JPH09325015A - 膜厚測定装置 - Google Patents

膜厚測定装置

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JPH09325015A
JPH09325015A JP16682796A JP16682796A JPH09325015A JP H09325015 A JPH09325015 A JP H09325015A JP 16682796 A JP16682796 A JP 16682796A JP 16682796 A JP16682796 A JP 16682796A JP H09325015 A JPH09325015 A JP H09325015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚を再計算するための計算範囲を容易に設
定できるような膜厚測定装置を提供する。 【解決手段】 薄膜試料からの反射光の干渉スペクトル
を表わすグラフ20が表示される画面上には、計算範囲
を示す範囲設定バー24s及び24eが表示される。範
囲設定バー24s又は24eの位置はマウスを操作して
設定/変更することができる。データ処理装置は画面上
に表示された計算範囲に含まれる干渉スペクトルのデー
タを用いて膜厚を計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の厚さを測定
するための膜厚測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばシリコンウエハ上に形成された薄
膜のような薄膜試料の厚さを測定するための装置の一つ
に、薄膜試料に可視光、紫外光、あるいは近赤外光等の
測定光を照射したときに観察される薄膜試料からの反射
光の干渉を利用した膜厚測定装置がある。
【0003】上記膜厚測定装置による膜厚測定の原理に
ついて図3を参照しながら説明する。薄膜状の試料30
に波長λの測定光Lを入射角θで照射すると、測定光L
の一部は試料30の上面31で反射されて反射光L1と
なる一方、測定光Lの別の一部は試料30内部に屈折角
θ’で入射して試料30の底面32により反射され、試
料30の上面31から外部へ出て反射光L2となる。試
料30を構成する物質の上記測定光に対する屈折率を
n、試料30の厚さをdとするとき、反射光L1の光路
長と反射光L2の光路長との間には、空気中での光路長
に換算して、 2d・(n2−sin2θ)1/2 なる光路差が生じる。この光路差が存在するため、上記
反射光L1及びL2の間には測定光Lの波長λに応じた
干渉が生じ、その結果反射光の検出強度(例えば反射
率)は波長λの値に応じて変化する。この波長λと反射
光の検出強度との関係を本明細書では「反射光の干渉ス
ペクトル」と呼ぶことにする。図4に反射光の干渉スペ
クトルを表わすグラフの一例を示す。この図において、
反射光の検出強度に対応する縦軸は反射率を示す。ま
た、Pi(i=1,2,…)はグラフのピーク(Peak)
を表わし、Vi(i=1,2,…)は谷(Valley)を表
わす。いま、2つのピークを選んでそれぞれに対応する
波長をλ1及びλ2とするとき、一般に式 Δm=2d・(1/λ2−1/λ1)・(n2−sin2θ)1/2 …(1) (ただし、λ2<λ1とする)が成立する。ここで、Δm
は、波長λ1のピークを基点として短波長側へピークを
順次数えていったときに波長λ2のピークが何番目に現
われるかを示す数(以下、「ピーク数」とする)であ
り、例えば上記2つのピークとして図4のP1及びP3
を指定したときにはΔm=2となる。こうしてピーク数
Δmを定めれば、式(1)を変形して得られる式 d=k・Δm/(1/λ2−1/λ1) …(2) ただし、k=1/{2・(n2−sin2θ)1/2} により膜厚dを求めることができる。なお、2つのピー
クの代わりに2つの谷を用いても同様に膜厚dを求める
ことができる。また、ピークと谷を一つずつ指定して膜
厚dを求めることもできる。例えば図4のピークP1及
び谷V3を指定した場合はΔm=1.5とし、またP1
及びV4を指定した場合はΔm=2.5とすれば、式
(2)により膜厚dを求めることができる。
【0004】上記原理に基づいて更に高い精度で膜厚d
を求める方法について図5を参照しながら説明する。ま
ず、膜厚dを求めるための基礎データとする波長範囲
(計算範囲)を設定する。例えば図4では、最大波長λ
sから最小波長λeまでの区間を計算範囲としている。
次に、計算範囲に含まれるピーク又は谷のうち最も長波
長側に位置するもの(図4では谷V1)をピーク数算定
の基準として、計算範囲中の各々のピーク又は谷のピー
ク数Δm及び波長λの関係を、横軸にピーク数Δmをと
り縦軸に波長の逆数1/λをとった座標上の点で示す
と、全ての点は理論上は図5のような直線上に位置す
る。ただし、実際上はプロットされた点は完全に一直線
上には乗らないため、最小自乗法により直線近似を行な
う。こうして得られた直線の傾きの逆数を求めてその値
を式(2)の右辺の Δm/(1/λ2−1/λ1) の代わりに用いることにより、より高い精度で膜厚dを
求めることができる。なお、以上の議論は、上記計算範
囲内のいずれの波長においても試料30の屈折率nが一
定であることを前提としている。
【0005】上記方法により膜厚を測定する手順につい
て図6のフローチャートを参照しながら説明する。まず
計算範囲を設定して膜厚測定を開始したら、試料に照射
する測定光の波長を変化させながら反射率を測定する
(ステップS12)。反射率の測定が終了したら、予め
設定された計算範囲に含まれるデータを用いて上記方法
により膜厚を求める(ステップS14)。ここで、より
高い精度で膜厚を求めるためには、計算範囲内に反射率
のグラフのできるだけ理論的な波形に近い波形(以下、
「整った波形」とする)を有する部分が主として含まれ
るように、該計算範囲を設定することが望ましい。従っ
て、予め設定しておいた計算範囲に含まれるグラフが整
った波形を有しておらず、そのため再計算が必要である
と判定された場合(ステップS16)は、計算範囲を再
設定し(ステップS18)、その計算範囲内にグラフの
整った波形を有する部分が主として含まれるようにして
から膜厚を再計算する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように膜厚を求
める計算作業は今日ではコンピュータにより行なうのが
一般的である。従って、再計算を行なうために計算範囲
を再設定する作業は、実際上は、コンピュータに計算範
囲の最大波長と最小波長を入力する作業ということにな
るが、このために従来は使用者がキーボードを用いて最
大波長及び最小波長の値を直接入力していた。この方法
は、特に再計算を繰り返して行なうような場合には非常
に効率が悪く、面倒なものとなる。
【0007】また、ある波形が整っているかどうかは、
画面上に表示された該波形を使用者が実際に目視して判
定する。ところが、計算範囲を設定するために波長値を
キーボードで入力する従来の方法では、画面上に表示さ
れたグラフの波形の整った部分に計算範囲を正確に対応
させるために、波長値を何度も入力し直す必要が生じる
場合があり、分析の効率が損なわれていた。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、膜厚を
再計算するために計算範囲を再設定することが従来より
も容易に行なえるような膜厚測定装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る膜厚測定装置は、薄膜試料に照
射する測定光の波長を変化させながら該薄膜試料からの
反射光の強度を測定して該反射光の干渉スペクトルを生
成し、この干渉スペクトルに基づいて膜厚を算出する膜
厚測定装置であって、 a)画像表示手段と、 b)反射光の干渉スペクトルを表わすグラフの画像データ
を生成して該画像データを上記画像表示手段へ出力する
グラフ生成手段と、 c)上記反射光の干渉スペクトルのデータのうち膜厚を計
算するための基礎とされるデータの波長範囲を設定又は
変更するための計算範囲設定手段と、 d)上記計算範囲設定手段により設定又は変更された波長
範囲を示す画像の画像データを生成して上記グラフの画
像データに重畳する計算範囲表示手段と、を備えること
を特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る膜厚測定装置におい
ては、まず薄膜試料に可視光、紫外光、あるいは近赤外
光等の測定光を照射し、その測定光の波長を所定範囲で
変化させながら、上記薄膜試料からの反射光の強度を測
定する。この行程が終了すると、グラフ生成手段が、上
記測定により得られた反射光の干渉スペクトルを表わす
グラフの画像データを生成し、その画像データを画像表
示手段へ出力する。これにより、反射光の干渉スペクト
ルを表わすグラフが画像表示手段の画面上に表示され
る。一方、計算範囲表示手段は、反射光の干渉スペクト
ルのデータのうち膜厚を計算するための基礎となるデー
タの波長範囲(計算範囲)を示す画像(以下、「計算範
囲像」とする)の画像データを生成して、上記グラフの
画像データにこれを重畳する。この結果、画像表示手段
上では上記グラフに上記計算範囲像が重畳して表示され
る。これらの画像を目視により確認し、計算範囲像内の
グラフが整った波形を有していないと判定した使用者
が、計算範囲設定手段により新たな計算範囲を設定する
と、これに応じて計算範囲表示手段は新たな計算範囲に
対応する計算範囲像の画像データを生成して上記グラフ
の画像データに重畳する。
【0011】上記画像表示手段としてはCRTや液晶デ
ィスプレイ等を利用することができ、上記計算範囲設定
手段としてはコンピュータの入力手段として通常に利用
されるマウス等を利用することができる。また上記グラ
フ生成手段及び計算範囲表示手段はコンピュータのCP
U上で動作するプログラムにより構成することができ
る。このようにすると、本発明を従来より使用されてい
る膜厚測定装置にも容易に応用することが可能となるた
め好ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る膜厚測定装置によれば、膜
厚を計算する際に必要となるデータの波長範囲を示す計
算範囲像が画面上で反射光の干渉スペクトルを表わすグ
ラフに重畳して表示されるため、使用者は目視により容
易に計算範囲内のグラフの波形を観察し、該波形を判定
することができる。また、計算範囲設定手段を操作して
再計算のための新たな計算範囲を設定するに際しては、
画像表示手段に表示された計算範囲像を目視により確認
しながら計算範囲を設定することができるため、グラフ
の整った波形を有する部分を適切に含むような計算範囲
を容易に設定することができる。
【0013】
【実施例】本発明に係る膜厚測定装置の一実施例を図1
及び図2を参照しながら説明する。
【0014】まず、図1を参照しながら本実施例の膜厚
測定装置の構成について説明する。本実施例の膜厚測定
装置は、分光光度計10、パーソナル・コンピュータ等
からなるデータ処理装置15、CRT等からなる表示装
置14、マウス16、及びキーボード17からなる。表
示装置14、マウス16、及びキーボード17はデータ
処理装置15に接続されている。上記分光光度計10
は、薄膜試料に測定光を照射し、薄膜試料からの反射光
の強度(反射率)を測定するための測定部11と、測定
部11の動作を制御するとともに測定部11からの検出
信号を受けてこれをデジタルデータに変換する測定制御
部12からなる。測定制御部12はデータ処理装置15
に接続されている。
【0015】上記膜厚測定装置の動作について述べる。
まず、試料の測定時において、測定部11からの検出信
号は測定制御部12により反射率を示すデータに変換さ
れてデータ処理装置15へ入力される。データ処理装置
15は入力されたデータを順次メモリに格納する。次
に、膜厚測定時においては、データ処理装置15はメモ
リに格納されたデータを読み出して、そのデータ(反射
光の干渉スペクトル)を表わすグラフを表示するための
画像データを生成し、その画像データを表示装置14に
出力する。これにより、表示装置の画面上には波長と反
射率との関係を表わすグラフが表示される。
【0016】図2は表示装置14の画面を示す図であ
る。この図において、符号20は反射光の干渉スペクト
ルを表わすグラフを、また符号22はマウスカーソルを
示す。範囲設定バー24s及び24eは、膜厚を計算す
るための基礎となるデータの波長範囲(計算範囲)を示
すものであり、図2では範囲設定バー24sの位置が計
算範囲の最大波長に、また範囲設定バー24eの位置が
計算範囲の最小波長に、それぞれ対応している。範囲設
定バー24s及び24eにより示された波長の値は画面
左下の「計算範囲」の欄28に表示されている。なお、
このような画面を構成するに際しては、例えばMS−W
indows(米国マイクロソフト社の登録商標)等の
コンピュータ・ソフトウェアが好適に利用できる。
【0017】反射率の測定が終了した後、最初にグラフ
20が表示された時点では、範囲設定バー24s及び2
4eは、予め設定された計算範囲(デフォルト計算範
囲)を示すような位置に表示されている。そしてデータ
処理装置15は、まずこのデフォルト計算範囲に含まれ
るデータを用いて膜厚を計算し、その値を表示装置14
の画面上の所定位置(図2では符号26の位置)に表示
する。もし上記計算範囲に含まれるグラフ20が整った
波形を有していない場合、使用者はマウス16を操作し
てマウスカーソル22により範囲設定バー24s又は2
4eを把持し(図2の符号22s又は22e)、範囲設
定バー24s又は24eの位置を変更して、計算範囲内
にグラフ20の整った波形を有する部分が含まれるよう
にする。こうして計算範囲を再設定した後に、マウスカ
ーソル22を「再計算」の欄30内へ移動させてマウス
16のボタンをクリックし、データ処理装置15に再計
算を指示すると、データ処理装置15は画面上の範囲設
定バー24s及び24eが示す計算範囲に含まれるデー
タをメモリから読み出し、これを用いて膜厚を再計算
し、計算結果を表示装置14に表示する。
【0018】なお、上記においては入力装置としてマウ
ス16を使用したが、キーボード17からの数値入力に
よっても範囲設定バー24s及び24eの位置を変更で
きるような構成とすることももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る膜厚測定装置の一実施例の構成
図。
【図2】 表示装置の画面を示す図。
【図3】 膜厚測定の原理を説明するための図。
【図4】 反射光の干渉スペクトルを表わすグラフの一
例を示す図。
【図5】 ピーク数と波長の逆数との関係を示す図。
【図6】 膜厚測定の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…分光光度計 11…測定部 12…測定制御部 14…表示装置 15…データ処理装置 16…マウス 17…キーボード 20…グラフ 22…マウスカーソル 24s、24e…範囲設定バー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜試料に照射する測定光の波長を変化
    させながら該薄膜試料からの反射光の強度を測定して該
    反射光の干渉スペクトルを生成し、この干渉スペクトル
    に基づいて膜厚を算出する膜厚測定装置であって、 a)画像表示手段と、 b)反射光の干渉スペクトルを表わすグラフの画像データ
    を生成して該画像データを上記画像表示手段へ出力する
    グラフ生成手段と、 c)上記反射光の干渉スペクトルのデータのうち膜厚を計
    算するための基礎とされるデータの波長範囲を設定又は
    変更するための計算範囲設定手段と、 d)上記計算範囲設定手段により設定又は変更された波長
    範囲を示す画像の画像データを生成して上記グラフの画
    像データに重畳する計算範囲表示手段と、を備えること
    を特徴とする膜厚測定装置。
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