JPH09312080A - ベルト駆動式記録テープカートリッジ - Google Patents

ベルト駆動式記録テープカートリッジ

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JPH09312080A
JPH09312080A JP15344896A JP15344896A JPH09312080A JP H09312080 A JPH09312080 A JP H09312080A JP 15344896 A JP15344896 A JP 15344896A JP 15344896 A JP15344896 A JP 15344896A JP H09312080 A JPH09312080 A JP H09312080A
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JP
Japan
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tape
recording tape
drive belt
recording
pack
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JP15344896A
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Takeshi Kuriwada
健 栗和田
Masatoshi Tomatsu
正利 戸松
Ryuichi Yoshiyama
龍一 芳山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録テープを損傷することなく、ヘッドに対
する記録テープのトラッキング性能を向上し且つテープ
タッチを安定化することが出来、総合的にデータエラー
を減少することが出来るベルト駆動式記録テープカート
リッジを提供する。 【解決手段】 高容量タイプのテープカートリッジ
(1)において、記録テープ(5)の各テープパック
(5a)、(5b)に駆動ベルト(6)を介してその内
周面側からそれぞれ弾接し、テープパック(5a)、
(5b)の巻径の増大に応じて弾接力を漸次増大するト
ルク負荷手段(16)を備え、トルク負荷手段(16)
は駆動ベルト(6)を周方向に回転駆動するローラに近
い側のテープパック(5a)に、より大きな弾接力を付
与する構成とすると共に、駆動ベルト(6)の外周面に
は、その周方向に延び且つ両角部がラウンド形状を成す
複数の突条を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト駆動式記録
テープカートリッジに関し、詳しくは、記録テープを損
傷することなく、ヘッドに対する記録テープのトラッキ
ング性能を向上し且つテープタッチを安定化することが
出来、総合的にデータエラーを減少することが出来る様
に改良された高容量タイプのベルト駆動式記録テープカ
ートリッジに関する。なお、以下の説明において、「ベ
ルト駆動式記録テープカートリッジ」は適宜「テープカ
ートリッジ」と略称する。
【0002】
【従来の技術】テープカートリッジは、例えば、米国特
許第3,692,255号、同4,581,189号、
同4,466,564号の各明細書に開示され、簡便か
つ記憶容量が大きいことから、コンピューター等のデー
タ記録用として広く使用されている。
【0003】前記テープカートリッジは、一対のテープ
リールに巻取り、巻戻し自在に巻回される記録テープ
と、この記録テープを巻取り、巻戻し移送する駆動ベル
トとをハウジング内に収容した基本構成を有する。記録
テープは、そのパスラインの一部がハウジングのフロン
ト面に形成されたヘッド挿入部を横切って張設される。
また、駆動ベルトは、テープパック(記録テープのテー
プリールに巻回された部分)に外周面が所定の周長に亘
って摩擦接触するループ状のパスラインを形成して張設
される。そして、この駆動ベルトを張設する従動ローラ
がドライブユニット側の駆動ローラに摩擦接触して回転
駆動されることにより、駆動ベルトが周方向に回転駆動
され、これに摩擦接触する記録テープが巻取り、巻戻し
移送される様に構成されている。
【0004】また、この種のテープカートリッジにおい
ては、従動ローラの回転方向後方となる駆動ベルトの緊
張側で巻取り側のテープパックを回転駆動し、従動ロー
ラの回転方向前方となる駆動ベルトの弛緩側で繰出し側
のテープパックを回転駆動している。この場合、各テー
プパックを回転駆動する駆動ベルトの外周面の周速度
は、ベルトが厚くなる弛緩側に較べてベルトが薄くなる
緊張側の方が大きくなる。このため、繰出し側のテープ
パックに較べて巻取り側のテープパックの方が周速度が
若干速くなり、こうして、記録テープのパスラインにテ
ープテンションが発生する様に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のテー
プカートリッジは、記録テープと駆動ベルトとが単に面
接触しているに過ぎない。このため、駆動ベルトにより
記録テープを巻取り、巻戻し移送する際、記録テープは
駆動ベルトに対して幅方向に蛇行し易い。例えば、記録
テープと駆動ベルトとの間に空気が巻き込まれた場合に
は、記録テープが駆動ベルトに対して幅方向に蛇行する
虞があり、その結果、ドライブユニット側の磁気ヘッド
に対する記録テープのトラッキング性能が低下し、トラ
ッキングエラーを発生する虞があった。
【0006】一方、巻取り側のテープパックを回転駆動
する緊張側の駆動ベルトの外周面の周速度は、テープパ
ックの巻径の増大に応じて漸次増大する。このため、記
録テープのパスラインのテープテンションは、巻取り
(巻戻し)開始時(以下、BOT(BEGINNING OF TAPE
)と略称する)から巻取り(巻戻し)終了時(以下、
EOT(ENDDING OF TAPE )と略称する)に向かって漸
次増大する傾向にあり、磁気ヘッドに対する記録テープ
のテープタッチが変動してテープタッチの弱い個所では
データエラーが発生し易いという問題があった。
【0007】加えて、いわゆる高容量タイプのテープカ
ートリッジにおいては、テープテンションの変動特性が
記録テープの巻取り方向と巻戻し方向とで異なるという
問題があった。即ち、高容量タイプのテープカートリッ
ジでは、各テープリールの回転中心間隔が広く、その回
転中心を結ぶ線がハウジングのフロントラインに対して
直交または斜交しているため、駆動ベルトを周方向に回
転駆動する従動ローラと各テープパックとの距離に遠近
が生じる。このため、従動ローラから各テープパックに
至る駆動ベルトのパスラインに長短が生じ、そのパスラ
インの張力に大小が生じる。従って、記録テープの巻取
り方向と巻戻し方向とでは、駆動ベルトの緊張側の張力
が異なり、その外周面の周速度が異なる結果、テープテ
ンションの変動特性が記録テープの巻取り方向と巻戻し
方向とで異なるという問題があった。
【0008】ここで、記録テープのトラッキング性能を
向上する手段としては、記録テープに摩擦接触する駆動
ベルトの外周面に、複数の突条を周方向に沿って形成す
ることが考えられる。しかし、単に突条を形成しただけ
の駆動ベルトでは、突条の両角のエッジ部分で記録テー
プを損傷する虞がある。一方、磁気ヘッドに対する記録
テープのテープタッチを安定化する手段としては、巻径
の大きなテープパックに板バネ等を弾接させて回転負荷
を与えることにより、BOTでのテープテンションを上
昇補正すると共にEOTでのテープテンションを下降補
正することが考えられる。しかし、この場合には、板バ
ネ等で記録テープを損傷する虞がある。即ち、いずれの
手段においても記録テープを損傷する虞があり、データ
エラーを総合的に減少することは困難である。
【0009】本発明は、前記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、記録テープを損傷することなく、
ヘッドに対する記録テープのトラッキング性能を向上し
且つテープタッチを安定化することが出来、総合的にデ
ータエラーを減少することが出来る高容量タイプのベル
ト駆動式記録テープカートリッジを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する手
段として、本発明は、各テープリールの回転中心間隔が
広く、その回転中心を結ぶ線がハウジングのフロントラ
インに対して直交または斜交している一対のテープリー
ルと、各テープリールに巻取り、巻戻し自在に巻回され
且つそのパスラインの一部がハウジングのフロント面に
形成されたヘッド挿入部を横切って張設される記録テー
プと、各テープリールに巻回された記録テープの各テー
プパックに外周面が摩擦接触し且つその周方向に回転駆
動されることにより記録テープを巻取り、巻戻し移送す
るループ状の駆動ベルトとをハウジング内に収容して成
るベルト駆動式記録テープカートリッジにおいて、記録
テープの各テープパックに駆動ベルトを介してその内周
面側からそれぞれ弾接し、テープパックの巻径の増大に
応じて弾接力を漸次増大する一対のトルク負荷手段が備
えられ、この一対のトルク負荷手段は、駆動ベルトを周
方向に回転駆動するローラに近い側のテープパックに、
より大きな弾接力を付与する構成とされると共に、駆動
ベルトの外周面には、その周方向に延び且つ両角部がラ
ウンド形状を成す複数の突条が形成されていることを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るベ
ルト駆動式記録テープカートリッジにつき、図面を参照
して説明する。図1はテープカートリッジの内部構造を
示す斜視図、図2は駆動ベルトの断面図、図3はBOT
時における一対のトルク負荷手段の作用を示す平面図、
図4はEOT時における一対のトルク負荷手段の作用を
示す平面図、図5は一対のトルク負荷手段の変形例を示
す平面図、図6は実施例におけるテープテンションの変
動特性を示すグラフである。
【0012】図1に示す様に、本発明のテープカートリ
ッジ(1)は、各テープリール(2)、(3)の回転中
心間隔が広く、その回転中心を結ぶ線(L)がハウジン
グ(4)のフロントライン(M)に対して斜交している
一対のテープリール(2)、(3)と、各テープリール
(2)、(3)に巻取り、巻戻し自在に巻回され且つそ
のパスラインの一部がハウジング(4)のフロント面
(4a)に形成されたヘッド挿入部(4b)を横切って
張設される記録テープ(5)と、各テープリール
(2)、(3)に巻回された記録テープ(5)の各テー
プパック(5a)、(5b)に外周面が摩擦接触し且つ
その周方向に回転駆動されることにより記録テープ
(5)を巻取り、巻戻し移送するループ状の駆動ベルト
(6)とをハウジング(4)内に収容して成る。
【0013】一対のテープリール(2)、(3)は、ハ
ウジング(4)に覆われているベースプレート(7)上
に植設された支持軸(8)、(9)に回転自在に嵌合し
ている。そして、支持軸(8)、(9)の間隔が広いた
め、各テープリール(2)、(3)には最大巻数の大き
い高容量タイプの記録テープ(5)が巻回される様にな
っている。なお、ハウジング(4)は、フロント部分を
除いて図示を省略している。
【0014】記録テープ(5)の各テープパック(5
a)、(5b)の間は、ベースプレート(7)上に回転
自在に支持されている3本のテープガイドローラ(10
a)、(10b)、(10c)、即ち、ハウジング
(4)の前部の左右両端部付近に位置する左右一対のテ
ープガイドローラ(10a)、(10b)及びテープガ
イドローラ(10b)の後方に位置するテープガイドロ
ーラ(10c)により張設されている。テープガイドロ
ーラ(10a)、(10b)間に張設された部分のパス
ライン(5c)は、ハウジング(4)のフロントライン
(M)と平行に延びている。そして、このパスライン
(5c)がハウジング(4)のフロント面(4a)に形
成されたヘッド挿入部(4b)を横切ることにより、ド
ライブユニット(11)側の磁気ヘッド(12)に密着
可能となっている。
【0015】駆動ベルト(6)は、ハウジング(4)の
前部の左右中央部に位置し且つベースプレート(7)上
に回転自在に支持されてフロント面(4a)から若干突
出している従動ローラ(13)と、ハウジング(4)に
対して従動ローラ(13)と共に十文字に配置されてベ
ースプレート(7)上に回転自在に支持されている一群
のベルトガイドローラ(14a)、(14b)、(14
c)とにより、左右非対称のループ状のパスラインを形
成している。そして、従動ローラ(13)がドライブユ
ニット(11)側の駆動ローラ(15)に摩擦接触して
回転駆動されることにより、駆動ベルト(6)はその周
方向に回転駆動される。その際、駆動ベルト(6)の外
周面の一部が所定周長に亘って記録テープ(5)の各テ
ープパック(5a)、(5b)の外周面に摩擦接触する
ことにより、記録テープ(5)が一対のテープリール
(2)、(3)の間で巻取り、巻戻し移送される様に構
成されている。
【0016】本発明のテープカートリッジ(1)は、記
録テープ(5)の各テープパック(5a)、(5b)に
駆動ベルト(6)を介してその内周面側からそれぞれ弾
接し、テープパック(5a)、(5b)の巻径の増大に
応じて弾接力を漸次増大する一対のトルク負荷手段(1
6)、(17)が備えられ、この一対のトルク負荷手段
(16)、(17)は、駆動ベルト(6)を周方向に回
転駆動するローラとしての従動ローラ(13)に近い側
のテープパック(5a)に、より大きな弾接力を付与す
る構成とされると共に、駆動ベルト(6)の外周面に
は、その周方向に延び且つ両角部がラウンド形状を成す
複数の突条が形成されていることを特徴とする。
【0017】図1に示す様に、一対のトルク負荷手段
(16)、(17)は、先端部にそれぞれ回転ローラ
(16a)、(17a)を有するスイングアーム(16
b)、(17b)と、ベースプレート(7)に固定され
てスイングアーム(16b)、(17b)の基端部を回
転自在に支持する支持ピン(16c)、(17c)と、
各支持ピン(16c)、(17c)にそれぞれ巻装され
た巻バネ(16f)、(17f)とで構成されている。
そして、各巻バネ(16f)、(17f)の両端部は、
ベースプレート(7)上に突出する係止ピン(16
d)、(17d)及びスイングアーム(16b)、(1
7b)上に突出する係止ピン(16e)、(17e)に
それぞれ係止されている。
【0018】前記一方のトルク負荷手段(16)は、支
持ピン(16c)が従動ローラ(13)の近傍に位置し
て前側のテープリール(2)の近傍に配置されている。
そして、巻バネ(16f)がスイングアーム(16b)
を時計廻りに回動付勢することにより、回転ローラ(1
6a)が駆動ベルト(6)を介してその内周面側からテ
ープパック(5a)に弾接する様に構成されている。ま
た、他方のトルク負荷手段(17)は、支持ピン(17
c)がベルトガイドローラ(14c)の近傍に位置して
後側のテープリール(2)の近傍に配置されている。そ
して、巻バネ(17f)がスイングアーム(17b)を
時計廻りに回動付勢することにより、回転ローラ(17
a)が駆動ベルト(6)を介してその内周面側からテー
プパック(5b)に弾接する様に構成されている。
【0019】一対のトルク負荷手段(16)、(17)
における各巻バネ(16f)、(17f)のバネ定数
は、巻バネ(17f)より巻バネ(16f)の方が大き
く設定されている。この場合、巻バネ(17f)より巻
バネ(16f)の線径を太くしても良いし、巻数を多く
しても良い。そして、この様なバネ定数の設定により、
一対のトルク負荷手段(16)、(17)は、図1に示
す様に、各テープパック(5a)、(5b)の巻径が略
等しい場合、従動ローラ(13)に近い側のテープパッ
ク(5a)に、より大きな弾接力を付与する。これによ
り、パスライン(5c)のテープテンションの変動特性
は、記録テープ(5)の巻取り方向でも巻戻し方向でも
略同等となる様に構成されている。
【0020】一方、図2に示す様に、駆動ベルト(6)
の外周面には、その周方向に延び且つ両角部(6b)、
(6b)がラウンド形状を成す4本の突条(6c)、
(6c)、…が形成されている。この駆動ベルト(6)
は、突条(6c)、(6c)、…を含む厚さが通常80
〜200μm、幅が通常3〜10mmであり、周長は記
録テープ(5)の各テープパック(5a)、(5b)に
緩みなく摩擦接触できる見合いの寸法に設定されてい
る。なお、各突条(6c)、(6c)、…は、駆動ベル
ト(6)の幅にも依存するが、通常2〜10本の間で設
定される。
【0021】各突条(6c)、(6c)、…の両角部
(6b)、(6b)のラウンド形状は、駆動ベルト
(6)の厚さにもよるが、曲率半径(R)で通常10〜
100μm、好ましくは30〜80μmとされる。曲率
半径(R)が余りにも大きい場合は、記録テープ(5)
の各テープパック(5a)、(5b)に対する接触面積
が減少して十分な摩擦駆動力を伝達し得ないので好まし
くない。
【0022】前記のラウンド形状は、例えば、触針式表
面粗さ測定機による表面粗さの測定によって観察するこ
とが出来、また、駆動ベルト(6)の断面形状の顕微鏡
写真からも観察することが出来る。そして、曲率半径
(R)は、上記の顕微鏡写真に基づいて算出することが
出来る。
【0023】なお、各テープパック(5a)、(5b)
に摩擦接触する各突条(6c)、(6c)、…の上面の
表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下であることが好ま
しい。上記の表面粗さ(Ra)は、JIS B0601
−1994に準拠し、触針式表面粗さ測定機を使用し、
触針の先端半径2μm、荷重30mg、カットオフ値
0.08mmの条件下にて測定した値を意味する。
【0024】各突条(6c)、(6c)、…が一体に形
成される駆動ベルト(6)は、例えば、突条(5c)、
(5c)、…形成用の凹凸部を備えた転写金型によって
形成される。
【0025】駆動ベルト(6)を構成する弾性樹脂の種
類は、特に制限されないが、例えば転写金型による加熱
プレス加工が容易であり、伸びが大きく、耐摩耗性に優
れる弾性樹脂が好ましい。特に、20℃と60℃の各温
度で測定した貯蔵弾性率(E′)の差が20%以内(好
ましくは10%以下)である弾性樹脂が好ましい。上記
の温度範囲は、テープカートリッジ(1)が使用される
通常の環境の予想される最低温度および最高温度に対応
し、上記の貯蔵弾性率は、駆動ベルト(6)に掛かる応
力と歪みの比に対応する。
【0026】20℃と60℃の各温度で測定した貯蔵弾
性率(E′)の差が20%以内である弾性樹脂にて構成
された駆動ベルト(6)は、耐疲労性に優れており、記
録テープ(5)の走行時に作用する摩擦力によって十分
に耐えることが出来るため、伸びが少ないと言う特徴を
有する。従って、上記の粘弾性特性を有する駆動ベルト
(6)を備えたテープカートリッジ(1)においては、
駆動ベルト(6)の張力低下による記録テープ(5)の
張力低下が少ない。
【0027】駆動ベルト(6)に使用される弾性樹脂の
具体例としては、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリエス
テルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ブタジエン樹脂な
どが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリエーテル、
ブタジエン等から成る共重合体も使用することが出来
る。
【0028】次に、以上の様に構成されたテープカート
リッジ(1)につき、その使用例と共に作用を説明す
る。テープカートリッジ(1)は、ドライブユニット
(11)のテープ挿入口にフロント面(4a)側から挿
入される。そして、ドライブユニット(11)側の駆動
ローラ(15)に従動ローラ(13)が摩擦接触して回
転駆動され、駆動ベルト(6)がその周方向に回転駆動
されることにより、これに摩擦接触する記録テープ
(5)が巻取り、巻戻し移送される。その際、ドライブ
ユニット(11)側の磁気ヘッド(12)に記録テープ
(5)のパスライン(5c)が所定のテープテンション
をもって密着することにより、データの読取り又は書込
みが行なわれる。
【0029】この様なテープカートリッジ(1)におい
て、駆動ベルト(6)は4本の突条(6c)、(6
c)、…により記録テープ(5)の各テープパック(5
a)、(5b)に摩擦接触する。このため、記録テープ
(5)は幅方向に蛇行することなく巻取り、巻戻し移送
される。その結果、記録テープ(5)のパスライン(5
c)は良好な直進性をもって磁気ヘッド(12)を通過
する様になり、磁気ヘッド(12)に対する記録テープ
(5)のトラッキング性能が向上してトラッキングエラ
ーが解消される。しかも、その際、記録テープ(5)に
摩擦接触する各突条(6c)、(6c)、…は、その両
角部(6b)、(6b)がラウンド形状となっているた
め、記録テープ(5)を不用意に損傷することがなく、
記録テープ(5)の損傷が未然に防止される。
【0030】ここで、巻取り側のテープパック(5b)
は、図3に示す様に、記録テープ(5)の巻取り開始時
であるBOTでは巻径が小さく、図4に示す様に、巻取
り終了時であるEOTでは巻径が大きくなる。そして、
この巻取り側のテープパック(5b)に巻回された部分
の駆動ベルト(6)の外周面の周速度は、テープパック
(5b)の巻径の増大に応じて漸次増大する。即ち、巻
取り側のテープパック(5b)の回転速度はBOTから
EOTに向かって漸次増大する。従って、一対のトルク
負荷手段(16)を備えていない場合には、パスライン
(5c)のテープテンションは、BOTからEOTに向
かって漸次増大する傾向となる。
【0031】しかし、本発明のテープカートリッジ
(1)においては、図3に示すBOTでは一方のトルク
負荷手段(16)の回転ローラ(16a)が巻径の大き
な繰出し側のテープパック(5a)に弾接してその回転
トルクに負荷を与え、反対に、図4に示すEOTでは他
方のトルク負荷手段(17)の回転ローラ(17a)が
巻径の大きな巻取り側のテープパック(5b)に弾接し
てその回転トルクに負荷を与える。このため、BOTで
はテープパック(5a)側の負荷増大によりパスライン
(5c)のテープテンションが増大補正され、EOTで
はテープパック(5b)側の負荷増大によりパスライン
(5c)のテープテンションが減少補正される。従っ
て、パスライン(5c)のテープテンションは、BOT
からEOTにかけてフラットな特性となり、磁気ヘッド
(12)に対する記録テープ(5)のテープタッチが安
定化してテープタッチの変動に起因するデータエラーが
解消される。
【0032】一方、図3に示す様に、テープリール
(2)側からテープリール(3)側に記録テープ(5)
を移送する巻取り方向では、従動ローラ(13)からテ
ープパック(5b)に至る駆動ベルト(6)の長いパス
ラインが緊張側となってテープパック(5b)を回転駆
動する。また、図4に示す様に、テープリール(3)側
からテープリール(2)側に記録テープ(5)を移送す
る巻戻し方向では、従動ローラ(13)からテープパッ
ク(5a)に至る駆動ベルト(6)の短いパスラインが
緊張側となってテープパック(5a)を回転駆動する。
このため、一対のトルク負荷手段(16)を備えていな
い場合には、駆動ベルト(6)の緊張側の張力は、記録
テープ(5)の巻取り方向に較べて巻戻し方向で大きく
なる。即ち、駆動ベルト(6)の緊張側の厚みは、巻取
り方向に較べて巻戻し方向で薄くなり、巻取り方向での
テープパック(5b)の周速度より巻戻し方向でのテー
プパック(5a)の周速度の方が大きくなる。従って、
一対のトルク負荷手段(16)、(17)を備えていな
い場合には、テープテンションの変動特性が記録テープ
(5)の巻取り方向と巻戻し方向とで異ってしまう。
【0033】しかし、本発明のテープカートリッジ
(1)では、一対のトルク負荷手段(16)、(17)
における各巻バネ(16f)、(17f)のバネ定数
は、線径を太くし、又は、巻数を多くする等の手段によ
り、巻バネ(16f)の方が大きく設定されている。こ
のため、一対のトルク負荷手段(16)、(17)は、
従動ローラ(13)に近い側のテープパック(5a)
に、より大きな弾接力を付与し、巻取り方向でのテープ
パック(5b)の周速度と巻戻し方向でのテープパック
(5a)の周速度とを略同等とする。従って、パスライ
ン(5c)のテープテンションは、記録テープ(5)の
巻取り方向と巻戻し方向とで略同じ特性を示す様にな
り、磁気ヘッド(12)に対する記録テープ(5)のテ
ープタッチが安定化してテープタッチの変動に起因する
データエラーが解消される。
【0034】その際、一対のトルク負荷手段(16)、
(17)における各回転ローラ(16a)、(17a)
は、駆動ベルト(6)を介してその内周面側から各テー
プパック(5a)、(5b)に弾接する。しかも、各テ
ープパック(5a)、(5b)に直接弾接する駆動ベル
ト(6)の各突条(6c)、(6c)、…は、その両角
部(6b)、(6b)がラウンド形状となっている。従
って、記録テープ(5)の損傷が未然に防止され、記録
テープ(5)の損傷に起因するデーターエラーが防止さ
れる。
【0035】なお、本発明において、一対のトルク負荷
手段としては、図5に示す一対のトルク負荷手段(1
8)、(19)を採用することが出来る。図5に示す一
対のトルク負荷手段(18)、(19)は、ベースプレ
ート(7)に形成された扇状の収容凹部(7a)、(7
b)内に配置されて基端部が支持ピン(18a)、(1
9a)により回転自在に支持されたスイングアーム(1
8b)、(19b)と、各スイングアーム(18b)、
(19b)の揺動先端部に回転自在に支持された回転ロ
ーラ(18c)、(19c)とで構成されている。そし
て、各回転ローラ(18c)、(19c)は、駆動ベル
ト(6)のパスラインの内側に配置されてその内周面に
接触し、駆動ベルト(6)の張力を受けて各テープパッ
ク(5a)、(5b)側に押圧され、その弾接力を各テ
ープパック(5a)、(5b)の巻径の増大に応じて漸
次増大する様に構成されている。
【0036】
【実施例】以下、前述の図1、図5に示した各テープカ
ートリッジ(1)につき、テープテンションとその変化
率およびデータエラーの発生状況に関する測定結果を説
明する。なお、各実施例および比較例のテープカートリ
ッジとしては、縦126mm、横81mm、厚み14m
m、記録テープ(5)のテープ幅が6.35mm、駆動
ベルト(6)のテンションが12オンスの高容量タイプ
のテープカートリッジを使用した。
【0037】テープテンションは、測定装置としてウェ
ストレーク社製のメカニカルテスターを使用し、記録テ
ープの走行速度を90インチ/秒として測定した。そし
て、記録テープの巻取り方向および巻戻し方向のそれぞ
れについて、BOTでのテープテンションに対するEO
Tでのテープテンションの比率を算出してテープテンシ
ョンの変化率を求めた。
【0038】また、データエラーは、ドライブユニット
としてコロラドメモリーシステム社製のQICカートリ
ッジ用ドライブを使用し、記録テープにデータを1回書
込み、2回読出す操作を60時間連続して行うことによ
り、1トラックにおける1m当りのデータエラーの発生
個数を測定した。
【0039】[実施例1]図1に示したテープカートリ
ッジ(1)では、一対のトルク負荷手段(16)、(1
7)の各回転ローラ(16a)、(17a)の直径を6
mm、その回転トルクを25gcm、各テープパック
(4a)、(4b)に対するその押圧力を最大で180
g、最小で20gとした。このテープカートリッジ
(1)では、テープテンションの測定結果は図6に示す
通りであった。テープテンションの変化率は、巻取り方
向では1.0であり、巻戻し方向では1.1であった。
また、データエラーの発生個数は、巻取り方向では0.
12であり、巻戻し方向では0.10であった。
【0040】[実施例2]図5に示したテープカートリ
ッジ(1)では、一対のトルク負荷手段(18)、(1
9)の各回転ローラ(18a)、(19a)の直径を1
5mm、その回転トルクを20gcmとした。このテー
プカートリッジ(1)では、テープテンションの変化率
は、巻取り方向では1.1であり、巻戻し方向では1.
0であった。また、データエラーの発生個数は、巻取り
方向では0.13であり、巻戻し方向では0.11であ
った。
【0041】[比較例]トルク負荷手段を備えていない
点を除き各実施例のテープカートリッジ(1)と同様に
構成された比較例のテープカートリッジでは、テープテ
ンションの変化率は、巻取り方向では3.7であり、巻
戻し方向では3.5であった。また、データエラーの発
生個数は、巻取り方向では2.51であり、巻戻し方向
では2.03であった。
【0042】以上の測定結果を比較すると、図1、図5
に示した各実施例のテープカートリッジ(1)は、いず
れも、テープテンションの変化率が1.0付近であり、
テープテンションの変動特性が極めてフラットであるこ
とが判明した。また、データエラーの発生個数は、従来
例に較べて20分の1程度に減少していることが判明し
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るベルト
駆動式記録テープカートリッジにおいては、両角部がラ
ウンド形状を成す複数の突条により駆動ベルトが記録テ
ープに摩擦接触するため、良好な直進性をもって記録テ
ープを損傷することなく巻取り、巻戻し移送することが
出来る。また、一対のトルク負荷手段が、記録テープに
おける巻径の小さい側より大きい側のテープパックに、
より大きな弾接力を付与して回転トルクの負荷を与える
ため、記録テープの巻取り(巻戻し)開始時のテープテ
ンションが増大補正され、巻取り(巻戻し)終了時のテ
ープテンションが減少補正されてテープテンションの変
動が緩和される。加えて、一対のトルク負荷手段は、駆
動ベルトを周方向に回転駆動するローラに近い側のテー
プパックに、より大きな弾接力を付与して回転トルクの
負荷を大きくするため、記録テープの巻取り時と巻戻し
時のテープテンションの変動特性が近似する傾向とな
る。その際、一対のトルク負荷手段による弾接力は、駆
動ベルトの両角部がラウンド形状を成す複数の突条を介
して付与されるため、記録テープの損傷が未然に防止さ
れる。
【0044】従って、本発明によれば、高容量タイプの
テープカートリッジに対し、記録テープを損傷すること
なく、ヘッドに対する記録テープのトラッキング性能を
向上し且つテープタッチを安定化することが出来、総合
的にデータエラーを減少することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープカートリッジの内部構造を示す斜視図で
ある。
【図2】駆動ベルトの断面図である。
【図3】BOT時における一対のトルク負荷手段の作用
を示す平面図である。
【図4】EOT時における一対のトルク負荷手段の作用
を示す平面図である。
【図5】一対のトルク負荷手段の変形例を示す平面図で
ある。
【図6】実施例におけるテープテンションの変動特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 :テープカートリッジ 2 :テープリール 3 :テープリール 4 :ハウジング 4a :フロント面 4b :ヘッド挿入部 5 :記録テープ 5a :テープパック 5b :テープパック 5c :パスライン 6 :駆動ベルト 6a :パスライン 6b :両角部 6c :突条 7 :ベースプレート 7a :収容凹部 7b :収容凹部 8 :支持軸 9 :支持軸 10a:テープガイドローラ 10b:テープガイドローラ 10c:テープガイドローラ 11 :ドライブユニット 12 :磁気ヘッド 13 :従動ローラ 14a:ベルトガイドローラ 14b:ベルトガイドローラ 14c:ベルトガイドローラ 15 :駆動ローラ 16 :トルク負荷手段 16a:回転ローラ 16b:スイングアーム 16c:支持ピン 16d:係止ピン 16e:係止ピン 16f:巻バネ 17 :トルク負荷手段 17a:回転ローラ 17b:スイングアーム 17c:支持ピン 17d:係止ピン 17e:係止ピン 17f:巻バネ 18 :トルク負荷手段 18a:支持ピン 18b:スイングアーム 18c:回転ローラ 19 :トルク負荷手段 19a:支持ピン 19b:スイングアーム 19c:回転ローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各テープリールの回転中心間隔が広く、
    その回転中心を結ぶ線がハウジングのフロントラインに
    対して直交または斜交している一対のテープリールと、
    各テープリールに巻取り、巻戻し自在に巻回され且つそ
    のパスラインの一部がハウジングのフロント面に形成さ
    れたヘッド挿入部を横切って張設される記録テープと、
    各テープリールに巻回された記録テープの各テープパッ
    クに外周面が摩擦接触し且つその周方向に回転駆動され
    ることにより記録テープを巻取り、巻戻し移送するルー
    プ状の駆動ベルトとをハウジング内に収容して成るベル
    ト駆動式記録テープカートリッジにおいて、記録テープ
    の各テープパックに駆動ベルトを介してその内周面側か
    らそれぞれ弾接し、テープパックの巻径の増大に応じて
    弾接力を漸次増大する一対のトルク負荷手段が備えら
    れ、この一対のトルク負荷手段は、駆動ベルトを周方向
    に回転駆動するローラに近い側のテープパックに、より
    大きな弾接力を付与する構成とされると共に、駆動ベル
    トの外周面には、その周方向に延び且つ両角部がラウン
    ド形状を成す複数の突条が形成されていることを特徴と
    するベルト駆動式記録テープカートリッジ。
JP15344896A 1996-05-23 1996-05-23 ベルト駆動式記録テープカートリッジ Withdrawn JPH09312080A (ja)

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