JPH09323040A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒及びその製造方法

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JPH09323040A
JPH09323040A JP8144095A JP14409596A JPH09323040A JP H09323040 A JPH09323040 A JP H09323040A JP 8144095 A JP8144095 A JP 8144095A JP 14409596 A JP14409596 A JP 14409596A JP H09323040 A JPH09323040 A JP H09323040A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温活性と浄化性能が向上し、自動車の排気
ガス浄化用触媒として優れた触媒活性を有す排気ガス浄
化用触媒及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 触媒成分担持層を有する一体構造型触媒
であって、触媒成分として少なくともパラジウムと金属
アルミネート粉末とを含み、該金属アルミネート粉末
が、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれ
た少なくとも一種を含有する。また、前記金属アルミネ
ートが、更に、セリウム及びジルコニウムからなる群よ
り選ばれた少なくとも一種を含有する。その製造方法
は、微粒子アルミナ水和物コロイドとコバルト、ニッケ
ル及び亜鉛のうち少なくとも一種の水溶性塩を水に溶解
又は分散させ後、必要に応じてアンモニア水、炭酸アン
モニウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群より選ば
れた少なくとも一種の水溶液を加えてpH7.0〜9.
0の範囲になるように調整した後、水分を除去して乾燥
し、次いで焼成して得る。更に、上記触媒成分担持層を
有する一体構造型触媒に、少なくともロジウムとアルミ
ナを含む触媒成分を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化用触
媒及びその製造方法に関し、特に、自動車等の内燃機関
から排出される排気ガス中の炭化水素(以下、「HC」
と称す)、一酸化炭素(以下、「CO」と称す)及び窒
素酸化物(以下、「NOx 」と称す)を低温においても
有効に浄化することができる低温活性に優れ、酸化雰囲
気、還元雰囲気及び理論空燃比等の全ての排気ガス組成
雰囲気下において触媒活性に優れる排気ガス浄化用触媒
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関始動直後から触媒温
度が排気ガス浄化用反応温度に達するまでの低温期間
は、排気ガスの浄化能が十分でないため、低温から排気
ガス浄化反応を開始する排気ガス浄化用触媒の開発が期
待されている。
【0003】かかる排気ガス浄化用触媒としては、例え
ば、特公昭58−20307号公報、特開平5−305
236号公報及び特開平6−378号公報等に開示され
ているものがある。特公昭58−20307号公報に記
載された排気ガス浄化用触媒は、白金、ロジウム及びセ
リウムからなる組成物を耐火性担体に担持させたもので
あり、具体的にはアルミナや酸化セリウム等に、白金、
パラジウム及びロジウム等の白金族元素を担持させ、こ
れをモノリス担体にコーティングした構造のものであ
る。
【0004】また特開平5−305236号公報には、
貴金属を含まないヘキサアルミネートを白金、ロジウ
ム、パラジウム等の貴金属担持アルミナに混成分散させ
た排気ガス浄化用触媒が開示されており、具体的には一
定の組成を有するヘキサアルミネート組成物と、白金、
ロジウム、パラジウムからなる群から選ばれた少なくと
も一種の貴金属を担持したアルミナを一定の重量比で混
成したものである。
【0005】特開平6−378号公報には、活性アルミ
ナと酸化セリウムに、触媒成分として白金とパラジウム
のうち少なくとも一種と、塩基性元素であるカリウム、
セシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物が担持された排
気ガス浄化用触媒が提案されている。換言すれば、当該
触媒は、白金族元素、活性アルミナ、酸化セリウム等の
従来から触媒成分として使用されているものに加え、塩
基性元素であるカリウム化合物、セシウム化合物、スト
ロンチウム化合物及びバリウム化合物のうち少なくとも
一種類を組み合わせてなるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報中に
記載された従来の触媒は、低温から充分な触媒活性を得
るために、資源的に豊富でなく価格も高価な白金、ロジ
ウム等の貴金属を多量に使用している。従って、貴金属
の中でも比較的安価なパラジウムを使用し、高価な貴金
属の使用量が少なくとも充分な排気ガス浄化能力を有す
る触媒、あるいは、ロジウムを使用する場合でもその使
用量を極力少なくした排気ガス浄化用触媒の開発が期待
されている。しかし、パラジウムを単独で使用した場
合、排気ガスが還元雰囲気になると浄化能力が低下した
り、パラジウム量を低減すると低温活性や浄化性能その
ものが悪化するという問題点があった。
【0007】更に、排気ガス浄化用触媒は、酸化雰囲
気、還元雰囲気及び理論空燃比等の、幅広く組成が変動
する自動車の排気ガスを、低温域から高温域までの広い
温度範囲で、しかも高い浄化率で処理しなければならな
い。
【0008】しかし、パラジウムによる排気ガス浄化に
おいては、エンジン始動直後の低温時や、炭化水素濃度
が高く酸素濃度が低い還元雰囲気では、炭化水素の一部
が浄化されずに残り、残存した炭化水素がパラジウム上
に強吸着して活性が低下あるいは活性点が減少し、その
結果浄化性能が低下し、また、酸素濃度が高く炭化水素
濃度が低い酸化雰囲気では、パラジウム上に酸素が吸着
し窒素酸化物が吸着し難くなり、窒素酸化物の浄化性能
が大きく低下するという欠点があった。また、排気ガス
触媒中のパラジウム量を低減した場合には、上記影響が
顕著に現れ、更に浄化性能が低下するという問題点もあ
った。
【0009】従って、本発明の目的は、従来の触媒より
も貴金属使用量を大幅に低減しても、自動車の酸化雰囲
気、還元雰囲気及び理論空燃比等の全ての排気組成雰囲
気下で優れた低温活性と優れた触媒活性とを有する排気
ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記課題を
解決するために研究した結果、触媒成分担持層中にパラ
ジウムと共に、遷移金属元素を一定の組成比率で含むア
ルミナ系複合酸化物を含有させることにより、パラジウ
ムの触媒性能を向上でき、低温域での触媒活性及び全て
の排気ガス組成雰囲気下における浄化性能が著しく向上
することを見出し、本発明に到達した。
【0011】本発明の請求項1記載の排気ガス浄化用触
媒は、触媒成分担持層を有する一体構造型触媒におい
て、触媒成分として少なくともパラジウムと金属アルミ
ネート粉末とを含み、該金属アルミネート粉末が、コバ
ルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なく
とも一種を含有することを特徴とする。
【0012】更に、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒
の高温下での構造安定性及びBET比表面積を高めるた
めに、請求項2記載の排気ガス浄化用触媒は、上記金属
アルミネート粉末が、次の一般式;
【数2】〔X〕a Alb c (式中、Xは、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群
より選ばれた少なくとも一種の元素であり、a,b及び
cは、各元素の原子比率を表し、b=2.0の時、a=
0.1〜0.8、cは上記各成分の原子価を満足するの
に必要な酸素原子数である)で表されるアルミナ系複合
酸化物であることを特徴とする。
【0013】また、請求項1及び2記載の排気ガス浄化
用触媒において、アルミナ系複合酸化物に担持されたパ
ラジウムのシンタリング(粒子成長)を抑制するため
に、請求項3記載の排気ガス浄化用触媒は、上記コバル
ト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくと
も一種を含有するアルミナ系複合酸化物に、更に、セリ
ウム及びジルコニウムからなる群より選ばれた少なくと
も一種を、アルミニウムに対して金属換算で0.1〜5
モル%含有することを特徴とする。
【0014】更に、請求項1〜3いずれかの項記載の排
気ガス浄化用触媒の還元雰囲気における触媒活性をより
高めるために、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒は、
更にランタン、ネオジウム及びジルコニウムからなる群
より選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜40モル
%、セリウムを金属換算で60〜98モル%含むセリウ
ム酸化物が上記排気ガス触媒中に含有されることを特徴
とする。
【0015】更に、請求項1〜4いずれかの項記載の排
気ガス浄化用触媒の低温活性を更に高めるために、請求
項5の排気ガス浄化用触媒は、触媒成分担持層中に含ま
れる、全パラジウム量のうち金属換算で30重量%〜8
0重量%のパラジウムが、アルミナ系複合酸化物に含有
されることを特徴とする。
【0016】更に、請求項1〜5いずれかの項記載の排
気ガス浄化用触媒の低温活性及び還元(酸素不足)雰囲
気下における触媒活性を更に高めるため、請求項6記載
の排気ガス浄化用触媒は、更にアルカリ金属及びアルカ
リ土類金属からなる群より選ばれた少なくとも一種が上
記排気ガス触媒中に含有されることを特徴とする。
【0017】更に、請求項1〜6いずれかの項記載の排
気ガス浄化用触媒の低温活性を更に高めるために、請求
項7記載の排気ガス浄化用触媒は、更にロジウムとアル
ミナ粉末が上記排気ガス触媒中に含有されることが好ま
しい。
【0018】更に、請求項7記載の排気ガス浄化用触媒
の還元(酸素不足)雰囲気下における触媒活性を更に高
めるために、請求項8記載の排気ガス浄化用触媒は、更
にランタン、ネオジウム及びセリウムからなる群より選
ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜40モル%、ジ
ルコニウムを金属換算で60〜98モル%含むジルコニ
ウム酸化物が上記排気ガス触媒中に含有されることが好
ましい。
【0019】更に、請求項7及び8記載の排気ガス浄化
用触媒において、パラジウムとロジウムの触媒活性を更
に高めるために、請求項9記載の排気ガス浄化用触媒
は、更にロジウム含有層を、パラジウムと同一層及び/
又はパラジウム含有層の上部に配置することを特徴とす
る。
【0020】更に、請求項10項記載の排気ガス浄化用
触媒は、請求項1又は2記載のアルミナ系複合酸化物を
製造するにあたり、微粒子アルミナ水和物コロイド(以
下、「アルミナゾル」と称す)と、コバルト、ニッケル
及び亜鉛のうち少なくとも一種の水溶性塩を水に溶解又
は分散させた後、水分を除去して乾燥し、次いで焼成し
て得ることを特徴とする。
【0021】更に、請求項11記載の排気ガス浄化用触
媒は、請求項1又は2記載のアルミナ系複合酸化物を製
造するにあたり、アルミナゾルのうち少なくとも一種
と、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれ
た少なくとも一種の水溶性塩を水に溶解又は分散させた
後、アンモニア水、炭酸アンモニウム及び炭酸アンモニ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の水溶液を
加え、pHを7.0〜9.0の範囲になるように調整し
た後、水分を除去して乾燥し、次いで焼成して得ことを
特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の排気ガス浄化用触媒の触
媒成分担持層に少なくとも含有される貴金属には、パラ
ジウムがある。当該パラジウムの含有量は、触媒1L容
量中0.1〜20g/Lである。0.1g未満では低温
活性や浄化性能が十分に発揮されず、逆に20gを越え
てもパラジウムの分散性が悪くなり、触媒性能は顕著に
向上せず、経済的にも有効でない。
【0023】前記パラジウムが担持される基材として
は、パラジウムの触媒性能を向上させるために、金属ア
ルミネート、特にアルミナ系複合酸化物が適切である。
パラジウムの低温活性と浄化性能(特に、酸素不足雰囲
気及び理論空燃比近傍でのNO x 定常転換性能)を高め
るために、上記アルミナ系複合酸化物にはコバルト、ニ
ッケル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種
が含有される。かかるアルミナ系複合酸化物の使用量
は、触媒1Lあたり、10〜200gである。10g未
満だとアルミナ系複合酸化物がパラジウムを活性化する
という充分な触媒性能改良効果が得られず、また、20
0gを越えても前記触媒性能改良効果が飽和若しくは逆
に触媒性能の低下が見られる。
【0024】アルミナ系複合酸化物粉末にパラジウムを
担持させることにより、コバルト、ニッケル及び亜鉛か
らなる群より選ばれた少なくとも一種を含有するアルミ
ナ系複合酸化物粉末とパラジウムが密に接し、アルミナ
系複合酸化物中の格子酸素や表面の吸着酸素がパラジウ
ムを介して移動・放出され易くなり、パラジウムの低温
活性を向上させることとなる。また、アルミナ系複合酸
化物に固溶しているコバルト、ニッケル及び亜鉛からな
る群より選ばれた少なくとも一種の元素が、NOx 等の
吸着活性点として有効に機能し、酸素不足雰囲気及び理
論空燃比近傍でのパラジウムの触媒性能を向上させるこ
ととなる。
【0025】また、請求項2記載の排気ガス浄化用触媒
は、請求項1記載の排気ガス浄化用触媒の触媒成分中の
金属アルミネートの組成が、上記〔X〕a Alb c
中、b=2.0のときa=0.1〜0.8のものであ
る。a=0.1未満では、アルミナ系複合酸化物に添加
しているCo,Ni及びZnならなる群より選ばれた遷
移金属元素の作用が小さく、充分な改良効果が得られ
ず、アルミナ(Al2 3 )と変わらない。また、a=
0.8を越えると、アルミナ系複合酸化物のBET比表
面積及び高温下での構造安定性が低下するため、貴金属
の分散性が悪く、初期において充分な性能が得られなか
ったり、耐久中に貴金属のシンタリングを促進し、逆に
耐久後の性能が悪化する。
【0026】このように、特定の組成比のアルミナ系複
合酸化物とすることにより、量論比の金属アルミネート
(〔X〕1 Al2 4 )と比べて高温での構造安定性や
比表面積が充分であり、添加した元素のアルミナの結晶
構造中に固溶し、表面に酸化物として存在せず、充分な
性能を得ることができる。
【0027】特に、請求項3記載の排気ガス浄化用触媒
は、請求項1又は2記載の排気ガス浄化用触媒中のアル
ミナ系複合酸化物に、更にセリウム及びジルコニウムか
らなる群より選ばれた少なくとも一種を、アルミニウム
に対して金属換算で0.1〜5モル%含有するものであ
る。0.1〜5モル%としたのは、パラジウムとアルミ
ナ系複合酸化物との相互作用に起因する触媒性能改良効
果を維持したまま、更にアルミナ系複合酸化物にパラジ
ウムのシンタリング抑制作用を付加するためである。
0.1モル%未満では、アルミナ系複合酸化物のみの場
合と変わらず、Ce及び/又はZrの添加効果が現れ
ず、また、5モル%を越えると、上記添加元素がアルミ
ナ系複合酸化物表面を被覆してしまい、パラジウムに対
して助触媒作用を担うNOx 吸着活性化点の機能を悪化
させてしまう。
【0028】予めアルミナ系複合酸化物にセリウム及び
ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を
添加することにより、アルミナ系複合酸化物の表面でセ
リウム及び/又はジルコニウムと、パラジウムが密に接
し、パラジウムのシンタリングが抑制され、パラジウム
の耐久性や低温活性を向上させることとなる。
【0029】また、請求項4記載の排気ガス浄化用触媒
は、請求項1から3記載の排気ガス浄化用触媒中の触媒
成分に加えて、更にセリウム酸化物を含有するものであ
る。当該セリウム酸化物は、ランタン、ネオジウム及び
ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の
元素を金属換算で1〜40モル%、セリウムを60〜9
8モル%含有するものである。1〜40モル%としたの
は、セリウム酸化物(CeO2 )にランタン、ネオジウ
ム及びジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも
一種の元素を添加して、セリウム酸化物の酸素吸蔵能や
BET比表面積、熱安定性を顕著に改良するためであ
る。1モル%未満では、セリウム酸化物のみの場合と変
わらず、上記ランタン及び/又はネオジウム及び/又は
ジルコニウム元素の添加効果が現れず、40モル%を越
えるとこの効果が飽和もしくは逆に低下する。
【0030】このように、触媒成分担持層に、更にラン
タン、ネオジウム及びジルコニウムからなる群より選ば
れた少なくとも一種を含むセリウム酸化物が含有される
ことにより、酸素吸蔵能の高いセリウム酸化物が還元
(酸素不足)雰囲気及び理論空燃比近傍で格子酸素や吸
着酸素を放出し、パラジウムの酸化状態を排気ガスの浄
化に適したものとするため、パラジウムの還元に起因す
る触媒能の低下を抑制できる。また、触媒成分担持層中
で上記アルミナ系複合酸化物とも接触することにより、
アルミナ系複合酸化物の還元に起因する触媒能の低下も
抑制できる。
【0031】また、請求項5記載の排気ガス浄化用触媒
は、請求項1〜4記載の排気ガス浄化用触媒中の触媒成
分において、全パラジウム量のうち金属換算で30〜8
0重量%のパラジウムを、セリウム及びジルコニウムか
らなる群より選ばれた少なくとも一種を含有したアルミ
ナ系複合酸化物粉末に担持するものである。 当該セリ
ウム及びジルコニウムからなる群より選ばれた少なくと
も一種を含有したアルミナ系複合酸化物粉末に担持され
るパラジウム量が30重量%未満では、低温活性改良効
果等が充分発現せず、逆に80重量%を越えても、NO
x 定常転換性能改良効果が飽和し有効でない。
【0032】このように上記触媒成分担持層中に含有さ
れる全パラジウム量のうち、金属換算で30〜80重量
%のパラジウムをアルミナ系複合酸化物に担持させるこ
とにより、パラジウムの低温活性改良効果とNOx 定常
転換性能改良効果を充分に得ることができる。
【0033】また、請求項6記載の排気ガス浄化用触媒
において、使用されるアルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属には、リチウム、カリウム、セリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムが含
まれる。その含有量は触媒1L中1〜40gである。1
g未満では、炭化水素種の吸着被毒やパラジウムのシン
タリングを抑制することができず、40gを越えても有
為な増量効果が得られず逆に性能を悪化させる。
【0034】上記パラジウム、アルミナ系複合酸化物粉
末と、更に必要に応じて添加したセリウム酸化物やアル
カリ金属及び/又はアルカリ土類金属が密に接触するこ
とにより、浄化性能向上効果が得られる。アルカリ金属
及びアルカリ土類金属は、炭化水素の吸着被毒緩和能を
有し、これらを触媒成分担持層に含有させると、パラジ
ウムとシンタリングを抑制し、低温域及び酸素不足雰囲
気での活性をさらに向上させることができる。
【0035】また、請求項7記載の排気ガス浄化用触媒
は、触媒成分担持層中に更にロジウムとアルミナ粉末を
含有することができるものである。ロジウムの含有量
は、触媒1L容量中0.001〜5gであり、0.00
1g未満ではロジウムによる低温活性改良効果が充分に
発揮されず、逆に5gを越えてもロジウムによる低温活
性改良効果が飽和し、有効ではない。
【0036】前記ロジウムが担持される基材としては、
ロジウムの分散性を高め、触媒性能を向上させるため、
ジルコニウムを含有するアルミナが適切である。特に、
高温下でロジウムがアルミナへ固溶するのを抑制し、耐
久性を高めるため、上記アルミナ粉末には、ジルコニウ
ムが金属換算で0.1〜10モル%含有される。ジルコ
ニウムが0.1モル%未満では、アルミナに添加してい
るジルコニウムの改良効果が得られず、Al2 3 のみ
の場合と変わらず、また、10モル%を越えるとアルミ
ナの比表面積等の物性が低下するため、貴金属の分散性
が悪くなり、充分な性能が得られなくなる。かかるアル
ミナ粉末の使用量は、触媒1Lあたり1〜100gであ
る。1g未満だと充分な貴金属の分散性が得られず、1
00gより多くても顕著な性能向上は見られない。
【0037】ジルコニウムを含有するアルミナ粉末にロ
ジウムを担持した粉末を、前記パラジウム、アルミナ系
複合酸化物粉末、更に必要に応じてセリウム酸化物を含
む触媒成分担持層に含有させることにより、低温活性と
酸素不足雰囲気での浄化性能を更に向上させることがで
きる。
【0038】更に、請求項8記載の排気ガス浄化用触媒
は、請求項7記載の排気ガス浄化用触媒中の触媒成分に
加えて、更にジルコニウム酸化物を含有するものであ
る。当該ジルコニウム酸化物は、ランタン、ネオジウム
及びセリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の
元素を金属換算で1〜40モル%、ジルコニウムを60
〜98モル%含有するものである。1〜40モル%とし
たのは、ジルコニウム酸化物(ZrO2 )にランタン、
ネオジウム及びセリウムからなる群より選ばれた少なく
とも一種の元素を添加して、ジルコニウム酸化物の酸素
吸蔵能やBET比表面積、熱安定性を顕著に改良するた
めである。1モル%未満では、ジルコニウム酸化物のみ
の場合と変わらず、上記ランタン及び/又はネオジウム
及び/又はセリウム元素の添加効果が現れず、40モル
%を越えるとこの効果が飽和もしくは逆に低下する。
【0039】このように上記ジルコニウムを含有するア
ルミナ粉末にロジウムを担持した粉末と、更に必要に応
じてジルコニウムを含有するアルミナ粉末を含む触媒成
分担持層に、更にランタン、ネオジウム及びセリウムか
らなる群より選ばれた少なくとも一種を含むジルコニウ
ム酸化物を含有されることにより、ロジウムの酸化状態
を排気ガスの浄化に適したものとするため、ロジウムの
還元に起因する触媒能の低下を抑制できる。
【0040】更に、請求項9記載の排気ガス浄化用触媒
は、パラジウムとロジウムとの相乗作用を効率よく発現
させるために、ロジウム含有触媒成分層を、パラジウム
含有層と同一層及び/又はパラジウム含有触媒成分層の
上部に配置する。これによりパラジウムとロジウムの触
媒性能を充分に確保することができる。
【0041】更に、請求項10項記載の排気ガス浄化用
触媒は、請求項1又は2記載のアルミナ系複合酸化物を
製造するにあたり、請求項1又は2記載のアルミナ系複
合酸化物を製造するにあたり、微粒子アルミナ水和物コ
ロイド(以下、「アルミナゾル」と称す)と、コバル
ト、ニッケル及び亜鉛のうち少なくとも一種の水溶性塩
を水に溶解又は分散させた後、水分を除去して乾燥し、
次いで焼成して得る。
【0042】アルミナゾルをアルミニウム原料化合物と
して用いることで、アルミニウムの水溶性塩で調製した
アルミナ系複合酸化物に比べ、結晶構造の均一性と耐熱
性を更に向上させることができる。
【0043】更に、請求項11記載の排気ガス浄化用触
媒は、請求項1又は2記載のアルミナ系複合酸化物を製
造するにあたり、アルミナゾルのうち少なくとも一種
と、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれ
た少なくとも一種の水溶性塩を水に溶解又は分散させた
後、アンモニア水、炭酸アンモニウム及び炭酸アンモニ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の水溶液を
加え、pHを7.0〜9.0の範囲になるように調整し
た後、水分を除去して乾燥し、次いで焼成して得る。
【0044】上記アルミナゾルをアルミニウム原料化合
物として用い、更に沈殿法により製造することで、パラ
ジウムを高分散担持するために充分なBET比表面積が
確保できる。
【0045】本発明の排気ガス浄化用触媒の製造に用い
るコバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれた
少なくとも一種と、アルミニウムを含有するアルミナ系
複合酸化物は、前記各元素の硝酸塩、炭酸塩、アンモニ
ウム塩、酢酸塩等及びアルミナゾルを任意に組み合わせ
て製造することができるが、特に水溶性塩とアルミナゾ
ルを使用することが触媒性能を向上させる点から好まし
い。
【0046】前記アルミナ系複合酸化物の調整方法とし
ては特別な方法に限定されず、成分の著しい偏在を伴わ
ない限り、公知の蒸発乾固法、沈殿法、含浸法等の種々
の方法の中から適宜選択して使用することができるが、
上記各元素の原料を水に溶解又は分散させた後、特に、
アンモニア水、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物の
水溶液を沈殿剤として加える沈殿法を用いることが、ア
ルミナ系複合酸化物の充分なBET比表面積と結晶構造
の均一性を確保し、貴金属を均一に分散するため好まし
い。
【0047】本発明の排気ガス浄化用触媒用のアルミナ
系複合酸化物を製造するに際しては、純水にアルミナゾ
ルを加えた分散液に、コバルト、ニッケル及び亜鉛から
なる群より選ばれた少なくとも一種の元素の水溶性塩を
純水に溶解した水溶液を加え攪拌する。この際、各原料
を同時に又は別個に溶解した液を加えても良い。次い
で、この原料混合溶液の水分を除去し、残留物を熱処理
してアルミナ系複合酸化物を得る。
【0048】また、本発明の排気ガス浄化用触媒用のア
ルミナ系複合酸化物を製造するに際しては、純水にアル
ミナゾルを加えた分散液に、コバルト、ニッケル及び亜
鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素の水溶
性塩を純水に溶解した水溶液を加えて攪拌する。この
際、各原料を同時に又は別個に溶解した液を加えても良
い。次いで、この原料混合溶液に、アンモニア水、炭酸
アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群より
選ばれた少なくとも一種の化合物の水溶液を徐々に添加
し、溶液のpHを7.0〜9.0の範囲になるように調
整した後、水分を除去し、残留物を熱処理してもアルミ
ナ系複合酸化物を得られる。
【0049】前記沈殿法に用いる沈殿剤として、上記ア
ンモニア水やアンモニウム化合物を使用すれば、沈殿ケ
ーキの清浄が不十分でも金属元素は残留せず、またアン
モニウム化合物(滴下後は、主として硝酸アンモニウ
ム)が残留しても後の焼成で容易に分解除去することが
できる。更に、硝酸アルミニウムに代わりアルミナゾル
を使用するため、沈殿を乾燥・焼成する際に、原料由来
のNOx や硝酸アンモニウムに対する排ガス・排水処理
が著しく軽減される。
【0050】上記沈殿法を実施するに際しては、溶液の
pHを7.0〜9.0の範囲に調整することにより、各
種金属塩の沈殿物を形成することができる。pHが7.
0より低いと各種元素が充分に沈殿物を形成せず、逆に
pHが9.0より高いと沈殿した成分の一部が再溶解す
ることがある。
【0051】水の除去は、例えば濾過法や蒸発乾固法等
の公知の方法の中から適宜選択して行うことができる。
本発明のアルミナ系複合酸化物を得るための最初の熱処
理は、特に制限されないが、例えば600〜1200℃
の温度範囲で空気及び/又は空気流通下で行うことが好
ましい。
【0052】前記アルミナ系複合酸化物にセリウム及び
ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を
添加する方法としては、例えば含浸法や混練法等の公知
の方法の中から適宜選択して行うことができるが、特
に、含浸法を用いることが好ましい。
【0053】好ましくは、アルミナ系複合酸化物粉末
に、セリウム及びジルコニウムからなる群より選ばれた
少なくとも一種の水溶性塩の水溶液を含浸、乾燥・焼成
することにより、請求項3記載のアルミナ系複合酸化物
を得ることができる。セリウム及びジルコニウムからな
る群より選ばれた少なくとも一種を添加したアルミナ系
複合酸化物の熱処理は、特に制限されないが、例えば4
00℃〜700℃の範囲の温度で空気中及び/又は空気
流通下で行うことが好ましい。
【0054】前記セリウム及びジルコニウムからなる群
より選ばれた少なくとも一種を添加したアルミナ系複合
酸化物にパラジウムを担持する方法としては、例えば含
浸法や混練法等の公知の方法の中から適宜選択して行う
ことができるが、特に、含浸法を用いることが好まし
い。
【0055】本発明のパラジウムを担持したセリウム及
びジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種
を含有したアルミナ系複合酸化物の熱処理は、特に制限
されないが、含浸・乾燥後、例えば400℃〜700℃
の範囲の温度で空気中及び/又は空気気流下で行うこと
が好ましい。
【0056】前記ジルコニウムを含有するアルミナの調
製方法としては特別な方法に限定されず、成分の著しく
偏在を伴わない限り、公知の蒸発乾固法、沈殿法、含浸
法等の種々の方法の中から適宜選択して使用することが
できが、酢酸ジルコニウムを水に溶解した水溶液を使用
する含浸法を用いることが、該アルミナ粉末のBET比
表面積を充分に確保し、担持貴金属を均一に分散できる
ため好ましい。次いで実施する水の除去は、例えば蒸発
乾固法等の公知の方法の中から適宜選択して行うことが
できる。本発明に用いるジルコニウム添加アルミナ粉末
の熱処理は、特に制限されないが、含浸・乾燥後、例え
ば600℃〜1100℃の範囲の温度で空気中及び/又
は空気流通下で行うことが好ましい。
【0057】ロジウムの原料化合物としては、硝酸塩、
ハロゲン化物、酢酸塩等の水溶性のものであれば任意の
ものが使用できる。
【0058】前記ジルコニウム添加アルミナにロジウム
を担持する方法としては、例えば含浸法や混練法等の中
から適宜選択して行うことができるが、特に含浸法を用
いることが好ましい。次いで実施する水の除去は、例え
ば蒸発乾固法等の公知の方法の中から適宜選択して行う
ことができる。本発明に用いるロジウム担持ジルコニウ
ム添加アルミナ粉末の熱処理は、特に制限されないが、
含浸・乾燥後、例えば400℃〜700℃の範囲の温度
で空気中及び/又は空気流通下で行うことが好ましい。
【0059】好ましくは、前記ロジウム担持ジルコニウ
ム添加アルミナ粉末に、ジルコニウム酸化物粉末を加え
ることにより、請求項8記載の排気ガス浄化用触媒が得
られる。ジルコニウム酸化物粉末は、ランタン、ネオジ
ウム及びセリウムからなる群より選ばれた少なくとも一
種を含有する。請求項7記載の排気ガス浄化用触媒にセ
リウム酸化物粉末を添加した場合には、セリウム酸化物
がロジウムを酸化状態に強く保持するため、逆に浄化性
能が低下する。これに対して、かかるジルコニウム酸化
物粉末を添加することにより、ロジウムを排気ガス浄化
に適した酸化状態に、より有効に維持することができ
る。
【0060】このようにして得られる本発明にかかる排
気ガス浄化用触媒は、無担体でも有効に使用することが
できるが、粉砕・スラリーとし、触媒担体にコートし
て、400℃〜900℃で焼成して用いることが好まし
い。触媒担体としては、公知の触媒担体の中から適宜選
択して使用することができ、例えば耐火性材料からなる
モノリス担体やメタル担体等が挙げられる。
【0061】前記触媒担体の形状は、特に制限されない
が、通常はハニカム形状で使用することが好ましく、ハ
ニカム状の各種基材に触媒粉末を塗布して用いられる。
このハニカム材料としては、一般にセラミックス等のコ
ージェライト質のものが多く用いられるが、フェライト
系ステンレス等の金属材料からなるハニカム材料を多く
用いることも可能であり、更には触媒粉末そのものをハ
ニカム形状にしても良い。触媒の形状をハニカム状とす
ることにより、触媒と排気ガスとの接触面積が大きくな
り、圧力損失も抑制できるてめ自動車用排気ガス浄化用
触媒として用いる場合に極めて有効である。
【0062】ハニカム材料に付着させる触媒成分コート
層の量は、触媒成分全体のトータルで、触媒1L当り、
50〜400gが好ましい。触媒成分が多い程、触媒活
性や触媒寿命の面からは好ましいが、コート層が厚くな
りすぎると、HC,CO,NOx 等の反応ガスが拡散不
良となるため、これらのガスが触媒に充分接触できなく
なり、活性に対する増量効果が飽和し、更にはガスの通
過抵抗も大きくなってしまう。従って、コート層量は、
上記触媒1L当り50g〜400gが好ましい。
【0063】更に好ましくは、得られた前記排気ガス浄
化用触媒に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
を含浸担持させることができる。使用できるアルカリ金
属及びアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム及びバリウムからなる群より選ばれる一
種以上の元素である。
【0064】使用できるアルカリ金属及びアルカリ土類
金属の化合物は、酸化物、酢酸塩、水酸化物、硝酸塩、
炭酸塩等の水溶性のものである。これによりパラジウム
の近傍に塩基性元素であるアルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属を分散性良く担持することが可能となる。
この際、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の原料化合
物を同時に、あるいは別個に含有させてもよい。
【0065】即ち、アルカリ金属化合物及び/又はアル
カリ土類金属化合物からなる粉末の水溶液を、ウオッシ
ュコート成分を担持した上記担体に含浸し、乾燥し、次
いで、空気中及び/又は空気流通下で200℃〜600
℃焼成するものである。これは、アルカリ金属及びアル
カリ土類金属の原料化合物を一度低温で熱処理し酸化物
形態でコート層中に含有させると、後に高温に曝されて
も複合酸化物を形成し難くなるからである。かかる焼成
温度が、200℃未満だとアルカリ金属化合物及びアル
カリ土類金属化合物が充分に酸化物形態となることがで
きず、逆に600℃を越えると原料塩が急激に分解して
しまい、担体がひび割れてしまうことがあるので好まし
くない。
【0066】
【実施例】本発明を次の実施例及び比較例により説明す
る。特記しない限り、「部」とは「重量部」を示す。
【0067】実施例1 硝酸ニッケル485部を純水1000部に溶解した水溶
液を、アルミナ(Al 2 3 )換算で20重量%のアル
ミナゾル1700部を純水2500部に分散させた懸濁
液に加えた後、攪拌しながら5%アンモニア水を加え、
pHを8.0に調整した。この溶液を150℃で24時
間乾燥した後、400℃で2時間、600℃で2時間、
次いで800℃で4時間焼成し、Ni0.5 Al2.0 x
(粉末A)を得た。次に、酢酸セリウム79部、オキシ
酢酸ジルコニウム26部を純水1000gに溶解した水
溶液に、Ni0.5 Al2.0 x (粉末A)1000部を
加え、2時間攪拌・混合した。この懸濁液を150℃で
24時間乾燥した後、400℃で2時間、次いで600
℃で2時間焼成し、アルミニウムに対して金属換算でセ
リウムを2モル%、ジルコニウムを1モル%含むNi
0.5 Al2.0 x (粉末B)を得た。この粉末Bに硝酸
パラジウム水溶液を含浸し、乾燥した後、400℃で2
時間焼成して、Pd担持セリウム・ジルコニウム添加ニ
ッケルアルミネート粉末(粉末C)を得た。この粉末C
のPd担持濃度は1.0重量%であった。
【0068】パラジウムを1.0重量%担持した上記粉
末C700部と、ランタンを1モル%(La2 3 に換
算して2重量%)とジルコニウムを32モル%(ZrO
2 に換算して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末に
パラジウム0.75重量部を担持した粉末(粉末D)4
80部と、活性アルミナ20部と、硝酸水溶液1200
部とを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー
液を得た。このスラリー液をコージェライト質モノリス
担体(1.3L、400セル)に付着させて、400℃
で1時間焼成し、コート層重量160g/L、パラジウ
ム担持量40g/cf(1.41g/L)の触媒成分担
持コージェライト質モノリス担体を得た。次いで、該触
媒成分担持コージェライト質モノリス担体に酢酸バリウ
ム溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、Ba
O15g/Lを含有させて、排気ガス浄化用触媒を得
た。
【0069】実施例2 硝酸ニッケルの代わりに硝酸コバルト291部を用いて
得たCo0.3 Al2.0x を用いた以外は、実施例1と
同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0070】実施例3 硝酸ニッケルの代わりに硝酸亜鉛299部を用いて得た
Zn0.3 Al2.0 xを用いた以外は、実施例1と同様
にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0071】実施例4 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸コ
バルト97部を用いて得たCo0.1 Ni0.3 Al2.0
x を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0072】実施例5 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸亜
鉛100部を用いて得たZn0.1 Ni0.3 Al2.0 x
を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用
触媒を得た。
【0073】実施例6 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸亜
鉛100部と硝酸コバルト97部を用いて得たZn0.1
Co0.1 Ni0.3 Al2.0 x を用いた以外は、実施例
1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0074】実施例7 硝酸ニッケル679部を用いて得たNi0.7 Al2.0
x を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0075】実施例8 硝酸ニッケル291部を用いて得たNi0.3 Al2.0
x を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0076】実施例9 酢酸バリウムの付着量を変え、BaO5g/Lを含有さ
せた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒
を得た。
【0077】実施例10 酢酸バリウムの付着量を変え、BaO25g/Lを含有
させた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触
媒を得た。
【0078】実施例11 硝酸ニッケル485部を純水1000部に溶解した水溶
液を、アルミナ(Al 2 3 )換算で20重量%のアル
ミナゾル1700部を純水2500部に分散させた懸濁
液に加え、2時間攪拌した後、この溶液を150℃で2
4時間乾燥した後、400℃で2時間、600℃で2時
間、次いで800℃で4時間焼成し、Ni0.5 Al2.0
x (粉末E)を得た。次に、酢酸セリウム79部、オ
キシ酢酸ジルコニウム26部を純水1000gに溶解し
た水溶液に、Ni0.5 Al2.0 x 粉末(粉末E)10
00部を加え、2時間攪拌・混合した。この懸濁液を1
50℃で24時間乾燥した後、400℃で2時間、次い
で600℃で2時間焼成し、アルミニウムに対して金属
換算でセリウムを2モル%、ジルコニウムを1モル%含
むNi0.5 Al2.0 x (粉末F)を得た。この粉末F
に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、乾燥した後、400
℃で2時間焼成して、Pd担持セリウム・ジルコニウム
添加ニッケルアルミネート粉末(粉末G)を得た。この
粉末GのPd担持濃度は1.0重量%であった。
【0079】パラジウムを1.0重量%担持した上記粉
末G700部と、ランタンを1モル%(La2 3 に換
算して2重量%)とジルコニウムを32モル%(ZrO
2 に換算して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末に
パラジウム0.75重量部を担持した粉末(粉末D)4
80部と、活性アルミナ20部と、硝酸水溶液1200
部とを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー
液を得た。このスラリー液をコージェライト質モノリス
担体(1.3L、400セル)に付着させ、400℃で
1時間焼成し、コート層重量160g/L、パラジウム
担持量40g/cf(1.41g/L)の触媒成分担持
コージェライト質モノリス担体を得た。次いで、該触媒
成分担持コージェライト質モノリス担体に酢酸バリウム
溶液を付着させた後、400℃で1時間焼成し、BaO
15g/Lを含有させて、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0080】実施例12 硝酸ニッケルの代わりに硝酸コバルト291部を用いて
得たCo0.3 Al2.0x を用いた以外は、実施例11
と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0081】実施例13 硝酸ニッケルの代わりに硝酸亜鉛299部を用いて得た
Zn0.3 Al2.0 xを用いた以外は、実施例11と同
様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0082】実施例14 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸コ
バルト97部を用いて得たCo0.1 Ni0.3 Al2.0
x を用いた以外は、実施例11と同様にして排気ガス浄
化用触媒を得た。
【0083】実施例15 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸亜
鉛100部を用いて得たZn0.1 Ni0.3 Al2.0 x
を用いた以外は、実施例11と同様にして排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0084】実施例16 硝酸ニッケルの代わりに硝酸ニッケル291部と硝酸亜
鉛100部と硝酸コバルト97部とを用いて得たZn
0.1 Co0.1 Ni0.3 Al2.0 x を用いた以外は、実
施例11と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0085】実施例17 硝酸ニッケル679部を用いて得たNi0.7 Al2.0
x を用いた以外は、実施例11と同様にして排気ガス浄
化用触媒を得た。
【0086】実施例18 硝酸ニッケル291部を用いて得たNi0.3 Al2.0
x を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0087】実施例19 酢酸バリウムの付着量を変え、BaO5g/Lを含有さ
せた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒
を得た。
【0088】実施例20 酢酸バリウムの付着量を変え、BaO25g/Lを含有
させた以外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触
媒を得た。
【0089】実施例21 オキシ酢酸ジルコニウム137部を純水500部に溶解
し、活性アルミナ1000部に含浸した。これを150
℃で24時間乾燥した後、400℃で2時間、次いで1
000℃で2時間焼成し、Zr3モル%添加アルミナ粉
末(粉末H)を得た。このZr3モル%添加アルミナ粉
末(粉末H)に硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後4
00℃で2時間焼成して、Rh担持Zr3モル%添加ア
ルミナ粉末(粉末I)を得た。この粉末IのRh担持濃
度は、1.6重量%であった。
【0090】ロジウムを1.06重量%担持した上記粉
末I135部と、上記粉末H450部と、ランタンを1
モル%(La2 3 に換算して2重量%)とセリウムを
20モル%(CeO2 に換算して13重量%)を含むジ
ルコニウム酸化物粉末(粉末J)400部と、活性アル
ミナ15部と、硝酸水溶液1000部とを磁性ボールミ
ルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。実施例1
で得たコート層重量175g/L(パラジウム含有コー
ト層160g/L、パラジウム担持量40g/cf
(1.41g/L)、BaO15g/L)を担持させた
触媒成分担持コージェライト質モノリス担体(1.3
L、400セル)に、このスラリー液を付着させ、40
0℃で1時間焼成し、総コート層重量225g/L(ロ
ジウム含有触媒成分担持層50g/L)、パラジウム担
持量40g/cf(1.41g/L)、ロジウム担持量
2g/cf(0.071g/L)の排気ガス浄化用触媒
を得た。
【0091】実施例22 実施例1に準じて得たコート層重量160g/L、パラ
ジウム担持量40g/cf(1.41g/L)を含有さ
せた前記触媒成分担持コージェライト質モノリス担体
(1.3L、400セル)に、実施例21で得たロジウ
ム含有スラリー液を付着させ、400℃で1時間焼成
し、総コート層重量210g/L(ロジウム含有層重量
50g/L)、パラジウム担持量40g/cf(1.4
1g/L)、ロジウム担持量2g/cf(0.07g/
L)の触媒成分担持コージェライト質モノリス担体を得
た。次いで、該触媒成分担持コージェライト質モノリス
担体に酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で1
時間焼成し、BaO15g/Lを含有させて、排気ガス
浄化用触媒を得た。
【0092】実施例23 パラジウムを1.0重量%担持した粉末(粉末C)70
0部と、ランタンを1モル%(La2 3 に換算して2
重量%)とジルコニウムを32モル%(ZrO 2 に換算
して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末にパラジウ
ム0.75重量部を担持した粉末(粉末D)480部
と、ロジウムを1.06重量%担持したZr3モル%添
加アルミナ粉末(粉末I)135部と、Zr3モル%添
加アルミナ粉末(粉末H)450部と、ランタンを1モ
ル%(La2 3 に換算して2重量%)とセリウムを2
0モル%(CeO2 に換算して13重量%)を含むジル
コニウム酸化物粉末(粉末J)400部と、活性アルミ
ナ35部と、硝酸水溶液2200部とを磁性ボールミル
に投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このスラリ
ー液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、40
0セル)に付着させ、400℃で1時間焼成し、コート
層重量210g/L、パラジウム担持量40g/cf
(1.41g/L)、ロジウム担持量2g/cf(0.
071g/L)の触媒成分担持コージェライト質モノリ
ス担体を得た。次いで、上記触媒成分担持コージェライ
ト質モノリス担体に酢酸バリウム溶液を付着させた後、
400℃で1時間焼成し、BaO15g/Lを含有させ
て、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0093】実施例24 パラジウムを1.0重量%担持した粉末(粉末C)70
0部と、ランタンを1モル%(La2 3 に換算して2
重量%)とジルコニウムを32モル%(ZrO 2 に換算
して25重量%)を含むセリウム酸化物粉末にパラジウ
ム0.75重量部を担持した粉末(粉末D)480部
と、活性アルミナ20部と、硝酸水溶液1200部とを
磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得
た。このスラリー液をコージェライト質モノリス担体
(1.3L、400セル)に付着させ、400℃で1時
間焼成し、コート層重量160g/L、パラジウム担持
量40g/cf(1.41g/L)のパラジウム担持コ
ージェライト質モノリス担体を得た。
【0094】ロジウムを1.06重量%担持したZr3
モル%添加アルミナ粉末(粉末I)135部と、Zr3
モル%添加アルミナ粉末(粉末H)450部と、ランタ
ンを1モル%(La2 3 に換算して2重量%)とセリ
ウムを20モル%(CeO2に換算して13重量%)を
含むジルコニウム酸化物粉末(粉末J)400部と活性
アルミナ15部と、硝酸水溶液1000部とを磁性ボー
ルミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。この
スラリー液を上記パラジウム担持コージェライト質モノ
リス担体(1.3L、400セル)に付着させ、400
℃で1時間焼成し、総コート層重量210g/L(パラ
ジウム含有量重量160g/L、ロジウム含有量重量5
0g/L)、パラジウム担持量40g/cf(1.41
g/L)、ロジウム担持量2g/cf(0.071g/
L)の触媒成分担持コージェライト質モノリス担体を得
た。次いで、上記触媒成分担持コージェライト質モノリ
ス担体に酢酸バリウム溶液を付着させた後、400℃で
1時間焼成、BaO15g/Lを含有させて、排気ガス
浄化用触媒を得た。
【0095】比較例1 アルミナゾルの代わりに硝酸アルミニウム2500部を
用いて得たNi0.5 Al2.0 x を用いた以外は、実施
例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0096】比較例2 アルミナゾルの代わりに活性アルミナ(Al2 3 )1
700部と硝酸ニッケル485部を用いて得たNi0.5
Al2.0 x を用いた以外は、実施例1と同様にして排
気ガス浄化用触媒を得た。
【0097】比較例3 Ni0.5 Al2.0 x の代わりに活性アルミナ(Al2
3 )を用いた以外は、実施例1と同様にして排気ガス
浄化用触媒を得た。
【0098】比較例4 硝酸ニッケル1164部と20%アルミナゾル1700
部を用いて得たNi1. 2 Al2.0 x を用いた以外は、
実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0099】比較例5 ジルコニウム含有セリウム酸化物粉末の代わりに、酸化
セリウム(CeO2 )粉末を用いた以外は、実施例1と
同様にして排気ガス浄化用触媒を得た。
【0100】比較例6 BaOを含有させない以外は、実施例1と同様にして排
気ガス浄化用触媒を得た。
【0101】比較例7 BaO30g/Lと、K2 O30g/Lを含有させた以
外は、実施例1と同様にして排気ガス浄化用触媒を得
た。
【0102】比較例8 ロジウムを1.06重量%担持したZr3モル%添加ア
ルミナ粉末(粉末I)135部と、Zr3モル%添加ア
ルミナ粉末(粉末H)450部とランタンを1モル%
(La2 3 に換算して2重量%)とセリウムを20モ
ル%(CeO2 に換算して13重量%)を含むジルコニ
ウム酸化物粉末(粉末J)400部と、活性アルミナ1
5部とに、硝酸水溶液1000部とを磁性ボールミルに
投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このスラリー
液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、400
セル)に付着させ、400℃で1時間焼成し、コート層
重量50g/L、ロジウム担持量2g/cf(0.07
1g/L)のロジウム担持コージェライト質モノリス担
体を得た。
【0103】次に、パラジウムを1.0重量%担持した
セリウム・ジルコニウム添加ニッケルアルミネート粉末
(粉末C)700部と、ランタンを1モル%(La2
3 に換算して2重量%)とジルコニウムを32モル%
(ZrO2 に換算して25重量%)を含むセリウム酸化
物粉末にパラジウム0.75重量部を担持した粉末(粉
末D)480部と、活性アルミナ20部と、硝酸水溶液
1200部とを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して
スラリー液を得た。このスラリー液を上記ロジウム担持
コージェライト質モノリス担体(1.3L、400セ
ル)に付着させ、400℃で1時間焼成し、コート層重
量210g/L(ロジウム含有コート層50g/L、パ
ラジウム含有コート層160g/L)、パラジウム担持
量40g/cf(1.41g/L)、ロジウム担持量2
g/cf(0.071g/L)の触媒成分担持コージェ
ライト質モノリス担体を得た。更に、上記触媒成分担持
コージェライト質モノリス担体に酢酸バリウム溶液を付
着させた後、400℃で1時間焼成し、BaO15g/
Lを含有させて、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0104】前記実施例1〜24及び比較例1〜8の排
気ガス浄化用触媒の組成を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】試験例 前記実施例1〜24及び比較例1〜8の排気ガス浄化用
触媒について、以下の耐久条件により耐久を行った後、
下記評価条件で触媒活性評価を行った。
【0107】耐久条件 エンジン排気量 4400cc 燃料 無鉛ガソリン 触媒入口ガス温度 800℃ 耐久時間 100時間 入口ガス組成 CO 0.5±0.1% O2 0.5±0.1% HC 約1100ppm NO 1300ppm CO2 15%
【0108】評価条件1:低温活性 エンジン排気量 2000cc 燃料 無鉛ガソリン 昇温速度 10℃/分 測定温度範囲 150〜500℃ 耐久後の各排気ガス浄化用触媒の低温活性を、HC,C
O及びNOx の転化率が50%になった時の温度(T5
0/℃)で表し、その結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】評価条件2:浄化性能 エンジン排気量 2000cc 燃料 無鉛ガソリン 触媒入口排ガス温度 500℃ ストイキ雰囲気 中心A/F=14.6 振幅ΔA/F=±1.0 耐久後の各排気ガス浄化用触媒の浄化性能を、ストイキ
雰囲気におけるHC,CO及びNOx の平均転化率
(%)を以下の式により決定し、その結果を表3に示
す。
【0111】
【表3】
【数3】
【数4】
【数5】
【0112】
【発明の効果】請求項1記載の排気ガス浄化用触媒は、
低温活性に優れ、酸素不足雰囲気及び理論空燃比近傍で
のパラジウムの触媒性能を向上させることができる。
【0113】請求項2記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、更にアルミナ系複合酸化物の高温での
構造安定性を向上させることができる。
【0114】請求項3記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、アルミナ系複合酸化物に担持されるパ
ラジウムのシンタリングを抑制し、パラジウムの耐久性
や低温活性を向上することができる。
【0115】請求項4記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、触媒成分の還元に起因する触媒能の低
下を抑制できる。
【0116】請求項5記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、パラジウムの低温活性良好効果とNO
x 定常転換性能改良効果を充分に得ることができる。
【0117】請求項6記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、炭化水素の吸着被毒作用の緩和とパラ
ジウムのシンタリングを抑制することができる。
【0118】請求項7記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、ロジウムの助触媒作用によって、低温
活性と酸素不足雰囲気での浄化性能を更に向上すること
ができる。
【0119】請求項8記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、ロジウムの酸化状態を排気ガスの浄化
に適し、ロジウムの還元に起因する触媒能の低下を抑制
できる。
【0120】請求項9記載の排気ガス浄化用触媒は、上
記効果に加えて、触媒成分担持量のうちパラジウム含有
量とロジウム含有量との配置を最適化し、パラジウムと
ロジウムの触媒性能を充分に向上することができる。
【0121】請求項10記載の排気ガス浄化用触媒の製
造方法は、結晶構造の均一性や耐熱性に優れ、低温活性
及び触媒活性に優れた排気ガス浄化用触媒を製造するこ
とができる。
【0122】請求項11記載の排気ガス浄化用触媒の製
造方法は、上記効果に加えて、BET比表面積が大き
く、パラジウムを高分散担持でき、優れた触媒活性を有
す排気ガス浄化用触媒を製造することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒成分担持層を有する一体構造型触媒
    において、触媒成分として少なくともパラジウムと金属
    アルミネート粉末とを含み、該金属アルミネート粉末
    が、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群より選ばれ
    た少なくとも一種を含有することを特徴とする排気ガス
    浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気ガス浄化用触媒にお
    いて、金属アルミネート粉末が、次の一般式; 【数1】〔X〕a Alb c (式中、Xは、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群
    より選ばれた少なくとも一種の元素であり、a,b及び
    cは、各元素の原子比率を表し、b=2.0の時、a=
    0.1〜0.8、cは上記各成分の原子価を満足するの
    に必要な酸素原子数である)で表されるアルミナ系複合
    酸化物であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載の排気ガス浄化用触
    媒において、コバルト、ニッケル及び亜鉛からなる群よ
    り選ばれた少なくとも一種を含有するアルミナ系複合酸
    化物に、更に、セリウム及びジルコニウムからなる群よ
    り選ばれた少なくとも一種が、アルミニウムに対して金
    属換算で0.1〜5モル%含有されることを特徴とする
    排気ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1から3いずれかの項記載の排気
    ガス浄化用触媒に、更にランタン、ネオジウム及びジル
    コニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種を金属
    換算で1〜40モル%、セリウムを60〜98モル%含
    むセリウム酸化物が含有されることを特徴とする排気ガ
    ス浄化用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれかの項記載の排気
    ガス浄化用触媒において、全パラジウム量のうち金属換
    算で30〜80重量%のパラジウムが、アルミナ系複合
    酸化物に含有されることを特徴とする排気ガス浄化用触
    媒。
  6. 【請求項6】 請求項1から5いずれかの項記載の排気
    ガス浄化用触媒に、更にアルカリ金属及びアルカリ土類
    金属からなる群より選ばれた少なくとも一種が含有され
    ることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  7. 【請求項7】 請求項1から6いずれかの項記載の排気
    ガス浄化用触媒に、更にロジウムとアルミナ粉末が含有
    されることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の排気ガス浄化用触媒に、
    更にランタン、ネオジウム及びセリウムからなる群より
    選ばれた少なくとも一種を金属換算で1〜40モル%、
    ジルコニウムを60〜98モル%含むジルコニウム酸化
    物が含有されることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  9. 【請求項9】 請求項7及び8記載の排気ガス浄化用触
    媒において、ロジウム含有層を、パラジウムと同一層及
    び/又はパラジウム含有層の上側に配置することを特徴
    とする排気ガス浄化用触媒。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2記載のアルミナ系複合
    酸化物を製造するにあたり、微粒子アルミナ水和物コロ
    イドと、コバルト、ニッケル及び亜鉛のうち少なくとも
    一種の水溶性塩を水に溶解又は分散させた後、水分を除
    去して乾燥し、次いで焼成して得ることを特徴とする排
    気ガス浄化用触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1又は2記載のアルミナ系複合
    酸化物を製造するにあたり、微粒子アルミナ水和物コロ
    イドと、コバルト、ニッケル及び亜鉛のうち少なくとも
    一種の水溶性塩を水に溶解又は分散させた後、アンモニ
    ア水、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムから
    なる群より選ばれた少なくとも一種の水溶液を加えてp
    Hを7.0〜9.0の範囲になるように調整した後、水
    分を除去して乾燥し、次いで焼成して得ることを特徴と
    する排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142711A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Ifp 第viii族金属の分子種と相互作用するカチオンのオキシ(ヒドロキシド)粒子を含有する水溶液の含浸によって調製される触媒
JP2011131136A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Honda Motor Co Ltd 排気浄化触媒
JP2011131142A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒

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