JPH09313875A - 生物脱臭装置及びその方法 - Google Patents

生物脱臭装置及びその方法

Info

Publication number
JPH09313875A
JPH09313875A JP8151564A JP15156496A JPH09313875A JP H09313875 A JPH09313875 A JP H09313875A JP 8151564 A JP8151564 A JP 8151564A JP 15156496 A JP15156496 A JP 15156496A JP H09313875 A JPH09313875 A JP H09313875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
peat moss
deodorizing device
deodorizing
odor gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8151564A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Kondo
近藤  洋一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KONDO GOKIN KIKAI KK
Original Assignee
KONDO GOKIN KIKAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KONDO GOKIN KIKAI KK filed Critical KONDO GOKIN KIKAI KK
Priority to JP8151564A priority Critical patent/JPH09313875A/ja
Publication of JPH09313875A publication Critical patent/JPH09313875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気物の絶対量が多く、自然環境が急激に変
化しても分解効率が低下することもなく、かつ、高い濃
度の原臭ガスでも効率的に処理可能である設備費の低廉
な生物脱臭装置及びその方法を提供する。 【解決手段】 原臭ガスに水を散水して該原臭ガス中の
臭気物の一部を捕捉する水洗脱臭装置21と、複数のピ
ートモスの充填層が上、下に均圧スペース14を介して
積層されたピートモス脱臭装置11と、水洗脱臭装置2
1によって前記臭気物の一部が捕捉された水をピートモ
ス脱臭装置11の上段充填層12内又は均圧スぺース1
4に散水するための水洗水配管20又は所定量の水をピ
ートモス脱臭装置11の上部から散水するための散水配
管17aと、前記原臭ガス中の臭気物の一部が除去され
た原臭ガスをピートモス脱臭装置11の下部から供給す
るための原臭ガス配管22とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば汚水、汚泥
沈砂池等で生じる原臭ガス中の臭気物の絶対量が多く、
また自然環境が急激に変化しても分解効率が低下するこ
とのない生物脱臭装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に生活廃棄物として塵芥及び下水廃
棄物の処理量は増加しつつあり、この処理を行なうため
に、塵芥類は焼却又は埋め立てが行なわれている。一
方、下水廃棄物は、貯槽及び処理の際に悪臭が発生する
ので、活性炭吸着方式による物理的方法や、薬液吸
収方式による化学的方法及び土壌脱臭方式又は微生物
担体方式による生物的方法により処理されている。この
下水廃棄物から発生する悪臭の臭気物の成分としては、
NH3 、メチルメルカプタン、H2 S、硫化メチル、二
硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、ス
チレンがある。前記の二つの生物的方法のうち、土壌脱
臭方式は微生物の代謝機能を利用する脱臭方式として近
年急激な普及を遂げてきたが、土壌が大きな通気抵抗を
示すため広い敷地面積を必要とし、かつ大気開放構造を
取っているため、降雨時にショートパス等の通気トラブ
ルが発生するという欠点がある。そこで、生物脱臭の特
徴を生かし、しかも土壌脱臭方式の欠点を補うものとし
て微生物担体方式(ピートモス脱臭方式)が、順次広範
囲に採用されている。このピートモス脱臭とは、ピート
モスに生存して臭気物を食す生物(バクテリア)の作用
を利用するものである。
【0003】ピートモス脱臭方式を適用した生物脱臭装
置として、図2に示すような装置が知られている。処理
槽24内の下水廃棄物により生じた原臭ガスは、原臭ガ
ス配管25を介してピートモス脱臭装置11の下部の原
臭ガス流入口15からピートモス脱臭装置11内に導入
され、ピートモス脱臭装置11内の下部から上部にかけ
て設けられた下段充填層13、均圧スペース14、上段
充填層12を通って、上部において、図示しない給水装
置により散水配管17aを介して、散水配管17aの先
端に固着されたスプレーノズル17により散水されなが
ら、バクテリアにより脱臭処理され、処理ガス流出口1
6から排出されている。スプレーノズル17により散水
されて上段充填層12、均圧スペース14、下段充填層
13を通って槽の底部に溜まった水は排水口18、排水
配管18aにより外部に排出される。なお、散水はピー
トモスの乾燥を避け、脱臭効率を高めるためになされ
る。ピートモス中の水分は悪臭の捕捉にも微生物による
分解にも不可欠のものであり、土中における生物化学反
応の大部分が最大容水量の40〜70%の範囲で営まれ
ていることなどから、ピートモス水分量を50%程度に
維持するために散水している。そして、この散水は定期
的にかつ、定量散布するためにタイマー制御による配管
弁の操作を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このピ
ートモス脱臭方式は土壌脱臭方式に比較して、設備費
用、分解効率、ランニングコスト等の点で優れている
が、反面ピートモスに生存する臭気物を食す生物(バク
テリア)が自然環境に極めて敏感であり、この自然環境
により処理能力が大幅に異なる点が問題となる。この自
然環境とは、ピートモス脱臭装置11に導入される原臭
ガス中の臭気物の絶対量(濃度)、臭気物の種類、暴露
温度、バクテリアの生息する場所の湿度であり、特に、
臭気物の絶対量が急激に多くなり、高い濃度になると、
生息するバクテリアに対する環境がPHの変動により最
適環境範囲から外れるために、バクテリアの活性が阻害
されて分解効率が低下するという問題がある。図2に示
すピートモス脱臭装置11では、原臭ガス中の臭気物は
まず、下段充填層13で高い濃度の状態で処理され、臭
気物の一部が除去されて濃度が低下したものが均圧スペ
ース14で均圧にされた後、上段充填層12で処理され
るために、下段充填層13は高い負荷となっており、こ
の結果分解効率が低いという問題がある。例えば、汚
水、汚泥沈砂池等で生じる原臭ガス中の臭気成分中のN
3 が15〜25ppm程度の場合に、このような問題
が生じる。また、暴露温度すなわち、ピートモス脱臭装
置11内の脱臭処理温度も分解効率に影響を及ぼし、こ
の温度が高すぎるとバクテリアの死滅、あるいは不活性
化となり、一方、低すぎても同様に不活性化となり、分
解効率の低下に繋がる。そして、一般のピートモス脱臭
による臭気処理は、季節の変化及び臭気物の絶対量が急
激に変化するために前述の問題が特に顕著となってい
る。この問題を解決するためには、ピートモス脱臭装置
の容量を大きく、余裕のあるものにするか、あるいは処
理後の許容臭気濃度を高くすればよいが、その結果、設
備費の高騰や環境の悪化に繋がり問題となる。
【0005】本発明はかかる事情を鑑みてなされたもの
であり、臭気物の絶対量が多く、また自然環境が急激に
変化しても分解効率が低下することもなく、かつ、高い
濃度の原臭ガスでも効率的に処理可能である設備費の低
廉な生物脱臭装置及びその方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の生物脱臭方法は、供給される原臭ガスに散水して
該原臭ガス中の臭気物の一部を前記水に捕捉させ、該臭
気物の一部を捕捉した水及び/又は所定量の水を複数の
ピートモス充填層が均圧スペースを介して上、下に積層
されたピートモス脱臭装置の上部のピートモス充填層内
又は前記均圧スペース内に散水すると共に、前記原臭ガ
ス中の臭気物の一部が除去されたガスを前記ピートモス
脱臭装置の下部から供給し、前記原臭ガス中の臭気物の
濃度をより低くしてピートモス脱臭する。請求項2記載
の生物脱臭方法は、請求項1記載の生物脱臭方法におい
て、前記ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温度を、30
〜50℃に制御する。請求項3記載の生物脱臭方法は、
請求項2記載の生物脱臭方法において、前記ピートモス
脱臭装置内の脱臭処理温度が所定温度より高い場合に
は、前記原臭ガスに散水する水の量を増加、又は前記ピ
ートモス脱臭装置を空冷、水冷等により冷却し、一方、
所定温度より低い場合には、前記臭気物の一部を捕捉し
た水及び/又は前記所定量の水を加温手段にて加温及び
/又は前記原臭ガスに散水する水の量を減少する。
【0007】請求項4記載の生物脱臭装置は、原臭ガス
をピートモスにより脱臭する生物脱臭装置において、前
記原臭ガスに水を散水して該原臭ガス中の臭気物の一部
を捕捉する水洗脱臭装置と、複数のピートモス充填層が
均圧スペースを介して上、下に積層されたピートモス脱
臭装置と、前記水洗脱臭装置によって前記臭気物の一部
を捕捉した水を前記ピートモス脱臭装置の上部のピート
モス充填層内又は均圧スペース内に散水するための水洗
水配管及び/又は所定量の水を前記ピートモス脱臭装置
の上部に散水するための散水配管と、前記原臭ガス中の
臭気物の一部が除去されたガスを前記ピートモス脱臭装
置の下部から供給するための原臭ガス配管とから構成さ
れる。そして、請求項5記載の生物脱臭装置は、請求項
4記載の生物脱臭装置において、前記水洗水配管の途中
に、前記水洗脱臭装置によって前記臭気物の一部を捕捉
した水を加温するための加温手段を設けている。ここ
で、ピートモス充填層に供給される臭気物の一部を捕捉
した水及び/又は所定量の水とは、ピートモスの乾燥を
避け、脱臭効率を最適に維持できる量(又は流量)の水
を意味する。また、ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温
度を、30〜50℃に制御する理由として、50℃を超
えると、生物(バクテリア)が死滅、或いは不活性化と
なり、一方、30℃未満となると、同様に不活性化とな
るためである。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る生物脱臭装置の概略構成図である。図1に示す
ように、本発明の一実施の形態に係る生物脱臭装置10
は、処理槽24から供給される原臭ガスを水洗脱臭する
水洗脱臭装置21と、水洗脱臭装置21により処理され
た原臭ガスをその下部から、一方水洗脱臭した水をその
上部のピートモス充填層内又は均圧スぺース14に配設
されたスプレーノズル20cから導入して脱臭処理する
ピートモス脱臭装置11とからなる。以下、これらにつ
いて詳しく説明する。
【0009】水洗脱臭装置21は下部が円錐形の円筒状
の槽からなり、上部の外周面には処理槽24に連結され
た原臭ガス配管23が接続されると共に、ピートモス脱
臭装置11の原臭ガス流入口15に連結された原臭ガス
配管22が接続されており、さらに下部の円錐形部の先
端部には、開閉弁20bを介して、ピートモス脱臭装置
11の上部のピートモス充填層の一例である上段充填層
12又は均圧スぺース14に散水するために設けられた
水洗水配管20が接続されている。また、水洗脱臭装置
21の槽の上面の内部にはスプレーノズル21aが散水
配管21bの先端に取り付けられている。水洗脱臭装置
としては本実施の形態のように、スプレーノズルを用い
たシャワー式の他に、湿式サイクロン式、その他一般的
な湿式手段を採用できる。なお、20aは水洗脱臭した
水をピートモス脱臭装置11の上部のピートモス充填層
内又は均圧スぺース14に水量を制御して送水するため
の開閉弁である。
【0010】ピートモス脱臭装置11は、上部のピート
モス充填層内又は均圧スぺース14に配管を介してスプ
レーノズル20cを設けた以外は、前記図2に示すピー
トモス脱臭装置と同一の構成のものである。ピートモス
脱臭装置11は円筒状の槽からなり、下部の原臭ガス流
入口15には、水洗脱臭装置21で水洗処理された原臭
ガスが供給されるための原臭ガス配管22が接続され、
原臭ガス流入口15の上方には、脱臭用微生物の担体と
してピートモスが用いられた下段充填層13、下段充填
層13の上方には、均圧スペース14を介して、下段充
填層13と同様脱臭用微生物の担体としてピートモスが
用いられた上段充填層12が設けられている。均圧スペ
ース14は、槽内を通過する原臭ガスが均圧となりガス
が均等に流れるように設けられている。上段充填層12
と下段充填層13との間の均圧スペース14には、前記
水洗水配管20に接続されたスプレーノズル20cが設
けられ、図示しない給水ポンプにより水洗脱臭装置21
にて一部脱臭された臭気物を含む水が、ピートモス脱臭
装置11内に散水されるようになっている。ここで、水
洗脱臭装置21で一部脱臭された臭気物を含む水を均圧
スぺース14内に散水したが、図1の破線で示すように
上段充填層12内に設けた配管と、この配管に接続され
たスプレーノズル20cから散水してもよい。また、散
水配管17aは上段充填層12及びピートモス充填層の
一例である下段充填層13の乾燥を防止して生物(バク
テリア)の活性を維持するための水配管であり、スプレ
ーノズル17により散水される。
【0011】また、ピートモス脱臭装置11の原臭ガス
流入口15より下方位置には、前記スプレーノズル17
及び/又は20cにより散水されて、上段充填層12、
均圧スペース14及び下段充填層13を経て槽の下部に
貯留される水を外部に排水するための排水配管18aが
排水口18に接続されている。さらに、必要に応じて、
水洗水配管20の途中に、水洗脱臭装置21にて一部脱
臭された臭気物を含む水を加温するための加温手段19
が設けられ、外気の影響を受けるピートモス脱臭装置1
1内の脱臭処理温度が所定範囲(30℃〜50℃)に維
持できるようになっている。脱臭処理温度が高い場合
は、水洗脱臭装置21内に散水する水量(Q1 )を増や
すか、又はピートモス脱臭装置11全体を外気放冷、空
冷、水冷等の冷却手段により冷却する。一方、脱臭処理
温度が低い場合は、水洗脱臭装置21内に散水する水量
(Q1 )を減少したり、前記加温手段19を使用した
り、又は、ヒーター等を用いてピートモス脱臭装置11
全体を加熱することもできる。なお、加温手段として
は、例えば、電気ヒーター、温水、蒸気等の手段を用い
ることができる。
【0012】次いで、生物脱臭装置10を使用した生物
脱臭方法について説明する。図1に示すように、処理槽
24内の下水廃棄物により発生した原臭ガスは、原臭ガ
ス配管23を介して水洗脱臭装置21に導入され、原臭
ガス中の一部の臭気物は水洗脱臭装置21の上部からス
プレーノズル21aを介して散水される水によって捕捉
される。この一部の臭気物が吸収された水は開閉弁20
b、水洗水配管20、開閉弁20aを経て、ピートモス
脱臭装置11内の上段充填層12又は均圧スぺース14
に設けられたスプレーノズル20cから散水され、ピー
トモス脱臭装置11内の均圧スペース14から下段充填
層13を通って脱臭されると共に、下段充填層13の未
脱臭分は、臭気が速やかに上昇して上段充填層12によ
り脱臭される。また、ピートモス脱臭装置11内のピー
トモスの乾燥を避け、脱臭効率を高めるために、前記散
水配管17aからも必要に応じて所定量(Q2 )の水が
供給される。なお、前記一部の臭気物を吸収した水は、
水洗水配管20とスプレーノズル20cから連続的又は
間欠的に供給される。
【0013】一方、水洗脱臭装置21にて原臭ガス中の
一部の臭気物が取り除かれたガスは、原臭ガス配管22
を経て、ピートモス脱臭装置11の下部の原臭ガス流入
口15からピートモス脱臭装置11内に導入され、ピー
トモス脱臭装置11内の下部から上部にかけて設けられ
た下段充填層13、均圧スペース14、上段充填層12
を通って、バクテリアにより脱臭処理される。ピートモ
ス脱臭装置11内の内部温度は、図示しない温度計によ
って測定され、その温度が50℃を超える場合には、水
洗脱臭装置21内に散水する水量(Q1 )を増やした
り、また必要に応じて、散水配管17aからも所定量
(Q2 )の水に加えて、さらに水を増やして温度を50
℃以下となるように制御することができる。一方、内部
温度が30℃未満の場合には、水洗脱臭装置21内に散
水する水量(Q1 )を減らしたり及び/又は加温手段1
9を使用したり、また必要に応じて、散水配管17aに
設けられた図示しない加温手段により、ピートモス脱臭
装置11内の内部温度が30℃以上となるように制御す
ることができる。ピートモス脱臭装置11内で脱臭処理
された原臭ガスは処理ガス流出口16から外部へ排出さ
れる。
【0014】
【実施例】次に、前記生物脱臭装置10を用いて、雨水
沈砂池、汚水沈砂池及びこれらの付帯設備より発生する
臭気を脱臭処理した実施例について説明する。 (実施例1)条件は以下の通りである。ガスの組成は、
NH3 15ppm、メチルメルカプタン0.03mg/
リットル、その他0.07ppmで、処理ガス量は80
3 /分、処理ガスの温度は35℃、上段充填層12及
び下段充填層13のピートモスの充填量は65m3 、ピ
ートモス脱臭装置11内の上部から散水配管17aを介
して散水される水の量(Q2 )は1.5m3 /日、その
温度は25℃、水洗脱臭装置21の散水量(Q1)を
0.5m3 /日、その水温は25℃とした場合、ピート
モス脱臭装置11の内部温度が40℃であった。内部温
度が40℃で適温であったので、加温手段19の作動及
び水洗脱臭装置21の散水量(Q1 )の増減は実施しな
かった。この結果、まず水洗脱臭装置21での水洗脱臭
により、NH3 は15ppmから9ppmに減少し、メ
チルメルカプタンも0.03mg/リットルから0.0
2mg/リットルに減少した。次いで、この一部脱臭さ
れた原臭ガス及び臭気物を含有した水をピートモス脱臭
装置11で処理した結果、NH3 は、例えば、一般に用
いるガスクロマト法による測定では測定不能の濃度
(0.15ppm)までに、メチルメルカプタンは0.
007mg/リットル(約80%除去)に、その他含有
成分も約90%以上除去できた。
【0015】(実施例2)条件は以下の通りである。ガ
スの組成は、NH3 20ppm、メチルメルカプタン
0.04mg/リットル、その他0.08ppmで、処
理ガス量は90m3 /分、処理ガスの温度は10℃、上
段充填層12及び下段充填層13のピートモスの充填量
は実施例1と同様に65m3 、ピートモス脱臭装置11
内の上部から散水配管17aを介して散水される水の量
(Q2 )は実施例1に比べて増やして2.0m3 /日、
その水温は15℃、水洗脱臭装置21の散水量(Q1
を1.0m3 /日、その水温は16℃とした場合、ピー
トモス脱臭装置11の内部温度が20℃となった。内部
温度が20℃と所定温度より低かったので、加温手段1
9を作動させて水洗脱臭装置21の散水量(Q1 )1.
0m3 /日分を加温し、散水配管17aを介して散水さ
れる上部からの散水量(Q2 )2.0m3 /日分でそれ
ぞれ散水することによって、ピートモス脱臭装置11の
内部温度を約38℃に維持した。この結果、まず水洗脱
臭装置21での水洗脱臭により、NH3 は20ppmか
ら10ppmに減少し、メチルメルカプタンも0.04
mg/リットルから0.025mg/リットルに減少し
た。次いで、この一部脱臭された原臭ガス及び臭気物を
含有した水をピートモス脱臭装置11で処理した結果、
原臭ガスのNH3は、例えば、一般に用いるガスクロマ
ト法による測定では測定不能の濃度(0.15ppm)
までに、メチルメルカプタンは0.006mg/リット
ル(85%除去)に、その他含有成分も約93%以上除
去できた。また、他の実施例として、図1の破線で示す
ように、ピートモスの上段充填層12内にスプレーノズ
ル20cを設けた以外は、前記実施例1、2と同じ条件
で行なった場合、更に良好な結果が得られた。
【0016】(比較例)次に、従来例に係る生物脱臭装
置を用いて脱臭処理した比較例について説明する。条件
は実施例1と同様に、ガスの組成は、NH3 15pp
m、メチルメルカプタン0.03mg/リットル、その
他0.07ppmで、処理ガス量は80m3/分、処理
ガスの温度は10℃、上段充填層12及び下段充填層1
3のピートモスの充填量は65m3 、ピートモス脱臭装
置11内の上部から散水配管17aを介して散水される
水の量(Q2 )は1.5m3 /日、その水温は15℃と
した場合、ピートモス脱臭装置11の内部温度が20℃
となって、バクテリアの不活性の環境であった。この結
果、ピートモス脱臭装置11で処理後の原臭ガスのNH
3 は、3.5ppmに、メチルメルカプタンは0.01
5mg/リットル(50%除去)に、その他含有成分も
50〜70%程度にしか除去できなかった。
【0017】以上の結果から明らかなように、実施例1
及び実施例2では、従来の生物脱臭方法と比べて、原臭
ガスを、まず水洗脱臭装置において、散水によって水に
接触させて臭気物の濃度を薄くすると共に、濃度が薄く
なった原臭ガスを従来の通りピートモス脱臭装置の下部
に導入すると共に、水洗脱臭装置において臭気物の一部
が吸着された水をピートモス脱臭装置の上部のピートモ
ス充填層内又は均圧スぺースに導入することによって、
従来法に比べてより濃度の低い原臭ガスを下段充填層
へ、一方、臭気物の一部を吸着した水を均圧スぺース又
は上段充填層へ供給することによって、ピートモス充填
層に対する負荷がより軽減される。したがって、上、下
段充填層を最大限に活用でき能力を最大にできる。ま
た、このように上、下段充填層を最大限に活用できるの
で、従来に比べて、より濃度の高い原臭ガス(例えば、
15〜25ppm)でも効率的に処理できる。また、原
臭ガス及び外部環境等によるピートモス脱臭装置の内部
温度を、加温手段等を使用してバクテリアの活性化の高
い所望の温度範囲とすることができるので、分解効率を
高くできる。したがって、ピートモス脱臭装置の容量を
大きく、余裕のあるものにできると共に、装置自体の寿
命を長くできる。
【0018】前記実施の形態では、水洗脱臭装置におい
て臭気物の一部を吸着した水を加温手段により加温した
が、加温した状態の水を水洗脱臭装置に供給することも
できる。前記実施の形態では、ピートモス脱臭装置内の
ピートモス充填層の数を2としたが、必要に応じて1又
は2以上とすることもできる。また、前記実施の形態で
は、ピートモス脱臭装置内への散水は水洗水配管20と
散水配管17aを両方用いて実施したが、水洗水配管2
0又は散水配管17aのみで行なうこともできる。散水
配管17aのみで行なう場合には、開閉弁20aを閉と
すると共に、水洗水配管20に図示しない分岐管を設
け、該分岐管に設けられた開閉弁を開とすることによ
り、水洗脱臭装置21にて臭気物の一部を吸収した水を
外部に排出する。この場合、ピートモス脱臭装置内の脱
臭処理温度を30〜50℃に保つために、温度が低い場
合には散水配管17aに設けられた図示しない加温手段
により温度を上昇させ、一方温度が高い場合には散水量
を増やしたり、又はピートモス脱臭装置全体の冷却を行
なう。また、ピートモス脱臭装置内への散水を水洗水配
管20のみで行なう場合には、散水配管17aに設けら
れた図示しない開閉弁を閉とする。この場合、温度が低
い場合には水洗水配管20に設けられた加温手段19に
より温度を上昇させ、一方温度が高い場合には散水量を
増やしたり、又はピートモス脱臭装置全体の冷却を行な
う。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜3記載の生物脱臭方法及び請
求項4、5記載の生物脱臭装置においては、供給される
原臭ガスに散水して原臭ガス中の臭気物の一部を水に捕
捉させ、臭気物の一部を捕捉した水及び/又は所定量の
水を複数のピートモス充填層が均圧スペースを介して
上、下に積層されたピートモス脱臭装置の上部のピート
モス充填層内又は均圧スペース内に散水すると共に、原
臭ガス中の臭気物の一部が除去されたガスをピートモス
脱臭装置の下部から供給することによって原臭ガス中の
臭気物の濃度をより低くしてピートモス脱臭するので、
従来法に比べてより濃度の低い原臭ガスを下段充填層
へ、一方、必要に応じて、臭気物の一部を吸着した水を
上段充填層内又は均圧スぺースへ供給することによっ
て、ピートモスの下段充填層に対する負荷がより軽減さ
れ、上、下段充填層を最大限に活用でき、分解効率を高
くできる。また、従来に比べて、より濃度の高い原臭ガ
スでも効率的に処理できる。
【0020】特に、請求項2記載の生物脱臭方法におい
ては、ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温度を、30〜
50℃に制御しているので、バクテリアの活性化が図ら
れ、分解効率をさらに高く維持できる。請求項3記載の
生物脱臭方法及び請求項5記載の生物脱臭装置において
は、ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温度が所定温度よ
り高い場合には、原臭ガスに散水する水の量を増加、又
はピートモス脱臭装置を空冷、水冷等により冷却し、一
方、所定温度より低い場合には、臭気物の一部を捕捉し
た水及び/又は所定量の水を加温手段にて加温及び/又
は原臭ガスに散水する水の量を減少するようにしている
ので、簡単かつ廉価な手段でピートモス脱臭装置内の脱
臭処理温度の調節ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る生物脱臭装置の概
略構成図である。
【図2】従来例に係る生物脱臭装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
10 生物脱臭装置 11 ピートモ
ス脱臭装置 12 上段充填層(ピートモス充填層) 13 下段充填層(ピートモス充填層) 14 均圧スペース 15 原臭ガス
流入口 16 処理ガス流出口 17 スプレー
ノズル 17a 散水配管 18 排水口 18a 排水配管 19 加温手段 20 水洗水配管 20a 開閉弁 20b 開閉弁 20c スプレ
ーノズル 21 水洗脱臭装置 21a スプレ
ーノズル 21b 散水配管 22 原臭ガス
配管 23 原臭ガス配管 24 処理槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給される原臭ガスに散水して該原臭ガ
    ス中の臭気物の一部を前記水に捕捉させ、該臭気物の一
    部を捕捉した水及び/又は所定量の水を複数のピートモ
    ス充填層が均圧スペースを介して上、下に積層されたピ
    ートモス脱臭装置の上部のピートモス充填層内又は前記
    均圧スペース内に散水すると共に、前記原臭ガス中の臭
    気物の一部が除去されたガスを前記ピートモス脱臭装置
    の下部から供給し、前記原臭ガス中の臭気物の濃度をよ
    り低くしてピートモス脱臭することを特徴とする生物脱
    臭方法。
  2. 【請求項2】 前記ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温
    度を、30〜50℃に制御することを特徴とする請求項
    1記載の生物脱臭方法。
  3. 【請求項3】 前記ピートモス脱臭装置内の脱臭処理温
    度が所定温度より高い場合には、前記原臭ガスに散水す
    る水の量を増加、又は前記ピートモス脱臭装置を空冷、
    水冷等により冷却し、一方、所定温度より低い場合に
    は、前記臭気物の一部を捕捉した水及び/又は前記所定
    量の水を加温手段にて加温及び/又は前記原臭ガスに散
    水する水の量を減少することを特徴とする請求項2記載
    の生物脱臭方法。
  4. 【請求項4】 原臭ガスをピートモスにより脱臭する生
    物脱臭装置において、 前記原臭ガスに水を散水して該原臭ガス中の臭気物の一
    部を捕捉する水洗脱臭装置と、 複数のピートモス充填層が均圧スペースを介して上、下
    に積層されたピートモス脱臭装置と、 前記水洗脱臭装置によって前記臭気物の一部を捕捉した
    水を前記ピートモス脱臭装置の上部のピートモス充填層
    内又は均圧スペース内に散水するための水洗水配管及び
    /又は所定量の水を前記ピートモス脱臭装置の上部に散
    水するための散水配管と、 前記原臭ガス中の臭気物の一部が除去されたガスを前記
    ピートモス脱臭装置の下部から供給するための原臭ガス
    配管とから構成されることを特徴とする生物脱臭装置。
  5. 【請求項5】 前記水洗水配管の途中に、前記水洗脱臭
    装置によって前記臭気物の一部を捕捉した水を加温する
    ための加温手段を設けたことを特徴とする請求項4記載
    の生物脱臭装置。
JP8151564A 1996-05-22 1996-05-22 生物脱臭装置及びその方法 Pending JPH09313875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8151564A JPH09313875A (ja) 1996-05-22 1996-05-22 生物脱臭装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8151564A JPH09313875A (ja) 1996-05-22 1996-05-22 生物脱臭装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09313875A true JPH09313875A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15521297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8151564A Pending JPH09313875A (ja) 1996-05-22 1996-05-22 生物脱臭装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09313875A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001028939A1 (en) * 1999-10-22 2001-04-26 Sphagnum As A process for dewatering of sludge
JP2003033625A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Seikow Chemical Engineering & Machinery Ltd 生物脱臭方法
JP2008114165A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Hitachi Plant Technologies Ltd Vocガスの処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001028939A1 (en) * 1999-10-22 2001-04-26 Sphagnum As A process for dewatering of sludge
US6837999B1 (en) 1999-10-22 2005-01-04 Sphagnum As Process for dewatering of sludge
JP2003033625A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Seikow Chemical Engineering & Machinery Ltd 生物脱臭方法
JP2008114165A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Hitachi Plant Technologies Ltd Vocガスの処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101982856B1 (ko) 악취 저감장치
JP3657841B2 (ja) 有機廃棄物処理装置における脱臭装置
JPH09313875A (ja) 生物脱臭装置及びその方法
KR20150127964A (ko) 하이브리드 악취탈취장치
JP3912871B2 (ja) 寒冷地対応の家畜ふん尿堆肥化処理用脱臭装置
KR200189104Y1 (ko) 축산분뇨의 유기질 비료화 시스템
KR200156952Y1 (ko) 활성부식질을 이용한 탈취장치
JP2589040B2 (ja) 生物脱臭方法
JP2003010632A (ja) 生ゴミ処理機における脱臭装置
JP2605769Y2 (ja) 生物脱臭装置
JP3313027B2 (ja) 汚水処理装置に於ける嫌気処理槽の生物脱臭方法及びその装置
JP3063103B2 (ja) 生物脱臭方法
KR100612742B1 (ko) 음식물 쓰레기 처리기의 냄새탈취 장치
JP2697066B2 (ja) 生物脱臭装置
JPH10216468A (ja) 生物脱臭機能を有する覆蓋装置
JPH09313874A (ja) 生物脱臭装置
KR100789981B1 (ko) 무기 및 유기 악취 처리용 생물학적 탈취 시스템
JP3083732B2 (ja) 脱臭装置
JPH10180033A (ja) 積雪・凍結機能を有する上面開放型脱臭装置
KR100653128B1 (ko) 유기성 폐기물 자원화 플랜트의 공기흐름 구조
JP6792237B2 (ja) 硫化水素低減材および硫化水素低減方法
JPS6117528B2 (ja)
JP3394976B2 (ja) 脱臭装置
KR100481030B1 (ko) 폐쇄계 무악취 오니 건조장치
JPH1142418A (ja) 生物脱臭方法及びその装置