JPH09317247A - 霊廟礼拝堂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レイアウト、施工が容易であり非常に安価、
かつ多数の家の納骨が可能な霊廟礼拝堂装置を既存の建
物内に配設して墓参の礼拝が自分の家の骨壺の収容され
た厨子に対面してできるようにする。 【解決手段】厨子収納用の棚１０を上下方向に複数段配
設して円筒形に形成した回転式霊廟装置２を水平面内で
間欠回転させ、礼拝壁３に形成された礼拝窓３ａに対向
させて自分の家の骨壺の収容された厨子４を位置させて
参拝できるようにした構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、霊廟礼拝堂装置に
係り、特に建物内に多数の家の納骨が可能でかつ墓参の
礼拝が自分の家の骨壺の収容された厨子に対面してでき
るようにし、しかも施工が容易であり、既存の建物に適
用可能で、レイアウトが容易にでき、また非常に安価に
提供することができるようにした回転式の霊廟礼拝堂装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、地上に造営される墓地は非常に高
価となっており、一般大衆が墓地を取得するのは困難に
なって来ている。また安価な墓地を入手すれば、自宅か
らの距離が遠くなるので、今度は墓参のために遠路はる
ばる足を運ぶこととなり、時間と経費が多くかかり、必
然的に墓参の回数が減り、祖先との交わりがおろそかに
なっている。

【０００３】そこで、従来建物の内部に霊廟礼拝堂装置
を設置して屋内墓地として、例えば住居に近い都会に墓
地を造って墓参が非常にし易いようにした霊廟礼拝堂装
置が提案され、一部で実用化されて来ている。

【０００４】しかし、従来のこの種の霊廟礼拝堂装置
は、異なる家の骨壺を収容した複数の厨子を霊廟として
の非常に多くの棚から搬出して、礼拝堂装置の礼拝窓ま
で搬送する装置が複雑で、高価についていたので、制御
装着や各種の搬送装着に多額の費用がかかり、必然的に
墓地の価格が高くなり、安価に提供できないばかりでな
く、施工が容易ではなく、既存の建物には適用ができ
ず、またレイアウトが容易にできない等の欠点があっ
た。

【０００５】また霊廟から礼拝窓までの距離が長いた
め、搬送に要する時間が多くかかり、墓参の人を待たせ
る時間が長くかかり、好ましい結果が得られなかった。
また搬送の途中で誤って厨子を落下させて骨壺を破損す
る危険性や、搬送装置が故障するおそれも大きく、改善
の余地があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、上下方向に複数段の厨子収納用の
棚が形成され各段の該棚の円周方向に異なる家の骨壺を
夫々収容した複数の厨子が載置されて納骨されるように
円筒形に形成され制御装置によって水平面内で間欠回転
するように構成された回転式霊廟装置と、該回転式霊廟
装置の上下方向の各段に対応した高さ位置に該段の数と
同数の開閉可能な礼拝窓が形成された礼拝壁とを備える
ことによって、霊廟装置から礼拝窓までの距離を最短と
し、かつ複雑な厨子の搬送装置を不要化することであ
り、またこれによって霊廟礼拝堂装置を大幅に簡略化し
て１戸当たりの墓地のコストを大幅に低下させると共
に、施工が容易であり、既存の建物に適用でき、しかも
レイアウトが容易にできるようにすることである。

【０００７】また他の目的は、上下方向に複数段の厨子
収納用の棚が形成され各段の該棚の円周方向に異なる家
の骨壺を夫々収容した複数の厨子が載置されて納骨され
るように円筒形に形成され制御装置によって水平面内で
間欠回転するように構成された回転式霊廟装置と、該回
転式霊廟装置に近接して設けられ適度な高さ位置に礼拝
用の単一の礼拝窓が形成された礼拝壁と、制御装置によ
り制御されて回転式霊廟装置から特定の厨子を搬出して
前記礼拝窓に該厨子を搬送する厨子搬送装置とを備える
ことにより、厨子の搬送装置を従来に比べて非常に簡易
なものとし、厨子の搬送距離を短縮して厨子の搬送中に
おける落下の危険性や機構の故障等のトラブルをなく
し、また礼拝窓を単一にして最適の高さを確保して礼拝
時の気分を更に良好にすることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】要するに本発明（請求項
１）は、上下方向に複数段の厨子収納用の棚が形成され
各段の該棚の円周方向に異なる家の骨壺を夫々収容した
複数の厨子が載置されて納骨されるように円筒形に形成
され制御装置によって水平面内で間欠回転するように構
成された回転式霊廟装置と、該回転式霊廟装置の前記上
下方向の各段に対応した高さ位置に該段の数と同数の開
閉可能な礼拝窓が形成された礼拝壁とを備えたことを特
徴とするものである。

【０００９】また本発明（請求項２）は、上下方向に複
数段の厨子収納用の棚が形成され各段の該棚の円周方向
に異なる家の骨壺を夫々収容した複数の厨子が載置され
て納骨されるように円筒形に形成され制御装置によって
水平面内で間欠回転するように構成された回転式霊廟装
置と、該回転式霊廟装置に近接して設けられ適度な高さ
位置に礼拝用の単一の礼拝窓が形成された礼拝壁と、前
記制御装置により制御されて前記回転式霊廟装置から特
定の厨子を搬出して前記礼拝窓に該厨子を搬送する厨子
搬送装置とを備えたことを特徴とするものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基いて説明する。図１から図３において、本発明の第１
実施例の霊廟礼拝堂装置１は、回転式霊廟装置２と、礼
拝壁３とを備えている。

【００１１】回転式霊廟装置２は、骨壺（図示せず）が
夫々収容された複数の厨子４を載置するためのものであ
って、円筒形に形成され、基台５の中心には中心軸６が
配設されると共に底部５ａには複数のキャスタ８が装着
されて床９上で中心軸６を中心として矢印Ａ又はＢ方向
に間欠回転できるようになっている。

【００１２】基台５の上方には、円形の複数の棚１０が
上下方向に所定の間隔で配置され、該棚１０上に厨子４
を円周方向に等間隔で載置できるようになっており、回
転式霊廟装置２を間欠的に回転させたとき、夫々の厨子
４が礼拝壁３に対向して停止するようになっている。

【００１３】礼拝壁３は、回転式霊廟装置２が配設され
た霊廟室１１と、礼拝室１２とを分離するためのもので
あって、回転式霊廟装置２に近接した前方に配設され、
回転式霊廟装置２の複数の棚１０の各段に対応した高さ
位置に複数の礼拝窓３ａが形成されている。

【００１４】夫々の礼拝窓３ａには、矢印Ｃ又はＤ方向
に開閉可能なシャッタ１３が配設されており、参拝時に
は制御装置（図示せず）からの指令に基づいて参拝者の
祖先の骨壺が収納された棚１０に対応する礼拝窓３ａの
みが開き、他の礼拝窓３ａは閉鎖されたままとなるよう
に制御されている。

【００１５】礼拝壁３の礼拝室１２側には、線香立て１
４、花立て１５が置かれた祭壇１６が配設されている。

【００１６】本発明の第２実施例の霊廟礼拝堂装置２１
は、図４において、回転式霊廟装置２２と、礼拝壁２３
と、厨子搬送装置２４とを備えている。

【００１７】回転式霊廟装置２２は、第１実施例で説明
したものとほぼ同一構造となっているので同一部品には
同一符号を付して説明を省略するが、参拝時には厨子４
を厨子搬送装置２４によって回転式霊廟装置２２から礼
拝窓２３ａまで搬送するように構成されているので、第
１実施例の回転式霊廟装置２では参拝時に低すぎて、或
いは高すぎて載置することができなかった低い位置及び
高い位置まで厨子４を載置することができ、図に示す実
施例では棚１０が５段配設されて、より多くの厨子４を
収容することができるようになっている。

【００１８】礼拝壁２３は、回転式霊廟装置２２が配設
された霊廟室１１と、礼拝室１２とを分離するためのも
のであって、回転式霊廟装置２２に近接した前方に配設
され、参拝に最適の高さ位置に単一の礼拝窓２３ａが形
成されていて、楽な姿勢で参拝することができるように
なっている。

【００１９】厨子搬送装置２４は、制御装置（図示せ
ず）からの指令に基づいて厨子４を回転式霊廟装置２２
と礼拝窓２３ａとの間で搬送するためのものであって、
回転式霊廟装置２２と礼拝壁２３との間に配設され、水
平搬送機構２５によって厨子４を回転式霊廟装置２２か
ら矢印Ｅ方向に取出した後、昇降機構２６によって矢印
Ｆ又はＧ方向に上下移動させて礼拝窓２３ａに対向させ
て位置決めし、参拝者が礼拝窓２３ａを通して厨子４を
参拝することができるようになっている。

【００２０】回転式霊廟装置２及び２２の大きさは、
縦、横とも約２ｍ程度であり、設置には極めて狭いスペ
ースしか必要とせず該回転式霊廟装置２及び２２を隣接
させて配置することができ、図５に示す設置例では既存
の建物のコーナー２８に隙間なく並べて効率よく設置す
ることができ、また図６において建物の袋小路状のスペ
ース２９でも互いに密着させた状態で対向させて配置す
ることにより、狭いスペースを効率よく利用することが
できる。

【００２１】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。第１実施例は図１及び
図２において、参拝者が礼拝室１２に入室し、図示しな
い制御装置に手動で入力するか、又は予め発行されてい
る磁気カード等の登録カードをカードリーダ（図示せ
ず）に読み取らせて入力すると、該参拝者の祖先の遺骨
が収容された厨子４の収納位置が制御装置に認識され、
回転式霊廟装置２が矢印Ａ又はＢ方向に間欠回転して該
当する厨子４が礼拝壁３に対向して停止する。

【００２２】次いで、該厨子４に対向している高さの礼
拝窓３ａのシャッタ１３が矢印Ｃ方向に移動して開き、
参拝者は礼拝室１２から厨子４を目視できる状態とな
り、礼拝窓３ａを通して祖先の遺骨が収容された厨子４
に参拝することができる。

【００２３】参拝後、参拝者が終了ボタン（図示せず）
を押すと、シャッタ１３は矢印Ｄ方向に移動して礼拝窓
３ａを閉じ、霊廟室１１と礼拝室１２とを分離する。

【００２４】第２実施例は、図４において、上述したと
同様に参拝者が制御装置にデータを入力すると、該制御
装置が参拝者の祖先の遺骨が収容された厨子４の収納位
置を認識し、回転式霊廟装置２２を間欠回転させて該当
する厨子４を厨子搬送装置２４に対向させて停止させ
る。

【００２５】ここで、水平搬送機構２５が厨子４を保持
して回転式霊廟装置２２から矢印Ｅ方向に取り出して昇
降機構２６に積載した後、該昇降機構２６が矢印Ｆ又は
Ｇ方向に移動して該厨子４を礼拝窓２３ａに対向させて
停止する。

【００２６】次いでシャッタ（図示せず）が開いて参拝
者は礼拝窓２３ａを通して祖先の遺骨が収容された厨子
４に参拝することができる。

【００２７】参拝者が終了ボタンを押して参拝が終了し
たことを入力すると、シャッタが閉じた後、昇降機構２
６及び水平搬送機構２５が先と逆の方向に作動して該厨
子４を回転式霊廟装置２２の元の位置に載置して安置す
る。

【００２８】厨子搬送装置２４が配設されている本実施
例においては、収容位置のままでは参拝するためには低
すぎる位置及び高すぎる位置にも、厨子４を収納するこ
とができるので１台の回転式霊廟装置２２により多数の
厨子４を収納することができ、霊廟室１１のスペースを
より有効に利用することができる。

【００２９】本発明の霊廟礼拝堂装置１、２１は、上述
した如く狭いスペースに隣接させて配置することがで
き、かつ参拝者の祖先の厨子４のみを見ながら参拝する
ことができるので、ゆったりと落ち着いた雰囲気で参拝
することができ、都会等の狭い屋内スペースを有効に利
用することができる。

【００３０】具体的実施例としては、厨子４の大きさは
縦４５０ｍｍ、横４５０ｍｍ、高さ４００ｍｍであり、
第１実施例の回転式霊廟装置２は直径１８００ｍｍ，高
さ２７００ｍｍとして一段あたり６基の厨子４を収容で
きるようにした棚を３段配設して約２ｍ四方のスペース
に１８基の厨子４を収容することができる。

【００３１】そして、高さ２８００ｍｍの礼拝壁３に
は、高さ１５００ｍｍ，２０００ｍｍ及び２５００ｍｍ
の位置の３箇所に礼拝窓３ａを設けて構成されている。

【００３２】また、第２実施例の回転式霊廟装置２２は
直径１８００ｍｍであり、一段あたり６基の厨子４を収
容できるようにした棚を４段配設して２４基の厨子４を
収容できるようにした回転式霊廟装置２２の高さは２４
００ｍｍであり、５段の棚を配設して３０基の厨子４を
収容できるようにした回転式霊廟装置２２の高さは２９
００ｍｍの大きさであり、該回転式霊廟装置２２を屋内
に設置するには、２４基用の回転式霊廟装置２２にあっ
ては床荷重３００ｋｇ／ｍ³ 以上、３０基用の回転式霊
廟装置２２にあっては床荷重３５０ｋｇ／ｍ³ 以上の床
強度が必要となる。

【００３３】また、礼拝壁２３には、最も参拝し易い位
置である１６７０ｍｍの高さ位置に単一の礼拝窓２３ａ
を設けられているので参拝者は楽な姿勢で参拝すること
ができる。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、上記のように上下方向に複数
段の厨子収納用の棚が形成され各段の該棚の円周方向に
異なる家の骨壺を夫々収容した複数の厨子が載置されて
納骨されるように円筒形に形成され制御装置によって水
平面内で間欠回転するように構成された回転式霊廟装置
と、該回転式霊廟装置の上下方向の各段に対応した高さ
位置に該段の数と同数の開閉可能な礼拝窓が形成された
礼拝壁とを備えたので、霊廟装置から礼拝窓までの距離
を最短とし得、かつ複雑な厨子の搬送装置を不要化する
ことができる効果があり、またこの結果霊廟礼拝堂装置
を大幅に簡略化して１戸当たりの墓地のコストを大幅に
低下させると共に、施工が容易であり、既存の建物に適
用でき、しかもレイアウトが容易にできるという効果が
ある。

【００３５】また上下方向に複数段の厨子収納用の棚が
形成され各段の該棚の円周方向に異なる家の骨壺を夫々
収容した複数の厨子が載置されて納骨されるように円筒
形に形成され制御装置によって水平面内で間欠回転する
ように構成された回転式霊廟装置と、該回転式霊廟装置
に近接して設けられ適度な高さ位置に礼拝用の単一の礼
拝窓が形成された礼拝壁と、制御装置により制御されて
回転式霊廟装置から特定の厨子を搬出して前記礼拝窓に
該厨子を搬送する厨子搬送装置とを備えたので、厨子の
搬送装置を従来に比べて非常に簡易なものとし、厨子の
搬送距離を短縮して厨子の搬送中における落下の危険性
や機構の故障等のトラブルをなくすことができる効果が
あり、また礼拝窓を単一にして最適の高さを確保するよ
うにしたので礼拝時の気分を更に良好にすることができ
る効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１から図３は第１実施例に係り、図１は霊廟
礼拝堂装置の斜視図である。

【図２】霊廟礼拝堂装置の平面図である。

【図３】霊廟礼拝堂装置の側面図である。

【図４】第２実施例に係り、霊廟礼拝堂装置の側面図で
ある。

【図５】図５及び図６は配置例に係り、図５は霊廟礼拝
堂装置を建物のコーナーに設置した状態を示す平面図で
ある。

【図６】袋小路状のスペースに霊廟礼拝堂装置を設置し
た状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 霊廟礼拝堂装置 ２ 回転式霊廟装置 ３ 礼拝壁 ３ａ 礼拝窓 ４ 厨子 １０ 棚 ２１ 霊廟礼拝堂装置 ２２ 回転式霊廟装置 ２３ 礼拝壁 ２３ａ 礼拝窓 ２４ 厨子搬送装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に複数段の厨子収納用の棚が形
   成され各段の該棚の円周方向に異なる家の骨壺を夫々収
   容した複数の厨子が載置されて納骨されるように円筒形
   に形成され制御装置によって水平面内で間欠回転するよ
   うに構成された回転式霊廟装置と、該回転式霊廟装置の
   前記上下方向の各段に対応した高さ位置に該段の数と同
   数の開閉可能な礼拝窓が形成された礼拝壁とを備えたこ
   とを特徴とする霊廟礼拝堂装置。
2. 【請求項２】 上下方向に複数段の厨子収納用の棚が形
   成され各段の該棚の円周方向に異なる家の骨壺を夫々収
   容した複数の厨子が載置されて納骨されるように円筒形
   に形成され制御装置によって水平面内で間欠回転するよ
   うに構成された回転式霊廟装置と、該回転式霊廟装置に
   近接して設けられ適度な高さ位置に礼拝用の単一の礼拝
   窓が形成された礼拝壁と、前記制御装置により制御され
   て前記回転式霊廟装置から特定の厨子を搬出して前記礼
   拝窓に該厨子を搬送する厨子搬送装置とを備えたことを
   特徴とする霊廟礼拝堂装置。