JPH09315891A - 板状シリコン結晶の製造方法及びこの方法で製造された板状シリコン結晶を用いて作製される太陽電池 - Google Patents

板状シリコン結晶の製造方法及びこの方法で製造された板状シリコン結晶を用いて作製される太陽電池

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JPH09315891A
JPH09315891A JP8154849A JP15484996A JPH09315891A JP H09315891 A JPH09315891 A JP H09315891A JP 8154849 A JP8154849 A JP 8154849A JP 15484996 A JP15484996 A JP 15484996A JP H09315891 A JPH09315891 A JP H09315891A
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silicon crystal
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Masatsugu Kamioka
正嗣 上岡
Toru Yamada
透 山田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 板状シリコン結晶、特に太陽電池用基板材料
として有用な板状シリコン結晶を高品質、高精度かつ低
コスト、高生産性で得ることを目的とする。 【解決手段】 支持板として機能する基板の上に低融点
金属層を形成し、該金属層上にシリコン層、およびその
上に表面保護層を成膜した後、該シリコン層をゾーン状
に溶融し、この溶融帯を順次移行させてシリコン層を結
晶化し、その後該シリコン結晶化層を低融点金属の融点
より高い温度に保持することにより基板と分離して板状
シリコン結晶を得る、ことを特徴とする板状シリコン結
晶の製造方法。そしてこの場合、最初に形成する溶融帯
の一端に種結晶となるシリコン単結晶を接してもよい。
そして、本方法で製造された板状シリコン結晶を用いて
太陽電池を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は板状シリコン結晶、
特には太陽電池用基板材料として有用な板状シリコン結
晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来人類が利用しているエネルギー源は
主として石炭、石油などの化石燃料であるが、これらは
将来枯渇の恐れがあるほか、地球温暖化など環境問題を
背景にして、太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変
換する太陽光発電、すなわち太陽電池による発電が注目
されている。中でもシリコン半導体を用いる太陽電池は
その有効な手段として、これまでも各国でその材料と製
造方法について精力的な開発が進められている。しか
し、今のところ太陽電池による電力価格は、従来の商用
電力の価格に比べて非常に高いものしか得られておら
ず、このことがシリコン半導体を用いる太陽電池の普
及、実用化への最大の障壁になっている。従って、より
一層低価格のシリコン半導体太陽電池の開発が望まれて
いる。
【0003】すなわちシリコンウエーハを、引上法(チ
ョクラルスキ−法)により製造したシリコン単結晶棒、
あるいはキャスト法により製造したシリコン多結晶棒等
の結晶棒からスライスして得ようとすると、シリコン結
晶棒の製造とスライスの製造に多大なコストが必要とな
る上、スライス工程ではシリコン棒の半分近くが切断ロ
スとなってしまうため歩留りが低く、普及,実用化には
程遠いコストとなっている。一方結晶シリコンではなく
アモルファスシリコン薄膜を利用する技術においては、
材料コストは低いものの光電変換効率が低く、耐久性に
も問題があり、電力用としての見通しが立っていない。
従って、光電変換効率が高く、耐久性も良好な結晶シリ
コンで、低コストの太陽電池を作ることが出来れば、普
及、実用化に大きく近づくことができる。
【0004】そこで、従来から太陽電池のコストの中に
占める結晶基板のコストを低減するために、薄いリボン
状ないしは板状のシリコンを製造する方法が研究提案さ
れており、代表的な方法として、スリット状の開口部を
有する治具を用い毛細管現象でシリコン融液を上昇さ
せ、その上端部で結晶化させて板状結晶を育成するEF
G(Edge-defined Film fed Growth)法や、シリコン融
液を同じくスリット状開口部から直接引出し結晶化させ
るゴンペルツ−ステパノフ法、あるいはこれらの変形と
して、シリコン融液を下方に引出す方法、またはシリコ
ン融液表面を過冷却状態に保って治具を用いないで板状
結晶を育成するデンドライト育成法、ないしはWeb法
等の方法が研究提案されている。
【0005】しかしながらこれらの方法は、いずれの方
法においても板状シリコン結晶が成長する固液界面の温
度を全域に渡って安定に保つことが困難であるため、厚
さが一定の板状シリコン結晶を連続して安定に育成する
ことは極めて困難であるという欠点を有する。
【0006】さらにまた、治具を用いる方法ではシリコ
ン融液と治具材料との化学的反応による治具表面層の変
質と形状変化が生じること、治具材料からの汚染によっ
てシリコンの純度が低下することがさけられず、このよ
うなシリコン基板から太陽電池を作製しても、その特性
は悪化し、光電変換効率の低いものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みなされたもので、板状シリコン結晶、特に
太陽電池用基板材料として有用な板状シリコン結晶を高
品質、高精度かつ低コスト、高生産性で得ることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、板状シリコン
結晶の製造方法であって、支持板として機能する基板の
上に低融点金属層を形成し、該金属層上にシリコン層、
およびその上に表面保護層を成膜した後、該シリコン層
をゾーン状に溶融し、この溶融帯を順次移行させてシリ
コン層を結晶化し、その後該シリコン結晶化層を低融点
金属の融点より高い温度に保持することにより基板と分
離して板状シリコン結晶を得ることを特徴とする。
【0009】このようにシリコン層をゾーン状に溶融
し、その溶融帯を順次移行させて結晶化する方法によれ
ば、大面積のシリコン層を容易にかつ高速で結晶化する
ことができる。また、結晶化したシリコン層を低融点金
属の融点より高い温度に保持することにより、当該金属
層は液体状態となっているため、容易にシリコン結晶化
層を基板と分離することができ、所望の板状シリコン結
晶を得ることができる。しかも本法においては、用いら
れる基板はシリコン層のゾーン溶融に耐えるべく高融点
材料が要求されるが、このような比較的高価な基板を破
壊することもなく、この基板はエッチング、洗浄等の簡
単な処理を施すことによって、再利用に供することがで
きるので、一層コストの低減を図ることができる。
【0010】また、本発明の請求項2に記載した発明
は、請求項1に記載の板状シリコン結晶の製造方法であ
って、前記シリコンの溶融帯を順次移行させてシリコン
層を結晶化する場合において、最初に形成する溶融帯の
一端に種結晶となるシリコン単結晶を接することを特徴
とする。
【0011】このように、最初に形成する溶融帯の一端
に種結晶となるシリコン単結晶を接した後、溶融帯を順
次移行させることによって、生成するシリコン結晶化層
を種結晶と同様な方位を有する単結晶あるいは少なくと
も高配向度のものとすることができる。
【0012】そして、上記本発明の板状シリコン結晶の
製造方法においては、支持板として機能する基板を、シ
リコン層のゾーン溶融に耐えるべく、石英,カーボン,
Si34 ,SiC,Mo,Ta,Wとするのが好まし
く(請求項3)、また低融点金属層を、Sn,In,Z
n,Al,Bi,Sbのうちの少なくとも一種とするの
が好ましい(請求項4)。また、この低融点金属層の膜
厚は、結晶化シリコン層と基板との分離を容易にするた
めに、5〜50μmとするのが望ましい(請求項5)。
【0013】次に、生成する板状シリコン結晶を太陽電
池、その他のデバイスの材料として用いるには、電気特
性および厚さを調整しなければならないので、これには
シリコン層を成膜する際に、シリコン原料あるいは雰囲
気ガス中あるいはその両者に、シリコンに対しn型ある
いはp型の導電性を付与する元素を含ませて、製造され
る板状シリコン結晶の抵抗率を0.1〜10Ωcmとな
るようにその導電性および導電率を調整すればよく(請
求項6)、板状シリコン結晶の厚さは10〜500μm
とすればよい(請求項7)。さらに、表面保護層として
は、容易に形成できシリコン層の結晶化をスムースにで
きることから、SiO2 、Si34 のうち少なくとも
一種とすることが好ましい(請求項8)。
【0014】そして、このような本発明の請求項1ない
し請求項8の方法で製造された板状シリコン結晶を用い
て太陽電池を作製すれば、低コスト、高効率のものとす
ることができる(請求項9)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳述す
る。本発明は、前記従来技術の欠点、問題点を克服し、
経済的でかつ安定した品質の板状シリコン結晶、特に板
状シリコン単結晶の製造コストを大幅に低減することが
出来る、新しい製造方法を提供するものである。以下、
本発明の実施形態の一例を図面を参照しながら説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。ここ
で、図1は本発明のシリコン層をゾーン状に溶融する場
合の概略の説明図であり、図2は本発明の別の実施形態
を示したもので、最初に形成する溶融帯の一端にシリコ
ン単結晶を接し、ゾーン状に溶融する場合の概略の断面
説明図である。
【0016】図1のように本発明の方法では、まず支持
板として機能する基板11を準備し、この支持基板11
上に低融点金属をコーティングし金属層12を形成する
が、この支持基板11としては、その後のシリコン層の
結晶化工程においてシリコンを溶融する温度に耐え得る
高融点基板(シリコンの融点より高融点)とする必要が
あり、これには石英,カーボン,Si34 ,SiC,
Mo,Ta,W等を使用することができる。
【0017】また低融点金属としては、シリコンより融
点が十分に低いSn,In,Zn,Al,Bi,Sbの
うちのいずれかとすることができ、これらは単独でも、
合金でも、あるいは二重にコーティングすることによっ
てもよい。そして、この金属層の膜厚は、5〜50μm
とされる。これは5μmより薄くすると基板と生成シリ
コン結晶化層が一部で固着し、その分離が困難になるこ
とがあるからであり、また50μmもあれば分離には十
分であるとともに、無駄を防止するためである。したが
って、金属層12の厚さは、好ましくは10〜30μm
とするのがよい。
【0018】また、支持基板11上に低融点金属層12
をコーティングする方法としては、真空蒸着、CVD、
スパッタ成膜、イオンプレーティング等の一般の薄膜形
成技術を用いることができるが、成膜速度の点から真空
蒸着によるのが好ましい。
【0019】次に、本発明では、上記のようにして形成
された低融点金属層12の上にシリコン層21および表
面保護層22を成膜する。これらの成膜には、CVD、
プラズマ溶射、真空蒸着、スパッタ成膜、イオンプレー
ティング等の一般の薄膜形成技術を用いることができる
が、成膜速度の点から常圧CVDによる成膜が好まし
い。
【0020】そして、シリコン層21の厚さは、そのま
ま生成する板状シリコン結晶の厚さとなるので、所望の
板状シリコン結晶の厚さに応じて、シリコン層21の厚
さを決定すればよいが、板状シリコン結晶を太陽電池、
あるいはその他のデバイスの材料として用いるには、こ
れは10〜500μm厚、特には100〜300μm厚
とすればよい。
【0021】また、生成する板状シリコン結晶を太陽電
池、その他のデバイスの材料として用いるには、電気特
性を調整しなければならないので、これにはシリコン層
を成膜する際に、シリコンに対しn型あるいはp型の導
電性を付与する元素を、予めシリコン原料中に含ませて
おくか、あるいは雰囲気ガス中にこれらの元素を化合物
の形(たとえばB2H6、PH3 )で含有させることによっ
て、製造される板状シリコン結晶の導電型や導電率を任
意に制御することが可能である。そして、本発明におい
て、生成板状シリコン結晶から太陽電池を作製する場合
には、その抵抗率は0.1〜10Ωcmとなるように調
整される。
【0022】さらに、表面保護層22は、シリコン層2
1を結晶化する際に、加熱源23あるいは雰囲気からシ
リコン層21が汚染されるのを防止するとともに、シリ
コン層21の結晶化をスムースに行うためのものであ
る。このような表面保護層22としては、容易に形成で
き、外部からの汚染に対しても防止効果の高いことから
SiO2 、またはSi34 とすればよく、これらを単
独であるいは2重構造として用いてもよい。そして、こ
のような表面保護層22の厚さとしては、1〜10μ
m、特には2〜5μmとすれば、汚染の防止に十分であ
るとともに、後工程でこの表面保護層22を除去する場
合にも容易である。
【0023】次に、本発明では、上記のようにして成膜
されたシリコン層21の一端をゾーン状に溶融して溶融
帯を形成し、この溶融帯を他端に向けて順次移行させて
シリコン層を結晶化させ、シリコン結晶化層を生成させ
る。
【0024】このようなゾーン状の溶融帯を形成するた
めの加熱源(上部ヒータ)23としては、基板に近接し
て置かれた線状のカーボンヒータとすればよいが、カー
ボンサセプタを用いた高周波加熱、ハロゲンランプ加
熱、レーザー加熱、電子ビーム加熱等によってもよい。
【0025】また、溶融帯を移行させるには、不図示の
移動機構を、加熱源23および/または支持基板11の
保持台(本実施形態では、下部ヒータ24が基板の保持
台を兼ねている。)に設置すればよく、これらの相対的
な移行速度と加熱源23に供給するパワーを調整するこ
とによって、溶融帯の移行速度、すなわちシリコン層2
1の結晶化速度を調整することができるとともに、生成
したシリコン結晶の品質を調整することができる。
【0026】この場合、図2のように、最初に形成する
溶融帯の一端に種結晶となるシリコン単結晶31を接し
た後、溶融帯を順次移行させることによって、生成する
シリコン結晶化層を、用いた種結晶31と同様な方位を
有する単結晶あるいは少なくとも高配向度のものとする
ことができる。例えば、シリコン層21の一端に種結晶
となるシリコン単結晶薄片31を接し、この接触線上を
線状の加熱源23で加熱して、シリコン単結晶31とシ
リコン層21の接触点をゾーン状に溶融することによっ
て最初の溶融帯を形成し、次いでこの溶融帯を順次シリ
コン層21方向に移行させ、単結晶側から固化させれば
よい。この場合、溶融帯の移行速度を遅くするほど、生
成するシリコン結晶化層は単結晶となり易い。
【0027】そして、溶融帯をシリコン層の他端に移行
するのが終了し、シリコン層21の結晶化が終了したな
ら、シリコン結晶化層を用いた低融点金属の融点より高
い温度にまで冷却し、この温度範囲に保持する。この温
度では、金属層12は液体状態となっているので、容易
にシリコン結晶化層を基板11と分離することができ、
所望の板状シリコン結晶を得ることができる。この場
合、シリコン結晶化層を冷却中に前記温度範囲において
素早く結晶化層と基板11を分離することも考えられる
が、実際はゾーン溶融によって基板の温度は一様でない
ため、前記温度範囲に結晶化層を保持するため、下部ヒ
ータ24を設けて、基板全体を一様に加熱出来るように
するのが望ましい。
【0028】こうして生成シリコン結晶化層と基板11
は分離されるので、比較的高価な基板11を破壊するこ
ともなく、この基板はエッチング、洗浄等の簡単な処理
を施すことによって、再度本発明の支持基板11として
用いることができ、基板コストの低減をも図ることがで
きる。
【0029】最後に、得られたシリコン結晶基板の表面
には、表面保護層22および低融点金属が付着している
ので、これらを例えばフッ酸、あるいはフッ酸/硝酸混
合液等でエッチング除去し、次いでアンモニア/過酸化
水素水溶液で洗浄して、目的とする板状シリコン結晶を
得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例をあげる。 (実施例1)まず、25mm角、1mm厚のSiC基板
を用意した。この基板上にSnを20μm真空蒸着し、
次に常圧CVD装置によりシリコン層を220μm、そ
の上にSiO2 表面保護層を2μm成膜した。シリコン
層成膜の際の原料ガスは、SiHCl3 (5vol% )/H
2 を使用したが、この雰囲気中にB26 を添加し、成
膜されたシリコン層が結晶化の後に、比抵抗が約1Ωcm
の値を示すようにした。
【0031】こうして出来たサンプルを、図1に示すよ
うにチャンバー25内に配置されたパイロリティックグ
ラファイト(PG)/パイロリティックボロンナイトラ
イド(PBN)からなる下部セラミックヒータ24の上
に載置し、上部のカーボン製線状ヒータ23によって、
シリコン層21の一端を溶融し、溶融帯を形成した。そ
して不図示の移動機構によって下部セラミックヒータ2
4をゆっくりと水平移動させ、ゾーン状の溶融帯を順次
移行させてシリコン層21を結晶化した。
【0032】この場合、チャンバー25内は、真空また
は不活性ガスを流すことが出来るが、本実施例では0.
1Paの真空中で行った。また、上部ヒータ23、下部
ヒータ24の温度は、それぞれ2200℃、1300℃
とした。また、上部ヒータ23とサンプルの表面との間
隔は1mmとし、溶融帯の移行速度(下部ヒータの走査
速度)は1mm/secとした。
【0033】シリコン層21の結晶化が終了したなら、
上部ヒータ23の電源を切り、下部ヒータ24のパワー
を調整して、サンプル温度を250℃まで降温し、その
温度に保持した。その上で、液体Sn層上のシリコン結
晶化層を取り出し、基板11と分離することで板状シリ
コン結晶とし、これをフッ酸に漬けてSiO2 表面保護
層22およびSnを除去した。最後に80℃のアンモニ
ア/過酸化水素水溶液で洗浄し、所望の板状シリコン結
晶を得た。
【0034】(実施例2)次に、実施例1と同様に25
mm角、1mm厚のSiC基板を用意した。この基板上
にInを20μm真空蒸着し、次に常圧CVD装置によ
りシリコン層を220μm、その上にSiO2 表面保護
層を2μm成膜した。シリコン層成膜の際の原料ガス
は、SiHCl3 (5vol% )/H2 を使用したが、この
雰囲気中にB26 を添加し、成膜されたシリコン層が
結晶化の後に、比抵抗が約1Ωcmの値を示すようにし
た。
【0035】こうして出来たサンプルを、図2に示すよ
うにチャンバー内に配置されたPG/PBNからなる下
部セラミックヒータ24の上に載置した。そしてこのよ
うなサンプルの一端に種結晶となる線状の単結晶シリコ
ン31を、シリコン層21の端部に接するように配置
し、この接触線を上部のカーボン製線状ヒータ23によ
って加熱し、シリコン単結晶31とシリコン層21との
接触点を線状に溶融し、溶融帯を形成した。そして不図
示の移動機構によって下部セラミックヒータ24をゆっ
くりと水平移動させ、ゾーン状の溶融帯を順次移行させ
てシリコン層21を結晶化した。
【0036】この場合、雰囲気ガス、ヒータ温度、上部
ヒータとサンプル表面との間隔、溶融帯の移行速度等の
他の条件は、実施例1と同様とした。
【0037】シリコン層21の結晶化が終了したなら、
上部ヒータ23の電源を切り、下部ヒータ24のパワー
を調整して、サンプル温度を220℃まで降温し、その
温度に保持した。その上で、液体In層上のシリコン結
晶化層を取り出し、基板11と分離することで板状シリ
コン結晶とし、これをフッ酸に漬けてSiO2 表面保護
層22およびInを除去した。最後に80℃のアンモニ
ア/過酸化水素水溶液で洗浄し、所望の板状シリコン結
晶を得た。
【0038】(実施例3)実施例1、実施例2で得られ
たP型の板状シリコン結晶を熱拡散炉を用いてリンを拡
散させ、p−n接合を形成した後、熱酸化により酸化膜
を形成した。このときの接合深さは0.15μm、不純
物の表面濃度は1×1020/cm2 であり、酸化膜厚は
10nmであった。次に、裏面の酸化膜、拡散層を除去
した後、板状シリコン結晶の表面の拡散層には、銀粉
末、ガラスフリット、セルロース系有機バインダー、有
機溶媒を配合成分とする銀ペーストを電極材料とし、板
状シリコン結晶の裏面には、銀粉末、アルミ粉末、ガラ
スフリット、セルロース系有機バインダー、有機溶媒を
配合成分とする銀−アルミペーストを電極材料として、
スクリーン印刷法を用いてそれぞれの電極パターンを描
いた後、600℃で焼成した。その後、常圧CVDによ
り酸化チタンを55nm堆積させ、反射防止膜層を形成
し、図3に示すような構造の太陽電池を作製した。
【0039】この太陽電池にAM1.5、100mW/
cm2 、28℃の条件で光電変換効率を測定したとこ
ろ、実施例1の板状シリコン結晶を用いて作製した太陽
電池では12.5%、実施例2の板状シリコン結晶を用
いて作製した太陽電池では14.2%であった。
【0040】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0041】
【発明の効果】本発明により、高純度、高精度の板状シ
リコン結晶、特に太陽電池用基板材料として有用な板状
シリコン結晶を安定して、かつ低コストで得ることがで
きる。従って、このような板状シリコン結晶から低コス
トで高効率の太陽電池を作製することが出来るので、太
陽電池の普及に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン層をゾーン状に溶融する場合
の概略の説明図である。
【図2】本発明の別の実施形態を示したもので、最初に
形成する溶融帯の一端にシリコン単結晶を接し、ゾーン
状に溶融する場合の概略の断面説明図である。
【図3】本発明の板状シリコン結晶を用いて作製した太
陽電池構造の断面説明図である。
【符号の説明】
11…支持基板、 12…低融点金属
層、21…シリコン層、 22…表面保
護層、23…加熱源(上部ヒータ)、 24…下部
セラミックヒータ、25…チャンバー、31…シリコン
単結晶、41…板状シリコン結晶、 42…n
+ 層、43…酸化膜、 44…表面
電極、45…裏面電極、 46…p+
層、47…反射防止膜。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持板として機能する基板の上に低融点
    金属層を形成し、該金属層上にシリコン層、およびその
    上に表面保護層を成膜した後、該シリコン層をゾーン状
    に溶融し、この溶融帯を順次移行させてシリコン層を結
    晶化し、その後該シリコン結晶化層を低融点金属の融点
    より高い温度に保持することにより基板と分離して板状
    シリコン結晶を得る、ことを特徴とする板状シリコン結
    晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコンの溶融帯を順次移行させて
    シリコン層を結晶化する場合において、最初に形成する
    溶融帯の一端に種結晶となるシリコン単結晶を接する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の板状シリコン結晶の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記支持板として機能する基板を、石
    英,カーボン,Si34 ,SiC,Mo,Ta,Wと
    した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の板状シリコン結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記低融点金属層を、Sn,In,Z
    n,Al,Bi,Sbのうちの少なくとも一種とした、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一
    項に記載の板状シリコン結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記低融点金属層の膜厚を、5〜50μ
    mとした、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    いずれか一項に記載の板状シリコン結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン層を成膜する際に、シリコ
    ン原料あるいは雰囲気ガス中あるいはその両者に、シリ
    コンに対しn型あるいはp型の導電性を付与する元素を
    含ませて、製造される板状シリコン結晶の抵抗率を0.
    1〜10Ωcmとなるようにその導電性および導電率を
    調整する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5の
    いずれか一項に記載の板状シリコン結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 製造する板状シリコン結晶の厚さを10
    〜500μmとする、ことを特徴とする請求項1ないし
    請求項6のいずれか一項に記載の板状シリコン結晶の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記表面保護層をSiO2 、Si34
    のうち少なくとも一種とすることを特徴とする請求項1
    ないし請求項7のいずれか一項に記載の板状シリコン結
    晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8の方法で製造さ
    れた板状シリコン結晶を用いて作製される太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308756A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Furukawa Electric Co Ltd:The 薄膜シリコン基板およびその製造方法

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