JP3799656B2 - 連続式加熱炉の燃焼制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームブランク等の凹凸形状を有する鋼材を連続的に加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の連続式加熱炉の燃焼制御方法としては、特開昭61−199016号公報(以下、第1従来例と称す)、特開平2−156017号公報(以下、第2従来例と称す)及び特開平3−140415号公報(以下、第3従来例と称す)に記載されているものがある。
【0003】
第1従来例は、目標昇温パターンを決定する際に、燃料流量を現状流量のままで加熱を継続した場合の材料抽出時平均温度、均熱度及び材料通過時の各炉温を計算し、燃料流量を変化させた場合の材料抽出時平均温度、均熱度及び材料通過時の各炉温を計算し、その結果に基づいて現状燃料流量まわりでの線形係数を求め、材料抽出時平均温度、均熱度に関する制約条件下で燃料流量が最小となる最適燃料流量を線形計画法を用いて求めている。この燃料流量から各材料の設定炉温を求め、各材料に対する重み付き平均値として各帯設定炉温を決定するようにしている。
【0004】
第2従来例は、材料が抽出されるまでの期間における加熱炉操業を時々刻々の各帯の燃料流量設定値を変化させながらシミュレーションし、品質確保、省エネルギ等の操業目的に従って設定された所定の評価関数を値を求め、燃料流量と材料温度の動的な関係を表現するモデルを用いて、求めた目標昇温パターンに近づくように燃料流量を設定するようにしている。
【0005】
第3従来例は、オンラインでの計算機負荷低減を目的として、下記(1)式及び(2)式で表される加熱炉内での対流伝熱によって鋼材が加熱されることを表現した集中定数系の温度モデルを用いて、抽出時の温度と均熱度が目標値通りとなるような目標昇温パターンを決定するようにしている。
【0006】
θo =θg −(θg −θi )・exp(−α・t/D) ……(1)
α=a・σ/(ρ・Cp )・(θg2+θo2)・(θg +θo ) ……(2)
ここで、θo はt時間後の鋼材温度、θi は初期の鋼材温度、θg は炉温、tは加熱時間、Dは鋼材厚み、aは修正係数、σはステファンボルツマン定数、ρは鋼材の比重、Cp は比熱である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1従来例にあっては、下記のような未解決の課題がある。
▲1▼ 燃料流量を、現状流量のままで加熱を継続した場合と燃料流量を変化させた場合の双方の温度計算を行う必要があり、目標昇温パターンを求める計算量が膨大なものとなる。
▲2▼ この結果、加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの種々の操業条件の変化に起因する予定加熱時間の変化に対応して目標昇温パターンを求め直す必要が生じた場合でも、計算機資源の節約から目標昇温パターンを求め直す頻度が制約されている。
▲3▼ 現状燃料流量のまわりでの線形係数で最適条件を求めているため、最適な目標昇温パターンを求めた時点とその材料が実際に加熱された時点での差が小さな場合にしかその最適性が補償されておらず、本来、非線形な関係にある加熱炉内の伝熱現象を線形な1次式で近似しているため、変化量が大きくなると近似誤差を大きなものとなってしまう。
【0008】
これらの未解決の課題を解決するには、非線形のままで最適化を実行すれば上記全て解決できるが、計算量が膨大となり、オンライン制御では実行不可能となるという新たな課題がある。
【0009】
また、前記第2従来例にあっては、非線形のままで最適化を実行することができるが、一般化予測制御を利用した技術であり、時々刻々の燃料流量を変化させながら最適化を行うと共に、温度モデルに加熱時間と炉温と鋼材温度の関係を表現する非線形な物理現象モデルではなく、線形化した動的モデルであるので、パラメータが多くなり、加熱炉シミュレータと逐次最小二乗法とで膨大な計算が必要となり、さらに残り在炉時間(加熱時間)の変化に対応するために、昇温目標を時間の関数として定義しており、残り在炉時間が変化した場合には目標昇温曲線を求め直す必要があるが、その計算量の制約から目標昇温曲線の計算が十分に行うことができないという未解決の課題がある。
【0010】
さらに、前記第3従来例にあっては、スキッド部とスキッド間部の平均温度のみが最適化できる手法であり、種々の制約条件を満足できる手法ではないと共に、実施例で利用している非線形モデルが対流伝熱によって鋼材が加熱されことを前提とした下記(3)式を積分して得られる集中定数系の温度モデルであるが、実際の加熱炉内での伝熱は輻射伝熱に支配されるので、前述した(1)式のみでは加熱炉内の現象を表現できないため、(1)式中の熱伝達係数αを(2)式の形で輻射伝熱を考慮した形としなければならず、加熱時間が長くなると鋼材温度依存性を無視しているので、修正係数aの推定精度、設定精度によって制御精度が大きく変化するという未解決の課題がある。
【0011】
Cp ・ρ・D(∂θ/∂t)=2・α・(θg −θ) …………(3)
しかも、上記第1従来例〜第3従来例の何れもが鋼板を対象としたものであり、ビームブランクのような凹凸形状を有する鋼材には適用することができないという未解決の課題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ビームブランクのような凹凸形状を有する鋼材の温度演算精度を向上させると共に、計算精度を確保しながら計算負荷を低減することができる連続式加熱炉の燃料制御方法及び装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る連続式加熱炉の燃料制御方法は、複数の燃焼帯を有して凹凸形状を有するビームブランクでなる鋼材を連続的に加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法において、前記鋼材をスラブ形状に換算する鋼材代表厚みを算出すると共に、当該鋼材の内部温度変化を表現する鋼材温度分布モデルを前記鋼材の表面形状の形態係数を考慮した熱負荷の境界条件で演算することにより、前記鋼材の内部温度を算出し、当該鋼材の断面内平均温度の昇温特性が、集中定数系と仮定した平板の昇温特性と一致するものと仮定し、その集中定数系平板温度モデルと前記鋼材代表厚み及び前記鋼材の内部温度とを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたことを特徴としている。
【0015】
さらに、請求項2に係る連続式加熱炉の燃焼制御方法は、請求項1の発明において、前記集中定数系平板温度モデルは、炉温をθg 、特定時間後代表位置鋼材温度をθo 、現在代表位置鋼材温度をθi 、特定時間範囲をt、鋼材代表厚みをD、総括熱吸収率をΦcg、ステファンボルツマン定数をσ、比熱をCp 、比重をρとしたとき、加熱時間と炉温と鋼材温度との関係を表す関係式
【0016】
【数2】
【0017】
を使用することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は例えばウォーキングビームによって連続的に搬送されるブルームBM1 〜BM11、ビームブランクBB1 〜BB17等の鋼材4を所定間隔を保って搬送して連続的に加熱する連続式加熱炉であって、鋼材4を左側から装入し、予熱帯5、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8を順次通過して加熱され、加熱を終了した鋼材4が右側から抽出されて次工程に搬送される。
【0019】
第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8には、夫々燃焼バーナが配設され、これら燃焼バーナへの供給燃料を連続式加熱炉1の全体を統括するプロセスコンピュータに接続されたコントローラで構成される制御手段11によって制御される。
【0020】
この制御手段11は、予熱帯5、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の各実績炉温を読込むと共に、対象鋼材の残り在炉時間(残り加熱時間)、炉温、鋼材温度に基づいて代表位置鋼材温度変化モデルに従って伝熱パラメータとしての総括熱吸収率Φcgを各第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の代表位置例えばスキッド部及びスキッド間について夫々算出する伝熱パラメータ演算手段12と、この伝熱パラメータ演算手段12で算出された総括熱吸収率Φcgと炉温初期値とから帯出鋼材温度θo を算出し、定常燃料流量モデルを用いて目的関数z(=ΣVgi)を、該当する帯炉温と該当する帯出平均温度とでなる決定変数の線形結合として表すと共に、所定の制約条件を定義することにより、制約条件を満足し且つ評価関数zを最小とする炉温、帯出温度を線形計画法で算出し、算出された炉温、帯出温度の収束判定を行い、収束しているときには最適炉温、最適帯出目標温度が決定されたものと判断する最適昇熱目標演算手段13と、この最適昇熱目標演算手段13で決定された最適帯出目標温度に基づいて、燃焼ゾーン毎に鋼材毎の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を代表位置鋼材温度変化モデルに従って求め、求めた各鋼材毎の必要最低炉温の最大値を設定炉温として設定する設定炉温演算手段14とを備えており、設定炉温演算手段14で設定された設定炉温となるように燃焼バーナへの供給燃料を制御する。
【0021】
具体的には、本実施形態では、以下の鋼材温度変化モデル、代表位置鋼材温度変化モデル及び燃料流量モデルの3つの伝熱モデルを使用する。
鋼材温度変化モデルは、鋼材の内部温度θ〔K〕を表現するモデルであり、下記(4)式で表される。
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、kは熱伝導率[kcal/mhrK] 、tは加熱時間[hr]、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/m]である。
上記(4)式を鋼材表面からの熱負荷の境界条件で計算することで時々刻々の鋼材温度変化を知ることができる。熱負荷の境界条件としては、下記(5)式で表される放射伝熱の式を用いる。
【0024】
Q=F・Φcg′・σ(θg4−θs4) …………(5)
ここで、Fは加熱炉温度θg に対する当該表面点の形態係数、Qは表面熱負荷[kcal/m2hr] 、Φcg′は総括熱吸収率(差分計算パラメータ)、σはステファンボルツマン定数[kcal/m2hrK4] 、θg は加熱炉温度[K] 、θs は鋼材表面温度[K] である。
【0025】
そして、上記(4)式及び(5)式は伝熱差分計算法によって計算することが可能である外、公知のADI法によって計算効率を向上させることも可能である。
【0026】
また、代表位置鋼材温度変化モデルは、上記鋼材温度変化モデルにおいて、鋼材加熱を上下2方向からの熱移動のみと考え、伝熱を平板の集中定数系と仮定すると、上記(4)式及び(5)式は、
Cp ・ρ・D・(∂θ/∂t)=2・Φcg・σ・(θg4−θ4 )……(6)
で表すことができ、この(6)式を加熱時間tで積分することで、加熱時間と炉温と鋼材温度との関係を表現する下記(7)式の集中定数系平板温度モデルを得ることができる。
【0027】
【数4】
【0028】
ここで、θg は炉温[K] 、θo は特定時間後代表位置鋼材温度[K] 、θi は現在代表位置鋼材温度[K] 、tは特定時間範囲[hr]、Dは鋼材代表厚み[m] 、Φcgは総括熱吸収率、σはステファンボルツマン定数[kcal/m2hrK4〕、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/m]である。
【0029】
この(7)式を利用することで、炉温θg で加熱時間tだけ加熱した場合の鋼材温度の変化を計算することができる。
さらに、燃料流量モデルは、定常状態における該当燃焼帯及びそれより抽出側の燃焼帯の燃料流量、炉温、材料温度などで表現したものである。
【0030】
定常状態における該当燃焼帯の熱バランスは、下記(8)式で表すことができる。
ここで、Qaiは空気顕熱[kcal/hr] 、Qgiは燃料発熱量[kcal/hr] 、Qei+1は流入廃ガス流量[kcal/hr] 、Qeiは流出廃ガス流量[kcal/hr] 、Qsiは鋼材への入熱量[kcal/hr] 、Qpiは炉帯損失熱[kcal/hr] 、Ca は空気比熱、θaiは予熱空気温度、θrmは室温、μは燃焼空気比、A0 は理論空気量、Vgiは燃料流量、Hg は燃料ガス発熱量、Ce は廃ガス比熱、θeiは廃ガス温度、G0 は理論廃ガス量、Ssiは鋼材表面積、Φcgi は総括熱吸収率、θfiは炉温、θsmi は帯代表鋼材温度、αp は炉外熱通過熱伝達係数である。
【0031】
そして、伝熱パラメータ演算手段12では、図2に示す伝熱パラメータ演算処理を実行する。
この伝熱パラメータ演算処理は、先ずステップS1で、対象鋼材検索を行う。この対象鋼材検索は、起動タイミングに応じて、伝熱パラメータ演算の対象鋼材を決定する処理であり、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の各帯に入る直前の鋼材に対しては全て対象鋼材とする共に、各帯に滞在している鋼材については、該当帯内残り時間(残り加熱時間)が設定時間X2 分以上の鋼材の鋼材毎前回計算時刻を読出し、現在時刻との差が設定時間X1 分以上である鋼材を対象鋼材として決定する。
【0032】
次いで、ステップS2に移行して、対象鋼材の形状データをプロセスコンピュータから読込み、各対象鋼材の代表厚みD〔m〕を下記(9)式に従って演算する。
【0033】
D=G/(ρ・S) …………(9)
ここで、Gは単重[kg/m]、ρは比重(=7860)[kg/m3] 、Sは換算1/2周長[m] である。
【0034】
そして、換算1/2周長Sは、鋼材が図3(a)に示すようにビームブランクBBである場合には、プロセスコンピュータからウェブ厚a、フランジ幅b、ウェブ高さc、フランジ先端厚d、フランジ付根厚eと、隣接するビームブランクBBとの間隔即ち鋼材装入間隔wを読込み、これらをもとに下記(10)式の演算を行うことによって求める。
【0035】
また、鋼材が図4(a)に示すようにブルームBM、フラットバー、Zである場合には、プロセスコンピュータから鋼片厚b、鋼片幅c及び鋼材装入間隔wを読込み、これらをもとに下記(11)式の演算を行うことにより換算1/2周長Sを算出する。
【0036】
S=α・b+c …………(11)
ここで、(10)式及び(11)式のαは次式で与えられる。
α=1−{1+(w/b)2 }1/2 +(w/b) …………(12)
そして、ビームブランクBBについては上記(9)式、(10)式及び(12)式の演算を行うことにより、図3(b)に示すようなスラブ形状に換算し、同様にブルームBM、フラットバー、Zについては上記(9)式、(11)式及び(12)式の演算を行うことにより、図4(b)に示すようなスラブ形状に換算する。
【0037】
次いで、ステップS3に移行して、形態係数を考慮した熱負荷を算出する。
この熱負荷の算出は、対象鋼材がビームブランクBBである場合には、上面側凹部及び下面側凹部の双方について任意の点(i,j,k)の熱負荷QUijk 及びQLijk を算出する。
【0038】
上面側凹部の熱負荷QUijk は、雰囲気からの影の影響を受けるので係数補正を考慮して下記(13)式に従って算出する。
【0039】
【数5】
【0040】
ここで、Fwはビームブランク凹部の熱負荷補正係数、Φcgu は上部総括熱吸収率、θguは鋼材滞留ゾーンの上部雰囲気温度〔℃〕、θi,j,k は点(i,j,k)の鋼材温度〔℃〕である。
【0041】
そして、熱負荷補正係数Fwは、凹部の各節点ごとに算出し、夫々の値については角関係から底部即ちウェブ表面については図5に示すように、フランジ傾斜部の幅をB、ウェブ表面長さをC、ウェブ表面の任意の点P1での分割長さをC1,C2、フランジ先端からウェブまでの長さをE、フランジ先端と点Pとを結ぶ線L1,L2のウェブ表面とのなす角をβ1,β2としたとき、
で表され、フランジ傾斜面については図6に示すように、フランジ傾斜面の任意の点P2とウェブ及びフランジ傾斜面の交点との水平方向長さをb、垂直方向長さをe、他方のフランジ先端と点Pとを結ぶ線とフランジ傾斜面とのなす角をβとしたとき、
で表される。なお、上記(14)式の{(B2 +E2 )1/2 }/(B+E)は、矩形要素にすることによる表面積増加を補正するための項である。
【0042】
一方、下面側凹部の熱負荷QLijk も、雰囲気からの影の影響を受けるので係数補正を考慮して下記(16)式に従って算出する。
【0043】
【数6】
【0044】
ここで、Fwはビームブランク凹部の熱負荷補正係数、Φcgl は下部総括熱吸収率、θglは鋼材滞留ゾーンの下部雰囲気温度〔℃〕、θi,j,k は点(i,j,k)の鋼材温度〔℃〕である。
【0045】
そして、熱負荷補正係数Fwは、凹部の各節点ごとに算出し、夫々の値については角関係から底部即ちウェブ表面については図7に示すように、フランジ傾斜部の幅をB、ウェブ表面長さをC、ウェブ表面の任意の点P1での分割長さをC1,C2、フランジ先端からウェブまでの長さをE、フランジ先端と点Pとを結ぶ線L1,L2のウェブ表面とのなす角をβ1,β2としたとき、
で表され、フランジ傾斜面については図8に示すように、フランジ傾斜面の任意の点P2とウェブ及びフランジ傾斜面の交点との水平方向長さをb、垂直方向長さをe、他方のフランジ先端と点Pとを結ぶ線とフランジ傾斜面とのなす角をβとしたとき、
で表される。なお、上記(18)式の{(B2 +E2 )1/2 }/(B+E)は、矩形要素にすることによる表面積増加を補正するための項である。
【0046】
また、フランジの凹部以外の上下面での熱負荷QUijk 及びQLijk は、(13)式及び(16)式において熱負荷補正係数Fwを1.0として演算すればよい。
【0047】
また、隣接する鋼材間でも影の影響を受けるので、図9に示すように、鋼材の上半部において隣接する鋼材との対向面上の点P3(i,j,k)と上下端との長さを夫々a1及びa2とし、点P3と対向する鋼材の上下端とを結ぶ線L1及びL2と対向面とのなす角をβ1及びβ2とし、隣接鋼材との間隔をbとしたとき、上半部及び下半部の熱負荷補正係数Fsu及びFslは、下記(19)式及び(20)式で表すことができる。
【0048】
Fsu=(1− cosβ1)/2 …………(19)
Fsl=(1− cosβ2)/2 …………(20)
ここで、
cosβ1=a1/(a12 +b2 )1/2
cosβ2=a2/(a22 +b2 )1/2
次いで、ステップS4に移行して、前記ステップS1で決定した対象鋼材の1つについて第1の加熱帯6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iに対する残り在炉時間ti を将来在炉時間として予測する。
【0049】
次いで、ステップS5に移行して、現状の実績炉温が将来も継続すると仮定して、第1の加熱帯6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iをn個に分割した各ゾーンに対する差分計算用炉温θgnを算出する。
【0050】
次いで、ステップS6に移行して、現在炉温計算結果を起点に、ステップS4で算出した在炉時間ti の時間でステップS3で算出した差分計算用炉温θgnで加熱された場合の鋼材温度をステップS2で算出した鋼材代表厚みD及びステップS3で算出した熱負荷QUijk,QLijk 及び対向面の熱負荷補正係数Fsu及びFslをもとに前記(4)式及び(5)式に従って演算を行って、各帯i毎の代表位置鋼材温度θoij を演算する。このとき、(5)式における総括熱吸収率(差分計算パラメータ)Φcg′も分割ゾーンに応じて変更される。
【0051】
ここで、代表位置鋼材温度θoiとしては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度を選択することが好ましい。
【0052】
次いで、ステップS7に移行して、各ステップS2〜S4で演算した帯内在炉時間ti 、差分計算用炉温θgn及び代表位置鋼材温度θoij をもとに、前記(6)式の代表位置鋼材温度変化モデルの演算を行うことにより、各帯iにおける各鋼材の各代表位置jにおける伝熱パラメータとなる総括熱吸収率Φcgijを演算する。
【0053】
次いで、ステップS8に移行して、全ての対象鋼材について前記ステップS2〜ステップS7の処理が完了したか否かを判定し、処理を行っていない対象鋼材があるときには前記ステップS2に戻り、全ての対象鋼材について処理を完了したときには伝熱パラメータ演算処理を終了する。
【0054】
また、最適昇熱目標演算手段13では、上記伝熱パラメータ演算手段12で演算した伝熱パラメータとしての総括熱吸収率Φcgijを利用して、図10に示す最適昇熱目標演算処理を対象鋼材毎に実行する。
【0055】
この最適昇熱目標演算処理は、先ずステップS11で、現在までの操炉実績から炉温θg の初期値を決定する。
次いで、ステップS12に移行して、上記ステップS11で決定した炉温θg と、各帯iでの予定加熱時間(在炉時間ti )と、前記伝熱パラメータ処理で決定した総括熱吸収率Φcgijをもとに、前述した(7)式の演算を行って各ゾーンでの予定加熱時間経過後の代表位置鋼材温度θoij を算出する。
【0056】
次いで、ステップS13に移行して、目的関数のパラメータ演算を行う。このパラメータ演算は、前述した(8)式の定常燃料流量モデルを用いて、各帯の燃料流量Vgiの和を目的関数z(=ΣVgi)として定義する。
【0057】
ここでは、目的関数zを該当帯炉温と該当帯帯出平均温度の線形結合として下記(21)式のように表現する。
z=ΣCfi・θfi+ΣCsi・θoi …………(21)
ここで、Cfiは該当帯炉温コスト係数、θfiは炉温、Csiは該当帯鋼材温度コスト係数、θoiは該当帯鋼材温度であり、該当帯炉温コスト係数Cfi及び該当帯鋼材温度コスト係数Csiは前記(8)式と燃料流量で整理し、該当帯炉温、該当帯帯出平均温度に対する偏導関数を求めることで陽関数として計算することができる。但し、帯代表鋼材温度θsmi が未定義となるが、前記ステップS12で算出した予定加熱時間経過後の代表位置鋼材温度θoij をもとに下記(22)式の演算を行って求めるようにすればよい。
【0058】
θsmi =(θo +θi )/2 …………(22)
次いで、ステップS14に移行して、予め定義された制約条件関数のパラメータを算出する。
【0059】
この制約条件関数は、鋼材温度の関係、抽出目標温度の条件及び炉温と鋼材温度との条件から、温度モデル関係式よりの下記(23)式で表される制約条件関数、抽出目標温度及び均熱度に基づく下記(24)式で表される制約条件関数並びに炉温制約に基づく下記(25)式及び(26)式で表される制約条件関数がある。
【0060】
pijθgi+qijθoji =rij …………(23)
ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であって前記(7)式で定義され、pij,qij,rijはi帯のj番目代表位置に対する前記(7)式の導関数、θgiはi帯の炉温である。
【0061】
θoUj * >θonj >θoLj * …………(24)
ここで、θonj は最終帯のj番目の代表位置の帯出温度、θoUj * は抽出時のj番目代表位置の目標上限温度、θoLj * は抽出時のj番目代表位置の目標下限温度である。
【0062】
θgi>θoji +βoij …………(25)
θgi>θiji +βiij …………(26)
ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であって前記(7)式で定義され、βoij はi帯のj番目代表位置の帯出温度の補正係数、θiji はi帯のj番目代表位置の現在温度、βiij はi帯のj番目代表位置の現在温度の補正係数である。
【0063】
そして、上記(23)〜(26)式において添字jで定義する代表位置としては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度を選択することが好ましい。
【0064】
次いで、ステップS15に移行して、上記(23)〜(26)式の制約条件を満足し、且つ前記(21)式の評価関数zを最小とする炉温、帯出温度を公知の線形計画法によって算出する。
【0065】
次いで、ステップS16に移行して収束判定を行う。この収束判定は、ステップS11で定義した炉温の初期値あるいは前回計算時の炉温算出値と今回線形計画法で算出した結果を比較し、その差が小さければ最適炉温、最適帯出目標温度が決定ものと判断して最適昇熱目標演算処理を終了し、差が大きいときには、前記ステップS12に戻ってステップS12〜ステップS15の処理を繰り返すが、所定回数以上処理を繰り返しても収束しないときには処理を打切り、該当する鋼材は炉温計算非対象鋼材として処理する。
【0066】
このようにして、各対象鋼材の全てについて最適炉温及び最適帯出目標温度が決定されると、設定炉温演算手段14で設定炉温演算を行う。
この設定炉温演算は、燃焼ゾーン毎に鋼材毎の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を前記(7)式の演算を行うことにより算出する。この(7)式では、残り加熱時間、現在鋼材温度、最適帯出目標温度を与えて炉温を収束計算により求めることができ、求めた各鋼材についての必要最低炉温の最大値を設定炉温として決定し、この設定炉温で各燃焼ゾーンの燃料流量を制御する。
【0067】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、連続式加熱炉1に、図1に示すように、ビームブランクBBに続いて部ルームbmが順次装入されて加熱処理が行われているものとすると、制御手段11の伝熱パラメータ演算手段12で図2の伝熱パラメータ演算処理が実行されたときに、現時点で第1加熱帯6に入るブルームBM2 、第2加熱帯7に入るビームブランクBB14及び均熱帯8に入るビームブランクBB7 を対象鋼材として決定すると共に、残り加熱時間が少ないビームブランクBB1 及びBB2 を除く各帯に滞在するビームブランクBB3 〜BB17及びブルームBM1 については、夫々の前回の伝熱パラメータの演算時刻と現在時刻との差が設定時間X1 以上であるものが対象鋼材として決定される。(ステップS1)。
【0068】
この状態で、伝熱パラメータ演算手段12で、対象鋼材として決定された各ビームブランクBB及びブルームBMについて、鋼材代表厚みDを算出すると共に熱負荷補正係数Fwを算出して、これに基づいて熱負荷QUijk 及びQLijk を算出し(ステップS2,S3)、各帯6〜8の夫々に対する各鋼材の残り在炉時間ti を求め(ステップS4)、現状の実績炉温が将来も継続するものと仮定して、差分計算用炉温θgnを各燃焼ゾーン毎に求め(ステップS5)、現在温度計算結果を起点に、前記(4),(5)式の鋼材温度変化モデルの演算を行うことにより、各帯i毎の代表位置鋼材温度θoij を求める(ステップS6)。ここで、鋼材の代表位置温度としては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度の4か所が選択されている。
【0069】
このようにして、代表位置鋼材温度θoij が求まると、この代表位置鋼材温度θoij 、在炉時間ti 及び及び炉温θgiに基づいて前記(6)式の演算を行って、各帯iに対する対象鋼材の代表位置jについての帯入時又は現在位置から帯出時迄の伝熱パラメータとなる総括熱吸収率Φcgijを算出する(ステップS7)。これによって、前記(7)式の集中定数系平板温度モデルの演算を行ったときに算出される各対象鋼材の帯出時目標鋼材温度を前述した(4),(5)式によって演算される帯出時鋼材温度と一致させることができる。
【0070】
次いで、最適昇熱目標演算手段13で、現在迄の操炉実績から各帯iの炉温の初期値θgiを決定し、この初期値θgiと予定加熱時間tとをもとに(7)式の演算を行って各帯iの帯出時における代表位置鋼材温度θoij を算出し(ステップS12)、その後、定常燃料流量モデルを用いて、該当帯炉温と該当帯帯出平均温度の線形結合として(21)式の目的関数zを定義すると共に、帯代表鋼材温度θsmi を算出し、且つ制約条件を定義し、この制約条件を満足し、目的関数を最小とする炉温θgi及び帯出温度を公知の線形計画法で算出し(ステップS15)、算出した炉温と炉温の初期値又は前回計算時の炉温計算値との差が小さいときに最適炉温、最適帯出目標温度が決定されたものと判断する。
【0071】
そして、設定炉温演算手段14で、各対象鋼材の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を(7)式の関係から求め、各対象鋼材の必要最低炉温の最大値を設定炉温として設定し、この設定炉温を維持するように各帯iの燃料流量を制御する。
【0072】
したがって、上記実施形態によれば、凹凸形状を有するビームブランクBBについて、その厚みをスラブと同様の矩形厚に換算した鋼材換算厚Dを算出すると共に、凹部の形態に応じた熱負荷補正係数Fwを算出し、これに基づいて非線形厳密方程式でなる鋼材温度変化モデルにしたがって、ビームブランクBBの鋼材温度を予測するようにしたので、ビームブランク等の凹凸形状を有する鋼材であっても、鋼材温度の予測を高精度で行うことができ、良好な燃焼制御を行うことができる。
【0073】
また、伝熱パラメータ演算処理で、高精度に予測された鋼材温度を使用して、非線形簡易モデルとしての前記(7)式で表される加熱時間、炉温及び鋼材温度の関係を表現する代表位置鋼材温度変化モデルの伝熱パラメータを決定し、最適昇熱目標演算処理において、上記代表位置鋼材温度変化モデルから陽関数として導関数を求めることを可能として、非線形計画法で昇温目標値を決定することができるので、前述した第1従来例に代表される従来例の1/2の計算量で高精度な操業最適化が可能となる。
【0074】
このように、計算量を低減することができることにより、従来例より短い時間周期で操業最適化処理が可能となり、結果として加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの操業条件の変化に対応して随時最適帯出目標温度を算出することができ、高い最適化を実現することができ、この結果材料抽出温度の確保、材料内偏熱の防止、燃料原単位の約10%の低減、過加熱防止によるスケールロス低減、加熱炉操炉要員の省力等を図ることができる。
【0075】
しかも、非線形のままで最適化を行うので、従来例のように1次式で近似することにより誤差を伴うこともないと共に、最適帯出目標温度を算出する場合に逐次線形計画法による非線形計画法を利用することで最適化誤差をより少なくすることができる。
【0076】
なお、上記実施形態においては、第1及び第2の加熱帯6,7を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、加熱帯が1つ又は3以上である場合であっても、各帯について伝熱パラメータ演算及び最適昇熱目標演算を行うことにより、最適な燃焼制御を行うことができる。
【0077】
また、上記実施形態では、代表鋼材温度モデルとして(7)式を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、特願昭61−199016号公報に記載されているように、燃料流量を基にし、炉内温度、炉壁温度及び材料温度の各要素も考慮して、各材料につき燃料流量が最小となる最適な昇温曲線を決定し、この昇温曲線に沿って炉内の様々な材料を平均的或いはある材料を優先的に焼き上げるために、各材料の設定炉温に炉温設定用重み係数を乗じ加重平均した値を各制御帯の炉温設定値とするようにした燃焼制御方法や、特開平3−140415号公報に記載されているような上記実施形態で算出した鋼材温度に基づいて簡易モデルでなる抽出時平均温度感度式を用いて各帯の炉温に対する感度を求め、修正炉温計算式で修正炉温を求め、均熱度が目標温度となるように抽出時スラブ平均温度感度式を用いて均熱度のスラブ感度を求め、最後に修正炉温計算式により最終的な各帯制御炉温を求める燃焼制御方法等の任意の炉温設定方法を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、凹凸形状を有するビームブランクでなる鋼材を連続的に加熱する際に、前記鋼材をスラブ形状に換算する鋼材代表厚みを算出すると共に、鋼材の内部温度変化を表現する鋼材温度分布モデルを前記鋼材の表面形状の形態係数を考慮した熱負荷の境界条件で演算することにより、凹凸形状を有する鋼材の内部温度を算出し、当該鋼材の断面内平均温度の昇温特性が、集中定数系と仮定した平板の昇温特性と一致するものと仮定し、その集中定数系平板温度モデルと算出した鋼材の内部温度及び鋼材代表厚みとを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたので、矩形断面でない凹凸形状を有する鋼材の内部温度を高精度で予測することができ、この結果、従来からの加熱炉計算機制御をビームブランクなどの複雑な形状を有する鋼材に対しても適用することが可能となり、凹凸形状を有する鋼材の連続加熱制御を良好に行うことができるという効果が得られる。
【0079】
また、集中定数系平板温度モデルを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたので、従来例よりも少ない計算量で非線形を確保したままで誤差を生じることなく高精度の操業最適化が可能となるという効果を有すると共に、計算量の低減に伴って、従来例よりも短い時間周期で操業最適化が可能となり、結果としてより加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの操業条件の変化に対応して随時最適化昇温目標値を算出することができ、高い最適化を実現することができるという効果が得られる。
【0080】
この結果、材料抽出温度の確保、材料内偏熱の防止、燃料原単位の低減、過加熱防止によるスケールロス低減、加熱炉操炉要員の省力等を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】伝熱パラメータ演算手段の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】ビームブランクの鋼材換算厚を算出する場合の説明図である。
【図4】ブルームの鋼材換算厚を算出する場合の説明図である。
【図5】ビームブランクの上面側凹部の底部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図6】ビームブランクの上面側凹部の傾斜部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図7】ビームブランクの下面側凹部の底部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図8】ビームブランクの下面側凹部の傾斜部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図9】隣接鋼材の対向面における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図10】最適昇熱目標演算手段の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 連続式加熱炉
BB1 〜BB17 ビームブランク
BM1 〜BM11 ブルーム
5 予熱帯
6 第1加熱帯
7 第2加熱帯
8 均熱帯
11 制御手段
12 伝熱パラメータ演算手段
13 最適昇熱目標演算手段
14 設定炉温演算手段
15 炉温制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームブランク等の凹凸形状を有する鋼材を連続的に加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の連続式加熱炉の燃焼制御方法としては、特開昭61−199016号公報(以下、第1従来例と称す)、特開平2−156017号公報(以下、第2従来例と称す)及び特開平3−140415号公報(以下、第3従来例と称す)に記載されているものがある。
【0003】
第1従来例は、目標昇温パターンを決定する際に、燃料流量を現状流量のままで加熱を継続した場合の材料抽出時平均温度、均熱度及び材料通過時の各炉温を計算し、燃料流量を変化させた場合の材料抽出時平均温度、均熱度及び材料通過時の各炉温を計算し、その結果に基づいて現状燃料流量まわりでの線形係数を求め、材料抽出時平均温度、均熱度に関する制約条件下で燃料流量が最小となる最適燃料流量を線形計画法を用いて求めている。この燃料流量から各材料の設定炉温を求め、各材料に対する重み付き平均値として各帯設定炉温を決定するようにしている。
【0004】
第2従来例は、材料が抽出されるまでの期間における加熱炉操業を時々刻々の各帯の燃料流量設定値を変化させながらシミュレーションし、品質確保、省エネルギ等の操業目的に従って設定された所定の評価関数を値を求め、燃料流量と材料温度の動的な関係を表現するモデルを用いて、求めた目標昇温パターンに近づくように燃料流量を設定するようにしている。
【0005】
第3従来例は、オンラインでの計算機負荷低減を目的として、下記(1)式及び(2)式で表される加熱炉内での対流伝熱によって鋼材が加熱されることを表現した集中定数系の温度モデルを用いて、抽出時の温度と均熱度が目標値通りとなるような目標昇温パターンを決定するようにしている。
【0006】
θo =θg −(θg −θi )・exp(−α・t/D) ……(1)
α=a・σ/(ρ・Cp )・(θg2+θo2)・(θg +θo ) ……(2)
ここで、θo はt時間後の鋼材温度、θi は初期の鋼材温度、θg は炉温、tは加熱時間、Dは鋼材厚み、aは修正係数、σはステファンボルツマン定数、ρは鋼材の比重、Cp は比熱である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1従来例にあっては、下記のような未解決の課題がある。
▲1▼ 燃料流量を、現状流量のままで加熱を継続した場合と燃料流量を変化させた場合の双方の温度計算を行う必要があり、目標昇温パターンを求める計算量が膨大なものとなる。
▲2▼ この結果、加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの種々の操業条件の変化に起因する予定加熱時間の変化に対応して目標昇温パターンを求め直す必要が生じた場合でも、計算機資源の節約から目標昇温パターンを求め直す頻度が制約されている。
▲3▼ 現状燃料流量のまわりでの線形係数で最適条件を求めているため、最適な目標昇温パターンを求めた時点とその材料が実際に加熱された時点での差が小さな場合にしかその最適性が補償されておらず、本来、非線形な関係にある加熱炉内の伝熱現象を線形な1次式で近似しているため、変化量が大きくなると近似誤差を大きなものとなってしまう。
【0008】
これらの未解決の課題を解決するには、非線形のままで最適化を実行すれば上記全て解決できるが、計算量が膨大となり、オンライン制御では実行不可能となるという新たな課題がある。
【0009】
また、前記第2従来例にあっては、非線形のままで最適化を実行することができるが、一般化予測制御を利用した技術であり、時々刻々の燃料流量を変化させながら最適化を行うと共に、温度モデルに加熱時間と炉温と鋼材温度の関係を表現する非線形な物理現象モデルではなく、線形化した動的モデルであるので、パラメータが多くなり、加熱炉シミュレータと逐次最小二乗法とで膨大な計算が必要となり、さらに残り在炉時間(加熱時間)の変化に対応するために、昇温目標を時間の関数として定義しており、残り在炉時間が変化した場合には目標昇温曲線を求め直す必要があるが、その計算量の制約から目標昇温曲線の計算が十分に行うことができないという未解決の課題がある。
【0010】
さらに、前記第3従来例にあっては、スキッド部とスキッド間部の平均温度のみが最適化できる手法であり、種々の制約条件を満足できる手法ではないと共に、実施例で利用している非線形モデルが対流伝熱によって鋼材が加熱されことを前提とした下記(3)式を積分して得られる集中定数系の温度モデルであるが、実際の加熱炉内での伝熱は輻射伝熱に支配されるので、前述した(1)式のみでは加熱炉内の現象を表現できないため、(1)式中の熱伝達係数αを(2)式の形で輻射伝熱を考慮した形としなければならず、加熱時間が長くなると鋼材温度依存性を無視しているので、修正係数aの推定精度、設定精度によって制御精度が大きく変化するという未解決の課題がある。
【0011】
Cp ・ρ・D(∂θ/∂t)=2・α・(θg −θ) …………(3)
しかも、上記第1従来例〜第3従来例の何れもが鋼板を対象としたものであり、ビームブランクのような凹凸形状を有する鋼材には適用することができないという未解決の課題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ビームブランクのような凹凸形状を有する鋼材の温度演算精度を向上させると共に、計算精度を確保しながら計算負荷を低減することができる連続式加熱炉の燃料制御方法及び装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る連続式加熱炉の燃料制御方法は、複数の燃焼帯を有して凹凸形状を有するビームブランクでなる鋼材を連続的に加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法において、前記鋼材をスラブ形状に換算する鋼材代表厚みを算出すると共に、当該鋼材の内部温度変化を表現する鋼材温度分布モデルを前記鋼材の表面形状の形態係数を考慮した熱負荷の境界条件で演算することにより、前記鋼材の内部温度を算出し、当該鋼材の断面内平均温度の昇温特性が、集中定数系と仮定した平板の昇温特性と一致するものと仮定し、その集中定数系平板温度モデルと前記鋼材代表厚み及び前記鋼材の内部温度とを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたことを特徴としている。
【0015】
さらに、請求項2に係る連続式加熱炉の燃焼制御方法は、請求項1の発明において、前記集中定数系平板温度モデルは、炉温をθg 、特定時間後代表位置鋼材温度をθo 、現在代表位置鋼材温度をθi 、特定時間範囲をt、鋼材代表厚みをD、総括熱吸収率をΦcg、ステファンボルツマン定数をσ、比熱をCp 、比重をρとしたとき、加熱時間と炉温と鋼材温度との関係を表す関係式
【0016】
【数2】
【0017】
を使用することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は例えばウォーキングビームによって連続的に搬送されるブルームBM1 〜BM11、ビームブランクBB1 〜BB17等の鋼材4を所定間隔を保って搬送して連続的に加熱する連続式加熱炉であって、鋼材4を左側から装入し、予熱帯5、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8を順次通過して加熱され、加熱を終了した鋼材4が右側から抽出されて次工程に搬送される。
【0019】
第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8には、夫々燃焼バーナが配設され、これら燃焼バーナへの供給燃料を連続式加熱炉1の全体を統括するプロセスコンピュータに接続されたコントローラで構成される制御手段11によって制御される。
【0020】
この制御手段11は、予熱帯5、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の各実績炉温を読込むと共に、対象鋼材の残り在炉時間(残り加熱時間)、炉温、鋼材温度に基づいて代表位置鋼材温度変化モデルに従って伝熱パラメータとしての総括熱吸収率Φcgを各第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の代表位置例えばスキッド部及びスキッド間について夫々算出する伝熱パラメータ演算手段12と、この伝熱パラメータ演算手段12で算出された総括熱吸収率Φcgと炉温初期値とから帯出鋼材温度θo を算出し、定常燃料流量モデルを用いて目的関数z(=ΣVgi)を、該当する帯炉温と該当する帯出平均温度とでなる決定変数の線形結合として表すと共に、所定の制約条件を定義することにより、制約条件を満足し且つ評価関数zを最小とする炉温、帯出温度を線形計画法で算出し、算出された炉温、帯出温度の収束判定を行い、収束しているときには最適炉温、最適帯出目標温度が決定されたものと判断する最適昇熱目標演算手段13と、この最適昇熱目標演算手段13で決定された最適帯出目標温度に基づいて、燃焼ゾーン毎に鋼材毎の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を代表位置鋼材温度変化モデルに従って求め、求めた各鋼材毎の必要最低炉温の最大値を設定炉温として設定する設定炉温演算手段14とを備えており、設定炉温演算手段14で設定された設定炉温となるように燃焼バーナへの供給燃料を制御する。
【0021】
具体的には、本実施形態では、以下の鋼材温度変化モデル、代表位置鋼材温度変化モデル及び燃料流量モデルの3つの伝熱モデルを使用する。
鋼材温度変化モデルは、鋼材の内部温度θ〔K〕を表現するモデルであり、下記(4)式で表される。
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、kは熱伝導率[kcal/mhrK] 、tは加熱時間[hr]、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/m]である。
上記(4)式を鋼材表面からの熱負荷の境界条件で計算することで時々刻々の鋼材温度変化を知ることができる。熱負荷の境界条件としては、下記(5)式で表される放射伝熱の式を用いる。
【0024】
Q=F・Φcg′・σ(θg4−θs4) …………(5)
ここで、Fは加熱炉温度θg に対する当該表面点の形態係数、Qは表面熱負荷[kcal/m2hr] 、Φcg′は総括熱吸収率(差分計算パラメータ)、σはステファンボルツマン定数[kcal/m2hrK4] 、θg は加熱炉温度[K] 、θs は鋼材表面温度[K] である。
【0025】
そして、上記(4)式及び(5)式は伝熱差分計算法によって計算することが可能である外、公知のADI法によって計算効率を向上させることも可能である。
【0026】
また、代表位置鋼材温度変化モデルは、上記鋼材温度変化モデルにおいて、鋼材加熱を上下2方向からの熱移動のみと考え、伝熱を平板の集中定数系と仮定すると、上記(4)式及び(5)式は、
Cp ・ρ・D・(∂θ/∂t)=2・Φcg・σ・(θg4−θ4 )……(6)
で表すことができ、この(6)式を加熱時間tで積分することで、加熱時間と炉温と鋼材温度との関係を表現する下記(7)式の集中定数系平板温度モデルを得ることができる。
【0027】
【数4】
【0028】
ここで、θg は炉温[K] 、θo は特定時間後代表位置鋼材温度[K] 、θi は現在代表位置鋼材温度[K] 、tは特定時間範囲[hr]、Dは鋼材代表厚み[m] 、Φcgは総括熱吸収率、σはステファンボルツマン定数[kcal/m2hrK4〕、Cp は比熱[kcal/kg・K]、ρは比重[kg/m]である。
【0029】
この(7)式を利用することで、炉温θg で加熱時間tだけ加熱した場合の鋼材温度の変化を計算することができる。
さらに、燃料流量モデルは、定常状態における該当燃焼帯及びそれより抽出側の燃焼帯の燃料流量、炉温、材料温度などで表現したものである。
【0030】
定常状態における該当燃焼帯の熱バランスは、下記(8)式で表すことができる。
ここで、Qaiは空気顕熱[kcal/hr] 、Qgiは燃料発熱量[kcal/hr] 、Qei+1は流入廃ガス流量[kcal/hr] 、Qeiは流出廃ガス流量[kcal/hr] 、Qsiは鋼材への入熱量[kcal/hr] 、Qpiは炉帯損失熱[kcal/hr] 、Ca は空気比熱、θaiは予熱空気温度、θrmは室温、μは燃焼空気比、A0 は理論空気量、Vgiは燃料流量、Hg は燃料ガス発熱量、Ce は廃ガス比熱、θeiは廃ガス温度、G0 は理論廃ガス量、Ssiは鋼材表面積、Φcgi は総括熱吸収率、θfiは炉温、θsmi は帯代表鋼材温度、αp は炉外熱通過熱伝達係数である。
【0031】
そして、伝熱パラメータ演算手段12では、図2に示す伝熱パラメータ演算処理を実行する。
この伝熱パラメータ演算処理は、先ずステップS1で、対象鋼材検索を行う。この対象鋼材検索は、起動タイミングに応じて、伝熱パラメータ演算の対象鋼材を決定する処理であり、第1加熱帯6、第2加熱帯7及び均熱帯8の各帯に入る直前の鋼材に対しては全て対象鋼材とする共に、各帯に滞在している鋼材については、該当帯内残り時間(残り加熱時間)が設定時間X2 分以上の鋼材の鋼材毎前回計算時刻を読出し、現在時刻との差が設定時間X1 分以上である鋼材を対象鋼材として決定する。
【0032】
次いで、ステップS2に移行して、対象鋼材の形状データをプロセスコンピュータから読込み、各対象鋼材の代表厚みD〔m〕を下記(9)式に従って演算する。
【0033】
D=G/(ρ・S) …………(9)
ここで、Gは単重[kg/m]、ρは比重(=7860)[kg/m3] 、Sは換算1/2周長[m] である。
【0034】
そして、換算1/2周長Sは、鋼材が図3(a)に示すようにビームブランクBBである場合には、プロセスコンピュータからウェブ厚a、フランジ幅b、ウェブ高さc、フランジ先端厚d、フランジ付根厚eと、隣接するビームブランクBBとの間隔即ち鋼材装入間隔wを読込み、これらをもとに下記(10)式の演算を行うことによって求める。
【0035】
また、鋼材が図4(a)に示すようにブルームBM、フラットバー、Zである場合には、プロセスコンピュータから鋼片厚b、鋼片幅c及び鋼材装入間隔wを読込み、これらをもとに下記(11)式の演算を行うことにより換算1/2周長Sを算出する。
【0036】
S=α・b+c …………(11)
ここで、(10)式及び(11)式のαは次式で与えられる。
α=1−{1+(w/b)2 }1/2 +(w/b) …………(12)
そして、ビームブランクBBについては上記(9)式、(10)式及び(12)式の演算を行うことにより、図3(b)に示すようなスラブ形状に換算し、同様にブルームBM、フラットバー、Zについては上記(9)式、(11)式及び(12)式の演算を行うことにより、図4(b)に示すようなスラブ形状に換算する。
【0037】
次いで、ステップS3に移行して、形態係数を考慮した熱負荷を算出する。
この熱負荷の算出は、対象鋼材がビームブランクBBである場合には、上面側凹部及び下面側凹部の双方について任意の点(i,j,k)の熱負荷QUijk 及びQLijk を算出する。
【0038】
上面側凹部の熱負荷QUijk は、雰囲気からの影の影響を受けるので係数補正を考慮して下記(13)式に従って算出する。
【0039】
【数5】
【0040】
ここで、Fwはビームブランク凹部の熱負荷補正係数、Φcgu は上部総括熱吸収率、θguは鋼材滞留ゾーンの上部雰囲気温度〔℃〕、θi,j,k は点(i,j,k)の鋼材温度〔℃〕である。
【0041】
そして、熱負荷補正係数Fwは、凹部の各節点ごとに算出し、夫々の値については角関係から底部即ちウェブ表面については図5に示すように、フランジ傾斜部の幅をB、ウェブ表面長さをC、ウェブ表面の任意の点P1での分割長さをC1,C2、フランジ先端からウェブまでの長さをE、フランジ先端と点Pとを結ぶ線L1,L2のウェブ表面とのなす角をβ1,β2としたとき、
で表され、フランジ傾斜面については図6に示すように、フランジ傾斜面の任意の点P2とウェブ及びフランジ傾斜面の交点との水平方向長さをb、垂直方向長さをe、他方のフランジ先端と点Pとを結ぶ線とフランジ傾斜面とのなす角をβとしたとき、
で表される。なお、上記(14)式の{(B2 +E2 )1/2 }/(B+E)は、矩形要素にすることによる表面積増加を補正するための項である。
【0042】
一方、下面側凹部の熱負荷QLijk も、雰囲気からの影の影響を受けるので係数補正を考慮して下記(16)式に従って算出する。
【0043】
【数6】
【0044】
ここで、Fwはビームブランク凹部の熱負荷補正係数、Φcgl は下部総括熱吸収率、θglは鋼材滞留ゾーンの下部雰囲気温度〔℃〕、θi,j,k は点(i,j,k)の鋼材温度〔℃〕である。
【0045】
そして、熱負荷補正係数Fwは、凹部の各節点ごとに算出し、夫々の値については角関係から底部即ちウェブ表面については図7に示すように、フランジ傾斜部の幅をB、ウェブ表面長さをC、ウェブ表面の任意の点P1での分割長さをC1,C2、フランジ先端からウェブまでの長さをE、フランジ先端と点Pとを結ぶ線L1,L2のウェブ表面とのなす角をβ1,β2としたとき、
で表され、フランジ傾斜面については図8に示すように、フランジ傾斜面の任意の点P2とウェブ及びフランジ傾斜面の交点との水平方向長さをb、垂直方向長さをe、他方のフランジ先端と点Pとを結ぶ線とフランジ傾斜面とのなす角をβとしたとき、
で表される。なお、上記(18)式の{(B2 +E2 )1/2 }/(B+E)は、矩形要素にすることによる表面積増加を補正するための項である。
【0046】
また、フランジの凹部以外の上下面での熱負荷QUijk 及びQLijk は、(13)式及び(16)式において熱負荷補正係数Fwを1.0として演算すればよい。
【0047】
また、隣接する鋼材間でも影の影響を受けるので、図9に示すように、鋼材の上半部において隣接する鋼材との対向面上の点P3(i,j,k)と上下端との長さを夫々a1及びa2とし、点P3と対向する鋼材の上下端とを結ぶ線L1及びL2と対向面とのなす角をβ1及びβ2とし、隣接鋼材との間隔をbとしたとき、上半部及び下半部の熱負荷補正係数Fsu及びFslは、下記(19)式及び(20)式で表すことができる。
【0048】
Fsu=(1− cosβ1)/2 …………(19)
Fsl=(1− cosβ2)/2 …………(20)
ここで、
cosβ1=a1/(a12 +b2 )1/2
cosβ2=a2/(a22 +b2 )1/2
次いで、ステップS4に移行して、前記ステップS1で決定した対象鋼材の1つについて第1の加熱帯6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iに対する残り在炉時間ti を将来在炉時間として予測する。
【0049】
次いで、ステップS5に移行して、現状の実績炉温が将来も継続すると仮定して、第1の加熱帯6、第2の加熱帯7及び均熱帯8の各帯iをn個に分割した各ゾーンに対する差分計算用炉温θgnを算出する。
【0050】
次いで、ステップS6に移行して、現在炉温計算結果を起点に、ステップS4で算出した在炉時間ti の時間でステップS3で算出した差分計算用炉温θgnで加熱された場合の鋼材温度をステップS2で算出した鋼材代表厚みD及びステップS3で算出した熱負荷QUijk,QLijk 及び対向面の熱負荷補正係数Fsu及びFslをもとに前記(4)式及び(5)式に従って演算を行って、各帯i毎の代表位置鋼材温度θoij を演算する。このとき、(5)式における総括熱吸収率(差分計算パラメータ)Φcg′も分割ゾーンに応じて変更される。
【0051】
ここで、代表位置鋼材温度θoiとしては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度を選択することが好ましい。
【0052】
次いで、ステップS7に移行して、各ステップS2〜S4で演算した帯内在炉時間ti 、差分計算用炉温θgn及び代表位置鋼材温度θoij をもとに、前記(6)式の代表位置鋼材温度変化モデルの演算を行うことにより、各帯iにおける各鋼材の各代表位置jにおける伝熱パラメータとなる総括熱吸収率Φcgijを演算する。
【0053】
次いで、ステップS8に移行して、全ての対象鋼材について前記ステップS2〜ステップS7の処理が完了したか否かを判定し、処理を行っていない対象鋼材があるときには前記ステップS2に戻り、全ての対象鋼材について処理を完了したときには伝熱パラメータ演算処理を終了する。
【0054】
また、最適昇熱目標演算手段13では、上記伝熱パラメータ演算手段12で演算した伝熱パラメータとしての総括熱吸収率Φcgijを利用して、図10に示す最適昇熱目標演算処理を対象鋼材毎に実行する。
【0055】
この最適昇熱目標演算処理は、先ずステップS11で、現在までの操炉実績から炉温θg の初期値を決定する。
次いで、ステップS12に移行して、上記ステップS11で決定した炉温θg と、各帯iでの予定加熱時間(在炉時間ti )と、前記伝熱パラメータ処理で決定した総括熱吸収率Φcgijをもとに、前述した(7)式の演算を行って各ゾーンでの予定加熱時間経過後の代表位置鋼材温度θoij を算出する。
【0056】
次いで、ステップS13に移行して、目的関数のパラメータ演算を行う。このパラメータ演算は、前述した(8)式の定常燃料流量モデルを用いて、各帯の燃料流量Vgiの和を目的関数z(=ΣVgi)として定義する。
【0057】
ここでは、目的関数zを該当帯炉温と該当帯帯出平均温度の線形結合として下記(21)式のように表現する。
z=ΣCfi・θfi+ΣCsi・θoi …………(21)
ここで、Cfiは該当帯炉温コスト係数、θfiは炉温、Csiは該当帯鋼材温度コスト係数、θoiは該当帯鋼材温度であり、該当帯炉温コスト係数Cfi及び該当帯鋼材温度コスト係数Csiは前記(8)式と燃料流量で整理し、該当帯炉温、該当帯帯出平均温度に対する偏導関数を求めることで陽関数として計算することができる。但し、帯代表鋼材温度θsmi が未定義となるが、前記ステップS12で算出した予定加熱時間経過後の代表位置鋼材温度θoij をもとに下記(22)式の演算を行って求めるようにすればよい。
【0058】
θsmi =(θo +θi )/2 …………(22)
次いで、ステップS14に移行して、予め定義された制約条件関数のパラメータを算出する。
【0059】
この制約条件関数は、鋼材温度の関係、抽出目標温度の条件及び炉温と鋼材温度との条件から、温度モデル関係式よりの下記(23)式で表される制約条件関数、抽出目標温度及び均熱度に基づく下記(24)式で表される制約条件関数並びに炉温制約に基づく下記(25)式及び(26)式で表される制約条件関数がある。
【0060】
pijθgi+qijθoji =rij …………(23)
ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であって前記(7)式で定義され、pij,qij,rijはi帯のj番目代表位置に対する前記(7)式の導関数、θgiはi帯の炉温である。
【0061】
θoUj * >θonj >θoLj * …………(24)
ここで、θonj は最終帯のj番目の代表位置の帯出温度、θoUj * は抽出時のj番目代表位置の目標上限温度、θoLj * は抽出時のj番目代表位置の目標下限温度である。
【0062】
θgi>θoji +βoij …………(25)
θgi>θiji +βiij …………(26)
ここで、θoji はi帯のj番目代表位置の帯出温度であって前記(7)式で定義され、βoij はi帯のj番目代表位置の帯出温度の補正係数、θiji はi帯のj番目代表位置の現在温度、βiij はi帯のj番目代表位置の現在温度の補正係数である。
【0063】
そして、上記(23)〜(26)式において添字jで定義する代表位置としては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度を選択することが好ましい。
【0064】
次いで、ステップS15に移行して、上記(23)〜(26)式の制約条件を満足し、且つ前記(21)式の評価関数zを最小とする炉温、帯出温度を公知の線形計画法によって算出する。
【0065】
次いで、ステップS16に移行して収束判定を行う。この収束判定は、ステップS11で定義した炉温の初期値あるいは前回計算時の炉温算出値と今回線形計画法で算出した結果を比較し、その差が小さければ最適炉温、最適帯出目標温度が決定ものと判断して最適昇熱目標演算処理を終了し、差が大きいときには、前記ステップS12に戻ってステップS12〜ステップS15の処理を繰り返すが、所定回数以上処理を繰り返しても収束しないときには処理を打切り、該当する鋼材は炉温計算非対象鋼材として処理する。
【0066】
このようにして、各対象鋼材の全てについて最適炉温及び最適帯出目標温度が決定されると、設定炉温演算手段14で設定炉温演算を行う。
この設定炉温演算は、燃焼ゾーン毎に鋼材毎の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を前記(7)式の演算を行うことにより算出する。この(7)式では、残り加熱時間、現在鋼材温度、最適帯出目標温度を与えて炉温を収束計算により求めることができ、求めた各鋼材についての必要最低炉温の最大値を設定炉温として決定し、この設定炉温で各燃焼ゾーンの燃料流量を制御する。
【0067】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、連続式加熱炉1に、図1に示すように、ビームブランクBBに続いて部ルームbmが順次装入されて加熱処理が行われているものとすると、制御手段11の伝熱パラメータ演算手段12で図2の伝熱パラメータ演算処理が実行されたときに、現時点で第1加熱帯6に入るブルームBM2 、第2加熱帯7に入るビームブランクBB14及び均熱帯8に入るビームブランクBB7 を対象鋼材として決定すると共に、残り加熱時間が少ないビームブランクBB1 及びBB2 を除く各帯に滞在するビームブランクBB3 〜BB17及びブルームBM1 については、夫々の前回の伝熱パラメータの演算時刻と現在時刻との差が設定時間X1 以上であるものが対象鋼材として決定される。(ステップS1)。
【0068】
この状態で、伝熱パラメータ演算手段12で、対象鋼材として決定された各ビームブランクBB及びブルームBMについて、鋼材代表厚みDを算出すると共に熱負荷補正係数Fwを算出して、これに基づいて熱負荷QUijk 及びQLijk を算出し(ステップS2,S3)、各帯6〜8の夫々に対する各鋼材の残り在炉時間ti を求め(ステップS4)、現状の実績炉温が将来も継続するものと仮定して、差分計算用炉温θgnを各燃焼ゾーン毎に求め(ステップS5)、現在温度計算結果を起点に、前記(4),(5)式の鋼材温度変化モデルの演算を行うことにより、各帯i毎の代表位置鋼材温度θoij を求める(ステップS6)。ここで、鋼材の代表位置温度としては、スキッド部鋼材平均温度、スキッド間部鋼材平均温度、スキッド部鋼材中心温度、スキッド間部鋼材中心温度の4か所が選択されている。
【0069】
このようにして、代表位置鋼材温度θoij が求まると、この代表位置鋼材温度θoij 、在炉時間ti 及び及び炉温θgiに基づいて前記(6)式の演算を行って、各帯iに対する対象鋼材の代表位置jについての帯入時又は現在位置から帯出時迄の伝熱パラメータとなる総括熱吸収率Φcgijを算出する(ステップS7)。これによって、前記(7)式の集中定数系平板温度モデルの演算を行ったときに算出される各対象鋼材の帯出時目標鋼材温度を前述した(4),(5)式によって演算される帯出時鋼材温度と一致させることができる。
【0070】
次いで、最適昇熱目標演算手段13で、現在迄の操炉実績から各帯iの炉温の初期値θgiを決定し、この初期値θgiと予定加熱時間tとをもとに(7)式の演算を行って各帯iの帯出時における代表位置鋼材温度θoij を算出し(ステップS12)、その後、定常燃料流量モデルを用いて、該当帯炉温と該当帯帯出平均温度の線形結合として(21)式の目的関数zを定義すると共に、帯代表鋼材温度θsmi を算出し、且つ制約条件を定義し、この制約条件を満足し、目的関数を最小とする炉温θgi及び帯出温度を公知の線形計画法で算出し(ステップS15)、算出した炉温と炉温の初期値又は前回計算時の炉温計算値との差が小さいときに最適炉温、最適帯出目標温度が決定されたものと判断する。
【0071】
そして、設定炉温演算手段14で、各対象鋼材の最適帯出目標温度を満足する必要炉温を(7)式の関係から求め、各対象鋼材の必要最低炉温の最大値を設定炉温として設定し、この設定炉温を維持するように各帯iの燃料流量を制御する。
【0072】
したがって、上記実施形態によれば、凹凸形状を有するビームブランクBBについて、その厚みをスラブと同様の矩形厚に換算した鋼材換算厚Dを算出すると共に、凹部の形態に応じた熱負荷補正係数Fwを算出し、これに基づいて非線形厳密方程式でなる鋼材温度変化モデルにしたがって、ビームブランクBBの鋼材温度を予測するようにしたので、ビームブランク等の凹凸形状を有する鋼材であっても、鋼材温度の予測を高精度で行うことができ、良好な燃焼制御を行うことができる。
【0073】
また、伝熱パラメータ演算処理で、高精度に予測された鋼材温度を使用して、非線形簡易モデルとしての前記(7)式で表される加熱時間、炉温及び鋼材温度の関係を表現する代表位置鋼材温度変化モデルの伝熱パラメータを決定し、最適昇熱目標演算処理において、上記代表位置鋼材温度変化モデルから陽関数として導関数を求めることを可能として、非線形計画法で昇温目標値を決定することができるので、前述した第1従来例に代表される従来例の1/2の計算量で高精度な操業最適化が可能となる。
【0074】
このように、計算量を低減することができることにより、従来例より短い時間周期で操業最適化処理が可能となり、結果として加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの操業条件の変化に対応して随時最適帯出目標温度を算出することができ、高い最適化を実現することができ、この結果材料抽出温度の確保、材料内偏熱の防止、燃料原単位の約10%の低減、過加熱防止によるスケールロス低減、加熱炉操炉要員の省力等を図ることができる。
【0075】
しかも、非線形のままで最適化を行うので、従来例のように1次式で近似することにより誤差を伴うこともないと共に、最適帯出目標温度を算出する場合に逐次線形計画法による非線形計画法を利用することで最適化誤差をより少なくすることができる。
【0076】
なお、上記実施形態においては、第1及び第2の加熱帯6,7を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、加熱帯が1つ又は3以上である場合であっても、各帯について伝熱パラメータ演算及び最適昇熱目標演算を行うことにより、最適な燃焼制御を行うことができる。
【0077】
また、上記実施形態では、代表鋼材温度モデルとして(7)式を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、特願昭61−199016号公報に記載されているように、燃料流量を基にし、炉内温度、炉壁温度及び材料温度の各要素も考慮して、各材料につき燃料流量が最小となる最適な昇温曲線を決定し、この昇温曲線に沿って炉内の様々な材料を平均的或いはある材料を優先的に焼き上げるために、各材料の設定炉温に炉温設定用重み係数を乗じ加重平均した値を各制御帯の炉温設定値とするようにした燃焼制御方法や、特開平3−140415号公報に記載されているような上記実施形態で算出した鋼材温度に基づいて簡易モデルでなる抽出時平均温度感度式を用いて各帯の炉温に対する感度を求め、修正炉温計算式で修正炉温を求め、均熱度が目標温度となるように抽出時スラブ平均温度感度式を用いて均熱度のスラブ感度を求め、最後に修正炉温計算式により最終的な各帯制御炉温を求める燃焼制御方法等の任意の炉温設定方法を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、凹凸形状を有するビームブランクでなる鋼材を連続的に加熱する際に、前記鋼材をスラブ形状に換算する鋼材代表厚みを算出すると共に、鋼材の内部温度変化を表現する鋼材温度分布モデルを前記鋼材の表面形状の形態係数を考慮した熱負荷の境界条件で演算することにより、凹凸形状を有する鋼材の内部温度を算出し、当該鋼材の断面内平均温度の昇温特性が、集中定数系と仮定した平板の昇温特性と一致するものと仮定し、その集中定数系平板温度モデルと算出した鋼材の内部温度及び鋼材代表厚みとを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたので、矩形断面でない凹凸形状を有する鋼材の内部温度を高精度で予測することができ、この結果、従来からの加熱炉計算機制御をビームブランクなどの複雑な形状を有する鋼材に対しても適用することが可能となり、凹凸形状を有する鋼材の連続加熱制御を良好に行うことができるという効果が得られる。
【0079】
また、集中定数系平板温度モデルを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたので、従来例よりも少ない計算量で非線形を確保したままで誤差を生じることなく高精度の操業最適化が可能となるという効果を有すると共に、計算量の低減に伴って、従来例よりも短い時間周期で操業最適化が可能となり、結果としてより加熱炉抽出順の変化、圧延時間の変化などの操業条件の変化に対応して随時最適化昇温目標値を算出することができ、高い最適化を実現することができるという効果が得られる。
【0080】
この結果、材料抽出温度の確保、材料内偏熱の防止、燃料原単位の低減、過加熱防止によるスケールロス低減、加熱炉操炉要員の省力等を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】伝熱パラメータ演算手段の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】ビームブランクの鋼材換算厚を算出する場合の説明図である。
【図4】ブルームの鋼材換算厚を算出する場合の説明図である。
【図5】ビームブランクの上面側凹部の底部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図6】ビームブランクの上面側凹部の傾斜部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図7】ビームブランクの下面側凹部の底部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図8】ビームブランクの下面側凹部の傾斜部における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図9】隣接鋼材の対向面における熱負荷補正係数を算出する場合の説明図である。
【図10】最適昇熱目標演算手段の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 連続式加熱炉
BB1 〜BB17 ビームブランク
BM1 〜BM11 ブルーム
5 予熱帯
6 第1加熱帯
7 第2加熱帯
8 均熱帯
11 制御手段
12 伝熱パラメータ演算手段
13 最適昇熱目標演算手段
14 設定炉温演算手段
15 炉温制御装置
Claims (2)
- 複数の燃焼帯を有して凹凸形状を有するビームブランクでなる鋼材を連続的に加熱する連続式加熱炉の燃焼制御方法において、前記鋼材をスラブ形状に換算する鋼材代表厚みを算出すると共に、当該鋼材の内部温度変化を表現する鋼材温度分布モデルを前記鋼材の表面形状の形態係数を考慮した熱負荷の境界条件で演算することにより、前記鋼材の内部温度を算出し、当該鋼材の断面内平均温度の昇温特性が、集中定数系と仮定した平板の昇温特性と一致するものと仮定し、その集中定数系平板温度モデルと前記鋼材代表厚み及び前記鋼材の内部温度とを用いて目標昇温パターンを設定するようにしたことを特徴とする連続式加熱炉の燃焼制御方法。
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