JPH09328977A - 折畳み式建具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】方形枠内に移動自在に折畳み体を装着し、紐で
移動枠の垂直を保持する建具において、紐の枠への掛け
回しが容易となり、コスト低減が図れるものを提供す
る。 【解決手段】枠３の端部にキャップ１０を取付ける。キ
ャップ１０に、枠３の端部側から紐７を紐ガイド部２３
に装着するスリット２５を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、網またはスクリー
ンを蛇腹式に折畳み自在に構成すると共に、該折畳み体
を方形枠に取付け、該折畳み体をこれに貫通した紐によ
り伸縮させて開閉するように構成した網戸、カーテン、
間仕切り、日よけ等の折畳み式建具に係り、特に前記方
形枠の角部に設けられる折畳み式建具の紐の方向転換部
材に関する。

【０００２】

【従来の技術】網またはスクリーンを蛇腹式に折畳み、
その折畳み体を伸縮自在に設けた建具が前記網戸等とし
て用いられている。この建具は、図４（図４は本発明の
実施例を示す図であるがこの図の従来技術との共通部分
を使用して従来技術を説明する）に示すように、建物開
口部に固定される方形枠の一辺を構成する押出形材でな
る収容枠１と、該収容枠１の両端に直交して設けられる
一対の押出形材でなるガイド枠２と、該ガイド枠２の他
端に結合される押出形材でなる戸当たり枠３とによって
方形枠４を構成し、前記ガイド枠２に沿って移動する押
出形材でなる移動枠５を設け、網またはスクリーンでな
る折畳み体６の両端を該移動枠５と収容枠１に結合し
（図６（Ａ）参照）、移動枠５をガイド枠２に対して垂
直に保持しかつ折畳み体の弛みを防止する紐７を、前記
折畳み体６に設けた孔６ａに貫通すると共に、方形枠４
に掛け回してなる。

【０００３】このような折畳み体６を使用した建具にお
いて、該紐７を方形枠４の角部において約９０度方向転
換させるため、従来は該角部には紐７を導くプーリーで
なる方向転換部材が設けられている。

【０００４】しかし、従来のプーリでなる方向転換部材
は、ブラケット等を介して枠に固定される構造のために
構成部品点数が多くなり、かつ、枠内の取付けスペース
が狭いために取付けが困難であるという問題点があっ
た。また、方形枠４の角部において、複数の紐７を方向
転換させる構造の建具の場合には、それぞれの紐が干渉
せずに移動できるように複数の方向転換部材を前記同様
に取付けなければならず、部品点数がさらに多くなり、
取付けがますます困難になるという問題点があった。

【０００５】そこで本発明者等は、折畳み式建具の方形
枠の角部に設けられる紐の方向転換部材において、簡単
な構造で容易に取付けできるものを開発し、特開平７−
３１７４６６号として提案した。この方向転換部材は、
図６（Ｂ）に示すように、例えば収容枠１や戸当たり枠
３の端部に設けられ、キャップ８として枠材端部の保護
を兼ねたものであり、紐７を通す孔８ａ、８ｂを備えた
ものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このようなキャップ８
を有する折畳み式建具は、工場において紐７を折畳み体
６に通しかつガイド枠２を除いた枠に掛け回し、枠１、
３、５と折畳み体６を並べた状態で出荷されるが、キャ
ップ８の孔８ａ、８ｂにねらいをつけて紐７を通す作業
を行う必要があり、紐７は長いもので１０ｍにも及ぶ場
合もあり、この紐７を通すための作業時間がかかり、ま
たこれによってこの建具のコストアップを招いていた。

【０００７】本発明は、このような問題点に鑑み、紐の
枠への掛け回しが容易となり、コスト低減が図れる折畳
み式建具を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、方形枠内に移
動自在に折畳み体を装着し、前記方形枠、前記折畳み体
および折畳み体の一端の移動枠に紐を掛け回すと共に、
前記方形枠を構成する少なくとも１つの枠材の端部に固
定する方向転換部材に、枠の端部側から紐を紐ガイド部
に装着するスリットを設けてなることを特徴とする（請
求項１）。

【０００９】また、本発明は、方形枠内に移動自在に折
畳み体を装着し、前記方形枠、前記折畳み体および折畳
み体の一端の移動枠に紐を掛け回すと共に、前記移動枠
の端部に固定する方向転換部材に、紐ガイド部に移動枠
の端部側から紐を装着するスリットを設けてなることを
特徴とする（請求項２）。

【００１０】

【作用】請求項１においては、方形枠の端部における紐
の掛け回しは、方向転換部材にスリットを介して枠材の
端部側から装着することにより行う。請求項２において
は、移動枠の端部の方向転換部材においてスリットを介
して移動枠の端部から紐を紐ガイド部に装着する。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明による折畳み式建具
の一実施例を示す斜視図であり、図４の戸当たり枠３の
一端部Ａに相当する部分について示す。図２は戸当たり
枠３に方向転換部材１０（本実施例においては、該方向
転換部材１０がキャップの役目も果たすので、以下キャ
ップ１０と称す）を固定し、かつ紐７をキャップ１０に
装着した状態を移動枠５側から見た図、図３は図２のＥ
−Ｅ断面図、図４は本実施例の建具の全体図である。

【００１２】図１、図２に示すように、戸当たり枠３に
は、建物開口部へ取付けのためのねじ等を通すための孔
１１と、ガイド枠２を結合するためのタッピングねじ
（図示せず）を通す孔１２と有する。また、キャップ１
０を装着するため、室内外方向に対向するコ字形嵌合部
１３、１４を有し、また、これらのコ字形嵌合部１３、
１４の間の移動枠収容面１５には、上部から切り欠いた
矩形状の切欠部１６を設け、該切欠部１６の下にキャッ
プ係止のための係止孔１７を設ける。

【００１３】一方、キャップ１０は例えばポリアセター
ル樹脂等の硬質樹脂製の一体成形品、またはダイカスト
からなるもので、戸当たり枠３の端面をカバーする端板
１９を有する。また、該キャップ１０は、室内外方向に
対向させて設けた取付脚２０、２１を有すると共に、戸
当たり枠３の前記切欠部１６に嵌まるＵ字形の突出部２
２を有し、該突出部２２内に、図３に示すように、曲面
状に形成された紐７のガイド部２３を有する。また、紐
７の抜け止めのため、紐７の装着時に紐７を引き込む力
により変形可能な抜け止め片２４を形成している。本例
においては、紐ガイド部２３は２箇所設け、抜け止め片
２４もそれぞれ２箇所設けているが、紐７に掛け回し構
造や使用する紐７の本数によっては、１個または３個以
上の紐ガイド部２３を設ける場合もある。キャップ１０
の端板１９には紐７を通すためのスリット２５を設け
る。また、該キャップ１０には、抜け止め用の係止爪２
７を設けると共に、ガイド枠２のタッピングねじを通す
ための孔２８を有する。

【００１４】図２、図３に示すように、キャップ１０
は、その取付脚２０、２１を戸当たり枠３の対向するコ
字形部１３、１４に嵌め、キャップ１０の矩形の突出部
２２を戸当たり枠３の切欠部１６に嵌め、キャップ１０
の係止爪２７を戸当たり枠３の係止孔１７に係止させ、
戸当たり枠３の端面にキャップ１０の端板１９を当接さ
せた状態で戸当たり枠３に固定される。戸当たり枠３の
他端および収容枠１の両端にも同様の構造によりキャッ
プ１０が取付られる。

【００１５】このようにしてキャップ１０を取付けた戸
当たり枠３や収容枠１に対し、紐７を装着するが、この
紐７の掛け回し、図４のように枠組みする前の状態で行
う。すなわち、収容枠１、戸当たり枠３、移動枠５と折
畳み体６とを並べた状態とし、紐７の始端を、移動枠５
の張力調整部３０（この張力調整部３０は、移動枠の長
手方向に位置調整自在に設けられた締め付けねじにより
紐７の端部を固定する構造である。）を介して移動枠５
に固定し、移動枠５の上端（図面上の上端であり実際の
建物への取付けにおいては、上端になるとは限らない。
以下同様）の方向転換部材３１に掛け、次に戸当たり枠
３の上端のキャップ１０に、前記スリット２５から紐７
を一方の紐ガイド部２３に入れる。この場合、紐７を紐
ガイド部２３に引き込む力により、図２（Ｂ）に示すよ
うに、抜け止め片２４が撓んで抜け止め片２４と対向す
る壁面３２との間隙を開き、紐７の通過後は２点鎖線で
示すように抜け止め片２４が弾性により復帰し、抜け止
め片２４と壁面３２との間の間隙を狭くして紐７を抜け
止めする。この建具を建物開口部に取付けた後は、実際
の折畳み体６の開閉動作においては、紐７はキャップ１
０を戸当たり枠３に押し込む方向に付勢され、紐７の抜
ける方向には力はほとんど加わらないので、紐７は抜け
止め片２４から外れて抜け出る心配はない。

【００１６】次に戸当たり枠３の下端のキャップ１０に
上端と同様にスリット２５を通して掛け、次に収容枠１
の下端のキャップ１０に前記と同様にスリット２５を通
して掛け、次に、収容枠１の下部の孔から折畳み体６の
下部の孔６ａ（図６（Ａ）参照）、移動枠５の下部の方
向変換部材３３の孔３３ａ（図５（Ｂ）参照）に貫通
し、移動枠５の内部に通し、移動枠５の上端の方向転換
部材３１の孔から折畳み体６の上部の孔、収容枠１の上
部の孔に通し、収容枠１の上端のキャップ１０に前記ス
リット２５を通して一方の紐ガイド部２３に掛け、次に
戸当たり枠３の上端の前記と別の紐ガイド部２３にスリ
ット２５を通して掛ける。

【００１７】次に戸当たり枠３の下端のキャップ１０の
前記とは別の紐ガイド部２３にスリット２５を通して掛
け、移動枠５の下端の方向転換部材３３の孔３３ｂ（図
５（Ｂ）参照）に通し、終端を移動枠５における前記張
力調整部３０と同様のねじによる上下位置調整可能な固
定構造の張力調整部３５を介して移動枠５に固定する。

【００１８】この建具の取付け現場においては、ガイド
枠２を他の枠１、３、５や折畳み体６と共に組み、紐７
の途中の部分を移動枠５に中間固定装置（締結ねじ）３
６により固定する。そして、張力調整部３０（又は３
５）により紐７の張力を調整した後、中間固定装置３６
により紐７の途中部分を固定し、該中間固定装置３６と
張力調整部３０との間の紐７の張力と、中間固定装置３
６と張力調整部３５との間の紐７の張力とを等しい状態
にすることにより、前記移動枠５が開位置（図４の位
置）、閉位置（移動枠５が戸当たり枠３に当接した状
態）およびその間の移動状態のいずれの状態において
も、移動枠５がガイド枠２に対して垂直に保持され、か
つ移動時にガタつくことが、中間固定装置３６の締め付
け作業だけで防止される。

【００１９】このように、スリット２５を有するキャッ
プ１０を収容枠１および戸当たり枠３に設ければ、これ
らの枠１、３の端部における紐７の装着は、従来のよう
に孔に通すのではなく、スリット２５を通して、枠１、
３の外側即ち端部側から嵌め込めば良いため、作業性が
良く、紐７の装着作業時間を従来の約３割程度短縮で
き、建具のコスト低減が図れる。また、紐７が切断して
交換する場合にも交換が容易となる。また、保守点検の
際に、各枠１〜３、５を分解する場合においても、紐７
をスリット２５から枠外へ外すことにより、各枠１〜
３、５を分解し、修理後は紐７をスリット２５から再度
紐ガイド部２３に装着できるから、保守点検作業が容易
となる。

【００２０】図５（Ａ）は本発明の他の実施例であり、
前記移動枠５の端部に設ける合成樹脂製方向転換部材３
３（図示例は下端のものについて示すが、上端の方向転
換部材３１も同様の構造となる）に、前記孔３３ａ、３
３ｂの代わりにスリット３７ａ、３８ａを有する紐ガイ
ド部３７、３８を設けることにより、移動枠５における
紐７の装着作業も容易となる。なお、このような移動枠
５にスリット３７ａ、３８ａを設ける場合、紐ガイド部
３７、３８に前記抜け止め片２４を設けてもよい。

【００２１】上記実施例で開示した建具は、移動枠５を
移動させて折畳み体６を開閉する際には、紐７が方形枠
４内を移動する紐可動式であり、この場合、戸当たり枠
３のキャップ１０においては、２つの紐ガイド部２３、
２３を通る紐７の各部分が逆方向に移動することになる
が、紐ガイド部２３、２３が横並びとなっているので、
紐７の移動方向が反対になる部分の接触が阻まれ、相互
の干渉を防止できる。すなわち、従来のように複数の方
向転換部材の取付け位置を異ならせる等の複雑な構造を
採用することなく、通過穴を紐の相互非接触構造とする
だけで紐７の損傷や移動抵抗の増大を防止することがで
きる。

【００２２】また、本発明は、建具単体で構成されるの
みならず、サッシと組み合わせて設置される場合にも用
いられる。また、本発明は、縦に設置される網戸等の建
具のみならず、天窓のように斜めに設置されるもの、水
平に設置される建具、紐自体は方形枠に対して移動しな
い紐固定式の建具、あるいは両開きの折畳み式の建具に
適用できる。また、紐７も２本以上にしたり、折畳み体
６における弛みを防止するために、折畳み体６に通過す
る紐の通過段数を増やす等、種々の変更が可能である。
その他、本発明において紐の方向転換部材の形状や配置
等について、種々の変更が可能である。

【００２３】

【発明の効果】請求項１によれば、方向転換部材に設け
たスリットを通して枠の端部から紐のの装着が行えるの
で、紐の枠への掛け回しが容易となり、コスト低減が図
れる。また、紐の交換も容易であり、さらに、枠を分解
して紐をスリットから外すことができるため、枠が分解
しやすくなり、かつ分解後の紐の装着も容易となるの
で、保守点検が容易となる。

【００２４】請求項２によれば、移動枠の端部に設ける
方向転換部材に、紐ガイド部に移動枠の端部側から紐を
装着するスリットを設けたので、移動枠の端部への紐の
装着が容易となり、コストの低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による折畳み式建具の一実施例を示す図
４のＡ部の分解斜視図である。

【図２】本実施例において、戸当たり枠に方向転換部材
を装着し、かつ紐を方向転換部材に装着した状態を移動
枠側から見た図である。

【図３】図２のＥ−Ｅ断面図である。

【図４】本実施例の建具の全体を示す正面図である。

【図５】（Ａ）は本発明の他の実施例を示す斜視図、
（Ｂ）は（Ａ）に対応する別の構造を示す斜視図であ
る。

【図６】（Ａ）は折畳み式建具における折畳み体の取付
構造を示す斜視図、（Ｂ）は従来の方形枠のキャップを
示す断面図である。

【符号の説明】

１：収容枠、２：ガイド枠、３：戸当たり枠、４：方形
枠、５：移動枠、６：折畳み体、７：紐、１０：キャッ
プ（方向転換部材）、２３：紐ガイド部、２４：抜け止
め片、２５：スリット、３０、３５：張力調整部、３
１、３３：方向転換部材、３６：中間固定装置、３７、
３８：紐ガイド部、３７ａ、３８ｂ：スリット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】方形枠内に移動自在に折畳み体を装着し、 前記方形枠、前記折畳み体および折畳み体の一端の移動
   枠に紐を掛け回すと共に、 前記方形枠を構成する少なくとも１つの枠材の端部に固
   定する方向転換部材に、枠の端部側から紐を紐ガイド部
   に装着するスリットを設けてなることを特徴とする折畳
   み式建具。
2. 【請求項２】方形枠内に移動自在に折畳み体を装着し、 前記方形枠、前記折畳み体および折畳み体の一端の移動
   枠に紐を掛け回すと共に、 前記移動枠の端部に固定する方向転換部材に、紐ガイド
   部に移動枠の端部側から紐を装着するスリットを設けて
   なることを特徴とする折畳み式建具。