JPH09328457A - 2−インダノール誘導体の製造方法 - Google Patents

2−インダノール誘導体の製造方法

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JPH09328457A
JPH09328457A JP8146312A JP14631296A JPH09328457A JP H09328457 A JPH09328457 A JP H09328457A JP 8146312 A JP8146312 A JP 8146312A JP 14631296 A JP14631296 A JP 14631296A JP H09328457 A JPH09328457 A JP H09328457A
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洋 上代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的量産プロセスへの適用が容易な2−イ
ンダノール誘導体、特にシス−1−アミノ−2−インダ
ノール又はその誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中、Xは酸素原子又はイミノ基を示し、Rは
水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Yは水素
原子、アシル基又はベンジル基を示す)で表されるイン
ダン誘導体を、不均一系水素添加触媒の存在下に、水素
又は水素供与体と反応させ、下記一般式(2) 【化2】 (但し、式中、Yは水素原子、アシル基又はベンジル基
を示す)で表されるシス−1−アミノ−2−インダノー
ル又はその誘導体を製造する、2−インダノール誘導体
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬等の合成中間
体として有用な2−インダノール誘導体、特にシス−1
−アミノ−2−インダノール又はその誘導体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シス−1−アミノ−2−インダノ
ールの製造には、次の方法が知られている。すなわち、
インデンにイソシアン酸ヨウ素(INCO)を付加させ
た後、メタノールで処理し、生じたβ−ヨードカーバメ
ートを加熱処理してオキサゾリドンを作り、これを加水
分解する方法(J. Org. Chem., 1967, 32, 540)、イン
デンから2段階でトランス−1−アミノ−2−インダノ
ールを作り、これに塩化ベンゾイルを作用させ、ついで
塩化チオニルで処理して、オキサゾリンとし、これを加
水分解する方法(J. Am. Chem. Soc., 1951, 73, 1639
及び J. Med. Chem., 1992, 35, 1685)、1−メトキシ
カルボニル−2−インダノンから3段階でβ−ヒドロキ
シルカーバメートを作り、これをオキサゾリドンに導い
た後、加水分解する方法(Tetrahedron, 1991, 47, 494
1 )、インデンをインデンオキシド、インダン−1, 2
−ジオールあるいは2−ブロモ−1−インダノールに誘
導し、これを硫酸存在下、アセトニトリルと反応させて
オキサゾリンを作り、更に加水分解する方法(Tetrahed
ron Lett., 1995, 36, 3993 )、2−ヒドロキシ−1−
インダノン−o−ベンジルオキシムをテトラヒドロフラ
ン中でボランで還元する方法(Tetrahedron Lett., 199
1, 32, 711)である。
【0003】しかしながら、これらいずれの方法も、ア
ミノ基と水酸基をシス配置にするため、反応工程が多く
なり、また、高価な反応剤を使ったりしており、工業的
量産プロセスへの適用には問題が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的量産プロセスへの適用が容易な2−インダノール誘導
体、特にシス−1−アミノ−2−インダノール又はその
誘導体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)
【0006】
【化3】
【0007】(但し、式中、Xは酸素原子又はイミノ基
を示し、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基であ
り、Yは水素原子、アシル基又はベンジル基を示す)で
表されるインダン誘導体を、不均一系水素添加触媒の存
在下に、水素又は水素供与体と反応させ、下記一般式
(2)
【0008】
【化4】
【0009】(但し、式中、Yは水素原子、アシル基又
はベンジル基を示す)で表されるシス−1−アミノ−2
−インダノール又はその誘導体を製造する、2−インダ
ノール誘導体の製造方法である。
【0010】また、本発明は、一般式(1)において、
Xが酸素原子であってRが水素原子であるインダン誘導
体を、不均一系水素添加触媒の存在下に、水素又は水素
供与体と反応させる一般式(2)のシス−1−アミノ−
2−インダノール又はその誘導体の製造方法である。
【0011】更に、本発明は、一般式(1)のインダン
誘導体を、不均一系水素添加触媒としてニッケル系、パ
ラジウム系又は白金系の触媒を用いて、水素又は水素供
与体と反応させる一般式(2)のシス−1−アミノ−2
−インダノール又はその誘導体の製造方法である。
【0012】なお、上記一般式(2)において、下記置
換基
【化5】 の表記は、結合が共に紙面の表側方向に、あるいは、共
に紙面の裏側方向に向いている構造を示す。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる一般式(1)で表されるインダン誘導体には、=
N−X−Rの部位に関して2種の幾何異性体、すなわち
E体及びZ体が存在するが、いずれを用いても差し支え
ない。また、2位の炭素原子が不斉中心となるため、光
学活性体が存在するが、これも好適に使用できる。
【0014】上記一般式(1)で表されるインダン誘導
体は、以下の方法で容易に製造することができる。すな
わち、下記一般式(3)
【0015】
【化6】
【0016】(但し、式中、Yは前記に同じであり、−
OY基をオキシ基と称する)で表される2−オキシ−1
−インダノンと、下記一般式(4) H2 N−X−R (4) (但し、式中、X及びRは前記に同じ)で表されるヒド
ロキシルアミン類又はヒドラジン類若しくはこれらの塩
酸塩及び硫酸塩等の鉱酸塩とを、ピリジンや水酸化ナト
リウム等の塩基の存在下に反応させ、脱水縮合すること
により容易に得ることができる(J. March, "Advanced
Organic Chemistry", 4th Ed., pp.904-907, John Wily
& Sons, New York, 1992 参照)。
【0017】ここで、一般式(3)で表される2−オキ
シ−1−インダノンとその誘導体は、公知の方法を含む
各種の方法で容易に製造することができる。例えば、
1−インダノンに臭素を反応させて2−ブロモ−1−イ
ンダノンを作り、次いで酢酸塩、ギ酸塩、又は安息香酸
塩のような有機カルボン酸塩や、ベンジルアルコールの
アルコキシドを作用させ、更に所望ならば加水分解又は
ベンジル基を外す方法、1−インダノン又は2−イン
ダノンを酵素で酸化する方法、インダン−1, 2−ジ
オールを微生物で酸化する方法、インデンオキシドを
酸性条件下でジメチルスルホキシドで酸化する方法、
1−インダノンの2位への直接ヒドロキシル化による方
法、3−フェニル−2−ヒドロキシルプロピオン酸若
しくはその誘導体を環化する方法が挙げられる。これら
のうち、酵素酸化や微生物酸化等の方法では、2−オキ
シ−1−インダノンの光学活性体を得ることが可能であ
り、この光学活性体も本発明に好適に使用できる。
【0018】また、一般式(4)で表されるヒドロキシ
ルアミン類又はヒドラジン類において、ヒドロキシルア
ミン類としては、ヒドロキシルアミン、o−ベンジルヒ
ドロキシルアミン、o−メチルヒドロキシルアミン等が
例示され、通常、塩酸塩又は硫酸塩として用いられる。
更に、ヒドロキシルアミン−o−スルホン酸のような、
前述の脱水縮合反応においてヒドロキシルアミンと同じ
役割を果たす誘導体も同様に用いることができる。これ
らのうち、ヒドロキシルアミンが、工業的量産品として
安価に入手できるので好ましい。また、ヒドラジン類と
しては、ヒドラジン、メチルヒドラジン、フェニルヒド
ラジン、ベンジルヒドラジン等が例示される。
【0019】本発明では、一般式(1)で表されるイン
ダン誘導体を、不均一系水素添加触媒の存在下に、水素
又は水素供与体と反応させる。ここで、水素供与体と
は、テトラリンやデカリンあるいはギ酸のように、反応
条件下で水素を発生する化合物をいう。この水素供与体
を単独で用いる場合、その使用量は、一般式(1)で表
されるインダン誘導体に対して過剰となる量であるのが
好ましい。また、本発明で用いる水素の圧力は、触媒の
使用量や反応温度によっても異なるが、通常、常圧〜1
00atmであり、常圧〜30atmで反応が進行する
場合が多い。
【0020】本発明で用いる不均一系水素添加触媒とし
ては、通常の触媒的水素添加で用いられているもの、す
なわち、後述するニッケル系、パラジウム系、白金系等
の触媒や、ラネーコバルト、還元コバルト、漆原コバル
トのようなコバルト系、銅クロメート系、酸化ルテニウ
ムやルテニウム炭素のようなルテニウム系、ロジウムア
ルミナやロジウム炭素のようなロジウム系等の触媒も利
用できる。
【0021】そして、この不均一系水素添加触媒は、本
発明の反応において次の通り作用する。すなわち、先
ず、表面に水素原子が吸着した不均一系水素添加触媒
が、一般式(1)で表されるインダン誘導体のC=N二
重結合を攻撃し、2個の水素原子をシス付加させる。そ
して、この際に、隣接するオキシ基(−OY)が嵩高く
て障害となるため、不均一系水素添加触媒は、オキシ基
とは反対側からC=N二重結合を攻撃することになる。
この結果、アミノ基(−NH2 )とオキシ基(−OY)
とが互いにシスに位置することになり、一般式(2)で
表される化合物が選択的に得られる。このような作用が
特に顕著な不均一系水素添加触媒として、ニッケル系、
パラジウム系、又は白金系の触媒、好ましくはパラジウ
ム系触媒を挙げることができる。
【0022】ここで、ニッケル系触媒としては、ラネー
ニッケル、スポンジニッケル、漆原ニッケル、還元ニッ
ケル、ニッケルーケイソウ土等を挙げることができ、そ
の使用量は、通常、一般式(1)で表されるインダン誘
導体の重量に対して、0.01〜10倍量、好ましくは
0.1〜5倍量である。このニッケル系触媒の使用量が
0.01倍量より少ないと、反応が遅くて副反応が優先
するようになり、また、10倍量より多く用いても、反
応成績は大幅には改善されず、経済的でない。このニッ
ケル系触媒は、通常、エタノールやメタノール等のプロ
トン性溶媒に懸濁して用いられ、そしてその際に、好ま
しくは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性化
合物を、一般式(1)で表されるインダン誘導体に対し
て、等モル〜10倍モル量の範囲で添加するのがよい。
【0023】また、パラジウム系触媒としては、金属パ
ラジウムの微粒子(いわゆるパラジウムブラック)や、
金属パラジウムの微粒子を活性炭、アルミナ、あるいは
硫酸バリウム等の担持体に担持させたもの(例えば、パ
ラジウム炭素、パラジウムアルミナ、Pd/BaS
4 )や、酸化パラジウム等を例示することができる。
このパラジウム系触媒の使用量は、パラジウムの含有量
により異なるが、5%Pd−Cの場合、通常、一般式
(1)で表されるインダン誘導体の重量に対して、0.
01〜5倍量、好ましくは0.05〜2倍量である。こ
れらのパラジウム系触媒は、広範な有機溶剤を反応溶媒
として用いることができるが、特に、メタノール、エタ
ノール、酢酸、酢酸エチル等の中性又は酸性溶媒を好適
に用いることができる。そしてこの際に、塩化水素や硫
酸のような酸性化合物を、一般式(1)で表されるイン
ダン誘導体に対して、等モル〜10倍モル量程度添加す
ることも好ましい。
【0024】更に、白金系触媒としては、酸化白金や、
白金微粒子(いわゆるプラチナブラック)や、この白金
微粒子を活性炭等の担持体に担持させたもの(いわゆる
プラチナ炭素)等が例示され、その使用量や用いる反応
溶媒は、パラジウム系触媒の場合と同様である。
【0025】本発明において、反応温度は−10〜20
0℃、好ましくは0〜150℃、より好ましくは−10
〜100℃の範囲である。
【0026】このようにして、一般式(2)で表される
シス−1−アミノ−2−インダノール又はその誘導体を
製造することができるが、この一般式(2)において、
Yがアシル基又はベンジル基である誘導体の場合には、
加水分解によりアシル基を外す、あるいは、ベンジル基
を水素化分解により外すことにより、容易に目的とする
シス−1−アミノ−2−インダノールに導くことができ
る。これは、相当する塩酸塩として単離することも可能
である。なお、上述の水素化分解は、一般式(1)で表
されるインデン誘導体を用いて本発明の方法を実施する
際に同時に行うことも可能であり、一工程でシス−1−
アミノ−2−インダノールに導くことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、参考例及び実施例に基づい
て、本発明の実施の形態を示す。
【0028】参考例1:2−ヒドロキシ−1−インダノ
ンオキシムの合成 2−ヒドロキシ−1−インダノン(2.56g、17.
3mmol)を、ピリジン(30ml)に溶解して0℃
に冷却し、塩化ヒドロキシルアンモニウム(1.92
g、28.5mmol)を加えた。更に0℃で3時間攪
拌した後、ピリジンを減圧下に留去し、残渣を塩化メチ
レンに溶解させ、10%クエン水溶液と飽和食塩水の
1:1混合溶液、及び飽和食塩水でそれぞれ洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポ
レーターで濃縮して固形物を得た。
【0029】得られた固形物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し、2−ヒドロキシ−1−インダノ
ンオキシムの2種の幾何異性体A(1.08g、収率3
8%)及びB(707mg、収率25%)をそれぞれ白
色結晶として得た。
【0030】得られた2−ヒドロキシ−1−インダノン
オキシムの幾何異性体Aについて、 1H−NMR、MS
及びIRの分析を行った。結果は以下の通りであった。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ):δ3.0
2(dd, J=7.9, 17.4Hz,1H) 、3.46(dd, J=7.1, 17.
4Hz, 1H) 、3.61(s, br, 1H) 、5.44(dd, J=3.
5, 7.9Hz, 1H)、7.33(m, 3H) 、7.61(d,J=7.5H
z, 1H)、8.63(s, br, 1H) MS(ESI,neg.)m/z=162.1(found)
、162.1(calcdfor M- -1) IR(KBr):3511、3248、3104、29
09、1489、1461、1318、1090、10
32、934、754、718cm-1
【0031】同様に、得られた2−ヒドロキシ−1−イ
ンダノンオキシムの幾何異性体Bについて、 1H−NM
R、MS及びIRの分析を行った。結果は以下の通りで
あった。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ):δ3.0
2(dd, J=7.1, 16.8Hz,1H) 、3.43(dd, J=7.1, 16.
8Hz, 1H) 、5.01(dd, J=3.8, 7.5Hz, 1H)、7.3
5(m, 3H) 、8.32(d, J=7.3Hz, 1H) MS(ESI,neg.)m/z=162.1(found)
、162.1(calcdfor M- -1) IR(KBr):3209、3070、2932、16
57、1483、1462、1416、1310、10
46、1013、974、743cm-1
【0032】実施例1 参考例1で得られた2−ヒドロキシ−1−インダノンオ
キシムの幾何異性体B(930mg、5.70mmo
l)、パラジウムブラック(210mg)を200ml
のナス型フラスコに仕込み、容器を水素ガスで3回置換
した。メタノール(80ml)と1.78規定の塩化水
素のメタノール溶液(9.28ml)とを加え、常圧の
水素雰囲気下、攪拌下に室温で26時間反応させた。
【0033】反応終了後、不溶物を濾別して熱メタノー
ル(300ml)で洗浄した。濾液と洗液とを合わせて
減圧濃縮し、得られた固体を酢酸エチル(200ml)
に溶かし、炭酸カリウム及び食塩を飽和させた水溶液
(50ml)で2回、次いで飽和食塩水(50ml)で
1回洗浄した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮して白色固体の1−アミノ−2−インダノ
ール(531mg、収率62%)を得た。
【0034】高速液体クロマトグラフィー〔ODS、ア
セトニトリル/0.1%TFA水溶液(1/9)〕によ
り、シス及びトランス体の混合物であり、その比率は9
5.5:4.5であることが判明した〔溶出速度:1m
l/分、保持時間:6.67分(トランス体)、7.4
5分(シス体)〕。
【0035】シス及びトランス体は、それぞれ高速液体
クロマトグラフィー(条件は上に同じ)で分取し、単離
した。シス及びトランス体の決定は、トリホスゲンと反
応させてオキサゾリドンを生成する化合物をシス−1−
アミノ−2−インダノールとする定法に従って決定し
た。
【0036】得られたシス−1−アミノ−2−インダノ
ールについて、 1H−NMR、13C−NMR、MS及び
IRの分析を行った。結果は以下の通りであった。1 H−NMR(200MHz,CD3 OD):δ2.8
7(dd, J=3.2, 16.1Hz,1H) 、3.05(dd, J=5.3, 16.
1Hz, 1H) 、4.13(d, J=5.1Hz,1H) 、4.39(m, 1
H) 、7.17(m, 3H) 、7.38(m, 1H)13 C−NMR(50.3MHz,CD3 OD):δ4
0.0、60.4、75.2、125.3、126.
0、127.8、128.6、141.8、145.1 MS(ESI,pos.)m/z=149.8(found)
、149.1(calcdfor MH+ ) IR(KBr):3345、3274、3080、29
57、2920、1723、1708、1678、14
76、1454、1377、1337、1264、10
49、997、908cm-1
【0037】また、得られたトランス−1−アミノ−2
−インダノールについて、 1H−NMR、13C−NMR
及びMSの分析を行った。結果は以下の通りであった。1 H−NMR(200MHz,CD3 OD):δ2.7
6〜2.88(m, 1H),3.23〜3.34(m, 1H) 、
4.25〜4.33(m, 2H) 、7.23〜7.30(m,
3H) 、7.37〜7.42(m, 1H)13 C−NMR(50.3MHz,CD3 OD):δ3
9.9、64.0、80.0、125.0、126.
2、128.3、129.8、140.9、141.4 MS(ESI,pos.)m/z=149.8(found)
、150.1(calcdfor MH+ )
【0038】更に、1−アミノ−2−インダノールのシ
ス及びトランス体の決定は、次のようにして行った。す
なわち、前述の高速液体クロマトグラフィーで保持時間
7.45分の1−アミノ−2−インダノール5mg
(0.358mmol)を酢酸エチル(40ml)に溶
解し、トリエチルアミン53.67μl(0.377m
mol)、トリホスゲン37.3mg(0.123mm
ol)を加え、室温で6時間撹拌した。析出した結晶を
濾過し、濾液を炭酸ナトリウム及び食塩を飽和させた水
溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧濃縮した。
【0039】このようにして得られた固形物を塩化メチ
レンに溶解し、ヘキサンを加え、析出した結晶を濾過
し、ヘキサンで洗浄し、白色の2−オキサゾリドンの結
晶48.2mg(収率77%)を得た。得られた2−オ
キサゾリドンについて、 1H−NMR、13C−NMR、
MS及びIRの分析を行った。結果は以下の通りであっ
た。
【0040】1H−NMR(200MHz,CDC
3 ):δ3.37(m, 2H) 、5.16(dd, J=0.66,
8.0Hz, 1H) 、5.41(m, 1H) 、6.09(s, br, 1
H)、7.30(m, 4H)13 C−NMR(50.3MHz,CD3 OD):δ3
8.9、61.1、80.6、124.6、125.
7、127.9、129.5、139.8、140.
2、159.2 MS(ESI,pos.)m/z=229.9(found)
、230.1(calcdfor M+Na+ +MeOH) IR(KBr):3260、1754、1709、14
85、1458、1395、1331、1233、12
04、1183、1107、963、752cm-1
【0041】実施例2及び3 触媒として、パラジウムブラックに代えて5%パラジウ
ム炭素223mg(実施例2)、及び5%パラジウムア
ルミナ233mg(実施例3)をそれぞれ使用した以外
は、上記実施例1と同様にして1−アミノ−2−インダ
ノールを合成した。
【0042】結果は、5%パラジウム炭素223mgを
用いた実施例2の場合、収率95%でシス対トランス比
(シス/トランス)84/16であった。また、5%パ
ラジウムアルミナ233mgを用いた実施例3の場合、
収率96%でシス対トランス比(シス/トランス)92
/8であった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、医薬等の合成中間体と
して有用なシス−1−アミノ−2−インダノ−ルを工業
的量産プロセスで容易に製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 檜山 為次郎 神奈川県相模原市上鶴間4丁目29番3− 101

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中、Xは酸素原子又はイミノ基を示し、Rは
    水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Yは水素
    原子、アシル基又はベンジル基を示す)で表されるイン
    ダン誘導体を、不均一系水素添加触媒の存在下に、水素
    又は水素供与体と反応させ、下記一般式(2) 【化2】 (但し、式中、Yは水素原子、アシル基又はベンジル基
    を示す)で表されるシス−1−アミノ−2−インダノー
    ル又はその誘導体を製造することを特徴とする2−イン
    ダノール誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Xが酸素原子で
    あり、Rが水素原子である請求項1に記載の2−インダ
    ノール誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 不均一系水素添加触媒として、ニッケル
    系、パラジウム系又は白金系の触媒を用いる請求項1に
    記載の2−インダノール誘導体の製造方法。
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