JPH09318564A - 管状物の検査装置 - Google Patents

管状物の検査装置

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JPH09318564A
JPH09318564A JP8135420A JP13542096A JPH09318564A JP H09318564 A JPH09318564 A JP H09318564A JP 8135420 A JP8135420 A JP 8135420A JP 13542096 A JP13542096 A JP 13542096A JP H09318564 A JPH09318564 A JP H09318564A
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tubular object
detector
radiation
scattered
collimator
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Application number
JP8135420A
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English (en)
Inventor
Kiichiro Uyama
喜一郎 宇山
Kazunori Masanobu
和則 正信
Masaji Fujii
正司 藤井
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Toshiba FA Systems Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba FA Systems Engineering Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設(設置)された配管(管状物)または配
管の周囲を掘り起したりせずに(非破壊で)検査可能な
管状物の検査装置を提供する。 【解決手段】 放射線源1と該放射線源から発せられた
放射線の散乱線を検出する散乱線検出器4とを、管状物
1の内部に挿通配置可能に構成し、この構成物を管状物
に沿って走行させ、管状物およびその外周部の状態を画
像化させ、その状態を非破壊で判断可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状物の検査装置
に係り、特に管状物または管状物の外周部を非破壊で検
査する管状物の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に配線する電力ケーブル等のケーブ
ルは、コンクリート製のヒューム管(例えば、直径30
cm)を埋設してその中に配設されるのが一般的であ
る。このヒューム管では数十m毎にマンホールを設け、
ケーブルの出し入れやメンテナンス時に該マンホールか
ら作業員がアクセスする。
【0003】ヒューム管は埋設時に土で埋められ、該ヒ
ューム管の周囲には土あるいは砂が充填されるが、時間
経過に伴ない前記土等が地下水などに流れ出し、ヒュー
ム管の周囲に空間が形成されることがある。この場合、
ヒューム管の下部側に空洞が形成されると、地盤の荷重
や地上を走行する車輌の荷重等によりヒューム管が破損
する恐れがある。従来、かかる空洞の検査の場合には土
を掘り起して検査を実施していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ヒューム管の検査の都度、土を掘り起していたのでは、
当該作業に要する費用や時間が膨大となり、場合によっ
ては検査のための掘り起しが不可能な場所もある。従っ
て、近年では埋設済みのヒューム管を検査する場合に、
効率よく非破壊で(埋設用の土を掘り起すことなく)、
検査を行う手段が求められるようになってきた。
【0005】そこで、本発明の目的は、埋設(設置)さ
れた配管(管状物)または配管の周囲を掘り起したりせ
ずに(非破壊で)検査可能な管状物の検査装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、管状物またはその外周部に
存在する物を被検体とする管状物の検査装置であって、
前記管状物の内部に配置する放射線源と、該放射線源か
ら発せられた放射線が前記被検体に当って生ずる散乱線
を検出する散乱線検出器と、該散乱線検出器の出力に基
づいて前記管状物またはその外周部の状態を画像化する
画像化手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】請求項1記載の発明によれば、放射線源か
ら発せられた放射線は被検体に当って散乱線となり、散
乱線検出器はその散乱線を検出する。画像化手段は散乱
線検出器の出力に基づいて管状物またはその外周部の状
態を画像化する。
【0008】また、請求項2記載の発明は、前記放射線
源から発せられた放射線を所定方向に向う放射線ビーム
にする線源コリメータと、前記被検体に当って生じる前
記放射線ビームの散乱線が、所定方向から前記散乱線検
出器に入射するように導く検出器コリメータとを備えた
ことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明によれば、線源コリメ
ータは放射線源から発せられた放射線を所定方向に向う
放射線ビームにする。検出器コリメータは、被検体に当
って生じる放射線ビームの散乱線が所定方向から散乱線
検出器に入射するように導く。
【0010】また、請求項3記載の発明は、前記放射線
を所定方向に向う放射線ビームにする線源コリメータ
は、前記管状物の周方向へのファン状の放射線ビームに
する手段、または前記管状物の管軸方向へのファン状の
放射線ビームにする手段、またはコーン状の放射線ビー
ムにする手段、またはペンシル状の放射線ビームにする
手段、または円錐状の放射線ビームにする手段のいずれ
かであることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明によれば、線源コリメ
ータは、周方向へのファン状の放射線ビーム、または管
軸方向へのファン状の放射線ビーム、またはコーン状の
放射線ビーム、またはペンシル状の放射線ビーム、また
は円錐状の放射線ビームのいずれかの放射線ビームを形
成する。
【0012】また、請求項4記載の発明は、前記ペンシ
ル状にされた放射線ビームを、前記管状物の全周方向、
または一部周方向、または管軸方向、または円錐面に沿
った方向の、いずれかに走査するビーム走査手段を備え
たことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明によれば、例えば図1
1に示すように、線源コリメータ5からはペンシル状放
射線ビーム2が配管6に向けて発せられ、ビーム走査手
段40は線源コリメータ5を管軸を中心として回転させ
る。すると、ペンシル状放射線ビーム2は配管6の全周
に亘って照射する。また、X線管1と線源コリメータ5
とビーム走査手段40とを含む装置を、配管6の管軸方
向に走査すれば、配管6の全長に亘ってペンシル状放射
線ビーム2を照射することができる。
【0014】また、請求項5記載の発明は、前記ビーム
走査手段は前記ペンシル状にされた放射線ビームを前記
管状物の全周方向に走査する手段であり、前記散乱線検
出器を構成する有感部は前記管状物の内周に沿って配置
されたことを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明によれば、例えば図1
4に示すように、線源コリメータ5はペンシル状放射線
ビーム2を発し、しかもビーム走行手段40により線源
コリメータ5は管軸中心に回転されるので、ペンシル状
放射線ビーム2は配管6の全周を照射する。また、散乱
線検出器4の有感部を配管6の内周に沿って配置する。
このように構成すると、ペンシル状放射線ビーム2の散
乱線3が効率よく前記有感部に検出される。
【0016】また、請求項6記載の発明は、前記線源コ
リメータはペンシル状または円錐状の放射線ビームにす
る手段であり、前記検出器コリメータは前記ペンシル状
または円錐状の放射線ビームが前記被検体に当って生ず
る散乱線を散乱深さごとにそれぞれ対応する検出器に入
射するようにする手段であることを特徴とする。また、
請求項7記載の発明は、前記線源コリメータはファン状
の放射線ビームにする手段であり、前記検出器コリメー
タは前記ファン状の放射線ビームが前記被検体に当って
生ずる散乱線を散乱位置および散乱深さごとにそれぞれ
対応する検出器に入射するようにする手段であることを
特徴とする。
【0017】請求項6および請求項7記載の発明によれ
ば、例えば図16(A)〜図16(D)に示すように、
線源コリメータ5を介してペンシル状または円錐状また
はファン状の放射線ビーム2が配管6を照射し、検出器
4はその散乱線3を検出する。この検出の際に、X線菅
1に近い検出器4は菅軸から見て近い位置の散乱線を検
出し、X線菅1に遠い検出器4は遠い位置からの散乱線
を検出する。
【0018】また、請求項8記載の発明は、前記放射線
源および散乱線検出器を前記管状物内を走行する走行手
段に載置したことを特徴とする。また、請求項9記載の
発明は、前記走行手段を紐状物により前記管状物内を走
行するようにしたことを特徴とする。
【0019】請求項8および請求項9記載の発明によれ
ば、例えば、図23に示すように、放射線源(X線管)
1と散乱線検出器4とは走行手段(車輪51等)に載置
され、紐状物(ワイヤ52)により管状物(配管6)内
を走行する。
【0020】また、請求項10記載の発明は、前記走行
手段は前記管状物の内壁に力を加えその反作用により管
軸方向に走査するようにしたことを特徴とする。請求項
10記載の発明によれば、例えば、図24に示すよう
に、管状物6の内壁に車輪51で力を加え、その反作用
により管軸方向に走行する。
【0021】また、請求項11記載の発明は、前記画像
化手段は前記管状物の管軸方向または管周方向を軸とす
る展開画像を作成し、表示する手段であることを特徴と
する。請求項11記載の発明によれば、例えば、図26
に示すように、画像化手段は管状物の管軸方向または管
周方向を軸とする展開画像を作成し、表示するので、一
目が管状物の状況を知ることができる。
【0022】また、請求項12記載の発明は、前記画像
化手段は、前記管状物の管軸方向の展開画像を折り返し
て表示する手段、または前記管状物の管軸方向の展開画
像を圧縮して表示する手段、または管軸と直交する方向
から見た画像を作成表示する手段、または前記管状物の
管軸方向の展開画像を管軸方向に投影(加算)した投影
画像を作成し表示する手段、または前記管状物の管軸方
向の展開画像を画像の圧縮表示とその一部の拡大表示と
を拡大位置を圧縮表示上に明示して一つの画面に表示す
る手段、または前記管状物の画像をしきい値で判定し領
域わけして表示する手段、または前記管状物の画像を三
次元表示する手段、または前記管状物の管軸と直交する
面あるいは管軸に沿った面での断面像を作成し表示する
手段のいずれかであることを特徴とする。
【0023】請求項12記載の発明によれば、例えば、
図27〜図34に示すように、管状物の管軸方向の展開
画像を折り返して表示し、または管軸方向の展開画像を
圧縮して表示し、または管軸と直交する方向から見た画
像を作成表示し、または管軸方向の展開画像を管軸方向
に投影(加算)した投影画像を作成表示し、または管軸
方向の展開画像を画像の圧縮表示とその一部の拡大表示
とを拡大位置を圧縮表示上に明示して一つの画面に表示
し、または画像をしきい値で判定し領域わけして表示
し、または画像を三次元表示する手段、または管軸と直
交する面あるいは管軸に沿った面での断面像を作成表示
する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態例
に基づいて説明する。
【0025】(1)第1実施形態例 図1は本実施形態例の概念図であり、図2は制御系のブ
ロック図である。図1および図2に示すように、土壌8
の内部にはヒューム管(配管)6が地表に平行に埋設さ
れ、該ヒューム管6には所定間隔でマンホール7a,7
bが形成されている。
【0026】ヒューム管6の内部には、細長いX線管1
等を備えた自力走行可能な走行装置17が挿入されてい
る。該X線管1の下面側にはX線を制限してX線ビーム
2を形成するための線源コリメータ5が配置され、X線
管1の先端部側には散乱線3を検出する検出器4が配置
されている。SはX線源である。前記散乱線3は配管6
による散乱線と、外周部の土壌,水,空気等による散乱
線との少なくとも二種類がある。
【0027】前述のX線管1,検出器4,線源コリメー
タ5は走行駆動用の車輪,モータ等を備えた走行装置1
7に搭載され、該走行装置17は次に説明する検査車1
1から供給される電力を動力源としてヒューム管6内を
管軸方向に走行可能にされている。
【0028】前記検査車11は地上走行が可能であり、
X線管1を制御するX線制御装置19と、走行装置17
の走行を制御する走行制御装置18と、後述の各種デー
タを処理するデータ処理装置15と、該データ処理装置
15の処理事項を表示する表示装置16とが搭載されて
いる。前記検出器4はデータ収集装置14を介してデー
タ処理装置15に接続されている。
【0029】前記X線管1等の走行装置17への搭載機
器と、データ処理装置15等の検査車11への搭載機器
とは、ケーブルCを介してそれぞれ接続されている。
【0030】前述の散乱線の検出器4としては、図3
(A),(B)、図4(A),(B)に示すものが好適
である。図3(A)に示した検出器4Aは、遮光箱21
の内面にシンチレータ22を付着させ、該シンチレータ
22のX線による発光をPMT(光電子増倍管)23で
受けて散乱線を測定する。24はソケットであり、29
は空気である。図3(B)に示した検出器4Bは、シン
チレータ26をPMT23に光透過性のシリコンオイル
等により接合してなるものである。
【0031】図4(A)に示した検出器4Cは、シンチ
レータ27をフォトダイオード28に光透過性のシリコ
ンオイル等からなる接着剤27aを介してなるものであ
る。図4(B)に示した検出器4Dは、1〜10気圧の
Xeガス30を容器31に封じ込め、この中に2つの電
極32,33を設け、約1kVの電圧をかけたものであ
る。
【0032】以上の図3(A),(B)、図4(A),
(B)に示す検出器以外に、半導体放射線検出器やフォ
トカウンティング等の公知の検出器を用いてもよい。
【0033】次に動作を説明する。図1において、ヒュ
ーム管6と土壌8の双方に空隙がある場合、又は土壌8
のみに空隙がある場合は、X線ビーム2はその空隙中の
水9や空気10に入射し、透過しつつ吸収と散乱を受け
散乱線3が発生する。
【0034】散乱線3はあらゆる方向に散乱され、吸収
と(再)散乱を受けつつ周囲の物体を透過して、或るも
のは検出器4に到達して検出される。このようにして検
出される散乱線3の強度は、ヒューム管6及び該ヒュー
ム管6の周囲の物体の状態(材質,密度等)により異な
る。即ち、散乱線強度または散乱線強度の変化を測定す
ることにより前記周囲物体の状態または周囲物体の状態
の変化を測定することができ、ヒューム管6及びその周
囲を検査することができる。
【0035】図5は、本実施形態例の検査結果の一例を
示す図であり、ヒューム管6の管軸方向に走査したとき
の出力を表示装置16に表示したものである。図5にお
いて、ヒューム管6の外側に土8が詰まっている場合
と、空気10の空隙がある場合と、空隙があって水9が
詰まっている場合とに応じて、検出器4の出力が図示の
如く変化し、この出力に基づいてヒューム管6の外側の
状態を検査することができる。
【0036】本実施形態例によれば、次の効果がある。 埋設された配管(ヒューム管)の周囲の状態を非破壊
(掘り起すことなく)で検査できる。 管の周囲の状態だけではなく、管そのものの破損も検
査できる。 管状物の検査装置を検査車11に搭載しているので、
検査準備を迅速に行え、また現場への管状物の検査装置
の搬送をスピーディに行える。
【0037】[変形例]本変形例は、管状物の検査装置
に、散乱線を受ける方向を限定(抑制)する検出器コリ
メータを追加した場合である。
【0038】図6(A)は、本変形例と比較のための
「検出器コリメータを備えない場合」であって、検出器
4は図中の斜線の部分全体からの散乱線3を検出する。
この検出器コリメータを備えない構成は、広い範囲の散
乱線3を検出するので、配管6及びその周囲の広い範囲
の物体を検査の対象とする場合に好適な構成である。
【0039】図6(B)は、検出器4に検出器コリメー
タ12を配置し、図中の斜線の部分で示す配管6の周囲
の物体だけからの散乱線3を検出する。この構成は、狭
い範囲の散乱線3を検出するので、配管6及びその近傍
周囲の物体だけを検査の対象とする場合に好適な構成で
ある。また、コリメータの開口部の配置によっては配管
6だけを検査対象とすることもできる。なお、本実施形
態例および変形例、更には以下の各実施形態例におい
て、放射線としてはX線に限らず、例えばγ線,中性子
線,電磁波等を用いてもよい。
【0040】(2)第2実施形態例 本実施形態例は、配管6に挿通されるX線管の全周に亘
って線源コリメータを配設した場合である。ここに線源
コリメータとは、線源(X線管)から発せられるX線の
放射方向を限定して放射線ビームとするコリメータをい
う。
【0041】図7は本実施形態例の構成図である。図7
に示すように、X線管1の周囲に全周方向に形成された
スリットを有する線源コリメータ5を配置し、この全周
スリットを介して配管内壁の全周方向にファン状のX線
ビーム2を放射させる。また、検出器コリメータ12は
有底の筒状に形成され、その底側に検出器4を配置す
る。検出器コリメータ12の散乱線収集部(開口部)に
散乱線3を導くように、配管6側に向けて配置する。
【0042】次に動作を説明する。図7において、1組
の検出器コリメータ12と検出器4とを考える。ファン
状のX線ビーム2が配管6およびその外周部の物体に当
って生ずる散乱線3のうち、管周方向の一部の散乱線3
が検出器コリメータ12で限定されて検出器4に入射す
る。このような検出器コリメータ12と検出器4との組
がX線管1の全周に亘って配置されているので(図7で
は8組)、配管6の全内周に渡って8組の分解能をもっ
て散乱線3を測定することができる。
【0043】また、前述の構成の管状物の検査装置を管
軸方向に走査することにより(太い矢印で示す)、配管
6の全長に渡る測定を、8組の分解能をもって行うこと
ができる。この場合、管軸方向に各検出器4毎に均質な
バラツキの無い、画像を得ることができる。
【0044】(3)第3実施形態例 図8は本実施形態例の構成図である。本実施形態例と第
2実施形態例との相違点は、第2実施形態例がX線管1
の全外周に線源コリメータ5を配置したのに対し、本実
施形態例はX線管1の近傍の一部(例えば、90度)に
線源コリメータ5を配置した点である。
【0045】このように構成すれば、配管6の周方向
(例えば90度)に渡って配置された例えば5組の検出
器4の分解能をもって散乱線3を測定することができ
る。なお、前記第2実施形態例ではX線管は高価な全周
用のものを使用しなければならないが、本実施形態例で
は例えば90度のファン状の放射線を発生する比較的安
価なものでよく、検出器4とコリメータ12の数が少な
いので、検査装置を安価に構成することができる。ま
た、本実施形態例の検査装置は、例えば配管の下面側
(土砂等が水により流され、空間が形成され易い)を中
心に検査を行う場合に好適である。
【0046】(4)第4実施形態例 図9は本実施形態例の構成図である。図9に示すよう
に、X線管1の近傍に管軸方向に形成されたスリットを
有する線源コリメータ5を設け、該線源コリメータ5を
介して配管6の管軸方向にファン状のX線ビーム2を放
射させる。
【0047】また、検出器コリメータ12を設けた検出
器4を配管6の管軸方向に多数配置して、散乱線3を管
軸方向に限定した状態で測定する。これにより管軸方向
の配管6及び配管周囲の状態を測定することができる。
更に、前述の構成の装置を管軸を中心として回転走査す
ることにより、配管6の内壁の全周に亘って測定するこ
とができる。この場合、検出器コリメータ12は、ファ
ン状のX線ビーム2が当って生ずる散乱線3のうち管軸
方向の一部が1つの検出器に入射するように散乱線3を
限定するので、管軸方向に分解能をもって散乱線を測定
することができる。
【0048】また、回転走査した場合には、配管6の周
方向に均質な画像を得ることができる。
【0049】(5)第5実施形態例 図10は本実施形態例の構成図である。図10に示すよ
うに、X線管1はコーン状のX線ビーム2を放射する。
開口部としてピンホールを有する検出器コリメータ12
は、該ピンホールにより散乱線3を散乱位置に対応した
検出器4に入射するように限っている。ここに、検出器
4は有感部が平面状に配置されている。
【0050】このようにすれば、ピンホールを有する検
出器コリメータ12により配管6の内面に沿って分解能
をもって散乱線を測定することができる。この場合、X
線管1を回転させることなく二次元画像を得ることがで
きる。
【0051】(6)第6実施形態例 図11(A)は本実施形態例の構成図である。図11
(A)に示すように、X線管1の周囲にピンホールを設
けた線源コリメータ5を設け、ペンシル状のX線ビーム
2を放射させる。また、ビーム走行装置40により線源
コリメータ5を円筒の軸中心に回転させ、配管6の全周
方向にX線ビーム2を走査する。
【0052】また、全周のどの方向からの散乱線3も均
等に検出する検出器4を、X線管1の上方に設置する。
そして、ビーム走行装置40により線源コリメータ5を
軸中心に回転させつつX線ビーム2の散乱線3を検出器
4で受け、全周方向の配管6及び配管周囲の状態を測定
する。この場合、回転速度を可変にしておくと、回転速
度が遅いときには精度を高くでき、速いときには検査速
度を大にすることができる。
【0053】このビーム走査により、時間分解能をもっ
て測定することで、全周方向に分解能をもって散乱線3
を測定することができる。この場合、検出器4が1チャ
ンネルで済み、安価に均質性の画像を得ることができ
る。また、前記構成の管状物の検査装置を管軸方向に走
査することにより、配管6の全体の測定をすることがで
きる。
【0054】[変形例]図11(B)に示すように、X
線管1の周囲に直交方向に4カ所のピンホールを備えた
短円筒状の線源コリメータ5を配置する。また、X線管
1の斜め上方に複数の検出器4と検出器コリメータ12
を配置し、周方向の受け持ち区間を各検出器に分割さ
せ、1つの検出器が常に1つのX線ビームによる散乱線
だけを受けるようにし分解能を保つ。このようにすれ
ば、検出効率が向上し、例えば図11(A)の場合に比
較し4倍の検出効率があり、配管検査をスピーディに行
うことができる。
【0055】(7)第7実施形態例 図12(A)は本実施形態例の構成図である。図12
(A)に示すように、X線管1の近傍に直線状スリット
41aを備えた固定コリメータ41を配置し、該固定コ
リメータ41に平行に放射状スリット42aを設けた円
板からなる回転スリットコリメータ42を配置する。該
回転スリットコリメータ42をビーム走行装置40によ
り回転させると、両スリット41a,42aの交点42
bを介して配管6の周方向に走査されるペンシル状のX
線ビーム2となる。
【0056】また、固定コリメータ41のやや下方に散
乱線の検出器4を設置する。これにより管周方向の配管
及び配管周囲の状態が測定することができる。更に、上
記構成を管軸方向に走査することで全体が測定すること
ができる。
【0057】上記のビーム走査により、時間分解能をも
って測定することで周方向に分解能をもって散乱線を測
定することができる。また、検出器は1チャンネルでよ
いので、均質画像を安価に得ることができる。
【0058】[変形例]図12(B)はビームの走査方
式の変形例である。図12(B)に示すように、X線管
1の近傍に螺旋スリットを有するコリメータ43を配置
する。この螺旋スリットコリメータ43は円筒に180
°の位相で2本の螺旋スリットを設けてなり、ビーム走
行装置40によりその円筒軸を中心として回転させるこ
とにより、配管6の周方向に走査されるペンシル状のX
線ビーム2を得る。本変形例の効果は、図12(A)に
示した場合と同じである。
【0059】(8)第8実施形態例 図13(A)は本実施形態例の構成図である。図13
(A)に示すように、X線管1の近傍であってその軸方
向に平行な直線状スリットを備えた固定コリメータ41
を配置する。この固定コリメータ41に対して放射状に
スリットを設けた円板からなる回転スリットコリメータ
42を平行に配置する。
【0060】この状態で、回転スリットコリメータ42
をビーム走行装置40により回転させると、配管6の軸
方向に走査されるペンシル状のX線ビーム2となる。そ
して、管軸方向に開いた開口部を有する散乱線の検出器
4を設置する。
【0061】このように構成すれば、管軸方向の配管6
及び配管周囲の状態が測定でき、また前記構成の検査装
置を管軸に対して回転走査することにより配管6の全体
が測定することができる。
【0062】上記のビーム走査により、時間分解能をも
って測定することで軸方向に分解能をもって散乱線を測
定することができる。また、X線管は全周タイプでなく
てもよく、検出器は1チャンネルでよいので、均質画像
を安価に得ることができる。
【0063】[変形例]図13(B)はビームの走査方
式の変形例である。図13(B)に示すように、円筒に
180°の位相で2本の螺旋スリットを設けた螺旋スリ
ットコリメータ43をビーム走行装置40によりその円
筒軸に対して回転させることにより、配管6の軸方向に
走査されるペンシル状のX線ビーム2を得る。本変形例
の効果は図13(A)に示した場合と同じである。
【0064】(9)第9実施形態例 図14は本実施形態例の構成図である。本実施形態例
は、前記第6実施形態例(図11参照)の検出器4の替
わりに、検出器の有感部を円筒形に構成した検出器4に
よりX線管1の上部側を覆うようにしたものである。
【0065】ビーム走行装置40を駆動することによ
り、時間分解能をもって測定することで、全周方向に分
解能をもって散乱線を測定することができる。このよう
に構成すれば、検出器4の有感部を配管壁とX線ビーム
2に近づけて設置できるので、測定効率が上がり、また
円筒形であるので全周方向に対して効率が均質であると
いう利点があり画質がよくなる。
【0066】(10)第10実施形態例 図15は本実施形態例の構成図である。図15に示すよ
うに、X線管1からのX線は、円板にピンホールを設け
た回転ピンホールコリメータ44と、それを回転させる
ビーム走行装置40により円錐面に沿って走査されるペ
ンシル状のX線ビーム2となる。そして、前記円錐の軸
を中心軸とするリング状の構造である1チャンネルの検
出器4と、前記円錐に沿って開口部が形成された検出器
コリメータ12を設ける。これにより円錐面に沿って配
管及び配管周囲の状態を測定することができる。
【0067】前記構成を管軸方向に走査することで全長
の測定をすることができる。上記のビーム走査により、
時間分解能をもって測定することで全周方向に分解能を
もって散乱線を測定することができる。また、回転ピン
ホールコリメータ44を小型に構成できるので、装置全
体を小型に構成できる。
【0068】(11)第11実施形態例 図16(A)は本実施形態例の構成図である。本実施形
態例は配管6の外側の浅い位置および深い位置からの散
乱線を分けて受ける場合である。
【0069】図16(A)に示すように、X線管1と、
ピンホールまたはピンホールよりやや大きめのホールを
形成した線源コリメータ5によりペンシル状または円錘
状のX線ビーム2が作られる。X線ビーム2の浅い位置
及び深い位置での散乱線をそれぞれ対応する検出器4に
入射させるように散乱線を限る検出器コリメータ12と
検出器4を設ける。
【0070】このようにすれば、一方向の配管及び配管
周囲の深さ方向(この場合は浅い位置と深い位置の2ケ
所)の状態を同時に測定することができる。また、前記
構成の検査装置を管軸方向への走査および管軸に対する
回転の走査を行なうことにより、配管の全長に亘っての
深さ方向の状態を測定できる。なお、深さ方向は2段階
ではなく、更に多段階に分けて測定してもよい。
【0071】[変形例]図16(B)はコリメータ12
にピンホールを形成した場合である。このようにすれ
ば、ピンホールにより浅い位置の状態はコリメータ12
の上方に配置された検出器4の有感部で検出され、深い
位置の状態は下方の有感部で検出される。
【0072】図16(C)は検出器4及びコリメータ1
2を管軸方向に配置した場合であり、図16(D)はコ
リメータ12にピンホールを形成した場合である。この
ようにしても浅い位置および深い位置の状態を検出でき
る。
【0073】(12)第12実施形態例 図17(A)は本実施形態例の構成図である。本実施形
態例は前記図7に対応した場合であって、ファン状のX
線ビーム2を発生し、その深さ方向の異なる位置からの
散乱線を深さごとに対応して配置した検出器で測定する
場合である。
【0074】このようにすれば、前述の第2実施形態例
の効果に加えて、深さ方向の状態(変化)を同時に測定
できる。なお、深さ方向は2段ではなく、多段にしても
よい。
【0075】[変形例]図17(B)および図18に変
形例を示す。それぞれ前記第3実施形態例,第4実施形
態例に対応した場合であって、散乱深さごとの2組の検
出器を持たせたものである。
【0076】このようにすれば、前述の第3,4実施形
態例の効果に加えて、深さ方向の状態(変化)を同時に
測定できる。
【0077】(13)第13実施形態例 図19(A)は本実施形態例の構成図である。ペンシル
状のX線ビーム2をビーム走査するもので、ビームの深
さ方向の異なる位置からの散乱線を、深さごとに対応す
る検出器で測定する場合である。これは前記図11に示
した実施形態例において、散乱深さごとに3個の検出器
を配置したものである。開口部としてリング状スリット
を備えた検出器コリメータ12により、散乱深さごとの
散乱線はそれぞれの検出器に入射するようなされてい
る。前記第6実施形態例の効果に加えて、深さ方向の状
態(変化)の測定が可能である。
【0078】[変形例]図19(B),図20(A),
図20(B),図21(A),図21(B),図22
(A),図22(B)にそれぞれ変形例を示す。これら
の変形例は、それぞれ図11(B),図12(A),図
12(B),図13(A),図13(B),図14,図
15において、散乱深さごとの検出器を持たせたもので
ある。なお、各変形例において、深さ方向は何段階に分
けてもよい。
【0079】(14)第14実施形態例 図23は本実施形態例の構成図である。X線管1と検出
器4と図示しないコリメータとデータ収集装置とは一体
に形成され、上下に配置された車輪51により支えられ
る。この一体形成物の管軸方向前,後はそれぞれワイヤ
52に接続されている。ワイヤ52a,52bは、マン
ホール7a,7bの外側に配置された巻取機構50a,
50bに巻回可能にされている。
【0080】次に動作を説明する。先ず、マンホール7
b側より配管6内にワイヤ52を挿通し、その先端をマ
ンホール7a側から取り出し、X線管1と検出器4の一
体構成物をコネクタ53によりワイヤ52に接続する。
【0081】次いで、X線管1と検出器4を含む構成物
をマンホール7a側より配管6内に挿入する。この状態
で巻取機構50bによりワイヤ52を巻き取り、巻取機
構50a側はフリクションかテンションをかけワイヤが
弛まないようにしながら、前記構成物を前(右)側へ走
査させる。また、逆に巻取機構50aでワイヤ52を巻
き取り、巻取機構50b側でフリクションかテンション
をかけながら前記構成物を左側へ走査させる。
【0082】このようにすれば、長い管でも曲った管で
も確実に走査でき、配管の全長に亘って画像を得ること
ができる。なお、ワイヤ52により構成物を走査する方
式を本実施形態例では地中の配管6の場合を説明した
が、例えば建築物の配管にも適用できるし、各種プラン
トの配管にも適用可能である。
【0083】[変形例]信号ケーブルや電力ケーブルや
X線のケーブルを、ワイヤ52の代替品として使用する
こともできる。
【0084】(15)第15実施形態例 図24は本実施形態例の構成図である。図24に示すよ
うに、X線管1と検出器4と、図示しないコリメータと
データ収集装置とは一体構成で車輪51で支えられる。
これらの構成物の管軸方向の後端(左端)は屈曲自在の
レリーズワイヤ54により接続されている。レリーズワ
イヤ54はマンホール7aで巻取機構50に巻回されて
いる。レリーズワイヤ54は、例えば弾性のある鋼材を
螺旋状に巻いて形成されている。55はレリーズワイヤ
54をガイドするガイド管である。
【0085】動作を説明する。マンホール7a側から巻
取機構50でレリーズワイヤ54を巻き取るか、或いは
巻き戻すことによりX線管1と検出器4を含む構成物を
押し引きして前側(右側)或いは後側(左側)へ走査さ
せる。
【0086】この走査方式によれば、配管6の片側から
だけのアクセスが可能であり、またレリーズワイヤ54
を前記構成物の一端のみに接続するので、配管が細く、
X線管1も検出器4も小形である場合(重量が軽い場
合)に好適である。
【0087】なお、前記第14実施形態例と同様に、例
えば建築物の配管にも適用できるし、各種プラントの配
管にも適用可能である。また、レリーズワイヤは金属製
のワイヤロープでもよく、配管の傾斜が大きいか垂直の
場合は通常の麻やナイロン製のワイヤロープでもよい。
【0088】(16)第16実施形態例 図25は本実施形態例の構成図である。X線管1と検出
器4と、図示しないコリメータとデータ収集装置とは、
自力走行可能な走行装置56と車輪51により支えら
れ、走行装置56は車輪51を回転させて配管内を進
む。信号線,電力線,高圧線,走行装置用制御信号線等
からなるケーブル57は、マンホール7aにある巻取機
構50により弛まないようにされる。
【0089】このような構成であれば、配管の片側から
だけのアクセスが可能であり、走行装置56によりやや
大型となるので、太い配管の場合に好適である。なお、
前進のみ走行装置56で行ない、後進はケーブル(また
はワイヤ)を巻き取ることで行なってもよい。
【0090】(17)第17実施形態例 図26は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。横軸に配管の管軸方向長さをとり、縦軸に管周
方向長さをとる。検出器出力を輝度で表わし配管を展開
して表示するものである。このように表示すれば、検査
対象の配管の全体を視認性よく表示できる。なお、検出
器出力値は種々の数値変換(LOG変換等)を行なって
もよく、前述の輝度の替わりに擬似カラー表示にしても
よい。また、縦軸の管周方向は全周ではなく、部分的な
ものでもよい。
【0091】(18)第18実施形態例 図27は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。図27は前記図26に示した表示が長い場合
に、その表示を管軸方向を折り返して(分割して)表示
するものである。なお、折り返しを適用する元画像とし
ては、次に説明する図29,図30,図32,図33に
示す画像でもよい。
【0092】(19)第19実施形態例 図28は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。前記図26の表示を管軸方向に圧縮して表示す
るもので、配管が長いときに有効である。なお、圧縮を
適用する元画像として、次に説明する図29,図30,
図32,図33に示す画像でもよい。
【0093】(20)第20実施形態例 図29は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。管軸と直行する方向(図中の右側に示す)から
見た検出器出力を、輝度或いはカラーで表わした像を表
示する。例えば配管の回りの空洞等を手元の設計図面,
地図等と対応させて見ることができる利点があり、また
設計図や地図を検出器出力と同時に表示してもよい。
【0094】(21)第21実施形態例 図30は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。これは前記図26と同じ表示の下に、管周方向
の検出器出力値を投影(加算)した値を輝度表示し、更
にその下にグラフ表示をしたものである。
【0095】この表示は全体にデータのSN比(シグナ
ル−ノイズ比)が悪いとき(例えば配管の厚さが厚くX
線透過が悪いような場合)に空間分解能を落して、その
代りSN比を上げる効果がある。なお、グラフ表示を除
いた投影値のみの表示でもよく、また投影値を値に対応
したカラー表示にしてもよい。
【0096】(22)第22実施形態例 図31は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。これは前記図28と同じ圧縮表示の下に、その
一部の拡大表示を行ったものである。マーカ表示60で
指示した部分が拡大されている。
【0097】マウス或いはキーボードでマーカ表示60
を左右に移動させるとそれにつれ拡大像の範囲が変化す
る。このようにすれば、細かく観察したい部分を詳しく
見ることができ、その拡大部分と全体との位置関係がよ
く分かる。なお、前述の圧縮,拡大の表示を適用する元
画像は、図29,図30,図32,図33に示す画像で
もよい。
【0098】(23)第23実施形態例 図32は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。これは前記図26が検出器出力の展開表示であ
るのに対し、検出器出力をしきい値により判定して水と
空気(及び土)の部分に分け、それぞれの部分を表示し
たものである。更に、それぞれの面積を求め合否判定ま
で行なうことも可能である。この合否判定は単に水等の
面積だけでなく、配管の下面側の空洞等がより重要な意
味をもつことに鑑み、下面側の面積にウエイトをおいて
行えばよい。このようにしきい値により区分し、その部
分を表示しているので、水,空気部等を一目ではっきり
認識することができる。また、客観的判定が行なえる等
の利点がある。
【0099】なお、判定は水、空気等の判定でなくても
よい(例えば、配管の欠陥部を直接判定してもよい)。
このように状態別に判別させた画像の作成表示の元画像
としては、例えば図27,28,29,30,31,3
3のような画像に対しても適用できる。
【0100】また、元の検出器出力の表示(例えば、図
31)に重ねて状態別表示(例えば、図32のような表
示)をしてもよい。更に、欠陥部(例えば水部,空気
部,配管の欠陥部等)を点滅させて表示してもよい。
【0101】(24)第24実施形態例 図33は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。配管の三次元ワイヤフレーム表示の上に検出器
出力値を立体的に表示したもので、更にその上に空気
部,水部を重ねて表示している。このように表示すれ
ば、空間的な構造を容易に把握できる。なお、表示は擬
似カラー表示でもよい。また、欠陥部(空気部,水部,
配管の欠陥部等)を点滅表示してもよい。更に、三次元
ワイヤフレーム上に欠陥部か検出器出力値のどちらかの
みを重ねて表示してもよい。また、三次元表示は陰影表
示等でもよい。
【0102】(25)第25実施形態例 図34は本実施形態例の画像処理及び表示の例を示す図
である。管軸に垂直な断面と平行な断面を同一画面に表
示した場合である。互いに他方の断面の位置が表示され
ている。
【0103】このように表示すれば、散乱の深さ方向に
注目した表示ができる。なお、断面位置の表示をマウス
或いはキーボードを用いて移動させることにより、表示
する断面位置を変化させることができる。また、断面は
どちらか一方のみの表示でもよく、前記図26〜33の
他の表示と同時に表示してもよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように各請求項記載の発明
によれば、管状物の内部に放射線源を配置し、散乱線検
出器により放射線が被検体に当って生ずる散乱線を検出
し、画像化手段により散乱線検出器の出力に基づいて管
状物またはその外周部の状態を画像化し、また、線源コ
リメータにより放射線源から発せられた放射線を所定方
向に向わせる放射線ビームとし、検出器コリメータによ
り放射線ビームの散乱線が所定方向から散乱線検出器に
入射するように導き、また、線源コリメータは管状物の
周方向へのファン状,管状物の管軸方向へのファン状,
コーン状,ペンシル状,円錐状の放射線ビームにし、ま
た、各種放射線ビームを、管状物の全周方向,一部周方
向,管軸方向,円錐面に沿った方向に走査し、また、放
射線源および散乱線検出器を管状物内を走行する走行手
段に載置し、また、画像化手段は管状物の管軸方向また
は管周方向を軸とする展開画像を作成表示し、また、画
像化手段は、管状物の管軸方向の展開画像を折り返して
表示し、または管軸方向の展開画像を圧縮して表示し、
または管軸と直交する方向から見た画像を作成表示し、
または管状物の管軸方向の展開画像を管軸方向に投影
(加算)した投影画像を作成表示し、または管軸方向の
展開画像を画像の圧縮表示とその一部の拡大表示とを拡
大位置を圧縮表示上に明示して一つの画面に表示し、ま
たは画像をしきい値で判定し領域わけして表示し、また
は画像を三次元表示し、または管軸と直交する面あるい
は管軸に沿った面での断面像を作成表示しているので、
設置された管状物の内部およびその外周部に存在する異
常を、非破壊で一目で容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例の構成図である。
【図2】同第1実施形態例の制御系のブロック図であ
る。
【図3】(A),(B)は本発明の各実施形態例に使用
する散乱線の検出器の例を示す図である。
【図4】(A),(B)は本発明の各実施形態例に使用
する散乱線の検出器の別の例を示す図である。
【図5】同各実施形態例の管状物の検査装置により配管
およびその周辺の検査結果を示す図である。
【図6】同第1実施形態例において検出器の検査範囲を
説明する図であって、(A)は検出器がコリメータを備
えていない場合の図、(B)はコリメータを備えた場合
の図である。
【図7】同第2実施形態例の構成図である。
【図8】同第3実施形態例の構成図である。
【図9】同第4実施形態例の構成図である。
【図10】同第5実施形態例の構成図である。
【図11】(A)は同第6実施形態例の構成図、(B)
は同第6実施形態の変形例の構成図である。
【図12】(A)は同第7実施形態例の構成図、(B)
は同第7実施形態の変形例の構成図である。
【図13】(A)は同第8実施形態例の構成図、(B)
は同第8実施形態の変形例の構成図である。
【図14】同第9実施形態例の構成図である。
【図15】同第10実施形態例の構成図である。
【図16】(A)は同第11実施形態例の構成図、
(B)は同第11実施形態例の変形例の構成図である。
【図17】(A)は同第12実施形態例の構成図、
(B)は同第12実施形態例の変形例の構成図である。
【図18】同第12実施形態例の別の変形例の構成図で
ある。
【図19】(A)は同第13実施形態例の構成図、
(B)は同第13実施形態例の変形例の構成図である。
【図20】(A)は同第13実施形態例の別の変形例の
構成図、(B)は同第13実施形態例の更に別の変形例
の構成図である。
【図21】(A)は同第13実施形態例の別の変形例の
構成図、(B)は同第13実施形態例の更に別の変形例
の構成図である。
【図22】(A)は同第13実施形態例の別の変形例の
構成図、(B)は同第13実施形態例の更に別の変形例
の構成図である。
【図23】同第14実施形態例の構成図である。
【図24】同第15実施形態例の構成図である。
【図25】同第16実施形態例の構成図である。
【図26】同第17実施形態例の作用説明図である。
【図27】同第18実施形態例の作用説明図である。
【図28】同第19実施形態例の作用説明図である。
【図29】同第20実施形態例の作用説明図である。
【図30】同第21実施形態例の作用説明図である。
【図31】同第22実施形態例の作用説明図である。
【図32】同第23実施形態例の作用説明図である。
【図33】同第24実施形態例の作用説明図である。
【図34】同第25実施形態例の作用説明図である。
【符号の説明】
1 X線管(放射線源) 2 X線ビーム 3 散乱線 4 散乱線検出器 5 線源コリメータ 6 配管(管状物) 7 マンホール 8 土 9 水 10 空気 11 検査車 12 検出器コリメータ 16 表示装置 40 ビーム走査機構 41 固定コリメータ 42 回転スリットコリメータ 43 螺旋スリットコリメータ 44 回転ピンホールコリメータ 51 車輪 52 ワイヤ 56 走行装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状物またはその外周部に存在する物を
    被検体とする管状物の検査装置であって、 前記管状物の内部に配置する放射線源と、 該放射線源から発せられた放射線が前記被検体に当って
    生ずる散乱線を検出する散乱線検出器と、 該散乱線検出器の出力に基づいて前記管状物またはその
    外周部の状態を画像化する画像化手段とを備えたことを
    特徴とする管状物の検査装置。
  2. 【請求項2】 前記放射線源から発せられた放射線を所
    定方向に向う放射線ビームにする線源コリメータと、 前記被検体に当って生じる前記放射線ビームの散乱線
    が、所定方向から前記散乱線検出器に入射するように導
    く検出器コリメータとを備えたことを特徴とする請求項
    1記載の管状物の検査装置。
  3. 【請求項3】 前記放射線を所定方向に向う放射線ビー
    ムにする線源コリメータは、前記管状物の周方向へのフ
    ァン状の放射線ビームにする手段、または前記管状物の
    管軸方向へのファン状の放射線ビームにする手段、また
    はコーン状の放射線ビームにする手段、またはペンシル
    状の放射線ビームにする手段、または円錐状の放射線ビ
    ームにする手段のいずれかであることを特徴とする請求
    項2記載の管状物の検査装置。
  4. 【請求項4】 前記ペンシル状にされた放射線ビーム
    を、前記管状物の全周方向、または一部周方向、または
    管軸方向、または円錐面に沿った方向の、いずれかの方
    向に走査するビーム走査手段を備えたことを特徴とする
    請求項3記載の管状物の検査装置。
  5. 【請求項5】 前記ビーム走査手段は前記ペンシル状に
    された放射線ビームを前記管状物の全周方向に走査する
    手段であり、 前記散乱線検出器を構成する有感部は前記管状物の内周
    に沿って配置されたことを特徴とする請求項4記載の管
    状物の検査装置。
  6. 【請求項6】 前記線源コリメータはペンシル状または
    円錐状の放射線ビームにする手段であり、 前記検出器コリメータは前記ペンシル状または円錐状の
    放射線ビームが前記被検体に当って生ずる散乱線を散乱
    深さごとにそれぞれ対応する検出器に入射するように導
    く手段であることを特徴とする請求項2記載の管状物の
    検査装置。
  7. 【請求項7】 前記線源コリメータはファン状の放射線
    ビームにする手段であり、 前記検出器コリメータは前記ファン状の放射線ビームが
    前記被検体に当って生ずる散乱線を散乱位置および散乱
    深さごとにそれぞれ対応する検出器に入射するように導
    く手段であることを特徴とする請求項2記載の管状物の
    検査装置。
  8. 【請求項8】 前記放射線源および散乱線検出器を前記
    管状物内を走行する走行手段に載置したことを特徴とす
    る請求項1記載の管状物の検査装置。
  9. 【請求項9】 前記走行手段を紐状物により前記管状物
    内を走行するようにしたことを特徴とする請求項8記載
    の管状物の検査装置。
  10. 【請求項10】 前記走行手段を前記管状物の内壁に力
    を加えその反作用により管軸方向に走査するようにした
    ことを特徴とする請求項8記載の管状物の検査装置。
  11. 【請求項11】 前記画像化手段は前記管状物の管軸方
    向または管周方向を軸とする展開画像を作成し、表示す
    る手段であることを特徴とする請求項1記載の管状物の
    検査装置。
  12. 【請求項12】 前記画像化手段は、前記管状物の管軸
    方向の展開画像を折り返して表示する手段、または前記
    管状物の管軸方向の展開画像を圧縮して表示する手段、
    または管軸と直交する方向から見た画像を作成表示する
    手段、または前記管状物の管軸方向の展開画像を管軸方
    向に投影(加算)した投影画像を作成し表示する手段、
    または前記管状物の管軸方向の展開画像を画像の圧縮表
    示とその一部の拡大表示とを拡大位置を圧縮表示上に明
    示して一つの画面に表示する手段、または前記管状物の
    画像をしきい値で判定し領域わけして表示する手段、ま
    たは前記管状物の画像を三次元表示する手段、または前
    記管状物の管軸と直交する面あるいは管軸に沿った面で
    の断面像を作成し表示する手段のいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の管状物の検査装置。
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