JP2007308756A - 薄膜シリコン基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜シリコン基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CVDによるガス成膜法を用いて、高温かつ高成膜速度で薄肉シリコン基板を得る。
【解決手段】本発明は、断面の幅/厚さの比が10以下の帯状薄肉ガラス基板の片面に、CVD法により原料ガスを反応させシリコン薄膜100μ〜5μを堆積させたことを特徴とする、太陽電池用シリコン基板に関るものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池、高温p−Si薄膜トランジスタなどに用いる薄膜シリコン基板の構造及び製造方法に関する。
近年、環境負荷が小さく、再生可能なエネルギー源として太陽光発電の普及が促進されており、太陽光発電のさらなる拡大のために太陽電池モジュールの製造コストの低減が求められている。その中で、現在生産されている太陽電池の大部分を占めている結晶シリコン太陽電池に関しては、製造コストの約40%をシリコン基板自体が占めており、基板原材料コストの削減が必要不可欠な状況である。
現状主流をなすバルク結晶のスライスによる基板化に関しては、カーブロスが避けられず、ハンドリングが困難となる為薄肉化には限界がある。
一方、非特許文献1に示されるEFG法などに代表されるリボン引き上げ法に関しては、スライスコストが不要でカーブロスはなくなるプロセスであり、一部実用化されている。しかし、この製造方法は溶湯からの表面張力に依存するので成膜条件の制御が難しく、凝固条件を安定化する為に引き上げ速度の高速化に関して制約が生じ、更なるコスト低減が困難である。
また、特開2004−307951号公報(特許文献1)には、CVD法により基板上に成膜し、結晶粒粗大化し、剥離することによってSi基板を得る方法が開示されている。この方法では、Si膜厚を100μm以下に薄肉化した場合、膜表面の凹凸、シリコン基板に付着したSiOの残留の影響により、剥離時に加える曲げ応力により基板の割れが生じ、薄肉のシリコン基板の製造は困難であると考えられる。
さらに、特開平7−187819号公報(特許文献2)には、ファイバ条のガラス基板に一旦Si薄膜を形成し、それを平板基板上に配列し、局部的に再溶融、凝固することによって良質なシリコン結晶を得ることが開示されている。この場合には、シリコン膜厚に対し、ファイバを含むガラス基板の厚みが大きく、ガラス等の耐熱性基板でシリコンとの熱膨張率の差が大きく、クラックの発生を抑止できないと考えられる。
ガラス基板の厚みが厚い場合の、シリコン膜のレーザーによる再溶融化時のクラックの発生状況に関しては、非特許文献2に記載されており、石英ガラス基板を用いた場合のクラックが発生しない臨界シリコン膜厚は0.2〜0.3μmと示されている。
特開2004−307951号公報 特開平7−187819号公報 OPTELECTORONICS-Devices and Technologies, Vol. 5, No.2, pp.239-257,1990.12 平成15年度 新エネルギー・産業技術総合啓発機構 業務委託成果報告書 太陽光発電技術研究開発 革新的次世代太陽光発電システム技術研究開発 ラテラル結晶化薄膜シリコン太陽電池の研究開発、日立電線株式会社、pp27-32
上述したように、非特許文献1に開示された方法では、溶湯からの表面張力に依存するので成膜条件の制御が難しく、凝固条件を安定化する為に引き上げ速度の高速化に関して制約が生じ、更なるコスト低減が困難である。特許文献1に開示された方法では、剥離時に加える曲げ応力により基板の割れが生じ、薄肉のシリコン基板の製造は困難である。特許文献2に開示された方法では、シリコン膜厚に対し、ファイバを含むガラス基板の厚みが大きく、ガラス等の耐熱性基板でシリコンとの熱膨張率の差が大きく、クラックの発生を抑止できない。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、CVDによるガス成膜法を用いて、高温かつ高成膜速度で薄肉シリコン基板を得ることにある。
耐熱性の基板としては、熱CVDによる成膜速度を高めること、太陽電池としての特性を高める為にシリコン結晶粒の粗大化を図る為、再溶融時にシリコンの融点以上の温度にさらされることより、純石英が望ましい。
また、純石英ガラスを基板として用いた場合には、加熱状態から冷却された際の、シリコン基板と石英ガラス基板の熱膨張率の差により発生する応力によりクラックが発生しやすいことが知られている。
上述した応力を緩和する方法として、薄肉の基板を用いることを見出した。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第1の態様は、断面の幅/厚さの比が10以下の帯状薄肉ガラス基板と、その片面に、CVD原料を反応させて堆積された5μ〜100μのシリコン層とからなる太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第2の態様は、前記シリコン層の厚さT1に対し前記ガラス基板の厚さT2が200%以内であることを特徴とする太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第3の態様は、前記ガラス基板の撓み量は、ガラス基板幅が最大25mmに対し1.5mm以内であることを特徴とする太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第4の態様は、前記ガラス基板が、線引法により形成された石英ガラスである太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第5の態様は、ガラス基板の上に堆積されたシリコン層の上にSiOキャップ層を形成し、Si融点以上、石英ガラス軟化点以下の温度で局部的に加熱、再凝固して、結晶粒を拡大する工程により、シリコン結晶粒径を10μm〜500μm の範囲内で粗大化したことを特徴とする太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板の第6の態様は、前記ガラス基板をエッチングにより除去した太陽電池用シリコン基板である。
この発明の太陽電池用シリコン基板製造方法の1つの態様は、線引法による帯条ガラス基板の形成後に連続して、CVD法によりシリコン薄膜を形成する太陽電池用シリコン基板製造方法である。
この発明の太陽電池セル製造方法の1つの態様は、線状のシリコン基板上にリールツーリールにより連続的にPN接合、電極、パッシベーション膜を形成する太陽電池セル製造方法である。
石英ガラス基板を断面の幅/厚さの比が10以下の厚みに薄肉化した表面平滑性の高い線引法により製作したものを用い、かつ片面のみにシリコン成膜することで、基板が撓むことにより発生する応力を緩和し、クラックの発生を抑止することが可能となり、薄膜のシリコン基板を得ることができる。
シリコン膜厚が薄い場合には、石英ガラスを撓ませる為の必要応力が増加する為、クラックを抑止する為にはさらに石英ガラス基板の厚みを薄肉化する必要がある。基板はシリコン膜厚Tμmに対し石英ガラス基板厚T2が200%以内であるとき、クラックを抑止することができる。
シリコン基板の大きさを短辺が25mm以下の短冊状もしくは長尺のテープ状の形態とし、その撓み量は1.5mm以内とすることによって、機械的に変形を吸収することができる。
ガラス基板表面の表面粗度は、Si基板に転写されるため平滑であることが望ましい。従って、ガラス基板の製造方法に関しては、2nm以下の良好な平滑性を容易に得ることができ、かつ線引法によると薄肉の断面形状の精密な制御が可能である。
上述した基板にSiOキャップ層を形成し、シリコン融点以上、石英ガラス軟化点以下の温度で局部的に加熱、再凝固し、結晶粒を拡大する工程により結晶粒径を10μm〜500μmの範囲内で粗大化することによって、シリコン基板上に太陽電池等の半導体装置を形成する場合にシリコンの性質を改善することができる。
ガラス基板及びSiOキャップ層をフッ酸等のガラスのみを溶融する酸にてエッチング、除去することによって、太陽電池用のシリコン基板とし用い、従来の安価な太陽電池用のPN接合及び電極を形成する工程を適用することができる。
線引法による帯条ガラス基板の形成後に連続して、CVD原料を反応させ、シリコン薄膜を形成することができる。
本シリコン薄膜基板を用いた太陽電池の製造方法によると、リールツーリールにより連続的になされる。
本発明は、断面の幅/厚さの比が10以下の帯状薄肉ガラス基板の片面に、CVD原料を反応させシリコン層100μ〜5μを堆積させたことを特徴とする、太陽電池用シリコン基板に関るものである。
更に、本発明の製造方法の1つの態様は、耐熱性薄厚ガラス基板の片面に、シリコン膜を形成する工程、これを必要により溶融再結晶化し結晶粒径を拡大する工程及びシリコン基板よりガラス基板を除去する工程よりなる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
基板の可撓性
図2に示す様に、ガラス基板の一方の面の上に薄膜を成膜したシリコン基板における薄膜材料と基材材料の間の熱膨張率差により薄膜内に発生する応力σfilm は、材料の等方的変形を仮定し湾曲等の変形を考慮しないことで、簡便に算出することができる。一般的にシリコン薄膜厚みに対しガラス基板厚みが大きい場合には、ガラス基板の変形がほとんど無視しうるので、発生応力は下式に近似され、基板(薄膜材料および基板材料)の熱膨張率により一義的に規定される。ここで薄膜に発生する応力はαfilm>αsubの条件化では引張応力となり、一般に脆性の材料は引張応力に弱いため、クラック発生の原因となる。
σfilm ≒ Efilm(αfilm・ΔTfilm−αsub・ΔTsub)
Efilm :薄膜材料のヤング率
αfilm :薄膜材料の平均熱膨張率
ΔTfilm :薄膜材料の温度変化量
αsub :基板材料の平均熱膨張率
ΔTsub :基板材料の温度変化量
本発明例で示す通り、薄膜材料としてシリコン、ガラス基板材料として石英ガラスを用いる場合、その熱膨張率はそれぞれ2.8×10-6-1(シリコン)、5.9×10-7-1(石英ガラス)となり、上述したようにαfilm>αsubでは、従来の基板構造においてシリコン側に発生する応力は引張応力となる。
従って一般に、熱CVD法、基板による溶融シリコン法などでクラックの発生しないシリコン薄膜を得ようとする場合、熱膨張率がシリコンに近いカーボン、組成を制御し熱膨張率を調整した特殊なセラミック材料などが基板の材料として用いられている。
これに対し、図1に示すように、片側のみに成膜し且つ基板に十分な変形が生じる場合には、変形により発生応力が緩和される為、応力を低減することが出来、基板のクラック発生を抑止できる。この場合のシリコン薄膜及びガラス基板内の厚み方向の応力分布は、撓みが生じることで接合界面より遠ざかる程緩和され、シリコン薄膜表面側において最小となる。シリコン薄膜の基板表面の発生応力が破壊応力以下とするためにはガラス基板断面の幅/厚さの比を10以下とする必要がある。
また、ガラス基板の両面に成膜した場合には、両面からの圧縮が均等にガラス基板に作用する為、シリコン薄膜は単純な引張り応力状態となる。この場合、応力緩和の効果は期待できない。
ガラス基板の製作
ガラス基板の製作は、図3に示す様な線引装置により行う。10mm幅、100μm厚の断面形状を有するガラス基板を製作するためには、出発母材としては、所定ガラス基板形状の縦・横比と同一で引き落とし率20の矩形母材(200mm幅、2mm厚、長さ1000mm)を使用し、石英軟化点以上、即ち1910℃程度の温度で加熱する。所定の形状まで引き落とし、その引取速度は外形寸法を計測しフィードバック制御をかけることで調整して、厚みで100μm±2μ程度の精度のガラス基板を得ることができる。
ガラス基板の製作は、図4に示す様に複数の母材を同時に線引することが可能であり、生産性を向上できるとともに、2枚同時の線引で線条体への片面の成膜を実現できる。
ガラス基板表面の平滑性は、軟化変形の際に引き伸ばされた自由表面が保持されており、2nm以下の平滑性を得ることができる。また、形成される過程での異物との接触、局部的な応力付与も生じない為、ガラス基板表面でのマイクロクラックの伸長を抑止でき、ガラスの理論引っ張り強度に近い強度を得ることができる。
なお、これらの良好な機械的物性を維持する為には、引取ロールにて接触する前に、紫外線硬化樹脂等の高分子材料、もしくはAl、Cu等の展性の高い金属、緻密性の高いカーボン等によりガラス基板表面をコーティングし、ガラス基板表面を保護することが必要である。
また、後述するガラス基板上へのシリコン成膜及び結晶粒粗大化の工程を、ガラス基板製造工程と連続する形で実施することは、生産性が向上し製造コストの低減に寄与するのみならす、上述したガラス基板の機械的特性を保持する観点からも望ましい。
Si成膜方法
Si成膜に関しては、図5に示すような熱CVD法により行う。ガラス基板の片面のみへの成膜及び均一な基板加熱のために、カーボンサセプターを反応管内に配置し、外部より誘導加熱により1000℃まで加熱する。この内部に原料ガスとしてSiHCl、H、Arガスを導入し、Siを成膜する。線条体を連続的に通線するために、反応管上下は一部を開放しているが、外部からのガスの混入及び内部の反応ガスの外部への漏洩を防止するガスシール機構を設ける。
上述した手法を使用して高い生産性を得る為には、ガラス基板の耐熱性を活用した高温での熱CVDが効果的である。特許文献1にある様な成膜温度における成膜速度1μm/分に対し、この発明では、上述した高温かつ局所での成膜により60μm/分程度の高速成膜速度を得ることができる。
また、原料ガスの収率を高める為には、原料ガスの反応管内壁への付着を抑制することが肝要であり、ガラス基板材料自信の保有熱の活用、反応ガスの外部での分解反応の促進、反応管自体の冷却などを効果的に組み合わせることが必要である。例えば、図6に示す様に、カーボンサセプターを炉心管(反応管)の内壁に円周上に配置し、成膜面の全てにガラス基板を配置することで、原料ガスの反応管への付着を最小限に留めることが可能となる。
結晶粒の粗大化
高速で成膜したシリコン結晶は、粒径数μm程度の微細な結晶が厚み方向に柱状に成長した形態となっており、結晶粒界の影響により光起電力により発生したキャリアのライフタイムが低下してしまい、太陽電池とした場合の変換効率が低下してしまう。従って、得られたシリコン薄膜を再加熱する方法で、シリコン結晶粒径を拡大するプロセスが必要となる。
再加熱して結晶粒径を拡大する手法としては、シリコンの融点以下の温度で固相のまま再加熱する固相成長方法と、シリコンを融点以上の温度に加熱し溶融した状態から再度凝固させる液相成長法がある。
しかし、固相成長方法においては、一旦結晶化したシリコンの粒径拡大は困難であり、出発するシリコン膜としてはアモルファス状態から成膜する必要があり、高い成膜速度は期待できない。
この発明の手法においては、ガラス基板の耐熱性を生かし、液相成長方法による結晶粒径の拡大が望ましい。
再溶融の再には、加熱温度はシリコン融点以上、石英ガラス軟化点以下の温度に線状体の基板の一部を局部的に加熱する。シリコンは溶融状態となり、石英ガラス基板上では表面張力により平坦度が保持されないので、シリコン表面上にキャップ層としてSiOを成膜する必要がある。
結晶粒の成長の為には、降温時の温度を精密に制御することが必要であり、発熱体を移動するか、または基板を移動するかの何れかの手法で凝固時の温度制御を行う。
ガラス除去
シリコン薄膜上に太陽電池セルを形成する際には、基板として用いたガラスを除去することが、変換効率の向上に有効である。片側にガラス絶縁層が形成されている場合には、PN接合及びその電極は同一平面内に形成する必要があり、電極等非発電部が生じることで、変換効率の低下をきたす。これに対し、現在主に製造されている、単結晶もしくは多結晶太陽電池においてはシリコン基板の上下面にPN接合を構成し、入光面側には電極のみが配置される構造が一般的であり、有効発電部を効率的に確保できる。従って、本構造にて形成したシリコン薄膜に関しても、シリコン薄膜形成がなされた段階で、ガラス基板をフッ酸等のガラスのみを溶解する酸を用いてエッチング除去し、シリコン薄膜の状態とすることで、従来と同構造の太陽電池セルを形成することができる。
連続プロセス
上記プロセスで得たシリコン基板は、所定の長さに切断することで、通常のシリコン基板と同様なプロセスにてPN接合を形成し太陽電池とすることができる。また、連続体のままの状態で保護膜を形成することで、一定の張力をかけた状態でのリールツーリール機構によるハンドリングが可能となる。特に基板厚みが通常のシリコン基板の厚みである200μm〜100μm程度であれば、ハンドリングには障害はないが、より薄い厚みになると、移動時に発生する衝撃的な荷重の影響で破損しやすくなり、ハンドリングが著しく困難となる。これに対し、リールツーリール機構を用いることで、一定の張力を付与しながら基板への局部的な応力集中をさけることができ、薄膜のシリコン基板の安定的なハンドリングが可能となる。
さらに、リールツーリールのプロセスにおいて、PN接合を形成するプロセスの効率化も図ることができる。
以上に各工程の実施例を述べる。
実施例1 薄膜シリコン基板の作成
ここでは、薄膜シリコン基板の作成方法を示す。線引法により形成した1mm幅×100μm厚の合成石英ガラス基板を使用し、熱CVDにより片面にシリコン薄膜を形成した。本ガラス基板を内径φ15mmの石英管内に配置し、外部より定速移動機構に接続することで、高温部に対し基板を移動させる方式で成膜をおこなった。高温部の加熱源としては、ガラス基板温度を1000℃以上に加熱できる方法であれば問題ないが、本試作においては、赤外線ランプ型イメージ炉用いた。
原料ガスとして高圧ボンベより供給されたSiH2Cl2 を減圧弁で減圧し、マスフローコントローラーにて2SLMの流量に制御し供給した。同様に希釈ガスとしてArを0.5SLM、還元ガスとしてH2を*SLMを供給し、ガラス基板を移動速度 20mm/sで移動した。
石英ガラス基板の片面は石英管内に配置したカーボンサセプターに接触することで、成膜はなされない為、もう片面のみのシリコン成膜をおこなった。成膜後の基板断面SEM像を図6に示す。シリコン膜厚は60μm程度であり、基板幅方向に*mmの撓みを生じている。これにより基板降温時の熱応力を緩和することがなされており、シリコン基板としても応力を緩和したクラックの発生しない基板をうることができた。
比較例1 ガラス基板比較例
実施例と同サイズの基板の両面に、同様な手法でシリコンを成膜した例を図7に示す。ガラス基板の両側にシリコン膜が配置されているので、均等な引っ張り応力が発生し、シリコン膜上に多くのクラックが発生していることが確認された。
実施例2 薄肉基板による結晶粒粗大化
実施例1に示すシリコン薄肉基板上に、プラズマCVD法により原料ガスとしてTEOSを使用し、SiO2膜を成膜した。本基板を図8に示す装置を用い、誘導加熱により発熱させたカーボンサセ゜プターを用いて、局所的にシリコン融点以上に加熱される基板を、反応管中を一定速度で移動させることで、シリコン膜の溶融及び再凝固を連続的におこなった。移動速度20mm/sにて、シリコン薄膜は平坦化した状態で再結晶化し、操作方向に数百ミクロンまで成長した結晶を得ることができた。
実施例3 薄肉基板による太陽電池セル試作
実施例2に示すシリコン基板を用いて、太陽電池の試作を行った。工程を図9に示す。ガラス基板との接触面側を光の入射側として、PN接合を形成した。シリコン基板の洗浄は硝酸とフッ酸の混合液でエッチンングを行った後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、PSG液を塗布し、POCl3拡散によりp型のシリコン基板にn層を形成した。
得られた太陽電池はAM1.5、100mW/cm2の照射下にて太陽電池特性の評価を行い、効率8.3%が得られ。
実施例4 薄肉基板によるシリコン成膜方法(連続)
図5に示す装置にて、幅2mm、厚み50μmの石英ガラス基板を引取速度20mm/秒で引取を行いながら反応管中を通過させ、SiH2Cl2を200SCCM、H2を2SLM、Arを100SCCM流量を制御しながら反応管内に導入し、ランプヒーターにて1250℃に加熱することで、シリコンの薄膜を成膜し平均膜厚4μm程度のクラックの発生しないシリコン薄膜を得る事ができた。また、連続して紫外線硬化樹脂をコーティングし、紫外線照射して硬化させ、引き取ることで、胴径300Φのリールに破断することなく、巻き取ることができた。さらに本樹脂コーティングしたシリコン基板を、曲げた状態から直線上に進捗し、紫外線硬化樹脂をプラズマ処理で剥離することで、クラックの発生しないシリコン基板を得る事ができた。
以上で述べた様に、本発明のシリコン薄膜基板を用いることで、安価な太陽電池等半導体装置用の良質なシリコン基板を得ることができる。
図1は、この発明のシリコン薄膜とガラス基板の説明をする図である。 図2は、従来の基板と薄膜の構成を説明する概念図である。 図3は、線引法により薄肉ガラス基板を製作する工程の説明をする図である。 図4は、複数の基板に同時にシリコン成膜する工程を説明をする図である。 図5は、線引法により製作したガラス基板上に、熱CVDで連続的にシリコン薄膜を形成する説明をする図である。 図6は、線引法により製作したガラス基板上に、バッチ処理でシリコン薄膜を形成する説明をする図である。 図7は、本発明を実施し、クラックが生じないシリコン薄膜が得られた写真である。 図8は、本発明の比較例として実施し、ガラス基板の両面にシリコン薄膜を形成し、クラックが生じた写真である。 図9は、結晶粒粗大化の為、再溶融凝固プロセスを行った装置を説明する図である。 図10は、セル試作を実施したプロセスを示す図である。 図11は、セル化の工程を本シリコン薄膜基板を用いることでリールツーリールプロセスで連続的にセル製作を行う例を示した図である。

Claims (8)

  1. 断面の幅/厚さの比が10以下の帯状薄肉ガラス基板と、その片面に、CVD原料を反応させて堆積された5μ〜100μのシリコン層とからなる太陽電池用シリコン基板。
  2. 前記シリコン層の厚さT1に対し前記ガラス基板の厚さT2が200%以内であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池用シリコン基板。
  3. 前記ガラス基板の撓み量は、ガラス基板幅が最大25mmに対し1.5mm以内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池用シリコン基板。
  4. 前記ガラス基板が、線引法により形成された石英ガラスである、請求項1から3の何れか1項に記載の太陽電池用シリコン基板。
  5. ガラス基板の上に堆積されたシリコン層の上にSiOキャップ層を形成し、Si融点以上、石英ガラス軟化点以下の温度で局部的に加熱、再凝固して、結晶粒を拡大する工程により、シリコン結晶粒径を10μm〜500μm の範囲内で粗大化したことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池用シリコン基板。
  6. 前記ガラス基板をエッチングにより除去した、請求項5に記載の太陽電池用シリコン基板。
  7. 線引法による帯条ガラス基板の形成後に連続して、CVD法によりシリコン薄膜を形成することを特徴とする太陽電池用シリコン基板製造方法。
  8. 線状のシリコン基板上にリールツーリールにより連続的にPN接合、電極、パッシベーション膜を形成する太陽電池セル製造方法。



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