JPH09316530A - 連続式加熱炉の燃焼制御方法 - Google Patents

連続式加熱炉の燃焼制御方法

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JPH09316530A
JPH09316530A JP13540296A JP13540296A JPH09316530A JP H09316530 A JPH09316530 A JP H09316530A JP 13540296 A JP13540296 A JP 13540296A JP 13540296 A JP13540296 A JP 13540296A JP H09316530 A JPH09316530 A JP H09316530A
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JP
Japan
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temperature
steel material
furnace
furnace temperature
zone
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Application number
JP13540296A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Yahiro
和広 八尋
Hiroyasu Shigemori
弘靖 茂森
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼材の連続式加熱炉の燃焼制御を過加熱を生じ
ることなく高精度に行う。 【解決手段】各燃焼帯での炉温設定対象鋼材の夫々につ
いて必要最低炉温を算出し、それらの最大値を設定炉温
として決定するが、将来同一燃焼帯で同居する鋼材につ
いて、自鋼材の必要最低炉温より高く炉温上昇の影響を
受ける影響鋼材が存在し、これによって炉温が上昇され
るときには、その温度上昇分を考慮して必要最低炉温を
低い値に補正し、過加熱を確実に防止すると共に、燃料
原単位を低下させながら高精度の燃焼制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材加熱を連続的
に行う連続式加熱炉の燃焼制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の連続式加熱炉の燃焼制御方法とし
ては、例えば特開平6−248330号公報に記載され
ているものがある。
【0003】この従来例には、少なくとも1つの燃焼制
御帯を有する加熱炉において、制御対象帯の前段の帯に
おける炉温履歴曲線に基づいて前段の帯に存在する全被
加熱材の各々の前段出側温度を予測すると共に、前段の
帯及び制御対象帯の出側の目標温度を満足する必要最低
炉温を求め、各計算結果に基づいて制御対象帯及び前段
の帯に存在する全被加熱材の必要最低炉温を下回らない
滑らかな制御対象帯の炉温履歴曲線を作成するようにし
た加熱炉における燃焼制御方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、制御対象帯の前段に存在する被加熱材
についても制御対象の帯で必要とする最低炉温を求め、
これらを満足し、且つ炉の熱慣性を考慮した将来にわた
る設定炉温履歴曲線から現時点での最適設定炉温を出力
することができ、被加熱材の焼き遅れの発生を防止する
ことができるが、制御対象の帯で必要とする最低炉温を
満足するように設定炉温履歴曲線を設定することから、
同一加熱帯に後続する鋼材の最低炉温が高い被加熱材が
存在するときには、その高い方の最低炉温が設定炉温と
なるので、現在加熱中の鋼材については過加熱状態とな
り、燃料原単位等の操業指標を最小化する要求を満足す
ることはできないという未解決の課題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、過加熱状態の発生
を極力低下させて、燃料原単位などの操業指標を最小化
することができる連続式加熱炉の燃料制御方法を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る連続式加熱炉の燃料制御方法は、複
数の燃焼帯を有して鋼材を連続的に搬送して加熱する連
続式加熱炉の燃焼制御方法において、前記各燃焼帯毎に
炉温設定対象鋼材毎の最適帯出目標温度を満足する必要
最低炉温を求めると共に、後続で且つ将来同一帯で加熱
される鋼材中で自鋼材より高い必要最低炉温の鋼材があ
るときには、前記自鋼材の必要最低炉温を将来炉温の上
昇を考慮して補正し、各炉温設定対象鋼材の補正後の必
要最低炉温のうち最大値を設定炉温として燃焼制御を行
うようにしたことを特徴としている。
【0007】また、請求項2に係る連続式加熱炉の燃焼
制御方法は、請求項1の発明において、前記炉温設定対
象鋼材が、各燃焼帯の応答遅れ時間を考慮して決定され
ていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
概略構成図であって、図中、1は例えばウォーキングビ
ームによって連続的に搬送されるスラブ、ブルーム等の
鋼材4を連続的に加熱する連続式加熱炉であって、鋼材
4を左側から装入し、予熱帯5、第1加熱帯6、第2加
熱帯7及び均熱帯8を順次通過して加熱され、加熱を終
了した鋼材4が右側から抽出されて次工程に搬送され
る。
【0009】第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8
には、夫々燃焼バーナが配設され、これら燃焼バーナへ
の供給燃料を連続式加熱炉1の全体を統括するプロセス
コンピュータに接続されたコントローラで構成される制
御手段11によって制御される。
【0010】この制御手段11は、予熱帯5、第1加熱
帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の各実績炉温を読込む
と共に、対象鋼材の残り在炉時間(残り加熱時間)、炉
温、鋼材温度に基づいて代表位置鋼材温度変化モデルに
従って伝熱パラメータとしての総括熱吸収率Φcgを各第
1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の代表位置例え
ばスキッド部及びスキッド間について夫々算出する伝熱
パラメータ演算手段12と、この伝熱パラメータ演算手
段12で算出された総括熱吸収率Φcgと炉温初期値とか
ら帯出鋼材温度θo を算出し、定常燃料流量モデルを用
いて目的関数z(=ΣVgi)を、該当する帯炉温と該当
する帯出平均温度とでなる決定変数の線型結合として表
すと共に、所定の制約条件を定義することにより、制約
条件を満足し且つ評価関数zを最小とする炉温、帯出温
度を線形計画法で算出し、算出された炉温、帯出温度の
収束判定を行い、収束しているときには最適炉温、最適
帯出目標温度が決定されたものと判断する最適昇熱目標
演算手段13と、この最適昇熱目標演算手段13で決定
された最適帯出目標温度に基づいて、燃焼ゾーン毎に鋼
材毎の最適帯出目標温度を満足する必要最低炉温を代表
位置鋼材温度変化モデルに従って求めると共に、各帯i
の各対象鋼材について将来同一帯に同居したときに炉温
上昇を生じて影響を与える影響鋼材を検索し、影響鋼材
がないときには、求めた各鋼材毎の必要最低炉温の最大
値を設定炉温として設定し、影響鋼材があるときには、
その必要最低炉温の影響を受ける時点での目標温度を算
出し、これに基づいて必要最低炉温を算出し直してから
各対象鋼材の必要最低炉温の最大値を設定温度として設
定する設定炉温演算手段14とを備えており、設定炉温
演算手段14で設定された設定炉温が炉温制御装置15
に供給されて、この炉温制御装置15で設定炉温となる
ように燃焼バーナへの供給燃料を制御する。
【0011】具体的には、本実施形態では、以下の鋼材
温度変化モデル、代表位置鋼材温度変化モデル及び燃料
流量モデルの3つの伝熱モデルを使用する。鋼材温度変
化モデルは、鋼材の内部温度θ〔K〕を表現するモデル
であり、下記(1)式で表される。
【0012】
【数1】
【0013】ここで、kは熱伝導率[kcal/mhrK] 、tは
加熱時間[hr]、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/
m]である。上記(1)式を鋼材表面からの熱負荷の境界
条件で計算することで時々刻々の鋼材温度変化を知るこ
とができる。熱負荷の境界条件としては、下記(2)式
で表される放射伝熱の式を用いる。
【0014】 Q=Φcg′・σ(θg4−θs4) …………(2) ここで、Qは表面熱負荷[kcal/m2hr] 、Φcg′は総括熱
吸収率(差分計算パラメータ)、σはステファンボルツ
マン定数[kcal/m2hrK4] 、θg は加熱炉温度[K]、θs
は鋼材表面温度[K] である。
【0015】そして、上記(1)式及び(2)式は伝熱
差分計算法によって計算することが可能である外、公知
のADI法によって計算効率を向上させることも可能で
ある。
【0016】また、代表位置鋼材温度変化モデルは、上
記鋼材温度変化モデルにおいて、鋼材加熱を上下2方向
からの熱移動のみと考え、伝熱を平板の集中定数系と仮
定すると、上記(1)式及び(2)式は、 Cp ・ρ・D・(∂θ/∂t)=2・Φcg・σ・(θg4−θ4 )……(3) で表すことができ、この(3)式を加熱時間で積分する
ことで、加熱時間と炉温と鋼材温度との関係を表現する
下記(4)式を得ることができる。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、θg は炉温[K] 、θo は特定時間
後代表位置鋼材温度[K] 、θi は現在代表位置鋼材温度
[K] 、tは特定時間範囲[hr]、Dは鋼材代表厚み[m] 、
Φcgは総括熱吸収率、σはステファンボルツマン定数[k
cal/m2hrK4〕、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/
m]である。
【0019】この(4)式を利用することで、炉温θg
で加熱時間tだけ加熱した場合の鋼材温度の変化を計算
することができる。さらに、燃料流量モデルは、定常状
態における該当燃焼帯及びそれより抽出側の燃焼帯の燃
料流量、炉温、材料温度などで表現したものである。
【0020】定常状態における該当燃焼帯の熱バランス
は、下記(5)式で表すことができる。 Qai+Qgi+Qei+1=Qei+Qsi+Qpi …………(5) Qai=Ca (θai−θrm)μi A0 Vgi Qgi=Hg Vgi Qei=Ce (θei−θrm){G0 +(μi-1)A0 }Vgi Qsi=SsiΦcgi σ(θfi4−θsmi4) Qpi=αp (θfi−θrm) ここで、Qaiは空気顕熱[kcal/hr] 、Qgiは燃料発熱量
[kcal/hr] 、Qei+1は流入廃ガス流量[kcal/hr] 、Qei
は流出廃ガス流量[kcal/hr] 、Qsiは鋼材への入熱量[k
cal/hr] 、Qpiは炉帯損失熱[kcal/hr] 、Ca は空気比
熱、θaiは予熱空気温度、θrmは室温、μは燃焼空気
比、A0 は理論空気量、Vgiは燃料流量、Hg は燃料ガ
ス発熱量、Ce は廃ガス比熱、θeiは廃ガス温度、G0
は理論廃ガス量、Ssiは鋼材表面積、Φcgi は総括熱吸
収率、θfiは炉温、θsmi は帯代表鋼材温度、αp は炉
外熱通過熱伝達係数である。
【0021】そして、伝熱パラメータ演算手段12で
は、図2に示す伝熱パラメータ演算処理を実行する。こ
の伝熱パラメータ演算処理は、先ずステップS1で、対
象鋼材検索を行う。この対象鋼材検索は、起動タイミン
グに応じて、伝熱パラメータ演算の対象鋼材を決定する
処理であり、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8
の各帯に入る迄の時間が炉温応答遅れ時間に相当する所
定時間Xs1(例えば10分程度)以内の鋼材に対しては
全て対象鋼材とする共に、各帯に滞在している鋼材につ
いては、該当帯内残り時間(残り加熱時間)が設定時間
Xe1分以上の鋼材を対象鋼材として決定する。
【0022】次いで、ステップS2に移行して、上記ス
テップS1で決定した対象鋼材の1つについて第1の加
熱帯6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iに対する
残り在炉時間ti を将来在炉時間として予測する。
【0023】次いで、ステップS3に移行して、現状の
実績炉温が将来も継続すると仮定して、第1の加熱帯
6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iをn個に分割
した各ゾーンに対する差分計算用炉温θgnを算出する。
【0024】次いで、ステップS4に移行して、現在炉
温計算結果を起点に、ステップS2で算出した在炉時間
ti の時間でステップS3で算出した差分計算用炉温θ
gnで加熱された場合の鋼材温度を前記(1)式及び
(2)式に従って演算を行って、各帯i毎の代表位置鋼
材温度θoij を演算する。このとき、(2)式における
総括熱吸収率(差分計算パラメータ)Φcg′も分割ゾー
ンに応じて変更される。
【0025】ここで、代表位置鋼材温度θoiとしては、
スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、
スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度を
選択することが好ましい。
【0026】次いで、ステップS5に移行して、各ステ
ップS2〜S4で演算した帯内在炉時間ti 、差分計算
用炉温θgn及び代表位置鋼材温度θoij をもとに、前記
(4)式の代表位置鋼材温度変化モデルの演算を行うこ
とにより、各帯iにおける各鋼材の各代表位置jにおけ
る伝熱パラメータとなる総括熱吸収率Φcgijを演算す
る。
【0027】次いで、ステップS6に移行して、全ての
対象鋼材について前記ステップS2〜ステップS5の処
理が完了したか否かを判定し、処理を行っていない対象
鋼材があるときには前記ステップS2に戻り、全ての対
象鋼材について処理を完了したときには伝熱パラメータ
演算処理を終了する。
【0028】また、最適昇熱目標演算手段13では、上
記伝熱パラメータ演算手段12で演算した伝熱パラメー
タとしての総括熱吸収率Φcgijを利用して、図3に示す
最適昇熱目標演算処理を対象鋼材毎に実行する。
【0029】この最適昇熱目標演算処理は、先ずステッ
プS11で、現在までの操炉実績から炉温θg の初期値
を決定する。次いで、ステップS12に移行して、上記
ステップS11で決定した炉温θgと、各帯iでの予定
加熱時間(在炉時間ti )と、前記伝熱パラメータ処理
で決定した総括熱吸収率Φcgijをもとに、前述した
(4)式の演算を行って各ゾーンでの予定加熱時間経過
後の代表位置鋼材温度θoij を算出する。
【0030】次いで、ステップS13に移行して、目的
関数のパラメータ演算を行う。このパラメータ演算は、
前述した(5)式の定常燃料流量モデルを用いて、各帯
の燃料流量Vgiの和を 目的関数z(=ΣVgi)として
定義する。
【0031】ここでは、目的関数zを該当帯炉温と該当
帯帯出平均温度の線形結合として下記(6)式のように
表現する。 z=ΣCfi・θfi+ΣCsi・θoi …………(6) ここで、Cfiは該当帯炉温コスト係数、θfiは炉温、C
siは該当帯鋼材温度コスト係数、θoiは該当帯鋼材温度
であり、該当帯炉温コスト係数Cfi及び該当帯鋼材温度
コスト係数Csiは前記(5)式と燃料流量で整理し、該
当帯炉温、該当帯帯出平均温度に対する偏導関数を求め
ることで陽関数として計算することができる。但し、帯
代表鋼材温度θsmi が未定義となるが、前記ステップS
12で算出した予定加熱時間経過後の代表位置鋼材温度
θoij をもとに下記(7)式の演算を行って求めるよう
にすればよい。
【0032】 θsmi =(θo +θi )/2 …………(7) 次いで、ステップS14に移行して、予め定義された制
約条件関数のパラメータを算出する。
【0033】この制約条件関数は、鋼材温度の関係、抽
出目標温度の条件及び炉温と鋼材温度との条件から、温
度モデル関係式よりの下記(8)式で表される制約条件
関数、抽出目標温度及び均熱度に基づく下記(9)式で
表される制約条件関数並びに炉温制約に基づく下記(1
0)式及び(11)式で表される制約条件関数がある。
【0034】 pijθgi+qijθoji =rij …………(8) ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であ
って前記(4)式で定義され、pij,qij,rijはi帯
のj番目代表位置に対する前記(4)式の導関数、θgi
はi帯の炉温である。
【0035】 θoUj * >θonj >θoLj * …………(9) ここで、θonj は最終帯のj番目の代表位置の帯出温
度、θoUj * は抽出時のj番目代表位置の目標上限温
度、θoLj * は抽出時のj番目代表位置の目標下限温度
である。
【0036】 θgi>θoji +βoij …………(10) θgi>θiji +βiij …………(11) ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であ
って前記(4)式で定義され、βoij はi帯のj番目代
表位置の帯出温度の補正係数、θiji はi帯のj番目代
表位置の現在温度、βiij はi帯のj番目代表位置の現
在温度の補正係数である。
【0037】そして、上記(8)〜(11)式において
添字jで定義する代表位置としては、スキッド部鋼材平
均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中
心温度、スキッド間部鋼材中心温度を選択することが好
ましい。
【0038】次いで、ステップS15に移行して、上記
(8)〜(11)式の制約条件を満足し、且つ前記
(6)式の評価関数zを最小とする炉温、帯出温度を公
知の線形計画法によって算出する。
【0039】次いで、ステップS16に移行して収束判
定を行う。この収束判定は、ステップS11で定義した
炉温の初期値あるいは前回計算時の炉温算出値と今回線
形計画法で算出した結果を比較し、その差が小さければ
最適炉温、最適帯出目標温度が決定ものと判断して最適
昇熱目標演算処理を終了し、差が大きいときには、前記
ステップS12に戻ってステップS12〜ステップS1
5の処理を繰り返すが、所定回数以上処理を繰り返して
も収束しないときには処理を打切り、該当する鋼材は炉
温計算非対象鋼材として処理する。
【0040】このようにして、各対象鋼材の全てについ
て最適炉温及び最適帯出目標温度が決定されると、設定
炉温演算手段14で設定炉温演算を行う。この設定炉温
演算は、燃焼ゾーン毎に鋼材毎の最適帯出目標温度を満
足する必要最低炉温を前記(4)式の演算を行うことに
より算出する。この(4)式では、残り加熱時間、現在
鋼材温度、最適帯出目標温度を与えて炉温を収束計算に
より求めることができる。
【0041】このようにして、第1加熱帯6、第2加熱
帯7及び均熱帯8の各帯i毎にそれらの対象鋼材の全て
について各代表位置jの必要最低炉温θgij が算出され
ると、これらが炉温設定手段14に供給される。
【0042】この炉温設定手段14は、図4に示す必要
最低炉温補正処理を実行し、先ずステップS21で、現
時点での各帯iの対象鋼材について将来同一帯内に同居
することになる後続の鋼材の必要最低炉温を検索して、
自鋼材の必要最低炉温θgijを上回り且つ現時点での対
象鋼材の必要最低炉温の最大値を上回って、将来炉温を
上昇させることになる影響鋼材があるか否かを判定し、
各帯の対象鋼材について影響鋼材がない場合には、ステ
ップS22に移行して、全ての対象鋼材について補正処
理が完了したか否かを判定し、補正処理が完了していな
いときには前記ステップS1に戻り、補正処理が完了し
たときには、ステップS23に移行して、現在求めた各
帯iの対象鋼材についての必要最低炉温の最大値を設定
炉温として決定し、次いでステップS24に移行して設
定炉温を炉温制御装置15に供給することにより、各燃
焼ゾーンの燃料流量を制御する。
【0043】一方、ステップS21の判定結果が影響鋼
材が存在するものであるときには、ステップS25に移
行して、現時点t0 から影響鋼材が同居する時刻tc を
算出し、次いでステップS26に移行して同居時刻tc
から帯出時刻te までの在炉時間tを算出する。
【0044】次いで、ステップS27に移行して、前記
最適昇熱目標演算手段14で算出した各帯出目標温度θ
oij を帯出目標温度θo として設定すると共に、影響鋼
材の必要最低炉温θgiE を必要炉温θg として設定す
る。
【0045】次いで、ステップS28に移行して、ニュ
ートン法を用いて、自鋼材の時刻tc での目標温度θoc
を算出し、この目標温度θocに基づいて自鋼材の現時点
での必要最低炉温θg を設定し直してから前記ステップ
S22に移行する。
【0046】ここで、ステップS28の目標温度算出処
理は、図5に示すように、先ずステップS31で、現在
の鋼材温度θi を初期値とし、次いでステップS32に
移行して、初期値θi 及び必要最低炉温θg をもとに下
記(12)式の演算を行って比熱Cp を算出すると共
に、下記(13)式及び(14)式の演算を行ってg
(θi ) 及びその微分値g′( θi )を算出する。
【0047】
【数3】
【0048】次いで、ステップS33に移行して、微分
値g′( θi )が零であるか否かを判定し、g′( θi
)=0であるときにはステップS34に移行して、該
当鋼材を設定炉温非対象鋼材として設定し、g′( θi
)≠0であるときにはステップS35に移行する。
【0049】このステップS35では、下記(15)式
の演算を行って、時刻tc での鋼材温度θinを算出す
る。 θin =θi −{g(θi ) /g′( θi )} …………(15) 次いで、ステップS36に移行して、上記ステップS3
5で算出した鋼材温度θin と初期値θi との差値の絶
対値が1より小さいか否かを判定し、|θin−θi |≦
1であるときにはステップS37に移行して、ステップ
S35で算出した鋼材温度θinを時刻tc での目標温度
θocとして設定し、次いでステップS38に移行して、
前記(6)式の演算を行って必要最低炉温θg を算出し
直す。
【0050】一方、ステップS36の判定結果が|θin
−θi |>1であるときにはステップS39に移行し
て、計算回数Nをインクリメントし、次いでステップS
40に移行して、計算回数が所定値Ns (例えばNs =
20)に達したか否かを判定し、N<Ns であるときに
はステップS41に移行して、ステップS35で算出し
た鋼材温度θinを新たな初期値θi として更新してから
前記ステップS32に戻り、N≧Ns であるときにはス
テップS42に移行して、自鋼材を設定炉温非対象鋼材
として設定して処理を終了する。
【0051】次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、連続式加熱炉1に、図1に示すように、スラブ等の
鋼材4が順次装入されて加熱処理が行われているものと
すると、制御手段11の伝熱パラメータ演算手段12で
図2の伝熱パラメータ演算処理が実行されたときに、各
帯iの対象鋼材が決定されると共に、この対象鋼材とこ
の対象鋼材に対して影響鋼材となり得る全ての鋼材の伝
熱パラメータΦcgijが算出される。
【0052】次いで、算出された各鋼材の伝熱パラメー
タΦcgijに基づいて最適昇熱目標演算手段13で、各帯
iの帯出目標温度θoij が算出され、これらに基づいて
各対象鋼材毎の必要最低炉温θgij が算出され、これら
が炉温設定手段14に供給される。
【0053】この炉温設定手段14では、今、図5に示
すように、第2の加熱帯7にスラブS1 〜S11が第1
の加熱帯6にスラブS12〜S20が滞留しているものとす
るものとし、第2の加熱帯7の設定炉温対象鋼材として
スラブS3 〜S12が決定されているものとし、第2の加
熱帯7に入ったばかりのスラブS10の必要最低炉温θg1
0 が他のスラブS3 〜S9 及びS12の必要最低炉温より
高いものとしたときに、このスラブS10について必要最
低炉温θg1を設定する場合について説明する。なお、ス
ラブS10について将来第2の加熱帯7で同居する鋼材は
スラブS11〜S19であるものとする。
【0054】現時点t0 で、スラブS10の必要最低炉温
θg10 に対して、将来第2の加熱炉7で同居するスラブ
S11〜S19の必要最低炉温θg11 〜θg19 が下回ってい
るときには、これらが同居したときには、スラブS10の
必要最低炉温θg10 が最大値の状態を維持するので、こ
れが設定炉温として決定されることにより、最適な加熱
状態を得ることができる。
【0055】ところが、スラブS10と将来第2の加熱炉
7で同居するスラブS11〜S19のうち例えばスラブS15
の必要最低炉温θg15 がスラブS10の必要最低炉温θg1
0 を上回っている影響鋼材であるときには、図6に示す
ように、影響鋼材となるスラブS15が第2の加熱帯7に
入った時点tc で設定炉温がスラブS15の必要最低炉温
θg15 に設定されて、現時点t0 での設定炉温より高い
温度となる。
【0056】しかしながら、現時点t0 で炉温設定手段
14で図4の処理が実行されたときに、影響鋼材がある
ことから、影響鋼材としてのスラブS15が同居する時刻
tcを算出すると共に、時刻tc から帯出時刻te 迄の
在炉時間tを算出する(ステップS25,S26)。
【0057】そして、第2の加熱帯7の帯出自目標鋼材
温度θoij を目標温度θo として設定すると共に、影響
鋼材としてのスラブS15の必要最低炉温θg15 を炉温θ
g として設定し(ステップS27)、これらに基づいて
時刻tc での目標温度θocを算出し、この目標温度θoc
に基づいて現時点t0 での必要最低炉温θg10 ′を算出
する(ステップS38)。
【0058】このため、算出される必要最低炉温θg10
′は図7に示すように、影響鋼材が無い場合の必要最
低炉温θg10 より低い値となるが、時刻tc からの炉温
上昇に伴って、第2の加熱帯7からの帯出時刻で目標温
度θoij に達することになり、高精度の加熱制御を行っ
て、過加熱を確実に防止しながら、炉温を低下させて燃
料原単位を低下させることができる。
【0059】また、上記実施形態によれば、非線形厳密
方程式で表される鋼材温度分布モデルで予測演算した結
果から非線形簡易モデルとしての前記(4)式で表され
る加熱時間、炉温及び鋼材温度の関係を表現する代表位
置鋼材温度変化モデルの伝熱パラメータを決定し、最適
昇熱目標演算処理において、上記代表位置鋼材温度変化
モデルから陽関数として導関数を求めることを可能とし
て、非線形計画法で昇温目標値を決定することができる
ので、少ない計算量で高精度な操業最適化が可能とな
る。
【0060】このように、計算量を低減することができ
ることにより、従来例より短い時間周期で操業最適化処
理が可能となり、結果として加熱炉抽出順の変化、圧延
時間の変化などの操業条件の変化に対応して随時最適帯
出目標温度を算出することができ、高い最適化を実現す
ることができ、この結果材料抽出温度の確保、材料内偏
熱の防止、加熱炉操炉要員の省力等を図ることができ
る。
【0061】しかも、非線形のままで最適化を行うの
で、1次式で近似することによる誤差を伴うこともない
と共に、最適帯出目標温度を算出する場合に逐次線形計
画法による非線形計画法を利用することで最適化誤差を
より少なくすることが可能となる。
【0062】なお、上記実施形態においては、第1及び
第2の加熱帯6,7を有する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、加熱帯が1つ又は3以
上である場合であっても、各帯について伝熱パラメータ
演算及び最適昇熱目標演算を行うことにより、最適な燃
焼制御を行うことができる。
【0063】また、上記実施形態においては、炉温設定
手段14で、時刻tc での目標温度θoc を算出する際
に、(12)〜(14)式を適用する場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、前記(4)式
によって目標温度θocを算出するようにしてもよく、そ
の他の目標温度算出手段によって算出するようにしても
よい。
【0064】さらに、最適昇熱目標演算手段13での演
算処理では、代表鋼材温度モデルとして(6)式を適用
した場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、特願昭61−199016号公報に記載されて
いるように、燃料流量を基にし、炉内温度、炉壁温度及
び材料温度の各要素も考慮して、各材料につき燃料流量
が最小となる最適な昇温曲線を決定し、この昇温曲線に
沿って炉内の様々な材料を平均的或いはある材料を優先
的に焼き上げるために、各材料の設定炉温に炉温設定用
重み係数を乗じ果汁平均した値を各制御帯の炉温設定値
とするようにした燃焼制御方法や、特開平3−1404
15号公報に記載されているような上記実施形態で算出
した鋼材温度に基づいて簡易モデルでなる抽出時平均温
度感度式を用いて各帯の炉温に対する感度を求め、修正
炉温計算式で修正炉温を求め、均熱度が目標温度なるよ
うに抽出時スラブ平均温度感度式を用いて均熱度のスラ
ブ感度を求め、最後に修正炉温計算式により最終的な各
帯制御炉温を求める燃焼制御方法等の任意の炉温設定方
法を適用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、将来同一の燃焼帯で同居する鋼材中で自鋼材よ
り高い必要最低炉温の鋼材があるときには、前記自鋼材
の必要最低炉温を将来炉温の上昇を考慮して補正し、各
炉温設定対象鋼材の補正後の必要最低炉温のうち最大値
を設定炉温として燃焼制御を行うようにしたので、将来
の炉温上昇を考慮して必要最低炉温を低下させながら、
帯出目標温度を維持する高精度の加熱制御を行って、過
加熱を確実に防止することができると共に、炉温を低下
させることにより燃料原単位を低下させることができ、
材料抽出温度の確保、材料内偏熱の防止、過加熱防止に
よるスケールロス低減、加熱炉操炉要員の省力等を図る
ことが可能となるという効果が得られる。
【0066】また、請求項2の発明によれば、炉温設定
対象鋼材は、各燃焼帯の応答遅れ時間を考慮して決定さ
れているので、焼け遅れを生じることなく良好な加熱制
御を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】伝熱パラメータ演算手段の処理手順の一例を示
すフローチャートである。
【図3】最適昇熱目標演算手段の処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図4】炉温設定手段の処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図5】図4の処理における必要炉温再算出処理の具体
例を示すフローチャートである。
【図6】図1の実施形態の動作の説明に供するスラブの
配置関係を示す説明図である。
【図7】図1の実施形態の動作の説明に供する設定炉温
と時刻との関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 連続式加熱炉 4 鋼材 5 予熱帯 6 第1加熱帯 7 第2加熱帯 8 均熱帯 11 制御手段 12 伝熱パラメータ演算手段 13 最適昇熱目標演算手段 14 設定炉温演算手段 15 炉温制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃焼帯を有して鋼材を連続的に搬
    送して加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法において、
    前記各燃焼帯毎に炉温設定対象鋼材毎の最適帯出目標温
    度を満足する必要最低炉温を求めると共に、後続で且つ
    将来同一帯で加熱される鋼材中で自鋼材より高い必要最
    低炉温の鋼材があるときには、前記自鋼材の必要最低炉
    温を将来炉温の上昇を考慮して補正し、各炉温設定対象
    鋼材の補正後の必要最低炉温のうち最大値を設定炉温と
    して燃焼制御を行うようにしたことを特徴とする連続式
    加熱炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 前記炉温設定対象鋼材は、各燃焼帯の応
    答遅れ時間を考慮して決定されていることを特徴とする
    請求項1記載の連続式加熱炉の燃焼制御方法。
JP13540296A 1996-05-29 1996-05-29 連続式加熱炉の燃焼制御方法 Pending JPH09316530A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158777A (ja) * 2011-01-28 2012-08-23 Jfe Steel Corp 連続式加熱炉の燃焼制御方法及び燃焼制御装置
CN102994732A (zh) * 2012-11-30 2013-03-27 中冶南方(武汉)威仕工业炉有限公司 加热炉燃料量决策系统及其决策方法

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