JPH09312127A - 含浸型陰極構体、電子銃および電子管 - Google Patents

含浸型陰極構体、電子銃および電子管

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JPH09312127A
JPH09312127A JP12714996A JP12714996A JPH09312127A JP H09312127 A JPH09312127 A JP H09312127A JP 12714996 A JP12714996 A JP 12714996A JP 12714996 A JP12714996 A JP 12714996A JP H09312127 A JPH09312127 A JP H09312127A
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cathode
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JP12714996A
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Akito Hara
昭人 原
Toru Yakabe
徹 矢壁
Naoto Muro
直人 室
Hideji Takahashi
秀治 高橋
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、陰極からの熱放散を抑制する遮蔽
筒を設ける上で部品点数が少なくて部品コストが安価で
あり、また遮蔽筒を設ける上で製造が容易で製造コスト
が安価な含浸形陰極構体を提供することを課題とする。 【解決手段】 一端部にエミッタ含浸型陰極円板が固着
された陰極スリーブと、この陰極スリーブに内蔵された
ヒータと、陰極スリーブの外側に配置された遮蔽筒と、
この遮蔽筒の外側に配置されたホルダーと、このホルダ
ーの内側に配置され一端がホルダーに固定され他端が陰
極スリーブに固定された複数のストラップとを具備し、
ホルダーの端部に肩部が形成されるとともに、この肩部
で囲まれた部分に遮蔽筒を挿通する取付け孔が形成さ
れ、この取付け孔の内周縁は遮蔽筒の外周面が接触して
遮蔽筒が取付けられ、肩部にはストラップをホルダーの
内側から通して外側へ出して肩部で取付ける通し部が形
成されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー受像管などの
電子銃に設けられる含浸型陰極構体、電子銃および電子
管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管などの電子管の電子銃に設
けられる含浸型陰極構体は、陰極を加熱して電子を放射
するものであり、従来この含浸型陰極構体として、図7
の断面図に示す構成のものが知られている。
【0003】円筒体からなる陰極スリーブ1の一端には
エミッタ(電子放射性物質)が含浸された陰極円板2を
取付けたカップ3が取付けられている。陰極スリーブ1
はTa,Nb、Mo。Reなどの金属またはそれらの合
金で形成される。陰極円板2は空孔率20%程度のタン
グステン焼結体にBao、Al23 、CaOからなる
エミッタを含浸したものである。カップ3は例えばTa
で形成されており、陰極円板2からのエミッタの蒸発物
が後述するヒータ4の方へ飛散することにより発生する
ヒータ4の絶縁劣化を防止するとともに、エミッタの発
生する熱が側方から逃げることを防止するためのもので
ある。
【0004】陰極スリーブ1の内側には陰極円板2を加
熱するヒータ4が配置されており、このヒータ4は図示
しない電子管に取付けられた端子8に取付けられてい
る。陰極スリーブ1の外側には円筒体からなるホルダー
5が同軸的に配置されている。このホルダー5は例えば
Fe−Ni−Co系合金からなるもので、陰極スリーブ
1より大きな長さと大きな外径を有している。ホルダー
5の一端部には円周方向全体にわたり内側に向けて直角
に曲がる肩部5aが形成されており、この肩部5aで囲
まれた部分で挿通孔6が形成されている。陰極スリーブ
1はホルダー5の通し孔に挿通されてカップ3を有する
端部がホルダー5より外側へ突出されている。ホルダー
5は、ホルダー5の外周部において図示しない固定片を
介して図示しない電子銃の絶縁支持体に取付けられてい
る。
【0005】ホルダー5の内側には複数個のストラップ
7が円周方向に間隔を存した位置に配置されている。こ
のストラップ7は陰極スリーブの軸方向に沿って伸びる
短冊状をなすもので、その一端がホルダー5の通し孔6
を介して外側へ出されて肩部5aの外面に取付けられ、
他端が陰極スリーブ1の他端の外周面に取付けられてい
る。各ストラップ7は例えば陰極スリーブ1と同じ材料
で形成されている。
【0006】しかしながら、このように構成された従来
の含浸形陰極構体では、動作温度が酸化物陰極に比較し
て約200℃程高く、それに伴いヒータ4が陰極円板を
加熱する温度が高く定格動作時で約1250℃程度に達
する。その結果、ヒータ4および陰極円板2の熱変形
や、ヒータ4と陰極円板2との間の耐圧劣化が生じてい
る。
【0007】このため、陰極の熱効率を向上させ、陰極
の温度を上昇させる試みがなされている。例えば、特開
平2ー165545号では、陰極スリーブとホルダーと
の間に遮蔽筒を配置して、ヒータが発する熱を外部へ輻
射することを抑制するようにした含浸形陰極構体が提案
されている。
【0008】図8に示す断面図はこの構成を示してお
り、図7と同じ部分は同じ符号を付している。すなわ
ち、遮蔽筒11は両端が開放された円筒体をなすもの
で、陰極スリーブ1の直径より大きな直径と陰極スリー
ブ1の長さより短い長さを有している。遮蔽筒11は陰
極スリーブ1の外側に同軸的に配置され、ホルダー5の
通し孔6に通されて支持筒12によりホルダー5に取付
けられている。支持筒12は金属からなるもので、円筒
部12aとこの円筒部12aの一端に形成された鍔部1
2bとを有している。支持筒12の円筒部12aはホル
ダー5の通し孔6から外側に出ている遮蔽筒11の部分
に嵌合され、鍔部12bがホルダー5の肩部5aに当接
されて位置されている。そして、支持筒12の円筒部1
2aと遮蔽筒11、および鍔部12bとホルダー5の肩
部5aとは夫々溶接により固定される。これにより遮蔽
筒11は支持筒12を介してによりホルダー5に取付け
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の含浸形陰極構体では、第1に、遮蔽筒11をホルダ
ー5に取付けるために支持筒12という部品を用いてい
るために部品点数が多く、部品コストが高くなり、また
遮蔽筒11をホルダー5に取付けるために遮蔽筒11と
支持筒12とを固定し、支持筒12とホルダー5とを固
定するという二重の手間を必要であるために、遮蔽筒1
1をホルダー5に取付ける作業の工数が多く製造コスト
が高くなる、という問題がある。
【0010】そして、第2に、従来の含浸形陰極構体で
は、支持筒12の筒部12aが遮蔽筒11に、鍔部12
bがホルダー5の肩部5aに夫々大きな面積で接触して
いる。このため、遮蔽筒11により陰極円板2からの熱
放散が抑制されるが、熱が遮蔽筒11から支持筒12を
介してホルダー5へ伝導して逃げる割合が多く、含浸形
陰極構体として計算通りの陰極熱効率が得られない、と
いう問題がある。
【0011】本願の発明は、陰極からの熱放散を抑制す
る遮蔽筒を設ける上で部品点数が少なくて部品コストが
安価であり、また遮蔽筒を設ける上で製造が容易で製造
コストが安価な含浸形陰極構体、電子銃および電子管を
提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の含浸型
陰極構体は、一端部にエミッタ含浸型陰極円板が固着さ
れた陰極スリーブと、この陰極スリーブの内部に内蔵さ
れたヒータと、前記陰極スリーブの外側に同軸的に配置
された遮蔽筒と、この遮蔽筒の外側に同軸的に配置され
た筒形をなすホルダーと、このホルダーの内側に配置さ
れ一端が前記ホルダーに取付けられ他端が前記陰極スリ
ーブに取付られた複数のストラップとを具備し、前記ホ
ルダーにおける遮蔽筒側に位置する端部の内周部には肩
部が形成されるとともに、この肩部で囲まれた部分には
前記遮蔽筒を挿通する取付け孔が形成され、この取付け
孔の内周縁は前記遮蔽筒の外周面が接触して前記遮蔽筒
が取付けられ、且つ前記肩部には前記ストラップを前記
ホルダーの内側から通して外側へ出して前記肩部で取付
ける通し部が形成されていることを特徴とする。
【0013】この構成によれば、遮蔽筒をホルダーに形
成された取付け孔の内周縁に直接取付けるために、ホル
ダーに形成した取付け孔の内周縁で遮蔽筒の外周面に直
接接触して固定する。このため、遮蔽筒をホルダーに取
付けるために、特別に余分な部品を用いないので部品点
数が少なく、部品コストが低減される。また、遮蔽筒を
ホルダーに取付けるために、従来の遮蔽筒と支持筒とを
固定し、支持筒とホルダーとを固定するという二重の手
間を必要とせず、遮蔽筒をホルダーに取付ける作業の工
数が低減して製造コストが安価になる。
【0014】また、遮蔽筒をホルダーに形成された取付
け孔の内周縁に直接取付けるために、遮蔽筒とホルダー
との接触面積が小さくなり、遮蔽筒による陰極円板から
の熱放射の抑制に加えて、従来の遮蔽筒の熱が支持筒を
介してホルダーへ伝導することも抑制されて陰極熱効率
が向上する。
【0015】請求項2の発明の含浸型陰極構体は、前記
複数のストラップが前記ホルダーの周方向に分散して配
置され、且つ前記ホルダーの取付け孔の内周縁は周方向
に間隔を存した位置が前記遮蔽筒に接触してこれを取付
ける部分とされ、これら遮蔽筒を取付ける部分の間に
は、前記取付け孔の内周縁から前記肩部へかけて切欠さ
れて前記ストラップを挿通する部分とされていることを
特徴とする。
【0016】この構成によれば、ホルダーの内側に配置
したストラップをホルダーに形成した切欠部を通してホ
ルダーの肩部に外側から取付けることにより、ストラッ
プをホルダーに容易且つ確実に取り付けることができ
る。このため、ホルダー内部におけるストラップをホル
ダーに容易且つ確実に取付ける構成を損なうことなく、
遮蔽筒をホルダーに直接取付ける構成を実現することが
できる。
【0017】請求項3の発明の含浸型陰極構体は、前記
取付け孔の内周縁における遮蔽筒を取付ける部分が、前
記遮蔽筒の軸方向に延びて形成されていることを特徴と
する。
【0018】この構成によれば、遮蔽筒をホルダーに形
成された取付け孔の内周縁に一層容易に且つ安定直接取
付けることができる。請求項4の発明の含浸型陰極構体
は、前記ストラップが、前記ホルダーの肩部に取付けら
れた端部から前記ホルダーの軸方向に沿って起立して前
記軸方向に対して直角な方向に折り曲げられ、さらに前
記ホルダーの軸方向に沿って折り曲げられて前記陰極ス
リーブに取付けられていることを特徴とする。
【0019】この構成によれば、ストラップに、このス
トラップと陰極スリーブとの取付け点を支点とした陰極
スリーブにおける軸方向に沿う伸びと、ホルダーとスト
ラップとの取付け点を支点としたストラップにおける軸
方向に沿う逆向きの伸びを抑制する緩衝部としての作用
を持たせることができる。このため、これまでの述べた
作用に加えて、陰極構体の熱変形を小さくして電子銃に
おける陰極と第一グリッドとの間の距離変動を抑制でき
る。この結果、カットオフ電圧変動の変化を小さくし、
陰極構体をカラー受像管に用いる電子銃に組込んだ場
合、画像の色ずれを防止することができる。
【0020】請求項5の発明の電子銃は、上記請求項1
ないし請求項4の含浸型陰極構体を使用したことを特徴
とするものである。この構成によれば、優れた特性を有
する電子銃を提供することができる。
【0021】請求項6の発明の電子管は、上記請求項5
の電子銃を使用したことを特徴とするものである。この
構成によれば、優れた特性を有する電子管を提供するこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本願の発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。本願発明の第一の実施の
形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1
は本発明における第1の実施の形態の含浸型陰極構体の
平面図(a)および断面図(b)、図2は同斜視断面
図、図3はホルダーの平面図(a)および断面図(b)
である。
【0023】円筒体からなる陰極スリーブ21の一端に
はエミッタ(電子放射性物質)が含浸された陰極円板2
2を有するカップ23が取付けられている。陰極スリー
ブ21は例えばTa,Nb、Mo、Reなどの金属また
はそれらの合金で形成される。陰極円板22は例えば空
孔率20%程度のタングステン焼結体にBaO、Al2
3 、CaOからなる電子放射物質を含浸したものであ
る。カップ23は例えばTaで形成されており、陰極円
板22からのエミッタの蒸発物がヒータの方へ飛散する
ことにより発生するヒータ24の絶縁劣化を防止すると
ともに、エミッタの発生する熱が側方から逃げることを
防止するためものである。陰極円板22はレーザ溶接に
よりカップ23に取り付けられている。カップ23はレ
ーザ溶接により陰極スリーブ21に固定されている。な
お、カップ23は陰極スリーブ21と一体に形成しても
良い。
【0024】陰極スリーブ21の内側には陰極円板22
を加熱するヒータ24が配置されている。このヒータ2
4はコイル形をなすもので、その両端は図示しない電子
管に取付けられた端子31に取付けられている。陰極ス
リーブ21の外側には円筒体からなるホルダー25が同
軸的に配置されている。このホルダー25は例えばFe
−Ni−Co系合金からなるもので、陰極スリーブ21
より大きな長さと大きな外径を有している。
【0025】図2にも示すようにホルダー25の一端部
には円周方向全体にわたり内側に向けて直角に曲がる肩
部25aが形成されており、この肩部25aで囲まれた
部分で遮蔽筒用取付け孔26が形成されている。陰極ス
リーブ21はホルダー25の遮蔽筒用取付け孔26に挿
通されてカップ23を有する端部がホルダー25より外
側へ突出されている。ホルダー25は、ホルダー25の
外周部において図示しない固定片を介して図示しない電
子銃の絶縁支持体に取付けられている。
【0026】そして、ホルダー25における遮蔽筒側に
位置する端部の内周縁には肩部25aが形成されるとと
もに、この肩部25aで囲まれた部分には遮蔽筒を通し
て直接接触して取付ける取付け孔26が形成されてい
る。また、ホルダー25における肩部にはストラップを
ホルダーの内側から通して外側へ出して肩部25aで取
付けるストラップ用通し部28が形成されている。
【0027】すなわち、ホルダー25の肩部25aに囲
まれた遮蔽筒用取付け孔26の内周縁には3個の取付け
部27が円周方向に等間隔を存して形成されている。こ
れら各遮蔽筒用の取付け部27は遮蔽筒29を必要な固
定強度を得るために所定の長さ(周方向長さ)を有して
いる。すなわち、ホルダー25の取付け孔26の内周縁
は円周方向に間隔を存した3箇所の位置が遮蔽筒29に
接触してこれを取付ける部分とされている。
【0028】各遮蔽筒用取付け部27の間には、取付け
孔26の内周縁から肩部25aへかけて切欠されて3箇
所のストラップ用通し部28が形成されている。これに
より各遮蔽筒用の取付け部27と各ストラップ用の通し
部28は取付け孔26の円周方向に交互に並べて形成さ
れている。
【0029】遮蔽筒29は両端が開放された円筒体をな
すもので、陰極スリーブ21の直径より大きな直径と陰
極スリーブ21の長さより短い長さを有している。この
遮蔽筒29は陰極スリーブ21の外側に同軸的に配置さ
れている。取付け孔26の内周縁は遮蔽筒29の外周面
が接触して遮蔽筒29がレーザ溶接により固定されてい
る。
【0030】ホルダー25の内側には複数個のストラッ
プ30、例えば3個のストラップ30がホルダー25の
周方向に等間隔(120°)で分散して配置されてい
る。これら各ストラップ30はホルダー25の軸方向に
沿って伸びる短冊状をなすもので、各ストラップ30の
一端はホルダー25の肩部25aに通し部28を通して
外側へ出されて肩部25aの外面に当接されて例えばレ
ーザ溶接により固定されている。各ストラップ30の他
端は遮蔽筒29に接触しないように延びて陰極スリーブ
21の他端の外周面に当接されて例えばレーザ溶接によ
り固定されている。これにより各ストラップ30はホル
ダー25と陰極スリーブ21に取付けられている。な
お、各ストラップ30は例えば陰極スリーブ21と同じ
材料で形成されている。
【0031】ここで、各ストラップ30は、ホルダー2
5の肩部25aに取付けられた端部からホルダー25の
軸方向に沿って延びて軸方向に対して直角な方向に折り
曲げられ(第一の折曲げ部A)、さらにホルダー25の
軸方向に沿って折り曲げられ(第二の折曲げ部B)て陰
極スリーブ21に取付けられている。
【0032】これによりストラップ30における第一の
折曲げ部Aと第二の折曲げ部Bとの間は、ストラップ3
0と陰極スリーブ21との取付け点を支点とした陰極ス
リーブ21における軸方向に沿う伸びと、ホルダー25
とストラップ30との取付け点を支点としたストラップ
30における軸方向に沿う前記陰極スリーブ21におけ
る伸びとは逆向きの伸びを緩衝して、結果としてこれら
の伸びを抑制する緩衝部Cとして設定されている。
【0033】このように構成された含浸型陰極構体で
は、ホルダー25における遮蔽筒側に位置する端部の内
周部に肩部25aが形成されるとともに、この肩部25
aで囲まれた部分に遮蔽筒29を挿通する取付け孔26
が形成され、この取付け孔26の内周縁は遮蔽筒29の
外周面が接触して遮蔽筒29が取付けられ、且つ肩部2
5aにはストラップ30を肩部25aで取付けるために
ホルダー25の内側から通して外側へ出す通し部28が
形成されている。
【0034】このため、遮蔽筒29をホルダー25に形
成された取付け孔26の内周縁に直接取付けるために、
ホルダー25に形成した取付け孔26の内周縁で遮蔽筒
29の外周面に直接接触して固定する。従って、遮蔽筒
26をホルダー25に取付けるために、特別に余分な部
品を用いないので部品点数が少なく、部品コストが低減
される。また、遮蔽筒29をホルダー25に取付けるた
めに、従来の遮蔽筒29と支持筒とを固定し、支持筒と
ホルダーとを固定するという二重の手間を必要とせず、
遮蔽筒をホルダーに取付ける作業の工数が低減して製造
コストが安価になる。
【0035】遮蔽筒29をホルダー25に形成された取
付け孔26の内周縁に直接取付けるために、遮蔽筒29
とホルダー25との接触面積が小さくなり、遮蔽筒29
による陰極円板22からの熱放射の抑制に加えて、遮蔽
筒29の熱が従来の支持筒を介してホルダー25へ伝導
することも抑制されて陰極熱効率が向上して含浸型陰極
構体における省電力化を推進できる。本発明の含浸型陰
極構体の陰極温度を、支持筒を用いて遮蔽筒をホルダー
に取付けた従来の含浸型陰極構体の陰極温度と比較する
と、例えば本発明の含浸型陰極構体の陰極温度を20℃
も高くすることができる。
【0036】また、この含浸型陰極構体では、複数のス
トラップ30はホルダー25の周方向に分散して配置さ
れ、且つホルダー25の取付け孔26の内周縁は周方向
に間隔を存した位置が遮蔽筒29に接触してこれを取付
ける取り付け部27とされ、これら遮蔽筒29を取付け
る部分の間には、取付け孔26の内周縁から肩部25a
へかけて切欠されてストラップ30を挿通する通し部2
8とされている。
【0037】このため、ホルダー25の内側に配置した
ストラップ30をホルダー25に形成した通し部28を
通してホルダー25の肩部25aに外側から取付けるこ
とにより、ストラップ30をホルダー25に容易且つ確
実に取り付けることができる。このため、ホルダー25
の内部におけるストラップ30をホルダー25に容易且
つ確実に取付ける構成を損なうことなく、遮蔽筒29を
ホルダー25に直接取付ける構成を実現することができ
る。
【0038】さらにまた、この含浸型陰極構体では、ス
トラップに第一の折曲げ部Aと第二の折曲げ部Bを形成
し、この第一の折曲げ部Aと第二の折曲げ部Bとの間に
緩衝部Cを形成している。このため、ストラップ30と
陰極スリーブ21との取付け点を支点とした陰極スリー
ブ21における軸方向に沿う伸びと、ホルダー25とス
トラップ30との取付け点を支点としたストラップ30
における軸方向に沿う前記陰極スリーブ21における伸
びとは逆向きの伸びは、ストラップ30の緩衝部Cによ
り夫々抑制される。この結果、陰極円板22の熱変形に
よる陰極スリーブ21の伸びを抑えて、陰極と第一グリ
ッドとの間の距離変化を抑制できる。このため、カット
オフ電圧変動の変化を小さくし、陰極構体をカラー受像
管に用いる電子銃に組込んだ場合に画像の色ずれを防止
することができる。
【0039】ここで、この実施の形態の含浸型陰極構体
をカラー受像管に設ける電子銃に組込んでカットオフ電
圧の変化を調べた。カラー受像管を長時間使用して行く
と、陰極を構成する材料が熱変形して、電子銃における
陰極と第一グリッドとの間の距離に変化が生じる。この
距離変化によりカットオフ電圧が変化する。そして、こ
の距離変化は、赤、緑、青夫々の電子銃で一定でないの
が普通であるために、カラー受像管の蛍光面に入射する
電子ビーム電流が変化して画像の色ずれを起こす。ま
た、輝度劣化も生じる。
【0040】そこで、本発明例の含浸型陰極構体と従来
例の含浸型陰極構体を夫々対象とし、これら各含浸型陰
極構体における陰極の熱変形量をカラー受像管の陰極加
熱法令試験により確認した。この試験条件は、本発明の
陰極の到達温度が1150℃b(輝度温度)になるよう
に印加電圧を定め、5分オン、10分オフで4000回
繰り返し試験を行った。
【0041】図4にこの試験結果に基づく本発明例の含
浸型陰極構体と従来例の含浸型陰極構体におけるカット
オフ電圧の変化を示す。図4の線図から明らかなように
本発明の含浸型陰極構体のカットオフ電圧の変化は、従
来の含浸型陰極構体のカットオフ電圧の変化に比べて小
さいことがわかる。すなわち、本発明の含浸型陰極構体
の高温下で熱変形は、従来の含浸型陰極構体の高温下で
熱変形に比べて小さいことがわかる。
【0042】つまり、高温下でのオンオフ試験での陰極
の伸びを考えると、ストラップと陰極スリーブとの取付
け点を支点とした陰極スリーブにおける軸方向に沿う伸
びと、ホルダーとストラップとの取付け点を支点とした
ストラップにおける軸方向に沿う逆向きの伸びとのバラ
ンスで決定される。本発明では、ストラップに第一の曲
げ部と第二の曲げ部との間の緩衝部を形成して全体の伸
びを抑制している。
【0043】図5および図6は第二の実施の形態につい
て示している。図5は含浸型陰極構体の平面図(a)お
よび断面図(b)を示し、図6はホルダーの平面図
(a)および断面図(b)を示している。図5および図
6において図1ないし3と同じ部分は同じ符号を示して
いる。
【0044】この実施の形態では、ホルダーにおける取
付け孔26の内周縁に例えば3個の遮蔽筒用取付け部3
2が円周方向に等間隔(120°)を存して形成されて
おり、これらの取付け部32の間に3個のストラップ用
通し部33が形成されている。各遮蔽筒用取付け部32
は、夫々プレスによって遮蔽筒29の軸方向に沿って起
立されている。各遮蔽筒用取付け部32は遮蔽筒29の
外周面に接触してレーザ溶接により固定されている。こ
の実施の形態では、ホルダー25の取付け孔26の内周
縁における遮蔽筒用取付け部32は遮蔽筒29の軸方向
に沿って起立して形成されているために、遮蔽筒29の
外周面に接触する面積が第一の実施の形態の場合に比較
して大きくなる。このため、遮蔽筒29をホルダー25
に形成された取付け孔26の内周縁に一層容易に且つ安
定して取付けることができる。
【0045】なお、第1の実施の形態と同様に、各スト
ラップ30の一端はホルダー−25の肩部25aに通し
部33を通して外部へ出されて肩部25aの外面に当接
されて例えばレーザ溶接により固定されている。
【0046】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる。上記第1
の実施例および第2の実施例における含浸型陰極構体を
電子銃に使用し、さらに前記含浸型陰極構体を使用した
電子銃をカラー受像管に使用したところ、夫々優れた特
性を有する電子銃およびカラー受像管を得ることができ
た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の含浸型陰
極構体によれば、遮蔽筒をホルダーに形成された取付け
孔の内周縁に直接取付けるために、ホルダーに形成した
取付け孔の内周縁で遮蔽筒の外周面に直接接触して遮蔽
筒をホルダーに取り付けるので、遮蔽筒をホルダーに取
付けるために特別に余分な部品を用いないので部品点数
が少なく、部品コストが低減される。また、遮蔽筒をホ
ルダーに取付けるために、従来のように遮蔽筒と支持筒
とを固定し、支持筒とホルダーとを固定するという二重
の手間を必要せず、蔽筒をホルダーに取付ける作業の工
数が低減して製造コストが安価になる。
【0048】また、遮蔽筒をホルダーに形成された取付
け孔の内周縁に直接取付けるために、遮蔽筒とホルダー
との接触面積が小さくなり、遮蔽筒による陰極円板から
の熱放射の抑制に加えて、従来の遮蔽筒の熱が支持筒を
介してホルダーへ伝導することも抑制されて陰極熱効率
が向上して含浸型陰極構体における省電力化を推進でき
る。
【0049】請求項2の含浸型陰極構体によれば、複数
のストラップをホルダーの周方向に分散して配置し、且
つホルダーの取付け孔の内周縁における周方向に間隔を
存した位置を遮蔽筒用取付部とし、各遮蔽筒用取付け部
の間にホルダーにおける取付け孔の内周縁から肩部へか
けて切欠してストラップ用通し部を形成している。
【0050】このため、ホルダーの内側に配置したスト
ラップをホルダーに形成した切欠部を通してホルダーの
肩部に外側から取付けることにより、ストラップをホル
ダーに容易且つ確実に取り付けることができる。そし
て、ホルダーの内側におけるストラップをホルダーに容
易且つ確実に取付ける構成を損なうことなく、遮蔽筒を
ホルダーに直接取付ける構成を実現することができる。
【0051】請求項3の含浸型陰極構体によれば、取付
け孔の内周縁における遮蔽筒を取付ける部分を、遮蔽筒
の軸方向に起立して形成することにより、遮蔽筒をホル
ダーに形成された取付け孔の内周縁に一層容易に且つ安
定して取付けることができるようになる。
【0052】請求項4の含浸型陰極構体によれば、スト
ラップに形成した緩衝部により、ストラップと陰極スリ
ーブとの取付け点を支点とした陰極スリーブにおける軸
方向に沿う伸びと、ホルダーとストラップとの取付け点
を支点としたストラップにおける軸方向に沿う前記陰極
スリーブにおける伸びとは逆向きの伸びを抑制できる。
この結果、陰極円板の熱変形による陰極スリーブの伸び
を抑えて、陰極と第一グリッドとの間の距離変化を抑制
できる。このため、前述した各請求項のいずれかの効果
に加えて、カットオフ電圧変動の変化を小さくし、陰極
構体をカラー受像管に用いる電子銃に組込んだ場合に画
像の色ずれを防止することができる。
【0053】請求項5の発明の電子銃によれば、上記請
求項1ないし請求項4の含浸型陰極構体を使用すること
により、優れた特性を有する電子銃を提供することがで
きる。請求項6の発明の電子管によれば、上記請求項5
の電子銃を使用することにより、優れた特性を有する電
子管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施の形態の含浸型陰極
構体を示す図。
【図2】同実施の形態の含浸型陰極構体を示す斜視断面
図。
【図3】同実施の形態の含浸型陰極構体に用いるホルダ
ーを示す図。
【図4】同実施の形態の含浸型陰極構体および従来例の
含浸型陰極構体におけるカットオフ電圧の変化を示す線
図。
【図5】第二の実施の形態における含浸型陰極構体を示
す図。
【図6】同実施の形態の含浸型陰極構体に用いるホルダ
ーを示す図。
【図7】従来の形態の含浸型陰極構体を示す断面図。
【図8】従来の形態の含浸型陰極構体を示す断面図。
【符号の説明】 21…陰極スリーブ、 22…陰極円板、 23…カップ、 24…ヒータ、 25…ホルダー、 25a…肩部、 26…取付け孔、 27…取付け部、 28…通し部、 29…遮蔽筒、 30…ストラップ、 32…取付け部。
フロントページの続き (72)発明者 室 直人 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 高橋 秀治 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に含浸型陰極円板が固着された陰
    極スリーブと、この陰極スリーブの内部に内蔵されたヒ
    ータと、前記陰極スリーブの外側に同軸的に配置された
    遮蔽筒と、この遮蔽筒の外側に同軸的に配置された筒形
    をなすホルダと、このホルダーの内側に配置され一端が
    前記ホルダーに取付けられ他端が前記陰極スリーブに取
    付られた複数のストラップとを具備し、前記ホルダーに
    おける遮蔽筒側に位置する端部の内周部には肩部が形成
    されるとともに、この肩部で囲まれた部分には前記遮蔽
    筒を挿通する取付け孔が形成され、この取付け孔の内周
    縁は前記遮蔽筒の外周面が接触して前記遮蔽筒が取付け
    られ、且つ前記肩部には前記ストラップを前記ホルダー
    の内側から通して外側へ出して前記肩部で取付ける通し
    部が形成されていることを特徴とする含浸型陰極構体。
  2. 【請求項2】 前記複数のストラップは前記ホルダーの
    周方向に分散して配置され、且つ前記ホルダーの取付け
    孔の内周縁は周方向に間隔を存した位置が前記遮蔽筒に
    接触してこれを取付ける部分とされ、これら遮蔽筒を取
    付ける部分の間には、前記取付け孔の内周縁から前記肩
    部へかけて切欠されて前記ストラップ通し部とされてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の含浸型陰極構体。
  3. 【請求項3】 前記取付け孔の内周縁における遮蔽筒を
    取付ける部分は、前記遮蔽筒の軸方向に起立して形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の含
    浸型陰極構体。
  4. 【請求項4】 前記ストラップは、前記ホルダーの肩部
    に取付けられた端部から前記ホルダーの軸方向に沿って
    延びて前記軸方向に対して略直角な方向に折り曲げら
    れ、さらに前記ホルダーの軸方向に沿って折り曲げられ
    て前記陰極スリーブに取付けられていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の含浸型陰極構
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の含浸型陰極構体を使用したことを特徴とする電子
    銃。
  6. 【請求項6】 請求項5の電子銃を使用したことを特徴
    とする電子管。
JP12714996A 1996-05-22 1996-05-22 含浸型陰極構体、電子銃および電子管 Abandoned JPH09312127A (ja)

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