JPH09312899A - 話速変換方法および話速変換機能付補聴器 - Google Patents

話速変換方法および話速変換機能付補聴器

Info

Publication number
JPH09312899A
JPH09312899A JP8127364A JP12736496A JPH09312899A JP H09312899 A JPH09312899 A JP H09312899A JP 8127364 A JP8127364 A JP 8127364A JP 12736496 A JP12736496 A JP 12736496A JP H09312899 A JPH09312899 A JP H09312899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
signal
speed conversion
ram
vowels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8127364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2959468B2 (ja
Inventor
Katsufumi Kondo
克文 近藤
Koji Tanitaka
幸司 谷高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP8127364A priority Critical patent/JP2959468B2/ja
Publication of JPH09312899A publication Critical patent/JPH09312899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2959468B2 publication Critical patent/JP2959468B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発話速度(話速)を低速にして装用者に聞き取
りやすくし、且つ、入力に対して出力音声信号が遅延し
ない話速変換機能付補聴器を提供する。 【解決手段】最初の3音節のみ伸長し、以後の音節はそ
のまま出力するか、または、データ量が多すぎる場合に
は、圧縮して出力する。装用者は最初の数音節をはっき
り聞き取ればその単語をほぼ理解することができ、最初
の単語を理解できれば、その文全体の理解が容易になる
ため、以後入力される音声信号は増幅のみで話速変換し
なくても装用者が理解することができ、また、以後の音
声信号をそのまままたは時間的に圧縮して出力すること
により、入力から出力までの遅れを最小限にすることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力された音声
信号の発話速度(話速)を伸長して出力することによ
り、装用者の聴覚機能の低下を補償した話速変換機能付
補聴器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高齢者など聴覚機能が低下し
た者が装用する機能補助装置として補聴器が使用されて
いる。ところで、老齢化による聴覚機能の低下は、最小
可聴信号レベルの上昇,高音域の聴取機能の低下などの
伝音系機能低下のほか音声識別臨界速度(語音を識別す
ることができる最大の話速)の低下などの聴覚中枢系の
機能低下も含まれている。
【0003】このため、高齢者用の補聴器として、音声
信号の周波数帯域の一部または全部を増幅することに加
えて、音声信号を時間的に伸長して出力速度を入力速度
よりも低速にする話速変換処理を行う補聴器も提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、入力された音
声信号を単純に伸長して出力するのみの補聴器では、長
い音声信号を入力したとき、入力信号に対する出力信号
の遅延が大きくなる問題点があった。またこのため、テ
レビなど画像と同期した音声信号では、画像との同期が
ずれてしまい、画像と音声が不一致になってしまう問題
点があった。
【0005】この発明は、入力される音声信号の主要な
一部のみを時間的に伸長することにより、遅れが少なく
かつ聞き取りやすいように音声信号の話速を変換する話
速変換方法および話速変換機能付補聴器を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、継続的に入力される音声信号のうち、先頭から所
定数の母音を時間的に伸長し、その後入力される母音を
伸長しないことを特徴とする。
【0007】この出願の請求項2の発明は、継続的に入
力される音声信号のうち、先頭から所定数の母音を時間
的に伸長し、その後入力される母音を時間的に圧縮する
ことを特徴とする。
【0008】この出願の請求項3の発明は、継続的に入
力される音声信号のうち、先頭から所定数の母音を時間
的に伸長し、その後入力される無声区間の一部を削除す
ることを特徴とする。
【0009】この出願の請求項4の発明は、継続して入
力される音声信号中の母音部を検出する母音部検出手段
と、該母音部検出手段が検出した母音部の数をカウント
するカウント手段と、該カウント手段のカウント値が所
定値になるまで入力された母音部を時間的に伸長する伸
長手段と、前記カウント手段のカウント値が前記所定値
に達したのち入力される母音部および無声区間を圧縮ま
たは削除する圧縮手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】この発明では、会話やアナウンスの意味内
容は、その全体を完全に聞き取ることができなくても、
その一部、特に先頭部分を正確に聞き取ることができれ
ば、十分に把握することが可能である。そこで、一つの
単語を構成する音節の数は3つあるいは4つなど比較的
少数の特定の数が多いことに着目し、先頭の数音節は伸
長し、それ以後の音節はそのまままたは圧縮して出力す
ることにより、意味内容の把握が容易であり且つ入力信
号と出力信号の遅延が最小限になるようにしている。な
お、日本語の場合、各音節には必ず母音が含まれ、母音
を伸縮することで話速変換することに基づき、母音数を
カウントすることで音節数のカウントに代えている。
【0011】上記請求項の処理動作は、アナウンスや言
葉として継続して入力される音声信号群毎に実行され、
一定の時間間隔をおいて複数の音声信号群が入力される
場合には、各音声信号群について各々上記処理動作が実
行される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施の形態で
ある話速変換機能付補聴器(以下、単に補聴器とい
う。)の構成を示すブロック図である。マイク10はオ
ーディオ信号を受信してアンプ11に入力する。なお、
オーディオ信号は、会話やアナウンスの人声である音声
信号やノイズなどからなる可聴周波数信号である。ま
た、マイク10は補聴器本体,装耳部等どこに設けるも
のであってもよい。前記アンプ11は前記オーディオ信
号を増幅してフィルタ12に入力する。上記フィルタ1
2はアンチエリアシングフィルタであり、サンプリング
周波数の1/2以上の周波数をカットするローパスフィ
ルタで構成されている。このフィルタ12を通過したオ
ーディオ信号はA/Dコンバータ13でディジタル信号
(波形データ)に変換される。このディジタルの波形デ
ータはDSP14に入力される。DSP14には信号処
理用RAM15,パラメータRAM16およびRAM1
7が接続されている。信号処理用RAM15はDRAM
で構成された大容量のものであり、この信号処理用RA
M15には話速変換され伸長された音声信号や遅延して
出力される音声信号が記憶される。また、パラメータR
AM16はDSP14の動作を制御するためのパラメー
タを記憶するRAMであり、バッテリバックアップされ
たSRAMで構成されている。このパラメータRAM1
6には話速変換比率(伸長率)や後述の伸長音節数(N
vmax),レベル閾値(Pth),長さ閾値(Lpt
h),限度波数(Nd)などのパラメータが記憶され
る。またこのパラメータRAM16には設定器22が接
続されている。この設定器22は、伸長率や伸長音節数
を設定するためのものである。ROM17には後述のフ
ローチャートで示されるDSP14の動作プログラムが
記憶されている。
【0013】DSP14は入力された波形データを分析
して、現在音声信号が入力されているか否かを判断す
る。音声信号が入力されている場合には、その信号を伸
長するなど適切な処理をして信号処理用RAM15に書
き込むとともに、読出クロック(サンプリングクロッ
ク)に同期してこの信号をD/Aコンバータ18に出力
する。また、音声信号が入力されていない場合には、入
力された信号をそのままD/Aコンバータ18に出力す
る。また、DSP14はD/Aコンバータ18に信号を
出力するとき、該信号のうち高い周波数成分のゲインを
大きくするイコライジングを同時に行う。
【0014】D/Aコンバータ18は入力されたディジ
タル波形データをアナログのオーディオ信号に再変換し
てローパスフィルタ19に入力する。オーディオ信号
は、ローパスフィルタ18を通過することによって、ア
ナログ変換時の不連続ノイズが除去される。そして、ア
ンプ20がこの信号を利用者が可聴できるレベルまで増
幅してレシーバ21に出力する。レシーバ21は、アン
プ20から入力されたアナログ信号を空気振動に変換し
て装用者の外耳道に放出する。
【0015】なお、上記A/Dコンバータ13,DSP
14およびD/Aコンバータ18には図示していないク
ロック回路からクロックが供与されている。
【0016】ここで、この補聴器の機能を図2を参照し
て説明する。この補聴器はパラメータRAM16に記憶
されている伸長率で入力音声信号を話速変換して(伸長
して)出力する。しかし、入力される全ての音声信号を
伸長すると、長い文章が一度に入力される場合には、入
力信号に対する出力信号の遅延が大きくなりすぎて信号
処理用RAM15の記憶容量が足りなくなったり、会話
における応答のずれが大きくなりすぎて会話が円滑に行
われなくなる問題点が生じ、さらに、テレビや映画など
では画面と音声のずれが大きくなる問題点などが生じ
る。その一方で、単語や一連の文はその全体を完全に聞
き取ることができなくても、その一部、特に先頭部分を
正確に聞き取ることができれば、その内容を十分に把握
することができる。そこで、一つの単語を構成する音節
の数は3つあるいは4つなど比較的少数の特定の数が多
いことに着目し、この実施形態では先頭から3つの音節
は伸長し、それ以後の音節はそのまままたは圧縮して出
力することにより、入力音声音声と出力音声信号の遅延
の最小限にしている。なお、この実施形態では、日本語
の場合、各音節には必ず母音が含まれていることに着目
し、母音の数をカウントすることで音節数のカウントに
代えている。また、音声信号中の無音部(無声区間)も
必要に応じて伸長または短縮するようにしている。
【0017】図2は母音数9の文「カッターを取ってく
ださーい。」が入力されたときの話速変換処理を示す図
である。最初の3母音が入力されるまですなわち「カッ
ターを」は所定の伸長率で伸長する。同図では、
「a」,「a−」,「o」を1.4倍に伸長している。
また、促音(「カッター」の「ッ」)を形成する無声区
間ns1も同様に1.4倍の伸長率で伸長している。そ
してこれ以後に入力される音声信号はそのまま出力(メ
モリに書き込み)するかまたは圧縮して出力するように
している。すなわち、「カッターを」から「取ってくだ
さーい」の間のインターバルであるns2は無声区間の
時間限度Tnlを超えるため、このTnl以後は削除さ
れる。また、「さー」の母音「a−」は、母音の限度波
数Ndを超えるため、このNd以後の波形データは1/
2に圧縮して出力される。圧縮の方式は2波(2周期の
波形データ)を読み出して、これらの平均波を算出し、
この1波のみをメモリ(信号処理用RAM15)記憶す
ることで時間を1/2に圧縮する方式である。このよう
に無声区間の削除や母音の圧縮を行うことにより、先頭
の3母音を伸長しても図示のdelay程度の出力遅延
しか生じない。
【0018】最後の信号「i」が入力されたのち信号の
ない時間が続くが、最初はこの区間は音声信号中の無声
区間の可能性があるためこの波形データを(Tnlまで
は)信号処理用RAM15に蓄積しながら次の音声信号
が入力されるのを待機する。しかし、無音限度時間Tn
s経過しても次の音声信号が入力されない場合には、音
声信号が終了していると判断し、最後に蓄積した無音の
信号を廃棄して次の音声信号が入力されるまで待機す
る。
【0019】なお、この補聴器は入力レベルが入力レベ
ル閾値Pthを超える信号が持続時間閾値Lpth以上
の長さ入力されたとき、これを音声信号であると判断し
て上記処理を行う。このため、同図に示すパルス的なノ
イズが入力されても持続時間が短いためこれを音声信号
として処理しない。また、話速変換された音声信号がメ
モリから読出出力されている期間以外は入力されたオー
ディオ信号(レベルノイズやパルスノイズなどの背景
音)をそのまま出力している。
【0020】また、この図は、時間軸上の伸長方式のみ
図示しているが、実際には出力レベルは入力レベルに比
して数十dB増幅されているものとする。また、この増
幅レベルは全ての周波数帯域に一様ではなく、可聴周波
数に限定され、且つ、可聴周波数上方が特に大きなゲイ
ンで増幅されるようになっている。このイコライズ処理
もDSP14が行う。
【0021】なお、この実施形態では第4音節以後の母
音がNdを超えたとき圧縮するようにしているが、圧縮
しないでそのまま出力するようにしてもよい。また、圧
縮の方式として、音節(母音)が一定波数を超えるとき
その超えた部分を1/2に圧縮する方式を採用している
が、圧縮方式はこれに限定されるものではなく、音節
(母音)全体を圧縮するようにしてもよい。また、圧縮
しない限度Ndを波数単位でなく時間単位で定めるよう
にしてもよい。
【0022】図3〜図6は上記DSPの動作を示すフロ
ーチャートである。図3はデータ取込処理、図4,図5
は話速変換処理、図6は読出処理を示している。これら
データ取込処理、話速変換処理、読出処理は並行して実
行される。なお、全ての動作スタート時に先立って初期
設定動作が実行され、信号処理用RAM15のクリアや
フラグのプリセットなどが行われているものとする。
【0023】図3のフローチャートを参照してデータ取
込処理について説明する。このデータ取込処理は、数サ
ンプルの波形データからなるフレーム毎に実行される。
まず、A/Dコンバータ13から波形データDをリアル
タイムバッファに取り込む(s1)。そして、このレベ
ルを判定する(s2)。このデータDのレベルが入力レ
ベル閾値Pthよりも高い場合にはs6以下の動作に進
む。また、DのレベルがPth以下の場合にはs4以下
に進む。なお、リアルタイムバッファや各種フラグはD
SP14の内部に設定されている。
【0024】装用直後で音声信号がない場合、D≦Pt
hであり、初期設定によりFnsセット、Fsリセット
であるためs2→s3→s4で何もしないでリターンす
る。ここで、話速変換フラグFsは、現在話速変換処理
(主として伸長処理)を行っていることを示すフラグで
あり、これがセットされていると入力された波形データ
がそのまま出力されないことを示している。また、信号
無しフラグFnsは入力された波形データがPthを超
えているか否かを示すフラグである。このフラグのリセ
ット状態が一定時間(Lpth)以上継続した場合、す
なわち、Pthを超える信号がLpth以上継続して入
力された場合、入力された信号が音声信号であると判断
される。
【0025】Pthを超える何らかの信号が入力された
場合、s6に進み、話速変換フラグFsがセットされて
いるか否かを判断する。最初はこのフラグはセットされ
ていないためs7に進み信号無しフラグFnsがセット
されているか否かを判断する。最初にこの動作に進んだ
ときはFnsがセットされているためs7からs8に進
む。s8ではFnsをリセットし、リセット継続時間
(閾値レベルを超えた時間)をカウントするためタイマ
カウンタTを0にリセットする(s9)。また、連続し
て2回以上s6→s7に動作が進んだ場合にはすでにF
nsがリセットされているためs7からs10に進む。
s10ではタイマカウンタTに1を加算する。加算の結
果Tが閾値Lpthに等しくなった場合には(s1
1)、現在入力されている信号は音声信号であるとして
話速変換処理を開始し信号処理用RAM15から波形デ
ータを読み出すようにするため話速変換フラグFsおよ
びメモリ読出フラグFmをセットして(s12)、リタ
ーンする。一方、s11でT<Lpthであった場合に
はそのままリターンする。このように、s2で入力ささ
れた波形データDが一定時間Lpth以上レベル閾値P
thを超えていた場合には音声信号が入力されたことし
てFsがセットされる。Fsがセットされている間、後
述(図4)の話速変換処理が実行される。
【0026】一方、入力された波形データのレベルDが
Pth以下になった場合には、s2からs3に進む。s
3ではFnsがセットしているか否かを判断するが、一
旦レベルDがPthを超えたのち、レベルが低下してs
3に進んだ場合には、前記s8でFnsがリセットされ
ているためs3からs14に進む。s14では信号無し
フラグFnsをセットし、無音時間をカウントするため
タイマカウンタTをリセットする(s15)。また、す
でにFnsがリセットされている場合にはs3からs4
に進み話速変換フラグFsがリセットされているか否か
を判断する。Fsがリセットされている場合には上述し
たようにそのままリターンするが、一旦、話速変換動作
をスタートしたのち入力信号レベルが低下してこの処理
動作に進んだ場合にはFsはセットしたままであるため
s4からs16に進む。s16ではタイマカウンタTに
1を加算する。加算の結果Tが無音時間閾値Tnsに達
した場合には(s17)、既に音声信号の入力は終了し
ていると判断して話速変換フラグFsをリセットすると
ともに、音声信号の波形データが終了した以後、信号処
理用RAM15に書き込まれた無音部のデータを廃棄す
るように、並行動作している話速変換処理動作に指示す
る(s19)。一方、Tに1を加算してもs17でT<
Tnsであった場合にはそのままリターンする。
【0027】このように、入力された波形データがPt
hを下回ったままTnsを経過したとき、音声信号の入
力が終了したとして話速変換フラグFsをリセットす
る。なお、波形データのレベルDがPthを下回ったと
き即座にFsをリセットしないのは、図2に示したよう
に音声信号中にも短時間の無音部(無声区間)が存在す
るからであり、この無声区間も音声信号として取り込む
必要があるからである。音声信号中に含まれる無音区間
としては促音「っ」や語間のインターバルなどがある。
【0028】図4は話速変換処理動作を示すフローチャ
ートである。まず、話速変換フラグFsがセットしてい
るか否かを判断する(s20)。セットしていない場合
にはまだ話速変換すべき音声信号が入力されていないと
してリターンする。Fsがセットされている場合には、
リアルタイムバッファに記憶されているデータを読み取
る(s21)。このデータが母音部のデータであるか
(s22)、子音部のデータであるか(s23)、無音
部のデータであるか(s24)、または、無音部データ
の廃棄指示のデータであるか(s25)を判断する。な
お、この話速変換処理動作においてリアルタイムバッフ
ァのデータの読み取りはs21のみで行われるのではな
く、必要に応じて各処理動作で行われる。また、リアル
タイムバッファからデータを読み取るとき、必要に応じ
てA/Dコンバータ13からデータが入力されるまで待
機する。
【0029】あ行以外の音節は子音から開始するため、
子音部と判断された場合にはs23からs26に進みこ
の子音部のデータをそのまま信号処理用RAM15に書
き込む(s26)。子音は非周期音であり加工すると不
自然になるため、話速変換するときでも伸長しないため
である。なお、この話速変換処理において、信号処理用
RAM15への波形データの書き込みは書込ポインタが
示すアドレスに対して行われ、この書き込みののち書込
ポインタのアドレスは更新される。
【0030】一方、読み取られたデータが母音部のデー
タである場合には、母音部数カウンタNvに1を加算す
る(s30)。なお母音数カウンタNvは動作スタート
時にリセットされている。そして、この加算によりNv
がNvmaxを超えたか否かを判断する(s31)。図
2を参照して説明したようにこの実施形態ではNvma
x=3にしている。したがって、Nvが4になったとき
s31は肯定的な判断となりs34に進む。NvがNv
max以下のときには、この母音部の伸長処理を実行す
る(s32,s33)。
【0031】図5(A)のフローチャートを参照して伸
長処理を説明する。ここでは、母音部の複数周期程度の
波形データを1つのブロックとして扱う。たとえば、母
音の3波で1ブロックとする。そして、このブロックに
おける母音波形の基本周波数を算出する(s60)。こ
の基本周波数の算出はゼロクロスを用いたもので、s2
2の動作とほぼ同様である。そしてブロック内の隣接す
る2波形を選択して切り出し(s61)、これらの平均
波形を算出する(s62)。そしてこの平均波形を上記
切り出した2波形間に挿入する(s63)。これでこの
ブロックは4波になったことになる。この4波のブロッ
クを信号処理用RAM15に書き込む(s64)。この
例では、3波を4波に伸長しているため、伸長率は13
3%となる。また、各ブロックは全て同数である必要は
なく、伸長率130%にするためには、ブロックの波数
を4,3,3の繰り返しにすればよい。
【0032】図6に戻って、検出された母音部(音節)
が5番目以後のものであった場合にはs31からs34
に進む。s34ではこの母音部の長さを波数で計るため
の波数カウンタNwをクリアする。そしてリアルタイム
バッファに入力される波形データを読み取り、1波形が
入力される毎にNwをカウントアップしてゆく(s3
5)。そしてこの波数Nwが限度波数Ndを超えるまで
はそのままRAMに書き込んでゆく(s36→s3
9)。Nwが限度波数Ndを超え、且つ、信号処理用R
AM15に書き込まれている未出力の波形データの残量
(読出残量)が許容残量Mを超えている場合には、これ
以後の母音部波形データに圧縮処理を施して(s3
8)、信号処理用RAM15に書き込む。なお、Nwが
限度波数Ndを超えていても上記読出残量が許容残量M
以下の場合には圧縮せずそのまま信号処理用RAM15
に書き込む(s37→s39)。なお、読出残量は書込
ポインタが指示するアドレスと読出ポインタが指示する
アドレスの差によって算出することができる。
【0033】図6(B)は圧縮処理動作を示すフローチ
ャートである。この動作は、リアルタイムバッファに2
波形が入力されるのを待って実行される。まず、この2
波形を切り出し(s65)、この平均波形を算出する
(s66)。そして、この算出された平均波形を上記2
波形に代えて信号処理用RAM15に書き込む(s6
7)。この動作により、Nd以後の母音部波形は1/2
に圧縮されることになる。
【0034】また、s21で読み取られた波形データが
無音部のものであれば母音数(音節数)カウンタNvの
値を判断する(s24→s41)。NvがNvmaxを
超えておらず、且つ、読出残量が許容残量M以下であれ
ば(s44)母音部の伸長率に合わせてこの無音部も伸
長して信号処理用RAM15に書き込む(s45)。も
し、読出残量が許容残量Mを超えている場合には伸長せ
ずにそのまま信号処理用RAM15に書き込む(s4
6)。一方、音節数Nvが伸長限度数Nvmaxを超え
ている場合には、無音部の長さをカウントしているタイ
マカウンタT(図4のs15,s16参照)の値が記憶
限度値Tnlを超えており(s42)且つ読出残量がM
超えているか(s43)を判断する。これらの判断のう
ちいずれかが否定的であればこの無音部のデータを伸長
せずにそのまま信号処理用RAM15に書き込む(s2
6)。これらの判断が肯定的であればこの無音部を記憶
する余裕はないとしてこれを書き込まないでそのままリ
ターンする。このデータはリアルタイムバッファから廃
棄されることになる。
【0035】一方、読み取られたデータが無音部の廃棄
指示であれば信号処理用RAM15の末尾に記憶されて
いる無音データ群を廃棄・消去する(s47)。これ
は、これらの無音部データを音声信号の無声区間として
記憶していたが、実際には音声信号が終了したあとの無
音部分であり不要であることが判明したからである。
【0036】図6は読出処理動作を示すフローチャート
である。この動作はデータ取込処理と同様、補聴器の動
作スタートと同時に起動し常時実行されている。この動
作も上記データ取込処理動作と同様サンプリングタイミ
ング毎に実行される。
【0037】まず、メモリ読出フラグFmがセットして
いるか否かを判断する(s70)。Fmがセットしてい
ない場合にはs76に進んで、リアルタイムバッファに
記憶されている最新のデータを読み出してD/Aコンバ
ータ18に出力する。Fmがセットされている場合には
信号処理用RAM15に読み出すべきデータがあるか否
かを判断し(s71)、ある場合には読出ポインタが指
示するアドレスの波形データを読み出してD/Aコンバ
ータ18に出力する(s72)。読出ポインタはこの読
み出し動作に伴って歩進される。そして、現在、信号処
理フラグFsがリセットしており、且つ、読出残量が許
容残量M以下であるか、すなわち、これ以後許容残量M
以上に未読出波形データの量が増えないかを判断する
(s73)。そうであれば母音数カウンタNvをリセッ
トして、次の音声信号群(会話やアナウンス)の入力に
備える(s74)。
【0038】一方、信号処理用RAM15に読み出すべ
きデータがない場合にはFmをリセットしたのち(s7
5)、リアルタイムバッファから最新のデータを読み出
してD/Aコンバータ18に出力する(s76)。以
後、変換処理動作がスタートしてFmがセットされるま
でリアルタイムバッファからD/Aコンバータ18にデ
ータが出力されることになる。
【0039】なお、上記実施形態では、母音数カウンタ
Nvのカウント値が3を超えたとき、波数カウンタNw
がNdを超え且つ読出残量がMを超えていることを条件
として、以後の母音を圧縮し、無声区間を削除するよう
にしているが、Nvが3を超えたとき、無条件に以後の
母音,無声区間を圧縮,削除するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、先頭か
ら所定数の母音のみを伸長することにより、最小限の遅
延時間で入力される音声信号の内容を理解しやすくする
ことができる。
【0041】また、この発明によれば、先頭から所定数
の母音以後に入力される母音や無声区間を圧縮または一
部削除することにより、上記先頭から数母音の伸長によ
る時間的遅れを解消し、内容を理解しやすく、且つ、入
力に対して殆ど遅延のない音声信号を出力することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である話速変換機能付の補
聴器のブロック図
【図2】同補聴器の話速変換機能を説明する図
【図3】同補聴器のDSPの動作を示すフローチャート
【図4】同補聴器のDSPの動作を示すフローチャート
【図5】同補聴器のDSPの動作を示すフローチャート
【図6】同補聴器のDSPの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
10…マイクロフォン、11…マイクアンプ、12…フ
ィルタ、13…A/Dコンバータ、14…DSP、15
…音声信号RAM、16…パラメータRAM、17…R
OM、18…D/Aコンバータ、19…ローパスフィル
タ、20…パワーアンプ、21…レシーバ、22…設定

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 継続的に入力される音声信号のうち、先
    頭から所定数の母音を時間的に伸長し、その後入力され
    る母音を伸長しないことを特徴とする話速変換方法。
  2. 【請求項2】 継続的に入力される音声信号のうち、先
    頭から所定数の母音を時間的に伸長し、その後入力され
    る母音を時間的に圧縮することを特徴とする話速変換方
    法。
  3. 【請求項3】 継続的に入力される音声信号のうち、先
    頭から所定数の母音を時間的に伸長し、その後入力され
    る無声区間の一部を削除することを特徴とする話速変換
    方法。
  4. 【請求項4】 継続して入力される音声信号中の母音部
    を検出する母音部検出手段と、 該母音部検出手段が検出した母音部の数をカウントする
    カウント手段と、 該カウント手段のカウント値が所定値になるまで、入力
    された母音部を時間的に伸長する伸長手段と、 前記カウント手段のカウント値が前記所定値に達したの
    ち、入力される母音部および無声区間を圧縮または削除
    する圧縮手段と、 を備えたことを特徴とする話速変換機能付補聴器。
JP8127364A 1996-05-22 1996-05-22 話速変換方法および話速変換機能付補聴器 Expired - Fee Related JP2959468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8127364A JP2959468B2 (ja) 1996-05-22 1996-05-22 話速変換方法および話速変換機能付補聴器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8127364A JP2959468B2 (ja) 1996-05-22 1996-05-22 話速変換方法および話速変換機能付補聴器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09312899A true JPH09312899A (ja) 1997-12-02
JP2959468B2 JP2959468B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=14958142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8127364A Expired - Fee Related JP2959468B2 (ja) 1996-05-22 1996-05-22 話速変換方法および話速変換機能付補聴器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2959468B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001053835A (ja) * 1999-05-28 2001-02-23 Sanyo Electric Co Ltd 話速変換装置を備えた通話装置
JP5342720B2 (ja) * 2009-03-24 2013-11-13 パナソニック株式会社 音声画像再生システム、補聴器、音声画像処理装置
EP2911147A1 (en) 2014-02-21 2015-08-26 Yamaha Corporation Multifunctional audio signal generation apparatus

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4051331A (en) 1976-03-29 1977-09-27 Brigham Young University Speech coding hearing aid system utilizing formant frequency transformation

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001053835A (ja) * 1999-05-28 2001-02-23 Sanyo Electric Co Ltd 話速変換装置を備えた通話装置
JP5342720B2 (ja) * 2009-03-24 2013-11-13 パナソニック株式会社 音声画像再生システム、補聴器、音声画像処理装置
EP2911147A1 (en) 2014-02-21 2015-08-26 Yamaha Corporation Multifunctional audio signal generation apparatus
US9792916B2 (en) 2014-02-21 2017-10-17 Yamaha Corporation Multifunctional audio signal generation apparatus
EP3261086A1 (en) 2014-02-21 2017-12-27 Yamaha Corporation Multifunctional audio signal generation apparatus
US10388290B2 (en) 2014-02-21 2019-08-20 Yamaha Corporation Multifunctional audio signal generation apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2959468B2 (ja) 1999-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2955247B2 (ja) 話速変換方法およびその装置
JP3961616B2 (ja) 話速変換方法および話速変換機能付補聴器
JP2959468B2 (ja) 話速変換方法および話速変換機能付補聴器
JP2000152394A (ja) 軽度難聴者用補聴装置、軽度難聴者対応伝送システム、軽度難聴者対応記録再生装置、及び軽度難聴者対応再生装置
KR100956167B1 (ko) 한국어 주파수 특성에 맞는 다채널 디지털 보청기의 채널설정방법 및 이를 이용한 다채널 디지털 보청기
JP3553828B2 (ja) 音声蓄積再生方法および音声蓄積再生装置
JPH10301598A (ja) 話速変換方法およびその装置
JPH0556499A (ja) デイジタル補聴器
JP4127155B2 (ja) 聴覚補助装置
JP4134844B2 (ja) 聴覚補助装置
JP3284968B2 (ja) 話速変換機能を有する補聴器
JPH0580796A (ja) 話速制御型補聴方法および装置
JPH10145897A (ja) 話速変換装置
JPS5879400A (ja) 補聴器
JP2905112B2 (ja) 環境音分析装置
JP3632384B2 (ja) 聴覚補助装置
JPH07281691A (ja) 話速変換方法
JP3102553B2 (ja) 音声信号処理装置
JPH08317496A (ja) ディジタル音声信号処理装置
JPH0698398A (ja) 音声の無音区間検出伸長装置及び音声の無音区間検出伸長方法
JP3257379B2 (ja) 話速変換機能付補聴器
JPH08294199A (ja) 話速変換装置
JPH086594A (ja) 骨伝導音声のノイズ除去装置
JP3085237B2 (ja) 話速変換装置
JP2870421B2 (ja) 話速変換機能を有する補聴器

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110730

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120730

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees