JPH0931969A - 地盤改良用掘削攪拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟弱地盤の改良工事に用いる地盤改良用掘削
攪拌装置に停止翼を用いることなく、掘削土の共廻りを
阻止して該掘削土の細断と細断された土と地盤改良材と
の攪拌混合を効率良く行う。 【構成】 リーダ４，４間に中軸１０及び該中軸１０を
遊挿した角パイプより成る外軸１１とを垂設し、そし
て、中軸１０の下端部に固設した掘削刃１３と外軸１１
に固設した攪拌翼１６とを個別に回転させ、該攪拌翼１
６の回転速度を掘削刃１３の回転速度と異った速度で回
転させ、或いは逆転又は間欠的に停止させることによっ
て掘削土の共廻りを阻止すると共に、該掘削土を細断
し、細断された掘削土と地盤改良材とを効率良く攪拌混
合させて強固な地盤改良柱を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地盤改良用掘削攪
拌装置に関するものであり、特に、攪拌翼を角パイプよ
り成る外軸に固設し、該攪拌翼の回転駆動を中軸の先端
部に固設された掘削刃の回転に対して別異に為さしめる
ようにした地盤改良用掘削攪拌装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】地盤改良は回転軸の先端部に固設した掘
削刃にて地盤を掘削し、更に、該回転軸の先端部に設け
た地盤改良材の吐出孔よりセメントミルク等の地盤改良
材を吐出し、そして、前記掘削刃によって掘削された掘
削土と前記地盤改良材とを物理的に攪拌混合し、該混合
体が硬化されて軟弱地盤を円柱状に改良するものである
が、従来は攪拌翼にて回転攪拌される掘削土の共廻り防
止のために前記回転軸に停止翼を遊嵌して成る地盤改良
用掘削攪拌装置が知られている。而して、該従来例は、
前記停止翼の回転を地上から強制的に拘束するものと、
該停止翼を土中に於て掘削径より大なる長さに取り付
け、掘削開始から完了まで掘削孔壁へ喰い込ませてその
回転を阻止させようとするものとがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記停止翼のうち、前
者は確実に回転が阻止されて停止するが、攪拌翼と該停
止翼との間に障害物等を噛むようなことがあれば、該停
止翼は破損して本来の機能を発揮することができなくな
ることがある。

【０００４】又、後者の停止翼は周辺地盤の状況に合わ
せて該停止翼の長さを調整せねばならない。更に、周辺
地盤が硬い場合、或いは掘削孔壁面に転石や障害物があ
れば、該停止翼は該掘削孔壁に喰い込むことができず、
且つ、掘削スピードの円滑性を損なうことになる。

【０００５】そこで、かかる停止翼を備えることなく、
掘削土の共廻りを阻止して該掘削土の細断と該細断され
た掘削土と地盤改良材との攪拌混合を効率良く為すため
に解決せらるべき技術的課題が生じてくるのであり、本
発明は該課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案せられたものであり、回転軸の先端部に
掘削刃と地盤改良材の吐出孔を備え、前記掘削刃によっ
て掘削した掘削土と前記吐出孔より吐出された地盤改良
材とを攪拌混合するように形成された掘削攪拌装置に於
て、前記回転軸は角パイプより成る外軸内に遊挿されて
垂設されると共に、穿孔機のリーダ上端部位に設置され
たモータにて駆動され、前記外軸は該リーダ下方部位に
設置された回転駆動装置に設けた遊挿孔に遊挿されて該
回転駆動装置にて回転駆動されると共に、該外軸に攪拌
翼を固設した地盤改良用掘削攪拌装置を提供するもので
ある。

【０００７】ここで、回転駆動装置とは、中心部に角形
パイプより成る外軸と略同一形状に上下に開放された該
外軸の遊挿孔を有する回転部材を有し、更に、該回転部
材の周面は円周面に形成したギヤがモータ軸に軸着した
ギヤと噛合して該モータの回転を回転部材に伝達し、そ
して、該回転部材の略中心部位に設けた前記遊挿孔に遊
挿した外軸を正逆回転及び停止を自在に為さしめるよう
に構成されたものを云う。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を穿
孔機に組み込んだ状態として説明する。図に於て１は穿
孔機である。該穿孔機１には前部に操縦室２が設けら
れ、クローラ３，３にて進行するように構成されてい
る。

【０００９】又、該穿孔機１の前方の左右両側には伸縮
自在のリーダ４，４…が平行に設けられている。又、該
リーダ４，４…のうちの最上段のリーダ４，４…はフレ
ーム５にて連結されており、更に、最下段のリーダ４，
４の上部及び下部にもフレーム６，７が水平に架設され
ている。更に又、該穿孔機１の前方には油圧シリンダ
８，９が設けられて、該油圧シリンダ８，９にてフレー
ム等を介して該リーダ４，４…を傾倒及び伸縮自在に支
持している。

【００１０】又、前記リーダ４，４…の中間に中軸１０
と、該中軸１０を遊挿した外軸１１とが垂設されてい
る。而して、該中軸１０は中空に形成されて前記リーダ
４，４の上端部位に設けられているモータ１２によって
回転駆動され、そして、下端部には掘削刃１３を固設す
ると共に、セメントミルク等の地盤改良材の吐出孔１４
を有する。更に、最上段の前記フレーム５にはスイベル
ジョイントが設けられ、中軸１０の上端部を回転自在に
支承している。

【００１１】而して、該穿孔機１は前記中軸１０の下端
部に固設した掘削刃１３をモータ１２にて回転させ、更
に、リーダ４，４…を縮小させることにより、改良せら
るべき地盤Ｇを掘り下げて所定深さに及んで掘削孔を形
成する。このとき、該中軸１０の先端部に設けた吐出孔
１４よりセメントミルクの如き地盤改良材を吐出せし
め、該地盤改良材は前記掘削刃によって掘削した掘削土
の中に注入され、後述の攪拌翼１６の攪拌作用によって
該掘削土と地盤改良材とが攪拌混合されるように構成さ
れている。

【００１２】又、該中軸１０の下端部は前記掘削刃１３
を固設し、且つ、地盤改良材の吐出孔１４を有する下端
部中軸１０ａを下部フランジ１７に固設し、そして、該
下部フランジ１７と締結せられる上部フランジ１８にス
ラスト軸受部１９の下部受部１９ａを固設し、更に、該
下部受部１９ａの中心部に中軸１０の嵌着孔２０を設
け、該嵌着孔２０に中軸１０を密嵌して固定し、そして
前記下端部中軸１０ａと導通させると共に、該上部フラ
ンジ１８と下部フランジ１７とをボルト２１，２１…に
て緊締して中軸１０と下端部中軸１０ａとを一体的に結
合させる。

【００１３】次に、外軸１１を図５に従って説明する。
該外軸１１は略正方形状の中空パイプにて形成されてお
り、そして、該中空パイプの下端部を前記スラスト軸受
１９の上部当片１９ｂに固設する。而して、該上部当片
１９ｂと下部受部１９ａとによってスラスト軸受１９が
構成される。従って、外軸１１は該スラスト軸受１９に
支持されて中軸１０とは個別に回転駆動されるように構
成されている。

【００１４】尚、前記上部当片１９ｂと下部受部１９ａ
との間のスラスト面にはグリス２１が注入されており、
更に、中軸１０と上部当片１９ｂとの間にオイルシール
２２，２２が介装され、更に又、前記スラスト面にヘド
ロ等が侵入しないように泥除（二点鎖線にて示す）が前
記外軸１１に遊嵌されている。

【００１５】又、該外軸１１は最下段のリーダ４，４の
下部に固設した回転駆動装置２３によって回転される。
該回転駆動装置２３は図３及び図４に示す如く、ケース
２４の略中心部に、該外軸１１の遊挿孔２５を有する回
転部材２６を水平方向回転自在に遊嵌し、更に、該回転
部材２６の周面は円周面に形成されて大形ギヤ２７を有
し、そして、該大形ギヤ２７は該ケース２４の背面左右
に配設された左右モータ２８，２８の軸に軸着した小形
ギヤ２９と噛合させて、該モータ２８，２８の回転駆動
によって該回転部材２６がケース２４内にて回転可能に
構成されている。而して、該遊挿孔２５には外軸１１が
遊嵌されるので、該外軸１１は該遊挿孔２５によって上
下動のみがフリーとなり、依って、前記中軸１０の回転
によって掘削刃１３が地盤Ｇを掘削し乍ら下降すると
き、該外軸１１も自重その他の適当な手段によって下降
すると共に、前記回転部材２６の回転によって回転する
ことができるように構成されている。そして、該外軸１
１に前述の攪拌翼１６，１６…が固設される。

【００１６】又、該穿孔機１及びリーダ４，４…は支持
シリンダ３０，３０…にて支持されて該穿孔機１の車体
を固定する。本発明の一実施の形態は上述せる如き装置
に係るから、改良すべき軟弱地盤Ｇはモータ１２にて回
転駆動される掘削刃１３の回転によって逐次掘り下げら
れて掘削孔が形成される。更に、吐出孔１４より地盤改
良材が吐出され、そして、該地盤改良材が前記掘削土と
共に回転移動する。このとき、外軸１１に固設している
攪拌翼１６，１６…が回転駆動装置２３にて回転し乍ら
該掘削刃１３による掘進に追随して下降する。このと
き、掘削刃１３の回転速度と攪拌翼１６の回転速度を変
え、又は逆転し、或いは間欠的に停止させたりすること
により該掘削刃１３にて掘削され、該掘削刃１３の回転
方向に回転移動している掘削土が該攪拌翼１６にて細断
され、更に、該細断された掘削土と前記地盤改良材とが
効率良く攪拌混合され、そして、強固なる地盤改良柱が
構成されることになるのである。

【００１７】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。

【００１８】

【発明の効果】この発明は回転駆動装置に上下動自在に
遊嵌された角パイプより成る外軸が、該外軸内に遊挿さ
れた中軸とは回転駆動が個別に行われるので、中軸下端
部に固設された掘削刃と外軸に固設された攪拌翼とが相
互に独立して回転する。従って、攪拌翼の回転速度を掘
削刃の回転速度と異った速度にして掘削刃にて掘削され
た掘削土の共廻りを防止して該掘削土を細断させ、更
に、逆転或いは間欠的に停止させることと相俟って該掘
削土の細断効果を助成し、該細断された土と地盤改良材
との攪拌混合を極めて効率良く行うことができる等、正
に諸種の著大なる効果を奏する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の地盤改良用掘削攪拌装
置を取付けた穿孔機の正面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】本発明の一実施の形態の回転駆動装置の平面
図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【図５】本発明の一実施の形態の中軸及び外軸の下端部
の構成を示す一部縦断正面図。

【図６】本発明の一実施の形態の掘削刃及び攪拌翼にて
掘削と攪拌混合を為している状態を示す縦断正面図。

【符号の説明】

１ 穿孔機 １０ 中軸 １１ 外軸 １３ 掘削刃 １４ 吐出孔 １６ 攪拌翼 ２３ 回転駆動装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸の先端部に掘削刃と地盤改良材の
   吐出孔を備え、前記掘削刃によって掘削した掘削土と前
   記吐出孔より吐出された地盤改良材とを攪拌混合するよ
   うに形成された掘削攪拌装置に於て、前記回転軸は角パ
   イプより成る外軸内に遊挿されて垂設されると共に、穿
   孔機のリーダ上端部位に設置されたモータにて駆動さ
   れ、前記外軸は該リーダ下方部位に設置された回転駆動
   装置に設けた遊挿孔に遊挿されて該回転駆動装置にて回
   転駆動されると共に、該外軸に攪拌翼を固設したことを
   特徴とする地盤改良用掘削攪拌装置。