JPH09323365A - ガス燃料タンク及びその成形方法 - Google Patents

ガス燃料タンク及びその成形方法

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JPH09323365A
JPH09323365A JP8144585A JP14458596A JPH09323365A JP H09323365 A JPH09323365 A JP H09323365A JP 8144585 A JP8144585 A JP 8144585A JP 14458596 A JP14458596 A JP 14458596A JP H09323365 A JPH09323365 A JP H09323365A
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container
resin
gas fuel
metal
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JP8144585A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Takimoto
和寿 滝本
Yoshifumi Kato
祥文 加藤
Yasumi Miyashita
康己 宮下
Shinya Suzuki
伸也 鈴木
Eiji Kishi
英治 岸
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車載等、軽量化と耐久性が要求されるガス燃
料タンクとその成形方法を提供する。 【解決手段】 FRP製の容器外郭7の内壁表面に金属
又は樹脂によるガス透過に対する保護膜が形成されただ
けのガス燃料タンクとし、上記容器外郭7の内壁形状を
なす中子部材2を、強化繊維に含浸され硬化後の母材樹
脂の劣化温度より低融点の金属等にて形成し、母材を硬
化させた後に金属等を溶出して乾燥させることにより、
母材が金属等に吸湿する状態を経ることがないようにし
て、容器外郭7の劣化を防止し、ライナレス化による軽
量化と耐久性を確保するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維複合材料
だけで容器外郭を形成して軽量化と耐久性が得られるよ
うにしたライナレス構造のガス燃料タンク及びその成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両搭載用等、軽量化と耐久性が
要求されるガス燃料タンクの開発が進められており、金
属材料を用いず、軽量性、強靱性に優れた繊維強化プラ
スチック(以下、FRPという)、樹脂又はこれらの結
合だけで容器外郭を形成する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FRPだけ
で容器外郭が形成されたガス燃料タンクは、充填された
ガス燃料に含まれる水分や不純物が強化繊維の母材樹脂
を改質させ、FRP製容器外郭の内壁表面を劣化させる
ことが問題となる。また、FRP製容器外郭は、母材樹
脂を含浸させた強化繊維をタンク内壁形状に成形した中
子部材としてのマンドレルに巻付けて成形を行うが、マ
ンドレルは中子として後に溶出できなければならないた
め、マンドレルに溶出処理が簡単な水溶性の材料を用い
ると、硬化直後の母材樹脂が吸湿し、その吸湿部分のF
RPを改質して劣化させてしまうという問題がある。
【0004】このため、FRP製容器外郭の成形方法を
開示した特開平4−12827号公報には、円周方向に
分割可能な棒状マンドレルにタンク内壁形状に耐熱繊維
を巻き付け、更にその上に強化繊維の母材樹脂の吸湿を
防止するテープを巻付けた後、容器外郭となる強化繊維
をフィラメントワインティング法で外装し、成形後に上
記テープ及び耐熱繊維を巻きほぐしタンク内壁形状を形
成する方法が記述されている。
【0005】しかし、上記公報の成形方法によるガス燃
料タンクは、タンク内壁形状に耐熱繊維を巻付け、更に
吸湿防止用のテープを巻付け、成形後にこれらを巻取り
除去するという複雑な製造過程を採るうえ、補強用ライ
ナを設けないライナレス構造となるため、充填されたガ
ス燃料がFRP製容器外郭の内壁表面を劣化させるとい
う問題が残る。
【0006】本発明は容器外郭がFRPだけで形成され
たライナレス構造のガス燃料タンクにおいて、充填され
たガス燃料中の水分や不純物によるFRP製容器外郭の
劣化を防止し得るとともに、溶出により中子を除去して
もFRPの吸湿を防止するような製造過程を採ることな
くFRPの改質を回避して成形できるガス燃料タンク及
びその成形方法を提供することを解決すべき課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく種
々検討を重ね、FRPだけで形成された容器外郭の内壁
表面にガス燃料中の水分や不純物の浸透を防止する保護
膜を設けることにより、充填されたガス燃料により容器
外郭が劣化されるという問題を解決できることを確認し
た。
【0008】また、タンク内壁形状に成形する中子部材
の材料として硬化後の母材樹脂の劣化温度より低融点の
金属を用いることにより、また、中子部材の材料として
水溶性樹脂を用いる場合は、該水溶性樹脂の溶出後にF
RP製容器外郭内を強制乾燥することにより、成形時に
母材樹脂が吸湿するという問題を解決できることを確認
した。
【0009】すなわち、請求項1に記載のガス燃料タン
クの成形方法は、溶出により中子部材を除去した後、容
器外郭の内壁表面に保護膜を形成する被膜工程をもつの
で、、充填されたガス燃料によるFRP製容器外郭の劣
化を防止した軽量で耐久性の良いガス燃料タンクを製造
できる。また、請求項8に記載のガス燃料タンクは、容
器外郭がFRPだけで形成され、軽量性と耐久性を備え
るとともに、容器外郭の内壁表面に形成された保護膜に
よってガス燃料によるFRP製容器外郭の劣化を防止す
ることができる。
【0010】また、請求項2に記載のガス燃料タンクの
成形方法は、硬化された母材樹脂が劣化する温度以下の
低融点金属でタンク内壁形状の中子部材が形成され、該
母材樹脂が劣化する温度以下の低温度で加熱するだけで
中子部材が溶出し、構造的に母材樹脂が吸湿する状態を
経ずに中子部材を除去できてFRP製容器外郭の改質を
未然に防止している。
【0011】また、請求項3に記載のガス燃料タンクの
成形方法は、水溶性樹脂で形成された中子部材を水等を
用いて簡単に溶出除去することができ、その後、FRP
製容器外郭の内側を強制乾燥させるだけで吸湿を回避し
てFRP製容器外郭が成形される。これによっても、中
子溶出後にFRP製容器外郭を強制乾燥させ、母材樹脂
が溶出用の水等によって吸湿する状態を経ず、FRP製
容器外郭の改質が未然に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の成形方法に係る第1実施
形態は、容器外郭材となる強化繊維に含浸された母材樹
脂の硬化後の劣化温度より低温度で溶ける低融点金属で
タンク内壁形状を有する中子部材を予め形成する工程
と、この低融点金属製の中子部材を棒状マンドレルに保
持する準備工程と、上記中子部材の表面にフィラメント
ワインディング法によって巻付ける巻付け工程と、上記
母材樹脂を加熱して容器外郭を成形する硬化工程と、上
記容器外郭より上記棒状マンドレルを抜去するととも
に、内部の中子部材を上記劣化温度より低温度で加熱し
て溶出する溶出工程と、上記中子部材が除去された上記
容器外郭の内壁表面に金属の保護膜を無電解メッキ法に
より形成する被膜工程とを有することを特徴とする(請
求項1、2、4)。
【0013】上記第1実施形態の成形方法では、棒状マ
ンドレルにタンク内壁形状を有する低融点金属製の中子
部材が保持され、該中子部材の表面にフィラメントワイ
ンディング法によって母材樹脂を含浸させた強化繊維が
巻装される。この巻装された強化繊維を加熱して母材樹
脂を硬化後、該母材樹脂の劣化温度より低い温度で中子
部材を加熱すると、棒状マンドレルが抜去された一方の
開口部より低融点金属が溶出し、FRPだけで形成され
た容器外郭が得られる。こうして形成された容器外郭
は、中子部材が金属のため、構造的に母材樹脂が成形時
に吸湿する現象を生じない。
【0014】また、中子部材が除去された容器外郭の一
方の開口部を封栓し、エッチング液によって内壁表面を
表面処理後(エッチング処理後)、他方の開口部よりメ
ッキ液を充填して無電解メッキを進行させることにより
充填ガス燃料によって劣化しない金属の保護膜を形成す
る。本発明の成形方法に係る第2実施形態は、水溶性樹
脂でタンク内壁形状に形成された中子部材を予め形成す
る工程と、該中子部材を棒状マンドレルに保持する準備
工程と、上記中子部材の表面にフィラメントワインディ
ング法によって巻付ける巻付け工程と、上記母材樹脂を
加熱して容器外郭を成形する硬化工程と、上記容器外郭
より上記棒状マンドレルを抜去するとともに、水若しく
は温水を用いて上記中子部材を溶出する溶出工程と、該
中子部材が除去された容器外郭の内壁表面を乾燥する乾
燥工程と、乾燥後の上記容器外郭の内壁表面に保護膜を
形成する被膜工程とを有することを特徴とする(請求項
1、3)。
【0015】この第2実施形態では、棒状マンドレルに
タンク内壁形状を有する水溶性樹脂製の中子部材が保持
された後、該中子部材の表面にフィラメントワインディ
ング法によって母材樹脂を含浸させた強化繊維が巻装さ
れる。この水溶性樹脂で形成された中子部材は、硬化工
程後の棒状マンドレルが抜去された容器外郭の一方の開
口部より水等を流して他方の開口部より溶出する。その
後、FRP製容器外郭の内側を強制乾燥させることによ
り、強化繊維の母材樹脂が水溶性樹脂の中子部材に吸湿
する状態を経ずに中子部材が溶出しFRP製容器外郭の
改質を回避することができる。
【0016】上記第1及び第2実施形態において、被膜
工程は、金属フィラーを母材樹脂に予め混入した強化繊
維を中子部材の表面に巻付け、中子部材を除去した後、
電解メッキすることにより、上記金属フィラー上に充填
ガス燃料によって劣化しない金属を表出させることがで
きる(請求項5)。この場合、電気メッキはクロムメッ
キ、ニッケルメッキ、鉄メッキ、アルミニウムメッキを
用いることができる。
【0017】上記第1及び第2実施形態において、被膜
工程は、上記保護膜を予め上記中子部材の表面に被装
し、該中子部材の溶出によって該保護膜をタンク内壁に
残留させることにより形成することができる(請求項
6)。また、上記第1及び第2実施形態において、被膜
工程は、上記保護膜を上記巻付け工程の際、上記中子部
材の表面側に巻付けられる巻始めの強化繊維に該保護膜
となるガス透過性の低い樹脂を予め含浸させておくこと
により形成することができる(請求項7)。
【0018】上記請求項6、7に係る実施形態では、中
子部材を除去した後に保護膜を形成する工程が不要とな
り、成形工程が簡潔となる。なお、上記請求項6に係る
実施形態において、保護膜は金属でもよい。上記請求項
7の構成によれば、FRPと樹脂だけからガス燃料タン
クを製造できる。
【0019】なお、上記ガス透過性の低い樹脂による保
護膜は、コーティング、塗装等の手段によって乾燥後の
FRP製容器外郭の内壁表面に形成することもできる。
ガス透過性の低い樹脂としては、高密度ポリエチレン、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルア
ルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニ
リデンを用いる。
【0020】本発明のガス燃料タンクの第1実施形態
は、母材樹脂を含浸させた強化繊維を容器形状に配列し
て該母材樹脂が硬化されてなる強化繊維複合材製の容器
外郭と、該容器外郭の内壁表面に形成された金属又は樹
脂による保護膜とを具備することを特徴とする。
【0021】
【実施例】次に図面を参照して本発明の具体的実施例を
説明する。図1〜図6は本発明の第1実施例に係る成形
方法を示し、先ず図1に示すように、棒状マンドレル1
に金型成形した低融点金属製の中子部材2を保持する。
中子部材2はガス充填用の口金部分となる一方の開口部
に口金側ボス3が嵌合され、封栓される一方の開口部に
封栓側ボス4が嵌合された内部がタンク内壁形状の空洞
を有した筒体をなしている。そして上記各ボス3、4の
孔に棒状マンドレル1を挿通して固定することにより中
子部材2が棒状マンドレル1に保持される。
【0022】中子部材2を構成する金属は、後の強化繊
維に含浸される母材樹脂が硬化後の劣化温度より低融点
の金属、例えばSn(42重量%)、Bi(58重量
%)の合金であるが、母材樹脂の種類に応じてPb、I
n、Cd、Ag、Sb、Zn等を選択的に混合した合金
を用いることができる。次に図2に示すように、エポキ
シ樹脂(母材樹脂)を含浸させたカーボン繊維(強化繊
維)を、棒状マンドレル1に保持された中子部材2の表
面にフィラメントワインディング機によってフープ巻
き、ヘリカル巻きを併用して巻付ける。上記強化繊維
は、カーボン繊維以外に、ガラス繊維、アラミド繊維、
アルミナ繊維、ポリエチレン繊維、シリコンカーバイト
繊維、ボロン繊維の一つを用いることができる。これら
のうち比重、引っ張り強度、伸度で優れるのは、アラミ
ド繊維、ポリエチレン繊維であり、軽量化、耐久性が良
くガス充填時の変形が少ない。
【0023】母材樹脂は、エポキシ樹脂以外に、不飽和
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイド樹脂
等の熱硬化性樹脂、高密度ポリエチレン、ナイロン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、エ
チレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン等の
熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0024】この巻付け工程の後、図3に示すように、
中子部材2の低融点金属の融点より低い温度(例えば8
0°C)にヒータ6の加熱温度を設定して、エポキシ樹
脂を硬化させ、FRP製容器外郭7を成形する。この
後、ヒータ6の加熱温度を硬化したエポキシ樹脂が劣化
する温度より低く、低融点金属の融点より高い温度例え
ば120°Cに高めて、中子部材2を溶出させる。な
お、棒状マンドレル1の抜去は、中子部材2を溶出させ
る過程で同時に行っても、溶出前に抜去してもよい。ま
た、ヒータ6を棒状に構成して容器外郭内へ挿入し、直
接に中子部材2を加熱してもよい。
【0025】次に図4に示すように、棒状のエアガン8
の先端側を一方のボス4の開口より挿入し、乾燥空気を
容器外郭7の内壁表面に吹きかけ、乾燥させる。乾燥空
気は温風でももよい。次に図5に示すように、他方のボ
ス3の開口を底止め12で封止し、一方のボス4の開口
よりメッキ液を容器外郭7内に充填して保護膜としての
金属膜9(図6)を形成する。この被膜工程は、メッキ
液を充填する前にパラジウム水溶液によって容器外郭7
の内壁表面を表面処理(エッチング)し、その後、ニッ
ケル水溶液11を充填して無電解メッキを進行させる。
ニッケル水溶液の他、鉄水溶液、銅水溶液でもかまわな
い。ただし銅の無電解メッキの場合、後にCr、Ni、
Fe、Al等の電気メッキを行う。
【0026】上記無電解メッキの完了後、容器外郭7を
水洗いして内壁表面に金属膜9が形成され、FRPだけ
で容器外郭7が形成されたガス燃料タンク10が完成す
る。この第1実施例の成形方法では、強化繊維5の母材
樹脂が硬化した後に、該硬化後の母材樹脂の劣化温度以
下で低融点金属の中子部材2を溶出している。これによ
り、構造的に母材樹脂が吸湿する状態を経ずに、中子部
材2が溶出し、容器外郭7の改質の問題を未然に解決し
ている。
【0027】また、中子部材2を除去した後、容器外郭
7の内壁表面にガス成分を透過しない金属膜9を形成し
ており、充填されるガス燃料によっても容器外郭7が劣
化する問題を解決している。次に本発明の第2実施例に
係る成形方法を図7〜図9等に従って説明する。この第
2実施例は上記低融点金属の代わりに水溶性樹脂による
中子部材13を棒状マンドレル1にボス3、4を介して
保持する。中子部材13は例えばブロー成形法、インジ
ェクション成形法、回転成形法、金型成形法等により予
め形成する。水溶性樹脂には、ポリビニルアルコール、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合
体、ポリエチレンイミン、水溶性アルキッドの一つを用
いることができる。
【0028】次に母材樹脂を含浸させた強化繊維を上記
水溶性樹脂による中子部材13に巻装する巻付け工程
は、第1実施例と同じでフィラメントワインディンク法
により成形する(図2)。成形後、加熱して図8に示す
ように、水溶性樹脂性の中子部材13の表面に容器外郭
7を形成する。続いて一方のボス4の開口より棒状の噴
射ノズル14を挿入し、温水を中子部材13に吹付け、
水溶性樹脂を溶出する。溶出後は、FRP製容器外郭7
に各ボス3、4が付加されただけのタンクとなり、この
容器外郭7に、図4と同じように、棒状のエアガン8の
先端側をボス4の開口より挿入し、温風乾燥空気を容器
外郭7の内壁表面に吹きかけ乾燥させる(図9)。この
乾燥工程の意味は、溶出工程で完全に水溶性樹脂を排出
した容器外郭7を乾燥することにより、母材樹脂の改質
を防止することにある。
【0029】こうして第1実施例と同様の容器外郭7だ
けを形成することができる。この後の工程は、第1実施
例における図5と同じで、容器外郭7の内壁表面へのメ
ッキ処理による保護膜(金属膜9)を形成し、本ガス燃
料タンクを完成する。この第2実施例では、中子部材1
3を水溶性樹脂で形成しても、この水溶性樹脂を水で除
去した後、乾燥工程によりFRP製容器外郭7の内側を
強制乾燥させることにより、母材樹脂の吸湿を防止し、
FRP製容器外郭7の改質を確実に回避することができ
る。
【0030】各実施例により形成されるガス燃料タンク
は、FRP製の容器外郭の内壁表面に金属又は樹脂によ
るガス透過を防止した保護膜が形成され、充填ガスによ
る容器外郭の劣化を防止する。本発明のガス燃料タンク
及び形成方法は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で別
項で述べたような種々の変形が可能であるとともに、従
来製品のように、樹脂や金属による補強用ライナをもた
ないため、一層の軽量化が達成されるとともに、同じサ
イズと比較して内容積を広くできる効果もある。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、FR
Pで形成された容器外郭中の母材樹脂が成形工程に起因
して劣化する現象を確実に防止するとともに、充填ガス
による劣化も確実に防止でき、軽量性、耐久性に優れた
ガス燃料タンクを簡潔な工程で量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る準備工程を示す説
明図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る巻付け工程を示す
説明図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係る硬化工程及び溶出
工程を示す説明図である。
【図4】 本発明の第1実施例に係る乾燥工程を示す説
明図である。
【図5】 本発明の第1実施例に係る被膜工程を示す説
明図である。
【図6】 本発明のガス燃料タンクを示す概略的に示す
断面図である。
【図7】 本発明の第2実施例に係る準備工程を示す説
明図である。
【図8】 本発明の第2実施例に係る溶出工程を示す説
明図である。
【図9】 本発明の第2実施例に係る乾燥工程を示す説
明図である。
【符号の説明】
1は棒状マンドレル、2、13は中子部材、3、4はボ
ス、5は強化繊維、6はヒータ、7は容器外郭、8はエ
アガン、9は金属膜(保護膜)、10はガス燃料タン
ク、11はニッケル水溶液、12は底止めであり、各図
で同一又は同等の要素には共通の符号を付す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 22:00 (72)発明者 鈴木 伸也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 岸 英治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めタンク内壁形状に成形した溶出性を
    有する中子部材を棒状マンドレルに保持する準備工程
    と、 該中子部材の表面に母材樹脂を含浸させた強化繊維をフ
    ィラメントワインディング法によって巻付ける巻付け工
    程と、 前記母材樹脂を加熱して容器外郭を成形する硬化工程
    と、 前記容器外郭より前記棒状マンドレルを抜去するととも
    に、内部の中子部材を溶出する溶出工程と、 前記中子部材が除去された前記容器外郭の内壁表面に保
    護膜を形成する被膜工程とを有するガス燃料タンクの成
    形方法。
  2. 【請求項2】 前記中子部材は前記硬化された母材樹脂
    が劣化する温度以下で溶出する低融点金属にて形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のガス燃料タンク
    の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記中子部材が水溶性樹脂であり、前記
    溶出工程終了後、前記内壁表面を強制的に乾燥させる工
    程を含む請求項1記載のガス燃料タンクの成形方法。
  4. 【請求項4】 前記保護膜は金属であり、該金属の溶液
    を前記棒状マンドレルが抜去された容器外郭の一方の開
    口部より充填し、無電解メッキにより形成したことを特
    徴とする請求項1、2又は3記載のガス燃料タンクの成
    形方法。
  5. 【請求項5】 前記保護膜は金属であり、前記母材樹脂
    に予め金属フィラーを混入させ、電解メッキにより形成
    したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のガス燃
    料タンクの成形方法。
  6. 【請求項6】 前記保護膜を予め前記中子部材の表面に
    被装し、該中子部材の溶出によって該保護膜をタンク内
    壁に残留させることを特徴とするガス燃料タンクの成形
    方法。
  7. 【請求項7】 前記保護膜は前記巻付け工程の際、前記
    中子部材の表面側に巻付けられる巻始めの強化繊維に該
    保護膜となるガス透過性の低い樹脂を予め含浸させてお
    くことを特徴とするガス燃料タンクの成形方法。
  8. 【請求項8】 母材樹脂を含浸させた強化繊維を容器形
    状に巻装して該母材樹脂が硬化されてなる強化繊維複合
    材製の容器外郭と、該容器外郭の内壁表面に形成された
    金属又は樹脂による保護膜とを具備することを特徴とす
    るガス燃料タンク。
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