JPH09327737A - ネックイン缶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ネックイン缶の製造方法及び製造装置

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JPH09327737A
JPH09327737A JP14772096A JP14772096A JPH09327737A JP H09327737 A JPH09327737 A JP H09327737A JP 14772096 A JP14772096 A JP 14772096A JP 14772096 A JP14772096 A JP 14772096A JP H09327737 A JPH09327737 A JP H09327737A
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JP
Japan
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guide block
spindle
open end
necking die
neck
Prior art date
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JP14772096A
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Takahiko Kitamura
貴彦 北村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶の座屈を防止するとともに、開口端部内面
の摺動痕の発生防止にも効果的で、高速化や薄肉化にも
十分対応できるようにする。 【解決手段】 ガイドブロック11をスピンドルの先端
部に軸方向に移動自在に設けるとともに、これらの間
に、ガイドブロック11をスピンドルの後退方向に向け
て付勢する復帰用弾性体を設け、ネッキングダイ9によ
って窄められる缶の開口端がガイドブロック11の外周
部に接触する際にガイドブロック11をスピンドルと一
体に後退させ、窄められて細径となった開口端がガイド
ブロック11とネッキングダイ9との間に進入した後
は、缶の開口端部に接触状態のガイドブロック11と開
口端部との相対移動を拘束した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼飲料水、ビー
ル等の缶容器に用いられる缶の開口端にダイ成形方式に
より絞り加工を施してネックイン缶を製造する方法、及
びその製造方法に使用される製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶の開口端にダイ成形方式により
絞り加工を施してネックイン缶を製造する場合、例えば
特開昭57−160527号公報や特公昭59−330
46号公報に示されるように、ガイドブロック(特開昭
57−160527号公報記載の発明ではセンターコ
ア)とネッキングダイとを缶の開口端に向かって前進さ
せて、ネッキングダイにより開口端を窄め、ガイドブロ
ックは開口端内に挿入された後に停止し、その後はネッ
キングダイのみ前進させてネックイン部を形成するよう
にしている。
【0003】このようなネックイン缶の製造方法におい
て、ネッキングダイによって窄められた缶の開口端がガ
イドブロックの外周面に当接する時点で、缶壁に軸方向
に作用する荷重は最も大きなものとなる。つまり、缶に
軸方向荷重が作用するのは、缶の開口端がネッキングダ
イに接触する時点から、該ネッキングダイによって窄め
られて細径となった開口端部がネッキングダイとガイド
ブロックとの間に伸展していく段階に至るまでの、ネッ
クイン加工のいずれの時点でも起こり得るが、ネッキン
グダイによって窄められた開口端がガイドブロックの外
周面に接触する時点では、ガイドブロックには、開口端
の窄まり方向(ほぼネッキングダイの絞り加工面の延長
方向でもある)に押圧力が作用し、この押圧力は、缶の
軸方向に沿うネッキングダイの押し込み力に対して前記
窄まり方向の分力となり、その分力方向の角度が大きい
ため、缶壁に対しては、このときの荷重がネックイン加
工において最も大きいものとなるのである。そして、こ
の軸方向荷重が缶壁の耐軸方向荷重強度を超えると、缶
壁に座屈が生じることになる。
【0004】この座屈を防止する方法として、例えば、
本出願と同じ出願人による特開平2−220723号公
報に示す方法がある。この方法は、缶の開口端内に先に
ガイドブロック(特開平2−220723号公報記載の
発明では雄型)を挿入しておき、ネッキングダイ(同発
明では雌型)によって窄められる開口端がガイドブロッ
クの外周面に接触する時点でガイドブロックを低速(ネ
ッキングダイの前進速度に対して10〜20%の相対速
度)で後退させるという方法であり、缶に作用する軸方
向荷重をガイドブロックを後退させることにより軽減し
たものである。この場合、ガイドブロック及びネッキン
グダイは、共通の回転軸の回りに周方向に間隔をおいて
複数組設けられて、該回転軸と一体に回転させられるよ
うになっているとともに、回転軸を支持しているベース
に、回転軸と同軸に円周カムが固定されており、この円
周カムのカム曲線によってガイドブロック及びネッキン
グダイが軸方向に移動するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ネックイン
加工において、缶の変形として生じ易い欠陥として、前
述の座屈とともに開口端部のしわがある。このしわは、
缶の開口端がガイドブロックとネッキングダイとの間に
進入した後に生じ易く、その発生は両型の隙間に影響さ
れ、開口端が進入した後のクリアランスが大きい程、し
わが生じ易い。したがって、このしわの発生を防止する
には、クリアランスは極力小さい方が良い。一方、近年
の製缶技術は、缶の薄肉化と生産ラインの高速化が著し
く、開口端部の肉厚が0.18mm以下、製缶速度は毎
分2000缶以上が要求されるようになってきている。
【0006】このような状況の中で、前記従来技術で
は、ガイドブロックをネッキングダイの10〜20%の
相対速度という極めて低速で後退させるようにしている
が、製缶速度自体が高速化してくると、ガイドブロック
後退時の絶対速度も上昇することになる。また、薄肉化
に伴い、しわや座屈が生じ易くなってきているととも
に、ガイドブロックとネッキングダイとの隙間も小さく
なってきており、缶の開口端が進入した後のクリアラン
スは例えば数μm程度にまで小さくなっている。
【0007】前記従来技術において、缶の開口端が接触
する時点でガイドブロックを後退させる技術は、座屈発
生防止のためには有効であるが、高速化と薄肉化による
前記クリアランスの減少に伴い、細径となった開口端部
内面に、ガイドブロックの後退移動に起因すると考えら
れる摺動痕が発生し易くなってきた。
【0008】本発明は、ネックイン加工における缶の座
屈を有効に防止するとともに、開口端部内面の摺動痕の
発生防止にも効果的で、高速化や薄肉化にも十分対応で
きる製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、ネ
ッキングダイによって窄められる開口端がガイドブロッ
クの外周部に接触する際にガイドブロックを後退させる
とともに、窄められて細径となった開口端がガイドブロ
ックとネッキングダイとの間に進入した後は、少なくと
も缶の開口端部に接触状態のガイドブロックの外周部と
開口端部との相対移動を拘束したことを特徴とする。す
なわち、開口端がガイドブロックに接触する時点の軸方
向荷重を、ガイドブロックを後退させることによって軽
減するとともに、その後は、缶とガイドブロックの外周
部との相対移動を拘束して、開口端部内面を擦らないよ
うにしたものである。
【0010】また、その製造装置において、ガイドブロ
ックは、カム機構に係合するスピンドルの先端部に軸方
向に移動自在に設けられ、該スピンドルとガイドブロッ
クとの間に、ガイドブロックを前記後退方向に向けて付
勢する復帰用弾性体が設けられた構成としている。この
ような構成としたことにより、缶の開口端がガイドブロ
ックに接触する時点では、ガイドブロックには半径方向
内方に向けた絞り方向に押圧力が作用し、その軸方向分
力によってガイドブロックは後退方向に押され、その結
果、ガイドブロックはスピンドルと一体的に後退して、
缶に作用する軸方向荷重を軽減する。そして、この最初
の段階の成形の後は、缶の開口端部に径の小さい細径部
が形成されていくが、この細径部は、ネッキングダイに
よって外周面が外側から支持されることになるから、そ
の内周面に接触しているガイドブロックは、細径部との
間の相対移動が拘束され、スピンドルが後退移動したと
しても停止状態に維持される。
【0011】また、ガイドブロックをリング状に形成し
てスピンドル先端部に外嵌し、これらガイドブロックの
内周面とスピンドル先端部の外周面との間に、ガイドブ
ロックを半径外方に付勢するフローティング用弾性体を
介在した構成とすると、ガイドブロックは、スピンドル
先端部との間のわずかな隙間の分だけ径方向に移動可能
となる。したがって、缶の開口端がガイドブロックに接
触するタイミングやガイドブロックへの細径部の接触度
合いが、缶の偏肉やネッキングダイ表面の滑り性等によ
って、周方向の各部でわずかにばらつきが生じる場合で
も、ガイドブロックがそのばらつきに追従するようにフ
ローティングし、ガイドブロックの作動をより確実に行
わせることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。まず、ネックイン缶製造装置に
ついて説明すると、このネックイン缶製造装置におい
て、図2に示す全体構成中、符号1はベース2に水平に
支持された回転軸であり、該回転軸1の外周部にスピン
ドルターレット3が固定されるとともに、該スピンドル
ターレット3の外周部に、複数の半円形溝4が回転軸1
の軸心1aと平行にかつ回転軸1の回りに等間隔で形成
され、各半円形溝4にスピンドル装置5がそれぞれ取り
付けられている。
【0013】各スピンドル装置5は、図3に示すよう
に、スピンドルターレット3の半円形溝4に固定状態の
筒状ハウジング6内に、筒状の外側スピンドル7と該外
側スピンドル7内に挿入状態の内側スピンドル8とが、
半円形溝4の軸心4aと同軸上にかつその軸方向に相互
に摺動自在に挿入され、外側スピンドル7の先端にリン
グ状のネッキングダイ9がクランプ10によって固定さ
れ、内側スピンドル8の先端に、ネッキングダイ9の内
側に配置されるように同じくリング状のガイドブロック
11が固定されている。したがって、これらネッキング
ダイ9とガイドブロック11とは、図2に示すように前
記半円形溝4の軸心4aと同軸上に配置されることにな
る。
【0014】外側スピンドル7は、その外周部にキー溝
15が形成され、スピンドルターレット3に固定された
キー16によって回転止めされており、また、内側スピ
ンドル8は、外側スピンドル7との間に介在されたコイ
ルスプリング等の弾性部材17によって先端方向(ガイ
ドブロック11を突出させる方向)に押圧付勢されてい
る。そして、外側スピンドル7の後端部には、図3及び
図4に示すように、後方に延びる連結板18が固定され
るとともに、該連結板18の中央部に前後方向に延びる
長穴19が形成され、該長穴19の前後に前記回転軸1
に向けてカムフォロワ20がそれぞれ取り付けられてい
る。また、内側スピンドル8の後端両側部には、外側ス
ピンドル7の開口21を通して一対のアーム22が後方
に向けて固定され、これらアーム22の後端間に、前記
連結板18の上面に沿って摺動自在な取付板23が固定
され、該取付板23に、連結板18の長穴19内に配置
されるようにカムフォロワ24が前記回転軸1に向けて
取り付けられている。
【0015】これらカムフォロワ20,24は、前記ベ
ース2に固定状態の円周カム25に接触させられ、前記
回転軸1が回転することにより、円周カム25のカム面
26,27に沿って各スピンドル7,8が前後移動する
ようになっている。この場合、外側スピンドル7を駆動
するカム面26は、軸方向に一定の間隔を明けて同一軌
跡で一対形成され、カムフォロワ20はこれらカム面2
6を挟むようにして係合している。また、内側スピンド
ル8を駆動するカム面27は、外側スピンドル7駆動用
の両カム面26の間に形成した溝の両側面によって構成
され、その溝の中に内側スピンドル8のカムフォロワ2
4が嵌め込まれるように係合している。
【0016】図5は各カム面26,27のカム曲線を展
開して示したもので、外側スピンドル7すなわちネッキ
ングダイ9を駆動するカム面26は前進面28、停滞面
29、後退面30、退避面31がこれらの順に連続して
形成され、一方、内側スピンドル8すなわちガイドブロ
ック11を駆動するカム面27は、高速前進面32、低
速後退面33、後退面34、退避面35がこれらの順に
連続して形成されている。これらカム面26,27によ
るネッキングダイ9やガイドブロック11の詳細な動き
については後述する。
【0017】前記内側スピンドル8は、中空軸41の先
端に保持リング42が設けられ、該保持リング42の先
端外周部に図1に示すように小径部43が形成され、該
小径部43に、これよりわずかに大径リング状の前記ガ
イドブロック11が移動自在に嵌合している。このガイ
ドブロック11は、先端部が保持リング42から突出し
た状態とされているとともに、その突出部分の内径は、
保持リング42の小径部43に嵌合している部分よりも
大径に形成されて、その間に段部44が形成されてい
る。
【0018】また、保持リング42の先端には、保持リ
ング42から突出しているガイドブロック11の内側空
間内に収納されるようにつば付きボルト45が固定され
ている。このつば付きボルト45のつば46の厚さは、
保持リング42からのガイドブロック11の突出長さよ
りも十分小さく形成され、該つば46と保持リング42
先端面との間のリング状空間47内には、ガイドブロッ
ク11の前記段部44に接触する外径を有する座金48
と、該座金48を前記段部44に押圧付勢するコイルス
プリング又は皿ばね等の復帰用弾性体49とが収納され
ている。一方、保持リング42の小径部43には、Oリ
ング等の弾性リング50が取り付けられており、ガイド
ブロック11は、該弾性リング50によって半径方向外
方に押し広げられるように付勢され、半径方向内方への
外力が作用した際に径方向にわずかに移動し得るフロー
ティング構造となっている。
【0019】ネッキングダイ9は、図6に示すように、
その先端部に、缶Cの開口端を受け入れるガイド面5
5、凹円弧面56、テーパ状の絞り加工面57、凸円弧
面58、ストレートの細径面59がこれらの順に先端か
ら連続して形成され、ガイドブロック11は、ネッキン
グダイ9の細径面59よりわずかに小径のストレートの
外周面60を有している。
【0020】一方、前記回転軸1には、図2に示すよう
に、スピンドルターレット3と並んで、缶Cを保持する
スターホィール65と、該スターホィール65に保持さ
れた缶Cの底面を支持するボトム支持機構66とが設け
られている。スターホィール65には、缶Cの外径とほ
ぼ同じ内径の半円形状の缶ポケット67が形成されると
ともに、ボトム支持機構65には、缶Cの底面を吸着さ
せるパッド68が設けられており、これら缶ポケット6
7とパッド68とは、スピンドルターレット3の各半円
形溝4の軸心4a上に配置されている。
【0021】なお、図2中、符号71は回転軸1に取り
付けられた歯車を示しており、ベース2内の駆動源(図
示略)によって回転される駆動軸72の駆動力がベルト
車73A,73B、小歯車74,75を介して伝達され
るようになっている。また、図3中、符号76は、外部
のエア供給機構(図示略)に接続される管を示してお
り、外側スピンドル7に形成した長穴77を通って内側
スピンドル8の中空軸41に接続され、ネックイン加工
時に中空軸41及びつば付きボルト45内の孔78,7
9から缶C内に圧縮空気を供給して、缶Cに内圧を付よ
することにより、缶Cの座屈による凹みを防止するよう
にしている。
【0022】次に、このように構成されたネックイン缶
製造装置によりネックイン缶を製造する方法について図
6から図13の工程図に添って説明する。回転軸1が回
転すると、外側スピンドル7及び内側スピンドル8は、
それぞれのカムフォロワ20,24が係合している円周
カム25のカム面26,27に沿って前後移動させら
れ、これら両スピンドル7,8が後退位置に退避してい
るときに、外部のシュータ(図示略)からスターホィー
ル65の缶ポケット67内に缶Cが供給され、その底面
がボトム支持機構66のパッド68に吸着される。そし
て、ガイドブロック駆動用のカム面27の高速前進面3
2によってガイドブロック11が前進して図6に示すよ
うに缶Cの開口端内に挿入され、このガイドブロック1
1の前進開始よりわずかに遅れてネッキングダイ9がカ
ム面26の前進面28によりガイドブロック11よりも
遅い速度で前進させられる。
【0023】次いで、図7に示すようにネッキングダイ
9が缶Cの開口端に接触し、この開口端を凹円弧面5
6、絞り加工面57に沿って窄め始める。その後、ガイ
ドブロック11は低速後退面33により内側スピンドル
8に引っ張られながら低速で後退し始める。この後退開
始の時期は、ネッキングダイ9によって窄められた缶C
の開口端が次の図8に示すようにガイドブロック11に
接触する前の時点であればよい。
【0024】そして、缶Cの開口端は、ネッキングダイ
9によって窄められて、図8に示すようにガイドブロッ
ク11の外周面60に接触するが、この時点ではガイド
ブロック11は内側スピンドル8とともに低速後退して
いるため、このガイドブロック11の外周面60に接触
した缶Cの開口端はガイドブロック11の低速後退に追
従するようにして図9に示すように逆方向に曲げ戻しさ
れる。すなわち、前記従来の技術の欄で説明したよう
に、缶Cに作用する軸方向荷重は、開口端がガイドブロ
ック11に接触する時点(図8から図9に至る時点)で
最も大きなものとなるが、この時点でガイドブロック1
1を低速後退させることにより、缶Cの開口端をガイド
ブロック11にくいつかせながら該ガイドブロック11
の移動方向に案内し、その結果として、缶Cに作用する
軸方向荷重を軽減するものである。
【0025】なお、ガイドブロック11は、内側スピン
ドル8に対して移動可能に設けられているが、この缶C
の開口端がガイドブロック11に接触する時点では、ガ
イドブロック11には半径方向内方に向けた絞り方向
(図8にAで示す方向であり、その反力が缶壁に作用す
ることになる)に押圧力が作用し、その軸方向分力(B
で示す方向の分力)によってガイドブロック11は後退
方向に押され、その結果、ガイドブロック11は内側ス
ピンドル8と一体的に後退して、前述した開口端に対す
る案内機能を発揮することができる。
【0026】そして、さらにネッキングダイ9を前進さ
せると、缶Cはボトム支持機構66のパッド68により
固定状態であるから、ネッキングダイ9による絞り加工
が施される位置は、缶Cの開口端から底部側にずれてい
くことになり、それにより、開口端部には、径の小さい
細径部C1 が形成されていく。この加工中、内側スピン
ドル8は低速後退を続けているが、その先端の保持リン
グ42の外周部に独立して設けられているガイドブロッ
ク11は、停止状態の缶Cの細径部C1 内面に接触して
いるとともに、該細径部C1 がネッキングダイ9の細径
面59によって外周面を外側から支持されているため、
缶Cの細径部C1 との間の相対移動が拘束され、内側ス
ピンドル8の保持リング42が図9の鎖線で示すように
後退移動するのに対して取り残されるように細径部C1
と接触した停止位置に維持される。したがって、缶C
は、ガイドブロック11によって擦られることがなく、
摺動痕等の発生を防止することができる。
【0027】このようにして缶Cの細径部C1 を停止状
態のガイドブロック11により内側から支持しつつ、ネ
ッキングダイ9が前進してネックイン加工を施し、図1
0に示すように細径部C1 の長さが所定長さに達した
ら、ネッキングダイ9はカム面26の停滞面29により
わずかな時間だけ前進位置にとどまった後、後退させら
れ、その後内側スピンドル8のカムフォロワ24も低速
後退面33から後退面34に移行し、ネッキングダイ9
に追従するように後退させられる。この場合、先にネッ
キングダイ9が後退し始めているので、図11に示すよ
うに、缶Cの細径部C1 がネッキングダイ9による外側
からの拘束が解放されると、ガイドブロック11も復帰
用弾性体49の復元力によって破線矢印で示すように保
持リング42に対して元位置に復帰移動し、図12に示
すように元位置で保持リング42と一体となって後退す
る。そして、ガイドブロック11、ネッキングダイ9と
もに図13に示すように缶Cから離間して退避し、その
後、缶Cは、次工程に送られる。
【0028】このような一連の工程中、ガイドブロック
11は、内側スピンドル8の保持リング42との間のわ
ずかな隙間の分だけ径方向に移動可能であるので、缶C
の開口端C1 がガイドブロック11に接触するタイミン
グやガイドブロック11への細径部C1 の接触度合い
が、缶Cの偏肉やネッキングダイ9表面の滑り性等によ
って、周方向の各部でわずかにばらつきが生じる場合で
も、ガイドブロック11がそのばらつきに追従するよう
にフローティングし、ガイドブロック11の作動をより
確実に行わせることができる。
【0029】なお、図1に示した例では、ガイドブロッ
ク11を保持リング42に対して移動自在に支持する構
成としたが、ガイドブロックを外周部と内周部とにさら
に分割構造とし、缶Cが接触する外周部のみ移動自在な
構成としてもよい。また、保持リング42は内側スピン
ドル8の一部として構成したものであり、製作上可能で
あれば、内側スピンドルとして一体構造のものでよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果を奏することができる。 (a)本発明の製造方法によれば、缶の開口端がガイド
ブロックに接触する時点の軸方向荷重を、ガイドブロッ
クを後退させることによって軽減するとともに、その後
は、缶とガイドブロックの外周部との相対移動を拘束し
て、開口端内面を擦らないようにしたから、ネックイン
加工における缶の座屈を防止するとともに、開口端部内
面の摺動痕の発生も有効に防止することができる。した
がって、製缶ラインの高速化や缶の薄肉化にも十分対応
することができる。 (b)請求項2記載の製造装置においては、ガイドブロ
ックをスピンドルの先端に移動自在に設けて、復帰用弾
性体によって付勢するという簡単な構造により、缶の座
屈と摺動痕の発生防止の両機能を発揮することができ
る。 (c)請求項3記載の製造装置においては、缶とガイド
ブロックとの接触のタイミングや接触圧が缶の偏肉やネ
ッキングダイ表面の滑り性等により周方向にばらつきが
生じたとしても、フローティング構造のガイドブロック
がそのばらつきに追従するように確実に作動して、前記
両機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としてのネックイン製造
装置の例を示すネッキングダイ付近の縦断面図である。
【図2】 図1のネックイン装置の全体構成を示す縦断
面図である。
【図3】 図2のネックイン装置の中のスピンドル装置
を示す縦断面図である。
【図4】 図3のイ−イ線に沿う平面図である。
【図5】 ネッキングダイ及びガイドブロックを駆動す
る円周カムを展開したカム曲線図である。
【図6】 ネックイン缶の製造工程中、缶の開口端部内
にガイドブロックが挿入された状態を示す縦断面図であ
る。
【図7】 図6の状態に続き、缶の開口端にネッキング
ダイが接触した状態を示す縦断面図である。
【図8】 図7の状態に続き、ネッキングダイにより窄
められた缶の開口端がガイドブロックに接触した状態を
示す縦断面図である。
【図9】 図8の状態に続き、缶の開口端が曲げ戻しさ
れた状態を示す縦断面図である。
【図10】 図9の状態に続き、缶の開口端部に所定長
の細径部が形成された状態を示す縦断面図である。
【図11】 図10の状態に続き、ネッキングダイが後
退している途中の状態を示す縦断面図である。
【図12】 図11の状態に続き、ガイドブロックが元
位置に復帰して保持リングと一体に後退している状態を
示す縦断面図である。
【図13】 図12の状態に続き、ネッキングダイ及び
ガイドブロックの両方ともが缶から離間した状態を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸 5 スピンドル装置 7 外側スピンドル 8 内側スピンドル 9 ネッキングダイ 11 ガイドブロック 17 弾性部材 20 カムフォロワ 24 カムフォロワ 25 円周カム 26 カム面 27 カム面 28 前進面 29 停滞面 30 後退面 31 退避面 32 高速前進面 33 低速後退面 34 後退面 35 退避面 42 保持リング 43 小径部 44 段部 45 つば付きボルト 46 つば 47 リング状空間 48 座金 49 復帰用弾性体 50 弾性リング 55 ガイド面 56 凹円弧面 57 絞り加工面 58 凸円弧面 59 細径面 60 外周面 66 ボトム支持機構 67 缶ポケット 68 パッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶の開口端内にガイドブロックを挿入状
    態としておき、開口端とネッキングダイとを接近させ、
    該ネッキングダイによって開口端を絞ってネックイン缶
    を製造する方法において、ネッキングダイによって窄め
    られる開口端がガイドブロックの外周面に接触する際に
    ガイドブロックを後退させるとともに、窄められて細径
    となった開口端部がガイドブロックとネッキングダイと
    の間に進入した後は、少なくとも細径となった開口端部
    に接触状態のガイドブロックの外周部と開口端部との相
    対移動を拘束したことを特徴とするネックイン缶の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 缶の開口端内に挿入させられるガイドブ
    ロックと、該ガイドブロックの半径方向外方位置で開口
    端を絞り加工するネッキングダイとを備えるとともに、
    ネッキングダイによって窄められる開口端がガイドブロ
    ックの外周面に接触する際にガイドブロックを後退させ
    るカム機構を設けてなり、前記ガイドブロックは、カム
    機構に係合するスピンドルの先端部に軸方向に移動自在
    に設けられ、該スピンドルとガイドブロックとの間に、
    ガイドブロックを前記後退方向に向けて付勢する復帰用
    弾性体が設けられていることを特徴とするネックイン缶
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイドブロックは、前記スピンドル
    の先端部に外嵌されるリング状に形成され、これらガイ
    ドブロックの内周面とスピンドル先端部の外周面との間
    に、ガイドブロックを半径外方に付勢するフローティン
    グ用弾性体を介在したことを特徴とする請求項2記載の
    ネックイン缶の製造装置。
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