JPH09317750A - クランク軸の肉抜き構造 - Google Patents

クランク軸の肉抜き構造

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JPH09317750A
JPH09317750A JP12977496A JP12977496A JPH09317750A JP H09317750 A JPH09317750 A JP H09317750A JP 12977496 A JP12977496 A JP 12977496A JP 12977496 A JP12977496 A JP 12977496A JP H09317750 A JPH09317750 A JP H09317750A
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thinning
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Susumu Numajiri
進 沼尻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度、耐久性を維持しつつ、加工性が良く、特
にリブを設ける必要のない、より多くの肉抜きができる
クランク軸の肉抜き構造を提供すること。 【解決手段】クランク軸(1)のジャーナル(4)側ウ
ェッブ部(2)の肉抜き構造であって、ジャーナル軸心
(O)を挟んでウェッブ外郭からジャーナル軸心(O)
に向かって連続的に狭くなるとともに底が略U字状をな
す溝(6)を対称的に設け、クランク軸(1)長手方向
にウェッブ厚さ(W)に対する溝(6)の深さ(H)を
0.4〜0.6倍としたクランク軸の肉抜き構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストン機関等に用い
られるクランク軸の肉抜き構造に関する。
【0002】
【従来の技術】クランク軸はピストンの上下運動を回転
運動に変える機能を有する。ピストンの上下運動は高速
であるため、クランク軸がこれを回転運動に変える際に
受ける曲げや捩りなどの応力は非常に大きい。従って、
クランク軸は、強度、耐久性の観点から、一般的にスチ
ール材や鋳鉄で形成されるが、クランク軸の重量が大き
くなると、そのこと自身によって、上記応力も大きくな
るので、これをできるだけ避けるべく、強度、耐久性を
維持しつつ、重量はなるべく小さくする必要がある。そ
のため、クランク軸のウェッブ部の側面に開口を有する
溝を形成することによって肉抜きを行い、軽量化を図る
ことが行われている(例えば、特開平4−26214
7)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特に、クラン
クピンとクランクジャーナルとの間のウェッブ部の危険
断面といわれる部分(図1に符号Eで示す)は、応力に
よる亀裂を生じやすく、強度、耐久性を高くする必要が
あり、クランクピン近傍の上記溝とクランクジャーナル
近傍の上記溝の間に補強リブを設けることが行われてい
る。このことは、上記溝が、ウェッブ部側面に開口を有
するということと併せて、クランク軸の加工を難しくす
るという問題点がある。また、上記補強リブは、危険断
面近くに溝を設けたことによる強度や耐久性の低下を補
う必要があるので、必然的に比較的大きなものとなって
しまい、クランク軸全体の重量バランスを考慮する必要
もあり、結果として、十分な肉抜きを行うことができな
いという問題点があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決し、強度、耐
久性を維持しつつ、加工性が良く、特にリブを設ける必
要のない、より多くの肉抜きができるクランク軸の肉抜
き構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
クランク軸のジャーナル側ウェッブ部の肉抜き構造であ
って、上記ジャーナル軸心を挟んでウェッブ外郭からジ
ャーナル軸心に向かって連続的に狭くなるとともに底が
略U字状をなす溝を対称的に設け、クランク軸長手方向
にウェッブ厚さに対する上記溝の深さを0.4〜0.6倍とし
たことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載のク
ランク軸の肉抜き構造において、上記ジャーナル軸心を
挟んで対称的に形成されたU字状の溝底の間にリブ部が
形成され、同リブ部の幅を上記ジャーナル直径に対して
0.3〜0.4倍としたことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のクランク軸の肉抜き構造において、上記クランク軸
は鍛造されることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1及び2記載の発明によれば、クランク
軸において、より多くの肉抜きが行われる。
【0009】請求項3記載の発明によれば、肉抜きされ
るクランク軸は鍛造される。
【0010】
【実施例】クランク軸1は、その側面図である図1に示
すように、縦長平板状のウェッブ部2と、ウェッブ部2
の長手方向1端の、一方の面Aに設けられた円柱状のク
ランクピン3と、ウェッブ部2の中央部の、他方の面B
に設けられた円柱状のクランクジャーナル4とを一体成
形されている。ウェッブ部2の、クランクピン3が設け
られている端部とは別のもう一方の端部は、バランスウ
ェイト8となっている。クランク軸1は、炭素鋼を鍛造
して成形されるが、炭素鋼の代わりにマンガン鋼やクロ
ームモリブデンなどの素材を用いても良いし、鋳造によ
り成形しても良い。
【0011】ウェッブ部1の、すなわちウェッブ部の中
央部の、クランクピン3が設けられている方の上記面A
には、肉抜き5が施されている。図2、図3において、
肉抜き5は、ジャーナル軸心Oを挟んでウェッブ部2の
両側方からジャーナル軸心Oに向かって深さ方向に漸次
浅く、幅方向にも連続的に狭くなるとともに、軸方向か
ら見た形状が略U字状をなす対称的な溝6、6からな
り、クランク軸1軸方向のウェッブ厚さWに対する溝
6、6のウェッブ外深さHは略0.5倍となっている。ま
た、ジャーナル軸心Oを挟んで対称的に形成されたU字
状の溝6、6の底の相互間にはリブ部7が形成され、リ
ブ部7の幅Cはクランクジャーナル4の直径Dに対して
略0.4倍に設定されている。溝6、6のウェッブ部外郭
部の幅はクランクジャーナル4の直径Dの約半分であ
る。
【0012】ウェッブ部1の長手方向(図2において上
下方向)において、溝6、6は、クランクピン3よりも
バランスウェイト8側にある。よって、溝部6、6は、
危険断面Eと交錯しない。
【0013】図4は、肉抜きの形状、場所などにおいて
本実施例と同様の肉抜きを行った場合の、クランク軸1
長手方向のウェッブ厚さWに対して溝6、6の深さHを
変化させたときのWに対するHの割合(H/Wで表す)
と、クランク軸1の曲げ剛性、捩り剛性及び重量低減量
との関係を示している。これらは計算により求めた計算
値である。H/Wが0.6より大きくなると、曲げ剛性、
捩り剛性はともに、急激に小さくなり、一方、重量低減
量は、H/Wが大きくなるほど、大きくなることを示し
ている。
【0014】図5は、肉抜きの形状、場所などにおいて
本実施例と同様の肉抜きを行った場合の、クランクジャ
ーナル4の径Dに対してリブ部7の幅Cの割合を変化さ
せたときのDに対するCの割合(C/Dで表す)と、ク
ランク軸1の曲げ剛性、捩り剛性及び重量低減量との関
係を示している。これらは計算により求めた計算値であ
る。C/Dが0.3より大きくなると、曲げ剛性、捩り剛
性はともに、急激に小さくなり、一方、重量低減量は、
C/Dが大きくなるほど、小さくなることを示してい
る。
【0015】これらにより、曲げ剛性、捩り剛性及び重
量低減量のバランスを考慮すると、クランク軸1長手方
向のウェッブ厚さWに対する溝6、6の深さHの割合、
及びクランクジャーナル4の径Dに対するリブ部7の幅
Cの割合は上記の値に限らず、それぞれ、0.4〜0.6倍、
0.3〜0.4倍の範囲内であれば良いことがわかる。
【0016】肉抜き5はウェッブ部1の中央部に設けら
れ、その大きさや形状は上記のように設定されているの
で、補強リブを特に設ける必要がなく、クランク軸1全
体のの重量バランスに大きな影響を与えることもない。
【0017】
【発明の効果】請求項1及び2記載の発明によれば、肉
抜きをウェッブ部の中央部に設け、肉抜きの大きさや形
状を適宜設定したので、補強リブを特に設ける必要がな
く、クランク軸全体の重量バランスに大きな影響を与え
ることもなく、強度、耐久性を保ち、かつ、重量低減量
を最大限に大きくできる。さらに、肉抜きの加工性は良
好である。
【0018】請求項3記載の発明によれば、クランク軸
を鍛造するので、鋳造のクランク軸よりも強度、耐久性
の高いクランク軸を提供できる。しかも、本願発明独特
の肉抜きの形状は、鍛造の際の加工性を向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクランク軸の肉抜き構
造の側面図である。
【図2】図1に示したクランク軸の肉抜き構造の正面図
である。
【図3】図2のIII −III 断面図である。
【図4】本発明と同様の肉抜きを行った場合(肉抜きの
形状、場所など)の、クランク軸長手方向のウェッブ厚
さに対する溝の深さの割合と、クランク軸の曲げ剛性、
捩り剛性及び重量低減量との関係を示す相関図である。
【図5】本発明と同様の肉抜きを行った場合(肉抜きの
形状、場所など)の、クランクジャーナルの径に対する
リブ部の幅の割合と、クランク軸の曲げ剛性、捩り剛性
及び重量低減量との関係を示す相関図である。
【符号の説明】
1 クランク軸 2 ウェッブ部 4 クランクジャーナル 5 肉抜き 6 溝 7 リブ部 C リブ部の幅 D ジャーナル直径 H 溝の深さ O ジャーナル軸心 W ウェッブ厚さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク軸のジャーナル側ウェッブ部の肉
    抜き構造であって、上記ジャーナル軸心を挟んでウェッ
    ブ外郭からジャーナル軸心に向かって連続的に狭くなる
    とともに底が略U字状をなす溝を対称的に設け、クラン
    ク軸長手方向にウェッブ厚さに対する上記溝の深さを0.
    4〜0.6倍としたことを特徴とするクランク軸の肉抜き構
    造。
  2. 【請求項2】請求項1記載のクランク軸の肉抜き構造に
    おいて、上記ジャーナル軸心を挟んで対称的に形成され
    たU字状の溝底の間にリブ部が形成され、同リブ部の幅
    を上記ジャーナル直径に対して0.3〜0.4倍としたことを
    特徴とするクランク軸の肉抜き構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のクランク軸の肉抜き
    構造において、上記クランク軸は鍛造されることを特徴
    とするクランク軸の肉抜き構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124852A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 本田技研工業株式会社 内燃機関のクランクシャフト構造
JP2019027551A (ja) * 2017-08-01 2019-02-21 マツダ株式会社 カウンタウエイト及び該カウンタウエイトを備えたクランク軸
JP2019082213A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 新日鐵住金株式会社 クランク軸

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JP2015124852A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 本田技研工業株式会社 内燃機関のクランクシャフト構造
JP2019027551A (ja) * 2017-08-01 2019-02-21 マツダ株式会社 カウンタウエイト及び該カウンタウエイトを備えたクランク軸
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