JPH09327392A - 加熱調理器に使用する焼き網を把持する取手及びその焼き網 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱調理器に使用する焼き網や取手の取扱い
性を改善する。 【解決手段】 取手１の先端に、一対の支持板１ｅと、
一対の凹欠部１ｇと、凹溝部１ｊを有する一対の保持板
１ｆとを形成し、支持板１ｅと凹欠部１ｇと保持板１ｆ
とで焼き網１１を挟持するとともに、保持板の凹溝部１
ｊに焼き網１１の支棒１１ｂを嵌合させることにより、
焼き網１１の左右への移動を防止した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、加熱調理器に使
用する焼き網、及び焼き網を把持して加熱室に出し入れ
するための取手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１２は高周波加熱調理器本体の外観を
示す斜視図である。図において、９は高周波加熱調理器
本体、９ａは加熱室、９ｂは加熱室両側壁を突出させて
成形した後述する棚皿又は焼き網を載置するための棚で
ある。

【０００３】図１３は調理物（図示せず）を載置した後
述する棚皿又は焼き網を加熱室９ａ内に出し入れするた
めの従来の取手の外観を示す斜視図である。取手１は例
えばステンレス鋼板などの材料をプレス加工などの加工
方法で折曲して形成されており、次の構成部分１ａ〜１
ｉからなる。１ａは取手本体１を構成する断面略コ字形
状に形成された略棒状の茎部、１ｂはこの茎部１ａの天
面部、１ｃは同じく両側面部、１ｄは茎部１ａの先端に
設けられ天面部１ｂを延設し、断面略Ｌ字形状に折曲形
成した押え板、１ｅは茎部１ａの先端に設けられ、両側
面部１ｃをそれぞれ外方に向って略Ｌ字形状に折曲した
一対の支持板、１ｆは同じく茎部１ａの先端に設けら
れ、両側面部１ｃを略Ｌ字形状に延設し、さらに平面を
互いに向い合うＬ字形状に形成して略翼状形に広げた一
対の保持板、１ｇは前記支持板１ｅの背面にあって両側
面部１ｃにそれぞれ形成した凹欠部、１ｈは茎部１ａの
先端にあって、押え板１ｄの下部に形成された後述する
棚皿把持用空間、１ｉは茎部１ａの他端側に設けられた
持手部である。

【０００４】図１４は調理物を載置するための棚皿の外
観を示す斜視図である。棚皿１０は、例えば鉄板等をプ
レス加工し、表面にホーロー加工を施してある。１０ａ
は棚皿１０の外周縁部であり、この外周縁部１０ａが加
熱室内の棚９ｂに載置される。

【０００５】図１５は焼き網の外観を示す斜視図であ
る。焼き網１１は、ステンレス鋼線などの材料をプレス
加工などで略矩形状に折曲形成したものであり、加熱室
９ａの棚９ｂに載置して使用される。１１ａは略矩形状
に形成した焼き網１１の枠棒、１１ｂは枠棒１１ａに適
宜間隔を持って平行に溶接された複数の支棒である。ま
た、図１６は棚皿１０を取手１で把持した状態を示す平
面図、図１７は焼き網１１を取手１で把持した状態を側
面部１ｃを切断して示す一部断面図である。

【０００６】次に、従来の取手を用いて加熱室９ａの棚
９ｂに載置された棚皿１０を加熱室９ａから取り出す際
の動作について、図１６を用いて説明する。加熱室９ａ
の棚９ｂに載置されている棚皿１０に向かって、取手１
の保持板１ｆが棚皿１０の底面に、又押え板１ｄが外周
縁部１０ａの外面に当たるよう取手１を差し込む。する
と、取手１の空間部１ｈに棚皿１０が入り込み取手１の
押え板１ｄと保持板１ｆとで棚皿１０が挟持されるの
で、この状態で加熱室９ａ外へ引き出す。

【０００７】次に、従来の取手を用いて加熱室９ａの棚
９ｂに載置された焼き網１１を加熱室９ａから取り出す
際の動作について、図１７を用いて説明する。加熱室９
ａの棚９ｂに載置された焼き網１１の底面に向かって取
手１の保持板１ｆを滑り込ませる。この時、取手１の保
持板１ｆ上に焼き網１１の支棒１１ｂが確実に載置する
ように位置を定めて差し込む。焼き網１１の枠棒１１ａ
が取手１の支持板１ｅの端面を通り過ぎ凹欠部１ｇに嵌
り込むまで差し込むと、焼き網１１は取手１の保持板１
ｆと凹欠部１ｇとで挟持されるので、この状態で加熱室
９ａ外へ引き出す。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の取手１は以上の
ように構成されているので、加熱調理器において焼き網
１１を使って調理を行い、その焼き網１１を加熱室９ａ
に出し入れする際に、取手１の保持板１ｆ上に焼き網１
１の支棒１１ｂが確実に載置されず、焼き網が傾いて調
理物を落としてしまうなどの問題があった。

【０００９】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので電子レンジ、オーブントースターな
ど加熱調理器の加熱室内で加熱された焼き網の出し入れ
に際し、取手で焼き網を把持するときの取扱い性を向上
させることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】第１の発明に係る加熱調
理器に使用する取手は、略矩形状の枠棒とこの枠棒に両
端を固定した複数の支棒とからなる焼き網を把持する取
手において、天面部と互いに対向する２つの側面部とか
ら構成される略棒状の茎部と、この茎部の両側面部の一
端を外方に向かって折曲した一対の支持板と、この支持
板の背面にあって上記両側面部に形成した一対の凹欠部
と、上記茎部の両側面部を延設して略翼状形に広げその
面上に凹溝部を形成した一対の保持板とを備え、上記支
持板と上記凹欠部と上記保持板とで上記焼き網を挟持す
るとともに、上記保持板の凹溝部に上記焼き網の支棒を
嵌合させるようにしたものである。

【００１１】第２の発明に係る加熱調理器に使用する焼
き網は、天面部と互いに対向する２つの側面部とから構
成される略棒状の茎部と、この茎部の両側面部の一端を
外方に向かって折曲した一対の支持板と、この支持板の
背面にあって上記両側面部に形成した一対の凹欠部と、
上記茎部の両側面部を延設して略翼状形に広げた一対の
保持板とを有する取手により把持される焼き網におい
て、焼き網を構成する枠棒に上記取手の一対の凹欠部に
嵌合するように少なくとも一対の凸部を設けたものであ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】

実施の形態１．この発明の実施の形態１として、高周波
加熱調理器に焼き網を用いる場合について図１〜図６を
用いて説明する。尚、図中従来技術と同一部分は同じ符
号を付す。図１は高周波加熱調理器の外観を示す斜視図
である。図において、９は高周波加熱調理器本体、９ａ
は加熱室、９ｂは加熱室両側壁を突出させて成形した後
述する棚皿又は焼き網を載置するための棚である。

【００１３】図２は棚皿又は焼き網を出し入れするため
の取手の外観を示す斜視図である。図において１ａ〜１
ｉは上記の従来例と同一の構成部分である。すなわち、
１ａは取手本体１を構成する断面略コ字形状に形成され
た略棒状の茎部、１ｂはこの茎部１ａの天面部、１ｃは
同じく両側面部、１ｄは茎部１ａの先端に設けられ天面
部１ｂを延設し、断面略Ｌ字形状に折曲形成した押え
板、１ｅは茎部１ａの先端に設けられ、両側面部１ｃを
それぞれ外方に向って略Ｌ字形状に折曲した一対の支持
板、１ｆは同じく茎部１ａの先端に設けられ、両側面部
１ｃを略Ｌ字形状に延設し、さらに平面を互いに向い合
うＬ字形状に形成させた略翼状形に広げた一対の保持
板、１ｇは前記支持板１ｅの背面にあって両側面部１ｃ
にそれぞれ形成した凹欠部、１ｈは茎部１ａの先端にあ
って、押え板１ｄの下部に形成された後述する棚皿把持
用空間、１ｉは茎部１ａの他端側に設けられた持手部で
ある。

【００１４】また、１ｊは、取手１に一対設けられた保
持板１ｆのほぼ中心部に下方に向って断面を略半円状に
凹ませて形成した凹溝部で、保持板１ｆの略Ｌ字形の平
面形状に合せて、略Ｌ字状に形成してある。また、左右
に形成された凹溝部１ｊの間隔（ピッチ）は、焼き網１
１の支棒１１ｂの間隔と同一に形成されている。尚、こ
の凹溝部１ｊは調理物（図示せず）を載置した棚皿１０
又は焼き網１１の重量に十分取手１が耐えられるよう補
強の役目も有している。

【００１５】図３は、取手１で棚皿１０を把持した状態
を示す部分平面図、図４はそのＡ−Ａ部分を切断した部
分縦断面図である。また、図５は取手１で焼き網１１を
把持した状態を側面部１ｃを切断して示す一部断面図、
図６はそのＢ−Ｂ部分を切断した部分縦断面図である。

【００１６】次に、この実施の形態１における取手１を
用いて加熱室９ａの棚９ｂに載置されている棚皿１０を
取り出す際の動作について、図３及び図４を用いて説明
する。まず、加熱室９ａの棚９ｂに載置されている棚皿
１０に向かって、取手１の保持板１ｆが棚皿１０の底面
に、又押え板１ｄが外周縁部１０ａの外面に当たるよう
取手１を差し込む。すると、棚皿１０は取手１の空間部
１ｈに入り込み、取手１の押え板１ｄと保持板１ｆとで
棚皿１０が挟持されるのでこの状態で加熱室９ａ外へ引
き出す。

【００１７】次に、この実施の形態１における取手１を
用いて加熱室９ａの棚９ｂに載置されている焼き網１１
を取り出す際の動作について、図５及び図６を用いて説
明する。まず、加熱室９ａの棚９ｂに載置された焼き網
１１の底面に向って取手１の保持板１ｆを滑り込ませ
る。この時、取手１の保持板１ｆ上に焼き網１１の支棒
１１ｂが載置するように位置を定めて差し込む。する
と、焼き網１１の支棒１１ｂは取手１の保持板１ｆに設
けた凹溝部１ｊに嵌合し、以後は案内となって移動す
る。焼き網１１の枠棒１１ａが取手１１の支持板１ｅの
端面を通り過ぎ凹欠部１ｇに嵌り込むまで差し込むと、
焼き網１１は取手１の保持板１ｆと凹欠部１ｇとで挟持
されるので、この状態で焼き網１１を加熱室９ａ外へ引
き出す。この時、焼き網１１は支棒１１ｂが取手１の保
持板１ｆの凹溝部１ｊに嵌合しているので、左右への移
動が阻止されている。

【００１８】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、加熱室内で加熱された焼き網１１を取り出す場合、
焼き網１１を把持する取手１の取り扱いが簡単になり、
しかも引き出しに際し焼き網１１が取手１の左右へ動く
ことがなく焼き網が傾いて食品を落下させてしまう不具
合が解消され、使い勝手のよいものとなる。

【００１９】実施の形態２．図７〜図９はこの発明の実
施の形態２を示す図である。図中，上記実施の形態１と
同一部分は同じ符号を付す。図７は、実施の形態２にお
ける焼き網の外観を示す斜視図である。図７において、
１１ｃは焼き網１１の枠棒１１ａに外方に向かって変曲
して形成したそれぞれ一対の半円状の凸部であり、枠棒
１１ａの４辺のうち、焼き網１１を加熱室内に載置した
ときに手前に位置する側、この実施の形態においては支
棒１１ｂと直角方向の枠棒１１ａに設けられている。ま
た、それぞれの凸部１１ｃは支棒１１ｂと隣り合う支棒
１１ｂの略中間に設けられ、一対の凸部１１ｃの間隔は
取手１の凹欠部１ｇの間隔と同一に形成されている。

【００２０】次に、この実施の形態２における凸部１１
ｃを有する焼き網１１の取扱い方法を図８及び図９を用
いて説明する。図８は、取手１で焼き網１１を把持した
状態を側面部１ｃを切断して示す一部断面図、図９はそ
のＣ−Ｃ部分を切断した部分縦断面図である。なお、こ
の実施の形態２においては取手１として、従来例として
図１５に示したものと同一の形状のものを用いる。

【００２１】まず、加熱室９ａの棚９ｂに載置されてい
る焼き網１１の底面に向かって取手１の保持板１ｆを滑
り込ませる。この時、取手１の保持板１ｆ上に焼き網１
１の支棒１１ｂがそれぞれ載置するように位置を定めて
差し込む。次に、焼き網１１の枠棒１１ａが取手１の支
持板１ｅの下端面を通り過ぎるまで差し込む。すると枠
棒１１ａは凹欠部１ｇに嵌り込む。この時、焼き網１１
の凸部１１ｃが支持板１ｅの下端に嵌り込み、以後の焼
き網１１の左右の動きが阻止される。

【００２２】尚、図７においては、枠棒１１ａに形成し
た凸部１１ｃは支棒１１ｂと直角方向の枠棒１１ａにそ
れぞれ１対形成したが、いずれか一方側に１対形成して
もよい。また、支棒１１ｂと直角方向でない側の枠棒１
１ａの両方又はいずれか一方側に１対形成しても、保持
板１ｆが最外方の支棒１１ｂを保持できる長さを有して
いれば、同様に焼き網１１を把持することができる。

【００２３】以上のように実施の形態２によれば、焼き
網１１の枠棒１１ａに凸部１１ｃを形成し、取手１で焼
き網１１を把持するときに取手１の凹欠部１ｇに焼き網
１１の凸部１１ｃを嵌合するようにしたので、焼き網１
１の左右の動きを防止でき、取扱い性の優れたものが提
供できる。

【００２４】実施の形態３．図１０はこの発明の実施の
形態３における取手で焼き網を把持した状態を示す一部
断面図、図１１はそのＤ−Ｄ部分を切断した一部縦断面
図である。この実施の形態３は、上記実施の形態１に示
した保持板１ｆに凹溝部１ｊを有する取手１で、上記実
施の形態２に示した枠棒１１ａに凸部１１ｃを有する焼
き網１１を把持するものである。

【００２５】このように形成した取手１及び焼き網１１
によれば、焼き網１１の支棒１１ｂが取手１の保持板１
ｆの凹溝部１ｊに入り込むとともに、焼き網１１の凸部
１１ｃが取手１の凹欠部１ｇに嵌合するため、焼き網１
１の左右の動きがさらに確実に阻止され、使い勝手のよ
いものとなる。なお、取手１及び焼き網１１の取り扱い
方は上記実施の形態１及び実施の形態２と同様であるの
で、説明は省略する。

【００２６】

【発明の効果】第１の発明によれば、支持板と凹欠部と
保持板とで焼き網を挟持するとともに、保持板の凹溝部
に焼き網の支棒が嵌合するため、焼き網が左右に動くこ
とがなく、焼き網を把持する際の取手の取り扱い性が向
上する。

【００２７】第２の発明によれば、取手１の凹欠部に焼
き網の凸部が嵌合するため、焼き網が左右に動くことが
なく、焼き網を把持する際の取手の取り扱い性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 加熱室内に焼き網を載置した高周波加熱調理
器の外観を示す斜視図である。

【図２】 この発明の実施の形態１における取手を示す
斜視図である。

【図３】 この発明の実施の形態１における取手と棚皿
の把持状態を示す部分平面図である。

【図４】 図３のＡ−Ａ切断面を示す図である。

【図５】 この発明の実施の形態１における取手と焼き
網の把持状態を示す一部断面図である。

【図６】 図５のＢ−Ｂ切断面を示す図である。

【図７】 この発明の実施の形態２における焼き網を示
す斜視図である。

【図８】 この発明の実施の形態２における取手と焼き
網の把持状態を示す一部断面図である。

【図９】 図８のＣ−Ｃ切断面を示す図である。

【図１０】 この発明の実施の形態３における取手と焼
き網の把持状態を示す一部断面図である。

【図１１】 図１０のＤ−Ｄ切断面を示す図である。

【図１２】 高周波加熱調理器の外観を示す斜視図であ
る。

【図１３】 従来例における取手の斜視図である。

【図１４】 高周波加熱調理器に用いる棚皿の外観を示
す斜視図である。

【図１５】 従来例における焼き網の外観を示す斜視図
である。

【図１６】 従来例における取手と棚皿の把持状態を示
す部分平面図である。

【図１７】 従来例における取手と焼き網の把持状態を
示す部分断面図である。

【符号の説明】

１ 取手、１ａ 茎部、１ｂ 天面部、１ｃ 側面部、
１ｅ 支持板、１ｆ保持板、１ｇ 凹欠部、１ｊ 凹溝
部、９ 加熱調理器本体、９ａ 加熱室、９ｂ 棚、１
１ 焼き網、１１ａ 枠棒、１１ｂ 支棒、１１ｃ 凸
部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱調理器に使用され、略矩形状の枠棒
   とこの枠棒に両端を固定した複数の支棒とからなる焼き
   網を把持する取手において、天面部と互いに対向する２
   つの側面部とから構成される略棒状の茎部と、この茎部
   の両側面部の一端を外方に向かって折曲した一対の支持
   板と、この支持板の背面にあって上記両側面部に形成し
   た一対の凹欠部と、上記茎部の両側面部を延設して略翼
   状形に広げその面上に凹溝部を形成した一対の保持板と
   を備え、上記支持板と上記凹欠部と上記保持板とで上記
   焼き網を挟持するとともに、上記保持板の凹溝部に上記
   焼き網の支棒を嵌合させることを特徴とする加熱調理器
   に使用する取手。
2. 【請求項２】 天面部と互いに対向する２つの側面部と
   から構成される略棒状の茎部と、この茎部の両側面部の
   一端を外方に向かって折曲した一対の支持板と、この支
   持板の背面にあって上記両側面部に形成した一対の凹欠
   部と、上記茎部の両側面部を延設して略翼状形に広げた
   一対の保持板とを有する取手により把持される加熱調理
   器に使用する焼き網において、焼き網を構成する枠棒に
   上記取手の一対の凹欠部に嵌合するように少なくとも一
   対の凸部を設けたことを特徴とする加熱調理器に使用す
   る焼き網。