JPH09328691A - 燃料組成物 - Google Patents

燃料組成物

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JPH09328691A
JPH09328691A JP5957797A JP5957797A JPH09328691A JP H09328691 A JPH09328691 A JP H09328691A JP 5957797 A JP5957797 A JP 5957797A JP 5957797 A JP5957797 A JP 5957797A JP H09328691 A JPH09328691 A JP H09328691A
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JP
Japan
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group
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fuel
furfuryl
molecular weight
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JP5957797A
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English (en)
Inventor
David John Barratt
デイビツド・ジヨン・バラツト
Gautam Tavanappa Kalghatgi
ゴータム・タバナツパ・カルガツジ
Jian Lin
ジヤン・リン
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
Original Assignee
Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オクタン価要求値増大制御および/またはオ
クタン価要求値低減の効果を奏する燃料用添加剤を提供
する。 【解決手段】 大量のガソリン沸騰範囲にて沸騰する燃
料と、少量の、1個またはそれ以上の複素環式基および
/または1個またはそれ以上のアリール基からなる1個
またはそれ以上の置換基を持つフリル基を含有するフラ
ン誘導体からなる添加剤とを含む燃料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラン誘導体を含
有する燃料組成物、かかる燃料組成物を用いて内燃機関
を運転する方法、並びに燃料用添加剤濃厚物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】内燃
機関、特に火花点火機関がオクタン価要求値増加効果と
称される効果を示す傾向にあるということは周知であ
る。この効果は、最初は新しいまたは比較的清潔なエン
ジンが運転時間の累積とともにより高いオクタン特性の
燃料を必要とする傾向であると記載され得、そして該エ
ンジンの燃料室の領域におけるデポジットの形成と一致
する。
【0003】新しいまたは清潔なエンジンの初期運転
中、オクタン価要求値即ちノッキングのない運転のため
に必要とされる燃料オクタン価が徐々に増大し、この増
大が安定または平衡オクタン価要求値レベルに達するま
で、燃料室デポジットの増大的蓄積とともに観察され
る。前記レベルは、燃料室および弁表面上におけるデポ
ジットの蓄積量がもはや増大しないで比較的一定のまま
になる時点に一致すると考えられる。前記いわゆる“平
衡値”は、通常、3,000〜20,000マイル
(4,000〜32,000km)の間の運転距離また
は相当する運転時間にて達成される。この増大の現実の
平衡値はエンジンの設計によって、同じ設計であっても
個々のエンジンによって変わり得るが、ほとんどすべて
の場合において該増大は有意的であると思われ、約2〜
14のリサーチ法オクタン価の範囲のオクタン価要求値
の増大が現在のエンジンにおいて普通観察される。
【0004】燃焼室におけるデポジットの形成を抑制ま
たは防止する燃料用添加剤はオクタン価要求値増加制御
(ORIC)(octane requirement
increase control)剤と称され得、
そして形成されたデポジットを除去または改質してオク
タン価要求値を低減させるものはオクタン価要求値低減
(ORR)(octane requirement
reduction)剤と称され得る。
【0005】米国特許第4,339,245号は、フル
フリルアルコール、フルフリルアミン、エチルフルフリ
ルアクリレート、フルフリルアセテート、フルフリルプ
ロピオネート、フルフリルイソブチレート、メチルフロ
エート、エチルフロエートおよびフリル環上において置
換されたアルキル基を有する化合物を含めて或るフリル
化合物を、ガソリンにおけるアンチノッキング用添加剤
として使用することを開示している。記載されたフリル
化合物を添加すると、ガソリンのRON(リサーチ法オ
クタン価)が増大した。RONはガソリン固有の性質で
あり、そしてそのガソリンが使用時に現出し得るまたは
現出し得ないORICまたはORR効果と無関係であ
る。ORICまたはORR効果は、米国特許第4,33
9,245号に記載も示唆もされていない。
【0006】EP−A−174,123はアルキルフラ
ンの製造方法を開示しており、アルキルフランがオクタ
ン向上用添加剤としてガソリン組成物中に配合され得る
ことが認められている。上記のように、これはガソリン
のRONに関係し、ORICまたはORR効果に関係し
ない。
【0007】
【課題を解決するための手段】今般驚くべきことに、或
るフラン誘導体を含有する燃料組成物がオクタン価要求
値増加制御および/またはオクタン価要求値低減の効果
を示すことが見出された。
【0008】本発明によれば、大量のガソリン沸騰範囲
にて沸騰する燃料と、少量の、1個またはそれ以上の複
素環式基および/または1個またはそれ以上のアリール
基からなる1個またはそれ以上の置換基を持つフリル基
を含有するフラン誘導体からなる添加剤を含む燃料組成
物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】複素環式基の各々は、任意に置換
された飽和または不飽和の環系例えば酸素、窒素および
硫黄から選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含有
する5〜7員の環系であってもよく、5員および6員の
環例えばフリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピロリ
ル、トリアジニル、イミダゾリニルまたはチオフェニル
(チエニル)基が好ましい。特に好ましいものは、酸素
および/または窒素を含有する5員環系、好ましくはフ
ラン環またはピロール環である。
【0010】アリール基は、任意に置換されたアリール
基であってもよく、好ましくは任意に置換されたフェニ
ル基である。好ましいアリール基は、置換されていない
かまたはアルキル基により置換されているフェニル基で
ある。
【0011】かくして、複素環式基および/またはアリ
ール基は、酸素および/または窒素を含有する不飽和の
5員環系、またはベンゼン環系からなることが好まし
い。
【0012】複素環式基およびアリール基の置換基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子)、ニトロ、ヒ
ドロキシル、カルボキシル、アミノ、シアノ、アルキ
ル、ホルミル、アルコキシカルボニル、アルカノイル、
アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホ
ニル、カルバモイルおよびアルキルアミノ基が例示され
る。本明細書において用いられるとき、置換基がアルキ
ル、アルコキシまたはアルキレン部分から成るかまたは
含有する場合、これは線状でも分枝状でもよくかつ12
個まで、好ましくは6個まで、特に4個までの炭素原子
を含有し得る。
【0013】複素環式基および/またはアリール基の各
々は、直接的にまたは任意に置換されたヒドロカルビル
(好ましくは、アルキレン)、カルボニル、ジカルボニ
ル、アミド、アルキレンアミド、アルキレンオキシアル
キルまたはアルコキシカルボニル基を橋かけすることに
よりフリル基に結合される。1個またはそれ以上の追加
的な複素環式基およびアリール基はまた、直接的にまた
はかかる橋かけ基を経て、フリル基に結合されている複
素環式基またはアリール基に結合され得る。
【0014】好ましくは、上記したフリル基と複素環式
基もしくはアリール基との間の結合または複素環式基も
しくはアリール基と追加的な複素環式基もしくはアリー
ル基との間の結合は、直接的結合であるかまたはC
1〜4 アルキレン(好ましくは、−CH2 −)、−CH
2 NHCO−、−NHCO−、−CO−CO−、−CH
2−O−CO−および−CH2 OCH2 −基から選択さ
れた橋かけ基である。
【0015】好ましくは、フリル基は、1個またはそれ
以上の複素環式基および/または1個またはそれ以上の
アリール基からなる単一置換基を持つ。
【0016】例えば、フリル基に加えて存在する複素環
式基および/またはアリール基の数は、有利には1〜5
個、好ましくは1〜4個の範囲であり得る。
【0017】フラン誘導体の分子量は、好ましくは10
0〜5000の範囲、より好ましくは100〜500、
最も好ましくは145〜500の範囲にある。フラン誘
導体がはっきり区別される化学構造を有する単一化合物
である場合、その分子量は該化合物の式量に相当する。
しかしながら、フラン誘導体がある範囲の構造を有する
場合、その分子量は、ポリスチレン検量標準を用いるゲ
ル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定される
ような数平均分子量である。
【0018】例として、本発明に従って用いられるべき
適当なフラン誘導体は、次の一般式を有するものを含
む。
【0019】
【化1】
【0020】ここで、R1 、R2 、R3 およびR4 は各
々独立的に、水素、直接的にもしくは前記したような橋
かけ基によりフリル基に結合された複素環式基またはア
リール基を表し、但しR1 、R2 、R3 およびR4 の少
なくとも一つはかかる複素環式基またはアリール基であ
ることを条件とする。好ましくは、R3 およびR4 の一
方または両方が、酸素、窒素および硫黄から選択された
少なくとも1個のヘテロ原子を含有しかつ上記したよう
なフリル基に結合された任意に置換された飽和または不
飽和の環系を表す。
【0021】本発明の燃料組成物において用いるために
特に好ましいフラン誘導体は、フルフリルアルコール樹
脂またはその誘導体である。
【0022】本発明において、フルフリルアルコール樹
脂は、任意に置換されたフルフリルアルコールモノマー
(例えば、2−フランメタノールモノマー)の縮合によ
り得られるポリマー生成物、または少なくとも2個のフ
ラン環を含有するその蒸留生成物であると定義される。
好ましくは、フルフリルアルコール樹脂は、ポリスチレ
ン検量標準を用いるゲル透過クロマトグラフィー(GP
C)により測定して、145(即ち、約150)〜50
00の範囲、より好ましくは145(約150)〜50
0の範囲の数平均分子量を有する。
【0023】フルフリルアルコール樹脂またはその誘導
体は、当該フリル基に加えて、任意に置換されたヒドロ
カルビル(好ましくは、アルキレン)、アルキレンオキ
シアルキルまたはアルコキシカルビル基例えば−CH2
−または−CH2 OCH2 −基により隣接フリル基に結
合されている多数の更なるフリル基を含むということが
理解されよう。
【0024】好ましくは、フルフリルアルコール樹脂
は、非置換2−フランメタノールモノマーの縮合生成物
からなる。
【0025】後者の縮合生成物において、追加的フリル
基はメチレン基またはある場合には−CH2 −O−CH
2 −基により隣接フリル基に結合されるということが理
解されよう。
【0026】フルフリルアルコール樹脂の製造は、当業
界において周知である。これに関して、例えば「ジャー
ナル・オヴ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Jo
urnal of Applied Polymer
Science),第15巻,pp.1079〜109
0(1971)」が参照され、この文献は参照により本
明細書に包含される。
【0027】適当なモノマーは、次の一般式を有するも
のを含む。
【0028】
【化2】
【0029】ここで、R1 、R2 、R4 およびR5 は各
々独立的に、水素、ヒドロカルビル基、窒素含有、酸素
含有または硫黄含有のヒドロカルビル基を表し、そして
3 は水素を表す。ヒドロカルビル基は、好都合には、
アリール、アルキル、アルケニルまたはシクロアルキル
基からなり得る。有利には、ヒドロカルビル基は、2〜
50個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、
より好ましくは2〜10個の炭素原子を含有する。
【0030】適当なフルフリルアルコール樹脂またはそ
れらの誘導体は、異なるタイプのモノマー(II)の重
縮合により得られるものを含む。
【0031】本発明に従って適用されるべき適当なフル
フリルアルコール樹脂またはそれらの誘導体は、次の一
般式(III)または(IV)を有するものを含む。
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】ここで、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は、式IIについて上記に定義した通りの意味を有
し、R6 は、水素、OH、
【0035】
【化5】
【0036】を表し、そしてR7 およびR8 は、任意に
窒素含有、酸素含有または硫黄含有のヒドロカルビル基
を表し、xは、0〜60、好ましくは0〜30、より好
ましくは0〜10の範囲にあり、yは、0または1であ
り、zは0〜60、好ましくは0〜30、より好ましく
は0〜10の範囲にあり、(x+z)およびZ′の各々
は、1〜60、好ましくは1〜30、より好ましくは1
〜10の範囲であり、そしてpは、1〜80の範囲、好
ましくは5〜25の範囲である。
【0037】フルフリルアルコール樹脂またはその誘導
体は、通常、上記したポリマー生成物IIIおよびIV
のいずれかの混合物、無論未反応の2−フランメタノー
ルまたはその誘導体を含むということが理解されよう。
【0038】フルフリルアルコール樹脂は未反応ヒドロ
キシ基を含有し得、これらの基は引き続いて公知の方法
にて誘導体化例えばエステル化され得る。好ましい誘導
体はフルフリル樹脂のアルキルコハク酸エステルであ
り、これはフルフリル樹脂とオレフィン−コハク酸無水
物例えばC15〜19 内部オレフィン−コハク酸無水物と
の反応により製造され得る。
【0039】本発明による特に好ましい燃料組成物は、
フラン誘導体がN−フルフリル−2−フルアミド、2−
アミノ−1−(2−フラニルメチル)−4,5−ジフリ
ル−3−ピロールカルボニトリル、N−フェニルフルア
ミド、1−フルフリルピロール、フリル、フルフリルベ
ンゾエート、145〜500の範囲の数平均分子量を有
するフルフリル樹脂および該範囲の数平均分子量を有す
るフルフリル樹脂のアルキルコハク酸エステルから成る
群から選択されるものである。
【0040】フラン誘導体からなる添加剤は、好ましく
は、燃料組成物中にオクタン価要求値を低減する量にて
存在する。
【0041】燃料は大量(即ち、50重量%より大)に
て存在し、そしてフラン誘導体からなる添加剤は少量に
て、好ましくは燃料組成物の重量を基準として0.00
5〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、
最も好ましくは0.02〜1重量%にて存在する。
【0042】本発明は更に、内燃機関用燃料への添加の
ために適した添加剤濃厚物であって、燃料相溶性希釈剤
および、好ましくは該希釈剤を基準として計算して5〜
75重量%の量の、上記したようなフラン誘導体からな
る添加剤からなる上記添加剤濃厚物を提供する。
【0043】更に本発明に従って、内燃機関を運転する
方法であって、本発明による上記したような燃料組成物
を該機関の燃焼室中に導入することからなる上記方法が
提供される。
【0044】ガソリン沸騰範囲にて沸騰する燃料は炭化
水素から実質的に成り得、またはそれは配合成分を含有
し得る。あるいは、例えばブラジルのような国におい
て、該燃料はエタノールから実質的に成り得る。
【0045】ガソリン沸騰範囲の適当な液状炭化水素燃
料は、約25〜約232℃の温度範囲にて沸騰する炭化
水素の混合物であり、飽和炭化水素、オレフィン系炭化
水素および芳香族炭化水素の混合物からなる。好ましい
ものは、約40〜約80容量%の範囲の飽和炭化水素含
有率、0〜約30容量%のオレフィン系炭化水素含有率
および約10〜約60容量%の芳香族炭化水素含有率を
有するガソリン混合物である。ベース燃料は、直留ガソ
リン、ポリマーガソリン、天然ガソリン、二量体および
三量体オレフィン、合成的に生成された芳香族炭化水素
混合物から、熱的にまたは接触的に改質された炭化水素
から、もしくは接触分解または熱分解された石油ストッ
クから、およびこれらの混合物から誘導される。ベース
燃料の炭化水素組成およびオクタンレベルは、臨界的で
ない。(R+M)/2であるオクタンレベルは、一般に
約85を越える(ここで、Rはリサーチ法オクタン価で
あり、そしてMはモーター法オクタン価である。)。
【0046】いかなる慣用のベースガソリンも、本発明
の実施において用いられ得る。例えば、ガソリン中の炭
化水素は、実質的量まで、燃料において用いることが公
知であり慣用されているアルコールまたはエーテルによ
り置き換えられ得る。ベースガソリンは望ましくは実質
的に水を含有せず、何故なら水は円滑な燃焼を妨げるか
らである。
【0047】通常、本発明が適用されるガソリンは、加
鉛されていても加鉛されていなくてもよく好ましくは実
質的に無鉛であり、またメタノール、エタノール、第3
級ブタノール、エチル第3級ブチルエーテル、メチル第
3級ブチルエーテルのような1種またはそれ以上の配合
剤を、ベース燃料の約0.1〜約25容量%にて含有し
得る。しかし、より多量(例えば、40容量%まで)含
有させてもよい。
【0048】ガソリンは更に、適当には、アルキルフェ
ノールまたはアルキルアルコキシレートのような非イオ
ン性界面活性剤を含有し得る。かかる界面活性剤の適当
な例は、C4 〜C18アルキルフェノール、C2 〜C6
ルキルエトキシレートまたはC2 〜C6 アルキルプロポ
キシレートまたはそれらの混合物を含む。界面活性剤の
量は、有利には10〜1000ppmwである。
【0049】ガソリンはまた、フェノール物質例えば
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールもしくはフェ
ニレンジアミン例えばN,N′−ジ−sec−ブチル−
p−フェニレンジアミンのような酸化防止剤、染料、金
属失活剤、ポリエステルタイプのエトキシ化アルキルフ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂のような脱曇化剤を含
めて、他の慣用の添加剤を含有し得る。独国マンハイム
のライン・ヘミー社により“RC4801”として市販
されているもの、もしくは上にアルファ−炭素原子の少
なくとも一個20〜500個の炭素原子を有する未置換
または置換脂肪族炭化水素基を有するコハク酸誘導体の
多価アルコールエステル例えばポリイソブチレン基が約
950の平均分子量を有するポリイソブチレン置換コハ
ク酸のペンタエリトリットジエステルのような、腐食防
止剤もまた約1〜約1000ppmwの量にて存在し得
る。燃料はまた、メチルシクロペンタジエニルマンガン
トリカルボニル、テトラエチル鉛または他の鉛含有化合
物およびオルト−アゾジフェノールのようなアンチノッ
キング用化合物並びにベンゾイルアセトンのような補助
アンチノッキング用化合物を含有し得る。
【0050】本発明の好ましいガソリン組成物は、追加
的に、ポリアルケニルアミン、マンニッヒアミン、ポリ
アルケニルスクシンイミド、ポリ(オキシアルキレン)
アミン、ポリ(オキシアルキレン)カルバメートおよび
ポリ(アルケニル)−N−置換カルバメートから成る群
から選択された少なくとも1種の追加的添加剤化合物を
少量含有し得る。
【0051】フラン誘導体からなる添加剤の有効量が、
デポジットの蓄積を防止するためにもしくはオクタン価
要求値に関連づけられる存在するデポジットの改質を達
成するための、種々の方法でエンジンの燃焼帯域中に導
入される。好ましい方法は、少量の上記したようなフラ
ン誘導体をガソリンに添加することである。例えば、1
種またはそれ以上の上記したようなフラン誘導体をガソ
リンに直接的に添加するか、またはガソリンに添加する
前に1種またはそれ以上のキャリヤーおよび/または1
種またはそれ以上の炭化水素可溶性のアルカリ金属また
はアルカリ土金属塩および/または1種またはそれ以上
の追加的洗浄剤をブレンドする。
【0052】用いられるフラン誘導体の量は、用いられ
る特定のフラン誘導体、燃料、並びにキャリヤー、洗浄
剤および希釈剤の有無に依存する。
【0053】キャリヤーは、使用される場合、好都合に
は約250〜約5000の平均分子量を有し得る。適当
なキャリヤーは、使用される場合、ポリイソブチレン
(PIB)、ポリプロピレン(PP)およびポリアルフ
ァオレフィン(PAO)(それらはすべて、水素化され
ていても水素化されていなくてもよいが、好ましくは水
素化されている。)のような、炭化水素をベースとした
物質;ポリブチレンオキシド(ポリBO)、ポリプロピ
レンオキシド(ポリPO)、ポリヘキサデセンオキシド
(ポリHO)およびそれらの混合物(即ち、(ポリB
O)+(ポリPO)およびポリ−BO−POの両方)の
ような、ポリエーテルをベースとした物質;並びにロイ
ヤルダッチ/シェルグループの加盟会社により“HV
I”および“XHVI”(商標)で販売されているも
の、エクソン・ナフテニック(ExxonNaphth
enic)900sus鉱油および一般に高粘度指数油
のような鉱油を含む。キャリヤーは好ましくはPIB、
ポリBOおよびポリPOから選択され、ポリPOが最も
好ましい。
【0054】特に調製されるキャリヤー流体は、8〜1
6個の炭素原子を含有する少なくとも1種のアルファオ
レフィン系モノマーから誘導される18〜80個の炭素
原子を含有する水素化オリゴマーである100℃におい
て2×10-6〜2×10-52 /s(2〜20センチス
トークス)の範囲の粘度を有するポリアルファオレフィ
ンと、400〜3000の範囲の数平均分子量(Mn
を有するグリコール、それらのモノおよびジエーテルか
ら選択されたポリオキシアルキレン化合物との組合わせ
であって、ポリアルファオレフィン:ポリオキシアルキ
レン化合物の重量比が1:10〜10:1の範囲にある
該組合わせからなる。
【0055】ポリアルファオレフィンは主として三量
体、四量体および五量体であり、かかる物質の合成の概
略は「カムペン等,“合成潤滑油の成長しつつある用
途”,ハイドロカーボン・プロセシング(Hydroc
arbon Processing),1982年2月
号,第75〜82頁」に記載されている。ポリアルファ
オレフィンは、好ましくは、8〜12個の炭素原子を含
有するアルファオレフィンモノマーから誘導される。デ
セン−1から誘導されるポリアルファオレフィンが非常
に有効であることが分かった。ポリアルファオレフィン
は、好ましくは、100℃において6×10-6〜1×1
-52 /s(6〜10センチストークス)の範囲の粘
度を有する。100℃において8×10-62 /s(8
センチストークス)の粘度を有するポリアルファオレフ
ィンが非常に有効であることが分かった。
【0056】これらのポリアルファオレフィンと組合わ
せて用いるための好ましいポリオキシアルキレン化合物
は、EP−A−588,429に記載されている。
【0057】最終燃料組成物中のキャリヤー濃度は、約
1000重量ppmまでである。キャリヤーが存在する
場合、好ましい濃度は、燃料組成物の総重量を基準とし
て約50〜約400ppmwである。キャリヤーをフラ
ン誘導体および他の所望成分とブレンドすると、この配
合物は燃料に直接的に添加されるかもしくは将来の使用
のために包装される。
【0058】炭化水素可溶性のアルカリ金属またはアル
カリ土金属塩は、使用される場合、WO87/0112
6に記載されているものの一つであり得、式Iの化合物
は、WO87/01126に記載されているような燃料
組成物において追加的成分として混入するために特に適
する。しかしながら、好ましい炭化水素可溶性のアルカ
リ金属またはアルカリ土金属塩は、コハク酸誘導体のア
ルカリ金属またはアルカリ土金属塩である。コハク酸誘
導体のかかる塩は、使用される場合、そのアルファ−炭
素原子の一個上の置換基として、20〜200個の炭素
原子を有する未置換または置換脂肪族炭化水素基を有す
る。あるいは、コハク酸誘導体は、そのアルファ−炭素
原子の一個上の置換基として、1〜6個の炭素原子を有
する炭化水素部分により他方のアルファ−炭素原子に結
合されて環構造を形成する20〜200個の炭素原子を
有する未置換または置換炭化水素基を有する。適当なか
かる塩は、例えばEP−A−207,560におよびE
P−A−491,439に記載されている。
【0059】コハク酸誘導体の塩は、一塩基性または二
塩基性であり得る。残存カルボン酸基がアミド基または
エステル基に変換されている一塩基塩もまた用いられ得
る。適当なアルキルポリエーテルアルコールとコハク酸
誘導体との部分エステルのアルカリ金属塩は、EP−A
−491,439に記載されている。
【0060】適当な金属塩は、リチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウムおよびカルシウム塩を
含む。特に好ましい塩は、EP−A−207,560に
記載されている。
【0061】コハク酸誘導体の脂肪族炭化水素置換基は
適当にはポリオレフィンから誘導され、該ポリオレフィ
ンのモノマーは2〜6個の炭素原子を有する。かくし
て、好都合な置換基は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレン、ポリポリペンテン、ポリヘキセンま
たは混合ポリマーを含む。特に好ましいものは、ポリイ
ソブチレンから誘導される脂肪族炭化水素基である。
【0062】炭化水素基は、アルキルおよび/またはア
ルケニル部分を含み得、また置換基を含有し得る。1個
またはそれ以上の水素原子が、別の原子例えばハロゲン
によりもしくは非脂肪族有機基例えば(未)置換フェニ
ル基、ヒドロキシ基、エーテル基、ケトン基、アルデヒ
ド基またはエステル基により置き換えられ得る。炭化水
素基における非常に適当な置換基は、少なくとも1個の
他の金属スクシネート基であり、こうして2個またはそ
れ以上のスクシネート部分を有する炭化水素基を生じ
る。
【0063】脂肪族炭化水素基は、20〜200個、好
ましくは35〜150個の炭素原子を含有すべきであ
る。ポリオレフィンが置換基として用いられる場合、そ
の鎖長は好都合には数平均分子量として表される。例え
ば浸透圧法により決定される、該置換基の数平均分子量
は、有利には400〜2000である。
【0064】コハク酸誘導体は、一方または両方のアル
ファ−炭素原子に結合された1個より多いC20〜200
肪族炭化水素基を有し得るが、好ましくは、そのアルフ
ァ−炭素原子の一方に1個のC20〜200脂肪族炭化水素
基を有しそして他方のアルファ−炭素原子に置換基を有
さないかまたは短鎖長の炭化水素基例えばC1〜6 基の
みを有する。後者の基は、該C20〜200炭化水素基と結
合して環構造を形成し得る。
【0065】本発明のガソリン組成物はまた、1種また
はそれ以上の洗浄剤を含有し得る。洗浄剤が使用される
場合、ガソリン組成物は、前記したようなガソリン沸騰
範囲にて沸騰する燃料を大量、上記したようなフラン誘
導体を少量、およびポリアルケニルアミン例えばバスフ
社から入手できる“ケロコム(KEROCOM)”ポリ
イソブチレンアミンのようなポリブチレンアミン、マン
ニッヒアミン、ポリアルケニルスクシンイミド、ポリ
(オキシアルキレン)アミン、ポリ(オキシアルキレ
ン)カルバメート、ポリ(アルケニル)−N−置換カル
バメートおよびそれらの混合物から選択された洗浄剤を
少量含む混合物からなる。上記したように、前記したキ
ャリヤーもまた含められ得る。洗浄剤の“少量”は、好
ましくは総燃料組成物の約10重量%未満、より好まし
くは総燃料組成物の約1重量%未満、更に好ましくは総
燃料組成物の約0.1重量%未満である。
【0066】使用されるポリアルケニルアミン洗浄剤
は、少なくとも50個の炭素原子を有する一価炭化水素
基を少なくとも1個、およびジアミンの窒素原子を分離
するよう直接結合した多くとも5個の炭素原子を有する
一価炭化水素基を少なくとも1個含む。好ましいポリア
ルケニルアミンは、ポリイソブテニルアミンである。ポ
リイソブテニルアミンは当業界にて公知であり、代表的
な例は、米国特許第3,753,670号、米国特許第
3,756,793号、米国特許第3,574,576
号および米国特許第3,438,757号を含めて、種
々の米国特許に開示されている。本燃料組成物において
用いるための特に好ましいポリイソブテニルアミンは、
N−ポリイソブテニル−N′,N′−ジメチル−1,3
−ジアミノプロパン(PIB−DAP)、OGA−47
2(オロナイト社から市販されているポリイソブテニル
エチレンジアミン)、N−ポリイソブテニルジエチレン
トリアミン(PIB−DETA)およびN−ポリイソブ
テニルトリエチレンテトラアミン(PIB−TETA)
を含む。
【0067】使用されるマンニッヒアミン洗浄剤は、高
分子量のアルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物、少なく
とも1個の活性水素原子を有するアミノ基を含有するア
ミン(好ましくは、ポリアミン)、およびアルデヒドの
縮合生成物からなる。かかるマンニッヒアミンは当業界
において公知であり、米国特許第4,231,759号
に開示されている。好ましくは、マンニッヒアミンはア
ルキル置換マンニッヒアミンである。
【0068】ポリアルケニルスクシンイミド洗浄剤は、
二塩基酸無水物とポリオキシアルキレンジアミン、ヒド
ロカルビルポリアミンまたは両者の混合物との反応生成
物からなる。典型的には該スクシンイミドがポリアルケ
ニル基で置換されているが、ポリアルケニル基はポリオ
キシアルキレンジアミンまたはヒドロカルビルポリアミ
ン上に見られ得る。ポリアルケニルスクシンイミドもま
た当業界において公知であり、代表的な例は、米国特許
第3,443,918号、EP−A−208,560、
DE−OLS3,126,404、米国特許第4,23
4,435号、米国特許第4,810,261号、米国
特許第4,852,993号、米国特許第4,968,
321号、米国特許第4,985,047号、米国特許
第5,061,291号および米国特許第5,147,
414号を含めて、種々の特許文献に開示されている。
【0069】特に有効なスクシンイミド洗浄剤は、例え
ばEP−A−587250に記載されているような、少
なくとも1種のアミンをモノエチレン系不飽和のC
4〜10ジカルボン酸物質のポリアルケニル誘導体であっ
てポリアルケニル鎖当たりのジカルボン酸部分の比率が
1.2:1より大でなくかつポリアルケニル鎖の数平均
分子量(Mn)が1600〜5000の範囲にある該ポ
リアルケニル誘導体と反応させることにより得られるも
のである。
【0070】該スクシンイミド洗浄剤の製造において用
いられるアミンは、好ましくはC1〜30、より好ましく
はC1〜18、特にC8〜12の1〜8個の窒素原子を含有す
るアミンである。かかるアミンは、分枝状または非分枝
状の飽和脂肪族の、1〜8個の窒素原子を含有する第1
級または第2級アミン、好ましくはエチルアミン、ブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、ジエチルアミンおよ
び3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミンのようなモ
ノまたはジアミンであり得るが、窒素原子の対(ペア)
が2〜4個の炭素原子のアルキレン基により結合されて
いるアルキレンポリアミンのような高級ポリアミンを含
む。
【0071】ポリ(オキシアルキレン)アミンは、例え
ば米国特許第4,985,047号および第4,33
2,595号、EP−A−440,248、EP−A−
310,875、EP−A−208,978およびWO
−A−85 01956に記載されている。ポリ(オキ
シアルキレン)カルバメート洗浄剤は、カルバメート結
合即ち−O−C(O)−N<を通じて結合されたアミン
部分およびポリ(オキシアルキレン)部分を含む。
【0072】これらのポリ(オキシアルキレン)カルバ
メートは当業界において公知であり、代表的な例は例え
ば米国特許第4,191,537号、米国特許第4,1
60,648号、米国特許第4,236,020号、米
国特許第4,270,930号、米国特許第4,28
8,612号および米国特許第4,881,945号に
開示されている。本燃料組成物において用いるための特
に好ましいポリ(オキシアルキレン)カルバメートは、
OGA−480(オロナイト社から市販されているポリ
(オキシアルキレン)カルバメート)を含む。
【0073】使用されるポリ(アルケニル)−N−置換
カルバメート洗浄剤は、次式のものである。
【0074】
【化6】
【0075】ここで、Rはポリ(アルケニル)鎖であ
り、そしてR1 はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカル
ビル基であり、AはN−置換アミノ基である。ポリ(ア
ルケニル)−N−置換カルバメートは当業界において公
知であり、米国特許第4,936,868号に開示され
ている。
【0076】1種またはそれ以上の洗浄剤が、ガソリン
沸騰範囲にて沸騰する燃料に直接的に添加され、上記し
たようなフラン誘導体とブレンドされるかもしくは燃料
に添加される前にフラン誘導体および1種またはそれ以
上のキャリヤーとブレンドされる。
【0077】最終燃料組成物中の1種またはそれ以上の
洗浄剤の濃度は、一般に、各洗浄剤について約1000
ppmwまでである。1種またはそれ以上の洗浄剤が使
用される場合、各洗浄剤についての好ましい濃度は、燃
料組成物の総重量を基準として約10〜約400ppm
wより好ましくは燃料組成物の総重量を基準として約2
5〜約250ppmwである。
【0078】添加剤成分は、ガソリン沸騰範囲にて沸騰
する燃料に別々に添加され得、または1種もしくはそれ
以上の希釈剤とブレンドされて添加剤濃厚物を形成させ
てそして燃料に一緒に添加され得る。適当なガソリン相
溶性の希釈剤は、炭化水素、並びに炭化水素とメタノー
ル、エタノール、プロパノール、2−ブトキシエタノー
ル、メチルtert−ブチルエーテルのようなアルコー
ルまたはエーテル、またはロイヤル・ダッチ/シェルグ
ループのメンバー会社から入手できる“ドバノール(D
obanol)91”(商標)のような高級アルコール
との混合物である。
【0079】好ましくは、希釈剤は、トルエン、キシレ
ン、それらの混合物、もしくはトルエンまたはキシレン
とアルコールとの混合物のような芳香族炭化水素溶媒で
ある。追加的に好ましい希釈剤は、ロイヤル・ダッチ/
シェルグループの加盟会社から市販されている“シェル
ソール(Shellsol)AB”、“シェルソール
(Shellsol)R”(商標)および低芳香族ホワ
イトスピリット(LAWS)を含む。
【0080】本発明の好ましいフラン誘導体、特に好ま
しいフルフリルアルコール樹脂を好ましい範囲内の濃度
で燃料に使用すると、燃焼室のデポジット重量がかなり
低減するということが分かった。観察から、これは燃焼
室におけるデポジットのフレーキングの促進により達成
されると考えられる。
【0081】
【実施例】本発明は以下に示す非限定的例から更に理解
されよう。これらの例における試験物質は次の通りであ
った。
【0082】試験物質1N−フルフリル−2−フル
アミド ジクロロメタン中のフルフリルアミン(7.44g,7
6ミリモル,アルドリッチ社製)およびトリエチルアミ
ン(35.6g,352ミリモル)の混合物に2−フロ
イルクロライド(23g,176ミリモル)を0〜5℃
の温度にて滴下して添加することにより、N−フルフリ
ル−2−フルアミドを製造した。得られた生成物を水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。引き
続いて、このようにして得られた生成物をフラッシュク
ロマトグラフィー(シリカ、溶離剤としてヘキサン/エ
チルアセテート)により精製し、14g(97%の収
率)の該生成物が回収された。
【0083】試験物質22−アミノ−1−(2−フ
ラニルメチル)−4,5−ジフリル−3−ピロールカル
ボニトリル 2−アミノ−1−(2−フラニルメチル)−4,5−ジ
フリル−3−ピロールカルボニトリルを、次のように製
造した。300g(1.56モル)のフロイン(アルド
リッチ社製)を、還流温度にて撹拌下でトルエン中1.
5gのp−トルエンスルホン酸の存在下で151.6g
(1.56モル)のフルフリルアミンと反応させた。こ
の反応により生じた水を、ディーン・スタークトラップ
を経て除去した。水の形成が止んだ(31mlが除去さ
れた。)時、103.1g(1.56モル)のマロノニ
トリルを100mlのトルエン中の分散液として添加
し、還流を継続した。再び水の形成が止んだ(ディーン
・スタークトラップを経て26mlが除去された。)
時、この反応混合物を冷却し、トルエンを蒸発により除
去した。このようにして、498gの黒色の固体生成物
が得られた。引き続いて、この生成物100gをフラッ
シュクロマトグラフィー(シリカ、溶離剤としてヘキサ
ン/エチルアセテート)により精製し、24gの該生成
物が回収された。
【0084】試験物質3N−フェニルフルアミド 温度を−10℃に維持しながらジクロロメタン中のアニ
リン(23.3g,250ミリモル)およびトリエチル
アミン(25.3g,250ミリモル)の混合物に3
2.6g(250ミリモル)の2−フロイルクロライド
をゆっくり添加することにより、N−フェニルフルアミ
ドを製造した。得られた生成物を希塩酸および水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。このよう
にして得られた生成物を次いでヘキサンで粉砕し、濾過
した。39.3g(84%の収率)の生成物が回収され
た。
【0085】試験物質41−フルフリルピロール
(アルドリッチ社製) 試験物質5フリル(アルドリッチ社製) 試験物質6フルフリルベンゾエート(アルドリッチ
社製) 試験物質7フルフリルアルコール樹脂、M n 175 100gの“QuaCorr 1300”フルフリルア
ルコール樹脂(商標)(キュー・オウ・ケミカルズ社
製)(Mn 425)を減圧下で42℃(2.24・10
-3atm)(224Pa)〜92℃(6.58・10-5
atm)(6.58Pa)の温度にて蒸留することによ
り、10.6gの本発明のフルフリルアルコール樹脂
(Mn 175)を得た。
【0086】試験物質8フルフリルアルコール樹
脂、M n 156 1,014gの“クァコール(QuaCorr)130
0”樹脂(キュー・オウ・ケミカルズ社製)を減圧下で
42℃(7.24・10-4atm)(72.4Pa)〜
120℃(1.97・10-3atm)(197Pa)の
温度にて蒸留することにより、123gの本発明のフル
フリルアルコール樹脂(Mn 156)を得た。
【0087】試験物質9フルフリルアルコール樹
脂、M n 228 500g(5.1モル)のフルフリルアルコール(アル
ドリッチ社製)を500gの水および1.15g(1
1.5ミリモル)の濃硫酸と混合しそしてこの混合物を
50℃の温度にて2時間加熱することにより、150g
の本発明のフルフリルアルコール樹脂(Mn 228)を
製造した。このようにして得られた混合物を2相に分離
し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和した。生成
したフルフリルアルコール樹脂を含有する有機相をエー
テル中に抽出し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下で蒸発させた。
【0088】試験物質10フルフリルアルコール樹
脂、M n 272 400g(4.1モル)のフルフリルアルコールを40
0gの水および0.092g(0.92ミリモル)の濃
硫酸と混合しそしてこの混合物を70℃〜90℃の温度
にて6時間加熱したこと以外は試験物質9について記載
したのと同様にして、117gの本発明のフルフリルア
ルコール樹脂(Mn 272)を製造した。
【0089】試験物質11フルフリルアルコール樹
脂、M n 388 加熱を50℃の温度にて24時間行いかつ濃硫酸の量を
10倍(0.92g,9.2ミリモル)としたこと以外
は試験物質10について記載したのと同様にして、25
5gの本発明のフルフリルアルコール樹脂(Mn 38
8)を製造した。
【0090】試験物質12エステル化フルフリルア
ルコール樹脂 150g(0.42モル)の試験物質10を176g
(0.42モル)のC15〜C19内部オレフィン−コハク
酸無水物(シェル・ケミカルズ社製)とトルエン中還流
下で6時間反応させ、その後トルエンを蒸発させること
により、321gの本発明のエステル化フルフリルアル
コール樹脂を製造した。
【0091】試験物質13“QuaCorr 130
0”フルフリルアルコール樹脂(英国シェフィールドの
キュー・オウ・ケミカルズ社製)(Mn 425)比較試験物質A2−フルアルデヒドジエチルアセター
ル(アルドリッチ社製) 比較試験物質B2−フルアルデヒドジメチルヒドラゾ
ン(アルドリッチ社製) 比較試験物質Cフルフリルアルコール(アルドリッチ
社製) 以下の例の各々において、試験物質のサンプルを無鉛ガ
ソリン中に溶解し、生じた燃料(ガソリン組成物)を、
以下に記載されているように試験した。
【0092】例1〜5 本発明によるフラン誘導体からなるガソリン添加剤の、
オクタン価要求値に対する有利な効果が、次の処理操作
により実証された。
【0093】86mm/86mmの口径/行程および
9.5:1の圧縮比を有しかつ平頂ピストンおよび2個
の弁を有する平頂シリンダーヘッドを備えた単シリンダ
ーHydraエンジン(英国サセックス州ショアハムの
リカード・カンパニー社製)を用いた。燃料噴射器を用
い、入口弁の背部上に目標を定め、そして該弁が閉じら
れている間噴射の準備できる状態にした。
【0094】0.5重量%のフルオランテンを含有する
無鉛ガソリンでもって200時間中ワイドオープン絞り
(WOT)(wide open throttle)
および高負荷で1000rpmにて、デポジットを蓄積
させた。シリンダー圧信号をモニターして自己点火中の
シリンダー圧の高速変化を検出し、そしてノッキング制
限点火進角(KLSA)(Knock Limited
Spark Advance)を1000rpmおよ
びWOTの条件下で測定した。参照燃料での検量試験に
より、該エンジンが燃料のリサーチ法オクタン価(RO
N)に感応すること並びにKLSAが1オクタン価当た
りおおよそ1クランク角度(cad)変化することが示
された。清潔な燃焼室条件から始めて、該ハイドラ(H
ydra)エンジンのKLSAは、燃焼室のデポジット
が蓄積するにつれて最初の200時間の運転にわたって
8cad〜10cad低減し(−8〜−10のDKLS
A)、そしてその後平衡に達した。各添加剤をある期間
の継続運転にわたって試験し、その後エンジンをベース
燃料に基づいて状態調節し直した。
【0095】添加剤の種々の性質、適用された条件、お
よび実験の結果を第1表に示す。これらの結果から、本
発明による試験物質1〜13を使用すると(例1〜1
5)、本発明の範囲外にある比較試験物質A、Bおよび
C(比較例A、BおよびC)と比較して、該エンジンの
オクタン価要求値を驚くべき程著しく低減させるという
ことが明らかであろう。
【0096】
【表1】
【0097】試験物質7〜13についての“分子量”値
は、ポリスチレン検量標準を用いるゲル透過クロマトグ
ラフィー(GPC)により測定した数平均分子量(M
n)値である。
【0098】例16および17 2つの更なる実験において、研究用に改変されたVWエ
ンジン(1.8l)を、1500rpmの速度にて運転
した。デポジットは、2250rpmおよび30Nmの
負荷にて蓄積された。試験中頻繁な間隔にて1500r
pmおよび80Nmの負荷におけるノッキング制限点火
進角(KLSA)を測定することにより、該エンジンの
ノッキングを評価した。該エンジンを停止し、燃焼室か
ら2つのプラグを取り出すことにより、燃焼室デポジッ
ト(CCD)重量をモニターした。
【0099】例16においては、無鉛ガソリンを用いて
該エンジンを120時間運転した。次いで該エンジン
を、同じガソリンであるがメチルプロパノール中に溶解
した0.75g/lの“QuaCorr 1300”フ
ルフリルアルコール樹脂(キュー・オウ・ケミカルズ社
製)(ガソリンの0.5容量%)を更に含有するガソリ
ンに切り替えた。45時間後85オクタン価の参照燃料
をノッキング評価のために用いた時、2.5クランク角
度のKLSAの増大が観察された。同じ期間にわたっ
て、CCD重量は41.5mgから26.6mgに低減
した。換言すれば、本発明添加剤パッケージの使用によ
りCCD重量が36%低減した。
【0100】例17においては、0.5容量%のメチル
プロパノールを含有する無鉛ガソリンを用いて該エンジ
ンを43時間運転した。次いで該エンジンを、同じガソ
リンであるが0.35g/lの“QuaCorr 13
00”フルフリルアルコール樹脂を更に含有するガソリ
ンに切り替えた。3クランク角度のKLSAのほとんど
瞬時的増大が観察され、一方43時間後1.5クランク
角度の増大が観察された。同じ期間にわたって、CCD
重量は29mgから24.5mgに低減した。換言すれ
ば、本添加剤の使用によりCCD重量が16%低減し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゴータム・タバナツパ・カルガツジ イギリス国、チエシヤー、チエスター・シ ー・エイチ・1・3・エス・エイチ、イン ス、プール・レイン(番地なし) (72)発明者 ジヤン・リン イギリス国、チエシヤー、チエスター・シ ー・エイチ・1・3・エス・エイチ、イン ス、プール・レイン(番地なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大量のガソリン沸騰範囲にて沸騰する燃
    料と、少量の、1個またはそれ以上の複素環式基および
    /または1個またはそれ以上のアリール基からなる1個
    またはそれ以上の置換基を持つフリル基を含有するフラ
    ン誘導体からなる添加剤とを含む燃料組成物。
  2. 【請求項2】 複素環式基および/またはアリール基
    が、酸素および/または窒素を含有する不飽和の5員環
    系、またはベンゼン環系からなる、請求項1に記載の燃
    料組成物。
  3. 【請求項3】 フリル基が、1個またはそれ以上の複素
    環式基および/または1個またはそれ以上のアリール基
    からなる単一置換基を持つ、請求項1に記載の燃料組成
    物。
  4. 【請求項4】 フラン誘導体の分子量が、100〜50
    00の範囲にある、請求項1、2または3に記載の燃料
    組成物。
  5. 【請求項5】 フラン誘導体が、145〜5000の範
    囲の数平均分子量を有するフルフリルアルコール樹脂で
    ある、請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料組成
    物。
  6. 【請求項6】 フラン誘導体が、145〜500の範囲
    の分子量を有する、請求項1から5のいずれか一項に記
    載の燃料組成物。
  7. 【請求項7】 フラン誘導体が、N−フルフリル−2−
    フルアミド、2−アミノ−1−(2−フラニルメチル)
    −4,5−ジフリル−3−ピロールカルボニトリル、N
    −フェニルフルアミド、1−フルフリルピロール、フリ
    ル、フルフリルベンゾエート、145〜500の範囲の
    数平均分子量を有するフルフリル樹脂類および該範囲の
    数平均分子量を有するフルフリル樹脂のアルキルコハク
    酸エステル類から成る群から選択される、請求項1から
    4のいずれか一項に記載の燃料組成物。
  8. 【請求項8】 フラン誘導体が、オクタン価要求値を低
    減させる量にて存在する、請求項1から7のいずれか一
    項に記載の燃料組成物。
  9. 【請求項9】 内燃機関用燃料への添加のために適した
    添加剤濃厚物であって、燃料相溶性希釈剤および、請求
    項1から8のいずれか一項に記載のフラン誘導体からな
    る添加剤を含む上記添加剤濃厚物。
  10. 【請求項10】 内燃機関を運転する方法であって、請
    求項1から8のいずれか一項に記載の燃料組成物を該機
    関の燃焼室中に導入することからなる上記方法。
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