JPH09316370A - 磁性体粒子および磁気記録媒体 - Google Patents

磁性体粒子および磁気記録媒体

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JPH09316370A
JPH09316370A JP13630896A JP13630896A JPH09316370A JP H09316370 A JPH09316370 A JP H09316370A JP 13630896 A JP13630896 A JP 13630896A JP 13630896 A JP13630896 A JP 13630896A JP H09316370 A JPH09316370 A JP H09316370A
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magnetic particles
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JP13630896A
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English (en)
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Toru Hirano
亨 平野
Hiroaki Shimizu
博昭 清水
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒、水溶液中で良好な分散性を示す新
規なコーティング磁性体粒子、それを用いた磁気記録密
度の高い磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 ポリオキシアルキレングリコールビニル
エーテルと無水マレイン酸との共重合体で表面コーティ
ングした磁性体粒子はすぐれた分散性を示し、それを用
いた塗料を基板表面に塗布・乾燥して形成された塗布型
磁性層を有する磁気記録媒体は優れた磁気特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体粒子の分散
剤、該分散剤で表面をコーティングした磁性体粒子およ
びそれを用いた磁気記録媒体とその製造方法に関する。
本願発明の分散剤、該分散剤でコーティングした磁性体
粒子は高い分散性をしめし、それを含有する磁性層を持
つ磁気記録媒体はすぐれた磁気特性を示す。また、該分
散剤、磁性体粒子を用いることにより磁気記録媒体を製
造する際に水系バインダーを用いる事が可能となり簡便
でかつ良好な環境下での塗布作業を可能にする。
【0002】
【従来の技術】磁性体粒子を磁性層に含む塗布型の磁気
記録媒体は、音楽テープ、ビデオテープ、フロッピーデ
ィスク等として広く知られている。その構成は基本的に
は、基材となるポリエステルフィルム等に磁性体粒子、
無機成分及び有機成分からなる塗料を塗布し、磁性層を
形成させている。塗布型磁気記録媒体において磁気記録
密度を増大することが常に求められており、それにはバ
インダーをもちいて基材表面に塗布固定する磁性体粒子
をより小さくする事が有効であることが知られている。
【0003】しかし、この場合問題点がある。磁性体粒
子は一般的にバインダー溶液に対して低濡れ性を呈する
と共に磁気凝集性を示し、高磁気記録密度を示す磁気記
録媒体を製造するに際して、バインダー溶液中で磁性体
粒子を微粒子の1個1個に分離、分散させることが難し
く、また一度分散した微粒子が互いに再凝集しようとす
る傾向を抑えることも困難である。
【0004】この問題解決のために、バインダー溶液に
対して低い濡れ性、磁気凝集性を改良するために一般に
塗布塗料(磁性体粒子を含むバインダー溶液)には分散
剤が添加される。しかし、磁気特性の面からみれば不純
物である分散剤の混入は磁気特性の低下を招く原因とな
る。また、分散剤を使用しても、磁性微粒子の分散性が
必ずしも向上しない場合も多くみられるので、分散剤の
選定は重要なポイントとなる。そこで、磁性微粒子の分
散性改良の目的から磁性体粒子の表面を改質することに
よってバインダー溶液中での高い分散性を付与すること
が考えられている。このような表面処理方法として一般
的な粉体については実用化されているが磁性体微粒子の
場合には磁気凝集特性が強く、効率の良い表面処理が困
難であった。
【0005】磁性体粒子を脂肪酸等の界面活性剤でコー
ティングした磁性流体が、磁気シール剤、鉱物の浮遊分
離技術に等に利用されているが、安定性の優れた磁性流
体の提供あるいはこれを製造する方法は未だ改良すべき
点が多い。
【0006】磁性層をベースフィルムの上に形成させる
には、原料を有機溶媒に分散させて塗料を作り、しかる
のち基材表面に塗布し、磁性体粒子を配向させるために
磁場中を通し、更に乾燥されている。この場合トルエン
等の有機溶媒に対する磁性体粒子の分散性が、磁性層の
特性に大きく影響するため、その改善が課題の一つとさ
れている。また、磁性体粒子含有塗料にトルエン等の有
機溶媒を使用しているために、塗料化工程あるいは塗布
工程において作業環境あるいは廃液処理設備等について
考慮することが必要で、環境への悪影響も問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性
体粒子に対して良好な分散性を示す分散剤、及び該分散
剤をコーティングした分散性の高い磁性体粒子、およ
び、これを用いた磁気記録密度の高い磁気記録媒体とそ
の製造方法を提供することにある。また、本願発明の分
散剤、コーティング磁性体粒子を用いることにより、磁
性体粒子含有塗料を従来の有機溶媒系のものにかえて水
系のものとすることを可能とし、塗布工程での作業環境
の改善、廃液処理設備等の軽減化を可能とした新規な磁
気記録媒体の製造方法が可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明においてその第
1の発明は、重量平均分子量が500〜500000の
下記の一般式(I)で示されるポリオキシアルキレンビ
ニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体よりなる磁
性体粒子分散剤である。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基
であり、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
り、nは1〜50の整数である)
【0011】その第2の発明は第1の発明の分散剤で表
面をコーティングした磁性体粒子である。その第3の発
明は第2の発明で磁性体粒子がγ−Fe2O3、高Hc型γ−F
e2O3(Fe3O4)、Co含有γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3
O4、フェライト(MxFe3-xO4;MはZn,Ni,Mn,Cr,Cd等の第
一遷移金属、xは0〜1)、バリウムフェライトのいずれ
かである磁性体粒子である。第4の発明は第2または3
の発明の磁性体粒子を分散した磁性体粒子含有塗料を基
板表面に塗布・乾燥して形成された塗布型磁性層を有す
ることを特徴とする磁気記録媒体である。第5の発明は
アクリル樹脂、水、および、第2または3の発明の磁性
体粒子を必須成分とする磁性体粒子含有水系塗料を基材
表面に塗布し、ついで乾燥することを特徴とする第4の
発明の磁気記録媒体の製造方法である。第6の発明は第
1の発明の分散剤、アクリル樹脂、水、および、磁性体
粒子を必須成分とする磁性体粒子含有水系塗料を基材表
面に塗布し、ついで乾燥することを特徴とする磁気記録
媒体の製造方法である。
【0012】本発明に用いられるポリオキシアルキレン
ビニルエーテルは、ポリオキシアルキレンビニルエーテ
ル及び/またはアルキルポリオキシアルキレンビニルエ
ーテルである。すなわち、エチレンオキサイド(E
O)、プロピレンオキサイド(PO)、テトラメチレン
オキサイド(TMO)などの炭素数2〜4のアルキレン
オキサイド付加物のビニルエーテル体と、さらにそれに
炭素数4以下のアルキル基あるいは水素が付加したビニ
ルエーテル体があげられる。これらは1種または2種以
上の混合物であってもよい。このアルキルポリオキシア
ルキレンビニルエーテルのアルキル基の炭素数が5以上
になると疎水性となり、充分な分散性が得られない。
【0013】また、オキシアルキレンビニルエーテルの
アルキレンオキサイドの平均付加モル数は1〜50モル
の範囲で使用される。このアルキレンオキサイドの平均
付加モル数が50を越える場合には、その溶液粘度が上
昇するためハンドリング性能を低下させ好ましくない。
【0014】本発明に用いられるポリオキシアルキレン
ビニルエーテルは、例えば、アセチレンとポリオキシア
ルキレン及び/またはアルキルポリオキシアルキレンと
のレッペ反応で得られる。
【0015】本発明で用いられる無水マレイン酸には、
無水マレイン酸誘導体やα、β−不飽和カルボン酸、例
えば無水シトラコン酸、無水イタコン酸等が含まれてい
てもよい。
【0016】本発明で用いられるポリオキシアルキレン
ビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体の分子量
としては、GPCで測定した重量平均分子量がポリエチ
レングリコール換算で500〜500000が好まし
く、特に好ましくは10000〜100000である。
重量平均分子量が500より小さい場合は、磁性体微粒
子の分散性が低下し、また、500000を越えると粘
度の増加により加工性が低下したり、凝集性能の発現に
よって分散性能が低下する。
【0017】本発明で使用される共重合体の製造方法に
おいて、ポリオキシアルキレンビニルエーテルと無水マ
レイン酸の仕込比は、任意に選ぶことが出来るが、無水
マレイン酸の反応率を上げるためには、無水マレイン酸
1モルに対して、ポリオキシアルキレンビニルエーテル
を1モル以上使用することが好ましい。
【0018】重合は、ベンゾイルパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を使用し、
通常ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等のベンゼン
誘導体、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、四塩化炭素、クロロホルム等の有機ハロゲン
化物などの溶媒中で、5〜150℃でラジカル共重合を
行う。また、溶媒を使用せずにポリオキシアルキレンビ
ニルエーテルに無水マレイン酸を溶解させた後、上述の
ラジカル開始剤によりバルク重合することも可能であ
る。なお、得られる共重合体の特性を変えない範囲で、
スチレン、αオレフィン等のオレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニル
エーテル類などの単量体を共重合することも出来る。
【0019】上記のようにして得られた共重合体のコー
ティング剤で磁性体粒子の表面をコーティング処理する
には例えばボールミル法、ホモミキサー法、サンドミル
法、ソニケーション法等の適宜の方法によって行うこと
ができるが、特にサンドミル法は、コーティング効果等
の点で好ましい方法である。一例として以下の方法があ
る。すなわち水、有機溶媒、例えばエタノール、メタノ
ール、アセトン、ジオキサン、2-ブタノール、ジメチル
スルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロ
エタン等、或いは水と有機溶媒の混合液に磁性体粒子と
コーティング剤を加え、超音波乳化器などによって分散
させてコーティングする。これらの磁性体粒子と上記表
面コーティング剤の混合比は、重量比で磁性体粒子10
に対してコーティング剤1〜2重量%の範囲がよい。
【0020】また、コーティング剤共存下に、第一鉄イ
オン、または第一鉄イオンとM(=Zn,Ni,Mn,Cr,Cd)の金
属イオンを含む水溶液中の第一鉄イオンを、空気、過酸
化水素、硝酸イオン、亜硝酸イオンなどで酸化(温度2
0〜80℃、pH6.6〜11程度)することにより、
Fe3O4若しくはMxFe3-xO4(xは0〜1)をコーティングで
きる。かかる製法は磁性流体の製法に適している。
【0021】コーティング剤の無水マレイン酸部分は、
加水分解されていてもコーティング能に影響しない。
【0022】本発明において、磁性体粒子は特に限定さ
れるものではないが、従来周知の種々の磁性体粒子を対
象とすることができ、これを例示すれば、Fe2O3、γ−F
e2O3、高Hc型γ−Fe2O3(Fe3O4)、Co含有γ−Fe2O3、Co
被着γ−Fe2O3、Fe3O4、フェライト(MxFe3-xO4;MはZn,
Ni,Mn,Cr,Cd等の第一遷移金属、xは0〜1)、バリウム
フェイト等を例示することができる。磁性体粒子の粒径
はおおよそ0.1μm〜0.5μmの範囲で、上記記録
媒体に従来使用されている範囲のものがそのまま使用で
きる。対象とされる磁性体粒子は、特に良好な分散性の
得にくい範囲の粒径(10mμ〜5nm)のものに対し
て有効に用いられるが、これ以外の範囲の磁性体粒子に
対しても利用できる。
【0023】本願発明のコーティング磁性体粒子はコー
ティングされていない磁性体粒子と比較して有機溶媒中
において優れた分散性をしめし、従来の磁性体粒子と同
様に塗料化し基材の表面に塗布、乾燥させて磁気記録媒
体となす事ができる。一方該磁性体粒子は親水性をも示
し、したがって水に分散させることができる。この磁性
体粒子含有水系塗料には用途に応じて適当なバインダ
ー、硬化剤、潤滑剤、可塑化剤、界面活性剤、帯電防止
剤、研磨剤等のものを適宜添加混合することができる。
コーティング磁性体粒子を用いずに本発明の分散剤をコ
ーティングしていない磁性体粒子とともに用いる事もで
きる。
【0024】本発明においては水を塗料溶媒として用い
る場合バインダーとしてアクリル樹脂が好適に用いられ
る。アクリル樹脂は、特に限定されるものではないが、
アクリル酸およびメタクリル酸のメチルエステル、エチ
ルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ジメチルアミノエチルエステル、メチルエチルア
ミノエチルエステル、ジエチルアミノメチルエステル、
ジプロピルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチ
ルエステル、ジメチルアミノプロピルエステル等が挙げ
られる。
【0025】本発明で使用する磁性体粒子含有水系塗料
では、アクリル樹脂と水を30:70から50:50の
範囲とすることがよい。30:70以下では水が蒸発し
にくく乾燥が困難になるという問題点があり、また、5
0:50以上ではアクリル樹脂が過剰のために、磁性層
中の磁性体粒子が減少し高密度化しにくいという問題が
ある。
【0026】上記塗料を基材に塗布する方法には特に限
定されず従来の方法すなわち、ナイフコーター式、リバ
ースロールコーター式、グラビアロールコーター式等を
利用できる。塗料は基材に塗布され、乾燥後、カレンダ
ー処理を施して表面を平滑にする。
【0027】本発明において基材としては、例えばポリ
エステルフィルム等のテープ状基材が使用され、磁気記
録テープとしてあるいはフロッピーディスクとして磁気
記録媒体が製造される。
【0028】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて更に詳細に説
明する。 (実施例1) 〔重合〕温度計、撹拌器、適下装置、窒素ガス導入管を
備えたガラス製オートクレーブに、メトキシトリエチレ
ングリコールビニルエーテル72gと無水マレイン酸4
0g及びメチルエチルケトンを溶媒として仕込み、窒素
雰囲気下で80℃に加熱した。これにアゾビスイソブチ
ロニトリルの1重量%メチルエチルケトン溶液からなる
開始剤液を添加し、重合反応を行った。次いで減圧乾燥
により溶媒を除去し共重合体(a)を得た。使用したポ
リオキシアルキレンビニルエーテルと得られた共重合体
の重量平均分子量を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】〔コーティング処理〕上記で調整したコー
ティング剤(共重合体(a))100gと、30gのCo
被着γ−Fe2O3(針状結晶0.25μm×0.02μ
m)を700mlの水と混ぜ合わせ十分にソニケーター
により分散させた後、95℃で1時間加熱した。加熱時
には数回ソニケーター処理をおこなった。次にアルカリ
水溶液(NaOH)で反応液のpHを9に上げ、更に塩酸により
pHを7に落とした。この後、遠心分離により未反応のコ
ーティング剤を除去し、水で十分に洗浄して精製したコ
ーティング磁性体粒子36gを得た。得られた磁性体粒
子を、電子顕微鏡で観察して結晶が全く破壊されていな
いこと、磁気凝集を起こしていないことを確認した。
【0031】〔分散性試験〕次に、上記コーティング磁
性体粒子を水溶液、エタノール、メタノール、アセト
ン、ジオキサン、2-ブタノール、ジメチルスルホキシ
ド、N,N-ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、
キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1-トリクロ
ロエタンのそれぞれに添加して分散性を、遠心沈降式流
動分布測定装置(島津製作所 SA-LP3)にて観察したと
ころ、24時間の粒径分布に変化は見られず、安定に分
散した。また、本実施例において使用した磁性体粒子の
磁気特性を、コーティングの前後において測定しその結
果を下記表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】〔有機溶媒を用いた磁気記録媒体試験〕得
られたコーティング磁性体粒子25gとバインダー(塩
化ビニルと酢酸ビニルの共重合体:ブタジエンアクリル
ニトリルゴム=1:5)7g、68gの溶媒(トルエ
ン:メチルエチルケトン:イソブチルケトン=1:2:
2)を磁性塗料(ミルベース)として、ドクターブレー
ド法によりポリエチレンテレフタレートフィルム表面に
塗布し磁気記録媒体を作製した。その磁気特性を調べ結
果を下記表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】以上の結果より、本実施例ではコーティン
グにより比表面積の低下が確認され、また磁気特性につ
いても良好であることがわかる。更に、表3の結果から
明らかなように、当該コーティング磁性体粒子を用いて
作製した磁気記録媒体の磁気特性も、Rs値が非常に高く
磁気記録材料としてすぐれていることがわかる。
【0036】〔分散剤の水系バインダー試験〕次にコー
ティング剤(共重合体(a))1.25g、磁性体粒子
Co含有γ−Fe2O3(0.3μm×0.4μm、抗磁力Hc:663O
e、BET(m2/g):32.1、カサ密度(g/ml):0.70、Fe(%):3.
5)12.5g、および水系バインダー(アクリル樹
脂:水=40:60wt%)100gをサンドグライン
ダー(1/8G単筒式サンドグラインダ、BSG1/8
五十嵐機械(株)社製)用セル(約400cc)にコー
ティング剤、バインダー液、撹拌用のガラスビーズ(粒
径約1.5mm)20g、磁性粉の順に充填し、その中
にグラインディング用の羽根を挿入し、さらにその上か
ら155gのガラスビーズを加え、2000rpmで1
5分間撹拌した。撹拌後、ガラスビーズを除去し、約1
0gの磁性粉含有水系塗料を得た。この磁性粉含有水系
塗料を遠心沈降式流動分布測定装置(島津製作所 SA-L
P3)にて観察したところ、24時間の粒径分布に変化は
見られず、安定に分散した。
【0037】〔磁気記録媒体の製造〕次にこの磁性粉含
有水系塗料を磁気テープ用のポリエステルフィルム(厚
さ12μm)の片面にナイフコーター式コーティングマシ
ン(藤井精機(株)社製)を用い、ナイフとベース間が15
μmで塗布し、約3200Gの磁場中を通過させて粒子
を配向せ、熱風乾燥(約50℃)して磁性層を形成さ
せ、水系塗料を用いた磁気記録媒体を得た。得られた磁
性層の厚みは塗布時ウエットで約10μm、乾燥時で約
3〜5μmであった。
【0038】得られた磁気記録媒体の表面は光沢があ
り、爪によるひっかき試験によるはがれもなく、高い密
着性を示した。また振動試料型磁力計BHV-55型(理研電
子(株)社製)による磁気測定の結果、角形比0.914(角
形比が1に近いほど磁性粒子がフィルム表面に均一に、
また高密度に配列していることを示す)、抗磁力 820O
e、という極めて高い値であることが確認され、非常に
工業化に適したものであることが分かった。試験の結果
を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】〔コーティング磁性体粒子の水系バインダ
ー試験〕得られたコーティング磁性体粒子12.5gお
よび水系バインダー(アクリル樹脂:水=40:60w
t%)100gをサンドグラインダー(1/8G単筒式
サンドグラインダ、BSG1/8 五十嵐機械(株)社
製)用セル(約400cc)にバインダー液、撹拌用の
ガラスビーズ(粒径約1.5mm)20g、磁性体粒子
の順に充填し、その中にグラインディング用の羽根を挿
入し、さらにその上から155gのガラスビーズを加
え、2000rpmで15分間撹拌した。撹拌後、ガラ
スビーズを除去し、約10gの磁性粉含有水系塗料を得
た。この磁性粉含有水系塗料を遠心沈降式流動分布測定
装置(島津製作所 SA-LP3)にて観察したところ、24
時間の粒径分布に変化は見られず、安定に分散した。
【0041】(実施例2〜5)共重合体(b)〜(e)
は表1に記載した各種のポリオキシアルキレンビニルエ
ーテルと無水マレイン酸から、実施例1と同様に、重合
反応を行い得た。使用したポリオキシアルキレンビニル
エーテルと得られた共重合体の重量平均分子量を表1に
示す。
【0042】製造した共重合体(b)〜(e)について
実施例1と同様にしてコーティング磁性体粒子を調製し
たところ同様に優れた分散性、磁気特性のコーティング
磁性体粒子が得られた。同じく、実施例1と同様にし
て、分散剤の水系バインダー試験を行ったところ同様に
良好な分散性を示した。またポリエステルフィルムに塗
工した磁気記録媒体はすぐれた磁気特性を示した。試験
の結果を表4に示す。
【0043】(実施例6)実施例1における磁性体粒子
をCo含有γ−Fe2O3(0.3μm×0.03μm)に変
更した以外は実施例1と同様にしてコーティング磁性体
粒子を調製したところ、同様に優れた分散特性、磁気特
性のコーティング磁性体粒子が得られた。また、実施例
1と同様にして分散剤の水系バインダー試験を行ったと
ころ、同様に良好な分散性を示した。また、ポリエステ
ルフィルムに塗工した磁気記録媒体はすぐれた磁気特性
を示した。試験の結果を表4に示す。
【0044】(実施例7〜9)上記実施例1で調製した
コーティング剤(共重合体(a))80gと、(実施例
7)では30gのFe2O3(約0.3μm)、(実施例
8)では30gのγ−Fe2O3標準サイズ(約0.6μ
m)、(実施例9)では30gのγ−Fe2O3微粒子型
(0.4μm)、のそれぞれと500mlの水と混ぜ合
わせて十分にソニケーターにより分散させた後、95℃
で1時間加熱した。加熱時には数回ソニケーター処理を
おこなった。次にアルカリ水溶液(NaOH)で反応液のpHを
9に上げ、更に塩酸によりpHを7に落とした。
【0045】この後、遠心分離により未反応のコーティ
ング剤を除去し、水で十分に洗浄して精製したコーティ
ング磁性体粒子をそれぞれ34g、33g、33.5g
を得た。得られた磁性体粒子を、電子顕微鏡で観察して
結晶が全く破壊されていないこと、磁気凝集を起こして
いないことを確認した。次に、上記それぞれのコーティ
ング磁性体粒子を水溶液、エタノール、メタノール、ア
セトン、ジオキサン、2-ブタノール、ジメチルスルホキ
シド、N,N-ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1-トリ
クロロエタンのそれぞれに添加して分散性を、観察した
ところ、分散性は安定しており、24時間の粒径分布に
変化は見られなかった。
【0046】(比較例1、2)比較共重合体(f)〜
(g)は表1に示したそれぞれのポリオキシアルキレン
ビニルエーテルと無水マレイン酸を仕込み、実施例1と
同様に、重合反応を行った。使用したポリオキシアルキ
レンビニルエーテルと得られた共重合体の重量平均分子
量を表1に示した。
【0047】製造した共重合体について実施例1と同様
にしてコーティング磁性体粒子を調製した。得られた磁
性体粒子を、電子顕微鏡で観察したところ、結晶は全く
破壊されていなかったが、共重合体(f)(g)共に磁
気凝集を起こしていた。次に、上記それぞれのコーティ
ング磁性体粒子を水溶液、エタノール、メタノール、ア
セトン、ジオキサン、2-ブタノール、ジメチルスルホキ
シド、N,N-ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1-トリ
クロロエタンのそれぞれに添加して分散性を、観察した
ところ、共重合体(f)(g)共に沈澱が観察された。
【0048】製造した共重合体について実施例1と同様
にして分散剤の水系バインダー試験を行ったところ、共
重合体(f)(g)共に沈澱が観察された。試験の結果
を表4に示す。
【0049】
【発明の効果】本発明により得られる分散剤、コーティ
ング磁性体粒子は、有機溶媒及び水溶液中で良好な分散
性を示し、磁気記録媒体あるいは磁性流体、磁性塗料に
用いるコーティング磁性体粒子としての優れた特性を示
す。すなわち、基板上に塗布された磁性層の厚みを極め
て薄くすることができ、かつ磁性粉を高充填、高配向と
することができ、向密度磁気記録ができる効果がある。
また、水系塗料として磁性粉の高分散性を確保できるの
で、作業環境の改善、廃液処理設備等の軽減化を可能と
し、磁気記録媒体の製品コストの低減化、環境の改善に
効果がある。また、本発明の水系塗料を用いた磁気記録
媒体によれば、角形比0.9以上の優れた磁気記録保持性
を示す記録媒体が実現できるという効果がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が500〜500000
    の下記の一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン
    ビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体よりなる
    磁性体粒子分散剤。 【化1】 (式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは
    水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜
    50の整数である)
  2. 【請求項2】 請求項1の分散剤で表面をコーティング
    した磁性体粒子。
  3. 【請求項3】 磁性体粒子がγ−Fe2O3、高Hc型γ−Fe2
    O3(Fe3O4)、Co含有γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe
    3O4、フェライト(MxFe3-xO4;MはZn,Ni,Mn,Cr,Cd等の第
    一遷移金属、xは0〜1)、バリウムフェライトのいずれ
    かである請求項2の磁性体粒子。
  4. 【請求項4】 請求項2または3の磁性体粒子を分散し
    た磁性体粒子含有塗料を基板表面に塗布・乾燥して形成
    された塗布型磁性層を有することを特徴とする磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 アクリル樹脂、水、および、請求項2ま
    たは請求項3の磁性体粒子を必須成分とする磁性体粒子
    含有水系塗料を基材表面に塗布し、ついで乾燥すること
    を特徴とする請求項4の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1の分散剤、アクリル樹脂、水、
    および、磁性体粒子を必須成分とする磁性体粒子含有水
    系塗料を基材表面に塗布し、ついで乾燥することを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1069139A2 (de) * 1999-07-13 2001-01-17 Clariant GmbH Wässrige Polymerdispersion, ihre Herstellung und Verwendung
DE102006049381A1 (de) * 2006-10-19 2008-04-24 Süd-Chemie AG Amphiphile Pfropfpolymere

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EP1069139A3 (de) * 1999-07-13 2003-03-12 Clariant GmbH Wässrige Polymerdispersion, ihre Herstellung und Verwendung
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