JPH09316595A - 打抜性と焼入性に優れた高炭素鋼 - Google Patents

打抜性と焼入性に優れた高炭素鋼

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JPH09316595A
JPH09316595A JP12858296A JP12858296A JPH09316595A JP H09316595 A JPH09316595 A JP H09316595A JP 12858296 A JP12858296 A JP 12858296A JP 12858296 A JP12858296 A JP 12858296A JP H09316595 A JPH09316595 A JP H09316595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】打抜性と焼入性の両方に優れた高炭素鋼を提供
することにある。 【解決手段】上記課題は、重量%でCを0.2%以上含
み、フェライトおよび炭化物を主体とし、炭化物粒径が
2μm以下、フェライト粒径が0.5〜1μmである高
炭素鋼によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具や刃物への加
工に適する、打抜性と焼入性に優れた高炭素鋼にに関す
る。
【0002】
【従来の技術】工具や刃物に使用される高炭素鋼には、
高い加工性と焼入性が要求される。これらのうち焼入性
が要求されるのは焼入れ作業の低コスト化であり、焼入
れ作業のコスト低減には、加熱温度の低温化と均熱保持
時間の短時間化が有効である。そこで、低温短時間保持
で十分に焼きが入る材料が望まれている。成分一定の場
合、焼入性を左右するのは均熱保持中に固溶する炭化物
量であり、短時間保持でより多くの炭化物を固溶させる
には炭化物の大きさを微細にすることが有効である。こ
のような炭化物の微細化による焼入性の向上について
は、特公昭57−43621号公報、特開平2−259
013号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公報に開示された技術は焼入性向上のみに注目している
ため、加工性、特に打抜性については十分には考慮され
ておらず、実際、打抜性は不十分である。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、打抜性と焼入性の両方に優れた高炭素鋼を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】打抜性は以下の2つの観
点のバランスで決まる。一つは打ち抜いた際のバリの高
さ、形状、割れの有無などの打抜製品の品質である。他
は生産性に直接関わるもので、連続で打ち抜くことがで
きる回数で決まる型寿命である。しかし、これら二つの
観点を満足するために材料に必要とされる特性は互いに
相反するものである。すなわち、単打抜時のバリは材料
が硬いほど発生し難いが、型寿命の観点からは軟質の材
料のほうが打抜型の摩耗が少なく、長寿命となる。
【0006】一方、高炭素鋼の組織はフェライト粒およ
び球状化炭化物を主体としている。従来、これらのうち
打抜性に影響を及ぼすのは炭化物の大きさや分布である
と考えられ、上述した焼入性を向上させた組織に打抜性
が付随するものとされていた。
【0007】これに対して、本発明者らが上記2つの観
点に基づいて打抜性について鋭意研究を重ねた結果、微
細な炭化物の大きさは打抜性に全く影響を及ぼさず、打
抜性に影響を及ぼす組織はフェライト粒径であり、フェ
ライト粒径を特定の範囲に規定することにより打抜性を
優れたものとすることができることを見出した。
【0008】本発明は、このような本発明者らの知見に
基づいてなされたものであり、重量%でCを0.2%以
上含み、フェライトおよび炭化物を主体とし、炭化物粒
径が2μm以下、フェライト粒径が0.5〜1μmであ
ることを特徴とする、打抜性と焼入性に優れた高炭素鋼
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高炭素鋼は、重量%でC
を0.2%以上含み、フェライトおよび炭化物を主体と
し、炭化物粒径が2.0μm以下、フェライト粒径が
0.5〜1μmである。
【0010】以下、本発明におけるC含有量、炭化物粒
径およびフェライト粒径の限定理由について説明する。
【0011】(1)C含有量 Cは、炭化物を形成させ、良好な焼入性を得るために必
要な元素であり、このような効果を得るために重量%で
0.2%以上とする。ただし、過剰に添加した場合には
焼入れ時に過剰に硬化し、焼き割れを生じるおそれがあ
ることから2%以下が望ましい。
【0012】(2)炭化物粒径 炭化物粒径は、低温短時間保持条件下における焼入性に
大きく影響を及ぼす。均熱時間内に速やかに炭化物がオ
ーステナイトに固溶することが、低温短時間保持条件下
において良好な焼入性を有する条件である。炭化物がオ
ーステナイトに速やかに固溶するためには、炭化物が微
細であることが望ましい。すなわち、鋼中に炭化物を微
細に析出させることにより、炭化物の全体積に対する表
面積が大きくなり、加熱保持中に炭化物の固溶が促進さ
れる。
【0013】以下、このことを実証する実験について説
明する。
【0014】C≒0.65%、Si≒0.05%、Mn
≒0.55%、P≒0.010%、S≒0.008%の
組成を有する連続鋳造スラブを1250℃に加熱し、仕
上げ温度850℃、巻取温度350〜650℃の条件で
熱間圧延を行い、次に冷延率10〜85%で冷間圧延、
500〜740℃で焼鈍を行って板厚1.2mmの鋼板
を作製した。
【0015】このようにして製造した鋼板を50×10
0mmの大きさに切断後、加熱炉で750℃に昇温し、
10秒間保持後に約10℃の菜種油中へ焼入れした。な
お、加熱温度については、JIS G4401におい
て、760〜820℃と規定されているが、本実験にお
いては焼入性の優劣を明確にするためにJISで規定さ
れている下限値よりも10℃低い温度に保持した。
【0016】このようにして焼入れた後の試験片の板面
における硬さを、ロックウェルCスケール(HRC)で
測定し、焼入性を評価した。焼入性の評価はJISおよ
び需要家のニーズ等を考慮して、HRC63以上を◎、
63未満59以上を○、59未満55以上を△、55未
満を×とした。この際の炭化物粒径と焼入性の評価結果
とを表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示すように、炭化物粒径が2μm以
下であれば焼入性が良好となることから、炭化物粒径を
2μm以下に規定した。さらに良好な焼入性を得るため
には0.8μm以下が望ましい。
【0019】(3)フェライト粒径 フェライト粒径は打抜性を支配するものであり、本発明
において最も重要である。従来、高炭素鋼が硬質であっ
てその打抜性が良好でない理由は、炭化物の粒径や形状
によるものであると考えられてきた。ところが、本発明
者らは、炭化物の粒径や形状ではなく、フェライト粒径
こそが打抜性に影響を及ぼすことを初めて明らかにし
た。
【0020】フェライト径が大きいほど鋼は軟質化する
から型寿命が延びる。これは、フェライト粒径が大きい
場合、結晶中の転位の移動を阻害する粒界の面積が少な
くなるため軟質化し、打抜型の摩耗が少なくなることに
よる。ただし、この場合型寿命は長くなるものの打抜破
断時のバリの高さが高くなる。一方、フェライト径が小
さくなると鋼は硬質化しバリ高さが小さくなるが、型の
摩耗が激しくなり型寿命が短くなる。
【0021】したがって、本発明では打抜製品の品質お
よび型寿命を両立させるために、フェライト粒径を特定
の範囲に規定する。
【0022】以下、このことを示す実験結果について説
明する。
【0023】C≒0.6%、Si≒0.11%、Mn≒
0.65%、P≒0.016%、S≒0.012%の組
成を有する連続鋳造スラブを1200℃に加熱し、仕上
げ温度850℃、巻取温度400〜650℃の条件で熱
間圧延を行い、次に冷延率30〜95%で冷間圧延、5
50〜750℃で焼鈍を行って板厚1.2mmの鋼板を
作製した。
【0024】このように製造した鋼板のフェライト粒径
と炭化物粒径を測定し、さらに打抜性の評価を行った。
打抜形状はφ30mmの円形孔抜きとした。型のクリア
ランスはC/t=0.05とした。フェライト粒径およ
び炭化物粒径ならびに打抜性すなわちバリ高さおよび型
寿命の結果を表2に示す。評価は、バリ高さ0.01m
m以下のものを○、0.01mm越え0.1mm以下の
ものを△、0.1mmを越えるものを×とした。また、
型寿命については、連続で打抜を行い、バリ高さが0.
1mmとなった時点で型寿命と定義し、10000回以
上連続で打ち抜いてもバリ高さが0.1mm以下のもの
を○、10000回未満で8000回以上打ち抜いた時
点でバリ高さが0.1mmを越えたものを△、8000
回未満のものを×とした。また、フェライト粒径と打抜
性との関係を図1に示す。
【0025】
【表2】
【0026】これらから、炭化物粒径に関係なくフェラ
イト粒径のみでバリ高さや型寿命が決まることが理解さ
れる。また、打抜型寿命の観点からフェライト粒径を
0.5μm以上にすればよく、バリ高さの観点からフェ
ライト粒径と1μm以下にすればよいことがわかる。す
なわち、打抜寿命とバリ高さとがいずれも良好となるの
はフェライト粒径が0.5〜1μmの範囲であることが
判明した。したがって、本発明では平均のフェライト粒
径を0.5〜1μmとした。
【0027】なお、本発明では鋼の組織はフェライトと
炭化物の混合組織であるが、炭化物によりフェライト粒
界が明確に観察されない場合があり、実際のフェライト
粒径が明確にならないことがある。そこで、本発明では
フェライト粒径を以下のように定義する。
【0028】(1) フェライト粒界が炭化物によりとぎれ
ず観察されるものについては、その粒界で囲まれた範囲
をフェライト粒の粒径と定義する。
【0029】(2) 炭化物によりフェライト粒界が観察さ
れない場合には、図1に示すようにフェライト粒界およ
び炭化物粒界によって囲まれた範囲をフェライト粒の占
める面積とし、その面積と等価な円の直径をフェライト
粒径と定義する。
【0030】(3) 図2に示すように、フェライト粒内に
炭化物が存在する場合には、その炭化物の面積はフェラ
イト粒の占める面積に含まない。
【0031】(4) 図3に示すように、炭化物がフェライ
ト粒を横切り、フェライト粒界と接している場合、炭化
物により分けられたフェライト粒部分はそれぞれ独立し
たフェライト粒とする。
【0032】炭化物粒径についても同様に、等価な面積
を持つ円の直径を炭化物粒径と定義する。
【0033】フェライト粒径および炭化物粒径の測定方
法については特に限定されるものではないが、サンプル
の板厚断面を研磨・腐食後、1500〜5000倍の走
査型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真からフェライト
粒径および炭化物粒径を測定することが望ましい。実際
にサンプルのフェライト粒径を求めるに際しては、写真
に全体が撮影されている粒の粒径の平均をもってその視
野の粒径とし、これを2視野以上行った後にさらにそれ
らの平均をとり、これをサンプルのフェライト粒径とす
る。炭化物の粒径も同様にして求める。写真撮影に関し
ては、少なくとも30個以上の粒が存在する倍率となる
ように行うことが望ましい。また、腐食液としては、フ
ェライト粒径を測定する場合にはナイタール腐食液を、
炭化物粒径を測定する場合にはピクラール腐食液を用い
るのがよい。測定結果の一例を図4に示す。図4はナイ
タール腐食液で腐食したものであり、この図におけるフ
ェライト粒径は0.9μmである。
【0034】なお、本発明は、重量%でCを0.2%以
上含み、上記特定の範囲の粒径を有するフェライトおよ
び炭化物を主体とする組織であれば所期の効果を発揮す
るものであり、他の成分については特に規定する必要は
なく、Mn、Si、P、S、Al、Nなどの元素が通常
の範囲で含有されていても問題はない。ただし、Mnは
炭化物の固溶抑制効果による焼入性低下を引き起こす傾
向があることから2%以下が望ましい。また、Siにつ
いては、炭化物を粗大化し、焼入性を阻害する傾向があ
ることから2%以下が望ましい。P、Sについては、過
剰に含有すると延性が低下するため、ともに0.03%
以下が望ましい。Alについては、過剰に含有すると焼
入性を低下させるため、0.08%以下が望ましい。N
についても、過剰に含有した場合には延性の低下をもた
らすため、0.01%以下が望ましい。また、目的に応
じて、通常添加される範囲でB、Cr、Cu、Ni、M
o、Ti、Nb、W、V、Zrなど各種元素を添加して
もよい。これら元素は本発明の効果になんら影響を及ぼ
さない。また、製造過程でSn、Pbなどの各種元素が
不純物として混入する場合があるが、このような不純物
も本発明の効果になんら影響を及ぼすものではない。
【0035】次に、本発明に係る高炭素鋼の好ましい製
造方法について説明する。
【0036】まず、本発明範囲内の成分に調整された溶
鋼を、造塊後分塊処理または連続鋳造によってスラブと
する。
【0037】次に熱間圧延を行うが、その際のスラブ加
熱温度は、スケール発生による表面状態の変化と圧延負
荷の点から1000〜1250℃が適正範囲であり、仕
上げ温度は圧延負荷の点から750℃以上とするのが望
ましい。巻取温度は炭化物の微細析出のために600℃
以下とし、冷圧負荷の点から400℃以上とすることが
望ましい。
【0038】冷延板として使用する場合には、その後、
冷間圧延を行うが、その際の冷圧率は、焼鈍時の炭化物
を微細化するために20%以上であることが好ましい
が、圧延率が過剰であると圧延後のフェライト粒が微細
になりすぎるため85%以下が好ましい。
【0039】その後の焼鈍については、フェライト粒を
適度に成長させるため600℃以上であることが必要で
あるが、炭化物の過剰な成長を抑制するために(Ac3
−30)℃以下とする。焼鈍方法は連続焼鈍でも箱焼鈍
でも問題はない。なお、冷間圧延と焼鈍を2回以上組合
わせてもよい。
【0040】その後、必要に応じて調質圧延を行うが、
調質圧延については焼入性に影響を及ぼさないことか
ら、その条件に制限はない。
【0041】なお、本発明鋼の成分調整には、転炉およ
び電気炉のどちらも使用可能であり、熱間圧延時に粗圧
延を省略して仕上げ圧延を行っても全く問題はない。ま
た、本発明鋼は熱延鋼板でも冷延鋼板でもよく、いずれ
の場合にも本発明の効果を同様に奏することができる。
【0042】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。
【0043】(第1実施例)表3に示す組成の炭素量
0.7%の連続鋳造スラブを1150℃に加熱し、仕上
げ温度860℃、巻取温度350〜700℃の条件で熱
間圧延を行い、次に冷延率15〜95%で冷間圧延、5
00〜700℃で55時間の箱焼鈍を行って板厚1mm
の鋼板を作製した。それぞれの鋼板に対し焼入れ試験お
よび打抜試験を行い、焼入性と打抜性を評価した。試験
条件を以下に示す。
【0044】〈焼入性試験〉以上のようにして作製した
鋼板を50×100mmの大きさに切断後、加熱炉で7
50℃に昇温し、10秒間保持後に約10℃の菜種油中
へ焼入れした。焼入れ後の試験片の硬さを、ロックウェ
ルCスケール(HRC)で測定し、焼入性を評価した。
評価はHRC63以上を◎、63未満59以上を○、5
9未満56以上を△、56未満を×とした。
【0045】〈打抜性〉プレス機に打抜型を装着し、打
抜性試験を行った。型のクリアランスはC/t=0.0
5とした。打抜形状はφ30mmの円とした。評価は、
バリ高さ0.01mm以下のものを○、0.01mm越
え0.1mm以下のものを△、0.1mmを越えるもの
を×とした。また、型寿命については、連続で打抜を行
い、バリ高さが0.1mmとなった時点で型寿命と定義
し、10000回以上連続で打ち抜いてもバリ高さが
0.1mm以下のものを○、10000回未満で800
0回以上打ち抜いた時点でバリ高さが0.1mmを越え
たものを△、8000回未満のものを×とした。
【0046】これら焼入性試験および打抜試験の結果を
表4に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表4に示すように、フェライト粒径が0.
5μm以上1.0μm以下のときに、打抜性および型寿
命が良好であり、炭化物粒径が2μm以下のときに焼入
性が良好であった。すなわち、本発明の範囲であれば、
優れた打抜性と焼入性とを兼備することが確認された。
【0050】(第2実施例)表5に示す組成の炭素量
0.4%の連続鋳造スラブを1080℃に加熱し、仕上
げ温度840℃、巻取温度300〜700℃の条件で熱
間圧延を行い、次に冷延率20〜95%で冷間圧延、5
00〜780℃で連続焼鈍を行って板厚1mmの鋼板を
作製した。それぞれの鋼板に対し焼入れ試験および打抜
試験を行い、焼入性と打抜性を評価した。
【0051】これらの試験条件は基本的に第1実施例と
同様とし、打抜性の評価についても第1実施例と同様と
したが、焼入性の評価については第1実施例と異なり、
HRC54以上を◎、54未満50以上を○、50未満
46以上を△、46未満を×とした。
【0052】焼入性試験および打抜試験の結果を表6に
示した。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】表6からも、フェライト粒径が0.5μm
以上1.0μm以下のときに、打抜性および型寿命が良
好であり、炭化物粒径が2μm以下のときに焼入性が良
好であることが導かれ、本発明の範囲であれば、優れた
打抜性と焼入性とを兼備することが確認された。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
焼入性に注目して炭化物を微細にするのみならず、加工
性、特に打抜性がフェライト粒に大きく影響を受けるこ
とに着目してフェライト粒径を制御するので、打抜性と
焼入性の両方に優れた高炭素鋼を提供することができ
る。このように本発明に係る高炭素鋼は打抜性と焼入性
に優れることから、安価でかつ品質の安定した刃物や工
具を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でいうフェライト粒径を説明するための
模式図。
【図2】本発明でいうフェライト粒径を説明するための
模式図。
【図3】本発明でいうフェライト粒径を説明するための
模式図。
【図4】フェライト粒径の測定結果の一例を示す顕微鏡
写真。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でCを0.2%以上含み、フェラ
    イトおよび炭化物を主体とし、炭化物粒径が2μm以
    下、フェライト粒径が0.5〜1μmであることを特徴
    とする、打抜性と焼入性に優れた高炭素鋼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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