JPH09315977A - 骨減少を防ぐためのプロゲステロン作用薬とエストロゲン作用薬との組み合わせ療法 - Google Patents

骨減少を防ぐためのプロゲステロン作用薬とエストロゲン作用薬との組み合わせ療法

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JPH09315977A
JPH09315977A JP9039073A JP3907397A JPH09315977A JP H09315977 A JPH09315977 A JP H09315977A JP 9039073 A JP9039073 A JP 9039073A JP 3907397 A JP3907397 A JP 3907397A JP H09315977 A JPH09315977 A JP H09315977A
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David B Maclean
デーヴィッド・ビー・マクリーン
David D Thompson
デーヴィッド・ディー・トンプソン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】骨減少を阻止する方法を提供する。 【解決手段】本発明は、骨減少の治療を必要とする哺乳
動物に対し、式I 【化1】 (式中のR1及びR2は同一でも異なっていてもよいが、
1及びR2が同一の場合、それらはメチル或いはエチル
基で、R1及びR2が異なる場合、一方はメチル或いはエ
チルで、他方は水素或いはベンジルである)で表される
化合物、或いは医薬品として使用可能なそれらの塩の有
効量を、プロゲスチンと共に、投与することを含む、骨
減少を阻止する方法を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨減少を防ぐため
のプロゲステロン作用薬とエストロゲン作用薬との組み
合わせ療法とに関する。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症とは、それを引き起こす原因は
様々ながら、骨の単位体積当たりの正味質量が減少する
ことをその特徴とする一群の疾患のことを指している。
この骨の減少は、体を構造上適切に支えている骨格の不
全に起因しており、それが骨折の原因となる。骨粗鬆症
の最も一般的なタイプは、閉経後短期間の女性に起こ
る。ほとんどの女性は、月経停止後 3年から 6年以内に
海綿質(trabecular)部分の骨質量が 20-60%減少する。
この急激な骨質量の減少は、一般に骨の吸収、及び形
成、その両方が高まることと関連づけて考えられる。し
かしながら、吸収サイクルがより活性化すると、結果的
に骨の正味質量は減少する。
【0003】この様に骨粗鬆症は、閉経後の女性に起こ
りがちな、しかも深刻な疾患である。アメリカ合衆国だ
けでも、およそ 2,500万人の女性がこの疾患に悩まされ
ている。この疾患は本人を苦しめるだけでなく、経済的
な負担ももたらす。大きな経済的負担の要因は、この疾
患が慢性であること、及びこの疾患の余病には幅広く長
期にわたる養生(入院及び家庭での養生)が必要とされる
ことにある。この負担は、より高年齢の患者にとって特
に深刻である。さらに骨粗鬆症は、通常生命を脅かすよ
うな症状はないと考えられているが、高年齢の女性にお
いて、その死亡率の20-30%は股関節骨折に関連してい
る。この死亡率の高さは、閉経後に起こる骨粗鬆症と直
接関連があると考えることができる。
【0004】閉経後の骨粗鬆症の影響で最も傷つき易い
骨組織は海綿質の骨である。この組織はしばしば骨の海
綿質、或いは上海綿骨と呼ばれるもので、特に骨の末端
部、関節周辺、及び脊椎し(脊椎突起物(vertebrae of t
he spine))に集中している。海綿質組織の特徴はその小
さな骨様構造にあり、それらは互いに内部で連結し、骨
の外表及び中心骨幹を構成しているより堅くて密度の高
い皮質組織とも内部で連結している。この海綿質の交差
網状組織(criss-cross network)が外皮構造を側面から
支え、全体構造の身体力学的強さの臨界となっている。
閉経後の骨粗鬆症において、骨の不全及び骨折を引き起
こす第一の原因は海綿質の正味の吸収と減少とにある。
閉経後の女性に海綿質の減少が見られることを考慮すれ
ば、骨折が海綿質の支えに強く依存している骨、例えば
椎骨、重みを支えている骨(大腿骨)の頚部、及び上腕骨
に最も起こり易いのは驚くべきことではない。実際、股
関節骨折、コリーズ骨折、及び椎骨圧迫骨折は、閉経後
骨粗鬆症の定番である。
【0005】閉経後の骨粗鬆症を治療、及び研究するう
えで非常に重要な概念は、骨折閾値の概念である。骨折
閾値とは、骨の密度(言い換えれば、骨の強さ)が、骨折
が起こる確率が高くなる値にまで減少したときの点のこ
とである。この点は、全ての女性に対して一つの決まっ
た値ではなく、むしろ一人に一つの値があり、これは体
重、生活スタイル、或いは、骨折を起こし易くさせるそ
の他の危険性のような数多くの要因によって決められ
る。
【0006】一般に、閉経前の女性の骨密度は骨折閾値
よりも高く、従って骨折の起こる確率は低い。閉経前の
ある女性が、いつその閾値を越えて骨折を起こし易くな
るのか、或いはそうなるのかならないのかは、閉経後の
彼女の骨密度と骨の減少率とによって決まることにな
る。骨粗鬆症によって既に骨折してしまった女性にとっ
ては、彼女の骨密度(強度)を骨折閾値よりも高い値に
まで高めることが理想的な療法となる。一方、骨密度が
まだ骨折閾値よりも高い女性にとっては、その高い状態
を維持することがよいであろう。
【0007】今日、閉経後に起こる骨粗鬆症の唯一有効
な治療法は、ホルモン置換療法、特にエストロゲン置換
療法である。何故ならば、閉経後の女性はエストロゲン
が不足するからである。骨粗鬆症治療における、エスト
ロゲンの作用メカニズムはよく解っていないが、一般に
は骨吸収の阻害と考えられている。エストロゲン置換療
法(ERT)の実質上の効果は、女性の骨密度をその療法
が開始された時点のレベルのままにすること、すなわ
ち、骨密度を維持することにある。もしも、ERTを開
始した時点での彼女の骨密度が骨折閾値を上回っている
ならば、そしてERTを持続して行うならば、彼女は閾
値よりも高い状態を維持し続け、骨折の確率は低いであ
ろう。この事実は、閉経時に、或いは閉経直後にERT
を施した女性に関して論じられるものである。
【0008】しかしながら、骨密度がすでに骨折閾値を
下回っている女性に関しては、療法を始めた時点のレベ
ルで骨密度を維持するに過ぎないのである。従って、こ
れらの女性の骨密度は依然として閾値よりも低く、骨折
の危険性もそのままであろう。それでもなお、ERTは
これらの女性にとって適当な療法なのである。何故なら
ば、悪い状態でもそれを維持し、さらに悪化させずに済
むからである。しかし、骨密度を骨折閾値よりも高いよ
り正常なレベルにまで上げ、さらにそれを維持する療法
があったなら、その方が好ましいのは明らかである。現
在のところ、そのようなレベルにまで骨密度を高めるこ
とができるとされる、有効性が承認された療法はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、現時点
で、閉経後の骨粗鬆症に有効と承認されている治療法は
ERTのみである。子宮を持たない女性の場合、エスト
ロゲン(通常、エストロンの複合形として)を自ら得るこ
とはできない。しかしながら、子宮を有する閉経後の女
性のほとんどにおいては、妨害されることのないエスト
ロゲンが、子宮内膜への癌の発生確率を高くする。従っ
て、その危険性を低くするため、しばしばプロゲスチン
が組み合わせ療法として、或いは周期療法の中で投与さ
れる。
【0010】“アンチエストロゲン"と言う言葉は、
“エストロゲンの作用を阻害、或いは緩和するいくつか
の異なるタイプの化合物について、むしろ幅広く適用さ
れる。プロゲスチン、及びアンドロゲンは、アンチエス
トロゲン性…として記載される"(グッドマンとギルマ
ン,The Pharmacological Basis of Therapeutics,6th
Ed.,p 1431)。さらに、タモキシフェン、クロミフェ
ン、ドロロキシフェン、及びナホキシジンのようなある
種の合成化合物は、エストロゲンのいくつかの作用を阻
害することが試験的にも、臨床的にも証明されている。
合成“アンチエストロゲン"は、主としてエストロゲン
依存性乳癌の治療用に開発されたものである。これらの
化合物は、作用薬/拮抗薬の典型的な混合物で、いくつ
かのエストロゲン作用を示す。例えば、アンチエストロ
ゲンとして最も広く用いられているタモキシフェンは、
人ではエストロゲン性効果を示す。
【0011】ある種の 3-ベンゾイル-ベンゾチオフェン
とプロゲスチンとを組み合わせて用いると、骨の減少を
防ぐのに効果的であることが判明した。EP 665,015
A2.
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、骨減少の治療
を必要とする哺乳動物に対し、式I
【化2】 (式中のR1及びR2は同一でも異なっていてもよいが、
1及びR2が同一の場合、それらはメチル或いはエチル
基で、R1及びR2が異なる場合、一方はメチル或いはエ
チル基で、他方は水素或いはベンジル基である)で表さ
れる化合物、或いは医薬品として使用可能なそれらの塩
の有効量を、やはり有効量のプロゲスチンと共に投与す
ることを含む、骨減少を阻止する方法に関するものであ
る。好ましいプロゲスチンには、メドロキシプロゲステ
ロン、ノルエチンドロン、或いはノルエチノドレルがあ
る。式Iの化合物で好ましいのは、R1及びR2がメチル
の化合物である。好ましい塩はクエン酸である。
【0013】本発明は、骨減少を阻止する方法に関する
ものである。“阻止"と言う言葉には、それが一般的に
解釈されている意味合いが含まれるものとし、骨の減少
状態、或いは病状が一つ、或いはそれ以上起こらないよ
う、被験者を予防のために処置すること、この様な状
態、或いは病状を検査して把握すること、及び/或いは
この様な症状を治療することが含まれる。従って本発明
の方法は、医学的療法、及び/或いは予防処置を含むの
が適当である。
【0014】本発明の方法は、治療を必要とする個体に
対し、式I
【化3】 (式中のR1及びR2は同一でも異なっていてもよいが、
1及びR2が同一の場合、それらはメチル或いはエチル
基で、R1及びR2が異なる場合、一方はメチル或いはエ
チル基で、他方は水素或いはベンジル基である)で表さ
れる化合物、或いは医薬品として使用可能なそれらの塩
の有効量を、メドロキシプロゲステロン、ノルエチンド
ロン、或いはノルエチノドレルより選んだプロゲスチン
の有効量と共に投与することによって実施される。
【0015】
【発明の実施の形態】プロゲスチンは、市販のものを入
手することが可能で、アルゲストンアセトフェニド、ア
ルトレノジェスト、酢酸アマジノン、酢酸アナゲスト
ン、酢酸クロルマジノン、シンゲストール、酢酸クロジ
ェストン、酢酸クロメジェストン、酢酸デルマジノン、
デソジェストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロ
ン、エチネロン、二酢酸エチノジオール、エトノジェス
トレル、酢酸フルロゲストン、ゲスタクロン、ゲストデ
ン、カプロン酸ゲストノロン、ゲストリノン、ハロプロ
ゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、レ
ボノルジェストレル、リネストレノール、メドロゲスト
ン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メレンゲスト
ロール、二酢酸メチノジオール、ノルエチンドロン、酢
酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルジェスチ
メート、ノルジェストメト、ノルジェストレル、フェン
プロピオン酸オキソゲストン、プロゲステロン、酢酸キ
ンゲスタノール、キンゲストロン、及びチゲストールが
含まれる。
【0016】好ましいプロゲスチンは、メドロキシプロ
ゲステロン、ノルエチンドロン、及びノルエチノドレル
である。
【0017】プロゲスチンの投与量は、一日に約 0.1
から 10 mgで、式Iの化合物と組み合わせて一日に約
0.25 から 5 mg投与するのが望ましい。
【0018】式Iの化合物は技術的に既知であり、実際
には参考文献としてここに載せた米国特許番号 5,047,4
31に記載の方法を経て調製される。
【0019】式Iの化合物で好ましいのは、R1及びR2
がメチルのものである。この好ましい化合物は、ドロロ
キシフェン、(E)-1-[4´-(2-ジメチルアミノエトキシ)
フェニル]-1-(3-ヒドロキシフェニル)-2-フェニルブト-
1-エンとして知られている化合物で、抗エストロゲン性
薬剤としては既に文献に記載があり、ホルモン依存性乳
房腫瘍の治療(米国特許番号 5,047,431)、及びエストロ
ゲン、或いはその類似物の欠乏によって引き起こされる
骨の疾患の軽減(米国特許番号 5,254,594)に有効であ
る。さらにドロロキシフェンは、タモキシフェンのよう
な他の抗エストロゲン性化合物に比べ、子宮向性効果が
低いことも知られている。
【0020】本発明の方法において、式Iの化合物は、
遊離塩基の形で用いることも可能であるが、医薬品とし
て使用可能な塩として調製し、用いるのが望ましい。こ
の様に本発明の方法に用いられる化合物は、幅広く様々
な無機酸、及び望ましくは有機酸と共に、医薬品として
使用可能な酸及び塩基付加塩を形成しており、これに
は、医薬品化学にしばしば用いられる生理学的に使用可
能な塩も含まれる。この様な塩を形成するのに用いられ
る無機酸の代表的なものには、塩酸、臭化水素酸、ヨウ
化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次亜リン酸、及びその
類似物がある。脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル
置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、及びヒドロキ
シアルカンジオン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スル
ホン酸のような有機酸から導いた塩を用いてもよい。医
薬品として使用可能なこの様な塩には、酢酸塩、フェニ
ル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコ
ルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ
安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸
塩、メチル安息香酸塩、O-アセトキシ安息香酸塩、ナフ
タレン-2-安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェニル
酪酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-1,4-ジオン酸
塩、ヘキシン-1,4-ジオン酸塩、カプリン酸塩、カプリ
ル酸塩、塩化物、珪皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマ
ル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳
酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン
酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチ
ン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、フタル酸
塩、テレフタル酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン
酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオル
酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリ
チル酸塩、セバシン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、硫
酸塩、硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-ブロモ
フェニルスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、
エタンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸
塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、p-トルエンスルホン
酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩、及びその類似
物がある。好ましい塩はクエン酸塩である。
【0021】医薬品として使用可能な酸添加塩は、一般
に式Iの化合物をそれと等モル、或いは過剰の酸と反応
させて生成する。反応剤は、通常ジエチルエーテル、或
いはベンゼンのような相互溶剤中で混合させる。塩は、
普通約一時間から十日以内に溶液から沈殿してくるの
で、従来の方法に従って濾過して分離することもできる
し、或いは溶媒を除去することもできる。
【0022】式Iで表される化合物の医薬品として使用
可能な塩は、一般に誘導前の化合物に比べて溶解性が高
まり、それによって、しばしば溶液或いは乳濁液を形成
しやすくなる。
【0023】一旦調製してしまえば、式Iの化合物の遊
離塩基或いは塩、及びプロゲスチンは、ここに記載した
方法によって、治療することが必要な個体への投与が可
能になる。以下の試験例は、本発明の方法を説明するも
のではあるが、限定するものではない。
【0024】本発明の方法に従い、式Iの化合物及びプ
ロゲスチンを、連続的に、或いは一日に一回から四回投
与する。
【0025】ここで用いられる“有効量"と言う言葉
は、本発明の方法に用いられる組成物の、本文に記載の
病状の徴候を阻止し得る量を意味している。もちろん、
本発明に従って投与される化合物の個々の量は、例えば
投与する化合物、投与経路、患者のその時の状態、及び
治療しようとする病状の重症度のような、それを取り巻
く個々の環境によって決定されることになる。通常の一
日量には、本発明の組成物が約 0.25 mg/日から約 100
mg/日の無毒性レベルで含まれている。一般に、一日量
は約 1 mg/日から約 20 mg/日であるのが望ましい。式
Iの化合物は、約0.1 mgから約 10 mgのプロゲスチンと
同時に投与される。
【0026】本発明の化合物は、経口、直腸、経皮、皮
下、静脈、筋内、及び鼻腔内を含めた様々な経路で投与
することができる。これらの化合物は、投与前に配合す
るのが望ましく、どの方法を選ぶかは治療にあたる医師
が決定する。通常、式Iの化合物、或いは医薬品として
使用可能なそれらの塩は、医薬品として使用可能なキャ
リヤー、稀釈剤、或いは賦形剤と混合して医薬品配合物
とする。
【0027】この様な配合物には、その総量の 0.1から
99.9重量%の活性成分が含まれている。“医薬品とし
て使用可能な"と言う用語が付く場合、そのキャリヤ
ー、稀釈剤、賦形剤、及び/或いは塩は、配合物の他の
成分と適合せねばならないし、それらを投与される者に
有害であってはならない。
【0028】式Iの化合物を含む医薬品配合物は、よく
知られた入手容易な成分を用い、技術的に既知の方法に
よって調製することができる。例えば式Iの化合物は、
一般的な賦形剤、稀釈剤、或いはキャリヤーと共に配合
して錠剤、カプセル、懸濁剤、粉剤、及びその類似物に
することができる。この様な配合に適した賦形剤、稀釈
剤、及びキャリヤーの例には、澱粉、糖、マンニトー
ル、及び珪酸誘導体のような充填剤及び増量剤;カルボ
キシメチルセルロース、他のセルロース誘導体、アルギ
ン酸塩、ゼラチン、及びポリビニル−ピロリドンのよう
な結合剤;グリセロールのような吸湿剤;炭酸カルシウ
ム、及び炭酸水素ナトリウムのような崩壊剤;パラフィ
ンのように溶解を遅延させる薬剤;第四アンモニウム化
合物のような吸収促進剤;セチルアルコール、及びグリ
セロールモノステアレートのような界面活性剤;カオリ
ン、及びベントナイトのような吸着キャリヤー;及びタ
ルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、及び固体ポリエチレングリコールのような滑剤が
ある。
【0029】本化合物は、経口投与に便利なエリキシル
剤、或いは溶液として配合することもできるし、例えば
筋内、皮下、或いは静脈経路による非経口投与に適した
溶液として配合することもできる。
【0030】さらに本化合物は、持続性剤形、及びその
類似物として配合するのにも良く適している。この配合
物は、その活性成分を、特定の生理学的部位でのみ、或
いはその部位で優先的に、可能な限り一定時間以上放出
し得るものと考えられている。それらの塗料、被膜、及
び保護マトリックスは、例えば高分子物質、或いはワッ
クスから作ることもできる。
【0031】
【実施例】一般に式Iの化合物、及びプロゲスチンは、
その場に適した配合物として投与される。次に示す配合
例は、単に本発明を例示したものであり、発明の範囲を
限定する意味合いのものではない。
【0032】以下の配合における“活性成分"とは、式
Iの化合物或いはそれらの塩;及びプロゲスチンを意味
している。
【0033】配合1:ゼラチンカプセル 硬質のゼラチンカプセルは、以下の成分を用いて調製す
る: 成分 量(mg/カプセル) 活性成分 0.25-100 澱粉,NF 0-650 流動性粉末澱粉 0-50 シリコーン油 350センチストークス 0-15 錠剤配合物は、以下の成分を用いて調製する: 配合2:錠剤 成分 量(mg/錠剤) 活性成分 0.25-100 セルロース,微結晶 200-650 ヒュームド二酸化珪素 10-650 ステアリン酸 5-15 組成剤はブレンドし、圧縮して錠剤にする。
【0034】一錠につき、活性成分を 0.25-100 mg含む
錠剤は、以下のようにしても作られる: 配合3:錠剤 成分 量(mg/錠剤) 活性成分 0.25-100 澱粉 45 セルロース,微結晶 35 ポリビニルピロリドン 4 (10%の水溶液として) カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.5 ステアリン酸マグネシウム 0.5 タルク 1 活性成分、澱粉、及びセルロースを 45番メッシュU.
S.篩に通し、これらを十分に混合する。得られた粉末
をさらに 14番メッシュU.S.篩に通し、これをポリビ
ニルピロリドンの溶液と混合する。この顆粒を 50-60℃
で乾燥し、18番メッシュU.S.篩に通す。カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、及びタルクは、前以て 60番メッシュU.S.篩に通
しておき、これを顆粒に加えて混合した後、錠剤成型機
で圧縮して錠剤とする。
【0035】投与量 5 mlにつき、薬剤を 0.25-100 mg
含む懸濁剤は、以下のようにして作る: 配合4:懸濁剤 成分 量(mg/5 ml) 活性成分 0.25-100 mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50 mg シロップ 1.25 mg 安息香酸溶液 0.10 ml 付香剤 適宜 着色剤 適宜 精製水を加えて 5 ml 薬剤を 45番メッシュU.S.篩に通し、これをカルボキ
シメチルセルロースナトリウム、及びシロップと混合
し、滑らかなペーストにする。安息香酸溶液、芳香剤、
及び着色剤をいくらかの水で稀釈し、これを撹拌しなが
ら加える。必要な体積になるまで水を加える。以下の成
分を含むエアゾール溶液を調製する。
【0036】 配合5:エアゾール 成分 量(重量%) 活性成分 0.25 エタノール 25.75 プロペルラント22(クロロジフルオロメタン) 70.00 活性成分を、エタノールと混合してプロペルラント22の
一部に加え、30℃に冷却して充填装置へと移す。さらに
その必要量をステンレス鋼の容器へ送り、残りのプロペ
ルラントで稀釈する。それからバルブユニットを容器に
嵌める。
【0037】座薬は以下のようにして調製する: 配合6:座薬 成分 量(mg/座薬) 活性成分 250 飽和脂肪酸グリセリド 2,000 活性成分を 60番メッシュU.S.篩に通し、前以て必要
最低限の熱で溶融しておいた飽和脂肪酸グリセリド中に
懸濁させる。さらにこの混合物を、表示容量が2 gの座
薬型にあけ、放置して冷やす。
【0038】静脈内配合物は以下のようにして調製す
る: 配合7:静脈内溶液成分 量 活性成分 20 mg 等張食塩水 1,000 ml 上記成分を含む溶液は、一分間に約 1 mlの速度で静脈
内投与される。
【0039】実施例1 これらの実施例では、閉経後の骨粗鬆症モデルを用い、
様々な治療がもたらす大腿骨の骨密度への効果を測定す
る。
【0040】生後 75日のスプレーグドーリーネズミ(体
重 225から275 g)を、チャールズリバー研究所(ポルテ
ージ、MI)より入手した。それらを三つのグループに分
けて部屋に入れ、任意量の餌(カルシウム含有量は約 1
%)と水とを与えた。室温は 22.2℃±1.7℃とし、最低
相対湿度は 40%にする。部屋の照明時間は、12時間明
るく、12時間暗くする。
【0041】到着してから一週間後、ネズミに麻酔(44
mg/kgのケタミンと 5 mg/kgのキシラジン(Xylazine,バ
トラー、インディアナポリス、IN)を筋内に投与)をかけ
て両側の卵巣を摘出した。
【0042】賦形剤による処理、或いは式Iの化合物と
プロゲスチンとの処理を、手術日当日に麻酔が覚めてか
ら、或いは術後 35日目から開始した。
【0043】経口投与は、1%のカルボキシメチルセル
ロース(CMC) 0.5 ml溶液として、胃管による強制投与法
(gavage)により行った。
【0044】体重は、手術時及び研究中は毎週測定し、
投薬量は体重の変化に応じて調節する。賦形剤による処
置を行った、卵巣摘出済み(ovex)のネズミと摘出してい
ない(intact)ネズミとを、各実験グループと並行して評
価し、これを陰性及び陽性の比較対照とした。
【0045】それらのネズミ(各治療グループに六匹ず
つ)を 35日間毎日処置し、36日目に断頭して犠牲になっ
てもらった。35日間という期間は、下記のようにして測
定した骨密度の減少が最大値になるのに十分な期間であ
る。卵巣の完全な摘出によって生じたエストロゲンの欠
乏を確かなものにするため、犠牲になってもらった時点
で、子宮を取り出して生体外組織を切り離し、湿量を測
定する前に液体含有物を除去した。通常、卵巣の摘出に
より子宮の重量は約 75%減少する。さらに組織学的分
析をするため、子宮を 10%の中性緩衝ホルマリン中に
置く。
【0046】右大腿骨を、膝蓋骨溝から 1 mmの骨幹末
端部で切除し、単一光量子吸収法(single photon absor
ptiometry)でスキャンする。デンシトメーターによる測
定の結果は、骨密度の計算値を、骨の無機質含量及び骨
の幅を関数として表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デーヴィッド・ディー・トンプソン アメリカ合衆国コネチカット州06335,ゲ ールズ・フェリー,ビタースウィート・ド ライブ 37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨減少の治療を必要とする哺乳動物に対
    し、式I 【化1】 (式中のR1及びR2は同一でも異なっていてもよいが、
    1及びR2が同一の場合、それらはメチル或いはエチル
    基で、R1及びR2が異なる場合、一方はメチル或いはエ
    チル基で、他方は水素或いはベンジル基である)で表さ
    れる化合物、或いは医薬品として使用可能なそれらの塩
    の有効量を、プロゲスチンと共に投与することを含む、
    骨減少を阻止する方法。
  2. 【請求項2】 式Iで表される化合物、或いは医薬品と
    して使用可能なそれらの塩の式中のR1及びR2が、それ
    ぞれメチルである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記それらの塩がクエン酸である、請求
    項2の方法。
  4. 【請求項4】 前記プロゲスチンが、メドロキシプロゲ
    ステロン、ノルエチンドロン、及びノルエチノドレルか
    ら成る群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
JP9039073A 1996-02-28 1997-02-24 骨減少を防ぐためのプロゲステロン作用薬とエストロゲン作用薬との組み合わせ療法 Pending JPH09315977A (ja)

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