JPH09318523A - パラメータ解析方法及びそれを用いた装置 - Google Patents

パラメータ解析方法及びそれを用いた装置

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JPH09318523A
JPH09318523A JP15905296A JP15905296A JPH09318523A JP H09318523 A JPH09318523 A JP H09318523A JP 15905296 A JP15905296 A JP 15905296A JP 15905296 A JP15905296 A JP 15905296A JP H09318523 A JPH09318523 A JP H09318523A
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red blood
image
ellipse
blood cells
parameter
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JP15905296A
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English (en)
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Shigehiro Numata
成弘 沼田
Kazuyuki Kanai
一之 金井
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Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ成分を含む静止画像から形状パラメー
タを算出する際、ノイズ成分の除去が容易に行え精度の
高いパラメータを算出可能なパラメータ解析方法及びこ
れを用いた装置を提供する。 【解決手段】 パラメータ解析方法は、赤血球の回折像
Fを撮像し、撮像して得られた回折像Fの輪郭に適合す
る楕円形状を求め、適合した楕円A’の形状パラメータ
を赤血球の形状パラメータとして算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パラメータ解析
方法及びそれを用いた装置に関し、より詳細には、撮像
して得られた対象物の形状パラメータを算出するパラメ
ータ解析方法及びそれを用いた装置、特に赤血球変形能
測定用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有形の対象物を撮像し、撮像して
得られた対象物の形状パラメータを算出するパラメータ
解析方法が、例えば、粒子を対象物とする粉粒体の測定
が必要な様々の分野で用いられている。医療の分野にお
いては、例えば、赤血球の脆弱性を測定して種々の病気
の診断を行う赤血球検査に用いられる。赤血球検査で
は、例えば、赤血球を含む試料液の粘度、あるいは浸透
圧を傾斜変化させ、この試料液をフローセルに流すこと
により試料液中の赤血球に応力を付与し、次いで応力を
付与された赤血球に光を照射して赤血球像を静止画像と
して撮像し、この静止画像から赤血球像の変形度を測定
する。
【0003】静止画像から赤血球像の変形度を測定する
際には、赤血球の領域、すなわち、赤血球像の背景と赤
血球像の辺縁を区別し赤血球像の輪郭を求める。ここで
は例えば、静止画像の各画素の濃度勾配及び勾配方向を
求め、勾配値に対してしきい値を設定し赤血球像の辺縁
を検出し検出された辺縁に適当な像補正を加えることに
より特徴が抽出された赤血球像を作成し、さらに作成さ
れた赤血球像の形状パラメータを算出する操作を行う。
像補正は、例えば細線化、穴埋め、平滑化等の画像処理
により像の特徴の抽出を提供する。形状パラメータの算
出は、得られた特徴抽出画像のフィレー(Feret )径、
すなわち、粒子をはさむ2本の平行線間の距離で定義さ
れる定方向接線径で表される統計的径を測定することに
よりおこなわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した赤血球検査で
は、フローセルを流れる赤血球に光を照射して赤血球を
撮像する際、フローセル表面での反射光によるノイズ成
分が静止画像に混入するため、この静止画像から算出さ
れる形状パラメータは精度を欠いたものとなりやすく、
像補正も煩雑になる。また、照射用光源には光束が広が
らないレーザ光が使用されるが、コヒーレントが高いの
で干渉波が表れノイズ成分となる。一方、得られた特徴
抽出画像をフィレー径で測定する場合、像を統計的にラ
ンダム方向に計ることになるので、連続的に変化する対
象物、例えば変形する赤血球を扱う際には、一連の変化
を小数のサンプルから捉えるのが困難である。
【0005】この発明の課題は、ノイズ成分を含む静止
画像から形状パラメータを算出する際、ノイズ成分の除
去が容易に行え精度の高いパラメータを算出可能なパラ
メータ解析方法及びこれを用いた装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、有形
の対象物を撮像し、撮像して得られた対象物の輪郭に適
合する基本的な形状を求め、適合した基本形状の形状パ
ラメータを対象物の形状パラメータとして算出するパラ
メータ解析方法が提供される。この発明における有形の
対象物とは、撮像して得られた平面画像から、その輪郭
を特定可能な物質をいう。この対象物の一例としては、
粉体、粒体、液体中の気体(泡など)、気体中の液体
(液滴など)、シルエットとしての人物、生体組織等が
挙げられる。この発明における基本的な形状としては、
矩形、台形、多角形、多辺形、楕円、円分、割円(弓
形)、円環、放物線を挙げることができ、その形状パラ
メータとしては、半径(短径、長径を含む)、辺の長
さ、高さ、角度を挙げることができる。
【0007】この発明によれば、フローセルを備え、こ
のフローセルに赤血球含有試料液を流しその赤血球に剪
断応力を作用させるフロー手段と、前記赤血球に光を照
射する光照射手段と、光の赤血球による回折光を撮像し
て回折像を得る撮像手段と、撮像された回折像の輪郭に
適合する楕円形を求め、適合した楕円形の形状パラメー
タを赤血球の形状パラメータとして算出する算出手段と
を備えた装置が提供される。
【0008】この発明におけるフローセルは、剪断応力
により変化する赤血球の形態を観察、撮像する透光部
と、赤血球に剪断応力を付加するための、例えば、内径
0.2mm程度の通路を有するものが好ましく、さらに
通路は、赤血球に剪断応力を付与する点から流路断面の
アスペクト比が5以上であることが好ましく、10であ
ることがとくに好ましい。この発明におけるフロー手段
とは、フローセルを流れる赤血球含有試料液中の赤血球
がフローセルで剪断応力を付与されて変形するよう赤血
球含有試料液をフローセルに送出可能な機構であり、具
体的には、試料容器、試料ポンプ、弁を含む配管により
構成される。
【0009】この発明における光照射手段としては、キ
セノンランプ、レーザが挙げられ、撮像手段としては、
フラッシュ写真を撮るレオスコープ法、レーザ光により
形成される回折像の解析パターンを得るエクトサイトメ
ータ法が挙げられる。光照射手段に光束が広がらないレ
ーザ光を用い、このレーザ光を光源としてスクリーン上
に得られる回折像(回折光像)をCCDカメラで撮像す
るのが、画像処理を効率的に行う上で好ましい。この発
明における楕円は、その一形態である円を含む。
【0010】算出手段が、回折像の一部分と適合楕円形
との不一致の度合いから適合楕円形を補正する機能をさ
らに備えるのが好ましい。装置が、表示手段をさらに備
え、フロー手段が、赤血球に作用する剪断応力を連続的
に変化させ、撮像手段が、回折像を連続的に撮像し、表
示手段が、剪断応力の変化に対する形状パラメータの変
化を赤血球変形能曲線として表示するのが好ましい。こ
の発明における表示手段としては、CRT、液晶画面が
挙げられ、パーソナルコンピュータ等の入力部に接続さ
れたものが好ましい。
【0011】装置が、表示された赤血球変形能曲線上の
任意の箇所を指定する入力手段と、回折像と形状パラメ
ータの少なくとも1つを記憶データとして記憶する記憶
手段とをさらに備え、入力手段による指定箇所に対応し
て表示手段に記憶データを表示するのが好ましい。この
発明における入力手段としては、パーソナルコンピュー
タ等の入力部に接続されたキーボード、マウスが挙げら
れる。
【0012】さて、この発明のパラメータ解析方法を用
いて赤血球を対象物とする形状パラメータ算出の一例を
示す。まず、試料液中の赤血球の回折像を平面図形とし
て撮像する。この平面図形にはフローセルの表面での反
射光などのノイズ成分を含むことが予想されるので、以
下の算出手段を用いた解析方法により、ノイズ成分を段
階的に除去しながら、最終的にノイズ成分が排除された
回折像の適合形状を得、この形状パラメータを算出す
る。
【0013】算出手段は、次の4工程からなる。すなわ
ち、試料中に含まれる赤血球の回折像からなる平面図
形に外接する矩形を作成する工程、この矩形を形成す
る4辺のうちの少なくとも1辺を、対辺方向に移動さ
せ、移動された辺により切り取られる平面図形の切断線
の長さが第1しきい値に達するとき、前記移動を停止す
る工程、移動した辺を含む前記4辺からなる新たな矩
形を作成し、さらにこの矩形に内接する楕円を作成する
工程、この楕円の一部の円弧を、長径および/または
短径方向に移動させ、移動された円弧により切り取られ
る平面図形の切断線の長さが第2しきい値に達すると
き、前記移動を停止する工程からなる。第1しきい値及
び第2しきい値は、任意に設定変更可能であることが好
ましい。
【0014】これにより、撮像して得られた赤血球の輪
郭に適合する基本的な形状としての「補正された楕円」
が求められ、適合した基本形状としての「補正された楕
円」の形状パラメータを、対象赤血球の形状パラメータ
として算出することができる。工程で示したように、
算出手段が、回折像の一部分に着目し、着目した回折像
の一部分と適合楕円形との不一致の度合いから適合楕円
形を補正する機能を備えておれば、形状パラメータの算
出精度をさらに高めることができる。
【0015】上記における形状パラメータは、「補正さ
れた楕円」の長径および短径であり、このパラメータか
ら赤血球変形指数DI及び面積Sが得られる。赤血球変
形指数DIは、長径をX、短径をYとするとき、DI=
(X−Y)/(X+Y)で定義される。また、面積S
は、S=πXY/4で求まる。赤血球の基本形状を楕円
に設定したのは、赤血球の本来の形状が中くぼみ円盤状
であり、この形状に近似した楕円を基本形状として図形
処理を行うとき、ノイズ成分の除去が容易である。さら
に、フェレー径に基づく統計的処理に比べ、1つのサン
プル像から精度の高い情報を得ることができるので、連
続的に変形するサンプルを扱う場合、特に、有効な手法
となる。
【0016】赤血球に作用する剪断応力の変化に対する
形状パラメータの変化を赤血球変形能曲線として表示手
段に表示させる場合には、赤血球に作用する剪断応力を
連続的に変化させるフロー手段及び変化する回折像を連
続的に撮像する撮像手段が必要となる。上記したフロー
手段としては、赤血球を含む試料液と、一定の粘度で浸
透圧を傾斜変化させた希釈液または一定の浸透圧で粘度
を傾斜変化させた希釈液とを混合して得られる試料懸濁
液をフローセルに送出し、これによって試料懸濁液中の
赤血球に作用する応力を変化させるものが挙げられる。
【0017】フロー手段の具体的構成としては、粘度お
よび/または浸透圧の異なる希釈液を供給する複数の希
釈液送出部と、複数の希釈液送出部を選択的に駆動する
ための選択駆動部と、希釈液送出部から送出された異な
る希釈液を混合する第1混合部と、混合された希釈液と
赤血球を含む試料液とを混合する第2混合部と、フロー
セルと、第2混合部で得られる試料懸濁液をフローセル
に送出するポンプとからなるものが挙げられる。前記し
た希釈液は、浸透圧の変化による赤血球の変形能試験を
行う場合に、例えば、上記した高粘度で低張な浸透圧を
もった液を一定の割合で連続的に増加させ、高粘度で等
張、即ち、高浸透圧側の液を一定の割合で連続的に減少
させながら、総流量を一定に保ちつつ供給されるよう調
整された液であり、それぞれの傾斜方向は、上記に限定
されず逆の場合も可能である。また、粘度の変化による
赤血球の変形能試験を行う場合においては、例えば、上
記した浸透圧が等張で高粘度の液を一定の割合で連続的
に増加させ、浸透圧が等張で低粘度の液を一定の割合で
連続的に減少させながら、総流量を一定に保ちつつ供給
されるよう調整された液であり、それぞれの傾斜方向
は、上記に限定されず逆の場合も可能である。
【0018】赤血球の周りの試料液の浸透圧が低くなる
と、赤血球は本来の形状である中くぼみ円盤状から球形
化し、また、粘度が高くなると、赤血球は引き延ばされ
た形状になる。このように変形する回折像を連続的に撮
像し、算出手段が上記した形状パラメータの算出工程を
経て各回折像の図形処理を行うことにより、この処理結
果、すなわち、剪断応力の変化に対する形状パラメータ
の変化を赤血球変形能曲線として表示手段に表示するこ
とができる。
【0019】装置が、表示された赤血球変形能曲線上の
任意の箇所を指定する入力手段と、回折像と形状パラメ
ータの少なくとも1つを記憶データとして記憶する記憶
手段とをさらに備え、入力手段による指定箇所に対応し
て表示手段に記憶データを表示するのであれば、赤血球
変形能曲線と、回折像及び形状パラメータの少なくとも
一方を記憶データとの表示の切り換えが容易かつ瞬時に
行える。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる赤血球機能測定装置を示す。赤血球機能測定装置1
0は、希釈液を供給する希釈液送出部11、第1混合部
12、モニター部13、第2混合部14、赤血球試料液
を第2混合部14に送出する試料液送液部15、フロー
手段としてのフローセル16及びポンプ68、撮像手段
としてのCCDカメラ63並びに算出手段としての画像
処理部6を備えた測定部17からなる。希釈液送出部1
1は、容器21〜24、電磁弁21a〜24a及びシリ
ンジ21b〜24bを配管接続して構成される。シリン
ジ21b〜24bは、図示しない駆動源を有している。
シリンジ21b〜24bの下流側には、第1混合部12
が接続されている。
【0021】第1混合部12は、キャビティ21c〜2
4cおよび電磁弁21d〜24dから構成されている。
キャビティ21c〜24cは、図2に示すように、ヒー
ター25を有する恒温ブロック26内に形成されてい
る。第1混合部12の下流側にはモニター部13が接続
されている。モニター部13は、通過する液体に色素を
含有させたとき、この液体の状態を濃度でモニターする
もので、図3に示すように、LED27、フォトダイオ
ード28及び保持具29からなる。保持具29は、遮光
性材料で形成されLED27とフォトダイオード28と
を同軸上に固定している。LED27とフォトダイオー
ド28の間には、第1混合部12から導出された配管3
0が配置されている。配管30は、テフロン(PTF
E)製の透明チューブであり、保持具29を貫通して配
置されている。モニター部13の下流側には、第2混合
部14が接続されている。
【0022】第2混合部14は、図4に示すように、分
注孔31と、通過する液体を任意の時間だけ滞留させる
ための滞留部32とから主に構成されている。分注孔3
1は、後述する血液分注用のピペット41の先端が挿通
可能な口径を有している。分注孔31の下端には、滞留
部32が連接されている。滞留部32は、コイル状の細
管33と、細管33の前後に充填された乱流発生手段と
してのビーズ34とから主に構成されている。ビーズ3
4は、ストッパー35により送液方向の前後で固定され
ている。第2混合部14の図中上方には、試料液送液部
15が配置されている(図1)。
【0023】試料液送液部15は、分注用のピペット4
1と、ピペット41を保持する保持具42と、保持具4
2を2軸方向に移動させるピペット移動機構43とから
構成される。ピペット移動機構43は、保持具42を水
平及び垂直方向に移動させるエアシリンダ44,45
と、エアシリンダ44,45を制御する切り換えバルブ
46,47とから構成され、ピペット41の先端を、分
注孔31と、分注孔31の近傍に配置された血球試料容
器48との間で移動させることができる。
【0024】ピペット41の上端は、血球を含む試料液
を分注する第1シリンジ49の吐出側に接続されてい
る。第1シリンジ49は、図示しない駆動源を有してい
る。第1シリンジ49の吸引側は電磁弁51、配管52
を介して洗浄液密閉容器53の排出側に接続されてい
る。密閉容器53の内部には配管54の一端が開口して
いる。配管54の他端は弁55を介して圧力源56に接
続されている。配管52には分岐配管57が接続されて
いる。配管57は、電磁弁58を介して第1混合部12
に接続されている。このような構成により、ピペット4
1が血球試料容器48内の血液試料を分注孔31に分注
することができるとともに、密閉容器53に収納された
洗浄液を分注孔31に注入することができる。第2混合
部14の下方には、フローセル16が配置されている。
【0025】フローセル16は、図5で示すように、透
光性を有する直方体ブロックで構成され、ブロックの長
手方向を軸として断面形状が矩形の管路59を有する。
管路59は、2mm×0.2mm、すなわち、アスペク
ト比の値が10の断面形状を呈している(図1)。フロ
ーセル16の前後には、測定部17が配置されている。
測定部17は、発光手段であるヘリウム─ネオンレーザ
61と、スクリーン62と、CCDカメラ63と、画像
処理部6とから主に構成されている。レーザ61は、光
路軸が管路59の断面の長手方向と直交するよう配置さ
れている。スクリーン62は、フローセル16を間に挟
んでレーザ61の照射部と対向して配置されている。ス
クリーン62は、図6に示すように、強度の強い直接光
を遮光できる直接光遮光部62aが設けられている。直
接光遮光部62aは、直接光を遮光できるように位置が
調整されている。これにより、レーザ61から発せられ
たレーザ光はセル16の中を流れている赤血球の形状に
応じて散乱回折し微弱な散乱光をもスクリーン62に投
影される。
【0026】投影された回折像は、スクリーン62に後
置されたCCDカメラ63で撮像され、例えば、1/3
0秒ごとの像が得られる。撮像された像は適当なレベル
で2値化され、画像処理部6に入力データとして取り込
まれる。画像処理部6は、この入力データを基に後述す
る計測プログラム上で画像処理による形状パラメータの
算出を行う。画像処理部6は、ペンティアム90MHZ
が搭載されたメインプロセッサを内蔵するパーソナルコ
ンピュータ及び17インチのCRT70からなり、 Vis
ualBasic Ver2.0を言語として、計測プログラムを作動
可能である。
【0027】図7は、赤血球機能測定装置10のブロッ
ク構成図である。赤血球機能測定装置10は、CPU、
ROM、RAM、タイマー、カウンター等を有するマイ
クロコンピュータを含む制御部71を有している。制御
部71には、キー入力部72及びフォトダイオード28
が接続されている。また、制御部71には、各電磁弁2
1a、22a、23a、24a、51、55、58、6
7、21d、22d、23d、24d、シリンジ21
c、22c、23c、24c、ポンプ46、47、LE
D27、レーザ61、CCDカメラ63、ヒータ25、
画像処理部6および他の入出力部73が接続されてい
る。
【0028】次に、この実施例の赤血球機能測定装置1
0の動作について図8のフローチャートに基づき説明す
る。 〔混合工程〕ステップS1では、初期設定を行う。ステ
ップS2では、液供給工程としての第1混合工程を実行
する。第1混合工程では、容器21〜24に収納された
希釈液のうちの少なくとも2種類の希釈液を混合する。
ステップS3では、第2混合工程を実行する。第2混合
工程では、第1混合工程で作製された希釈液と、血球を
含む試料液とを混合し試料懸濁液を作製する。
【0029】上記ステップS2およびS3における動作
を図9のフローチャートに基づき説明する。まず、準備
として第1〜4液としての4種類の希釈液、すなわち、
低張高粘度液、等張高粘度液、等張低粘度液、
低張低粘度液がそれぞれ入った容器21〜24をセット
する。この装置10では、赤血球の浸透圧変化による変
形能試験を高粘度下で行う場合には低張高粘度液、
等張高粘度液を選択的に使用する。また、赤血球の粘度
変化による変形能試験を行う場合には等張高粘度液、
等張低粘度液を選択的に使用する。さらに、赤血球の
浸透圧変化による変形能試験を低粘度下で行う場合には
等張低粘度液、低張低粘度液を選択的に使用する。
浸透圧抵抗性試験は、赤血球内の浸透圧とこれを取り囲
む周囲の浸透圧との差により赤血球を破壊する試験であ
り、一方、粘度変形能試験は、外力により変化する赤血
球の形態を観察する試験である。赤血球は、一般に外力
の除かれた状態では直径約8μmの中くぼみ円盤状の形
態を呈しているが、小さな外力で容易にその形態を変化
させ得る。赤血球の変形能は、疾患の有無により低下す
るとともに、赤血球内部のヘモグロビンの溶解性や濃
度、赤血球膜の粘弾性(ATP量、遊離コレステロー
ル、膜蛋白スペクトリン性状)に左右されることが知ら
れている。
【0030】上記の希釈液において等張とは浸透圧が3
00±50mOsm、低張とは30±25mOsmと定義する。
また、高粘度とは5〜25c.P.(センチポイズ)、低粘
度とは1.0〜2.0c.P.と定義する。これらの溶液は
リン酸緩衝液あるいはヘペス緩衝液(5〜40mM、p
H7.40)をベースに粘度を高くする場合にはポリビ
ニルピロリドン(平均分子量約360000)あるいは
デキストラン(平均分子量約40000)を適当な粘度
になるように加えたものを使用する。また、浸透圧は塩
化ナトリウムの濃度で調整する。液の粘度が5〜25c.
P.を越えると、液の移送が困難となる。
【0031】4種類の上記液のうち、使用する液の1つ
には色素を添加する。図9において、まず、ステップS
11では、測定項目の初期設定を行う。ここでは、キー
入力部72から入力する。以下に、赤血球の浸透圧変化
による変形能試験を高粘度下で行う場合について説明す
る。この場合、使用する希釈液は、4種類の希釈液のう
ちの低張高粘度液、及び等張高粘度液である。上記
液のうちの一方、例えばには、色素が0.01w/v
%程度添加されている。初期設定が終了すると、ステッ
プS12へ移行する。
【0032】ステップS12では、ピペット移動機構4
3を駆動させピペット41の先端を血球試料容器48内
に移動させる。ステップS13では、第1シリンジ49
を吸液させる。所定量の血液試料液が第1シリンジ49
に吸引されると、ステップS14において第1シリンジ
49の駆動を停止する。次に、ステップS15では、ピ
ペット移動機構43を駆動させピペット41の先端を第
2混合部14の分注孔31に移動させる。
【0033】次に、ステップS16では、電磁弁21a
を開く。次に、ステップS17では、第2シリンジ21
bを吸引駆動させる。次に、ステップS18では、電磁
弁21aを閉じ、電磁弁21dを開く。上記ステップS
16と略同時に、ステップS19では、電磁弁22aを
開く。次に、ステップS20では、第3シリンジ22b
を吸引駆動させる。これにより、所定量の液が各シリン
ジ21b、22bに注入される。次に、ステップS21
では、電磁弁22aを閉じ、電磁弁22dを開く。
【0034】次に、ステップS22では、第2シリンジ
21bと第3シリンジ22bとを吐出駆動させる。この
とき2つのシリンジは、総流量を一定にして流量比が時
間的に連続して変化するよう各液を吐出する。すなわ
ち、一方の液は流量が次第に増大し、他方の液は流量が
次第に減少する。吐出された各液はキャビティ21c、
22cに送出され、さらに合流して2種類の液が混合さ
れる。このようにして、浸透圧特性が連続的に変化する
希釈液を作製することができる。次に、ステップS23
では、第1混合部12において混合された液を、モニタ
ー部13においてモニターする。ここでは、予め液に含
有された色素により第1混合部12で作製された液は、
色素濃度が連続的に変化した液となる。この懸濁液がモ
ニター部13の配管30のなかを流れると、色素の濃度
の変化が吸光度の変化としてモニターされる。予め色素
濃度と流量比の関係を調べておけば流れている液体の性
状がリアルタイムで確認できる。
【0035】次に、ステップS24では、第1シリンジ
49を吐出駆動させる。これにより、第2混合部14の
分注孔31に所定量の血液試料液が注入される。そし
て、血液試料液と希釈液とが混合され滞留部32に導か
れる。次に、ステップS25では、滞留部32において
所定の滞留時間が経過したか否かを判断する。滞留部3
2では、赤血球が浸透圧により変化しこの変化が平衡に
達するまで、試料懸濁液が滞留する。所定の滞留時間が
経過すると、図8のフローチャートのステップS4に移
行する。
【0036】〔測定工程全般〕ステップS4では、滞留
部32を経た懸濁液がフローセル16の管路59に導入
される。まず、第2または第3シリンジ21b、22b
を吐出駆動させフローセル16に懸濁液を流すことによ
り、懸濁液には管路59内において所定の剪断応力、す
なわち、浸透圧変化によって赤血球変形能規定因子であ
る表面積/体積、内部粘度が変化した赤血球を変形させ
ようとする外力が作用する。赤血球は前記剪断応力によ
り連続的に変形し、レーザ61の発光により、スクリー
ン62上に連続的に変形する回折像を投影させる。CC
Dカメラ63は、この回折像を30フレーム/秒で6.
4秒間、計192フレーム撮像し、撮像したこれらの静
止画像を画像処理部6の後述する計測プログラム上の記
憶手段に記憶される。
【0037】〔洗浄工程〕ステップS4での測定が終了
すると、ステップS5に移行する。ステップS5では、
ピペット41、第1及び第2混合部12、14及びフロ
ーセル16の洗浄を行う。まず、第1シリンジ49のピ
ストンを吸引位置までもどす。次に、電磁弁51、5
5、58を開き、ポンプ56を駆動する。これにより、
洗浄液53は、配管52、第1シリンジ49およびピペ
ット41を通過して第2混合部14に流れる。また、洗
浄液53は、配管52、30を通過して第2混合部14
に流れる。第2混合部14を通過した洗浄液53は、フ
ローセル16を通過して排液チャンバー66に貯留され
る。排液チャンバー66に洗浄液53が貯まれば、電磁
弁67を開いてポンプ68を駆動し、洗浄液53を系外
に排出する。洗浄が終了するとステップS6に移行し、
次の測定まで待機しその他の処理を行う。
【0038】〔パラメータの算出工程〕次に、画像処理
部6の計測プログラム上の図形処理部が作動し、計測プ
ログラム上の記憶部に記憶された計192フレームの静
止画像が入力データとして取り込まれ1像ずつ順に図形
処理され、回折像の形状パラメータが算出される。計測
プログラムをCRT70上で起動させると、図10に示
したメイン画面が得られる。このメイン画面の左上部に
は座標平面が設けられ、この座標平面上には回折像の静
止画像が表示される。画面の下部には1フレームから1
92フレームまでの各フレームごとの算出結果が数値で
表示される。
【0039】メイン画面に表示される回折像には、図1
1に示すように、ノイズ成分を回折像の辺縁に多く含む
場合がある。このノイズ成分はフローセル16の表面に
おけるレーザ光の反射光及びレーザ光の干渉波に起因す
るが、計測プログラムはこれらノイズを除去した上で赤
血球の変形能を計測するアルゴリズムを具備する。この
アルゴリズムは、撮像して得られた回折像の輪郭に適合
する基本的な形状を求め、適合した基本形状の形状パラ
メータを赤血球の形状パラメータとして算出する原理に
基づくものであり、基本形状は赤血球本来の形状である
中くぼみ円盤状に近似する楕円形状に設定されている。
基本形状を楕円に設定することにより、図12に示すよ
うに、長径X、短径Yをパラメータとする適合楕円A’
から赤血球の形状パラメータを近似的に得ることができ
る。
【0040】すなわち、計測プログラムのアルゴリズム
は、図13に示すように、回折像Fから回折像Fの辺縁
に放射状に表れるノイズ成分を除去した上で回折像Fに
適合した、形状パラメータの算出が容易な適合楕円A’
を作成することを目的とする。撮像して得られた1つの
赤血球の回折像について、その形状パラメータの算出を
行うアルゴリズムを以下に説明する。
【0041】まず、図14に示すように、撮像して得ら
れた1つの赤血球の回折像Fを座標平面に配置し、大ま
かに左右上下の順にノイズを除いた外接矩形を求める。
ここでは、x座標を画面の左端から右方に向かって移動
させ、像Fの左端に接触する点のx座標をx1 とする。
同様に、像Fの右端に接触する点のx座標をx2 とす
る。y座標を画面の上端から下方に向かって移動させ、
像Fの上端に接触する点のy座標をy1 とする。同様
に、像Fの下端に接触する点のy座標をy2 とする。
【0042】次に、図15に示すように、像Fを貫通す
る1対の平行線a、a’を設定する。平行線a、a’
は、予め設定された一定の幅Wを有しx軸(楕円の長軸
となる)を内包してx軸に平行に延びている。次にこの
平行線a、a’に沿ってx1 座標を右方に向かって移動
させ、幅Wを横切る像Fの長さを画素の数に基づいて走
査する。平行線a、a’の幅Wを構成する画素の数に対
して幅Wを横切る像Fの画素の数の割合がしきい値より
大きいときは、しきい値以下になるまでx1 座標を左方
に戻し(x1 =x1 −1)、前記割合がしきい値より小さ
いときは、しきい値以上になるまでx1 座標を右方に向
かって進める(x1 =x1 +1)。x2 、y1 、y2 座標
についても同様にこの順に求める。
【0043】次に、楕円のフィッティング(適合操作)
による微調整を行う。ここでは、図16に示すように、
まず、x1 、x2 、y1 、y2 座標によって形成された
長方形(x1 、y1 )−(x2 、y2 )に内接する楕円
Aを想定する。次に、図17に示すように、想定楕円A
に予め設定された探索角度θの範囲の円弧上に所定の角
度間隔、例えば1°間隔で探索点を設け、これらの探索
点のうちで像Fに重なる点の数とを比較する。像Fが重
なる探索点の数がしきい値より大きいときは、しきい値
以下になるまでx1 座標を左方に向かって進め(x1 =
x1 −1)、前記割合がしきい値より小さいときは、しき
い値以上になるまでx1座標を右方に向かって進める
(x1 =x1+1)。例えば、右の拡大図に示すように、
探索点を7点とするとき、このうちの3点が像Fに重な
っておれば、42.8%(R=3/7)を得、この値を
しきい値S、例えば、S=50%と比較し、しきい値S
より小さいと判断してx1 座標を右方に向かって進め
る。
【0044】上記では、その算出工程を、大まかに外接
矩形を求める第1段階と、楕円Aでのフィッティングで
微調整を行う第2段階とに分けているが、第1段階で大
まかに外接矩形を求めているのは、仮に想定する楕円A
と回折像Fとが大きくずれている場合、第2段階での楕
円Aでのフィッティングが正しく作動しないので、これ
を回避するためである。
【0045】次に、しきい値Sを超える前後の座標を線
形補完してx1 座標を小数第2位まで求める。x2 、y
1 、y2 座標についても同様にこの順に求める。このよ
うにして得られたx1 、x2 、y1 、y2 の各座標に基
づいて長径、短径がそれぞれx=x2 −x1 、y=y2
−y1 として求められ、それによってノイズ成分が除去
された適合楕円A’(図13)の形状パラメータが算出
される。さらに、赤血球の変形の程度は変形指数DIに
より求められる。変形指数DIは次式に定義される。
【0046】 DI=(X−Y)/(X+Y)・・・〔式1〕
【0047】図18〜21に示した上記計測プログラム
の他の画面により、このプログラムの内容をさらに説明
する。図18のメイン画面において、画面下部にはスク
ロールにより1〜192フレームの各パラメータを表示
可能な表欄が表示される。表欄の各行には、モニター部
13で得られた希釈液の濃度、楕円中心の座標、長径
X、短径Y、変形指数DI、適合楕円A’の面積の各項
が順に配列されている。画面上部にはアイコンによるメ
ニュー選択用のボタンが配列されている。
【0048】ファイルボタンは、プログラムのファイル
を開くとともにファイルの選択に用いられる。上記した
補正楕円A’の形状パラメータの算出が終了しておれ
ば、記憶手段から、新たに格納された適合楕円A’の形
状パラメータのデータを読み出し、その形状パラメータ
と赤血球変形能曲線を図19の画面に表示する。赤血球
変形能曲線は、赤血球に作用する剪断応力の連続的な変
化に相当するフレーム番号を横軸に、このフレーム番号
に対応する変形指数DIを縦軸にとるグラフ上に表され
る。図18のファイルボタンの操作により複数のファイ
ルを一括指定して順次画面に表示することも可能であ
る。また、計測結果を格納するディレクトリの指定を行
うとともに、このプログラムの終了操作を行う。
【0049】編集ボタンは、表の中に不適切なデータが
存在する場合などに表の中の指定した行を削除するのに
用いる。メンテナンスボタンは、しきい値、探索角度、
中心位置等の計測条件の設定に用いる。図18のメイン
画面に表示された回折像において、形状パラメータの算
出を行う際、画面上のクロス(十字の座標)を、画面左
方と下方に配置されたスクロールバーによって移動操作
し、像と背景のチェックを行う。このとき、基本楕円が
回折像に一致するようクロスを調整する。さらに、この
メンテナンスボタンは、上記した計測条件の再設定に用
いる。
【0050】面積ボタンは、CCDカメラ63からの回
折像の静止画像を入力データとして格納された記憶手段
から、計測時にこのデータを読み出して演算する際に用
いる。面積は、得られた適合楕円A’の形状パラメータ
から算出され、塗りつぶした画素の数を数える塗りつぶ
し法、または形状パラメータを楕円の面積の公式に代入
することにより求められる。楕円の面積の公式から算出
する場合は、線形補完によって1画素以下の面積の算入
も可能となる。
【0051】メイン画面(図18)の右側部には、上下
に複数のコマンドボタンが配列されている。再生ボタン
は、1〜192フレームまでを順に連続表示するときに
用いる。連続計測ボタンは、1〜192フレームまで1
つずつフレームを進めながら各フレームについて前記図
形処理及び形状パラメータの算出を行うときに用いる。
複数のファイルを指定した場合は、192フレームまで
進んだら次のファイルに進む。計測ボタンは、指定した
フレームの計測を行う。この計測結果は、画面下部の表
欄の最上行に表示される。この表欄のフレーム番号をス
クロールすることにより、座標平面に表示されている回
折像が切り換わる。また、この表の中のセルを指定する
と、対応するフレーム番号の回折像に切り換わる。
【0052】グラフの画面(図19)の右側部にも、上
下に複数のコマンドボタンが配列されている。加工ボタ
ンは、指定したグラフの色の変更と移動平均を求めるこ
とができる。加工ボタンを操作すると、図20に示した
グラフ加工画面が表示される。この画面には表色変更ボ
タン及び移動平均ボタンが設定されている。色変更ボタ
ンは赤血球変形能曲線の色表示を変更するときに用いら
れ、移動平均ボタンは、移動平均の重み付けの設定を行
う場合に用いられる。図19の平均ボタンは複数のグラ
フを表示しているときにそれらの平均を求めたグラフを
表示する。印刷ボタンはグラフを印刷するときに用い
る。
【0053】さらにこのプログラムは、適合楕円A’ま
たはその形状パラメータの少なくとも一方を記憶データ
として記憶する記憶手段を備えているので、グラフ画面
に表示された赤血球変形能曲線上の任意の箇所を指定し
て入力すれば、指定箇所に対応して画面に記憶データを
表示することができる。図21のグラフの画面で説明す
ると、赤血球変形能曲線上の任意の箇所をマウスでクリ
ックすると(四角の枠で指定位置を指定)、記憶手段に
記憶された、対応するフレーム番号の、例えばフレーム
番号120の回折像の形状パラメータのデータを読み出
し、このデータに基づいて指定されたフレーム番号12
0の変形指数DIを算出できる。さらに、フレーム番号
に対応する回折像と、フレーム番号に対応する表の行の
パラメータのデータが表示される。静止画像のデータ
は、LZ法あるいはLHA法等で圧縮、解凍して用いて
もよい。粘度変化による変形能試験を行う場合も上記プ
ログラムで、同様に形状パラメータの算出が行える。
【0054】このように、上記実施形態による赤血球変
形能の計測プログラムでは、撮像された回折像Fの輪郭
を座標平面に配置し、少なくとも1つの座標軸に直交す
る座標成分を回折像Fの輪郭に交差させ、前記座標成分
に占める回折像Fの比率に基づいて前記座標成分を決定
し、決定された座標成分が形成する矩形および/または
この矩形に内接する楕円Aを求め、それによって、ノイ
ズ成分が排除された回析像Fを特徴付けるパラメータを
算出するアルゴリズムからなる。このため、像補正が単
純にしてかつ高精度の図形処理が行える。さらに回折像
Fの基本形状を楕円に設定したので、赤血球の本来の形
状に近似した図形を対象として精度の高いパラメータの
算出が可能となる。
【0055】また、計測プログラムが、楕円Aの輪郭上
に所定の間隔で配置された探索点を備え、探索点と重な
る回折像Fの画素の数に基づいて座標成分を決定するの
で、回析像を特徴付けるパラメータの微調整が可能とな
る。すなわち、計測プログラムは、回折像Fの一部分と
適合楕円A’との不一致の度合いから適合楕円を補正す
る機能を備えているので、回折像Fの一部分に着目し、
着目した部分のみからパラメータの算出を、高精度で短
時間で算出可能となる。このため、回折像Fの全体を処
理対象としなくとも略同程度の精度で効率の高いパラメ
ータの算出が可能となる。さらに、前記した計測プログ
ラムが高精度のパラメータ算出を可能とする図形処理を
行うので、照射用光源に光束が広がらないレーザ光が使
用してもノイズ成分となる干渉波を回折像から排除する
ことができる。
【0056】一方、測定装置10は、浸透圧または粘度
が異なる4種類の液を任意に選択でき、かつその混合比
率を任意に連続的に変化させることができるので、連続
的に変化する剪断応力により変形する赤血球の回折像を
連続的に撮像して剪断応力の変化に対する形状パラメー
タの変化を赤血球変形能曲線としてCRT70に表示す
ることができる。また、モニター部13は、懸濁液に添
加した色素濃度に基づいて混合された懸濁液の浸透圧及
び粘度を監視できるので、正確に混合された懸濁液をフ
ローセル16に送出することができる。したがって、測
定精度を高めることができる。
【0057】
【発明の効果】この発明のパラメータ解析方法では、有
形の対象物を撮像し、撮像して得られた対象物の輪郭に
適合する基本的な形状を求め、適合した基本形状の形状
パラメータを対象物の形状パラメータとして算出するの
で、多数の対象物の形状パラメータを解析する際、解析
工程が単純化され、解析時間が短縮される。このパラメ
ータ解析方法を用いた装置では、撮像された赤血球の回
折像の輪郭に適合する楕円形を求め、適合した楕円形の
形状パラメータを赤血球の形状パラメータとして算出す
る算出手段を備えているので、フェレー径に基づく統計
的処理に比べ、1つのサンプル像から精度の高い情報を
得ることができる。このため、連続的に変形するサンプ
ルを扱う場合、特に、有効な手法となる。
【0058】算出手段が、回折像の一部分と適合楕円形
との不一致の度合いから適合楕円形を補正する機能を備
えておれば、回折像の全体を処理対象としなくとも回折
像の一部分に着目し、着目した部分のみから精度の高い
パラメータが、短時間で算出可能となる。装置が表示手
段をさらに備え、フロー手段が、赤血球に作用する剪断
応力を連続的に変化させ、撮像手段が、回折像を連続的
に撮像し、表示手段が、剪断応力の変化に対する形状パ
ラメータの変化を赤血球変形能曲線として表示するので
あれば、赤血球の変形能を多面的に捉えることが容易に
なる。
【0059】表示された赤血球変形能曲線上の任意の箇
所を指定する入力手段と、回折像と形状パラメータの少
なくとも1つを記憶データとして記憶する記憶手段とを
さらに備え、入力手段による指定箇所に対応して表示手
段に記憶データを表示するのであれば、回折像と形状パ
ラメータと赤血球変形能曲線とが連動して表示されるの
で、複数の回折像の間の比較が効率的に行え多面的なパ
ラメータ解析が可能となる。
【0060】この発明により、ノイズ成分を含む静止画
像から形状パラメータを算出する際、ノイズ成分の除去
が容易に行え精度の高いパラメータを算出可能なパラメ
ータ解析方法及びこれを用いた装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態による赤血球機能測
定装置の概略図。
【図2】図1の赤血球機能測定装置を構成する第1混合
部の概略図。
【図3】図1の赤血球機能測定装置を構成するモニター
部の概略図。
【図4】図1の赤血球機能測定装置を構成する第2混合
部の概略図。
【図5】図1の赤血球機能測定装置を構成するフローセ
ルを通過するレーザ光及びスクリーンを示す概略図。
【図6】図5のスクリーンの正面図。
【図7】赤血球機能測定装置の制御部のブロック図。
【図8】赤血球機能測定装置の制御部のフローチャー
ト。
【図9】図8の混合工程のフローチャート。
【図10】図1の画像処理部の操作により作動しCRT
に表示された計測プログラムのメイン画面の図。
【図11】図10の画面に表れたノイズ成分を有する回
折像を説明する図。
【図12】計測プログラムにより得られる適合楕円を説
明する図。
【図13】ノイズ成分の除去を説明する図。
【図14】計測プログラムによるパラメータ算出の一工
程を説明する図。
【図15】図14の次工程を説明する図。
【図16】図15の次工程を説明する図。
【図17】図16の次工程を説明する図。
【図18】パラメータ算出の工程を説明する計測プログ
ラムのメイン画面の図。
【図19】赤血球変形能曲線を表す計測プログラムのグ
ラフ画面の図。
【図20】図19のグラフを加工する計測プログラムの
グラフ加工画面の図。
【図21】赤血球変形能曲線とパラメータ表示の切り換
えを説明する、図19に対応する図。
【符号の説明】
6 画像処理部(算出手段) 10 赤血球機能測定装置 11 希釈液送出手段 16 フローセル(フロー手段) 17 測定部 61 レーザ(光照射手段) 62 スクリーン 63 CCDカメラ(撮像手段) 68 ポンプ(フロー手段) 70 CRT(表示手段) F 回折像 A 楕円(基本形状) A’ 適合楕円

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有形の対象物を撮像し、撮像して得られ
    た対象物の輪郭に適合する基本的な形状を求め、適合し
    た基本形状の形状パラメータを対象物の形状パラメータ
    として算出するパラメータ解析方法。
  2. 【請求項2】 フローセルを備え、このフローセルに赤
    血球含有試料液を流しその赤血球に剪断応力を作用させ
    るフロー手段と、 前記赤血球に光を照射する光照射手段と、 光の赤血球による回折光を撮像して回折像を得る撮像手
    段と、 撮像された回折像の輪郭に適合する楕円形を求め、適合
    した楕円形の形状パラメータを赤血球の形状パラメータ
    として算出する算出手段とを備えた装置。
  3. 【請求項3】 算出手段が、回折像の一部分と適合楕円
    形との不一致の度合いから適合楕円形を補正する機能を
    さらに備える請求項2に記載した装置。
  4. 【請求項4】 表示手段をさらに備え、フロー手段が、
    赤血球に作用する剪断応力を連続的に変化させ、撮像手
    段が、回折像を連続的に撮像し、表示手段が、剪断応力
    の変化に対する形状パラメータの変化を赤血球変形能曲
    線として表示することを特徴とする請求項2に記載した
    装置。
  5. 【請求項5】 表示された赤血球変形能曲線上の任意の
    箇所を指定する入力手段と、回折像と形状パラメータの
    少なくとも1つを記憶データとして記憶する記憶手段と
    をさらに備え、 入力手段による指定箇所に対応して表示手段に記憶デー
    タを表示する請求項4に記載した装置。
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