JPH0970607A - プロセスラインにおける学習制御方法 - Google Patents

プロセスラインにおける学習制御方法

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JPH0970607A
JPH0970607A JP7229174A JP22917495A JPH0970607A JP H0970607 A JPH0970607 A JP H0970607A JP 7229174 A JP7229174 A JP 7229174A JP 22917495 A JP22917495 A JP 22917495A JP H0970607 A JPH0970607 A JP H0970607A
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美雄 大池
Junji Sato
準治 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プロセスラインでの学習制御に際して、現象
とモデルのズレを適切に修正することを可能とし制御精
度の向上並びに記憶容量の低減化を図らせ好適なプロセ
スラインの処理を実現し得る学習制御方法の提供。 【解決手段】 プロセスラインで処理する材料の前工程
での操業データを複数のブロックNに区分し、処理する
材料をグループ別に分類し、実績値とモデル計算値との
ズレを学習係数テーブルとしてブロック毎に作成し記憶
する。今回材料の実績値とモデル計算値とのズレを計
算、前回材料までの時系列的なズレの平滑値に対して比
又は差の値を計算する。更に、今回材料のグループ別学
習係数のテーブル値に対する比又は差の計算、各ブロッ
ク毎平滑化等の計算により新たな時系列学習係数を算出
記憶する。このようにして、次回材料が属する各グルー
プ別学習係数と新係数を基にモデル計算値を修正して次
回材料の設定計算を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延ライン,冷却
ライン等のプロセスラインにおける学習制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に圧延ライン、冷却ライン等のプロ
セスラインにおいては、計算制御のためのモデルは、理
論式あるいは経験式に基づいて構築されているが、プロ
セスラインでの現象を完全に表現するモデルの構築は殆
ど不可能に近いため、前回までにプロセスラインで処理
したデータに基づいてモデルを修正する方法、即ち学習
制御方法が行われている。
【0003】例えば、圧延ラインにおける圧延荷重の予
測、冷却ラインにおける温度降下量の予測はその代表的
な事例である。
【0004】一般に、プロセスラインで計測される実績
値とモデルの予測値との間にはどうしても偏差(ズレ)
が生じるものであるが、該偏差は上述したように、プロ
セスラインでの現象がモデルに完全に表現されていない
ために生じている。
【0005】この理由としては、,現象そのものが未
解明であること、,現象そのものは解明されているが
モデルの表現が複雑になり過ぎ、オンラインでの計算に
間に合わないために簡略化していること、,あるい
は、モデルの計算に必要なデータの採取が不完全なこ
と、等が挙げられる。
【0006】ところで、上述するようなモデルと現象の
不一致は大別すると、設備あるいは環境の変化によるプ
ロセスラインの時系列的な変動と、プロセスラインで処
理される材料の履歴、種類、サイズ、処理パターン等の
違いに起因する変動とがある。しかしながら、従来のプ
ロセスラインにおける学習制御方法では、これら2種類
の変動を適切に分離して取り込んでいないため、満足な
制御結果が得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
めの典型的な先行技術として特開平 4−367901号公報に
より本出願人がさきに提案した発明があるが、これは次
のような内容である。即ち、プロセスラインで処理する
材料の種類、サイズ、処理パターン等のグループ別に、
実績値とモデルにより算出されたモデル計算値とのズレ
をグループ別学習係数としてテーブルに記憶しておき、
今回材料の実績値とモデルの計算値とのズレから、前回
材料までの実績値とモデルの計算値との時系列的なズレ
の平滑値(時系列学習係数)を除去した値を、今回材料
の属するグループのグループ別学習係数のテーブル値と
平滑化して、新たなテーブル値として前記テーブルに記
憶するとともに、今回材料の実績値とモデルの計算値と
のズレから、今回材料の属するグループのグループ別学
習係数のテーブル値を除去した値で、前回材料までの時
系列学習係数を平滑化したものを新たな時系列学習係数
として記憶し、次回材料の設定計算に際し、前記モデル
から算出されるモデル計算値を、前記テーブルに記憶さ
れた次回材料の属するグループのグループ別学習係数と
新たな時系列学習係数とに基づいて修正することによ
り、上記2種類の変動を分離する方法である。
【0008】上記先行技術によると、プロセスラインで
の制御に際し、現象とモデルとのズレが適切に修正され
る優れた効果が奏されるが、一方、モデルと現象の不一
致をもたらす要因である、プロセスラインで処理する材
料の前工程での履歴、種類、サイズ、処理パターン等の
操業データが多い場合には、各要因毎に区分された区分
数と要因数の掛け合わせたものがグループ数となって、
グループ数が非常に多くなることから、このようにグル
ープ数が多くなると、各々のグループに属する材料がプ
ロセスラインで処理される頻度が少なくなり、グループ
別学習係数のテーブル値を更新する機会が少なくなるた
め、学習精度が低下するおそれが考えられる。また、計
算機の記憶容量が膨大となるハード上の問題も考えられ
る。
【0009】本発明は、このような問題点の改善を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、プロセス
ラインでの学習制御に際して、モデルと現象の不一致を
もたらす要因が多い場合についても、現象とモデルのズ
レを適切に修正することが可能で、しかも制御精度の向
上並びに記憶容量の低減化を図らせて、好適なプロセス
ラインの処理を実現し得る学習制御方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、設定計算用のモデルを前回までの実績値
に基づいて修正しながら、該モデルに基づいてプロセス
ラインを制御する学習制御方法において、,前記プロ
セスラインで処理する材料の前工程での履歴、種類、サ
イズ、処理パターン等の操業データを複数のブロックN
に区分し、かつ、該区分されたブロックi(i=1〜
N)毎にプロセスラインで処理する材料をグループ別に
分類して、各ブロックのグループ別に、実績値と前記モ
デルにより算出されたモデル計算値とのズレを学習係数
として記憶するテーブルをブロック毎に作成しておき、
,今回材料の実績操業データに基づいて、前記モデル
によるモデル計算値Ycal を算出して、該モデル計算値
Ycal と今回材料の実績値Yact とのズレFを算出し、
,前記ズレFが、前回材料までの実績値とモデル計算
値との時系列的なズレの平滑値Ftoに対する比または差
で表される値Fg を算出し、,前記値Fg が、区分さ
れた前記各ブロックi(i=1〜N)毎に、今回材料が
属する他のブロックでのグループのグループ別学習係数
のテーブル値Fgoj(j=1〜N,j≠i)に対する比ま
たは差で表される値Fgi(i=1〜N)を算出し、,
今回材料が属する各ブロック毎のグループのグループ別
学習係数のテーブル値Fgoi(i=1〜N)を、各ブロッ
ク毎に前記値Fgi(i=1〜N)で平滑化したものを、
新たなテーブル値として前記テーブルに記憶し、,前
記ズレFが、今回材料が属する各ブロック毎のグループ
のグループ別学習係数のテーブル値Fgoi (i=1〜
N)に対する比または差で表される値Ft を算出し、
,前記平滑値Ftoを前記値Ft で平滑化したものを、
新たな時系列学習係数として記憶し、,次回材料の設
定計算に際し、前記モデルから算出されるモデル計算値
を、前記テーブルに記憶された次回材料が属する各ブロ
ック毎のグループのグループ別学習係数と新たな時系列
学習係数とに基づいて修正することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】上述する構成を備える本発明に従
えば、設定計算用のモデルを前回までの実績値に基づい
て修正しながら、該モデルに基づいてプロセスラインを
制御する学習制御を行うに際し、予めプロセスラインで
処理する材料の前工程での履歴、種類、サイズ、処理パ
ターン等の操業データ(変動要因)が複数のブロックN
に区分される。この区分に当たっては、相関関係が強い
変動要因は同一のブロックとし、独立した変動要因をブ
ロック別に区分することが望ましい。この区分されたブ
ロックi(i=1〜N)毎にプロセスラインで処理する
材料がグループ別に分類され、各ブロックのグループ別
に、実績値とモデル計算値とのズレが学習係数としてテ
ーブルに記憶される。
【0012】次いで、今回材料の実績操業データからモ
デルを用いて算出されたモデル計算値Ycal と今回材料
の実績値Yact とのズレFが算出され、また、このズレ
Fが前回材料までの実績値とモデル計算値との時系列的
なズレの平滑値Ftoに対する比または差で表される値F
g が算出される。さらに、この値Fg が、区分された前
記各ブロックi(i=1〜N)毎に、今回材料が属する
他のブロックでのグループのグループ別学習係数のテー
ブル値Fgoj(j=1〜N,j≠i)に対する比または差
で表される値Fgi(i=1〜N)が算出される。
【0013】この値Fgi(i=1〜N)は、プロセスラ
インで処理される材料の前工程での履歴、種類、サイ
ズ、処理パターン等の変動要因についてブロックに区分
された各ブロックでのグループの違いによるモデルと現
象とのズレになり、この値Fgiにより、今回材料が属す
る各ブロック毎のグループのグループ別学習係数のテー
ブル値Fgoi(i=1〜N)を、各ブロック毎に平滑化
し、その結果が、新たなグループ別学習係数としてテー
ブルに記憶される。
【0014】一方、前記ズレFが、今回材料が属する各
ブロック毎のグループのグループ別学習係数のテーブル
値Fgoi (i=1〜N)に対する比または差で表される
値Ft が算出される。この値Ft は、時系列的なズレで
あり、この値Ft により前記平滑値Ftoを平滑化し、そ
の結果が新たな時系列学習係数として記憶される。そし
て、次回材料の設定計算に際し、前記モデルから算出さ
れる予測値(モデル計算値)が、前記テーブルに記憶さ
れた次回材料が属する各ブロック毎のグループのグルー
プ別学習係数と新たな時系列学習係数とにより修正さ
れ、現象とモデルとのズレが適切に修正されることにな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。本実施例は、この発明をホットス
トリップミル仕上げ圧延ライン(プロセスライン)での
圧延荷重予測に適用したものであって、ホットストリッ
プミル仕上げ圧延ラインでは、板厚制御を行うために、
各スタンドでの圧延荷重を予測し、この予測圧延荷重に
応じたミル伸びを考慮して各スタンドの圧下位置が設定
される。
【0016】図2は、本発明の方法を実施したホットス
トリップミル仕上げ圧延ラインにおける板厚制御の全体
的な流れを説明するためのフローチャートであり、この
全体的な流れは、従来から行われる周知のものであるの
で、詳細な説明は省略するが、基本的には、設定計算を
行うstepB1 〜B4 の流れと、これに並行して行われる
stepC1 〜C3 の学習計算の流れとがある。
【0017】設定計算では先ず、次回圧延材の指令情報
の読み込み(stepB1)後、各スタンド出側の板厚を決定
し(stepB2)、この出側板厚に対応した圧下条件から各
スタンドでの圧延荷重を計算し(stepB3)、ゲージメー
タ式を用いて各スタンドのロール間隙(圧下位置)を設
定する(stepB4)。
【0018】一方、学習計算では、今回圧延材の実績デ
ータの読み込み(stepC1)後、その実績データを用い
て、設定計算と同じモデル(設定計算用モデル)で圧延
荷重を算出し(stepC2)、実績圧延荷重とモデル計算値
による圧延荷重とのズレを学習し(stepC3)、その学習
結果をstepB3 での次回圧延材の圧延荷重の計算に反映
させている。
【0019】次に、本発明の一実施例としての学習制御
方法について、図1に基づいて説明する。ここで、図1
は、図2におけるstepC3 、stepB3 の手順を詳細に示
したもので、学習方法を説明するためのフローチャート
である。なお、本実施例では、モデルと現象とのズレの
変動要因として、圧延される材料が前もって加熱される
加熱温度の異なる加熱炉の種類、圧延される材料の鋼
種、仕上げ板厚の違いを取り上げ、加熱炉の種類を第1
ブロックとして3種類のグループに、鋼種と仕上げ板厚
を第2ブロックとしてそれぞれ200種類と16種類の
グループに分類した。ホットストリップミル仕上げ圧延
ラインにおける圧延荷重モデルは公知のものであり、下
記(1)式で表される。
【0020】
【数1】 Pcal =σ・B・ld・Qp …………(1) 但し、Pcal(=Ycal):計算圧延荷重、 σ :圧延材の変形抵抗、 B :板幅、 ld:接触弧長、 Qp :圧下力関数、
【0021】今回圧延材の実績データを用いて、(1)
式により各スタンドの計算圧延荷重Pcal(=Ycal)を算
出し(stepA1)、各スタンドに付設されたロードセルに
よって検出された今回圧延材の実績圧延荷重Pact(=Y
act)に基づいて、各スタンド毎に、図1のフローに従い
下記(2)〜(8)各式を用いて、各ブロック毎の新し
いグループ別学習係数Fgni(i=1〜2) と時系列学習
係数Ftnを算出し、今回圧延材が属する各ブロック毎の
グループのグループ別学習係数のテーブル値並びに時系
列学習係数をその新しい値に書き替える。
【0022】つまり、本実施例による制御においては、
これまでの実績値に基づいて設定計算用のモデルを修正
するに当たり、モデルと現象とのズレの変動要因となる
操業データ、圧延される材料が前もって加熱される加熱
炉の種類と圧延される材料の鋼種及び仕上げ板厚を、二
つのブロックに区分し、この区分されたブロック毎のグ
ループ別に実績値とモデルから算出する値とのズレを記
憶するテーブルを予め作成しておく。ここでは、ズレを
比の形で表現した場合について述べる。
【0023】先ず、今回圧延材の実績データを用いて、
(1)式により算出された計算圧延荷重(モデル計算
値)Pcal と、実績圧延荷重(実績値)Pact との比
を、下記(2)式のとおりズレとして算出する(stepA
2)。
【0024】
【数2】 F=Pact /Pcal (=Yact /Ycal )………(2) この比には、圧延ラインの時系列的な変動と、圧延ライ
ンで処理される圧延材の履歴、種類等の違いによる変動
の両者に起因するモデルと現象とのズレが包含されてい
る。
【0025】次に、下記(3)式に示すように、前回圧
延材までの実績値とモデル計算値との時系列的なズレの
平滑値Ftoで前記値Fを除算した値Fg を算出する(st
epA3)。
【0026】
【数3】 Fg =F/Fto …………(3) ここで、平滑値Ftoは後述するように、圧延ラインの時
系列的な変動によるモデルと現象とのズレを表すもので
あり、従って、この値Fg は、圧延ラインで処理される
圧延材の履歴、種類等の種々の変動要因に起因するモデ
ルと現象とのズレを包含する。
【0027】さらに下記(4)式に示すように、変動要
因を二つに区分した各ブロックi(i=1〜2)につい
て、今回材料の属する他のブロックでのグループのグル
ープ別学習係数のテーブル値Fgoj (j=1〜2,j≠
i)で前記値Fg を除算した値Fgi(i=1〜2)を算
出する(stepA4)。
【0028】
【数4】 Fgi=Fg /Fgoj (i=1〜2,j=1〜2,j≠i)……(4) なお、本実施例では、ブロック数が2のため、(4)式
での表現となるが、ブロック数がNの一般的な場合は、
(4)式は下記式(5)のように表現される。
【0029】
【数5】
【0030】次いで、下記(6)式により、このズレF
giで今回圧延材の属する各ブロック毎のグループのグル
ープ別学習係数のテーブル値Fgoi (i=1〜2)を平
滑化し、新たなテーブル値としてテーブルに記憶する
(stepA5)。
【0031】
【数6】 Fgni =αi Fgi+(1−αi )Fgoi (i=1〜2) ……(6) (6)式中、αi は平滑化係数で、0<αi <1であ
り、テーブル値Fgoi はこれまでの学習係数、Fgni は
テーブルに記憶される新たなグループ別学習係数であ
る。
【0032】さらに下記(7)式に示すように、ズレF
を今回圧延材の属する各ブロック毎のグループのグルー
プ別学習係数のテーブル値Fgoi (i=1〜2)で除算
した値Ft を算出する(stepA6)。
【0033】
【数7】
【0034】ここで、Ft は、今回圧延材のモデルと現
象とのズレから、圧延ラインで処理する圧延材の履歴、
種類等の違いによる変動に起因するズレを除去したも
の、即ち、時系列的な変動によるズレを表すものとな
る。
【0035】そして、下記(8)式に示すように、前回
圧延材までの実績値とモデル計算値との時系列的なズレ
の平滑値Ftoを、(7)式によるズレFt で平滑化し、
新たな時系列学習係数として記憶する(stepA7)。
【0036】
【数8】 Ftn=βFt +(1−β)Fto ………(8) この(8)式中、βは平滑化係数で、0<β<1であ
り、Ftoはこれまでの学習係数、Ftnは新たな時系列学
習係数である。
【0037】次回圧延材の設定計算に際しては、次回圧
延材の圧延指令情報から(1)式を用いて各スタンドの
圧延荷重Pcal を計算するとともに、各ブロック毎の新
しいグループ別学習係数Fgni (i=1〜2)と時系列
学習係数Ftnとを用いて、下記(9)式により、予測圧
延荷重(設定計算用圧延荷重)Pset を演算する(step
A8)。
【0038】
【数9】
【0039】ここで、Pset はモデル計算値Pcal を各
ブロック毎の新しいグループ別学習係数Fgni (i=1
〜2)と時系列学習係数Ftnとにより修正したものであ
る。
【0040】上述のように算出された予測圧延荷重(設
定計算用圧延荷重)Pset に基づいて、各スタンドでの
圧下位置Sが、stepB4 において決定される。この圧下
位置Sは、公知の下記(10)式により求めることがで
きる。
【0041】
【数10】 S=h−Pset /M+So ………(10) ここで、Sは圧下位置、hは各スタンドの出側板厚、M
はミル定数、So はロール磨耗、ロール熱膨張等による
オフセットである。
【0042】図3は、本実施例による学習制御を適用し
た圧延荷重の予測精度を実績値と計算値との比で示すグ
ラフで、6号スタンドの例を示している。図3図示の実
施例によれば、3基の加熱炉を、加熱炉Aは加熱温度12
10℃、加熱炉Bは加熱温度1180℃、加熱炉Cは加熱温度
1160℃に使い分けしたが、圧延材がどの加熱炉で加熱さ
れた場合も、圧延荷重の実績値と計算値との比は略1.0
になっており、計算値が実績値と良く一致していること
が判る。
【0043】図4は、圧延材を鋼種と仕上げ板厚でグル
ープ分けした、従来の学習制御を適用した圧延荷重の予
測精度を図3同様に実績値と計算値との比で示すグラフ
で、6号スタンドの例を示している。この従来の学習制
御では、圧延材が加熱された加熱炉の違いによって、顕
著なズレ傾向が見られ、圧延荷重の予測精度が低下して
いることが判る。この加熱炉の違いによるズレは、圧延
材の加熱温度、在炉時間の違いにより、圧延材の内部温
度の分布が異なるためと思われる。即ち、ホットストリ
ップミル仕上げ圧延ラインでは、ラインの入側で圧延材
の表面温度を検出し、この検出値に基づいて仕上げ圧延
ラインでの圧延材の温度降下と、該温度降下に伴う変形
抵抗の変化をモデルにて計算するが、同一の表面温度で
あっても、内部温度の違いにより、温度降下量が異なる
ためである。
【0044】また図5は、本実施例における最終スタン
ド出側での圧延材先端部の板厚的中精度を示すグラフ
で、圧延材先端部の実績板厚は目標板厚に対して±50
μm 以内に制御されており、本実施例による圧延荷重の
学習制御方法が優れていることが証されている。
【0045】このように、本発明の実施例に係るプロセ
スラインにおける学習制御方法によれば、モデルと現象
とのズレの変動要因が多い操業条件下においても、例え
ば圧延ラインにおける圧延荷重を精度良く推定すること
ができ、圧延材の板厚精度を著しく向上させることがで
きる。
【0046】なお、以上説明した実施例では、圧延ライ
ンにおける圧延荷重の学習制御方法について例示してい
るが、本発明方法は、圧延ラインにおける板幅変化量の
学習制御、温度降下量の学習制御、また、冷却ラインに
おける温度降下量の学習制御等、制御対象に影響する変
動要因が多い、複雑なプロセスラインにおける種々の学
習制御に適用することが可能であって、いずれの場合に
も上記実施例と同様な作用効果が発揮される。また、上
記実施例では、実績値とモデル計算値とのズレを比の形
で学習する場合について説明したが、対象量によっては
実績値とモデル計算値とのズレを差の形で表して学習す
るようにしてもよく、この場合でもこの実施例と同様の
方法で学習制御を行わせることができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のプロセス
ラインにおける学習制御方法によれば、観測されるモデ
ルと実際に具現される現象とのズレを、時系列的な変動
とプロセスラインで処理される材料の履歴、種類、サイ
ズ、処理パターン等について複数のブロックに区分した
各々のブロックでのグループの違いによる変動とに分離
して学習し、各々の学習係数の書き替えを行い設定計算
に反映させるようにすることにより、プロセスラインで
の制御に際し、グループ別学習係数のテーブル値の更新
機会を適正な量及びタイミングで取り得ることとなっ
て、現象とモデルとのズレが適切に修正され、プロセス
ラインの処理を極めて高い制御精度で行える効果が奏さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る学習方法を説明するため
のフローチャートで、図2におけるstepC3 、stepB3
の手順を詳細に示したものである。
【図2】本発明の方法を実施したホットストリップミル
仕上げ圧延ラインにおける板厚制御の全体的な流れを説
明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る圧延荷重の実績値と計算
値との比を示すグラフである。
【図4】従来の学習方法による圧延荷重の実績値と計算
値との比を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に係る圧延ラインの最終スタン
ド出側での圧延材先端部の板厚的中精度を示すグラフで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定計算用のモデルを前回までの実績値
    に基づいて修正しながら、該モデルに基づいてプロセス
    ラインを制御する学習制御方法において、 前記プロセスラインで処理する材料の前工程での履歴、
    種類、サイズ、処理パターン等の操業データを複数のブ
    ロックNに区分し、かつ、該区分されたブロックi(i
    =1〜N)毎にプロセスラインで処理する材料をグルー
    プ別に分類して、各ブロックのグループ別に、実績値と
    前記モデルにより算出されたモデル計算値とのズレを学
    習係数として記憶するテーブルをブロック毎に作成して
    おき、 今回材料の実績操業データに基づいて、前記モデルによ
    るモデル計算値Ycalを算出して、該モデル計算値Ycal
    と今回材料の実績値Yact とのズレFを算出し、 前記ズレFが、前回材料までの実績値とモデル計算値と
    の時系列的なズレの平滑値Ftoに対する比または差で表
    される値Fg を算出し、 前記値Fg が、区分された前記各ブロックi(i=1〜
    N)毎に、今回材料が属する他のブロックでのグループ
    のグループ別学習係数のテーブル値Fgoj(j=1〜N,
    j≠i)に対する比または差で表される値Fgi(i=1
    〜N)を算出し、 今回材料が属する各ブロック毎のグループのグループ別
    学習係数のテーブル値Fgoi(i=1〜N)を、各ブロッ
    ク毎に前記値Fgi(i=1〜N)で平滑化したものを、
    新たなテーブル値として前記テーブルに記憶し、 前記ズレFが、今回材料が属する各ブロック毎のグルー
    プのグループ別学習係数のテーブル値Fgoi (i=1〜
    N)に対する比または差で表される値Ft を算出し、 前記平滑値Ftoを前記値Ft で平滑化したものを、新た
    な時系列学習係数として記憶し、 次回材料の設定計算に際し、前記モデルから算出される
    モデル計算値を、前記テーブルに記憶された次回材料が
    属する各ブロック毎のグループのグループ別学習係数と
    新たな時系列学習係数とに基づいて修正することを特徴
    とするプロセスラインにおける学習制御方法。
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