JPH09315397A - 姿勢制御装置 - Google Patents

姿勢制御装置

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JPH09315397A
JPH09315397A JP8133962A JP13396296A JPH09315397A JP H09315397 A JPH09315397 A JP H09315397A JP 8133962 A JP8133962 A JP 8133962A JP 13396296 A JP13396296 A JP 13396296A JP H09315397 A JPH09315397 A JP H09315397A
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JP
Japan
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control
disturbance
torque
attitude
attitude control
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JP8133962A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kurii
俊弘 栗井
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工衛星が複雑な柔軟振動特性を有している
場合、制御系の不安定性を招かずに姿勢制御することが
困難であった。 【解決手段】 姿勢誤差検出器10とトランジェント外
乱推定器20にて制御開始初期の衛星本体の動きを観測
することにより外乱を素早く推定し、この影響を制御す
るトルクを制御トルク発生器30にてフィードフォワー
ド補償で発生することにより、複雑で詳細なパラメータ
同定が困難な柔軟振動特性が存在していても、不安定を
引き起こすこと無く、姿勢制御精度の改善を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星の姿勢制
御やポインティング制御に使用して好適な姿勢制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工衛星の姿勢制御およびポイ
ンティング制御(以下、単に姿勢制御と称する。)にお
いては、制御開始と同時に外乱が発生する。すなわち、
軌道制御のためのロケットモーター(以下、スラスタと
称する。)噴射やアンテナ駆動による反動等により引き
起こされる外乱トルクが、姿勢制御の開始と同時に生じ
るので制御精度を悪化させる大きな原因となっている。
このような高外乱下において高精度な姿勢制御を行うた
めには、制御ループのゲインを上げるか、あるいは、外
乱あるいは状態を推定する制御器(以下、オブザーバと
称する。)を用いるのが一般的である。
【0003】ところで、人工衛星は、主に剛体とみなす
ことができる衛星本体の他に、太陽電池パネルなどの柔
軟構造物を備えており、剛体構造物の姿勢制御以上に外
乱トルクの補償を考慮する必要がある。従って、人工衛
星がこのような柔軟振動特性を有する場合には、系の不
安定を避けるために、特別に設計されたフィルタや柔軟
振動特性をも考慮したオブザーバを用いる必要がある。
ところが、人工衛星が複雑な柔軟振動特性を有している
のであれば、制御系の不安定性をまねかずにループゲイ
ンを上げられるようなフィルタを設計することが困難で
あるし、現実的には不可能である。
【0004】また、系の不安定性をまねかずループアゲ
インを上げられるようなフィルタや、系を高精度に制御
できるオブザーバが原理的に存在したとしても、実際の
パラメータの同定やパラメータ変動に対する性能の保証
に難点があった。特に、制御系設計時点で考慮されなか
った振動モードの影響が実際には無視できなかった場合
(特異摂動系の場合)、制御系が不安定になる危険が大
きかった。柔軟振動状態測定用の特別のセンサにより不
安定が回避できる場合もあるが、系が複雑になるという
難点があった。
【0005】従って、現実の振動特性を考慮して制御系
を形成するのではなく、制御系の簡易化などの方法で対
処するのが現実的であった。例えば、かかる姿勢制御を
行なう姿勢制御装置として、従来、特開昭62−299
499号公報に開示されたものが知られている。同公報
に示す姿勢制御装置では、姿勢制御を開始した初期の時
間帯では高制御利得の制御を行なうものの、その後、低
制御利得に切り換え、柔軟構造の影響で生じる姿勢変動
を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の姿勢制
御装置においては、姿勢制御期間の初期と後期で制御利
得を変化させることにより、後期の制御を安定化させよ
うとするものの、剛体の振動特性と柔軟振動特性が混在
した複雑な振動系を対象としているので、それまでの制
御系の問題と同様、安定した姿勢制御は期待できないと
いう課題があった。本発明は、上記課題にかんがみてな
されたもので、剛体の外乱応答特性と柔軟振動特性とを
切り離して制御してより安定した制御を図ることが可能
な姿勢制御装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、人工衛星の構造体の姿勢
制御において、外乱トルクに対する姿勢制御開始の初期
に外乱を推定し、以後はこの外乱を抑制する補償系を維
持する構成としてある。
【0008】本発明の作用を説明する前に、本発明の作
動原理を説明する。図1は、ステップトルク入力1Nm
が衛星の剛体部分に加わった場合の衛星の姿勢角(ra
d)の時間変動を示している。同図において、曲線1
は、慣性能率2000kg・m2 の衛星中心剛体に、モ
ーダル慣性能率8000kg・m2 の柔軟物が付属し、
全体として非拘束モード固有振動数0.1Hzのダイナ
ミクスを持つ柔軟衛星の場合の姿勢角の動きである。一
方、曲線2は、慣性能率2000kg・m2 の剛体衛星
の場合の姿勢角の動きである。
【0009】図から解るとおり、トルクが加わり始めた
直後の両者の姿勢角の動きはほぼ一致する。これは、ト
ルク入力がステップ状でなくても一般的に成立し、トル
ク入力直後の一定時間であれば、柔軟物の存在を無視し
てトルクレベルの推定を行なえることを示している。
【0010】従って、上記構成からなる発明によれば、
外乱トルクに対する姿勢制御開始の初期に外乱を推定す
れば、基本的に外乱トルクの大部分に対する補償は確立
し、以後はこの外乱を抑制する補償系を維持することに
よって制御誤差発生要因の大部分を解消せしめることに
なる。
【0011】このように、外乱トルクに対する姿勢制御
開始の初期に外乱を推定し、以後はこの外乱を抑制する
補償系を維持する手段としては各種の構成が可能であ
る。基本的には、外乱を推定する手段と、外乱を抑制す
る補償系とを備える構成で実現される。
【0012】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の姿勢制御装置において、上記構造体の姿
勢誤差を検出する姿勢誤差検出手段と、姿勢制御開始時
に外乱トルクを推定する外乱推定手段と、この推定され
た外乱トルクを抑制するためのフィードフォワード補償
系を形成するフィードフォワード補償手段と、このフィ
ードフォワード補償手段にて制御されて制御トルクを発
生する制御トルク発生手段とを具備する構成としてあ
る。
【0013】上記のように構成した発明によれば、上記
姿勢誤差検出手段は構造体の姿勢誤差を検出しており、
外乱推定手段は制御開始直後の期間(図1のT)に同姿
勢誤差に基づいて外乱トルクを推定する。そして、フィ
ードフォワード補償手段は、この推定された外乱トルク
の影響を打ち消すようにフィードフォワードトルクの発
生を制御トルク発生手段に指令する。このようにしてフ
ィードフォワード補償によってトルクを発生させれば、
補償要素を経由するフィードバックのゲインを上げなく
ても、トランジェント応答も含めた制御誤差が改善す
る。
【0014】また、フィードフォワードトルクは制御系
のループ安定性に影響しないため、系の安定性には影響
しない。なお、フィードフォワードトルクを発生せしめ
るために外乱トルクを推定するので、外乱トルクに対す
るフィードフォワードトルクを発生させるように制御で
きれば良く、必ずしも外乱トルクを直に推定する必要は
なく、間接的に推定するものであってもよい。
【0015】むろん、この場合にも制御開始直後の推定
に基づき外乱トルクをフィードフォワードトルクによっ
て打ち消すことになり、以後は打ち消された外乱トルク
の残差だけがフィードバック制御の対象となる。
【0016】ところで、制御開始直後の期間Tの値とし
ては、推定精度との兼ね合いで決まるが、影響の大きな
柔軟振動モード周期の2割程度が望ましい。具体的な外
乱トルクの算出方法はTの期間内であれば特に制約は無
く、時間Tにおける姿勢角の瞬時値、あるいはノイズが
大きな場合にはある程度の期間の平均値に、一定値を掛
ける等の処理を行う。
【0017】また、姿勢誤差検出手段としては、姿勢誤
差を直接あるいは間接的に検出できるものであれば良
い。例えば、姿勢角を加速度センサの積分値として計測
するようなものであっても良い。外乱推定手段は、検出
された姿勢誤差に基づいて外乱トルクを推定するもので
あるが、剛体としての慣性モーメントなどの基礎計算デ
ータと姿勢角の変化状況とに基づいて外乱の大きさを計
算するものであればよい。
【0018】なお、柔軟振動モードが1個の場合を用い
て説明したが、複数(未知数)のパラメータの不明なモ
ードが存在しても、制御開始後姿勢角の変化を検出する
のに必要な所要の一定期間に姿勢角と外乱レベルの対応
を理論的、実験的、あるいは試行錯誤的に近似的に決め
さえすれば、個々の振動モードのパラメータや状態の情
報は必要無い。
【0019】一方、本発明は単独で使用される必要はな
く、他の制御系と合わせて実施することも可能であり、
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の姿勢制御装
置において、少なくとも上記外乱トルクの推定後に検出
される上記構造体の姿勢誤差に基づいてフィードバック
制御のための補償系を形成するフィードバック制御手段
を備えた構成としてある。
【0020】上記のように構成した発明によれば、フィ
ードバック制御手段が構造体の姿勢誤差に基づいてフィ
ードバック制御のための補償系を形成する。フィードバ
ック制御は少なくとも上記外乱トルクの推定後に行なわ
れればよい。また、推定中に行っていても、その影響が
外乱推定値から取り除かれればよい。フィードバック制
御の補償系を実現するには、例えば、上述した制御トル
ク発生手段に指令を与えることによって可能である。
【0021】フィードフォワード補償によって外乱トル
クの影響を解消しているので、基本的にはフィードバッ
ク制御による姿勢制御はフィードフォワード保証によっ
て取り除けなかった外乱トルクに対するものとなる。
【0022】フィードフォワード補償とフィードバック
補償とを混在せしめるため、請求項4にかかる発明は、
請求項3に記載の姿勢制御装置において、上記フィード
フォワード補償手段は、上記フィードバック制御手段に
よる補償系に対してオフセット補償として実施される構
成としてある。
【0023】上記のように構成した発明によれば、フィ
ードバック補償を必要量だけオフセットさせることによ
りフィードフォワード補償を実施する。オフセット量と
しては一定であっても良いし、時間的に変動するような
オフセット量であっても良い。すなわち、フィードバッ
ク補償系が実現できていれば制御トルク発生手段に対す
る指令に対してオフセットを与えるだけでフィードフォ
ワード補償系を実現できる。
【0024】なお、本明細書において、柔軟(構造物)
とは、固有振動数が低いなどの理由で、実用上柔軟とし
て取り扱う必要のある柔軟モードをいい、剛体(構造
物)とは、剛体部分あるいは、剛体部分と実用上剛体と
して取り扱える柔軟モードの総和をいう。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図2は、本発明の一実施形態にか
かる姿勢制御装置をブロック図により示している。同図
に示す姿勢制御系は、制御対象の姿勢角から姿勢誤差を
検出する姿勢誤差検出器10と、この検出された姿勢誤
差から外乱トルクを推定するトランジェント外乱推定器
20と、この推定された外乱トルクを解消するように制
御トルクを発生させるよう制御される制御トルク発生器
30と、被制御対象であるプラントダイナミクス40と
を有している。なお、プラントダイナミクス40は制御
対象である運動力学系を示し、人工衛星であれば主に剛
体構造物とみなすことができる衛星本体と、太陽電池パ
ネルなどの柔軟構造物とを備えている。
【0026】かかる構成によれば、姿勢誤差検出器10
は制御しようとしている姿勢角を検出して姿勢誤差を出
力し、トランジェント外乱推定器20は、制御開始直後
の姿勢角の動きを姿勢誤差検出器10より受け取り、プ
ラントダイナミクス40に働いている外乱トルクの推定
を行い、この影響を制御するようなフィードフォワード
の発生を制御トルク発生器30に指令する。制御トルク
発生器30は、制御トルク指令を受け、プラントダイナ
ミクス40を制御するための制御トルクを発生する。
【0027】本実施形態においては、トランジェント外
乱推定器20が外乱トルクを推定しつつ直接制御トルク
発生器30を指示しており、この意味でフィードフォワ
ード補償手段も兼ねている。例えば、制御トルク発生器
30が姿勢角の基準軸に対応して所定方向に対面してい
るスラスタを備えており、この制御トルク発生器30は
トルク量を表す指令値を入力して同スラスタを制御する
ものであるとする。この場合には、トランジェント外乱
推定器20が外乱トルクを推定した後、その方向を反対
にして上記制御トルク発生器30に対してトルク量を出
力すればよい。このようにすれば、上記制御トルク発生
器30は自ずから同外乱トルクを打ち消すように制御ト
ルクを発生することになる。むろん、制御方法として
は、このような例に限らず、適宜変更可能であることは
いうまでもない。
【0028】次に、本発明の他の実施形態について、図
面を参照して詳細に説明する。図3を参照すると本発明
の最良の実施の形態は、図2に示す実施形態で示した姿
勢誤差検出器10と、トランジェント外乱推定器20
と、制御トルク発生器30と、プラントダイナミクス4
0とで構成されるものの他に、通常のフィードバック制
御のためのフィードバック補償要素60とを併用するも
のである。なお、トランジェント外乱推定器20の指令
値とフィードバック補償要素60の指令値とを加算する
加算器50を備えている。
【0029】ここにおいて、フィードバック補償要素6
0は、フィードバック制御により姿勢制御誤差角を減少
させるよう制御するための制御トルク指令を発生する。
いま、制御対象のプラントダイナミクス40として、次
の特性のものを考える。 中心剛体 :慣性能率 200kg・m2 1次柔軟振動モード:モーダル慣性能率 8000kg・m2 非拘束モード固有振動数 約0.1Hz 2次柔軟振動モード:モーダル慣性能率 1000kg・m2 非拘束モード固有振動数 約0.2Hz 3次柔軟振動モード:モーダル慣性能率 500kg・m2 非拘束モード固有振動数 約0.3Hz 4次柔軟振動モード:モーダル慣性能率 200kg・m2 非拘束モード固有振動数 約0.4Hz 5次柔軟振動モード:モーダル慣性能率 100kg・m2 非拘束モード固有振動数 約0.5Hz このプラントダイナミクス40は、多くの振動モードが
密に存在しており、制御ループのゲインを上げると不安
定になってしまうため、従来技術では高外乱下で高精度
の制御を行うのは極めて困難な特性である。
【0030】このプラントダイナミクス40に対して1
Nmのステップトルクを入力したときの姿勢角の応答を
図4の曲線3に示す。また、慣性能率200kg・m2
の剛体衛星に対し同様に1Nmのステップトルクを入力
したときの姿勢角の応答を図4の曲線4に示す。多くの
モードの存在にもかかわらず、トルク入力開始後2秒間
の動きはほぼ一致している。
【0031】トランジェント外乱推定器20は、この2
秒間に姿勢誤差検出器10から入力される姿勢角に基づ
いて外乱トルクを推定する。すなわち、慣性能率200
kg・m2 の剛体を仮定して、制御開始後2秒時点の姿
勢角(rad)に定数(100kg・m2 /s2 )を乗
じることにより外乱トルクを推定する。
【0032】一方、フィードバック補償要素60も姿勢
誤差検出器10から入力される姿勢角に基づいてフィー
ドバック制御のための制御トルクを発生するように指令
値を求める。そして、トランジェント外乱推定器20か
らの制御トルクの指令とフィードバック補償要素60か
らの制御トルクの指令とが加算機50にて加算されて制
御トルク発生器30への指令値となる。この意味で、フ
ィードフォワード補償はフィードバック補償に対するオ
フセットとして補償として実施される。
【0033】かかる姿勢制御の結果を図5に示してい
る。同図の曲線5は、従来技術の姿勢制御の場合の姿勢
角の変化を示している。すなわち、クロスオーバ周波数
0.01Hzのフィードバックループ単独で制御系を構
成し、これに1Nmのステップ外乱トルクを入力した場
合の姿勢角対時間応答である。一方、図5の曲線6は、
同じフィードバックループに、上述した本発明のトラン
ジェント外乱推定器20を付加した場合の姿勢角対時間
応答を示したものである。本発明の適用により、制御誤
差はトランジェントを含め約4分の1に低減している。
【0034】このように、姿勢誤差検出器10とトラン
ジェント外乱推定器20にて制御開始初期の衛星本体の
動きを観測することにより外乱を素早く推定し、この影
響を制御するトルクを制御トルク発生器30にてフィー
ドフォワード補償で発生することにより、複雑で詳細な
パラメータ同定が困難な柔軟振動特性が存在していて
も、不安定を引き起こすこと無く、姿勢制御精度の改善
を行うことができる。より具体的に特徴をあげれば、次
のようになる。
【0035】制御開始初期の姿勢角の観測のみに基づい
たフィードフォワード制御に立脚しているため、ループ
の安定性に影響せずに外乱の影響を制御でき、制御系を
不安定にすることなく、高精度の制御を可能にすること
ができる。また、パラメータのはっきりしない複雑な振
動モードが未知数個存在していても、効果を発揮でき
る。なぜならば、制御開始後、所要の短時間の姿勢角の
動きと外乱レベルとの対応のみを理論的、実験的、ある
いは試行錯誤的に決定することができれば、振動モード
のパラメータや状態を知る必要は無いからである。
【0036】さらに、姿勢誤差検出手段や制御トルク発
生手段は、通常の制御系に既に備わっているものをその
まま利用でき、新たに必要なものは、トランジェント外
乱推定手段だけであるため、単純な構成の追加で効果を
発揮できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、制御開始
直後であれば柔軟構造物の存在を無視してトルクレベル
の推定を行えることを利用することにより、剛体構造物
の振動特性を分離した制御系を実現でき、より安定した
姿勢制御を実現することが可能な姿勢制御装置を提供す
ることができる。
【0038】また、請求項2にかかる発明によれば、外
乱の影響を解消するにあたってフィードフォワード補償
系で実現することにより、補償要素を経由するフィード
バックのゲインを上げることなく実現でき、ゲインを上
げた場合のノイズなどによる不安定要素を解消すること
ができる。
【0039】さらに、請求項3にかかる発明によれば、
フィードバック補償とフィードフォワード補償とを並設
したため、フィードフォワードにより完全に打ち消すこ
とができなかった外乱トルクの残差による柔軟構造物の
振動特性を解消することができる。
【0040】さらに、請求項4にかかる発明によれば、
フィードフォワード補償をオフセットとして実現するの
で、構造が簡単となるとともに、従前のものを利用しや
すくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を示す姿勢角と時間の関係を
示すグラフである。
【図2】本発明の一実施形態にかかる姿勢制御装置のブ
ロック図である。
【図3】他の実施形態にかかる姿勢制御装置のブロック
図である。
【図4】剛体構造物だけの場合と柔軟構造物を含む場合
の姿勢角と時間の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の姿勢制御を実施した場合と従来の場合
の姿勢角と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…姿勢誤差検出器 20…トランジェント外乱推定器 30…制御トルク発生器 40…プラントダイナミクス 50…加算器 60…フィードバック補償要素

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星の姿勢制御において、外乱トル
    クに対する姿勢制御開始の初期に外乱を推定し、以後は
    この外乱を抑制する補償系を維持することを特徴とする
    姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の姿勢制御装置にお
    いて、上記構造体の姿勢誤差を検出する姿勢誤差検出手
    段と、姿勢制御開始時に外乱トルクを推定する外乱推定
    手段と、この推定された外乱トルクを抑制するためのフ
    ィードフォワード補償系を形成するフィードフォワード
    補償手段と、このフィードフォワード補償手段にて制御
    されて制御トルクを発生する制御トルク発生手段とを具
    備することを特徴とする姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項2に記載の姿勢制御装置にお
    いて、少なくとも上記外乱トルクの推定中及び推定後に
    検出される上記構造体の姿勢誤差に基づいてフィードバ
    ック制御のための補償系を形成するフィードバック制御
    手段とを具備することを特徴とする姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載の姿勢制御装置にお
    いて、上記フィードフォワード補償手段は、上記フィー
    ドバック制御手段による補償系に対してオフセット補償
    として実施されることを特徴とする姿勢制御装置。
JP8133962A 1996-05-28 1996-05-28 姿勢制御装置 Pending JPH09315397A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0926066A1 (en) * 1997-12-25 1999-06-30 Nec Corporation State control device and method for a moving body
JP2010211282A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Mitsubishi Electric Corp 適応制御装置

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