JPH09321621A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JPH09321621A
JPH09321621A JP8160853A JP16085396A JPH09321621A JP H09321621 A JPH09321621 A JP H09321621A JP 8160853 A JP8160853 A JP 8160853A JP 16085396 A JP16085396 A JP 16085396A JP H09321621 A JPH09321621 A JP H09321621A
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JP
Japan
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frequency
voltage
controlled oscillator
output
temperature
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JP8160853A
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English (en)
Inventor
Goro Asari
悟郎 浅利
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数安定性を損なわずに出力信号の周波数
切替を高速化させる。 【解決手段】 コントローラ18は温度測定器13で測
定した電圧制御発振器12の温度、電源電圧、目標周波
数に基づきデジタル制御信号Dc を生成し、これをDA
変換器22で制御電圧VCON に変換し電圧制御発振器1
2に付与する。従って、周波数切替速度はDA変換器2
2のセトリング時間およびコントローラ18の演算時間
に依存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば広い周波数
帯域を用いる移動体無線機器、スペクトラム拡散機器等
に用いて好適な周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術】多数の周波数チャネルを用いる無線通信
機器には広い周波数帯域において様々な周波数のキャリ
ア信号を発生させる必要がある。このような様々なキャ
リア信号を発生させる装置として位相同期ループ方式
(PLL方式)の周波数シンセサイザが一般的に知られ
ている。
【0003】ここで、図9は位相同期ループ方式の周波
数シンセサイザを示している。図9において、電圧制御
発振器1は、制御電圧VCON に対応する周波数の出力信
号を出力する発振器であり、LC発振回路または共振素
子を用いた発振回路等から構成されている。そして、該
電圧制御発振器1の出力信号は分周器2により分周さ
れ、位相比較器3に入力される。
【0004】また、基準信号発振器4は、目標周波数の
基準信号を発生する発振器であり、温度補償水晶発振器
(TCXO)を用いた発振回路等から構成されている。
そして、該基準信号発振器4の基準信号は分周器5によ
り分周され位相比較器3に入力される。なお、分周器
2、分周器5の分周数はコントローラ6により設定され
る。
【0005】さらに、位相比較器3は電圧制御発振器1
の出力信号と基準信号発振器4の基準信号の、両者の位
相を比較し、その位相差に対応した位相差信号をループ
フィルタとしての低域通過フィルタ7に向けて出力す
る。そして、低域通過フィルタ7は前記位相差信号の高
周波分をカットして直流信号を生成し、該直流信号を制
御電圧VCON として電圧制御発振器1に出力する。
【0006】これにより、電圧制御発振器1から出力さ
れる出力信号の周波数(出力周波数)の分周器2による
分周周波数と、基準信号発振器4から出力される基準信
号の周波数(基準周波数)の分周器5による分周周波数
とが一致するようにフィードバック制御される。そし
て、コントローラ6により分周器2,5の分周比を変更
することにより、電圧制御発振器1から出力される出力
信号の周波数を変化させることができ、広い周波数帯域
の出力信号を発生させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した位
相同期ループ方式の周波数シンセサイザでは、フィード
バックループに低域通過フィルタ7を含んでいるため、
出力信号の周波数を変更するときの応答速度が遅く、出
力信号の周波数を高速に切替えることができないという
問題がある。
【0008】一方、電圧制御発振器単体をオープンルー
プで使うのであれば、低域通過フィルタを系に含まない
ので、周波数の高速切替や発振器の高速立上がりが可能
である。しかしながら、通常の電圧制御発振器は温度変
化や電源電圧、出力負荷特性の変化によって出力周波数
が著しく変動するという問題がある。
【0009】さらにまた、温度変化による出力周波数の
変動を低減するために、水晶振動子を用いた電圧制御発
振器、即ち電圧制御水晶発振器(VCXO)が知られて
いる。この電圧制御水晶発振器、または、これにさらに
温度補償を施した温度補償電圧制御発振器(TC−VC
XO)によれば出力信号の周波数を高速に切り替えるこ
とができると共に、温度変化に対して出力周波数を安定
化させることも可能である。
【0010】しかし、電圧制御水晶発振器,温度補償電
圧制御発振器は、可変周波数範囲が中心周波数に対して
1000ppm程度以下の非常に狭い範囲であるため、
多チャンネルの移動体無線機器やスペクトラム拡散機器
に用いることができない。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、出力信号の周波数を高速に切替えること
ができるようにした周波数シンセサイザを提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に係る発明は、制御電圧に対応する周波
数の出力信号を出力する電圧制御発振器と、該電圧制御
発振器の温度を測定する温度測定手段と、目標周波数を
設定する目標周波数設定手段と、前記温度測定手段によ
る電圧制御発振器の温度と前記目標周波数設定手段によ
る目標周波数とに基づいて、電圧制御発振器の温度が変
化したとき該電圧制御発振器から出力される出力信号の
周波数と目標周波数との間に生じる誤差を補正する演算
を行い、前記電圧制御発振器から出力される出力信号の
周波数を目標周波数に一致させるためのデジタル制御信
号を出力する制御信号出力手段と、該制御信号出力手段
によるデジタル制御信号をアナログ変換し、前記電圧制
御発振器に該デジタル制御信号に対応するアナログ制御
電圧を出力する信号変換手段とから構成したことにあ
る。
【0013】上記構成より、電圧制御発振器から出力さ
れる出力信号の周波数(出力周波数)を、目標周波数設
定手段に設定した目標周波数と一致させることができ、
目標周波数を変更することにより、前記出力信号の周波
数を広い帯域で変化させることができる。
【0014】また、前記制御信号出力手段は、目標周波
数設定手段による目標周波数と温度測定手段による電圧
制御発振器の温度とに基づいて演算を行い、その結果と
してデジタル制御信号を出力し、このデジタル制御信号
を信号変換手段によりアナログ変換して、デジタル制御
信号に対応したアナログ制御電圧を電圧制御発振器に出
力する。これにより、目標周波数に基づいて電圧制御発
振器の出力周波数を切替える信号処理経路に低域通過フ
ィルタが存在しないため、出力信号の周波数を高速に切
替えることができる。
【0015】さらに、温度測定手段が電圧制御発振器の
温度を測定し、制御信号出力手段が該温度測定手段によ
る温度測定結果と目標周波数に基づいてデジタル制御信
号を出力する構成とした。即ち、制御信号出力手段は、
電圧制御発振器の温度変化によって電圧制御発振器の出
力周波数と目標周波数との間に生じる誤差を予め考慮し
て演算を行い、この温度誤差を補正したデジタル制御信
号を出力する。これにより、電圧制御発振器の温度変化
に拘らず、電圧制御発振器の出力周波数を安定させるこ
とができる。
【0016】請求項2に係る発明は、制御電圧に対応す
る周波数の出力信号を出力する電圧制御発振器と、該電
圧制御発振器の温度を測定する温度測定手段と、前記電
圧制御発振器に供給される電源電圧を測定する電源電圧
測定手段と、目標周波数を設定する目標周波数設定手段
と、前記温度測定手段による電圧制御発振器の温度と前
記電源電圧測定手段による電源電圧と前記目標周波数設
定手段による目標周波数とに基づいて、電圧制御発振器
の温度が変化したときまたは電源電圧が変化したとき該
電圧制御発振器から出力される出力信号の周波数と目標
周波数との間に生じる誤差を補正する演算を行い、前記
電圧制御発振器から出力される出力信号の周波数を目標
周波数に一致させるためのデジタル制御信号を出力する
制御信号出力手段と、該制御信号出力手段によるデジタ
ル制御信号をアナログ変換し、前記電圧制御発振器に該
デジタル制御信号に対応するアナログ制御電圧を出力す
る信号変換手段とから構成したことにある。
【0017】上記構成より、請求項1に係る発明と同様
に、目標周波数に基づいて電圧制御発振器の出力周波数
を切替える信号処理経路に低域通過フィルタが存在しな
いため、電圧制御発振器の出力周波数を高速に切替える
ことができる。また、温度測定手段を設けたことによ
り、電圧制御発振器の温度変化に拘らず、電圧制御発振
器の出力周波数を安定させることができる。
【0018】さらに、電源電圧測定手段により、電圧制
御発振器に供給される電源電圧を測定し、制御信号出力
手段が、温度測定手段による電圧制御発振器の温度と電
源電圧測定手段による電源電圧と目標周波数設定手段に
よる目標周波数とに基づいて演算を行うことによってデ
ジタル制御信号を出力する。即ち、制御信号出力手段
は、電源電圧の変化によって電圧制御発振器の出力周波
数と目標周波数との間に生じる誤差を予め考慮して演算
を行い、この誤差を補正したデジタル制御信号を出力す
る。これにより、電源電圧の変動に拘らず、電圧制御発
振器の出力周波数を安定させることができる。
【0019】請求項3に係る発明は、制御電圧に対応す
る周波数の出力信号を出力する電圧制御発振器と、該電
圧制御発振器の温度を測定する温度測定手段と、前記電
圧制御発振器に供給される電源電圧を測定する電源電圧
測定手段と、前記電圧制御発振器から出力される前記出
力信号の周波数を測定する出力周波数測定手段と、目標
周波数を設定する目標周波数設定手段と、前記温度測定
手段による電圧制御発振器の温度と前記電源電圧測定手
段による電源電圧と前記出力周波数測定手段による出力
信号の周波数と前記目標周波数設定手段による目標周波
数とに基づいて、電圧制御発振器の温度が変化したと
き、電源電圧が変化したときまたは経時変化が発生した
とき該電圧制御発振器から出力される出力信号の周波数
と目標周波数との間に生じる誤差を補正する演算を行
い、前記出力信号の周波数を目標周波数に一致させるた
めのデジタル制御信号を出力する制御信号出力手段と、
該制御信号出力手段によるデジタル制御信号をアナログ
変換し、前記電圧制御発振器に該デジタル制御信号に対
応するアナログ制御電圧を出力する信号変換手段とから
構成したことにある。
【0020】上記構成より、請求項2に係る発明と同様
に、目標周波数に基づいて電圧制御発振器の出力周波数
を切替える信号処理経路に低域通過フィルタが存在しな
いため、電圧制御発振器の出力周波数を高速に切替える
ことができる。また、温度測定手段を設けたことによ
り、電圧制御発振器の温度変化に拘らず、電圧制御発振
器の出力周波数を安定させることができる。さらに、電
源電圧測定手段を設けたことにより、電源電圧の変動に
拘らず、電圧制御発振器の出力周波数を安定させること
ができる。
【0021】さらにまた、出力周波数測定手段により電
圧制御発振器の出力周波数を測定し、制御信号出力手段
が、温度測定手段による電圧制御発振器の温度と電源電
圧測定手段による電源電圧と出力周波数測定手段による
出力周波数と目標周波数設定手段による目標周波数とに
基づいて演算を行うことによってデジタル制御信号を出
力する。即ち、制御信号出力手段は、電圧制御発振器の
出力周波数が経時変化することによって出力周波数と目
標周波数との間に誤差が生じるのを予め考慮して演算を
行い、この誤差を補償したデジタル制御信号を出力す
る。これにより、長期間の使用により電圧制御発振器の
回路素子や信号変換手段の回路素子等に経時変化が生じ
ても、電圧制御発振器の出力周波数を常に目標周波数に
一致するように補正することができる。
【0022】なお、出力周波数測定手段による出力周波
数の測定は、経時変化による出力周波数の変動を補償す
るものである。従って、出力周波数測定手段による出力
周波数の測定は、温度測定手段の温度測定等に比較して
長い時間間隔をもって間歇的に行う。
【0023】請求項4に係る発明は、制御電圧に対応す
る周波数の出力信号を出力する電圧制御発振器と、該電
圧制御発振器の温度を測定する温度測定手段と、目標周
波数を設定する目標周波数設定手段と、前記電圧制御発
振器の制御電圧を設定するための制御データが記憶さ
れ、前記温度測定手段で測定された温度と前記目標周波
数設定手段による目標周波数とに基づいて、前記電圧制
御発振器の温度が変化したときにも前記出力信号の周波
数を目標周波数に一致させる制御データを読出し、当該
制御データをデジタル制御信号として出力する制御デー
タ記憶手段と、該制御データ記憶手段によるデジタル制
御信号をアナログ変換し、前記電圧制御発振器に該デジ
タル制御信号に対応するアナログ制御電圧を出力する信
号変換手段とから構成したことにある。
【0024】上記構成より、温度測定手段による電圧制
御発振器の温度と目標周波数設定手段による目標周波数
とに基づき、制御データ記憶手段に記憶された制御デー
タを読出し、この制御データをデジタル制御信号として
出力し、このデジタル制御信号を信号変換手段によりア
ナログ変換することで制御電圧を設定することができ
る。これにより、電圧制御発振器から出力される出力信
号の周波数を高速に切替えることができる。
【0025】請求項5に係る発明は、電圧制御発振器と
温度測定手段とを同一の基板上に互いに近接して配設し
たことにある。これにより、電圧制御発振器と温度測定
手段とが同一基板上で熱結合されているので、温度測定
手段により電圧制御発振器の温度を常に精確に、かつ時
間遅れなく測定することができる。従って、電圧制御発
振器の温度変化に拘らず、電圧制御発振器の出力周波数
を目標周波数に精確に一致させることができる。
【0026】請求項6に係る発明は、温度測定手段を、
温度変化に対応して発振周波数の変化する温度測定発振
器と、該温度測定発振器の発振周波数を測定し、該温度
測定発振器の発振周波数に対応した測定信号を出力する
測定信号出力手段とから構成し、前記温度測定発振器の
発振周波数を前記電圧制御発振器から出力される前記出
力信号の周波数帯域よりも小さく設定したことにある。
【0027】上記構成より、温度測定発振器の発振周波
数を小さくすることで、温度測定発振器を構成する発振
素子の加工寸法を加工プロセスの影響を受けない程度に
大きくすることができ、温度測定発振器の発振周波数を
基板材料特性だけに依存させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳述する。
【0029】ここで、図1ないし図4は本発明の第1の
実施例による周波数シンセサイザを示している。
【0030】図1において、11は本実施例による周波
数シンセサイザを示す。12は制御電圧VCON に対応す
る周波数の出力信号Sを出力する電圧制御発振器を示
し、該電圧制御発振器12は、図2に示すように、共振
素子としての圧電共振子12Aと可変容量ダイオード1
2Bとを備えた発振回路により構成されている。なお、
共振素子として圧電共振子12Aを用いたが、これに限
らず誘電体共振子やLCタンク回路を用いてもよい。
【0031】また、該電圧制御発振器12は、電源端子
12Cに後述する直流電源16が接続され、該直流電源
16から3.5V〜4V程度の電源電圧Vccが供給され
る。さらに、入力端子12Dには後述する信号変換器2
0が接続され、該信号変換器20から目標周波数等に対
応して0.5V〜3Vの間で変化する制御電圧VCON
入力される。また、出力端子12Eからは周波数が例え
ば320MHz帯の出力信号Sが出力される。
【0032】ここで、電圧制御発振器12の動作につい
て説明すると、制御電圧VCON が目標周波数等に対応し
て0.5V〜3Vの間で変化すると、これに応じて可変
容量ダイオード12Bの静電容量が変化する。これによ
り、圧電共振子12Aの発振周波数が最大20MHz幅
で変化し、これに応じて該電圧制御発振器12の出力信
号Sの周波数(以下、「出力周波数」という)が例えば
310MHz〜330MHz程度の間で変化する。
【0033】13は電圧制御発振器12の温度を測定す
る温度測定手段としての温度測定器を示し、該温度測定
器13は、温度検出素子としてのサーミスタ13A(図
3参照)、標準抵抗器とからなるブリッジ回路と、該ブ
リッジ回路による出力電圧をアナログ−デジタル変換す
るアナログ−デジタル変換器とから構成されている。そ
して、該温度測定器13は電圧制御発振器12の温度を
0.01度の精度で測定し、その測定結果に対応したデ
ジタル信号を温度測定信号Td としてコントローラ18
に向けて出力する。
【0034】ここで、該温度測定器13のサーミスタ1
3Aは図3に示すように、電圧制御発振器12の圧電共
振子12Aと同一の基板14上に設けられ、かつ、圧電
共振子12Aと近接するように設けられている。これに
より、該サーミスタ13Aは、圧電共振子12Aと熱結
合されている。従って、該サーミスタ13Aで基板14
の温度を検知することによって圧電共振子12Aの温度
を精確に測定することができる。
【0035】また、該温度測定器13は、例えば0.2
秒毎に間歇的に電圧制御発振器12の温度を測定する。
電圧制御発振器12の温度は0.2秒よりも短い時間間
隔で変化することは考えにくいため、0.2秒毎に間歇
的に温度測定を行うことにより消費電力の軽減を図って
いる。
【0036】15は目標周波数を設定する目標周波数設
定手段としての目標周波数発生器を示し、該目標周波数
発生器15は目標周波数データPd をコントローラ18
に向けて出力するものである。そして、該目標周波数発
生器15で目標周波数を可変に設定することにより、電
圧制御発振器12の出力周波数がこの目標周波数に一致
するように切替わるようになる。
【0037】16は電圧制御発振器12に電源電圧Vcc
を供給する直流電源であり、該直流電源16は、周囲温
度の変化、負荷電流の変化、経時変化等により電源電圧
ccが変化しても、その変化幅が非常に小さい安定化直
流電源である。即ち、該直流電源16は、例えば温度変
化等の影響で電源電圧Vccが変化し、電圧制御発振器1
2の出力周波数が変化しても、その変化幅が周波数変化
の許容幅を超えない程度の安定性を有している。
【0038】そして、該直流電源16から出力される電
源電圧Vccは電源制御発振器12の電源端子12Cに供
給されると共に、電源電圧測定手段としてのアナログ−
デジタル変換器(以下、「AD変換器17」という)に
よりデジタル信号に変換され、電源電圧測定信号Vd
してコントローラ18に向けて出力される。また、該A
D変換器17は電源電圧Vccを100μVの精度で測定
すると共に、その測定を間歇的に行い、電源電圧測定信
号Vd を間歇的に出力する。
【0039】18は制御信号出力手段としてのコントロ
ーラを示し、該コントローラ18は、演算処理装置、メ
モリ等を有するマイクロプロセッサである。そして、該
コントローラ18は、温度測定器13による温度測定信
号Td と、AD変換器17による電源電圧測定信号Vd
と、目標周波数発生器による目標周波数データPdとに
基づいて、電圧制御発振器12の温度が変化したとき、
または電源電圧Vccが変化したとき該電圧制御発振器1
2の出力周波数と目標周波数との間に生じる誤差を補正
する演算を行い、電圧制御発振器12の出力周波数を目
標周波数と一致させるためのデジタル制御信号Dc を信
号変換器20に向けて出力する。
【0040】ここで、コントローラ18は、電圧制御発
振器12の出力周波数と電圧制御発振器12の温度変化
との関係、該出力周波数と電源電圧Vccの変動との関
係、および該出力周波数と制御電圧VCON との関係を詳
細に測定し、これらの測定結果を予めメモリに記憶して
いる。
【0041】具体的な例を挙げて説明すると、直流電源
16の電源電圧が例えば3.5V〜4Vの間で変化した
場合における電圧制御発振器12の出力周波数の変動特
性、および電圧制御発振器12の温度が例えば20度〜
40度の間で変化した場合における出力周波数の変動特
性を網羅的に測定し、この測定結果を折れ線近似データ
として予め該コントローラ18のメモリに記憶されてい
る。
【0042】そして、該コントローラ18は、温度測定
信号Td と電源電圧測定信号Vd とから前記近似データ
を参照し、該近似データを用いて目標周波数データPd
を補正することによりデジタル制御信号Dc を生成す
る。このとき、該コントローラ18は、電圧制御発振器
12の出力周波数と目標周波数との間の誤差が±1pp
mを超えないような精度でデジタル制御信号Dc を生成
する。
【0043】また、該コントローラ18は、目標周波数
データPd 、温度測定信号Td 、電源電圧測定信号Vd
のうち、少なくともいずれか1つを受け取ったときにデ
ジタル制御信号Dc の生成を行うが、このとき生成した
デジタル制御信号Dc が前回生成したデジタル制御信号
c と比較した結果、出力周波数に変動がないか、変動
があっても出力周波数と目標周波数との間の差が±1p
pmを超えない場合には、デジタル制御信号Dc の出力
を行わない。なお、該コントローラ18はクロック発生
器19から出力されるクロック信号に基づいて動作す
る。
【0044】20はコントローラ18によるデジタル制
御信号Dc を制御電圧VCON に変換する信号変換手段と
しての信号変換器である。該信号変換器20は、デジタ
ル制御信号Dc を一時的に記憶する入力レジスタ21
と、該入力レジスタ21に記憶されたデジタル制御信号
c をデジタル−アナログ変換し制御電圧VCON を生成
するデジタル−アナログ変換器(以下、「DA変換器2
2」という)と、該DA変換器22で変換された制御電
圧VCON を電圧保持を行う出力保持回路23とから構成
されている。また、出力保持回路23はキャパシタと開
閉スイッチとから構成され、該出力保持回路23の出力
端子が電圧制御発振器12の入力端子12Dに接続され
ている。
【0045】これにより、該信号変換器20は、デジタ
ル制御信号Dc に対応して0.5V〜3Vの範囲で変化
する制御電圧VCON を電圧制御発振器12に向けて出力
する。また、該信号変換器20は、入力レジスタ21に
よりデジタル制御信号Dc を一時的に記憶すると共に、
出力保持回路23により制御電圧VCON の電圧保持を行
うこととしている。従って、コントローラ18から常
時、連続的にデジタル制御信号Dc を送らなくても制御
電圧VCON を電圧制御発振器12に安定的に入力するこ
とができる。
【0046】本実施例による周波数シンセサイザ11は
上述したような構成を有するものであり、次にその全体
的な動作について説明する。
【0047】まず、目標周波数発生器15の目標周波数
が設定され、該目標周波数発生器15から目標周波数デ
ータPd が出力されると、コントローラ18は、この目
標周波数データPd と、温度測定信号Td と、電源電圧
測定信号Vd とに基づいてデジタル制御信号Dc を出力
する。
【0048】一方、温度測定器13により電圧制御発振
器12の温度が測定され、該温度測定器13から温度測
定信号Td が出力されたとき、または電源電圧Vccが電
源電圧測定信号Vd としてAD変換器17から出力され
たときにも、コントローラ18は、目標周波数データP
d と、温度測定信号Td と、電源電圧測定信号Vdとに
基づいてデジタル制御信号Dc を間歇的に出力する。
【0049】次に、信号変換器20は、コントローラ1
8から間歇的に出力されるデジタル制御信号Dc を入力
レジスタ21に一時的に記憶すると共に、該デジタル制
御信号Dc をDA変換器22により制御電圧VCON に変
換し、この制御電圧VCON を電圧制御発振器12に安定
的に出力されるように出力保持回路23で保持する。
【0050】そして、電圧制御発振器12は、信号変換
器20から出力される制御電圧VCON に対応し、周波数
が、例えば310MHz〜330MHz程度の出力信号
Sを出力する。
【0051】ここで、目標周波数発生器15により目標
周波数が新たに設定されてから、これに追従して電圧制
御発振器12の出力周波数が変化するまでの間の時間
は、主としてDA変換器22のセトリング時間および電
圧制御発振器12の応答速度によって決定される。DA
変換器22のセトリング時間は、18ビット以上の精度
を有するDA変換器を使用した場合でもせいぜい10μ
秒程度である。これは、従来技術による位相同期ループ
方式で観測される数100μ秒以上のセトリング時間に
比べると数10分の1の短い時間である。
【0052】このように、本実施例による周波数シンセ
サイザ11は周波数切替が位相同期ループ方式のものと
比較して格段に高速である。なお、本実施例による周波
数シンセサイザ11は、DA変換器22として18ビッ
トより精度の低いDA変換器を用いているため、出力周
波数の切替を50n秒の高速で行うことができる。
【0053】かくして、本実施例によれば、電圧制御発
振器12により例えば310MHz〜330MHz程度
の広い周波数帯域の出力信号Sを得ることができると共
に、該出力信号Sの周波数切替を、従来の位相同期ルー
プ方式の周波数シンセサイザと比較して格段に高速化す
ることができる。
【0054】また、電圧制御発振器12の温度を測定す
る温度測定器13を設け、該温度測定器13のサーミス
タ13Aを電圧制御発振器12の圧電共振子12Aと同
一の基板14上に近づけて配設したことにより、電圧制
御発振器12の温度を精確に、かつ時間遅れなく測定す
ることができる。
【0055】さらに、該温度測定器13の温度測定結果
である温度測定信号Td 、電源電圧測定信号Vd に基づ
いて、目標周波数データPd を補正することにより、電
圧制御発振器12の出力周波数を、目標周波数に対する
誤差が±1ppmを超えない範囲で安定化させることが
できる。従って、電圧制御発振器12の温度変化に拘ら
ず、電圧制御発振器12の出力周波数を常時目標周波数
と実質的に一致するように安定させることができる。ま
た、電源電圧に変動が生じても、電圧制御発振器12の
出力周波数を常時目標周波数と実質的に一致するように
安定させることができる。
【0056】ここで、図4中の特性線(a)は、本実施
例による周波数シンセサイザ11の出力周波数偏移を示
している。これにより、周波数シンセサイザ11の出力
周波数が安定していることがわかる。一方、図4中の特
性線(b)は、オープンループでフリー発振を行ってい
る場合、即ち、温度測定器13による温度測定とAD変
換器17による電源電圧Vccの測定を行わない場合の出
力周波数偏移を示している。これによれば、オープンル
ープでフリー発振の場合は、出力周波数が+5ppm〜
−10ppm程度の範囲で大きく変化している。このよ
うに、本実施例による周波数シンセサイザ11では、出
力周波数の安定性を大幅に向上させることができる。
【0057】また、当該周波数シンセサイザ11を適用
する機器によっては、DA変換器22のセトリング時間
に余裕がある場合があり、この場合には消費電流を格段
に低減することができる。
【0058】次に、本発明の第2の実施例による周波数
シンセサイザを図5に基づいて説明するに、本実施例の
特徴は、電圧制御発振器から出力される出力信号の周波
数を測定する出力周波数測定手段を設け、電圧制御発振
器から出力される出力信号の周波数に経時変化が生じる
のを防止したことにある。なお、本実施例では前述した
第1の実施例の構成要素と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
【0059】図5において、31は本実施例による周波
数シンセサイザを示す。32は電圧制御発振器12から
出力周波数を測定する出力周波数測定手段としての周波
数カウンタを示し、周波数カウンタ32は、プリスケー
ラが内蔵され、電圧制御発振器12の出力周波数を例え
ばその28分の1に分周した後、その周波数をカウント
する。そして、該周波数カウンタ32は、そのカウント
数とクロック発生器19から入力されるクロック信号の
カウント数と比較することにより電圧制御発振器12の
出力周波数を算定し、該出力周波数に対応したデジタル
信号を出力周波数測定信号Fd としてコントローラ33
に向けて出力する。
【0060】33は制御信号出力手段としての本実施例
によるコントローラを示し、該コントローラ33は、演
算処理装置、メモリ等を有するマイクロプロセッサであ
る。そして、該コントローラ33は、温度測定器13に
よる温度測定信号Td と、AD変換器17による電源電
圧測定信号Vd と、周波数カウンタ32による出力周波
数測定信号Fd と、目標周波数発生器による目標周波数
データPd とに基づいて演算を行い、電圧制御発振器1
2の出力周波数を目標周波数と一致させるためのデジタ
ル制御信号Dc を信号変換器20に向けて出力する。
【0061】ここで、該コントローラ33は、折れ線近
似データを参照して、目標周波数データPd を補正する
ことによりデジタル制御信号Dc を生成する点等、第1
の実施例で述べたコントローラ18とほぼ同様の機能を
有するものの、本実施例によるコントローラ33は、以
下に述べるような特徴を有する。
【0062】即ち、該コントローラ33は、周波数カウ
ンタ32による出力周波数測定信号Fd を受け取り、出
力周波数の経時変化を認識する。そして、該コントロー
ラ33は、経時変化により出力周波数と目標周波数との
間に誤差が生じている場合には、それを解消するように
目標周波数データPd を補正した上で、デジタル制御信
号Dc を生成する。なお、出力周波数の経時変化は、電
圧制御発振器12、DA変換器22、温度測定器13等
の経時的な変動によって生じるものである。このため、
出力周波数の経時変化は使用開始から非常に長い時間を
経過した後に生じるものと考えられる。よって、コント
ローラ33は、出力周波数測定信号Fdに基づき補正処
理を、経時変化の生じると予想される比較的長い時間間
隔をもって間歇的に行う。
【0063】さらに、コントローラ33は、出力周波数
測定信号Fd に基づき、経時変化により出力周波数と目
標周波数との間に誤差が生じている場合には、その誤差
を経時変化後の最新データとして該コントローラ33の
メモリに記憶する。このように、該コントローラ33
は、電圧制御発振器12の出力周波数特性を定常的に学
習することにより、出力周波数と電圧制御発振器12の
温度変化との関係、出力周波数と電源電圧Vccの変動と
の関係、および出力周波数と制御電圧VCON との関係に
関するデータとしてコントローラ33のメモリに記憶さ
れた折れ線近似データを更新し続ける。
【0064】このように構成される本実施例による周波
数シンセサイザ31によっても、前述した第1の実施例
によるものとほぼ同様の作用効果を奏する。
【0065】然るに、本実施例による周波数シンセサイ
ザ31では、電圧制御発振器12の出力周波数を測定す
る周波数カウンタ32を設け、出力周波数の経時変化を
コントローラ33により補正すると共に、出力周波数の
経時変化を学習する構成としたから、経時変化により出
力周波数と目標周波数との間に誤差が生じるのを防止で
き、出力周波数の安定性をより一層向上させることがで
きる。
【0066】さらに、本実施例による周波数シンセサイ
ザ31では、上述したように温度変化や経時変化による
出力周波数の変動を防止できるため、電圧制御発振器1
2の圧電共振子12Aとして、比較的大きな温度係数を
もつタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の材料を
用いることができる。
【0067】次に、本発明の第3の実施例による周波数
シンセサイザを図6に基づいて説明するに、本実施例の
特徴は、電圧制御発振器の温度測定を行う温度測定手段
を、温度変化に対応して発振周波数の変化する温度測定
発振器と、該温度測定発振器の発振周波数を測定し、該
温度測定発振器の発振周波数に対応した測定信号を出力
する測定信号出力手段とから構成し、前記温度測定発振
器の発振周波数を前記電圧制御発振器から出力される出
力信号の周波数帯域よりも小さく設定したことにある。
なお、本実施例では前述した第1の実施例の構成要素と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0068】図6において、41は本実施例による周波
数シンセサイザを示す。42は電圧制御発振器12の温
度を測定する温度測定発振器を示し、該温度測定発振器
42は後述する温度測定用周波数カウンタ44と共に温
度測定手段を構成する。該温度測定発振器42は、温度
変化に対応して発振周波数が変化する水晶発振器によっ
て構成されている。また、該温度測定発振器42の中心
周波数は10MHzであり、電圧制御発振器12の周波
数帯域が例えば310MHz〜330MHzであるのに
対して、非常に低い周波数である。なお、該温度測定発
振器42は、電圧制御発振器12の温度が1度変化する
と、発振周波数が約80ppm変化するように設定され
ており、電圧制御発振器12の温度変化を高精度に測定
できる。
【0069】また、該温度測定発振器42の水晶発振器
は、第1の実施例で述べた温度測定器13のサーミスタ
13Aと同様に、電圧制御発振器12の圧電共振子12
Aと同一の基板43上に設けられ、かつ、圧電共振子1
2Aの近くに設けられている。これにより、該水晶発振
器は、圧電共振子12Aと熱結合されている。従って、
該温度測定発振器42で基板43の温度を検知すること
によって圧電共振子12Aの温度を精確に測定すること
ができる。
【0070】44は温度測定発振器42の発振周波数を
測定し、温度測定発振器42の発振周波数に対応した温
度測定信号Td を出力する測定信号出力手段としての温
度測定用周波数カウンタを示し、該温度測定用周波数カ
ウンタ44は、プリスケーラが内蔵され、温度測定発振
器42の発振周波数を例えばその4分の1に分周した
後、その周波数をカウントする。そして、該温度測定用
周波数カウンタ44は、そのカウント数とクロック発生
器19から入力されるクロック信号のカウント数と比較
することにより温度測定発振器42の発振周波数を算定
し、該発振周波数に対応したデジタル信号を温度測定信
号Td としてコントローラ18に向けて出力する。
【0071】このように構成される本実施例による周波
数シンセサイザ41によっても、前述した第1の実施例
とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0072】然るに、本実施例によれば、電圧制御発振
器12の温度を温度測定発振器42と温度測定用周波数
カウンタ44とにより測定する構成とし、温度測定発振
器42の発振周波数を電圧制御発振器12の出力周波数
帯域よりも小さく設定したから、製造過程において温度
測定発振器42を構成する水晶発振器の発振素子の加工
寸法を、作成プロセスの影響を受けない程度に大きくす
ることができる。
【0073】即ち、温度測定発振器42の発振周波数は
10MHz程度であるため、水晶発振器の発振素子を、
1μmオーダの寸法精度で加工することができる。従っ
て、前記発振素子の加工が容易になると共に、温度測定
発振器42の発振周波数を基板材料特性だけに依存させ
ることができるため、製造上、温度測定発振器42の発
振周波数にばらつきが生じるのを防止することができ
る。
【0074】また、温度測定発振器42の水晶発振器を
電圧制御発振器12の圧電共振子12Aと同一の基板4
3上に近設したことにより、電圧制御発振器12の温度
を精確に、かつ時間遅れなく測定することができる。
【0075】さらに、温度測定用周波数カウンタ44は
取り扱う周波数が低いので消費電流を低減することがで
きる。
【0076】次に、本発明の第4の実施例による周波数
シンセサイザを図7に基づいて説明する。
【0077】本実施例による周波数シンセサイザ51の
特徴は、電圧制御発振器12の温度測定を行う温度測定
手段を、前述した第3の実施例と同様に、温度測定発振
器42と温度測定用周波数カウンタ44とから構成し、
温度測定発振器42の発振周波数を電圧制御発振器12
の出力周波数の周波数帯域よりも小さく設定すると共
に、第2の実施例と同様に電圧制御発振器12の出力周
波数を測定する周波数カウンタ32を設けたことにあ
る。
【0078】このような構成による周波数シンセサイザ
51によっても、前述した第1ないし第3の実施例によ
るものと同様の作用効果を奏する。
【0079】次に、本発明の第5の実施例による周波数
シンセサイザを図8に基づいて説明する。
【0080】本実施例による周波数シンセサイザ61の
特徴は、第3の実施例で述べたコントローラ18に代え
て、制御データ記憶手段としての制御データメモリ62
を設けたことにある。即ち、該制御データメモリ62
は、読出し専用のメモリ(ROM)であり、該制御デー
タメモリ62には、電圧制御発振器12の制御電圧V
CON を設定するための制御データを配列したルックアッ
プテーブルが記憶されている。
【0081】ここで、前記制御データとは、電圧制御発
振器12の出力周波数と電圧制御発振器12の温度変化
との関係、該出力周波数と電源電圧Vccの変動との関
係、および該出力周波数と制御電圧VCON との関係を詳
細に測定して得たデータである。
【0082】そして、該制御データメモリ62に温度測
定信号Td 、電源電圧測定信号Vd、目標周波数データ
d が入力されると、前記ルックアップテーブルが参照
され、該ルックアップテーブルから、温度測定信号T
d 、電源電圧測定信号Vd および目標周波数データPd
によって指定された制御データが読出され、該制御デー
タがデジタル制御信号Dc として出力される。
【0083】このように構成される周波数シンセサイザ
61によっても、前述した第1ないし第4の実施例と同
様の作用効果を奏する。特に、電圧制御発振器12の温
度が変化したことにより、または電源電圧Vccが変化し
たことにより、電圧制御発振器12の出力周波数と目標
周波数との間に誤差が生じたときには、その誤差を補正
するような制御データが読出される。これにより、電圧
制御発振器12の温度が変化したとき、または電源電圧
ccが変化したときにも電圧制御発振器12の出力周波
数と目標周波数とを一致させることができ、周波数安定
性を向上させることができる。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したとおり、請求項1に係る発
明によれば、制御電圧に対応する周波数の出力信号を出
力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器の温度を測
定する温度測定手段と、目標周波数を設定する目標周波
数設定手段と、前記温度測定手段による電圧制御発振器
の温度と前記目標周波数設定手段による目標周波数とに
基づいて、電圧制御発振器の温度が変化したとき該電圧
制御発振器から出力される出力信号の周波数と目標周波
数との間に生じる誤差を補正する演算を行い、前記電圧
制御発振器から出力される出力信号の周波数を目標周波
数に一致させるためのデジタル制御信号を出力する制御
信号出力手段と、該制御信号出力手段によるデジタル制
御信号をアナログ変換し、前記電圧制御発振器に該デジ
タル制御信号に対応するアナログ制御電圧を出力する信
号変換手段とから構成したから、電圧制御発振器から出
力される出力信号の周波数を高速に切替えることができ
ると共に、電圧制御発振器の温度変化に拘らず、前記出
力信号の周波数安定性を向上させることができる。
【0085】請求項2に係る発明によれば、電圧制御発
振器に供給される電源電圧を測定する電源電圧測定手段
を設け、制御信号出力手段が、温度測定手段による電圧
制御発振器の温度と電源電圧測定手段による電源電圧と
目標周波数設定手段による目標周波数とに基づいて、電
圧制御発振器の温度が変化したときまたは電源電圧が変
化したとき該電圧制御発振器から出力される出力信号の
周波数と目標周波数との間に生じる誤差を補正する演算
を行うことによってデジタル制御信号を出力する構成と
したから、電圧制御発振器から出力される出力信号の周
波数を高速に切替えることができると共に、電圧制御発
振器の温度変化に拘らず、前記出力信号の周波数安定性
を向上させることができる。また、電源電圧が変動した
場合でも、前記出力信号の周波数を目標周波数に一致さ
せることができ、前記出力信号の周波数安定性をより一
層向上させることができる。
【0086】請求項3に係る発明によれば、電圧制御発
振器から出力される出力信号の周波数を測定する出力周
波数測定手段を設け、制御信号出力手段が、温度測定手
段による電圧制御発振器の温度と電源電圧測定手段によ
る電源電圧と出力周波数測定手段による出力信号の周波
数と目標周波数設定手段による目標周波数とに基づい
て、電圧制御発振器の温度が変化したとき、電源電圧が
変化したときまたは経時変化が発生したとき該電圧制御
発振器から出力される出力信号の周波数と目標周波数と
の間に生じる誤差を補正する演算を行うことによってデ
ジタル制御信号を出力する構成としたから、電圧制御発
振器から出力される出力信号の周波数を高速に切替える
ことができると共に、電圧制御発振器の温度変化や電源
電圧の変動が生じても、前記出力信号を目標周波数に一
致させることができ、周波数安定性を向上させることが
できる。さらに、長期使用により前記出力信号が経時変
化し、出力信号の周波数と目標周波数との間に誤差が生
じるのを防止することができ、出力信号の周波数安定性
をより一層向上させることができる。
【0087】請求項4に係る発明では、電圧制御発振器
の制御電圧を設定するための制御データが記憶され、前
記温度測定手段で測定された温度と前記目標周波数設定
手段による目標周波数とに基づいて、前記電圧制御発振
器の温度が変化したときにも前記出力信号の周波数を目
標周波数に一致させる制御データを読出し、該制御デー
タをデジタル制御信号として出力する制御データ記憶手
段を設け、該制御データ記憶手段から出力されるデジタ
ル制御信号を信号変換手段によりアナログ変換して制御
電圧を設定し、電圧制御発振器から出力される出力信号
の周波数を切替える構成としたから、電圧制御発振器か
ら出力される出力信号の周波数を高速に切替えることが
できると共に、電圧制御発振器の温度変化に拘らず、前
記出力信号の周波数安定性を向上させることができる。
【0088】請求項5に係る発明によれば、電圧制御発
振器と温度測定手段とを同一の基板上に互いに近接させ
る構成としたから、電圧制御発振器の温度を精確に、か
つ時間遅れなく測定することができる。従って、電圧制
御発振器の温度変化に拘らず、電圧制御発振器から出力
される出力信号の周波数を目標周波数に精確に一致させ
ることができ、温度変化に対する周波数変動を解消する
ことができる。
【0089】請求項6に係る発明によれば、温度測定手
段を、温度変化に対応して発振周波数の変化する温度測
定発振器と、該温度測定発振器の発振周波数を測定し、
該温度測定発振器の発振周波数に対応した測定信号を出
力する測定信号出力手段とから構成し、前記温度測定発
振器の発振周波数を前記電圧制御発振器から出力される
前記出力信号の周波数帯域よりも小さく設定したから、
温度測定発振器を構成する発振素子の加工寸法を加工プ
ロセスの影響を受けない程度に大きくすることができ
る。これにより、温度測定発振器の製造が容易となり、
温度測定発振器の発振周波数にばらつきが生じるのを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による周波数シンセサイ
ザを示すブロック回路図である。
【図2】図1中の電圧制御発振器を示す回路図である。
【図3】電圧制御発振器の圧電共振子と温度測定器のサ
ーミスタが設けられた基板を示す斜視図である。
【図4】第1の実施例による周波数シンセサイザの出力
周波数偏移と、温度測定および電源電圧測定を行わなか
ったときの電圧制御発振器の出力周波数偏移を示した特
性線図である。
【図5】本発明の第2の実施例による周波数シンセサイ
ザを示すブロック回路図である。
【図6】本発明の第3の実施例による周波数シンセサイ
ザを示すブロック回路図である。
【図7】本発明の第4の実施例による周波数シンセサイ
ザを示すブロック回路図である。
【図8】本発明の第5の実施例による周波数シンセサイ
ザを示すブロック回路図である。
【図9】従来技術による周波数シンセサイザを示すブロ
ック回路図である。
【符号の説明】
11,31,41,51,61 周波数シンセサイザ 12 電圧制御発振器 13 温度測定器(温度測定手段) 14,43 基板 15 目標周波数発生器(目標周波数設定手段) 16 直流電源(電源) 17 AD変換器(電源電圧測定手段) 18,33 コントローラ(制御信号出力手段) 20 信号変換器(信号変換手段) 22 DA変換器 32 周波数カウンタ(出力周波数測定手段) 42 温度測定発振器 44 温度測定用周波数カウンタ(測定信号出力手段) 62 制御データメモリ(制御データ記憶手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電圧に対応する周波数の出力信号を
    出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器の温度を
    測定する温度測定手段と、目標周波数を設定する目標周
    波数設定手段と、前記温度測定手段による電圧制御発振
    器の温度と前記目標周波数設定手段による目標周波数と
    に基づいて、電圧制御発振器の温度が変化したとき該電
    圧制御発振器から出力される出力信号の周波数と目標周
    波数との間に生じる誤差を補正する演算を行い、前記電
    圧制御発振器から出力される出力信号の周波数を目標周
    波数に一致させるためのデジタル制御信号を出力する制
    御信号出力手段と、該制御信号出力手段によるデジタル
    制御信号をアナログ変換し、前記電圧制御発振器に該デ
    ジタル制御信号に対応するアナログ制御電圧を出力する
    信号変換手段とからなる周波数シンセサイザ。
  2. 【請求項2】 制御電圧に対応する周波数の出力信号を
    出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器の温度を
    測定する温度測定手段と、前記電圧制御発振器に供給さ
    れる電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、目標周波
    数を設定する目標周波数設定手段と、前記温度測定手段
    による電圧制御発振器の温度と前記電源電圧測定手段に
    よる電源電圧と前記目標周波数設定手段による目標周波
    数とに基づいて、電圧制御発振器の温度が変化したとき
    または電源電圧が変化したとき該電圧制御発振器から出
    力される出力信号の周波数と目標周波数との間に生じる
    誤差を補正する演算を行い、前記電圧制御発振器から出
    力される出力信号の周波数を目標周波数に一致させるた
    めのデジタル制御信号を出力する制御信号出力手段と、
    該制御信号出力手段によるデジタル制御信号をアナログ
    変換し、前記電圧制御発振器に該デジタル制御信号に対
    応するアナログ制御電圧を出力する信号変換手段とから
    なる周波数シンセサイザ。
  3. 【請求項3】 制御電圧に対応する周波数の出力信号を
    出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器の温度を
    測定する温度測定手段と、前記電圧制御発振器に供給さ
    れる電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、前記電圧
    制御発振器から出力される前記出力信号の周波数を測定
    する出力周波数測定手段と、目標周波数を設定する目標
    周波数設定手段と、前記温度測定手段による電圧制御発
    振器の温度と前記電源電圧測定手段による電源電圧と前
    記出力周波数測定手段による出力信号の周波数と前記目
    標周波数設定手段による目標周波数とに基づいて、電圧
    制御発振器の温度が変化したとき、電源電圧が変化した
    ときまたは経時変化が発生したとき該電圧制御発振器か
    ら出力される出力信号の周波数と目標周波数との間に生
    じる誤差を補正する演算を行い、前記出力信号の周波数
    を目標周波数に一致させるためのデジタル制御信号を出
    力する制御信号出力手段と、該制御信号出力手段による
    デジタル制御信号をアナログ変換し、前記電圧制御発振
    器に該デジタル制御信号に対応するアナログ制御電圧を
    出力する信号変換手段とからなる周波数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】 制御電圧に対応する周波数の出力信号を
    出力する電圧制御発振器と、該電圧制御発振器の温度を
    測定する温度測定手段と、目標周波数を設定する目標周
    波数設定手段と、前記電圧制御発振器の制御電圧を設定
    するための制御データが記憶され、前記温度測定手段で
    測定された温度と前記目標周波数設定手段による目標周
    波数とに基づいて、前記電圧制御発振器の温度が変化し
    たときにも前記出力信号の周波数を目標周波数に一致さ
    せる制御データを読出し、当該制御データをデジタル制
    御信号として出力する制御データ記憶手段と、該制御デ
    ータ記憶手段によるデジタル制御信号をアナログ変換
    し、前記電圧制御発振器に該デジタル制御信号に対応す
    るアナログ制御電圧を出力する信号変換手段とからなる
    周波数シンセサイザ。
  5. 【請求項5】 前記電圧制御発振器と前記温度測定手段
    とを同一の基板上に互いに近接して配設してなる請求項
    1,2,3または4に記載の周波数シンセサイザ。
  6. 【請求項6】 前記温度測定手段は、温度変化に対応し
    て発振周波数の変化する温度測定発振器と、該温度測定
    発振器の発振周波数を測定し、該温度測定発振器の発振
    周波数に対応した測定信号を出力する測定信号出力手段
    とから構成し、前記温度測定発振器の発振周波数を前記
    電圧制御発振器から出力される前記出力信号の周波数帯
    域よりも小さく設定してなる請求項1,2,3,4また
    は5に記載の周波数シンセサイザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014112509A1 (ja) * 2013-01-16 2014-07-24 ピーエスフォー ルクスコ エスエイアールエル 出力信号生成装置、半導体装置および出力信号生成方法

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