JPH09314314A - 溶融金属容器の出湯用ノズル装置およびその出湯方法 - Google Patents

溶融金属容器の出湯用ノズル装置およびその出湯方法

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JPH09314314A
JPH09314314A JP13888996A JP13888996A JPH09314314A JP H09314314 A JPH09314314 A JP H09314314A JP 13888996 A JP13888996 A JP 13888996A JP 13888996 A JP13888996 A JP 13888996A JP H09314314 A JPH09314314 A JP H09314314A
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container
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル孔を閉塞させる付着物の生成を防止
し、ノズル孔の自然開孔率を向上させる。 【解決手段】 出湯用ノズル装置21のノズル装置本体
23にノズル孔25を構成する第1開孔33を形成し、
ノズル装置本体23の少なくとも溶融金属と接する部分
の表面に炭素含有率5〜50%のAl23系耐火物また
は炭素含有率15〜50%のMgO系耐火物から成る表
面耐火物層35を形成し、ゲート部材28を閉状態位置
にして、前記ノズル孔25の第1開孔33内の少なくと
も溶融金属と接する部分にCr23粒子を含む上層粒状
充填材39を充填し、その状態で溶融金属容器内に溶湯
を注入し、その後、ゲート部材28を開状態位置にして
溶湯を出湯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の溶融、製錬
および精錬の各工程で使用される種々の溶融金属容器の
出湯用ノズル装置およびその出湯方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属の溶融、製錬および精錬
の各工程では、電気炉や取鍋と言った溶融金属容器が使
用されている。このような溶融金属容器内に貯留されて
いる溶融金属(以後、「溶湯」と略称することがある)
は、溶融、製錬および精錬後に容器外に排出(以後、
「出湯」と略称することがある)される。そのため、溶
融金属容器には、溶湯を出湯するための出湯用ノズル装
置が付設されている。
【0003】図5は、取鍋底部に付設されている従来か
らの溶融金属容器の出湯用ノズル装置(以後、「出湯用
ノズル装置」と略称することがある)の構成を簡略化し
て示す断面図である。出湯用ノズル装置1は、ノズル装
置本体3と、その下方に設けられているスライディング
ノズル4とを含む。ノズル装置本体3は、耐火物製ブロ
ックであり、Al23系またはMgO系耐火物から成
る。ノズル装置本体3の上面は、溶湯と接しており、そ
の軸線上にはノズル孔5が形成されている。スライディ
ングノズル4は、上部ノズル6と、上部プレート7と、
下部プレート8と、下部ノズル9とを含み、その軸線上
にはノズル孔5が形成されている。スライディングノズ
ル4の下部プレート8は、摺動自在であり、ノズル孔5
を開閉することができる。溶湯が溶融金属容器内に貯留
されているときには、ノズル孔5は図5のように閉じら
れ、下部プレート8よりも上方のノズル孔5内には、粒
状充填材10が充填されている。この粒状充填材10
は、溶湯のノズル孔5内への侵入ならびに侵入した溶湯
の凝固に伴うノズル孔5の閉塞を防止し、出湯時におけ
る溶湯の流出路を確保する。前記充填材10としては、
たとえば珪砂など種々の粒状物質が適正な粒度に調整さ
れて使用されている。
【0004】前記充填材10に関する問題として、溶湯
貯留中、溶湯と前記充填材10との界面に焼結層11が
形成され、出湯時、ノズル孔5を開状態にしても、溶湯
静圧によって焼結層11が自然に壊れなくなり、溶湯静
圧でノズル孔5を自然に開孔させる、いわゆる自然開孔
が困難になることがある。特に、最近普及の著しい真空
脱ガス等の2次精錬を行う場合には、溶湯温度の上昇や
精錬時間の長時間化や2次精錬処理と、次工程の連続鋳
造処理とをマッチングさせるための2次精錬後の待ち時
間の長時間化等が生じることが多いので、溶湯の取鍋内
における滞留時間が非常に長くなる。このため、前記焼
結層11の層厚および強度が大きくなり、前記自然開孔
の成功率を表す自然開孔率が大幅に低下する。
【0005】前記自然開孔率の向上対策として、前記充
填材10に高融点物質であるクロム鉄鉱石粒を混合する
方法が提案されている。一般に粒子間の焼結反応は、粒
子の融点が高くなるにつれて抑制され、強固な焼結層を
形成するための焼結下限温度が高くなる。したがって、
前記方法は、前記充填材10の焼結下限温度を高めるこ
とができ、その結果、前記焼結層11の層厚および強度
を小さくして前記自然開孔率を向上させることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、クロム
鉄鉱石粒の前記充填材10への混合により、焼結層11
の層厚および強度が小さくなり、自然開孔率の向上を図
ることができる。しかしながら、この方法においても、
出湯回数が重なるにつれて次のような問題が発生する。
クロム鉄鉱石粒を混合した前記充填材10をノズル孔5
に充填した場合、溶湯の貯留中に形成される焼結層11
の層厚および強度が小さくなるので、出湯時、ノズル孔
5を開状態にすれば、焼結層11は溶湯の静圧によって
容易に破壊され、ノズル孔5は自然開孔される。破壊さ
れた焼結層11は溶湯とともに排出されるけれども、図
6に示すように、焼結層11とノズル装置本体3との界
面には残留焼結層13が僅かに残留する。この残留焼結
層13は、溶湯出湯中には、殆ど成長しない。しかしな
がら、溶湯の出湯完了後には、ノズル孔5が閉じられ、
溶湯の湯面上に浮遊している溶融スラグ14の流出防止
が図られるので、ノズル孔5内は、溶融スラグ14で満
たされる。この状態は、溶融スラグ14がスラグ鍋内に
排出されるまで継続される。このように、出湯完了時点
から、溶融スラグ14の排出完了時点までの間、前記残
留焼結層13は溶融スラグ14と接触しているので、残
留焼結層13と溶融スラグ14とが反応して、複合酸化
物が生成する。この複合酸化物は液状であるけれども、
高融点のCr23を含んでいるので、粘度が高く、ノズ
ル孔5の気孔中に侵透して図7に示すように、付着物1
5を形成する。付着物15は、出湯回数を重ねる毎に成
長し、最終的にはノズル閉塞に至る場合もある。このた
め、取鍋の使用回数が制限され、取鍋の耐用が大幅に低
下する。また、付着物15が成長するにつれて、ノズル
孔5の最上部における軸直角断面の断面積が小さくなる
ので、図7中に仮想線で示すように、前記焼結層11の
スパンが付着物15の生成前のL1から付着物15の生
成後のL2に減少する。焼結層11のスパンの減少は、
焼結層11の層厚および強度が小さい場合でも焼結層1
1の破壊強度を高くするので、前記溶湯静圧による破壊
が困難になり、前記自然開孔率が大幅に低下する。自然
開孔率の低下は、ノズル孔5の下部から酸素ランスを挿
入し、酸素を吹付けて焼結層11を溶融させてノズル孔
5を開孔させる、いわゆる酸素開孔の回数を増大させる
ので、ノズル孔5の開孔作業に要する時間が長くなり、
能率および生産性が大幅に低下する。
【0007】本発明の目的は、前記問題を解決し、ノズ
ル孔に充填される粒状充填材にクロム鉄鉱石粒を含む場
合でも、ノズル孔を閉塞させる付着物の生成を防止し、
ノズル孔の自然開孔率を向上させることのできる溶融金
属容器の出湯用ノズル装置およびその出湯方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融金属が貯
留されている溶融金属容器に設けられ、ノズル孔から溶
融金属を出湯する溶融金属容器の出湯用ノズル装置にお
いて、ノズル孔を有し、溶融金属を出湯するための第1
開孔が形成され、かつ炭素を含むAl23系耐火物層が
少なくとも溶融金属と接する部分の表面に形成されてい
るノズル装置本体と、溶融金属容器の外方に配置され、
ノズル孔を有し、溶融金属を出湯するための第2開孔が
形成され、かつ第1開孔の軸線に対して傾斜する方向に
変位自在であって、第2開孔が第1開孔と連通する開状
態位置と、第2開孔が第1開孔からずれた閉状態位置と
になるように変位自在であるゲート部材を有するゲート
手段と、ゲート部材が前記閉状態位置であるとき、前記
ノズル孔の第1開孔内の少なくとも溶融金属と接する部
分に充填される少なくとも外表面がCr23である粒子
を含む粒状充填材とを備えることを特徴とする溶融金属
容器の出湯用ノズル装置である。 本発明に従えば、ゲート手段のゲート部材は、第2開孔
の位置を変位させることができるので、第2開孔と第1
開孔とを連通させてノズル孔を開状態にすることも、第
2開孔と第1開孔とをずらせてノズル孔を閉状態にする
ことも自在に行うことができる。また、ノズル装置本体
には、炭素を含むAl23系耐火物層が少なくとも溶融
金属と接する部分の表面に形成されており、第1開孔内
にはノズル孔が閉状態のときにCr23粒子を含む粒状
充填材または外表面にCr23を被覆した粒状充填材が
充填されている。溶融金属の貯留中、溶融金属と前記粒
状充填材との界面には、粒子間の焼結反応によって焼結
層が形成される。一般に粒子間の焼結反応は、粒子の融
点が高くなるにつれて抑制されるので、前記Cr23
子を含む粒状充填材が用いられるときには、形成された
焼結層の層厚および強度は、粒状充填材中に含まれてい
る高融点のCr23粒子の焼結反応抑制効果によって、
それが含まれていないときよりも小さくなる。さらに、
外表面にCr23を被覆した粒状充填材が用いられると
きには、全粒子の表層に高融点のCr23が被覆されて
いるので、その焼結反応抑制効果は前記Cr23粒子を
含む粒状充填材のそれよりも大きくなり、焼結層の層厚
および強度がより一層小さくなる。したがって、出湯
時、ノズル孔を開状態にすれば、焼結層は溶融金属の静
圧によって容易に破壊され、ノズル孔は確実に自然開孔
される。破壊された焼結層は、溶融金属とともに排出さ
れるけれども、焼結層とノズル装置本体との界面には残
留焼結層が僅かに残留する。 溶融金属の出湯完了後、ノズル孔は閉状態にされて溶融
金属の湯面上に浮遊している溶融スラグの流出防止が図
られる。このため、ノズル孔には溶融スラグが満たされ
る。溶融スラグは、前記残留焼結層と接しているので、
排出されるまでの間、それと反応して複合酸化物を生成
する。生成された複合酸化物は、液状であるけれども、
高融点のCr23が含まれているので、粘度が高く前記
ノズル装置本体のAl23系耐火物層の気孔中に侵透し
て付着物を形成しやすい。しかしながら、本発明のノズ
ル装置本体のAl23系耐火物層には炭素が含まれてお
り、炭素は耐火物層に対する溶融物質のぬれ性を低下さ
せる効果を有するので、前記複合酸化物は炭素によるぬ
れ性の低下により前記気孔中に侵透せず、スラグの排出
時にスラグとともに排出される。このように、前記ノズ
ル装置本体のノズル孔には付着物が形成されないので、
付着物の成長によるノズル閉塞の発生が防止され、ノズ
ル孔の自然開孔率が大幅に向上する。このため、出湯用
ノズル装置の使用回数を大幅に増大することが可能とな
り、その耐用が大幅に向上する。
【0009】また本発明は、前記Al23系耐火物層の
炭素含有率が5〜50%であることを特徴とする。 本発明に従えば、Al23系耐火物層の炭素含有率が適
正範囲の値に選ばれている。前記炭素含有率が下限値未
満のときには、炭素によるぬれ性の低下効果が不充分で
あるので、炭素を含まないときと同様に、前記複合酸化
物がAl23系耐火物層の気孔中に侵透し、付着物が形
成される。前記炭素含有率が上限値を超えるときには、
炭素によるぬれ性低下効果が飽和し、それ以上のぬれ性
の低下が望めないばかりでなく、Al23系耐火物層の
溶損により溶融金属中に持ち込まれる炭素量が許容量以
上に増大する恐れがある。これに対して、前記炭素含有
率が適正範囲内のときには、炭素によるぬれ性の低下効
果が充分発揮されるので、前記複合酸化物がAl23
耐火物層の気孔中に侵透せず、ノズル孔に対する付着物
の形成が防止される。
【0010】また本発明は、溶融金属が貯留されている
溶融金属容器に設けられ、ノズル孔から溶融金属を出湯
する溶融金属容器の出湯用ノズル装置において、ノズル
孔を有し、溶融金属を出湯するための第1開孔が形成さ
れ、かつ炭素を含むMgO系耐火物層が少なくとも溶融
金属と接する部分の表面に形成されているノズル装置本
体と、溶融金属容器の外方に配置され、ノズル孔を有
し、溶融金属を出湯するための第2開孔が形成され、か
つ第1開孔の軸線に対して傾斜する方向に変位自在であ
って、第2開孔が第1開孔と連通する開状態位置と、第
2開孔が第1開孔からずれた閉状態位置とになるように
変位自在であるゲート部材を有するゲート手段と、ゲー
ト部材が前記閉状態位置であるとき、前記ノズル孔の第
1開孔内の少なくとも溶融金属と接する部分に充填され
る少なくとも外表面がCr23である粒子を含む粒状充
填材とを備えることを特徴とする溶融金属容器の出湯用
ノズル装置である。 本発明に従えば、ノズル装置本体には、炭素を含むMg
O系耐火物層が少なくとも溶融金属と接する部分の表面
に形成されている。MgO系耐火物層に含まれる炭素
は、前記Al23系耐火物層に含まれる炭素と同様に溶
融金属のぬれ性を低下させる効果を有するので、前記炭
素を含むMgO系耐火物層は、前記炭素を含むAl23
系耐火物層と同様の作用効果を有している。したがっ
て、前記ノズル装置本体のノズル孔に対する付着物の生
成が防止され、ノズル孔の自然開孔率が大幅に向上す
る。
【0011】また本発明は、前記MgO系耐火物層の炭
素含有率が15〜50%であることを特徴とする。 本発明に従えば、MgO系耐火物層の炭素含有率が適正
範囲の値に選ばれている。前記炭素含有率が下限値未満
のときには、炭素によるぬれ性の低下効果が不充分であ
るので、炭素を含まないときと同様に、前記複合酸化物
がMgO系耐火物層の気孔中に侵透し、付着物が形成さ
れる。前記炭素含有率が上限値を超えるときには、炭素
によるぬれ性低下効果が飽和し、それ以上のぬれ性の低
下が望めないばかりでなく、MgO系耐火物層の溶損に
より溶融金属中に持ち込まれる炭素量が許容量以上に増
大する恐れがある。これに対して、前記炭素含有率が適
正範囲内のときには、炭素によるぬれ性の低下効果が充
分発揮されるので、前記複合酸化物がMgO系耐火物層
の気孔中に侵透せず、ノズル孔に対する付着物の形成が
防止される。
【0012】また本発明は、溶融金属容器に設けられる
開閉自在な出湯用ノズル装置により容器内に貯留されて
いる溶融金属をノズル孔から容器外へ出湯する方法にお
いて、出湯用ノズル装置の少なくとも溶融金属と接する
部分の表面に炭素含有率5〜50%のAl23系耐火物
層を形成し、出湯用ノズル装置を閉状態にして少なくと
も外表面がCr23である粒子を含む粒状充填材を出湯
用ノズル装置のノズル孔内の少なくとも溶融金属と接す
る部分に充填し、その状態で容器内に溶湯を注入し、そ
の後、出湯用ノズル装置を開状態にして溶湯を出湯する
ことを特徴とする溶融金属容器の出湯用ノズル装置の出
湯方法である。 本発明に従えば、炭素含有率5〜50%のAl23系耐
火物層を出湯用ノズル装置の溶融金属と接する部分の表
面にのみ限定して形成することができるので、高価な前
記耐火物の使用量を大幅に低減することができる。ま
た、少なくとも外表面がCr23である粒子を含む粒状
充填材をノズル孔内の溶融金属と接する部分にのみ限定
して充填することができるので、高価な前記粒状充填材
の使用量を大幅に低減することができる。
【0013】また本発明は、溶融金属容器に設けられる
開閉自在な出湯用ノズル装置により容器内に貯留されて
いる溶融金属をノズル孔から容器外へ出湯する方法にお
いて、出湯用ノズル装置の少なくとも溶融金属と接する
部分の表面に炭素含有率15〜50%のMgO系耐火物
層を形成し、出湯用ノズル装置を閉状態にして少なくと
も外表面がCr23である粒子を含む粒状充填材を出湯
用ノズル装置のノズル孔内の少なくとも溶融金属と接す
る部分に充填し、その状態で容器内に溶湯を注入し、そ
の後、出湯用ノズル装置を開状態にして溶湯を出湯する
ことを特徴とする溶融金属容器の出湯用ノズル装置の出
湯方法である。 本発明に従えば、炭素含有量15〜50%のMgO系耐
火物層を出湯用ノズル装置の溶融金属と接する部分の表
面にのみ限定して形成することができるので、高価な前
記耐火物の使用量を大幅に低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る溶融金属容器の出湯用ノズル装置の閉状態の構成を簡
略化して示す断面図であり、図2は本発明の実施の一形
態である溶融金属容器の出湯用ノズル装置の開状態の構
成を簡略化して示す断面図である。
【0015】出湯用ノズル装置21は、溶融金属容器、
たとえば精錬取鍋22の底部に設けられ、貯留されてい
る溶湯を出湯するための装置であり、ノズル装置本体2
3と、ゲート手段24と、粒状充填材30とを含んで構
成される。精錬取鍋22は、溶融金属、たとえばステン
レス鋼を貯留し、次工程へ運搬するだけでなく、貯留し
ている溶湯に真空脱ガス処理などの精錬を行うための取
鍋である。
【0016】ノズル装置本体23は、精錬取鍋底部の鉄
皮31の内方に設けられる円柱状耐火物ブロックであ
り、その外周面は底部耐火物32によって外囲されてい
る。ノズル装置本体23の軸線は、精錬取鍋22の底面
に対して直角であり、その軸線上には、上下方向に延び
る第1開孔33aが形成されている。第1開孔33a
は、貫通孔であり、出湯時には溶湯の排出通路を形成す
る。
【0017】ノズル装置本体23の耐火物は2層構造で
あり、基地耐火物34と表面耐火物層35とから成る。
基地耐火物34は、Al23系耐火物またはMgO系耐
火物から成り、表面耐火物層35は、炭素を含むAl2
3系耐火物またはMgO系耐火物から成る。炭素は炭
素粒子または炭化物として含まれる。表面耐火物層35
は、基地耐火物34の表層に形成される耐火物層であ
り、溶湯貯留時、溶湯出湯時およびスラグ排出時に少な
くともノズル装置本体23が溶湯またはスラグと接する
部分に形成されることが好ましい。この理由および表面
耐火物層35の適正炭素含有率については、後述する。
本実施の形態では、表面耐火物層35は、ノズル装置本
体23の上面および第1開孔33aの上部側に形成され
ている。なお、ノズル装置本体23を全て炭素を含むA
23系またはMgO系耐火物によって構成してもよ
い。
【0018】前記ゲート手段であるスライディングノズ
ル24は、上部ノズル26と、上部プレート27と、ゲ
ート部材28と、下部ノズル29とを含んで構成され
る。上部ノズル26は、耐火物製ノズルであり、前記鉄
皮31に形成されている挿通孔に挿通され、ノズル装置
本体23の下部に嵌合されている。上部ノズル26の軸
線は、ノズル装置本体23の軸線と同一であり、その軸
線上にはノズル装置本体23の第1開孔33aと連通す
る第1開孔33bが形成されている。上部プレート27
は、耐火物製固定プレートであり、精錬取鍋22の外方
にあって、前記上部ノズル26の下部に嵌合されてい
る。上部プレート27には、上部ノズル26の第1開孔
33bと連通する第1開孔33cが形成されており、そ
の軸線は前記上部ノズル26の軸線と同一である。上部
プレート27は、鉄皮31に固定治具36によって固定
されている。前記ノズル装置本体23、上部ノズル26
および上部プレート27に形成されている各第1開孔3
3a,33b,33cは同一軸線を有し、相互に連通し
ているので、それらによって構成される連通孔を、以
後、第1開孔33と総称する。
【0019】ゲート部材である下部プレート28は、耐
火物製可動プレートであり、上部プレート27の下面に
当接して上部プレート27に対して摺動変位自在に設け
られている。下部プレート28の摺動変位は、油圧シリ
ンダ(図示せず)によって行われ、その摺動方向は前記
第1開孔33の軸線に対して直角である。下部プレート
28には、第2開孔37aが形成されており、その軸線
は精錬取鍋22の底面に対して直角である。第2開孔3
7aは、貫通孔であり、出湯時には溶湯の排出通路を形
成する。第2開孔37aの直径は、前記上部プレート2
7に形成されている第1開孔33cの直径と同一であ
る。下部ノズル29は、耐火物製ノズルであり、下部プ
レート28の下部に取付けられている。このため、下部
ノズル29は下部プレート28と一体的に摺動変位する
ことができる。下部ノズル29の軸線は、下部プレート
28の軸線と同一であり、その軸線上には下部プレート
28の第2開孔37aと連通し、かつ同一直径の第2開
孔37bが形成されている。下部プレート28および下
部ノズル29に形成されている各第2開孔37a,37
bは、同一軸線を有し、相互に連通しているので、それ
らによって構成される連通孔を、以後、第2開孔37と
総称する。また、前記第1開孔33および第2開孔37
は、出湯用ノズル装置21のノズル孔25を形成する。
【0020】このように、スライディングノズル24の
下部プレート28は、摺動変位自在に設けられているの
で、ノズル孔25を図1に示すように第2開孔37が第
1開孔33からずれた閉状態位置にすることも、図2に
示すように第2開孔37が第1開孔33と連通する開状
態位置にすることも自在に行うことができる。なお、溶
湯の流量調整は、前記開状態位置における開度調整によ
って行うことが可能であり、図2に示すように第1開孔
33と第2開孔37との軸線を一致させた場合に出湯流
量が最大になる。
【0021】前記粒状充填材30は、出湯用ノズル装置
21のノズル孔25が閉状態のとき、ノズル孔25の第
1開孔33内に充填される粒状詰物であり、溶湯貯留中
における溶湯の第1開孔33内への侵入ならびに侵入し
た溶湯の凝固を防止し、ノズル孔25の自然開孔率を向
上させるために用いられるものである。本実施の形態の
前記粒状充填材30は、溶湯と接する上層に充填される
上層粒状充填材39と、その下層に充填される下層粒状
充填材40とから成る。
【0022】前記上層粒状充填材39としては、クロム
鉄鉱石粒子、珪砂、マグネシア粒子などの混合物が好適
に用いられる。このため、前記上層粒状充填材39の成
分はCr23、SiO2、Fe23、Al23、MgO
などから成る。このように、上層粒状充填材39とし
て、Cr23粒子を含む混合物が用いられるのは、高融
点物質であるCr23粒子の前記焼結反応抑制効果によ
って、溶湯貯留中に溶湯と上層粒状充填材39との界面
に形成される焼結層38の層厚が薄くなり、焼結層38
の焼結強度が低下するからである。焼結層38は、前記
上層粒状充填材39を構成する各粒子が相互に焼結して
結合するとともに、粒子間に溶湯が侵入して凝固したも
のである。しかしながら、その層厚および焼結強度が小
さい場合には、ノズル孔25を開状態にして上層粒状充
填材39を排出し、下方からの支えのない状態にすれ
ば、溶鋼の静圧によって容易に破壊し、図2に示すよう
に溶湯とともに排出される。
【0023】前記下層粒状充填材40としては、珪砂、
マグネシア粒子などの混合物が好適に用いられる。この
ため、前記下層粒状充填材40の成分はSiO2、Al2
3、MgOなどから成り、Cr23粒子は含まれな
い。このように、前記粒状充填材30を2層に構成した
理由については、後述する。なお、前記粒状充填材30
を2層に構成しないで、Cr23粒子を含む上層粒状充
填材39の1層のみで構成してもよい。
【0024】前記粒状充填材30の粒子径は、0.5〜
2.5mmの範囲の値になるように調整することが好ま
しい。これは、前記粒子径が2.5mmを超えると粒子
間に溶湯が深く侵入し、焼結層38の層厚が厚く形成さ
れて自然開孔が困難になるからであり、前記粒子径が
0.5mm未満では、粒子の接触面積の増大により焼結
反応が促進され、焼結層38の層厚が厚く形成されて自
然開孔が困難になるからである。
【0025】前記ノズル装置本体23の表面耐火物層3
5の炭素含有率は、表面耐火物層35がAl23−C系
耐火物である場合には、5〜50%の範囲の値に選ばれ
ることが好ましく、表面耐火物層35がMgO−C系耐
火物である場合には、15〜50%の範囲の値に選ばれ
ることが好ましい。表面耐火物層35の炭素含有率の限
定理由は、次のとおりである。前記表面耐火物層35の
適正な炭素含有率を把握するために、ステンレス鋼を対
象として多数の試験操業を行った。表1に前記試験操業
から得られた前記表面耐火物層35の炭素含有率と、前
記ノズル装置本体23における付着物の付着状態との関
係を示す。また表2に試験操業における製造条件を示
す。
【0026】転炉から出鋼されたステンレス鋼溶湯は、
精錬取鍋22に注入され、精錬取鍋22に貯留されたま
ま真空脱ガス装置に装入されて2次精錬と呼ばれる真空
脱ガス処理を施される。真空脱ガス処理を施された溶湯
は、精錬取鍋22に貯留されたまま連続鋳造装置に搬送
され、精錬取鍋22の底部に設けられている出湯用ノズ
ル装置21を開状態として出湯され、連続鋳造される。
溶湯の出湯完了後、出湯用ノズル装置21は閉状態とさ
れ、溶湯の湯面上に浮遊している溶融スラグの排出が防
止される。溶融スラグは、精錬取鍋に貯留されたままス
ラグ鍋まで搬送され、出湯用ノズル装置21を開状態と
してスラグ鍋中に排出される。溶融スラグを排出した精
錬取鍋は、1チャージ分の操業を完了し、引き続き次チ
ャージの操業に供される。
【0027】表1中に示す○,△,×印は、前記精錬取
鍋22の操業を30チャージ繰り返した後における前記
ノズル装置本体23に生成した付着物の付着状態を表す
記号である。すなわち、印は前記付着物が図3(1)に
示すように全く存在せず、操業上全く問題のないことを
表す記号であり、△印は前記付着物44の付着量が図3
(2)に示すように少量であり、操業上殆ど問題がない
ことを表す記号であり、×印は前記付着物44の付着量
が図3(3)に示すように非常に多量であり、ノズル孔
25の開孔作業に支障があることを表す記号である。な
お、前記各記号に対応する自然開孔率は、○印の場合9
5%以上であり、△印の場合80〜95%であり、×印
の場合80%未満である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1から、表面耐火物層35がAl23
C系耐火物である場合には、炭素含有率5%以上の範囲
において、前記付着物44の付着量が少なく、自然開孔
率が良好であること、Al23−C系耐火物の炭素含有
率が5%未満の範囲では、自然開孔率が大幅に低下する
こと、表面耐火物層35がMgO−C系耐火物である場
合には、炭素含有率15%以上の範囲において、前記付
着物44の付着量が少なく、自然開孔率が良好であるこ
と、MgO−C系耐火物の炭素含有率が15%未満の範
囲では、自然開孔率が大幅に低下することが判る。
【0031】このように、表面耐火物層35の炭素含有
率を所定値以上にすることによって、前記付着物44の
付着量が少なくなり、自然開孔率が向上するのは、次の
ように理解することができる。図1および図2を参照し
て、前記ノズル孔25が閉状態のとき、前記第1開孔3
3内には、表2に示すようにCr23を主成分とする上
層粒状充填材39が少なくとも上部に充填されている。
ステンレス鋼溶湯の貯留中、溶湯と上層粒状充填材39
との界面には、焼結層38が形成される。形成された焼
結層38の層厚および強度は、上層粒状充填材39中に
高融点のCr23粒子が混合されているので、前述のよ
うにCr23粒子が含まれていないときに比べて小さく
なる。したがって、出湯時、ノズル孔25を開状態にす
れば、焼結層38は溶鋼の静圧によって破壊され、ノズ
ル孔25は確実に自然開孔される。破壊された焼結層3
8は、図2に示すように溶湯とともに排出されるけれど
も、焼結層38と、第1開孔33との界面には、残留焼
結層38aが僅かに残留する。
【0032】溶湯の出湯完了後、ノズル孔25は閉状態
にされ、溶湯の湯面上に浮遊している溶湯スラグの流出
が防止される。このため、ノズル孔25には溶融スラグ
が満たされる。溶融スラグは、前記残留焼結層38aと
接触しているので、排出されるまでの間、それと反応し
て複合酸化物を生成する。生成された複合酸化物は、高
融点のCr23を含んでいるので、Cr23を含まない
複合酸化物よりも粘度の高い液状体として存在する。前
記高粘度複合酸化物は、前記表面耐火物層35と接触し
ているので、前記表面耐火物層35に対するぬれ性が良
好であれば、毛細管現象によって前記表面耐火物層35
の気孔中に浸透して付着物を形成する。しかしながら、
前述のように本実施の形態の前記表面耐火物層35には
炭素が含有されており、炭素は耐火物層に対する溶融物
質のぬれ性を低下させる効果を有するので、所定値以上
の炭素含有率を有する前記表面耐火物層35の気孔中に
は、前記複合酸化物は浸透することができない。気孔中
に浸透していない前記複合酸化物は、溶融スラグ排出時
に溶融スラグとともに排出されるので、付着物として残
留しない。
【0033】このように、本実施の形態では付着物が形
成されないので、付着物の成長によるノズル閉塞の発生
が回避され、ノズル孔25の自然開孔率が大幅に向上す
る。このため、出湯用ノズル装置21の使用回数を大幅
に増大することが可能となり、その耐用が大幅に向上す
る。さらに、前記酸素開孔の回数が大幅に低減されるの
で、ノズル孔の開孔作業に要する時間が短縮され、能率
および生産性が大幅に向上する。
【0034】これに対して、前記表面耐火物層35に炭
素が含まれていないか、または炭素含有率が所定値未満
の場合には、炭素のぬれ性低下効果が充分でないので、
複合酸化物が前記表面耐火物層35の気孔中に浸透し、
付着物44を形成する。形成された付着物44は、出湯
回数(チャージ数)を重ねる毎に成長し、ノズル孔25
の断面積を減少させるとともに、前述のように焼結層3
8のスパンを縮小させて焼結層38の破壊強度を向上さ
せ、結果として自然開孔率を大幅に低下させる。
【0035】前記表面耐火物層35の炭素含有率の下限
値を前述のように限定したのは、以上述べた理由による
ものである。また、前記表面耐火物層35の炭素含有率
の上限値を前述のように限定したのは、炭素含有率が上
限値を超えるときには、炭素によるぬれ性の低下効果が
飽和し、それ以上のぬれ性の低下が望めないこと、炭素
含有率の高い前記表面耐火物層35の溶損により、溶湯
中に持ち込まれる炭素量が増大し、製品の機械的性質を
低下させる恐れがあることなどの理由によるものであ
る。
【0036】本実施の形態における溶湯の出湯は、前記
出湯用ノズル装置21を用いて次のようにして行われ
る。第1ステップでは、出湯用ノズル装置21が精錬取
鍋22の底部に設置される。出湯用ノズル装置21のノ
ズル装置本体23には、炭素含有率5〜50%のAl2
3系耐火物または炭素含有率15〜50%のMgO系
耐火物から成る表面耐火物層35が、少なくとも溶湯お
よび溶融スラグと接する部分に形成されている。これに
よって、前述のように表面耐火物層35に対する付着物
44の生成を防止することができるので、ノズル孔25
の自然開孔率が大幅に向上する。また、適正範囲の炭素
含有率を有する表面耐火物層35が最小限必要な部分に
のみ限定して用いられているので、高価な前記耐火物の
使用量を大幅に低減することができる。
【0037】第2ステップでは、前記ノズル孔25が閉
状態にされ、前記第1開孔33内に粒状充填材30が充
填される。粒状充填材30は2層に充填され、溶湯と接
する上層にはCr23粒子を混合した上層粒状充填材3
9が充填され、下層にはCr23粒子を含まない下層粒
状充填材40が充填される。このように、溶湯と接する
上層には、高融点のCr23粒子を混合した上層粒状充
填材39が充填されているので、前述のように前記焼結
層38の層厚および強度を効果的に小さくすることがで
き、自然開孔率を大幅に向上させることができる。ま
た、Cr23粒子を含む上層粒状充填材39が上層のみ
に使用されているので、高価な上層粒状充填材39の使
用量を大幅に低減することができる。
【0038】第3ステップでは、精錬取鍋22内に溶湯
が注入される。注入された溶湯は、精錬取鍋22内に貯
留され、貯留されたまま真空脱ガス処理などの精錬を施
される。
【0039】第4ステップでは、溶湯の出湯が行われ
る。溶湯の出湯は、スライディングノズル24の下部プ
レート28を摺動し、前記第1開孔33と第2開孔37
とを連通させることによって行われる。
【0040】図4は、図1に示す粒状充填材として好適
に用いることのできる複層粒状充填材の構成を簡略化し
て示す断面図である。複層粒状充填材43は、SiO2
粒子などの芯材粒子42と、その表層に被覆される微細
Cr23粒子41とから成る。前述のように、粒子間の
焼結反応は粒子の融点が高くなるにつれて抑制され、強
固な焼結層を形成するための焼結下限温度が高くなる。
前記複層粒状充填材43は、融点の高い微細Cr23
子を全粒子の表層に有しているので、Cr23粒子を混
合している前記上層粒状充填材39よりも焼結反応が抑
制され、前記焼結下限温度が高くなる。したがって、前
記複層粒状充填材43を前記上層粒状充填材39の代わ
りに用いることによって、溶湯貯留中に形成される焼結
層38の層厚および強度を小さくすることができる。そ
の結果、出湯時、焼結層38を溶湯静圧によって確実に
破壊することが可能となり、ノズル孔25の自然開孔率
が大幅に向上する。
【0041】なお、出湯用ノズル装置21は、精錬取鍋
22ばかりでなく、他の溶融金属容器に設置してもよ
い。また、設置位置は底部ばかりでなく、側部であって
もよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズル装
置本体のAl23系またはMgO系耐火物層には炭素が
含まれているので、ノズル装置本体のノズル孔には、付
着物が形成されない。このため、付着物の成長によるノ
ズル閉塞の発生が防止され、ノズル孔の自然開孔率が大
幅に向上する。また、出湯用ノズル装置の使用回数を大
幅に増大することが可能となり、その耐用が大幅に向上
する。さらにまた、ノズル孔の開孔作業に要する時間が
短縮され、能率および生産性が大幅に向上する。
【0043】また本発明によれば、Al23系またはM
gO系耐火物層の炭素含有率が適正範囲の値に選ばれて
いるので、炭素によるぬれ性の低下効果が充分発揮さ
れ、ノズル孔に対する付着物の形成が防止される。ま
た、Al23系またはMgO系耐火物層の炭素含有率の
上限値が規制されているので、それらの溶損により溶融
金属中に持ち込まれる炭素量を許容値以下に抑制するこ
とができる。
【0044】また本発明によれば、炭素含有率5〜50
%のAl23系耐火物または炭素含有率15〜50%の
MgO系耐火物ならびに少なくとも外表面がCr23
ある粒子を含む粒状充填材が反応界面に限定して使用さ
れているので、高価なそれらの使用量を大幅に低減する
ことができる。また、少なくとも外表面がCr23であ
る粒子を含む粒状充填材の焼結反応抑制効果によって自
然開孔率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である溶融金属容器の出
湯用ノズル装置の閉状態の構成を簡略化して示す断面図
である。
【図2】本発明の実施の一形態である溶融金属容器の出
湯用ノズル装置の開状態の構成を簡略化して示す断面図
である。
【図3】図1に示す出湯用ノズル装置に生成した付着物
の付着状態を簡略化して示す断面図である。
【図4】図1に示す粒状充填材として好適に用いること
のできる複層粒状充填材の構成を簡略化して示す断面図
である。
【図5】取鍋底部に付設されている従来からの溶融金属
容器の出湯用ノズル装置の構成を簡略化して示す断面図
である。
【図6】図5に示す従来からの出湯用ノズル装置の開状
態の構成を簡略化して示す断面図である。
【図7】図5に示す従来からの出湯用ノズル装置に生成
した付着物の付着状態を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
21 出湯用ノズル装置 22 精錬取鍋 23 ノズル装置本体 24 ゲート手段 25 ノズル孔 28 ゲート部材 30 粒状充填材 33 第1開孔 35 表面耐火物層 37 第2開孔 38 焼結層 39 上層粒状充填材 40 下層粒状充填材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属が貯留されている溶融金属容器
    に設けられ、ノズル孔から溶融金属を出湯する溶融金属
    容器の出湯用ノズル装置において、 ノズル孔を有し、溶融金属を出湯するための第1開孔が
    形成され、かつ炭素を含むAl23系耐火物層が少なく
    とも溶融金属と接する部分の表面に形成されているノズ
    ル装置本体と、 溶融金属容器の外方に配置され、ノズル孔を有し、溶融
    金属を出湯するための第2開孔が形成され、かつ第1開
    孔の軸線に対して傾斜する方向に変位自在であって、第
    2開孔が第1開孔と連通する開状態位置と、第2開孔が
    第1開孔からずれた閉状態位置とになるように変位自在
    であるゲート部材を有するゲート手段と、 ゲート部材が前記閉状態位置であるとき、前記ノズル孔
    の第1開孔内の少なくとも溶融金属と接する部分に充填
    される少なくとも外表面がCr23である粒子を含む粒
    状充填材とを備えることを特徴とする溶融金属容器の出
    湯用ノズル装置。
  2. 【請求項2】 前記Al23系耐火物層の炭素含有率が
    5〜50%であることを特徴とする請求項1記載の溶融
    金属容器の出湯用ノズル装置。
  3. 【請求項3】 溶融金属が貯留されている溶融金属容器
    に設けられ、ノズル孔から溶融金属を出湯する溶融金属
    容器の出湯用ノズル装置において、 ノズル孔を有し、溶融金属を出湯するための第1開孔が
    形成され、かつ炭素を含むMgO系耐火物層が少なくと
    も溶融金属と接する部分の表面に形成されているノズル
    装置本体と、 溶融金属容器の外方に配置され、ノズル孔を有し、溶融
    金属を出湯するための第2開孔が形成され、かつ第1開
    孔の軸線に対して傾斜する方向に変位自在であって、第
    2開孔が第1開孔と連通する開状態位置と、第2開孔が
    第1開孔からずれた閉状態位置とになるように変位自在
    であるゲート部材を有するゲート手段と、 ゲート部材が前記閉状態位置であるとき、前記ノズル孔
    の第1開孔内の少なくとも溶融金属と接する部分に充填
    される少なくとも外表面がCr23である粒子を含む粒
    状充填材とを備えることを特徴とする溶融金属容器の出
    湯用ノズル装置。
  4. 【請求項4】 前記MgO系耐火物層の炭素含有率が1
    5〜50%であることを特徴とする請求項3記載の溶融
    金属容器の出湯用ノズル装置。
  5. 【請求項5】 溶融金属容器に設けられる開閉自在な出
    湯用ノズル装置により容器内に貯留されている溶融金属
    をノズル孔から容器外へ出湯する方法において、 出湯用ノズル装置の少なくとも溶融金属と接する部分の
    表面に炭素含有率5〜50%のAl23系耐火物層を形
    成し、出湯用ノズル装置を閉状態にして少なくとも外表
    面がCr23である粒子を含む粒状充填材を出湯用ノズ
    ル装置のノズル孔内の少なくとも溶融金属と接する部分
    に充填し、その状態で容器内に溶湯を注入し、その後、
    出湯用ノズル装置を開状態にして溶湯を出湯することを
    特徴とする溶融金属容器の出湯用ノズル装置の出湯方
    法。
  6. 【請求項6】 溶融金属容器に設けられる開閉自在な出
    湯用ノズル装置により容器内に貯留されている溶融金属
    をノズル孔から容器外へ出湯する方法において、 出湯用ノズル装置の少なくとも溶融金属と接する部分の
    表面に炭素含有率15〜50%のMgO系耐火物層を形
    成し、出湯用ノズル装置を閉状態にして少なくとも外表
    面がCr23である粒子を含む粒状充填材を出湯用ノズ
    ル装置のノズル孔内の少なくとも溶融金属と接する部分
    に充填し、その状態で容器内に溶湯を注入し、その後、
    出湯用ノズル装置を開状態にして溶湯を出湯することを
    特徴とする溶融金属容器の出湯用ノズル装置の出湯方
    法。
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