JPH0931550A - 連続熱処理設備における板幅制御方法 - Google Patents
連続熱処理設備における板幅制御方法Info
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- JPH0931550A JPH0931550A JP18283195A JP18283195A JPH0931550A JP H0931550 A JPH0931550 A JP H0931550A JP 18283195 A JP18283195 A JP 18283195A JP 18283195 A JP18283195 A JP 18283195A JP H0931550 A JPH0931550 A JP H0931550A
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- furnace
- width
- crown
- tension
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- Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 連続焼鈍ラインにおける幅縮み量は、蛇行抑
制のためにクラウンが付与されたハースロールと、スト
リップSの平坦度とに応じた局所的な過張力領域に大き
く影響され、これが考慮されていない従来の制御法では
充分な板幅制御精度が得られない。 【解決手段】 ハースロールのクラウン量と、炉入側で
のストリップSの平坦度とに基づき、ストリップSの板
幅方向張力分布を求めて幅縮み量を予測演算し、この予
測値が許容範囲を超えるときには、例えばクラウン量可
変なクラウン制御ロール27のクラウン形状を調整して
過張力領域をなくすように制御する。
制のためにクラウンが付与されたハースロールと、スト
リップSの平坦度とに応じた局所的な過張力領域に大き
く影響され、これが考慮されていない従来の制御法では
充分な板幅制御精度が得られない。 【解決手段】 ハースロールのクラウン量と、炉入側で
のストリップSの平坦度とに基づき、ストリップSの板
幅方向張力分布を求めて幅縮み量を予測演算し、この予
測値が許容範囲を超えるときには、例えばクラウン量可
変なクラウン制御ロール27のクラウン形状を調整して
過張力領域をなくすように制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば連続焼鈍ラ
インなどの連続熱処理設備における板幅制御方法に関す
るものである。
インなどの連続熱処理設備における板幅制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍ラインでの板幅制御方法に関し
ては、例えば特公昭56-3415 号公報に、炉出側での製品
板幅を均一にするために、炉入側でのストリップの板幅
(材料板幅)と炉出側での製品板幅との偏差に応じて、
炉内張力や炉内通過速度を制御する方法が開示されてい
る。これは、例えば炉内張力が大きいほど、炉内でのス
トリップの幅縮み量が大きくなることから、材料板幅の
変動を幅縮み量で補うように、炉内張力などの炉内操業
条件を調整するものである。
ては、例えば特公昭56-3415 号公報に、炉出側での製品
板幅を均一にするために、炉入側でのストリップの板幅
(材料板幅)と炉出側での製品板幅との偏差に応じて、
炉内張力や炉内通過速度を制御する方法が開示されてい
る。これは、例えば炉内張力が大きいほど、炉内でのス
トリップの幅縮み量が大きくなることから、材料板幅の
変動を幅縮み量で補うように、炉内張力などの炉内操業
条件を調整するものである。
【0003】また、特開昭57-94525号公報にも、上記と
ほぼ同様に、炉内温度が高く、また、炉内張力が大きい
ほど、炉内での幅縮み量が大きくなることを前提に、ス
トリップの幅が広い領域では大きな張力を付与し、幅が
狭い領域では張力を緩めるようにして幅縮み量を制御す
ることにより、製品板幅を均一にしようとする制御方法
が開示されている。
ほぼ同様に、炉内温度が高く、また、炉内張力が大きい
ほど、炉内での幅縮み量が大きくなることを前提に、ス
トリップの幅が広い領域では大きな張力を付与し、幅が
狭い領域では張力を緩めるようにして幅縮み量を制御す
ることにより、製品板幅を均一にしようとする制御方法
が開示されている。
【0004】一方、特開昭63-171835 号公報には、スト
リップ幅方向の板厚分布と板幅とに基づいて炉内張力や
温度を調整することにより、板の断面形状や板幅を制御
する方法が開示されている。この場合、ストリップの蛇
行防止のためにハースロールに設けられている中高のロ
ールクラウンに起因して、減肉率が板幅中央部で大き
く、板幅端部で小さいこと、また、中央部での減肉率や
幅縮み量は温度が高く、また、張力大ほど大きくなるこ
とを前提に、計測された板厚分布と板幅とに応じて炉内
張力や温度が設定される。すなわち、これらの操業条件
に応じた形状変化を見込んで、炉出側では許容範囲内の
寸法形状を有する製品が得られるように制御するもので
ある。
リップ幅方向の板厚分布と板幅とに基づいて炉内張力や
温度を調整することにより、板の断面形状や板幅を制御
する方法が開示されている。この場合、ストリップの蛇
行防止のためにハースロールに設けられている中高のロ
ールクラウンに起因して、減肉率が板幅中央部で大き
く、板幅端部で小さいこと、また、中央部での減肉率や
幅縮み量は温度が高く、また、張力大ほど大きくなるこ
とを前提に、計測された板厚分布と板幅とに応じて炉内
張力や温度が設定される。すなわち、これらの操業条件
に応じた形状変化を見込んで、炉出側では許容範囲内の
寸法形状を有する製品が得られるように制御するもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各公報
記載の方法では、炉入側の板幅変動や板厚分布にのみ対
応させて炉内張力などの操業条件を設定しているため、
必ずしも意図した幅縮み量が得られず、この結果、許容
範囲を逸脱した製品になって歩留りが低下する等の問題
を生じる。
記載の方法では、炉入側の板幅変動や板厚分布にのみ対
応させて炉内張力などの操業条件を設定しているため、
必ずしも意図した幅縮み量が得られず、この結果、許容
範囲を逸脱した製品になって歩留りが低下する等の問題
を生じる。
【0006】つまり、幅縮み量は、後述するように、炉
入側でのストリップの平坦度にも大きく影響されるが、
上記各方法では、この平坦度が何ら考慮されていない。
このため、例えば炉内での操業条件が同一であっても幅
縮み量の変動が生じ易く、これによって、上記した従来
の方法では板幅制御精度に限界を有するものとなってい
る。
入側でのストリップの平坦度にも大きく影響されるが、
上記各方法では、この平坦度が何ら考慮されていない。
このため、例えば炉内での操業条件が同一であっても幅
縮み量の変動が生じ易く、これによって、上記した従来
の方法では板幅制御精度に限界を有するものとなってい
る。
【0007】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、炉内での幅縮み量を的確に
制御することが可能であり、これによって、板幅制御精
度や歩留りを向上し得る連続熱処理設備の板幅制御方法
を提供することにある。
されたもので、その目的は、炉内での幅縮み量を的確に
制御することが可能であり、これによって、板幅制御精
度や歩留りを向上し得る連続熱処理設備の板幅制御方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の連続熱処理設備における板幅制御方法
は、加熱炉内で走行するストリップが巻き掛けられるハ
ースロールのクラウン量と、炉入側でのストリップの平
坦度とに基づいてストリップの板幅方向張力分布から幅
縮み量を予測演算し、この演算結果に基づいて、炉出側
でのストリップの板幅を目標値に近づけるべく炉内操業
条件を調整することを特徴としている(請求項1)。
めに、本発明の連続熱処理設備における板幅制御方法
は、加熱炉内で走行するストリップが巻き掛けられるハ
ースロールのクラウン量と、炉入側でのストリップの平
坦度とに基づいてストリップの板幅方向張力分布から幅
縮み量を予測演算し、この演算結果に基づいて、炉出側
でのストリップの板幅を目標値に近づけるべく炉内操業
条件を調整することを特徴としている(請求項1)。
【0009】上記方法によれば、まず、ハースロールの
クラウン量と、炉入側でのストリップの平坦度とに基づ
き幅縮み量が予測演算される。ここで、ストリップの平
坦度と幅縮み量との関係について説明する。例えば焼鈍
工程における幅縮み量が温度大、張力大で大きくなるこ
とは、前述のように以前から示されているが、この幅縮
み現象に対する厳密な解明はこれまでなされていなかっ
た。しかし、近年、短時間クリープ変形現象について検
討され、高温場(約 700℃〜 850℃)においては、図11
に示すように、約20N/mm2以上の単位面積張力がかかっ
た場合に、急激な伸び歪みの増加が生じることがわかっ
てきている。
クラウン量と、炉入側でのストリップの平坦度とに基づ
き幅縮み量が予測演算される。ここで、ストリップの平
坦度と幅縮み量との関係について説明する。例えば焼鈍
工程における幅縮み量が温度大、張力大で大きくなるこ
とは、前述のように以前から示されているが、この幅縮
み現象に対する厳密な解明はこれまでなされていなかっ
た。しかし、近年、短時間クリープ変形現象について検
討され、高温場(約 700℃〜 850℃)においては、図11
に示すように、約20N/mm2以上の単位面積張力がかかっ
た場合に、急激な伸び歪みの増加が生じることがわかっ
てきている。
【0010】板幅方向張力分布が等分布状態では、通常
の10N/mm2前後のストリップ通板張力では、大きな幅縮
みは発生しない。しかし、炉内のハースロールには、前
記したように、蛇行防止のために中高の凸状クラウンが
設けられている。しかも、ストリップの形状(平坦度)
も様々である。このため、実際のストリップ材には、板
幅方向に大きく変化する張力分布が生じ、例えば、図12
(a) に示すように、冷延タンデムミル(Tandem Cold Mil
l:TCM)出側で耳波が発生しているストリップ材51が連続
焼鈍ライン(Continuous Annealing Line:CAL)に送られ
てくると、炉内のハースロール52に巻き掛けられて炉内
を走行するストリップ51には、板幅中央側の局所的な領
域に、20N/mm2以上の張力がかかった過張力領域が発生
する。また、同図(b) に示すように、TCM 出側で中伸び
が発生しているストリップ材51では、板端部側に過張力
領域が発生する。
の10N/mm2前後のストリップ通板張力では、大きな幅縮
みは発生しない。しかし、炉内のハースロールには、前
記したように、蛇行防止のために中高の凸状クラウンが
設けられている。しかも、ストリップの形状(平坦度)
も様々である。このため、実際のストリップ材には、板
幅方向に大きく変化する張力分布が生じ、例えば、図12
(a) に示すように、冷延タンデムミル(Tandem Cold Mil
l:TCM)出側で耳波が発生しているストリップ材51が連続
焼鈍ライン(Continuous Annealing Line:CAL)に送られ
てくると、炉内のハースロール52に巻き掛けられて炉内
を走行するストリップ51には、板幅中央側の局所的な領
域に、20N/mm2以上の張力がかかった過張力領域が発生
する。また、同図(b) に示すように、TCM 出側で中伸び
が発生しているストリップ材51では、板端部側に過張力
領域が発生する。
【0011】このように、平均張力が小さい場合でも、
ストリップの平坦度とハースロールのクラウン形状との
組合せによって、局所的に20N/mm2以上の張力になる領
域(過張力領域)が生じ易く、この場合に、ストリップ
長手方向伸び歪みが増加し、結果として、幅縮み量が意
図した量よりも大きくなる。すなわち、幅縮み量には、
板幅方向の張力分布の中で過張力領域の有無が大きく影
響し、この過張力領域での伸び歪みによって幅縮み量が
大きく左右されることになる。
ストリップの平坦度とハースロールのクラウン形状との
組合せによって、局所的に20N/mm2以上の張力になる領
域(過張力領域)が生じ易く、この場合に、ストリップ
長手方向伸び歪みが増加し、結果として、幅縮み量が意
図した量よりも大きくなる。すなわち、幅縮み量には、
板幅方向の張力分布の中で過張力領域の有無が大きく影
響し、この過張力領域での伸び歪みによって幅縮み量が
大きく左右されることになる。
【0012】そこで、本発明では、前記のように、ま
ず、ストリップの平坦度とハースロールのクラウン形状
とに基づいて、ストリップが炉内を走行するときの板幅
方向張力分布を求め、さらに、この状態でのクリープに
よる引張塑性変形量を求めて、これから幅縮み量を予測
演算する。そして、例えば予測された幅縮み量が許容範
囲を逸脱する場合に、中伸びであれば板幅エッジ部にか
かる張力が低減するように、耳波であれば板幅中央にか
かる張力が低減するように、炉内張力や炉内温度などの
操業条件を過張力領域がなくなるように調整することに
よって、許容値を越える幅縮みの発生を防止する。
ず、ストリップの平坦度とハースロールのクラウン形状
とに基づいて、ストリップが炉内を走行するときの板幅
方向張力分布を求め、さらに、この状態でのクリープに
よる引張塑性変形量を求めて、これから幅縮み量を予測
演算する。そして、例えば予測された幅縮み量が許容範
囲を逸脱する場合に、中伸びであれば板幅エッジ部にか
かる張力が低減するように、耳波であれば板幅中央にか
かる張力が低減するように、炉内張力や炉内温度などの
操業条件を過張力領域がなくなるように調整することに
よって、許容値を越える幅縮みの発生を防止する。
【0013】このように、本発明では、局所的な過張力
領域が存する場合の伸び歪みに対応する幅縮み量を的確
に把握して操業条件の調整が行われるので、板幅制御精
度が向上し、ひいては歩留りが向上する。本発明では、
さらに、炉内にクラウン形状が可変なクラウン制御ロー
ルを設け、このクラウン制御ロールにおける炉内操業条
件としての上記クラウン形状を前記演算結果に基づき調
整する(請求項2)。
領域が存する場合の伸び歪みに対応する幅縮み量を的確
に把握して操業条件の調整が行われるので、板幅制御精
度が向上し、ひいては歩留りが向上する。本発明では、
さらに、炉内にクラウン形状が可変なクラウン制御ロー
ルを設け、このクラウン制御ロールにおける炉内操業条
件としての上記クラウン形状を前記演算結果に基づき調
整する(請求項2)。
【0014】この場合、例えば炉内張力や炉内温度の調
整と組み合わせることで制御対象幅が広がり、したがっ
て、平坦度が大きく損なわれているようなストリップに
対しても、その幅縮み量が過大にならないように制御す
ることが可能になるので、歩留りがさらに向上する。ま
た、本発明では、炉出側での板幅を計測し、この計測値
に基づいて、上記炉内操業条件の調整量を変更する(請
求項3)。
整と組み合わせることで制御対象幅が広がり、したがっ
て、平坦度が大きく損なわれているようなストリップに
対しても、その幅縮み量が過大にならないように制御す
ることが可能になるので、歩留りがさらに向上する。ま
た、本発明では、炉出側での板幅を計測し、この計測値
に基づいて、上記炉内操業条件の調整量を変更する(請
求項3)。
【0015】このように、炉出側での板幅に基づき、炉
内張力や炉内温度、また、クラウン制御ロールのクラウ
ン量の調整量を修正していくことにより、さらに高い板
幅寸法精度を得ることができる。
内張力や炉内温度、また、クラウン制御ロールのクラウ
ン量の調整量を修正していくことにより、さらに高い板
幅寸法精度を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を説明する。図2に、本発明を適用した連続
焼鈍ラインの一例を示している。このラインには、圧延
後のコイルを巻き戻す二基のペイオフリール1・1が設
けられ、いずれかのペイオフリール1から巻戻されたス
トリップSは、コイルエンドの不良部を切断するダブル
カットシャー2と、連続作業を行うため先行コイルの尾
端と後続コイル先端を接続する溶接機3とを順次通し
て、電解洗浄装置4に送られる。ここで圧延油の除去等
が行われたストリップSは、乾燥後に入側ルーパー塔5
・入側テンションブライドルロール6を通して、加熱炉
7へと送られる。
実施の形態を説明する。図2に、本発明を適用した連続
焼鈍ラインの一例を示している。このラインには、圧延
後のコイルを巻き戻す二基のペイオフリール1・1が設
けられ、いずれかのペイオフリール1から巻戻されたス
トリップSは、コイルエンドの不良部を切断するダブル
カットシャー2と、連続作業を行うため先行コイルの尾
端と後続コイル先端を接続する溶接機3とを順次通し
て、電解洗浄装置4に送られる。ここで圧延油の除去等
が行われたストリップSは、乾燥後に入側ルーパー塔5
・入側テンションブライドルロール6を通して、加熱炉
7へと送られる。
【0017】この加熱炉7には予熱帯8・加熱帯9・均
熱帯10が順次設けられ、これらの加熱処理帯を通して所
定の温度に加熱され保持されたストリップSは、次い
で、ガスジェット冷却帯11・ロール冷却帯12を通して冷
却される。なお、ロール冷却帯12に並列に水焼入帯13が
さらに設けられており、この水焼入帯13を経由するよう
にストリップSの走行経路を切換えることによって、ロ
ール冷却帯12よりも大きな冷却速度でストリップSの冷
却が行われる。
熱帯10が順次設けられ、これらの加熱処理帯を通して所
定の温度に加熱され保持されたストリップSは、次い
で、ガスジェット冷却帯11・ロール冷却帯12を通して冷
却される。なお、ロール冷却帯12に並列に水焼入帯13が
さらに設けられており、この水焼入帯13を経由するよう
にストリップSの走行経路を切換えることによって、ロ
ール冷却帯12よりも大きな冷却速度でストリップSの冷
却が行われる。
【0018】上記の冷却領域を出たストリップSは、さ
らに再加熱帯14・過時効処理帯15・急冷帯16を通して過
時効処理が施されて冷却され、その後、出側テンション
ブライドルロール17・出側ルーパー塔18を経て、焼鈍を
終えたストリップSに対し調質圧延を施すテンパーミル
19に送られる。ここで調質圧延が行われたストリップS
は、両耳を切り落とすサイドトリマー20で所定の板幅に
仕上げられ、さらに、検査機21を通して表面疵の有無等
の検査が行われた後、フライングシャー22によって所定
のコイル長さに切断分割されて、テンションリール23に
巻取られる。
らに再加熱帯14・過時効処理帯15・急冷帯16を通して過
時効処理が施されて冷却され、その後、出側テンション
ブライドルロール17・出側ルーパー塔18を経て、焼鈍を
終えたストリップSに対し調質圧延を施すテンパーミル
19に送られる。ここで調質圧延が行われたストリップS
は、両耳を切り落とすサイドトリマー20で所定の板幅に
仕上げられ、さらに、検査機21を通して表面疵の有無等
の検査が行われた後、フライングシャー22によって所定
のコイル長さに切断分割されて、テンションリール23に
巻取られる。
【0019】上記設備には、さらに、炉体への入側と出
側、すなわち、入側テンションブライドルロール6から
予熱帯8に至るストリップSの走行経路上と、急冷帯16
から出側テンションブライドルロール17に至る走行経路
上とに、それぞれ、入側板幅測定器24・出側板幅測定器
25がそれぞれ設けられている。一方、図3に、前記予熱
帯8と加熱帯9とを挙げて、炉体内の構成を模式的に示
している。図のように、炉内における上部側と下部側と
に交互にハースロール26…が配設されており、ストリッ
プSはこれらハースロール26…に上下交互に巻掛けられ
て炉内を走行する。なお、これらハースロール26には、
ストリップSの蛇行を防止するために、所定の凸クラウ
ンが付与されている。そして、各帯域8・9内における
上記のハースロール26…のうち、図中斜線を施したロー
ルは、クラウン量を変更し得るクラウン制御ロール27で
構成されている。
側、すなわち、入側テンションブライドルロール6から
予熱帯8に至るストリップSの走行経路上と、急冷帯16
から出側テンションブライドルロール17に至る走行経路
上とに、それぞれ、入側板幅測定器24・出側板幅測定器
25がそれぞれ設けられている。一方、図3に、前記予熱
帯8と加熱帯9とを挙げて、炉体内の構成を模式的に示
している。図のように、炉内における上部側と下部側と
に交互にハースロール26…が配設されており、ストリッ
プSはこれらハースロール26…に上下交互に巻掛けられ
て炉内を走行する。なお、これらハースロール26には、
ストリップSの蛇行を防止するために、所定の凸クラウ
ンが付与されている。そして、各帯域8・9内における
上記のハースロール26…のうち、図中斜線を施したロー
ルは、クラウン量を変更し得るクラウン制御ロール27で
構成されている。
【0020】このクラウン制御ロール27は、例えば図4
に示すように、中空状のロールシェル27a内に、このロ
ールシェル27aの一端開口穴を通して冷却風導管28が挿
入され、この冷却風導管28には、ロールシェル27a内周
面における軸方向両端部側で冷却風を吹き出すノズル28
a・28aが連設されている。そして、冷却風導管28は、
ロータリジョイント29を介して外部の送風機30に接続さ
れている。
に示すように、中空状のロールシェル27a内に、このロ
ールシェル27aの一端開口穴を通して冷却風導管28が挿
入され、この冷却風導管28には、ロールシェル27a内周
面における軸方向両端部側で冷却風を吹き出すノズル28
a・28aが連設されている。そして、冷却風導管28は、
ロータリジョイント29を介して外部の送風機30に接続さ
れている。
【0021】このような構成においては、送風機30から
の吹出し風量に応じてロールシェル27aの両端部側の温
度が低下し、軸方向の温度分布が変化してサーマルクラ
ウン量が変化する。したがって、上記の吹き出し風量を
制御することにより、クラウン制御ロール27におけるロ
ールクラウンを所望の形状に調整することが可能となっ
ている。
の吹出し風量に応じてロールシェル27aの両端部側の温
度が低下し、軸方向の温度分布が変化してサーマルクラ
ウン量が変化する。したがって、上記の吹き出し風量を
制御することにより、クラウン制御ロール27におけるロ
ールクラウンを所望の形状に調整することが可能となっ
ている。
【0022】上記構成の連続焼鈍ラインにおいて、本実
施形態では、炉内通過後のストリップSの幅縮み量を許
容値内とするために、上工程での冷延タンデムミル出側
で計測された急峻度と炉内での焼鈍条件とに基づいて幅
縮み量を予測演算し、その演算結果から、前記の入出側
テンションブライドルロール6・17による炉内張力や炉
温、また、上記したクラウン制御ロール27でのクラウン
形状等の操業条件を調整する。そこで、まず、本実施形
態で採用している幅縮み量の予測演算方法について説明
する。
施形態では、炉内通過後のストリップSの幅縮み量を許
容値内とするために、上工程での冷延タンデムミル出側
で計測された急峻度と炉内での焼鈍条件とに基づいて幅
縮み量を予測演算し、その演算結果から、前記の入出側
テンションブライドルロール6・17による炉内張力や炉
温、また、上記したクラウン制御ロール27でのクラウン
形状等の操業条件を調整する。そこで、まず、本実施形
態で採用している幅縮み量の予測演算方法について説明
する。
【0023】図5(a) には、例えば冷間圧延によって中
伸びが生じたストリップSを模式的に示している。この
ストリップSに対する平坦度が、板幅方向にN領域に区
画して各区画領域(以下、要素という)n毎に測定され
る。すなわち、同図(b) には、波の波長pi-1 ・波高さ
hi-1 の(i-1)番目要素の板波形状を示し、同図(c)に
は、波の波長pi ・波高さhi のi番目要素の板波形状
をそれぞれ示しているが、これら要素毎の急峻度λ
i が、 λi =hi /pi ……(1) により、冷延タンデムミル出側で計測されている。
伸びが生じたストリップSを模式的に示している。この
ストリップSに対する平坦度が、板幅方向にN領域に区
画して各区画領域(以下、要素という)n毎に測定され
る。すなわち、同図(b) には、波の波長pi-1 ・波高さ
hi-1 の(i-1)番目要素の板波形状を示し、同図(c)に
は、波の波長pi ・波高さhi のi番目要素の板波形状
をそれぞれ示しているが、これら要素毎の急峻度λ
i が、 λi =hi /pi ……(1) により、冷延タンデムミル出側で計測されている。
【0024】そして、この急峻度λi に基づき、各要素
毎の伸び歪みεliが、 εli=(π2 /4)・λi 2 ……(2) で算出され、さらに、板幅方向で最小となるεliをεl0
として、圧延長手方向伸び歪み差Δεliが、 Δεli=εli−εl0 ……(3) により演算される。
毎の伸び歪みεliが、 εli=(π2 /4)・λi 2 ……(2) で算出され、さらに、板幅方向で最小となるεliをεl0
として、圧延長手方向伸び歪み差Δεliが、 Δεli=εli−εl0 ……(3) により演算される。
【0025】ここで、上記(3) 式での演算結果における
Δεliの最大値を(Δεli)MAX とし、また、図6に示
すように、張力がストリップSの板幅全体にわたって作
用して、見かけ上、形状がデッドフラットとなるために
必要な幅方向張力分布の最大値をσ0 とすると、このσ
0 は、 σ0 =(Δεli)MAX ・E* ……(4) ここで、E* :その板温での板のヤング率 で算出される。例えば、(λi )MAX =1%のとき、
(Δεli)MAX =25×10-5、500 ℃でのE* =18000kgf
/mm2であるので、σ0 =0.45kgf/mm2 となる。
Δεliの最大値を(Δεli)MAX とし、また、図6に示
すように、張力がストリップSの板幅全体にわたって作
用して、見かけ上、形状がデッドフラットとなるために
必要な幅方向張力分布の最大値をσ0 とすると、このσ
0 は、 σ0 =(Δεli)MAX ・E* ……(4) ここで、E* :その板温での板のヤング率 で算出される。例えば、(λi )MAX =1%のとき、
(Δεli)MAX =25×10-5、500 ℃でのE* =18000kgf
/mm2であるので、σ0 =0.45kgf/mm2 となる。
【0026】また、このときの平均張力σM は、
【0027】
【数1】
【0028】となる。一方、図7(a) に示すように、軸
方向中央部(ロールセンタ)の半径がR0 の凸クラウン
のハースロール26に、ストリップSが巻き掛けられるこ
とによって生じる伸び歪み差ΔεRiは、ストリップSに
おけるi番目要素が巻き掛けられる位置でのロール半径
をR0i、また、同図(b) に示すように、炉内における上
部側ハースロール26と下部側ハースロール26との各軸心
間の上下方向の距離をLとすると、 ΔεRi=π(R0 −R0i)/(L+πR0 ) ……(6) となる。
方向中央部(ロールセンタ)の半径がR0 の凸クラウン
のハースロール26に、ストリップSが巻き掛けられるこ
とによって生じる伸び歪み差ΔεRiは、ストリップSに
おけるi番目要素が巻き掛けられる位置でのロール半径
をR0i、また、同図(b) に示すように、炉内における上
部側ハースロール26と下部側ハースロール26との各軸心
間の上下方向の距離をLとすると、 ΔεRi=π(R0 −R0i)/(L+πR0 ) ……(6) となる。
【0029】さらに、サーマルクラウンが重畳している
とき、i番目要素でのロール半径R Tiは、 RTi=R0i・(1+α)・TRi ……(7) ここで、α:線膨張係数、TRi:i番目要素のロール温
度 となり、したがって、サーマルクラウンも考慮したとき
のハースロール26に巻き掛けられることにより生じる伸
び歪み差ΔεRi' は、 ΔεRi' =π(RT −RTi)/(L+πRT ) ……(8) ここで、RT =R0 ・(1+α)・TR0 TR0:ロールセンタ温度 で算出される。結局、図8に示すように、このロールク
ラウンの影響と、前記(3) 式における平坦度の影響とを
考慮した幅方向歪み分布Δεi が、 Δεi =ΔεRi' +Δεli ……(9) として算出されることになる。
とき、i番目要素でのロール半径R Tiは、 RTi=R0i・(1+α)・TRi ……(7) ここで、α:線膨張係数、TRi:i番目要素のロール温
度 となり、したがって、サーマルクラウンも考慮したとき
のハースロール26に巻き掛けられることにより生じる伸
び歪み差ΔεRi' は、 ΔεRi' =π(RT −RTi)/(L+πRT ) ……(8) ここで、RT =R0 ・(1+α)・TR0 TR0:ロールセンタ温度 で算出される。結局、図8に示すように、このロールク
ラウンの影響と、前記(3) 式における平坦度の影響とを
考慮した幅方向歪み分布Δεi が、 Δεi =ΔεRi' +Δεli ……(9) として算出されることになる。
【0030】この幅方向歪み分布Δεi に対し、前述の
(4) 式と同様に、見かけ上、形状をデッドフラットとす
るために必要な幅方向張力分布の最大値をσ0 とする
と、 σ0 =(Δεi )MAX ・E* ……(10) となり、このときの平均張力σM は、
(4) 式と同様に、見かけ上、形状をデッドフラットとす
るために必要な幅方向張力分布の最大値をσ0 とする
と、 σ0 =(Δεi )MAX ・E* ……(10) となり、このときの平均張力σM は、
【0031】
【数2】
【0032】となる。そこで、実際に板に付与される平
均張力、すなわち、前記入出側テンションブライドルロ
ール6・17でストリップSに作用させようとする平均張
力(例えば10N/mm2)をσM * とすると、このときの幅
方向張力分布の最大値σ0 * が、
均張力、すなわち、前記入出側テンションブライドルロ
ール6・17でストリップSに作用させようとする平均張
力(例えば10N/mm2)をσM * とすると、このときの幅
方向張力分布の最大値σ0 * が、
【0033】
【数3】
【0034】の式に基づいて繰返し計算によって求めら
れ、さらにこのときの張力分布σi *が、 σi * =σ0 * −Δεi ・E* ……(13) によって求められる。そして、上記の張力分布σi * に
より、微小時間Δtにおける各要素毎のクリープ変形
(長さ方向)ΔεCiが、 ΔεCi=A0 ・e-Q/RT ・(σi * )m ・(Δt)n ……(14) ここで、A0,m, n, −Q/R:材質特性によって決ま
る定数 T:材料温度 で算出される。
れ、さらにこのときの張力分布σi *が、 σi * =σ0 * −Δεi ・E* ……(13) によって求められる。そして、上記の張力分布σi * に
より、微小時間Δtにおける各要素毎のクリープ変形
(長さ方向)ΔεCiが、 ΔεCi=A0 ・e-Q/RT ・(σi * )m ・(Δt)n ……(14) ここで、A0,m, n, −Q/R:材質特性によって決ま
る定数 T:材料温度 で算出される。
【0035】このようなクリープ変形に伴う各要素の幅
縮みΔεWiは、板が等方変形するとして、 ΔεWi=ΔεCi/2 ……(15) となり、これにより、焼鈍開始後のt秒後におけるΔt
当たりの全幅縮みΔWtが、
縮みΔεWiは、板が等方変形するとして、 ΔεWi=ΔεCi/2 ……(15) となり、これにより、焼鈍開始後のt秒後におけるΔt
当たりの全幅縮みΔWtが、
【0036】
【数4】
【0037】により算出される。一方、長さ方向のクリ
ープ変形によって、時々刻々張力分布が変化することに
なるが、微小時間Δt秒後の張力分布は、
ープ変形によって、時々刻々張力分布が変化することに
なるが、微小時間Δt秒後の張力分布は、
【0038】
【数5】
【0039】から新たにσ0 * を決定し、このσ0 * を
用いて、前記(13)式より求められる。以下、焼鈍熱サイ
クルに応じて、板温度Tを変えつつ、時間tが終わるま
で、(12)〜(17)式の演算を繰返す。この結果、焼鈍中の
全時間に対する幅縮み量ΔW* が、
用いて、前記(13)式より求められる。以下、焼鈍熱サイ
クルに応じて、板温度Tを変えつつ、時間tが終わるま
で、(12)〜(17)式の演算を繰返す。この結果、焼鈍中の
全時間に対する幅縮み量ΔW* が、
【0040】
【数6】
【0041】で算出される。上記のような演算で幅縮み
量ΔW* が予測され、この予測された幅縮み量ΔW * が
許容されるものかどうかを判別する。そして、許容値を
超える場合には、図1(a) に示すように、TCM 出側で耳
波が発生しているストリップSの場合には、板幅エッジ
部に張力がかかるように前記のクラウン制御ロール27を
制御する一方、同図(b) に示すように、TCM 出側で中伸
びが発生しているストリップSの場合には、板幅中央に
張力が掛かるようにクラウン制御ロール27を制御すると
共に、さらに、炉内張力および炉内温度を過張力領域が
なくなるように調整する。これによって、過張力による
許容値を越える大きな幅縮みは発生せず、安定した通板
を行わせることが可能になる。
量ΔW* が予測され、この予測された幅縮み量ΔW * が
許容されるものかどうかを判別する。そして、許容値を
超える場合には、図1(a) に示すように、TCM 出側で耳
波が発生しているストリップSの場合には、板幅エッジ
部に張力がかかるように前記のクラウン制御ロール27を
制御する一方、同図(b) に示すように、TCM 出側で中伸
びが発生しているストリップSの場合には、板幅中央に
張力が掛かるようにクラウン制御ロール27を制御すると
共に、さらに、炉内張力および炉内温度を過張力領域が
なくなるように調整する。これによって、過張力による
許容値を越える大きな幅縮みは発生せず、安定した通板
を行わせることが可能になる。
【0042】なお、前記で予測された幅縮み量ΔW* を
許容値以内とするための制御量が、炉内張力と炉内温度
のみで制御可能な大きさであれば、これら炉内張力およ
び炉内温度のみの調整によって、過張力領域がなくなる
ように制御することも可能である。この場合、炉内ハー
スロール26…のクラウンは通常凸クラウンであり、中伸
び形状であれば凸クラウンになじむ方向なので幅方向張
力分布が緩和され、逆に耳波形状であれば、板幅中央部
の張力がより高くなって大きな幅方向張力分布が発生す
ることから、中伸び形状であれば炉内張力を高めに、耳
波形状であれば炉内張力を低めに設定する。このような
制御により、過張力による許容値を越える大きな幅縮み
は発生せず、安定した通板が可能となる。
許容値以内とするための制御量が、炉内張力と炉内温度
のみで制御可能な大きさであれば、これら炉内張力およ
び炉内温度のみの調整によって、過張力領域がなくなる
ように制御することも可能である。この場合、炉内ハー
スロール26…のクラウンは通常凸クラウンであり、中伸
び形状であれば凸クラウンになじむ方向なので幅方向張
力分布が緩和され、逆に耳波形状であれば、板幅中央部
の張力がより高くなって大きな幅方向張力分布が発生す
ることから、中伸び形状であれば炉内張力を高めに、耳
波形状であれば炉内張力を低めに設定する。このような
制御により、過張力による許容値を越える大きな幅縮み
は発生せず、安定した通板が可能となる。
【0043】さらに、上記のような制御によれば、必要
以上にトータル張力を下げる必要がなく、これによっ
て、炉内蛇行の面でも支障なく、安定した通板ができ
る。すなわち、通常5N/mm2以上の平均張力で炉内を走
行させることにより、蛇行を抑制することが可能であ
り、一般には、前述したように平均張力が10N/mm2程度
となるような条件設定が行われる。この場合に、ストリ
ップSの平坦度に応じて局部的な過張力領域が発生して
予測演算結果の幅縮み量が許容量を超えるとき、本発明
法では、平均張力8N/mm2程度までの調整で、過張力領
域を無くせる制御となっており、したがって、過度に平
均張力を低下させる必要がないので、炉内蛇行を生じさ
せることなく、しかも、幅変動を小さな範囲に抑えるこ
とが可能となっている。
以上にトータル張力を下げる必要がなく、これによっ
て、炉内蛇行の面でも支障なく、安定した通板ができ
る。すなわち、通常5N/mm2以上の平均張力で炉内を走
行させることにより、蛇行を抑制することが可能であ
り、一般には、前述したように平均張力が10N/mm2程度
となるような条件設定が行われる。この場合に、ストリ
ップSの平坦度に応じて局部的な過張力領域が発生して
予測演算結果の幅縮み量が許容量を超えるとき、本発明
法では、平均張力8N/mm2程度までの調整で、過張力領
域を無くせる制御となっており、したがって、過度に平
均張力を低下させる必要がないので、炉内蛇行を生じさ
せることなく、しかも、幅変動を小さな範囲に抑えるこ
とが可能となっている。
【0044】なお、予測された幅縮み量ΔW* が許容値
を超える場合のクラウン制御ロール27や炉内張力の調整
には、さらに、前記の出側板幅測定器25で測定される出
側での板幅に基づいて微調整することによって、さらに
高い板幅寸法精度が得られる。この場合、例えば出側板
幅が目標値よりも大きいときには、炉内張力を上げ、あ
るいはクラウン制御ロール27でのクラウン量を増大させ
るように微調整する一方、出側板幅が目標値よりも小さ
いときには、炉内張力を下げ、あるいはクラウン制御ロ
ール27でのクラウン量を減少させるように微調整する。
を超える場合のクラウン制御ロール27や炉内張力の調整
には、さらに、前記の出側板幅測定器25で測定される出
側での板幅に基づいて微調整することによって、さらに
高い板幅寸法精度が得られる。この場合、例えば出側板
幅が目標値よりも大きいときには、炉内張力を上げ、あ
るいはクラウン制御ロール27でのクラウン量を増大させ
るように微調整する一方、出側板幅が目標値よりも小さ
いときには、炉内張力を下げ、あるいはクラウン制御ロ
ール27でのクラウン量を減少させるように微調整する。
【0045】
【実施例】冷間圧延タンデムミル出側で形状が測定され
た板圧1.0mm、板幅914mm 、通常低炭素鋼素材コイル
を、図2に示した連続焼鈍ラインに、均熱温度 800℃で
通板した。図9に、ストリップSの平坦度を考慮に入れ
た本発明法を適用して設定された炉内張力8N/mm2で通
板した場合と、形状を考慮にいれず設定した均熱張力10
N/mm2で通板した場合の幅縮み量を示す。また、そのと
きの蛇行量を図10に示す。
た板圧1.0mm、板幅914mm 、通常低炭素鋼素材コイル
を、図2に示した連続焼鈍ラインに、均熱温度 800℃で
通板した。図9に、ストリップSの平坦度を考慮に入れ
た本発明法を適用して設定された炉内張力8N/mm2で通
板した場合と、形状を考慮にいれず設定した均熱張力10
N/mm2で通板した場合の幅縮み量を示す。また、そのと
きの蛇行量を図10に示す。
【0046】これらの図から明らかなように、本発明法
で蛇行の問題もなく幅縮み量を抑制でき、板幅精度を向
上することができた。このように、本発明法によれば、
精度の良い板幅が得られ、上工程(熱延工程など)での
幅設計において、連続焼鈍ラインでの幅縮み量の取り込
み量を小さくでき、また、下工程(精整工程など)での
トリム代を低減できるなどの優れた効果が得られ、歩留
りの向上に大きく寄与することができる。
で蛇行の問題もなく幅縮み量を抑制でき、板幅精度を向
上することができた。このように、本発明法によれば、
精度の良い板幅が得られ、上工程(熱延工程など)での
幅設計において、連続焼鈍ラインでの幅縮み量の取り込
み量を小さくでき、また、下工程(精整工程など)での
トリム代を低減できるなどの優れた効果が得られ、歩留
りの向上に大きく寄与することができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の連続熱処
理設備における板幅制御方法では、ロールクラウンとス
トリップの平坦度とから、板幅方向張力分布を求め、こ
の分布に応じた幅縮み量を演算するので、局所的な過張
力領域が存する場合の伸び歪みに対応する幅縮み量も的
確に把握され、これによって許容範囲を逸脱しないよう
に炉内操業条件の調整が行われる結果、板幅制御精度が
向上し、ひいては歩留りが向上する(請求項1)。
理設備における板幅制御方法では、ロールクラウンとス
トリップの平坦度とから、板幅方向張力分布を求め、こ
の分布に応じた幅縮み量を演算するので、局所的な過張
力領域が存する場合の伸び歪みに対応する幅縮み量も的
確に把握され、これによって許容範囲を逸脱しないよう
に炉内操業条件の調整が行われる結果、板幅制御精度が
向上し、ひいては歩留りが向上する(請求項1)。
【0048】また、クラウン制御ロールを設けてそのク
ラウン形状を前記演算結果に基づき調整する場合には、
例えば炉内張力の調整と組み合わせることで制御対象幅
が広がり、したがって、平坦度が大きく損なわれて局所
的に大きな過張力領域が生じるようなストリップに対し
ても、その幅縮み量が過大にならないように制御するこ
とが可能になるので、歩留りがさらに向上する(請求項
2)。
ラウン形状を前記演算結果に基づき調整する場合には、
例えば炉内張力の調整と組み合わせることで制御対象幅
が広がり、したがって、平坦度が大きく損なわれて局所
的に大きな過張力領域が生じるようなストリップに対し
ても、その幅縮み量が過大にならないように制御するこ
とが可能になるので、歩留りがさらに向上する(請求項
2)。
【0049】また、炉出側での板幅に基づき、炉内張力
や炉内温度、また、クラウン制御ロールのクラウン量等
の炉内操業条件を修正していくことにより、さらに高い
板幅寸法精度を得ることができる(請求項3)。
や炉内温度、また、クラウン制御ロールのクラウン量等
の炉内操業条件を修正していくことにより、さらに高い
板幅寸法精度を得ることができる(請求項3)。
【図1】本発明における一実施形態でのストリップSの
平坦度に対応したクラウン制御ロール調整時の幅方向張
力分布の説明図である。
平坦度に対応したクラウン制御ロール調整時の幅方向張
力分布の説明図である。
【図2】本発明を適用した連続焼鈍ラインの構成を示す
概略図である。
概略図である。
【図3】上記連続焼鈍ラインにおける加熱炉内の構成を
示す縦断面模式図である。
示す縦断面模式図である。
【図4】上記加熱炉内に設けられているクラウン制御ロ
ールの構成を示す断面模式図である。
ールの構成を示す断面模式図である。
【図5】中伸びが生じているストリップを模式的に示す
もので、同図(a) は斜視図、同図(b) は板幅方向におけ
る(i−1)番目の要素部分のストリップ断面模式図、同図
(c) は板幅方向におけるi番目の要素部分のストリップ
断面模式図である。
もので、同図(a) は斜視図、同図(b) は板幅方向におけ
る(i−1)番目の要素部分のストリップ断面模式図、同図
(c) は板幅方向におけるi番目の要素部分のストリップ
断面模式図である。
【図6】中伸びが生じているストリップに対し、見かけ
上、形状をデッドフラットとするために必要な幅方向張
力分布の最大値を示すモデル図である。
上、形状をデッドフラットとするために必要な幅方向張
力分布の最大値を示すモデル図である。
【図7】ハースロールに巻き掛けられているストリップ
の伸び歪みの算出モデルを示すものであって、同図(a)
は要部側面図、同図(b) は要部正面図である。
の伸び歪みの算出モデルを示すものであって、同図(a)
は要部側面図、同図(b) は要部正面図である。
【図8】ストリップの平坦度に基づく伸び歪み差Δεli
と、ハースロールに巻き掛けられることにより生じる伸
び歪み差ΔεRi' と、これらが重畳したときの全体的な
幅方向歪み分布Δεi と、このΔεi に対応する幅方向
張力分布σi との関係を示す説明図である。
と、ハースロールに巻き掛けられることにより生じる伸
び歪み差ΔεRi' と、これらが重畳したときの全体的な
幅方向歪み分布Δεi と、このΔεi に対応する幅方向
張力分布σi との関係を示す説明図である。
【図9】本発明に基づきストリップ形状を考慮した張力
制御で通板した場合と、ストリップ形状を考慮せず通常
の張力制御で通板した場合との各幅縮み量の測定結果の
一例を示すグラフである。
制御で通板した場合と、ストリップ形状を考慮せず通常
の張力制御で通板した場合との各幅縮み量の測定結果の
一例を示すグラフである。
【図10】図9に示した各通板時での炉内蛇行量の測定
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図11】炉内を走行するストリップの均熱帯での応力
とストリップ長手方向歪みとの関係を示すグラフであ
る。
とストリップ長手方向歪みとの関係を示すグラフであ
る。
【図12】従来の制御でのストリップの平坦度とストリ
ップ板幅方向張力分布との関係を示す説明図である。
ップ板幅方向張力分布との関係を示す説明図である。
6 入側テンションブライドルロール 7 加熱炉 8 予熱帯 9 加熱帯 10 均熱帯 17 出側テンションブライドルロール 26 ハースロール 27 クラウン制御ロール S ストリップ
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱炉内で走行するストリップが巻き掛
けられるハースロールのクラウン量と、炉入側でのスト
リップの平坦度とに基づいてストリップの板幅方向張力
分布から幅縮み量を予測演算し、この演算結果に基づい
て、炉出側でのストリップの板幅を目標値に近づけるべ
く炉内操業条件を調整することを特徴とする連続熱処理
設備における板幅制御方法。 - 【請求項2】 炉内にクラウン形状が可変なクラウン制
御ロールを設け、このクラウン制御ロールにおける炉内
操業条件としての上記クラウン形状を前記演算結果に基
づき調整することを特徴とする請求項1記載の連続熱処
理設備における板幅制御方法。 - 【請求項3】 炉出側での板幅を計測し、この計測値に
基づいて、上記炉内操業条件の調整量を変更することを
特徴とする請求項1又は2記載の連続熱処理設備におけ
る板幅制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18283195A JPH0931550A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 連続熱処理設備における板幅制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18283195A JPH0931550A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 連続熱処理設備における板幅制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931550A true JPH0931550A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16125237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18283195A Pending JPH0931550A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 連続熱処理設備における板幅制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931550A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6238209B1 (en) | 2000-05-17 | 2001-05-29 | Kawasaki Steel Corporation | Hearth rolls for heating furnace and soaking furnace of vertical heat treating furnace and vertical heat treating furnace including hearth rolls |
EP1158059A1 (en) * | 2000-05-17 | 2001-11-28 | Kawasaki Steel Corporation | Hearth rolls for a vertical heat treating furnace including a heating furnace and a soaking furnace and vertical furnace including the hearth rolls |
-
1995
- 1995-07-19 JP JP18283195A patent/JPH0931550A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6238209B1 (en) | 2000-05-17 | 2001-05-29 | Kawasaki Steel Corporation | Hearth rolls for heating furnace and soaking furnace of vertical heat treating furnace and vertical heat treating furnace including hearth rolls |
EP1158059A1 (en) * | 2000-05-17 | 2001-11-28 | Kawasaki Steel Corporation | Hearth rolls for a vertical heat treating furnace including a heating furnace and a soaking furnace and vertical furnace including the hearth rolls |
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