JPH09312146A - スリット装置 - Google Patents

スリット装置

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JPH09312146A
JPH09312146A JP8128779A JP12877996A JPH09312146A JP H09312146 A JPH09312146 A JP H09312146A JP 8128779 A JP8128779 A JP 8128779A JP 12877996 A JP12877996 A JP 12877996A JP H09312146 A JPH09312146 A JP H09312146A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 温度変化に応じて生じるスリット間隔の
変化量を少なくすること。 【解決手段】 中央部にビーム通過孔10が形成され、
その両側に圧電体31を収容する圧電体収容孔8が形成
されたプレート4と、プレート4にホルダ内端部が支持
され且つホルダ外端部により前記圧電体31外端部を支
持し線膨張係数が前記圧電体31に近い材料により構成
された圧電体ホルダ27と、前記圧電体31が伸縮した
ときその内端部の位置変位量を回動レバー12に伝達す
る圧電体伸縮伝達部材32+33と、前記圧電体31内
端部の位置変位により回動し前記自由端部の位置変位量
より前記圧電体31内端部の位置変位量を拡大する回動
レバー12と、前記回動レバー12の対向する自由端部
にそれぞれ支持されスリットを形成するように配置され
たブレード16とにより形成されたスリット装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は質量分析装置等で使
用するスリット装置に関し、特に、イオンの通路に配置
され、その位置を通過するイオンを選択するスリット装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】質量分析装置等で使用されるスリット装
置は、μmの精度でスリット幅を調節することが要求さ
れる。このようなスリット装置として、本出願人は先に
次の(J01)の技術を開発した。 (J01)図9に示すスリット装置 図9は本出願人が先に開発したスリット装置の説明図
で、図9Aは縦断面図、図9Bは前記図9Aの上面図
で、前記図9Aの矢印IXBから見た図である。図9に
おいて、金属製のベース01は円筒状側壁部02および
プレート部03を有している。プレート部03にはビー
ム通過孔04、複数の通気孔05、一対の圧電体収容孔
06、および切り溝07が形成されている。前記プレー
ト部03の前記各孔04〜06および切り溝07によ
り、固定プレート部08および一対のレバー09,01
0が形成されている。前記レバー010,010にはそ
れぞれスリット形成用のブレード011,011(図9
A参照)が固定されており、前記一対のブレード01
1,011間にはスリットが形成されるようになってい
る。
【0003】前記レバー09および010はヒンジ部H
1およびH2により前記固定プレート部08に回動可能に
連結されている。そして、前記一対のレバー010,0
10は前記ビーム通過孔04の両側に配置されている。
また、前記レバー09および010は連結部H3により
連結されている。前記圧電体収容孔06には圧電体01
2が配置されており、圧電体012の両端には黄銅製の
スペーサ013を介してステンレス製のチップ014、
015が取付けられている。前記圧電体012内端側の
チップ014は、前記レバー09を上下から挟むように
二股状に形成されている。また、前記圧電体012の外
端側のチップ015には球面座が形成されている。前記
円筒状外周部02にはネジ016のためのタップ孔が形
成されており、ネジ016先端部の球016aを前記圧
電体012の外端のチップ014の球面座に当接させる
ことにより圧電体012の固定が行われている。
【0004】前記圧電体収容孔06に収容された前記圧
電体012は電圧印加によって前記ビーム通過孔04側
である内端部の位置を変位させる。この位置変位は前記
スペーサ013,013前記チップ014、015を介
して前記回動レバー09、010へと伝わる。前記回動
レバー09、010は前記ヒンジH1およびH2を支点と
し前記圧電体012内端側の前記チップ014と前記レ
バー09とが接する点および前記ヒンジH3(回転レバ
ー09の作用点)を力点として、てこの原理により前記
圧電体012の内端部の位置変位量を拡大させる機能を
有する(この拡大倍率を実効倍率という)。これにより
前記回動レバー010の前記対向する自由端部に支持さ
れた一対のブレード011、011間に形成されたスリ
ット幅が変化する。したがってスリット幅の調整が電圧
印加によって可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図9に示す従来技
術を用いた質量分析装置により作業を行う場合、質量分
析装置の設置室の温度は22℃±2℃に設定されてい
る。しかしながら、前記スリット装置は質量分析装置の
コンソール内に有り、コンソール内は使用状況によって
室温よりも温度差が大きくなる。このため、前記ブレー
ド011,011間のスリットが閉まらなくなるという
問題点が発生することがあった。また、前記スリット幅
は、日々、時間等によって幅が変化するため、スリット
装置の使用が困難な状態になるという問題点が発生する
こともあった。
【0006】前記問題点の原因を研究した結果次のこと
が分かった。前記ベース01と圧電体012との平面図
での位置関係は図9上の2点鎖線で囲った矢印Xで示す
部分の拡大図として、図10に示される。図10におい
て、積層セラミック製の圧電体012、黄銅製のスペー
サ013、およびステンレス製のチップ014,015
は一体的に構成されており、リン青銅製のベース01に
より支持されている。前記ベース01の材料であるリン
青銅の線膨張係数をλ1、圧電体012の材料である積
層セラミックの線膨張係数をλ2、スペーサ013の材
料である黄銅の線膨張係数をλ3、およびチップ01
4,015の材料であるステンレスの線膨張係数λ4の
値は次のとおりである。 ベース01のλ1=18.1×10-6/℃ 圧電体012のλ2=1.6×10-6/℃ スペーサ013のλ3=19.9×10-6/℃ チップ014,015のλ4=17.3×10-6/℃
【0007】前記一体的に構成された部材(符号012
〜015で示される部材)の内端支持点(レバー09と
の当接点)をA、外端支持点(ネジ016の球状先端部
016aとの当接点)をBとする。そして、次のような
寸法に設定されているものとする。 点AB間の長さL1=24mm 圧電体012の長さL2=18mm スペーサ013の1個の厚さL3=1mm チップ014の厚さL4=2mm チップ015の厚さL5=2mm
【0008】前記寸法の場合、温度が1℃変化した時の
前記L1のベース01側の長さの変化量(ΔL1b)およ
び圧電体012側の長さの変化量(ΔL1a)は次のよう
になる。 ΔL1b(ベース01側) =L1λ1 =24×18.1×10-6 =434.4×10-6(mm) =0.4344μm ΔL1a(圧電体012側) =L2λ2+2×L3λ3+2×L4λ4 =(18×1.6+2×19.9+2×2×17.3)×10-6 =137.8×10-6(mm) =0.1378μm
【0009】したがって、前記ΔL1bとΔL1aとの差は
次のようになる。 ΔL1b−ΔL1a =0.4344μm−0.1378μm =0.2966μm =約0.3μm すなわち、1℃の上昇時にはベース01の伸びに比べて
圧電体012側の伸びは約0.3μm短い。この伸びの
差0.3μmは、前記レバー09,010による実効倍
率約10倍の値3μmとなって、前記ブレード011,
011間のスリット間隔を広げることとなる。前記圧電
体012は左右一対有るので、温度1℃の変化により前
記スリット間隔は約6μm変化することになる。前記ス
リットの仕様は0〜220μmをコントロールする様に
なっているので、前記変化量は無視できない値である。
【0010】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。 (O01)温度変化に応じて生じるスリット間隔の変化量
を少なくすること。
【0011】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0012】(本発明)前記課題を解決するために、本
出願の第1発明のスリット装置は、下記の要件を備えた
ことを特徴とする、(A01)弾力性を有する金属製のプ
レート(4)を備えたベース部材(2)、(A02)前記
プレート(4)の中央部に形成されたビーム通過孔(1
0)、(A03)前記ビーム通過孔(10)の両側に切り
溝(11)により形成され、前記ビーム通過孔(10)
を挟んで自由端部が対向するように配置された回動レバ
ー(12)、(A04)前記回動レバー(12)の外側に
形成された圧電体収容孔(8)、(A05)前記圧電体収
容孔(8)に収容され且つ電圧印加時に前記ビーム通過
孔(10)に向かう内方およびその反対方向の外方に沿
って伸縮するように配置された圧電体(31)、(A0
6)前記圧電体(31)の内端部近傍位置において前記
プレート(4)によりホルダ内端部が支持されるととも
にホルダ外端部が前記圧電体(31)の外端部近傍位置
に配置され、且つ前記ホルダ外端部により前記圧電体
(31)外端部を支持する線膨張係数が前記プレート
(4)より前記圧電体(31)に近い値の材料により構
成された圧電体ホルダ(27)、(A07)前記圧電体
(31)外端部を支持された圧電体(31)が伸縮した
ときに圧電体(31)内端部の位置変位を前記回動レバ
ー(12)に伝達する圧電体伸縮伝達部材(32+3
3)、(A08)圧電体(31)の伸縮が伝達されたとき
に回動して、前記自由端部の位置変位が前記圧電体(3
1)内端部の位置変位量より拡大される前記回動レバー
(12)、(A09)前記回動レバー(12)の前記対向
する自由端部にそれぞれ支持されるとともにスリットを
形成するように配置されたブレード(16)、
【0013】(用語の説明)前記(A01)の記載「弾力
性を有する金属製のプレート(4)を備えたベース部材
(2)」中の「ベース部材(2)」は、「弾力性を有す
る金属製のプレート(4)」と他の部材とを連結して組
み立てた組立品により構成したり、プレート(4)を有
する一体成形品により構成したりすることが可能であ
る。前記(A06)の記載中、「…前記プレート(4)に
よりホルダ内端部が支持されるとともに…圧電体ホルダ
(27)、」は、圧電体ホルダ(27)内端部が前記プ
レート(4)に直接支持される構成、または前記プレー
ト(4)に他の部材(圧電体ホルダ(27)を支持する
部材)を介して間接的に支持される構成を含むものとす
る。
【0014】
【作用】前述の特徴を備えた本発明のスリット装置で
は、ベース部材(2)の弾力性を有する金属製のプレー
ト(4)の中央部にビーム通過孔(10)が形成され
る。回動レバー(12)は、前記ビーム通過孔(10)
の両側に切り溝(11)により形成され、前記ビーム通
過孔(10)を挟んで自由端部が対向するように配置さ
れる。前記回動レバー(12)の外側には圧電体収容孔
(8)が形成される。前記圧電体収容孔(8)に収容さ
れた圧電体(31)は、電圧印加時に前記ビーム通過孔
(10)に向かう内方およびその反対方向の外方に沿っ
て伸縮する。前記圧電体(31)の内端部近傍位置にお
いて前記プレート(4)によりホルダ内端部が支持され
るとともに線膨張係数が前記プレート(4)より前記圧
電体(31)に近い値の材料により構成された圧電体ホ
ルダ(27)は、前記圧電体(31)の外端部近傍位置
に配置されたホルダ外端部により圧電体(31)外端部
を支持する。前記圧電体(31)外端部を支持された圧
電体(31)が伸縮したときに圧電体伸縮伝達部材(3
2)は、圧電体(31)内端部の位置変位を前記回動レ
バー(12)に伝達する。前記回動レバー(12)は、
圧電体(31)の伸縮が伝達されたときに回動して、前
記自由端部の位置変位が前記圧電体(31)内端の位置
変位量を拡大する。前記回動レバー(12)の前記対向
する自由端部にそれぞれ支持されたブレード(16)間
に形成されるスリットは、前記圧電体(31)の印加電
圧によりスリット幅が調整される。
【0015】ところで、前記スリット装置の各構成要素
は、使用する材料により線膨張係数が異なるので、温度
変化時に生じる各要素毎に長さの変化には差が生じる。
前記圧電体(31)内端部の位置変位量は前記回動レバ
ー(12)に増幅伝達されて、回動レバー(12)の自
由端部にそれぞれ支持されたスリット形成用のブレード
(16)の位置を変化させるので、前記温度変化時の前
記圧電体(31)内端位置の変位量は少ない方が好まし
い。前記本発明の圧電体ホルダ(27)は、線膨張係数
が前記プレート(4)よりも圧電体(31)の線膨張係
数に近いので、温度変化時の圧電体(31)および圧電
体ホルダ(27)の長さの変化の差は、圧電体(31)
およびプレート(4)の長さの変化の差よりも小さい。
このため、温度変化時の圧電体(31)内端位置の変化
は、圧電体ホルダ(27)により圧電体(31)を支持
した場合の方が、プレート(4)により圧電体(31)
を支持した場合に比べて小さくなる。すなわち、本発明
は従来技術のようにプレート(4)により圧電体(3
1)の外端部を支持する構造に比較して、前記温度変化
時の前記圧電体(31)内端位置の変化を少なくするこ
とができるので、前記スリット間隔の調節が容易とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
のスリット装置の実施の態様の例(実施例)を説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面にお
いて互いに直交する座標軸X軸、Y軸、Z軸を定義し、
矢印X方向を前方、矢印Y方向を左方、 矢印Z方向を
上方とする。この場合、X方向と逆向き(−X方向)は
後方、Y方向と逆向き(−Y方向)は右方、Z方向と逆
向き(−Z方向)は下方となる。また、X方向及び−X
方向を含めて前後方向又はX軸方向といい、Y方向及び
−Y方向を含めて左右方向又はY軸方向といい、Z方向
及び−Z方向を含めて上下方向又はZ軸方向ということ
にする。さらに図中、「○」の中に「・」が記載された
ものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の
中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう
矢印を意味するものとする。
【0017】(実施例)図1は本発明の実施例1のスリ
ット装置の上面図である。図2は同実施例1のスリット
装置の断面図で、前記図1のII−II線断面図である。図
3は同実施例1の下面図で前記図2の矢印IIIから見た
図である。図4は同実施例1のスリット装置のベース部
材の上面図で、前記図1からベース部材以外の部材を除
去して状態を示す図である。図5は前記図4のV−V線
断面図である。図6は前記図4のVI−VI線断面図であ
る。図7は同実施例で使用される圧電体ホルダおよびそ
の支持部材の説明図で、前記図1に示した部材の詳細説
明図である。
【0018】図1〜図6において、スリット装置1は、
弾性を有する金属材料であるリン青銅により構成された
ベース部材2を有している。ベース部材2は、図4〜図
6に示すように、円筒状側壁部3およびプレート4を有
している。図4、図5において、前記円筒状側壁部3に
は左右(Y軸方向)両端に圧電体ホルダ収容孔6,6が
形成されており、前記圧電体ホルダ収容孔6,6の下部
は前記円筒状側壁部3の厚さが分厚くなっており、その
分厚い部分にネジ貫通孔7,7が形成されている。
【0019】前記プレート4には前記ネジ貫通孔7,7
に接続する左右一対の圧電体収容孔8,8が形成されて
おり、また、前記プレート4には複数の通気孔9が形成
されている。また、プレート4の中央部にはビーム通過
孔10が形成されている。前記ビーム通過孔10の両側
には、切り溝11により回動レバー12が形成されてい
る。回動レバー12は、外側回動レバー13および内側
回動レバー14により構成されている。図4において、
外側回動レバー13はヒンジ部H1により前記プレート
4の固定部分に支持されており、前記ヒンジ部H1の鉛
直軸(Z軸)周りに回動可能である。また、内側回動レ
バー14はヒンジ部H2により前記プレート4の固定部
分に支持されており、前記ヒンジ部H2の鉛直軸(Z
軸)周りに回動可能である。前記外側回動レバー13お
よび内側回動レバー14は連結部H3において連結され
ている。前記ビーム通過孔10の左右両側において内側
回動レバー14の自由端部は前記ビーム通過孔10を挟
んで対向する位置に配置されている。図2,図3から分
かるように、前記内側回動レバー14,14下面の自由
端部にはスリット形成用のブレード16,16がそれぞ
れ対向して固定されており、前記両ブレード16,16
間にはスリットが形成されている。
【0020】図7において、前記プレート4上に固定支
持されるホルダ支持部材21は平面図(図7A)で略U
字型をしており、一対の脚部22,22及びそれらを接
続する接続部23を有している。図7Aにおいて前記接
続部23の右側半分はその下部(−Z側部分)が切除さ
れて切除部23a(図7B参照)が形成されている。前
記接続部23の左側半分はその前後方向(X軸方向)の
中央部が切除されてホルダ収容溝23b(図7D参照)
が形成されている。前記接続部23の右側面上部には前
記ホルダ収容溝23bに通じるネジ収容孔23cが形成さ
れている。前記ホルダ支持部材21には前記プレート4
上に固定するための4個のネジ貫通孔24が設けられて
いる。図1において、前記ホルダ支持部材21は前記4
個のネジ貫通孔24を貫通するネジ26により前記プレ
ート4上に固定されている。なお図1,図2から分かる
ように、前記ホルダ支持部材21は左右一対配置されて
いる。また、後述の図8に示す位置Cは、前記4個のネ
ジ26の中の内側に配置されたネジ26のY軸方向の中
心位置を示している。
【0021】図7において、前記ホルダ収容溝23bに
はモリブデン製の圧電体ホルダ27の内端部が挿入され
前記ネジ収容孔23cに収容されるネジ(図示せず)に
より固定されている。なお、前記圧電体ホルダ27の材
料であるモリブデンの線膨張係数λ5の値は次のとおり
である。 λ5=5.44×10-6/℃ 前記圧電体ホルダ27の外端部は下方に延びており、そ
の外端部の下端部にはネジ孔27aが形成されている。
図1,2から分かるように、前記圧電体ホルダ27の下
方に延びる外端部は、前記円筒状側壁部3の圧電体ホル
ダ収容孔6内に収容され、その下端部の前記ネジ孔27
aは、前記圧電体収容孔8の外端部に配置され且つ、前
記円筒状側壁部3のネジ貫通孔7に隣接対向して配置さ
れている。
【0022】図1、図2において、前記圧電体収容孔8
内には、圧電体31が収容されている。圧電体31は、
電圧を印加されたときに前記ビーム通過孔10の有る内
方及びその反対方向である外方に沿って伸縮するように
配置されている。前記圧電体31の内外両端には黄銅製
のスペーサ32,32を介してステンレス製のチップ3
3,34が取付けられている。前記圧電体31内端側の
チップ33は、前記外側回動レバー13を上下から挟む
ように二股状に形成されている。前記内端側のチップ3
3およびこのチップ33を支持するスペーサ32により
圧電体伸縮伝達部材(32+33)が構成されている。
また、前記圧電体31の外端側のチップ34には球面座
が形成されている。前記圧電体ホルダ27の外端部の前
記ネジ孔27aに螺合するネジ36の球状先端部36aを
前記圧電体31外端の前記チップ34の球面座に押し当
てることにより、圧電体31内端側のチップ33を前記
回動レバー12に当接させて、前記圧電体31の固定が
行われている。
【0023】前記図3において、前記チップ33と前記
回動レバー12との当接点をP1とし、前記対向する二
つのブレード16の対向面の中心部分をP2とする。H1
P4のX軸方向の長さをr1、H1H3のX軸方向の長さを
r2、H2H3のX軸方向の長さをr3、H2P2のX軸方向
の長さをr4とする。前記r1〜r4の値は、(r2/r
1)×(r4/r3)=約10に設定されていて、前記P4
の変位量をΔyとしたとき前記P5の変位量は約10倍
(すなわち、実効倍率=約10)となるように構成され
ている。
【0024】前記プレート4、圧電体ホルダ27および
圧電体31の平面図での位置関係は図8に示される。図
8において、積層セラミック製の圧電体31、黄銅製の
スペーサ32、32およびステンレス製のチップ33,
34は一体的に構成されている。前記一体的に構成され
た部材(31+32+33+34)の内端支持点(外側
回動レバー13との当接点)をA、外端支持点(ネジ3
6の球状先端部36aとの当接点)をBとする。また、
前記リン青銅製のベース部材2のプレート4に前記ホル
ダ支持部材21を介して支持された圧電体ホルダ27の
内端位置をCとする。なお、前記内端位置Cは、前記4
個のネジ26の中の内側に配置されたネジ26のY軸方
向の中心位置である。
【0025】前記図8の各寸法は、次のように設定され
ている。 点AB間の長さL1=24mm 圧電体31の長さL2=18mm スペーサ32の1個の厚さL3=1mm チップ33の厚さL4=2mm チップ34の厚さL4=2mm 点CB間の長さL5=21.5mm 点AC間の長さL6=2.5mm なお、温度変化に応じて、AC間はリン青銅の線膨張係
数により伸縮し、CB間は圧電体ホルダ27の材質であ
るモリブデンの線膨張係数により伸縮する。
【0026】(実施例の作用)前記ベース部材2のプレ
ート4の材料であるリン青銅の線膨張係数をλ1、圧電
体31の材料である積層セラミックの線膨張係数をλ
2、スペーサ32の材料である黄銅の線膨張係数をλ3、
チップ33,34の材料であるステンレスの線膨張係数
λ4、および圧電体ホルダ27の材料であるモリブデン
の線膨張係数λ5の値は次のとおりである。 ベース部材2のプレート4のλ1=18.1×10-6/℃ 圧電体31のλ2=1.6×10-6/℃ スペーサ32のλ3=19.9×10-6/℃ チップ33,34のλ4=17.3×10-6/℃ 圧電体ホルダ27のλ5=5.44×10-6/℃
【0027】前記寸法の場合、温度が1℃変化した時の
前記点AB間の長さL1のプレート4および圧電体ホル
ダ27側の変化(ΔL1c)および圧電体31側の変化
(ΔL1a)は次のようになる。 ΔL1c(プレート4および圧電体ホルダ27側の変化) =L5λ5+L6λ1 =(21.5×5.44×10-6+2.5×18.1×10-6 =162.21×10-6(mm) =0.16221μm ΔL1a(圧電体31側の変化) =L2λ2+2×L3λ3+2×L4λ4 =(18×1.6+2×19.9+2×2×17.3)×10-6 =137.8×10-6(mm) =0.1378μm
【0028】したがって、前記ΔL1cとΔL1aとの差は
次のようになる。 ΔL1c−ΔL1a =0.16221μm−0.1378μm =0.02441μm =約0.024μm すなわち、1℃の上昇時にはプレート4の伸びに比べて
圧電体31側の伸びは約0.024μm短い。この伸び
の差0.024μmは、前記回動レバー12による実効
倍率約10倍の値0.24μmとなって、前記スリット
形成用の両ブレード16,16間のスリット間隔を広げ
ることとなる。前記圧電体31は左右一対有るので、温
度1℃の変化により前記スリット間隔は約0.48μm
変化することになる。この実施例の前記1℃の温度変化
によるスリット間隔の変化約0.48μmは、前述の図
10で説明した従来技術のスリット間隔の変化約6μm
に比べて小さくなっている。したがって前記実施例は、
温度変化が生じても従来に比べて前記スリット間隔の制
御を容易に行うことができる。
【0029】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。
【0030】(H01)圧電体ホルダ27は、実施例で示
した以外の種々の形状を採用することが可能であり、ま
た、ベース部材2のプレート4に直接支持することが可
能である。 (H02)回動レバー12は、直列に接続される外側回動
レバー13および内側回動レバー14の2個の回動レバ
ーから構成する代わりに、1個の回動レバーにより構成
したり、3個以上の直列接続した回動レバーにより構成
することが可能である。 (H03)圧電体ホルダ27の材質としては、線膨張係数
が前記プレートよりも圧電体に近い値の材料であれば種
々の材料を使用することが可能であり、例えば、コバー
ル、セラミックス等を使用することが可能である。な
お、モリブデンは単金属材料であるので、合金やセラミ
ックスのように成分によって材質が変化するようなこと
が無く、材質が一定であるので、品質のバラツキが少な
いスリット装置を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】前述の本発明のスリット装置は、下記の
効果を奏することができる。 (E01)温度変化に応じて生じるスリット間隔の変化量
を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1のスリット装置の上
面図である。
【図2】 図2は同実施例1のスリット装置の断面図
で、前記図1のII−II線断面図である。
【図3】 図3は同実施例1の下面図で前記図2の矢印
IIIから見た図である。
【図4】 図4は同実施例1のスリット装置のベース部
材の上面図で、前記図1からベース部材以外の部材を除
去して状態を示す図である。
【図5】 図5は前記図4のV−V線断面図である。
【図6】 図6は前記図4のVI−VI線断面図である。
【図7】 図7は同実施例で使用される圧電体ホルダお
よびその支持部材の説明図で、前記図1に示した部材の
詳細説明図である。
【図8】 図8は同実施例におけるプレート4、圧電体
ホルダ27および圧電体31の平面図での位置関係の説
明図である。
【図9】 図9は本出願人が先に開発したスリット装置
の説明図で、図9Aは縦断面図、図9Bは前記図9Aの
上面図で、前記図9Aの矢印IXBから見た図である。
【図10】 図10は前記図9Aに示すベース01と圧
電体012との平面図での位置関係の説明図である。
【符号の説明】
2…ベース部材、4…プレート、8…圧電体収容孔、1
0…ビーム通過孔、11…切り溝、12…回動レバー、
16…ブレード、27…圧電体ホルダ、31…圧電体、
(32+33)…圧電体伸縮伝達部材、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とするス
    リット装置、(A01)弾力性を有する金属製のプレート
    を備えたベース部材、(A02)前記プレートの中央部に
    形成されたビーム通過孔、(A03)前記ビーム通過孔の
    両側に切り溝により形成され、前記ビーム通過孔を挟ん
    で自由端部が対向するように配置された回動レバー、
    (A04)前記回動レバーの外側に形成された圧電体収容
    孔、(A05)前記圧電体収容孔に収容され且つ電圧印加
    時に前記ビーム通過孔に向かう内方およびその反対方向
    の外方に沿って伸縮するように配置された圧電体、(A
    06)前記圧電体の内端部近傍位置において前記プレート
    によりホルダ内端部が支持されるとともに且つホルダ外
    端部が前記圧電体の外端部近傍位置に配置され、且つ前
    記ホルダ外端部により前記圧電体外端部を支持する線膨
    張係数が前記プレートより前記圧電体に近い値の材料に
    より構成された圧電体ホルダ、(A07)前記圧電体外端
    部を支持された圧電体が伸縮したときに圧電体内端部の
    位置変位を前記回動レバーに伝達する圧電体伸縮伝達部
    材、(A08)圧電体の伸縮が伝達されたときに回動し
    て、前記自由端部の位置変位が前記圧電体内端部の位置
    変位量より拡大される前記回動レバー、(A09)前記回
    動レバーの前記対向する自由端部にそれぞれ支持される
    とともにスリットを形成するように配置されたブレー
    ド、
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