどうかで行われ
る。
【0195】インデックスレジスタiの値が「3」より
も小さい場合は、上記ステップS204に戻って該ステ
ップS204以降の処理が繰り返される。即ち、モニタ
画面上に、次の状態(前回が回転角0°の状態であれ
ば、次の回転角90°の状態)のマスター画像と計測ウ
ィンドウが表示され、この状態に関する計測番号や計測
ポイントの始点アドレス及び終点アドレス並びに実測値
及び公差がそれぞれ該当する情報テーブルTBLの各レ
コードに登録される。
【0196】そして、上記ステップS218において、
インデックスレジスタiの値が「3」以上であると判別
された場合は、このマスター処理手段254(マスター
処理サブルーチン)が終了する。
【0197】次に、図16に示すメインルーチンに戻
り、次のステップS107において、判別手段252を
通じて、プログラム終了要求があったかどうかが判別さ
れる。この判別は、電源OFFなどの終了要求割り込み
の発生があったかどうかによって行なわれる。
【0198】そして、このステップS107において
は、上記終了要求がない場合、ステップS103に戻っ
て、次のキー入力待ちとなる。マスター処理が終了した
後は、ワークWに対して3種類の状態での撮像が行われ
ることから、このキー入力待ちの段階において、キー入
力されるデータとしては、ワーク処理要求に関するキー
入力データとなる。この場合、ステップS104を通じ
てステップS106に進み、ワーク処理手段256(ワ
ーク処理サブルーチン)に入る。
【0199】このワーク処理手段256は、図24に示
すように、上記マスター処理手段254(図17参照)
及び基準単位長演算手段278(図21参照)と同様
に、画像データ受取り手段264、画像データ転送手段
266、画像表示出力手段268、画素データ群抽出手
段284、始点境界演算手段286、終点境界演算手段
288、画素数演算手段290を有し、これら各手段に
加えて、各種判別を行う判別手段300と、第1〜第3
の情報テーブルTBL1〜TBL3のうち、該当情報テ
ーブルTBLに対してレコード単位毎にデータを読み出
してレコード格納領域Z3に格納するレコード読出し手
段302と、画素数演算手段290にて得られた計測ポ
イントの垂直画素数と該当レコードに登録されている1
画素当たりの長さに基づいて計測ポイントの寸法を求め
る計測寸法演算手段304と、該計測寸法演算手段30
4にて得られた寸法と該当レコードに登録されている実
測値と公差にて決定される許容寸法範囲に基づいて合否
判別を行う合否判別手段306と、該合否判別手段30
6にてエラーとされた場合に、エラーテーブルERTB
を作成するエラーテーブル作成手段308と、上記合否
判別手段306での判別結果に基づいたメッセージを出
力するメッセージ処理手段310とを有する。
【0200】そして、このワーク処理手段256は、図
25に示すように、まず、ステップS401において、
判別手段300を通じて、開始要求があったか否かが判
別される。この判別は、システムコントローラ42から
出力される起動信号Sdが入出力ポート212を介して
入力されたどうかで行われる。この起動信号Sdは、画
像処理装置82に、ワークWについての3つの状態(基
準位置から回転角0°、90°及び180°の状態)に
おける画像データDv1、Dv2及びDv3が各ビデオ
RAM109A、109B及び109Cに格納された段
階でシステムコントローラ42から出力されるものであ
る。なお、回転角0°、90°及び180°に対応する
3種類のワークWの画像データをそれぞれ第1、第2及
び第3のワーク画像データWDv1、WDv2及びWD
v3と記す。
【0201】このステップS401においては、上記起
動信号Sdが入力されるまでその判別処理が繰り返され
る。即ち、起動信号入力待ちとなる。
【0202】そして、上記起動信号Sdが入出力ポート
212を介してこのワーク処理手段256に入力された
段階で、次のステップS402に進み、画像処理装置8
2からの第1〜第3のワーク画像データWDv1〜WD
v3を受け取ってハードディスク200に転送するとい
う処理が行われる。具体的には、画像処理装置82から
所定データ長単位に転送されてくる画像データDvを画
像データ受取り手段264にて受け取って一旦ワーキン
グ領域Z1に格納し、画像データ転送手段266を通じ
て、上記ワーキング領域Z1に格納されている所定デー
タ長の画像データDvを入出力ポート212を介してハ
ードディスク200に転送するという処理が行われ、こ
れら一連の処理動作が繰り返されて、画像処理装置82
からの第1〜第3のワーク画像データWDv1〜WDv
3が全てハードディスク200に転送されることとな
る。
【0203】次に、ステップS403において、インデ
ックスレジスタi及びレジスタERR(データ処理プロ
グラムにて使用される各種レジスタのうち、エラー検出
用レジスタERRとして宣言されたレジスタ)にそれぞ
れ初期値「0」を格納して、これらインデックスレジス
タi及びレジスタERRを初期化する。
【0204】次に、ステップS404において、画像デ
ータ受取り手段264を通じて、ハードディスク200
に転送された第1〜第3のワーク画像データWDv1〜
WDv3のうち、インデックスレジスタiの値に対応す
る状態の画像データ、即ちi番目のワーク画像データW
Dviが当該ワーク処理手段256に転送されて、画像
データ格納領域Z2に格納される。
【0205】その後、画像表示出力手段268を通じ
て、上記画像データ格納領域Z2に格納されているi番
目のワーク画像データWDviが入出力ポート212を
介してモニタ210に出力される。これによって、モニ
タ画面にはインデックスレジスタiの値に対応する状態
のワーク画像が表示される。
【0206】次に、ステップS405において、インデ
ックスレジスタjに初期値「0」を格納して、該インデ
ックスレジスタjを初期化する。
【0207】次に、ステップS406において、レコー
ド読出し手段302を通じて、i番目の情報テーブルT
BLiからjレコード目を読み出してレコード格納領域
Z3に格納する。
【0208】次に、ステップS407において、判別手
段300を通じて、i番目の情報テーブルTBLiに登
録されている全てのレコードについて処理を行ったか否
かが判別される。この判別は、上記レコード格納領域Z
3に格納されたjレコード目の内容がEOFコードであ
るかどうかで行われる。
【0209】上記jレコード目の内容がEOFコードで
ない場合は、次のステップS408に進み、画素データ
群抽出手段284を通じて、上記画像データ格納領域Z
2に格納されているi番目のワーク画像データWDvi
のうち、始点アドレスにて決定される始点計測ウィンド
ウWdsに含まれる画素データ群を抽出して、始点画素
データ格納領域Z4に格納する。
【0210】次に、ステップS409において、始点境
界演算手段286を通じて、上記始点アドレスにて決定
される始点計測ウィンドウWds内に関し、始点画素デ
ータ格納領域Z4に格納されている画素データ群から寸
法計測のための境目(始点境界)の垂直画素数を求め
る。この演算は、上記基準単位長演算手段278におけ
るステップS305の場合と同様である。次に、ステッ
プS410において、画素データ群抽出手段284を通
じて、画像データ格納領域Z2に格納されているi番目
のワーク画像データWDviのうち、終点アドレスにて
決定される終点計測ウィンドウWdeに含まれる画素デ
ータ群を抽出して、終点画素データ格納領域Z5に格納
する。
【0211】次に、ステップS411において、終点境
界演算手段288を通じて、上記終点アドレスにて決定
される終点計測ウィンドウWde内に関し、終点画素デ
ータ格納領域Z5に格納されている画素データ群から寸
法計測のための境目(終点境界)の垂直画素数を求め
る。この演算は、上記基準単位長演算手段278におけ
るステップS305の場合と同様である。
【0212】次に、ステップS412において、画素数
演算手段290を通じて、計測ポイントの垂直画素数が
演算される。この演算は、上記始点境界の垂直画素数と
終点境界の垂直画素数に基づいて行われ、具体的には、
終点境界の垂直画素数から始点境界の垂直画素数を差し
引くことによって求められる。
【0213】次に、ステップS413において、計測寸
法演算手段304を通じて、上記計測ポイントの寸法が
演算される。具体的には、レコード格納領域Z3に格納
されているjレコード目のデータから1画素当たりの長
さを読み出して、該1画素当たりの長さを上記計測ポイ
ントの垂直画素数に乗算することにより求められる。
【0214】次に、ステップS414において、合否判
別手段306を通じて、上記計測ポイントにおける組付
けの合否が判別される。この判別は、まず、レコード格
納領域Z3に格納されているjレコード目のデータから
実測値、+側公差及び−側公差を読み出して許容寸法範
囲(α=実測値+(+側公差),β=実測値−(−側公
差))を求める。そして、上記計測ポイントの寸法が許
容寸法範囲(α〜β)に含まれるかどうかで上記合否が
判別される。この場合、計測ポイントの寸法が許容寸法
範囲(α〜β)に含まれていれば組付け正常であり、許
容寸法範囲(α〜β)に含まれていなければ組付け不良
と判別される。
【0215】このステップS414において「組付け不
良」と判別された場合は、次のステップS415に進
み、エラーテーブル作成手段308を通じて、まず、レ
コード格納領域Z3に格納されているjレコード目のデ
ータから計測番号が読み出され、この計測番号が、エラ
ーテーブルERTBのレジスタERRが示すレコード目
に登録される。その後、ステップS416において、レ
ジスタERRの値を+1更新する。
【0216】上記ステップS414において「組付け正
常」と判別された場合又は上記ステップS416での処
理が終了した段階で次のステップS417に進み、イン
デックスレジスタjの値を+1更新した後、上記ステッ
プS406に戻って、該ステップS406以降の処理を
繰り返す。即ち、i番目の情報テーブルTBLiから次
のレコードを読み出して、該レコードに登録されている
情報に基づいて次の計測ポイントの寸法を演算して合否
を判別するという処理が行われる。
【0217】そして、上記ステップS407において、
jレコード目の内容がEOFコードであると判別された
場合、ステップS418に進み、インデックスレジスタ
iの値を+1更新する。
【0218】次に、ステップS419において、判別手
段300を通じて、第1〜第3の情報テーブルTBL1
〜TBL3の全てに登録されている計測ポイントに対し
て合否判別を行ったか否かが判別される。この判別は、
インデックスレジスタiの値が撮像状態の種類数である
「3」以上であるかどうかで行われる。
【0219】インデックスレジスタiの値が「3」より
も小さい場合は、上記ステップS404に戻って該ステ
ップS404以降の処理が繰り返される。即ち、モニタ
画面上に、次の状態(前回が回転角0°の状態であれ
ば、回転角90°の状態)のワーク画像が表示され、こ
の状態に関する計測ポイントの寸法が演算されて合否が
判別される。
【0220】そして、上記ステップS419において、
インデックスレジスタiの値が「3」以上であると判別
された場合は、図26で示すステップS420に進み、
判別手段300を通じて、3つの状態のいずれかについ
てエラー(「組付け不良」と判別されたもの)が存在す
るか否かが判別される。この判別は、レジスタERRの
値が初期値「0」であるかどうかで行われる。
【0221】レジスタERRの値が「0」でない場合、
即ちエラーが存在する場合は、次のステップS421に
進み、メッセージ処理手段310を通じて、「組付け不
良」を示すメッセージデータ(例えば「NG」のメッセ
ージデータ)を入出力ポート212を介してモニタ21
0に出力する。これによって、モニタ画面上には例えば
「NG」を示すメッセージが表示される。
【0222】次に、ステップS422において、このデ
ータ処理プログラムにて使用される各種レジスタのう
ち、インデックスレジスタmとして宣言されたレジスタ
(以後、単にインデックスレジスタmと記す)に初期値
「0」を格納して、該インデックスレジスタmを初期化
する。
【0223】次に、ステップS423において、メッセ
ージ処理手段310を通じて、エラーテーブルERTB
のインデックスレジスタmで示すレコード目(mレコー
ド目)を読み出す。その後、ステップS424におい
て、上記mレコード目に格納されているエラー対象の計
測番号をメッセージデータとして入出力ポート212を
介してモニタ210に出力する。これによって、エラー
対象の計測番号がモニタ画面に表示される。
【0224】次に、ステップS425において、インデ
ックスレジスタmの値を+1更新した後、ステップS4
26に進み、判別手段300を通じて、エラーテーブル
ERTBに登録されているすべての計測番号について表
示が完了したかどうかが判別される。この判別は、イン
デックスレジスタmの値がレジスタERRの値以上であ
るかどうかで行われる。
【0225】インデックスレジスタmの値がレジスタE
RRの値よりも小さい場合は、上記ステップS423に
戻って、エラーテーブルERTBの次のレコードに格納
されている計測番号をメッセージデータとしてモニタ2
10に出力して、当該計測番号をエラー対象としてモニ
タ画面上にメッセージ表示させる。
【0226】一方、上記ステップS420において、エ
ラーが一つもないと判別された場合は、ステップS42
7に進み、メッセージ処理手段310を通じて、「組付
け正常」を示すメッセージデータ(例えば「OK」のメ
ッセージデータ)を入出力ポート212を介してモニタ
210に出力する。これによって、モニタ画面上には例
えば「OK」を示すメッセージが表示される。
【0227】上記ステップS426において、エラーテ
ーブルERTBに登録されているすべての記憶番号につ
いて表示が完了したと判別された場合、又はステップS
427での処理が終了した段階で、このワーク処理手段
256(ワーク処理サブルーチン)が終了する。
【0228】次に、図16に示すメインルーチンに戻
り、次のステップS107において、判別手段252を
通じて、プログラム終了要求があったかどうかが判別さ
れ、終了要求がない場合、再びステップS103に戻っ
て、次のキー入力待ちとなる。一方、上記終了要求があ
った場合は、このデータ処理プログラムが終了すること
になる。
【0229】上記データ処理手段においては、マスター
Mの3つの状態について撮像することにより取り込まれ
た第1〜第3のマスター画像データMDv1〜MDv3
をモニタ210に個々に表示させて、各状態についての
計測ポイントの設定を促し、設定された計測ポイントに
おける始点境界から終点境界までの画素数とその実測値
に基づいて、各計測ポイントにおける1画素当たりの長
さを求めて、これら計測ポイントの始点アドレス及び終
点アドレス並びに1画素当たりの長さ等を各状態に対応
した情報テーブルTBLに登録するようにしている。
【0230】そのため、その後にワークWを回転板22
に取り付けてその組付検査を行う場合に、その組付けの
合否判別を自動的に行うことが可能となる。
【0231】即ち、まず、ワークWに関する3つの状態
の画像データWDv1〜WDv3から各状態における情
報テーブルTBL1〜TBL3に登録されている計測ポ
イントの始点アドレス及び終点アドレスに対応する始点
及び終点の画素データ群を容易に抽出することができ、
これにより、これら画素データ群のビット情報からワー
クWに関する各計測ポイントの始点境界及び終点境界を
容易に求めることができる。
【0232】そのため、各計測ポイントの寸法計測を、
各計測ポイントにおける始点境界と終点境界間の垂直画
素数と情報テーブルの対応するレコードに登録されてい
る実測値から容易に求めることができ、しかも、求めた
各計測ポイントの寸法計測と、実測値及び公差から割り
出される許容寸法範囲に基づいて、組付けの合否を容易
に判別することができることとなる。
【0233】つまり、上記データ処理手段においては、
マスターMの3つの状態について個々に設定された複数
の計測ポイントについての情報をもれなく第1〜第3の
情報テーブルTBL1〜TBL3に登録し、その後のワ
ークWに対する組付けの合否判別においては、第1〜第
3の情報テーブルTBL1〜TBL3に登録されている
情報を利用して判別を行うようにしているため、一度、
マスターMについての計測ポイント等についての設定が
終了すれば、その後のワークWに対しての合否判別は、
単に回転板22にワークWを取り付けてスタートボタン
SBを操作するだけで、自動的にモニタ210上にその
判別結果が表示されることとなり、組付検査の効率を大
幅に向上させることができる。
【0234】上記データ処理手段においては、マスター
処理手段254における基準単位長演算手段278にお
いて、計測ポイント毎に1画素当たりの長さを演算し、
その情報を情報テーブルTBLに登録して各計測ポイン
トでの寸法計測を高精度に行えるようにしたが、その
他、ビデオカメラ78での撮像範囲とその実測値から総
括的な1画素当たりの長さを演算し、その値に基づいて
ワークWの各計測ポイントでの寸法を演算するようにし
てもよい。例えば、上下スライド機構86にて上下に移
動するビデオカメラ78での撮像範囲のうち、垂直方向
の距離を300mm、そのときのスキャンライン数を5
000とすれば、1画素当たりの長さは300÷500
0=0.06mmとなる。この値を全ての計測ポイント
に適用して各計測ポイントにおける寸法を演算するよう
にプログラミングすれば、当該データ処理プログラムを
構成するステップ数を削減でき、プログラム容量の低減
化につながる。
【0235】なお、上記データ処理手段では、組付けに
関して不良が見つかった場合に、NG表示と共に、その
対象の計測番号を表示するようにしたが、これに加え
て、エラー対象の複数の計測ポイントを拡大した映像を
並列表示するようにしてもよい。
【0236】このように、本実施の形態に係る組付検査
装置においては、マスター画像データMDv1〜MDv
3とワーク画像データWDv1〜WDv3同士の比較に
よって組付け状態の合否を行うようにしているため、マ
スターMが設計変更となって新規な組立軸となっても装
置自体の構造をマスターMに対応して変える必要はな
く、再度画像取り込み手段16のビデオカメラ78を通
じて新規のマスターMを撮像してマスター画像データM
Dv1〜MDv3として取り込めばよい。つまり、本実
施の形態に係る組付検査装置においては、マスターMに
対して設計変更があったとしても、装置構造を作り直す
必要がなく、容易に対応させることができる。
【0237】また、人間の手がかかわるのは、マスター
M及びワークWを回転板22にクランプすることだけで
あり、その後の回転角0°、90°及び180°に位置
決めさせる動作、画像取り込み手段16でのマスターM
及びワークWに対する画像の取り込み動作、データ処理
装置112での比較演算及び合否判別は電気的な処理に
て自動化させることができるため、労力の削減を有効に
図ることができ、しかも、人間のミスが入り込む余地が
なくなり、組付検査についての誤認を引き起こすことを
最小限にくい止めることが可能となる。
【0238】また、3種の位置決め状態での各画像デー
タDv1〜Dv3に基づいて組付けの合否判別を行うよ
うにしているため、歯車間に挿入配置されるワッシャ
や、歯車と軸間に挿入されるカラーの存否を見落とすこ
とがなくなる。その結果、ワークに対する検査項目の数
を増やすことができ、高精度の組付検査を行うことが可
能となる。
【0239】また、従来のようなワークWを直立させた
状態で搬送させる搬送路や被検査組立軸の各歯車に対し
て一方向に押圧するための検査治具等が不要となるた
め、組付検査装置自体の設置空間が省スペース化される
ことになる。
【0240】また、上記実施の形態に係る組付検査装置
においては、回転板22は、回転駆動機構30の駆動制
御によってワークW(又はマスターM)を保持した状態
で回転され、基準位置から回転角0°、90°及び18
0°とされた状態のたびに、仮止め機構26にて仮固定
され、この仮固定が行われるたびに、前記画像取り込み
手段16でのワークW(又はマスターM)に対する撮像
が行われて、3種の画像データDv1〜Dv3が取り込
まれることになる。
【0241】この場合、ワークWをクランプした状態で
所定の基準位置から回転角0°、90°及び180°に
容易に位置決めすることができ、しかも、その位置決め
操作の自動化を容易に達成させることができるため、組
付検査にかかる労力の削減をより進めることができる。
【0242】また、ワークW(又はマスターM)の入射
映像を撮像して得られた撮像信号Sを画像処理装置82
にて画像データDvに変換し、更にこの画像データDv
をその状態に対応したビデオRAM109A、109B
及び109Cに記憶するようにしているため、その後の
信号処理(比較演算処理及び判別処理)をデータ処理装
置112にてバッチ処理によって容易に行うことがで
き、その後の比較処理及び判別処理をソフトウエアにて
行う場合に、プログラム容量の削減を有効に図ることが
でき、しかも、各位置決め状態での画像データDv1〜
Dv3がすべて一旦ビデオRAM109A〜109Cに
記憶されることから、システム保守やデバッグ処理が簡
単になる。
【0243】また、回転板22を固定板20に回転支持
機構32を介して回転自在に支持し、回転板22及び固
定板20におけるワークWが位置される部分に対応した
箇所にそれぞれ撮像用の窓28a及び28bを形成する
ようにしているため、ワークWの検査対象以外の部分を
窓28a及び28bにて隠す(マスクする)ことができ
るため、余分な画像を取り込むことがなく、例えばマス
ターMの再生画像を目視にて確認しながら計測ポイント
を決定させる場合に、目移りすることがなく、正確に計
測ポイントを決定させることができる。これは、検査精
度の向上につながる。
【0244】また、本実施の形態に係る組付検査装置に
おいては、上記回転支持機構32として、回転板22に
設けられた環状のレール部材46と、固定板20に複数
にわたって設けられ、かつ回転板22の上記レール部材
46を摺動自在に支持する支持ブロック48a〜48d
とを設けて構成し、更に、回転駆動機構30として、回
転板22に設けられた環状のギヤ部材34と、固定板2
0に設けられ、かつ上記ギヤ部材34に回転力を付与す
るモータ36を設けて構成するようにしたので、中央に
ワークW(又はマスターM)を撮像するための窓28a
が設けられた回転板22を環状のギヤ部材34を通じて
回転させることが可能となり、ワークW(又はマスター
M)を所定の基準位置に対して0°、90°及び180
°に容易に位置決めさせることが可能となる。
【0245】特に、回転板22の外周に、配線と配管が
巻き付けられるリール部材72を固定するようにしたの
で、回転板22を回転駆動するためのモータ36や各種
近接スイッチSW1及びSW2等に接続される配線並び
に回転板22にワークWをクランプするためのクランプ
機構24及び回転板22を所定位置にて仮止めする仮止
め機構26に連結される配管がリール部材72に巻き付
けられることとなる。
【0246】この場合、配線及び配管74をコンパクト
にまとめることが可能となり、配線及び配管74を引き
回すための空間を縮小化させることができる。しかも、
配線及び配管74が回転板22と一緒に回転することと
なるため、回転板22が一方向に回転しても配線及び配
管74がねじれたり絡まったりすることがなく、ワーク
W(又はマスターM)に対する撮像時において、配線及
び配管74が邪魔になるということがなくなり、一定の
信頼性をもって検査することができる。
【0247】また、テーブル10の下方に、リール部材
72から引き出された配線及び配管74を鉛直方向に対
して所定角度をもって垂下支持する支持板76を設ける
ようにしているため、回転板22の下方に垂下する配線
及び配管74がその途中で支持板74に案内されて鉛直
方向に対して所定角度をもって支持され、回転板22に
不要な負荷はかからなくなる。その結果、回転板22の
回転駆動する回転駆動機構30のモータ36として大き
な駆動モータを使用する必要がなくなり、また、回転板
22も高速で回転させることが可能となるため、検査時
間の短縮化を実現させることができる。
【0248】上記実施の形態に係る組付検査装置のクラ
ンプ機構24は、ワークW(又はマスターM)をクラン
プする往復機構60を、回転板22中、窓28aの左右
両辺よりも外側に固定するようにしたが、その他、図2
7に示すように、窓28aの上辺よりも上方に固定する
ようにしてもよい。この場合、直接ピストンロッド62
の下端でワークW(又はマスターM)を上方から押圧し
て回転板22にクランプできるため、構造を比較的簡単
にすることができる。
【0249】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0250】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る変速
歯車組立軸の組付検査装置によれば、被検査対象の変速
歯車組立軸である被検査組立軸をクランプし、かつ所定
基準位置に対して0°、180°及び90°に回転位置
決めする組立軸位置決め手段と、前記組立軸位置決め手
段での各位置決め状態における前記被検査組立軸を撮像
し、3種の被検査画像データとして取り込む画像取り込
み手段と、正規の変速歯車組立軸における前記各位置決
め状態に対応する3種の正規画像データと前記3種の被
検査画像データとを比較する画像比較手段と、前記画像
比較手段での比較結果に基づいて前記被検査組立軸にお
ける組付けの合否を判別する判別手段とを設けるように
している。
【0251】このため、正規の変速歯車組立軸に対して
設計変更があったとしても容易に対応させることがで
き、しかも、人間のミスが入り込むことを防止できると
共に、労力の削減をも図ることができるという効果が達
成される。
【0252】また、本発明に係る変速歯車組立軸の組付
検査方法によれば、被検査対象の変速歯車組立軸である
被検査組立軸をクランプし、かつ所定基準位置に対して
0°、180°及び90°に回転位置決めする第1のス
テップと、前記第1のステップでの各位置決め状態にお
ける前記被検査組立軸を撮像し、3種の被検査画像デー
タとして取り込む第2のステップと、正規の変速歯車組
立軸における前記各位置決め状態に対応する3種の正規
画像データと前記3種の被検査画像データとを比較する
第3のステップと、前記第3のステップでの比較結果に
基づいて前記被検査組立軸における組付けの合否を判別
する第4のステップとを有することとしている。
【0253】このため、正規の変速歯車組立軸に対して
設計変更があったとしても容易に対応させることがで
き、しかも、人間のミスが入り込むことを防止できると
共に、労力の削減をも図ることができるという効果が達
成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速歯車組立軸の組付検査装置及
び組付検査方法を例えば自動車のトランスミッションに
組み込まれるメインシャフト及びカウンタシャフトの組
付検査に適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態
に係る組付検査装置と記す)の構成を示す正面図であ
る。
【図2】本実施の形態に係る組付検査装置の構成を示す
側面図である。
【図3】本実施の形態に係る組付検査装置の構成を示す
平面図である。
【図4】本実施の形態に係る組付検査装置の回転板と固
定板並びにその周辺(特に回転駆動機構の構成)を示す
拡大図である。
【図5】本実施の形態に係る組付検査装置の回転板と固
定板並びにその周辺(特に仮止め機構の構成)を示す拡
大図である。
【図6】本実施の形態に係る組付検査装置の回転板と固
定板の構成を示す平面図である。
【図7】本実施の形態に係る組付検査装置の制御回路系
を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る組付検査装置の処理動作を
示すタイミングチャートである。
【図9】組付け状態のワークに対してワッシャの有無を
判別するための原理を示す説明図である。
【図10】組付け状態のワークに対してワッシャの有無
を判別するために、ワークを180°回転させる意義を
示す説明図である。
【図11】組付け状態のワークに対してカラーの有無を
判別するための原理を示す説明図である。
【図12】カウンタシャフトに組み付けられている歯
車、ワッシャ及びカラー等の配置関係の一例を示す断面
図である。
【図13】本実施の形態に係る組付検査装置の処理手順
を示すフローチャートである。
【図14】データ処理装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図15】データ処理装置に組み込まれるデータ処理手
段の機能ブロック図である。
【図16】データ処理装置に組み込まれるデータ処理手
段の処理動作を示すフローチャートである。
【図17】データ処理手段におけるマスター処理手段の
機能ブロック図である。
【図18】情報テーブルにおける各レコードの内訳を示
す説明図である。
【図19】エラーテーブルにおける各レコードの内訳を
示す説明図である。
【図20】データ処理手段におけるマスター処理手段の
処理動作を示すフローチャートである。
【図21】マスター処理手段における基準単位長演算手
段の機能ブロック図である。
【図22】マスター処理手段における基準単位長演算手
段の処理動作を示すフローチャートである。
【図23】モニタ画面に表示される始点計測ウィンドウ
及び終点計測ウィンドウを示す説明図である。
【図24】データ処理手段におけるワーク処理手段の機
能ブック図である。
【図25】データ処理手段におけるワーク処理手段の処
理動作を示すフローチャート(その1)である。
【図26】データ処理手段におけるワーク処理手段の処
理動作を示すフローチャート(その2)である。
【図27】クランプ機構の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
14…組立軸位置決め手段 Wm…ワーク(メ
インシャフト) Wc…ワーク(カウンタシャフト) 16…画像取り込
み手段 20…固定板 22…回転板 24…クランプ機構 26…仮止め機構 28a…窓(回転板) 28b…窓(固定
板) 30…回転駆動機構 32…回転支持機
構 34…ギヤ部材 36…モータ(回
転駆動機構) 42…システムコントローラ 46…環状のレー
ル部材 48a〜48d…支持ブロック 52…貫通孔 54…位置決め用ピン 56…往復機構
(仮止め機構) 60m,60c…往復機構(クランプ機構) 62m,62c…ピストンロッド 64m,64c…
押圧片 68m,68c…押圧突部 72…リール部材 74…配線及び配管 76…支持板 78…ビデオカメラ 80…光源 82…画像処理装置 84…モータ(上
下スライド機構) 109A〜109C…ビデオRAM 110…メモリコ
ントローラ 112…データ処理装置 200…ハードデ
ィスク 206…キー入力装置 210…モニタ 254…マスター処理手段 256…ワーク処
理手段 264…画像データ受取り手段 266…画像デー
タ転送手段 268…画像表示出力手段 270…始点アド
レス演算登録手段 272…終点アドレス演算登録手段 274…数値登録
手段 278…基準単位長演算手段 284…画素デー
タ群抽出手段 286…始点境界演算手段 288…終点境界
演算手段 290…画素数演算手段 292…単位画素
長演算手段 304…計測寸法演算手段 306…合否判別
手段 308…エラーテーブル作成手段 310…メッセー
ジ処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀之内 秀雄 静岡県浜松市葵東1丁目13番1号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内 (72)発明者 大木 規久 静岡県浜松市葵東1丁目13番1号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査対象の変速歯車組立軸である被検査
    組立軸をクランプし、かつ所定基準位置に対して0°、
    180°及び90°に回転位置決めする組立軸位置決め
    手段と、 前記組立軸位置決め手段での各位置決め状態における前
    記被検査組立軸を撮像し、3種の被検査画像データとし
    て取り込む画像取り込み手段と、 正規の変速歯車組立軸における前記各位置決め状態に対
    応する3種の正規画像データと前記3種の被検査画像デ
    ータとを比較する画像比較手段と、 前記画像比較手段での比較結果に基づいて前記被検査組
    立軸における組付けの合否を判別する判別手段とを有す
    ることを特徴とする変速歯車組立軸の組付検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の変速歯車組立軸の組付検査
    装置において、 前記組立軸位置決め手段は、板面が鉛直方向と平行とさ
    れた状態で回転駆動機構により回転する回転板と、 前記回転板の板面に設けられ、かつ前記被検査組立軸を
    軸方向から挟持するクランプ手段と、 前記回転板が前記所定の基準位置から回転角0°、18
    0°及び90°とされた状態で該回転板を仮固定する仮
    止め手段とを有することを特徴とする変速歯車組立軸の
    組付検査装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の変速歯車組立軸の組
    付検査装置において、 前記画像取り込み手段は、被検査組立軸からの入射光を
    その光量に応じた信号レベルの撮像信号に変換する撮像
    装置と、 前記撮像装置からの撮像信号を1フレーム分の画像デー
    タに変換する画像処理装置と、 前記各位置決め状態に対応した画像データが格納される
    記憶領域が論理的に割り付けられた記憶手段と、 前記画像処理装置から出力される画像データをその位置
    決め状態に対応した記憶領域に格納するデータ受取り手
    段を有することを特徴とする変速歯車組立軸の組付検査
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の変速歯車組立軸の組付検査
    装置において、 前記撮像装置と被検査組立軸が前記回転板を間に挟んで
    配置される場合に、 前記回転板は、該回転板の板面に対向して設けられた固
    定板に回転支持機構を介して回転自在に支持され、 前記回転板及び前記固定板は、前記被検査組立軸が位置
    される部分に対応した箇所にそれぞれ撮像用の窓が形成
    されていることを特徴とする変速歯車組立軸の組付検査
    装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の変速歯車組立軸の組付検査
    装置において、 前記回転支持機構は、前記回転板の前記固定板に対向す
    る板面に同心円周上に設けられた環状部材と、 前記固定板の前記回転板に対向する板面に同心円周上に
    複数にわたって設けられ、かつ前記回転板の環状部材を
    摺動自在に支持する支持ブロックとを有することを特徴
    とする変速歯車組立軸の組付検査装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は5記載の変速歯車組立軸の組
    付検査装置において、 前記回転板の回転駆動手段は、前記回転板の前記固定板
    に対向する板面に同心円周上に設けられた環状のギヤ部
    材と、 前記固定板に設けられ、前記ギヤ部材に回転力を付与す
    るモータを有することを特徴とする変速歯車組立軸の組
    付検査装置。
  7. 【請求項7】請求項2〜6のいずれか1項に記載の変速
    歯車組立軸の組付検査装置において、 前記回転板の外周に、少なくとも配線が巻き付けられる
    収容リールが固定されていることを特徴とする変速歯車
    組立軸の組付検査装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の変速歯車組立軸の組付検査
    装置において、 前記回転板の下方に、前記収容リールから引き出された
    少なくとも前記配線を鉛直方向に対して所定角度をもっ
    て垂下支持する支持板が設けられていることを特徴とす
    る変速歯車組立軸の組付検査装置。
  9. 【請求項9】請求項1記載の変速歯車組立軸の組付検査
    装置において、 前記画像比較手段は、基準単位長並びに前記回転角0°
    についての正規画像データと被検査画像データに基づい
    て、前記回転角0°について予め決められた複数の比較
    対象区分での各偏差を求める第1の偏差演算手段と、 前記基準単位長並びに前記回転角180°に関する正規
    画像データと被検査画像データに基づいて、前記回転角
    180°について予め決められた複数の比較対象区分で
    の各偏差を求める第2の偏差演算手段と、 前記基準単位長並びに前記回転角90°に関する正規画
    像データと被検査画像データ及び前記基準単位長に基づ
    いて、前記回転角90°について予め決められた複数の
    比較対象区分での各偏差を求める第3の偏差演算手段と
    を有し、 前記判別手段は、第1〜第3の偏差演算手段にて得られ
    た各偏差のうち、少なくとも1つの偏差が所定の公差範
    囲にない場合に、組付け不良と判別することを特徴とす
    る変速歯車組立軸の組付検査装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の変速歯車組立軸の組付検
    査装置において、 前記第1の偏差演算手段は、前記正規組立軸に関し、前
    記回転角0°について予め決められた複数の比較対象区
    分の距離を、前記回転角0°に関する正規画像データと
    前記基準単位長に基づいて求める第1の正規区分演算手
    段と、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角0°について予め
    決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角0°
    に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づいて
    それぞれ求める第1の被検査区分演算手段と、 前記第1の正規区分演算手段にて得られた正規組立軸に
    関する複数の距離と、第1の被検査区分演算手段にて得
    られた被検査組立軸に関する複数の距離との差分をとっ
    て各区分毎の偏差を求める第1の差分演算手段を有し、 前記第2の偏差演算手段は、前記正規組立軸に関し、前
    記回転角180°について予め決められた複数の比較対
    象区分の距離を前記回転角180°に関する正規画像デ
    ータと前記基準単位長に基づいてそれぞれ求める第2の
    正規区分演算手段と、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角180°について
    予め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角
    180°に関する被検査画像データと前記基準単位長に
    基づいてそれぞれ求める第2の被検査区分演算手段と、 前記第2の正規区分演算手段にて得られた正規組立軸に
    関する複数の距離と、第2の被検査区分演算手段にて得
    られた被検査組立軸に関する複数の距離との差分をとっ
    て各区分毎の偏差を求める第2の差分演算手段を有し、 前記第3の偏差演算手段は、前記正規組立軸に関し、前
    記回転角90°について予め決められた複数の比較対象
    区分の距離を前記回転角90°に関する正規画像データ
    と前記基準単位長に基づいてそれぞれ求める第3の正規
    区分演算手段と、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角90°について予
    め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角9
    0°に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づ
    いてそれぞれ求める第3の被検査区分演算手段と、 前記第3の正規区分演算手段にて得られた正規組立軸に
    関する複数の距離と、第3の被検査区分演算手段にて得
    られた被検査組立軸に関する複数の距離との差分をとっ
    て各区分毎の偏差を求める第3の差分演算手段を有する
    ことを特徴とする変速歯車組立軸の組付検査装置。
  11. 【請求項11】請求項9又は10記載の変速歯車組立軸
    の組付検査装置において、 前記基準単位長は1画素当たりの長さを示し、 前記各距離は、対応する比較対象区分の有効画像の上部
    境界に含まれる複数の水平走査線の平均ラインから対象
    画像の下部境界に含まれる複数の水平走査線の平均ライ
    ンまでの画素数と前記基本単位長にて定まることを特徴
    とする変速歯車組立軸の組付検査装置。
  12. 【請求項12】被検査対象の変速歯車組立軸である被検
    査組立軸をクランプし、かつ所定基準位置に対して0
    °、180°及び90°に回転位置決めする第1のステ
    ップと、 前記第1のステップでの各位置決め状態における前記被
    検査組立軸を撮像し、3種の被検査画像データとして取
    り込む第2のステップと、 正規の変速歯車組立軸における前記各位置決め状態に対
    応する3種の正規画像データと前記3種の被検査画像デ
    ータとを比較する第3のステップと、 前記第3のステップでの比較結果に基づいて前記被検査
    組立軸における組付けの合否を判別する第4のステップ
    とを有することを特徴とする変速歯車組立軸の組付検査
    方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の変速歯車組立軸の組付
    検査方法において、 前記第3のステップは、基準単位長並びに前記回転角0
    °についての正規画像データと被検査画像データに基づ
    いて、前記回転角0°について予め決められた複数の比
    較対象区分での各偏差を求める第1の偏差演算ステップ
    と、 前記基準単位長並びに前記回転角180°に関する正規
    画像データと被検査画像データに基づいて、前記回転角
    180°について予め決められた複数の比較対象区分で
    の各偏差を求める第2の偏差演算ステップと、 前記基準単位長並びに前記回転角90°に関する正規画
    像データと被検査画像データ及び前記基準単位長に基づ
    いて、前記回転角90°について予め決められた複数の
    比較対象区分での各偏差を求める第3の偏差演算ステッ
    プとを有し、 前記第4のステップは、第1〜第3の偏差演算ステップ
    にて得られた各偏差のうち、少なくとも1つの偏差が所
    定の公差範囲にない場合に、組付け不良と判別すること
    を特徴とする変速歯車組立軸の組付検査方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の変速歯車組立軸の組付
    検査方法において、 前記第1の偏差演算ステップは、前記正規組立軸に関
    し、前記回転角0°について予め決められた複数の比較
    対象区分の距離を、前記回転角0°に関する正規画像デ
    ータと前記基準単位長に基づいて求める第1の正規区分
    演算ステップと、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角0°について予め
    決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角0°
    に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づいて
    それぞれ求める第1の被検査区分演算ステップと、 前記第1の正規区分演算ステップにて得られた正規組立
    軸に関する複数の距離と、第1の被検査区分演算ステッ
    プにて得られた被検査組立軸に関する複数の距離との差
    分をとって各区分毎の偏差を求める第1の差分演算ステ
    ップを有し、 前記第2の偏差演算ステップは、前記正規組立軸に関
    し、前記回転角180°について予め決められた複数の
    比較対象区分の距離を前記回転角180°に関する正規
    画像データと前記基準単位長に基づいてそれぞれ求める
    第2の正規区分演算ステップと、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角180°について
    予め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角
    180°に関する被検査画像データと前記基準単位長に
    基づいてそれぞれ求める第2の被検査区分演算ステップ
    と、 前記第2の正規区分演算ステップにて得られた正規組立
    軸に関する複数の距離と、第2の被検査区分演算ステッ
    プにて得られた被検査組立軸に関する複数の距離との差
    分をとって各区分毎の偏差を求める第2の差分演算ステ
    ップを有し、 前記第3の偏差演算ステップは、前記正規組立軸に関
    し、前記回転角90°について予め決められた複数の比
    較対象区分の距離を前記回転角90°に関する正規画像
    データと前記基準単位長に基づいてそれぞれ求める第3
    の正規区分演算ステップと、 前記被検査組立軸に関し、前記回転角90°について予
    め決められた複数の比較対象区分の距離を前記回転角9
    0°に関する被検査画像データと前記基準単位長に基づ
    いてそれぞれ求める第3の被検査区分演算ステップと、 前記第3の正規区分演算ステップにて得られた正規組立
    軸に関する複数の距離と、第3の被検査区分演算ステッ
    プにて得られた被検査組立軸に関する複数の距離との差
    分をとって各区分毎の偏差を求める第3の差分演算ステ
    ップを有することを特徴とする変速歯車組立軸の組付検
    査方法。
  15. 【請求項15】請求項13又は14記載の変速歯車組立
    軸の組付検査方法において、 前記基準単位長は1画素当たりの長さを示し、 前記各距離は、対応する比較対象区分の有効画像の上部
    境界に含まれる複数の水平走査線の平均ラインから対象
    画像の下部境界に含まれる複数の水平走査線の平均ライ
    ンまでの画素数と前記基本単位長にて定まることを特徴
    とする変速歯車組立軸の組付検査方法。
JP14626396A 1996-06-07 1996-06-07 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法 Expired - Fee Related JP3241267B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14626396A JP3241267B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14626396A JP3241267B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09329413A true JPH09329413A (ja) 1997-12-22
JP3241267B2 JP3241267B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=15403794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14626396A Expired - Fee Related JP3241267B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3241267B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010005316A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転式キャビン
CN104976951A (zh) * 2014-04-09 2015-10-14 英懋达光电股份有限公司 辨识影像的装置及其方法
WO2016146276A1 (de) * 2015-03-13 2016-09-22 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum prüfen von zahnrädern
CN109048903A (zh) * 2018-08-17 2018-12-21 上海非夕机器人科技有限公司 机械臂插轴入孔的方法及设备

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010005316A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転式キャビン
CN104976951A (zh) * 2014-04-09 2015-10-14 英懋达光电股份有限公司 辨识影像的装置及其方法
JP2015201193A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 英懋達光電股▲ふん▼有限公司Inventec Energy Corporation 画像認識装置及び画像認識方法
WO2016146276A1 (de) * 2015-03-13 2016-09-22 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum prüfen von zahnrädern
CN107003207A (zh) * 2015-03-13 2017-08-01 宝马股份公司 用于测试齿轮的方法和设备
US10371597B2 (en) 2015-03-13 2019-08-06 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Method and device for testing gearwheels
CN109048903A (zh) * 2018-08-17 2018-12-21 上海非夕机器人科技有限公司 机械臂插轴入孔的方法及设备
CN109048903B (zh) * 2018-08-17 2021-08-27 上海非夕机器人科技有限公司 机械臂插轴入孔的方法及设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP3241267B2 (ja) 2001-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0906174B1 (en) Workpiece inspection and handling
US5559894A (en) Automated meter inspection and reading
CN110340636B (zh) 压缩机装配方法及系统
JP2005292136A (ja) 多重解像度検査システム及びその動作方法
CN114281619B (zh) 一种服务器安规自动测试装置及方法
JPH09329413A (ja) 変速歯車組立軸の組付検査装置及び変速歯車組立軸の組付検査方法
CN113280209B (zh) 检测管道多余物的系统以及系统的使用方法、检测方法
US20210291309A1 (en) Machine tool system, and tool determining method
CA2760377C (en) An inspection method and an inspection apparatus
US20150287177A1 (en) Image measuring device
JP2855851B2 (ja) 表面欠陥検査装置
JPH0726809B2 (ja) 工作物位置座標補正方法
JPH0814876A (ja) ワーク寸法自動測定システム
Loser et al. The programmable optical 3d measuring system pom-applications and performance
CN210375013U (zh) 一种零部件外径尺寸在线监测装置
JPH0443813Y2 (ja)
CN209087364U (zh) Led自动检查装置
CN106403814A (zh) 视觉图像机及其检测方法
JPH03184747A (ja) 工作機械における工作物の自動照合認識装置
CN216577880U (zh) 一种智能检测焊缝缺陷的机器人
KR102018896B1 (ko) 엔드밀 치핑을 검사하는 비전검사장치 플랫폼
CN116718124B (zh) 一种异形物体的自动化检测装置及检测方法
CN212872236U (zh) 一种管件表面缺陷自动检测的装置
JPH04109315U (ja) インパネ組立品の検査装置
JP2527233Y2 (ja) ワーク位置検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071019

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees