JPH0931230A - ポリプロピレン系樹脂発泡体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡体

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JPH0931230A
JPH0931230A JP18949195A JP18949195A JPH0931230A JP H0931230 A JPH0931230 A JP H0931230A JP 18949195 A JP18949195 A JP 18949195A JP 18949195 A JP18949195 A JP 18949195A JP H0931230 A JPH0931230 A JP H0931230A
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裕之 ▲樽▼本
Hiroyuki Tarumoto
Hideshi Asada
英志 浅田
Hiroyuki Ueno
裕之 上野
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程を付加することなく、発泡性に優
れ品質の安定した安価な発泡体を提供する。 【解決手段】 Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×
106 でMz/Mw(重量平均分子量)が少なくとも
3.0であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むこ
とを示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分
布カーブ(ゲルパーミエイションクロマトグラフによ
る)を有するポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材
樹脂に、マレイミド系化合物及びオキシム系化合物から
選択される化合物を1種又は複数種添加した混合物が発
泡されてなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発
泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂発泡体に関する。更に詳しくは、本発明は、各種包
装材及び各種製品部材として使用される熱成形などの二
次加工の可能なポリプロピレン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂は、結晶融点以上
では、溶解粘度が極めて低く、発泡した気泡を保持でき
ないので、破泡し易い。そのため従来のポリプロピレン
系樹脂発泡体は、連続気泡率の高いシートであって、独
立気泡を有する良好な機械的特性及び耐熱性に優れた発
泡体ではなかった。また、従来のポリプロピレン系樹脂
発泡体は、密度が0.5g/cm3 以上の低発泡品か、
或いは密度が0.03g/cm3 以下の高発泡品であっ
た。
【0003】すなわち密度0.5g/cm3 以上の低発
泡体は、ポリプロピレン系樹脂に分解型又は反応型発泡
剤を添加し、成形押出装置に供給して製造されている。
また密度0.03g/cm3 以下のミクロセルラー構造
の高発泡体は、例えば特公昭46−41474号公報に
示されている。即ち、結晶性ポリプロピレン系樹脂を塩
化メチレン、フルオロトリクロロメタン、パーフルオロ
シクロブタン等の活性化液に溶解し、得られた溶液を該
溶液の蒸気圧よりも高いが1000PSiよりも高くな
い区域中から実質的により低い圧力区域に押出す。この
押出しによって活性化液を蒸発させ、固体重合体が沈殿
し、更に、重合体の配向を凍結する温度まで冷却して押
出発泡させる方法である。
【0004】これら2例の中間の発泡体として密度0.
3g/cm3 前後のものも見られるが、それらはほとん
ど連続気泡であって、独立気泡ではなかった。そのため
良好な機械的特性、断熱性を有する発泡体とは言い難か
った。従って、ポリプロピレン系樹脂を、ポリスチレン
系樹脂のように、押出発泡成形するには、押出発泡可能
温度領域を広げ、融点以上の温度領域まで溶融粘弾性を
高くする必要がある。そのためポリプロピレン系樹脂の
分子量を増やすことや、他のオレフィンとの共重合樹脂
化が試みられた。これらの手段による樹脂の改質は、非
発泡シートの押出加工性、非発泡シートの熱成形性、成
形品物性の改良には良好な結果を与えたが、押出発泡に
適した溶融粘弾性を得るには至らなかった。
【0005】またポリプロピレン系樹脂の溶融粘弾性を
特殊なものとしている原因の一つとしてポリプロピレン
系樹脂が極めて直鎖状高分子であると考えられる。従っ
て、樹脂を以下のように架橋することによって解決しよ
うとする試みもなされている。 1.放射線架橋法…ポリプロピレン系樹脂,架橋助剤及
び発泡剤からなる組成物を前記発泡剤が分解しない温度
でシート状に成形し、その後電子線を照射し架橋させ、
次いでこの架橋シートを加熱し発泡成形する方法。
【0006】2.化学架橋法…ポリプロピレン系樹脂,
架橋助剤,有機過酸化物及び発泡剤からなる組成物を前
記ラジカル発生剤が分解する温度以上且つ発泡剤が分解
しない温度で混練し架橋させ、次いでこの未発泡の架橋
物を加熱し発泡成形する方法。ここでポリエチレン系樹
脂の架橋法との大きな違いは、ポリプロピレン系樹脂
が、電子線の照射や過酸化物の添加によって架橋が進行
するよりも、主鎖の切断が優先されるため、その切断を
防止すべく架橋助剤が添加されていることである。
【0007】上記方法の問題点として、放射線架橋法の
場合、装置自体が非常に高価であり、また架橋シートを
形成した後、発泡させるために非常に工数とコストがか
かると共に、比較的厚みの薄いシートしか製造できない
ことが挙げられる。一方、化学架橋法の場合、揮発性発
泡剤を用い、架橋物を再加熱することなく発泡させる方
法もあり(特公平6−86087号公報)、放射線架橋
法よりもコスト的にやや安価であるが、有機過酸化物の
均一分散が難しく、また有機過酸化物は危険性があり取
り扱いに注意を有し、また分解時に異臭を発生するもの
があるという問題点がある。
【0008】以上のようなことからポリプロピレン系樹
脂は、汎用樹脂であるにもかかわらず、他のポリエチレ
ンやポリスチレン系樹脂に比較し、発泡体として使用さ
れている量は極僅かであった。しかし、近年、Z平均分
子量Mzが少なくとも2.0×106 でMz/Mw(重
量平均分子量)が少なくとも3.0であり、且つゲルパ
ーミエイションクロマトグラフによる分子量分布カーブ
が高分子領域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの
張り出しがあるキャメル型のポリプロピレン系樹脂を使
用することにより、密度0.025〜0.5g/cm3
の発泡体をポリスチレン樹脂のような安価な押出成形方
法によって得られることが見いだされた(特開平6−1
92460号公報)。
【0009】この方法によって得られた発泡体は、独立
気泡率に富み耐熱性、断熱性、機械的特性に優れた発泡
体であるが、押出機内でのメルトフローインデックスの
上昇が大きく、且つその押出条件によって値にバラツキ
が生じるので、押出された製品の物性に差(押出方向の
密度バラツキ等)が生じ、押出安定性に欠けるという問
題を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そのため、本発明の発
明者等は、ポリプロピレン系樹脂を一回以上押出処理
し、メルトフローインデックスを安定させた後に発泡体
を製造することによって、品質の安定した製品が得られ
ることを見いだしている。しかし、上記方法では、品質
は安定するものの、押出発泡工程が複雑になり、かつコ
ストアップになるという問題を生じた。
【0011】本発明は、上記の如き課題を解決すべくな
されたものであり、複雑な工程を付加することなく、発
泡性に優れ品質の安定した発泡体をより安価に提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×106 でM
z/Mw(重量平均分子量)が少なくとも3.0であ
り、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを示すカ
ーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布カーブ
(ゲルパーミエイションクロマトグラフによる)を有す
るポリプロピレン系樹脂(以下、キャメル型ポリプロピ
レン系樹脂と称する)を主成分とする基材樹脂に、マレ
イミド系化合物及びオキシム系化合物から選択される化
合物を1種又は複数種添加した混合物が発泡されてなる
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体が提供さ
れる。
【0013】上記本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体
は、発泡性に優れ、品質が安定している。このように発
泡性を向上させることができる原因は定かではないが、
以下のような理由によるものと考えられる。キャメル型
ポリプロピレン系樹脂は、一般のポリプロピレン系樹脂
と比較すると、例えば特開昭62−12704号公報や
特開平2−298536号公報で開示されているよう
に、非常に複雑な工程で製造されている長鎖分岐を持つ
樹脂である。そのため、発泡性には優れているが、その
反面前述したように分子切断が起こり易いものと考えら
れる。例えば、メルトフローインデックス(以下、MI
と称する)の上昇で象徴されるように、キャメル型ポリ
プロピレン系樹脂は、特に熱や剪断により非常に劣化し
やすい。これらのことからキャメル型ポリプロピレン系
樹脂はその複雑な製造過程によって分子内に不安定なラ
ジカルが発生しやすく、そのため一般のポリプロピレン
系樹脂に比べ劣化が激しいものと考えられる。
【0014】本発明の発明者等は、従来架橋助剤として
使用されていたマレイミド系化合物やオキシム系化合物
を、有機過酸化物の非存在下で、基材樹脂と混合するこ
とにより発泡性、安定性に優れた発泡体が得られること
を意外にも見いだした。なお、本発明において、マレイ
ミド系化合物やオキシム系化合物は、基材樹脂を一部架
橋させたり、MIが上昇することを妨げる粘度調節剤の
如き機能を有するものと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における基材樹脂は、Mz
(Z平均分子量)が少なくとも2.0×10 6 でMz/
Mw(重量平均分子量)が少なくとも3.0であり、か
つ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの
張り出しがあるキャメル型の分子量分布カーブ(ゲルパ
ーミエイションクロマトグラフによる)を有するポリプ
ロピレン系樹脂(キャメル型ポリプロピレン系樹脂)を
主成分として含む。ここで、Mzは、ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフ(以下GPCと称する)による測定
により、最も高分子量側の分布が強調される平均分子量
であり、分子量の3乗の平均値を意味する。またMw
(重量平均分子量)は、GPCによる測定により、測定
される物性値がポリマーの重量に直接関係するときに求
められる平均分子量であって、分子量の2乗の平均値を
意味する。なお、本発明で行った、GPCの測定方法は
次の通りである。
【0016】 測定装置:GPC 150−C(Water社製) 測定条件:カラム KF−80M(SHODEX社製) カラム温度 145℃ 注入温度 145℃ ポンプ温度 60℃ 感度 32 使用溶剤 o−ジクロロベンゼン(1.0ml/分) 走査時間 50分 注入容積 400μl このようなキャメル型ポリプロピレン系樹脂を使用すれ
ば、発泡時において十分な溶融張力が得られ、所望の密
度の発泡体を得ることができる。
【0017】更に、キャメル型の分子量分布カーブと
は、例えば図1に示す如き高分子量領域にラクダの背の
ように張出を有する形状の分子量分布カーブを意味す
る。分子量分布カーブは、高分子量の領域のある成分が
多くの分枝を有していることを示している。なお、図1
中、カーブAはキャメル型ポリプロピレン系樹脂を示
し、カーブBはその他のポリプロピレン系樹脂を示して
いる。
【0018】本発明において使用されるキャメル型ポリ
プロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体でもよく、
エチレン等との共重合体(ランダム及びブロックを含
む)でもよい。具体的にはハイモント社製X−1000
5,PF−814,SD−632,X11277−22
−1等が挙げられる。なお、PF−814,X−100
05はプロピレン単独重合体であり、SD−632,X
11277−22−1はエチレン−プロピレンブロック
共重合体である。
【0019】本発明に使用される基材樹脂は、上記キャ
メル型ポリプロピレン系樹脂を主成分とする。従って、
基材樹脂は、キャメル型ポリプロピレン系樹脂単独から
なっていてもよいが、オレフィン系樹脂を更に含んでい
てもよい。ここで主成分とは、基材樹脂に対して、少な
くとも60重量%以上含むことを意味する。ここで、ポ
リオレフィン系樹脂を含有させる場合は、キャメル型ポ
リプロピレン系樹脂の配合量x(重量%)とオレフィン
系樹脂の配合量y(重量%)が、60≦x<100、0
<y≦40の関係を有するように配合することが好まし
い。キャメル型ポリプロピレン系樹脂を60重量%以上
とすることにより、発泡性が良好で、均一で美麗な発泡
体を得ることができる。
【0020】オレフィン系樹脂としては、一般的なプロ
ピレン単独重合体(キャメル型でない重合体)、エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレ
ンランダム共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
ブテンゴムなどが上げられる。特に耐熱性の点からプロ
ピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重
合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体が好まし
い。これらは、それぞれ単独若しくは2種以上の混合物
であっても良い。具体的には、AH−585A(住友化
学社製)が挙げられる。
【0021】上記基材樹脂には、キャメル型ポリプロピ
レン系樹脂のMIを安定化及び調整するためにマレイミ
ド系化合物及びオキシム系化合物から選択される化合物
が1種又は複数種添加される。本発明に使用されるマレ
イミド系化合物は、例えば、N,N−m−フェニレンビ
スマレイミドが挙げられる。
【0022】一方、オキシム系化合物は、例えば、キノ
ンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジ
ベンゾイルキノンジオキシムなどが用いられ、特にp,
p’−ジベンゾイルキノンジオキシムが好ましい。これ
らの化合物は、基材樹脂100重量部に対して、0.0
1〜5重量部、特に0.05〜3.0重量部の範囲で混
合することが好ましい。
【0023】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体は、
好ましくは0.6〜0.02g/cm3 、更に好ましく
は0.6〜0.03g/cm3 の密度を有し、かつ独立
気泡である。なお、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡
体の形状は、特に限定されず、その用途に応じて適宜選
択することができる。
【0024】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体は、
押出発泡、圧縮発泡、射出発泡等と、ブロック成形、板
状成形、型物成形等の方法を組み合わせることにより製
造することができる。以下では、押出発泡成形を利用し
て発泡体を製造する方法について説明する。まず、基材
樹脂を発泡押出機に供給する。発泡押出機は、当該分野
で一般に使用されている装置をいずれも使用することが
できる。
【0025】上記基材樹脂には、発泡剤が添加される。
発泡剤は、特に限定されず分解型発泡剤,気体又は揮発
性の発泡剤が使用できる。分解性発泡剤としては、例え
ば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナ
トリウムアジド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性
発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムア
ミド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾアミノベ
ンゼン等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタン
メチレンテトラミン及びN,N’−ジメチル−N,N’
−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニル
ヒドラジド及びp,p’−オキシビスベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバ
ジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカル
ボキシレート等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独
でも組み合わせてもよい。また、分解性発泡剤の添加割
合は、基材樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量
部とすることが好ましい。更に、分解温度、発生ガス量
及び分解速度を調節するために、公知の発泡助剤を添加
することもできる。
【0026】気体の発泡剤としては、炭酸ガス、プロパ
ン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化二フッ化メ
タン、ブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、
常温で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡
剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペン
タン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。気体及び揮発
性発泡剤の添加割合は、基材樹脂100重量部に対し
て、0.5〜20重量部とすることが好ましい。
【0027】上記発泡剤のうち、特にブタンが好まし
い。更に、気泡調節剤を添加してもよい。気泡調節剤と
しては、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸
等の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭
酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調節
剤は、基材樹脂100重量部に対して、0.01〜1.
0重量部添加することが好ましい。更に、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等も添加するこ
とができる。
【0028】ここで、押出発泡成形の条件は、押出機中
で180〜240℃に加熱することにより樹脂を溶融さ
せ、次いでダイに発泡に最も適する温度、即ち145〜
175℃に調節しながら注入し、それから押出すことが
好ましい。
【0029】
【実施例】
実施例1 キャメル型エチレン−プロピレンブロック共重合体であ
るSD−632(ハイモント社製,MI=3.4g/1
0分)100重量部と、p,p’−ジベンゾイルキノン
ジオキシム0.5重量部と、気泡調整剤としてハイドロ
セロールHK−70(ベーリンガー社製)0.03重量
部を予めドライブレンドし、その混合物を口径φ50−
φ65mmの発泡押出機に供給した。第1押出機の中央
ゾーンで、発泡剤としてブタンを20重量部注入し、第
1押出機で溶融混練された後、樹脂は第2押出機に運ば
れた。次いで、最も発泡に適する温度(158℃)に保
たれたφ2mmのノズルから押し出され、発泡倍率45
倍の棒状発泡体を得た。得られた発泡体は、気泡が微細
で、表面の美麗なものであった。また、得られた発泡体
を200℃で20分間プレスし、その試料のMIを測定
したところ、4.0g/10分あり、MIの上昇は非常
に小さかった。ここで、MIの測定は、セミオートメル
トインデクサー(東洋精機社製)を使用し、JIS K
−7210に準拠し実施した。
【0030】実施例2 キャメル型ホモポリプロピレン樹脂であるPF−814
(ハイモント社製,MI=2.8g/10分)65重量
部と、GPC測定においてキャメル型を呈しない一般的
なエチレン−プロピレンブロック共重合体であるAH−
585A(住友化学社製,MI=3.0g/10分)3
5重量部に対し、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキ
シムを1.0重量部と、気泡調整剤としてハイドロセロ
ールHK−70(ベーリンガー社製)0.05重量部
を、実施例1と同様の方法(但し、発泡剤の量は10重
量部)にて押出発泡し、発泡倍率20倍の美麗な棒状発
泡体を得た。この発泡体を実施例1と同様の方法でMI
を測定したところ、3.3g/10分であった。
【0031】比較例1 キャメル型エチレン−プロピレンブロック共重合体であ
るSD−632(ハイモント社製,MI=3.4g/1
0min)100重量部に対し、気泡調整剤としてハイ
ドロセロールHK−70(ベーリンガー社製)0.03
重量部を予めドライブレンドし、実施例1と同様の方法
で押出発泡したところ、実施例1と同様の発泡剤量にも
係わらず、発泡倍率が30倍の棒状発泡体しか得られな
かった。得られた発泡体は、実施例1で得られた発泡体
よりも気泡が荒く、表面に小さなしわが見られた。ま
た、得られた発泡体を実施例1と同様の方法でMIを測
定したところ、10.0g/10分あり、MIの上昇は
非常に大きなものであった。
【0032】比較例2 キャメル型ホモポリプロピレン樹脂であるPF−814
(ハイモント社製,MI=2.8g/10分)50重量
部と、GPC測定においてキャメル型を呈しない一般的
なエチレン−プロピレンブロック共重合体であるAH−
585A(住友化学社製,MI=3.0g/10分)5
0重量部と、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム
を1.0重量部と、気泡調整剤としてハイドロセロール
HK−70(ベーリンガー社製)0.05重量部を予め
ドライブレンドし実施例1と同様の方法で押出発泡した
ところ、気泡が粗大で、また収縮が大きく発泡倍率10
倍のものしか得られなかった。
【0033】比較例3 基材樹脂としてキャメル型ポリプロピレンの代わりに、
GPC測定においてキャメル型を呈しない一般的なエチ
レン−プロピレンブロック共重合体であるAH−585
A(住友化学社製,MI=3.0g/10分)を使用し
た他は実施例1と同様にして発泡体を得た。しかし、こ
の発泡体は収縮が大きく発泡倍率が3倍と低く、また気
泡が粗大で表面凹凸のあるものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体
は、Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×106 でM
z/Mw(重量平均分子量)が少なくとも3.0であ
り、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを示すカ
ーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布カーブ
(ゲルパーミエイションクロマトグラフによる)を有す
るポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材樹脂に、マ
レイミド系化合物及びオキシム系化合物から選択される
化合物を1種又は複数種添加した混合物が発泡されてな
ることを特徴とするので、新たな設備を導入することな
く、基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂を安定に存在
させることができる。従って、安価にもかかわらず、発
泡性を更に向上させることができる。
【0035】また、基材樹脂が、オレフィン系樹脂を含
有してなり、ポリプロピレン系樹脂の配合量x(重量
%)とオレフィン系樹脂の配合量y(重量%)が、60
≦x<100、0<y≦40の関係を有することによ
り、オレフィン系樹脂が有する機能性を付与することが
できる。更に、マレイミド系化合物が、N,N−m−フ
ェニレンビスマレイミドであることにより、発泡性を向
上させることができる。
【0036】また、オキシム系化合物が、キノンジオキ
シム、ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイ
ルキノンジオキシムから1種又は複数種選択されること
により、発泡性を向上させることができる。更に、マレ
イミド系化合物及びオキシム系化合物から選択される化
合物が、基材樹脂100重量部に対して、0.01〜5
重量部の範囲で添加されることにより、発泡性を更に向
上させることができる。
【0037】また、ポリプロピレン系樹脂発泡体が、
0.6〜0.02g/cm3 の密度を有し、かつ独立気
泡であることにより、機械的特性及び断熱性に優れた発
泡体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャメル型ポリプロピレン系樹脂及びその他の
ポリプロピレン系樹脂の分子量分布カーブを示す図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×
    106 でMz/Mw(重量平均分子量)が少なくとも
    3.0であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むこ
    とを示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分
    布カーブ(ゲルパーミエイションクロマトグラフによ
    る)を有するポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材
    樹脂に、マレイミド系化合物及びオキシム系化合物から
    選択される化合物を1種又は複数種添加した混合物が発
    泡されてなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発
    泡体。
  2. 【請求項2】 基材樹脂が、オレフィン系樹脂を含有し
    てなり、ポリプロピレン系樹脂の配合量x(重量%)と
    オレフィン系樹脂の配合量y(重量%)が、60≦x<
    100、0<y≦40の関係を有する請求項1記載の発
    泡体。
  3. 【請求項3】 マレイミド系化合物が、N,N−m−フ
    ェニレンビスマレイミドである請求項1又は2記載の発
    泡体。
  4. 【請求項4】 オキシム系化合物が、キノンジオキシ
    ム、ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイル
    キノンジオキシムから1種又は複数種選択される請求項
    1〜3いずれか1つに記載の発泡体。
  5. 【請求項5】 マレイミド系化合物及びオキシム系化合
    物から選択される化合物が、基材樹脂100重量部に対
    して、0.01〜5重量部の範囲で添加される請求項1
    〜4いずれか1つに記載の発泡体。
  6. 【請求項6】 ポリプロピレン系樹脂発泡体が、0.6
    〜0.02g/cm 3 の密度を有し、かつ独立気泡であ
    る請求項1〜5いずれか1つに記載の発泡体。
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JP2008208256A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Nitto Denko Corp エチレン・プロピレン・ジエンゴム発泡体
JP2010209290A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Autonetworks Technologies Ltd 樹脂組成物および絶縁電線
JP2012126920A (ja) * 2012-03-30 2012-07-05 Nitto Denko Corp エチレン・プロピレン・ジエンゴム発泡体

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